JP7133390B2 - 包装袋 - Google Patents
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Description
特許文献1の包装袋は、流通過程における破損を防止することができるように耐衝撃性を向上させたものである。
また、一方の横シール部は、ノッチの最深部から中心軸と平行な方向に10mm以上の長さを有することが好ましい。
また、一方の横シール部の交差方向に沿った縁部で且つ一方の横シール部の交差方向における中央部の両側にそれぞれ形成された一対のノッチを備えることができる。
また、基材層とシーラント層は、ポリエチレンからなる接着層を介して接合されていることが好ましい。
この際に、袋本体は、袋本体の内側を向いたシーラント層同士が接着されることにより形成され且つ中心軸と平行な方向に延びる縦シール部を有することが好ましい。
また、袋本体の内部に、温度60℃~100℃で流動性し且つ温度20℃~25℃で粘度5Pa・s~3000Pa・sを有する食品からなる被充填物が充填されることができる。
上記被充填物の食品の例としては、フラワーペースト、ジャム、ピューレ、半固形状調味料、ソース類、惣菜類等が挙げられる。
以下、この発明の実施の形態1を添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1に係る包装袋11を示す平面図である。この包装袋11は、60℃~100℃で流動性を有する食品からなる被充填物が充填され、輸送される。このような被充填物としては、例えば、多数の菓子パン、調理パン等のフィリングに使用されるフラワーペースト、ジャム、ピューレ、ミートソース、ホワイトソース、トマトソース等のソース類、マヨネーズ等の半固形調味料、カレー、シチュー、その他の惣菜類等が挙げられる。そこで、包装袋11が流通過程において受ける衝撃により包装袋11が破損することを防止するために、包装袋11には高い強度と耐衝撃性が求められる。同時に、被充填物に周辺環境の影響が及ぶことを防止するために、包装袋11には高い密閉性、防気性等が求められる。
なお、横シール部14Bも、強度を考慮すると、中心軸方向D1に10mm以上の長さを有することが好ましい。
また、接着層18は、基材層17とシーラント層19を互いに積層するように接着するための層であり、接着層18としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。
また、基材層17とシーラント層19とは、接着層18により互いに積層するように接着されているが、例えば、接着層18としてポリエチレンを使用し、押し出しラミネート法を用いて基材層17とシーラント層19とを互いに接着することができる。また、接着層18としてポリエチレン以外の材料を使用し、ドライラミネート法を用いて基材層17とシーラント層19とを互いに接着することもできる。あるいは、接着層18を用いない融着を利用することもできる。このようにして、基材層17、接着層18、シーラント層19から形成される積層フィルム16は、高い強度、耐衝撃性、密封性、防気性等を有している。
また、包装袋11の製造過程において、横シール部14Aの縁部Eの形成とノッチ15の形成とを同時に行うことができるため、包装袋11は、複雑な製造条件等を設定することなく容易に製造されることができる。
実施の形態1では、図1に示すように、横シール部14Aの縁に1つのノッチ15が形成されているが、複数のノッチが形成されることもできる。
例えば、図6に、実施の形態2の包装袋11Aを示す。包装袋11Aの横シール部24Aの縁部Eには、交差方向D2において縦シール部13の両側に、それぞれノッチ15Aとノッチ15Bが形成されている。ノッチ15Aは、縦シール部13から見て第1交差方向端部T1側に形成されており、ノッチ15Bは、縦シール部13から見て第2交差方向端部T2側に形成されている。
実施の形態1および2では、積層フィルム16として、加熱により収縮する熱収縮性フィルムを使用し、積層フィルム16により形成される袋本体12内に被充填物を充填した後に袋本体12を収縮させたが、必ずしも袋本体12を収縮させる必要はない。すなわち、熱収縮しない積層フィルムから袋本体12を形成することもできる。この場合にも、積層フィルムのシーラント層19が引き裂き強度の異方性を有し、横シール部14Aおよび24Aにノッチ15、15A、15Bを形成することにより、流通過程における破損を防止しながらも、刃物を使用することなく包装袋11および11Aを容易に開封して被充填物を取り出すことができる。
熱収縮性ポリアミドからなる厚み15μmのフィルムを基材層17とし、ポリエチレンからなる厚み20μmのフィルムを接着層18とし、直鎖状低密度ポリエチレンからなる厚み40μmのフィルムをシーラント層19とする積層フィルム16を用いて包装袋を製造した。この際に、図2に示すように、横シール部14Aの中心軸方向D1における横シール長さLLを14mm、ノッチ15のノッチ長さLNを4mm、横シール部14Aの交差方向D2における横シール幅WLを180mm、縦シール部13の交差方向D2における縦シール長さWCを15mm、第1交差方向端部T1からノッチ15までの交差方向D2における距離PN、すなわちノッチ位置を30mmとした。また、横シール部14Aおよび14B、縦シール部13を形成する際に、150℃~160℃の温度で積層フィルム16を接着した。また、横シール部14Aを形成して、被充填物として、温度が約70℃のフラワーペースト5kgを袋本体12の内部に密封した後、包装袋を90℃の湯水に浸して加熱処理を行い、包装袋を熱収縮させた。なお、フラワーペーストは、温度約70℃で流動性を有し、且つ、温度20℃~25℃で粘度70Pa・sを有していた。ここで、フラワーペーストの粘度は、B型粘度計を用いて測定した。
第1交差方向端部T1からノッチ15までの交差方向D2における距離PNを50mmとしたこと以外は、実施例1の包装袋と同一の包装袋を製造した。
実施例3
第1交差方向端部T1からノッチ15までの交差方向D2における距離PNを70mmとしたこと以外は、実施例1の包装袋と同一の包装袋を製造した。
比較例1
第1交差方向端部T1からノッチ15までの交差方向D2における距離PNを10mmとしたこと以外は、実施例1の包装袋と同一の包装袋を製造した。
比較例2
ノッチ15を形成していないこと以外は、実施例1の包装袋と同一の包装袋を製造した。
「A」:ノッチ15の最深部DPを起点とした包装袋の裂け目が、ほぼ中心軸方向D1に向かって進行し、横シール部14Bにまで至った。
「B」:ノッチ15の最深部DPを起点とした包装袋の裂け目が、中心軸方向D1から傾いた方向に向かって進行したが、横シール部14Bにまで至った。
「C」:ノッチ15の最深部DPを起点とした包装袋の裂け目が横シール部14Bに至る前に、積層フィルム16が千切れた。
「A」:残渣の平均重量が20g未満。
「B」:残渣の平均重量が20g以上25g未満。
「C」:残渣の平均重量が25g以上。
このような基準に基づいて行った開封性評価の結果と取出性評価の結果を以下の表1に示す。
その結果、比較例1は、取出性評価の結果が「C」であり、取出性にも難があった。比較例1では、開封部が中心軸方向D1から大きく傾いた方向に沿って形成され、さらに、カッターでは袋本体12の表面の一辺しか開封されず、結果として、袋本体12に十分な大きさを有する開封部が形成されなかったため、残渣量が多くなったと考えられる。
比較例3
ノッチ長さLNを6mmとした以外は、実施例1の包装袋と同一の包装袋を製造した。
実施例1は、輸送試験がなされても包装袋が破損することはなく、優れた輸送強度を得ることができた。一方、比較例3は、輸送試験の結果、ノッチ長さLNが増大して袋本体12まで至り、袋本体12が破損した。
実施例1および比較例3における横シール部14Aの横シール長さLLは、14mmであるため、ノッチ15から袋本体12までの中心軸方向D1における長さが10mm以上である場合に、優れた輸送強度を得ることができることが分かる。
Claims (11)
- 基材層とシーラント層とが接合された積層フィルムからなり、前記シーラント層が内側を向くように筒形状に形成され且つ内部に被充填物が充填される袋本体と、
前記筒形状の中心軸の方向における前記袋本体の両端部をそれぞれ密閉し且つ前記中心軸に交差する交差方向に延びる一対の横シール部と、
前記一対の横シール部のうち一方の横シール部の前記交差方向に沿った縁部に形成され且つ前記袋本体を引き裂くための少なくとも1つのノッチと
を備え、
前記シーラント層は、前記シーラント層の表面に沿って互いに直交する第1の方向と第2の方向とにおいて引き裂き強度に異方性を有し、前記第1の方向および前記第2の方向のうち相対的に小さな引き裂き強度を有する前記第1の方向が前記中心軸と平行に延びるように配置され、
前記基材層と前記シーラント層のうち、前記シーラント層のみが引き裂き強度に異方性を有し、
前記積層フィルムは、前記袋本体の内部に前記被充填物が充填された後において加熱処理が施されることにより収縮する熱収縮フィルムであり、
前記一方の横シール部が前記中心軸と平行な方向に引っ張られることにより、前記ノッチから前記袋本体が前記中心軸と平行に引き裂かれて前記被充填物が取り出されることを特徴とする包装袋。 - 前記一方の横シール部の前記交差方向における幅の半分の長さに対する、前記一方の横シール部の前記交差方向における前記端部から前記ノッチまでの距離の割合は、30%~80%である請求項1に記載の包装袋。
- 前記一方の横シール部は、前記ノッチの最深部から前記中心軸と平行な方向に10mm以上の長さを有する請求項1または2に記載の包装袋。
- 前記ノッチは、前記中心軸と平行な方向に延びる請求項1~3のいずれか一項に記載の包装袋。
- 前記一方の横シール部の前記交差方向に沿った縁部で且つ前記一方の横シール部の前記交差方向における中央部の両側にそれぞれ形成された一対の前記ノッチを備える請求項1~4のいずれか一項に記載の包装袋。
- 前記積層フィルムにおいて、前記シーラント層は直鎖状低密度ポリエチレンからなり、前記基材層は熱収縮性ポリアミドからなる請求項1に記載の包装袋。
- 前記基材層と前記シーラント層は、ポリエチレンからなる接着層を介して接合されている請求項1または6に記載の包装袋。
- 前記一対の横シール部は、それぞれ、前記袋本体の内側を向いた前記シーラント層同士が接着されることにより形成される請求項1~7のいずれか一項に記載の包装袋。
- 前記袋本体は、前記袋本体の内側を向いた前記シーラント層同士が接着されることにより形成され且つ前記中心軸と平行な方向に延びる縦シール部を有する請求項8に記載の包装袋。
- 前記袋本体の内部に、温度60℃~100℃で流動性を有し且つ温度20℃~25℃で粘度5Pa・s~3000Pa・sを有する食品からなる前記被充填物が充填される請求項1~9のいずれか一項に記載の包装袋。
- 前記被充填物は、フラワーペースト、ジャム、ピューレ、半固形状調味料、ソース類、惣菜類のうちいずれか1つからなる請求項9に記載の包装袋。
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