JP7131846B2 - 布帛の加工装置、布帛の製造方法、並びに布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、布帛の長手方向に連続した突起を有する長尺布帛の加工装置、突起の周面に艶を有する布帛の製造方法、並びに該布帛に関する。
従来から、超極細繊維を含む織編物の表面にカレンダー加工など加圧加熱加工を施すことにより、ソフトな風合いを損なわず視点の角度により光沢度が変化する織編物が得られることが知られている(例えば、特許文献1)。
また、連続する拡布状布帛に光沢を付与する複数の対向するロールからなる装置(例えば、特許文献2)や、布帛を加熱ローラと押えローラとの間を通過させて布帛を加熱、加圧するカレンダー装置(例えば、特許文献3)が知られている。
これらの従来技術は、加熱ローラの熱と、ローラ間の加圧により布帛の表面に光沢を付与するものであるが、布帛の厚みに斑があると付与された光沢も斑が生じてしまうため、厚みが略均一な布帛を前提にした装置であった。
ところで、布帛面に凸部を有する布帛に光沢を付与するために上述の装置を用いると、布帛面の凸部の光沢を付与することはできたとしても、加熱、加圧するローラとローラとの間を通過させ、加圧することによって凸部の高さが減少し、さらには形が潰れるなど変形してしまうという問題があった。
また、布帛面の凸部以外に光沢を付与する必要がない場合にも、意図しない光沢が付与されてしまう恐れがあったばかりか、その部分の強度(例えば、縫目強度、破れ性等)が低下してしまう懸念があった。
特開2009-155791号公報 実全平02-118791号公報 実開平05-054596号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、布帛の長手方向に連続した突起が意図しない変形や潰れなどを発生させることも、布帛の他の部分の強度を低下させてしまう懸念もない、突起の周面に艶を付与することができる布帛の加工装置、並びに布帛の製造方法を提供することを目的とする。
また、単繊維径50~1500nmの有機繊維のような特定範囲の径の繊維を用いる必要がないうえに、布帛の長手方向に連続した突起が意図しない変形や潰れなどなく、突起の周面に艶を有する意匠性に優れた布帛を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]長尺の布帛の加工装置であって、加熱手段が設けられた上型と、該上型に対して対向する下型と、を備え、該上型及び該下型により形成される挟圧部が空間を有するトンネル状であり、前記布帛は長手方向に連続してつながった突起を有し、前記挟圧部は、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧することで、前記突起の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする布帛の加工装置。
[2]前記挟圧部の入口及び/又は出口の断面が、略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円形からなる群から選ばれるいずれか1種である前項1に記載の布帛の加工装置。
[3]ポリエステル繊維を含む長尺の布帛を製造する方法であって、前記布帛に長手方向に連続してつながった突起を形成する工程と、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧する工程と、を含み、前記挟圧は、前記突起の断面積の50%~99%の範囲であり、前記突起の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする布帛の製造方法。
[4]ポリエステル繊維を含む長尺の布帛であって、前記布帛が織物からなり、前記布帛を製織してなる長手方向に連続してつながった突起を有し、前記突起が袋型組織による突起であり、前記突起の周面は艶を有することを特徴とする布帛。
[5]前記突起が、前記布帛の表面又は裏面、又は前記布帛の長手方向に平行な端部にある前項4に記載の布帛。
[6]前記艶が前記布帛の長手方向の縞模様である前項4または5に記載の布帛。
[7]前記突起が前記布帛の長手方向に平行な一方の端部にのみ有る前項4~6のいずれか1項に記載の布帛。
[1]の発明では、加熱手段が設けられた上型と、該上型に対して対向する下型と、を備え、該上型及び該下型により形成される挟圧部が空間を有するトンネル状であり、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧するので、意図しない変形や潰れなどを発生させることも、布帛の突起以外の部分の加熱による強度低下の恐れもなく、布帛の長手方向に連続してつながった突起の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することができる装置で、しかも、艶の程度を調整することもできることから、平面だけでは表現できない優れた意匠性を付与できる布帛の加工装置である。
[2]の発明では、前記挟圧部の入口及び/又は出口の断面が、略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円形からなる群から選ばれるいずれか1種であるので、突起の形状を上述の断面の様に成形できることから、平面だけでは表現できない優れた意匠性を付与できる布帛の加工装置である。
[3]の発明では、ポリエステル繊維を含む長尺の布帛を製造する方法であって、前記布帛に長手方向に連続してつながった突起を形成する工程を設けているので、布帛の表面又は裏面のいずれか一方の面や、長手方向に平行な端部に突起した形状を形成することができる。そして、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧する工程を設けているので、布帛の長手方向に連続してつながった突起した形状の周面に艶を付与することができる。この工程では、挟圧は前記突起の断面積の50%~99%の範囲であり、加熱と挟圧によって艶の程度を調整することも突起の形状を成形することもできる。加熱も挟圧もしない部分は、その影響を受けることが無いので布帛の強度低下の恐れもなく、布帛の突起の意図しない変形や潰れなどを発生させることもない。こうして、立体的に艶を表現することができることから、平面だけでは表現できない意匠性に優れた布帛を製造できる。
[4]、[5]の発明では、特定範囲の径の繊維を用いる必要がないうえに、布帛の長手方向に連続してつながった突起が意図しない変形や潰れなどなく、突起の周面に艶を有することから、すなわち、立体的に艶を表現することができることから、平面だけでは表現できない意匠性に優れた布帛とすることができる。
[6]の発明では、前記艶が、前記布帛の長手方向と同方向の縞模様であるので、見る角度によって光沢感が変化し深みのある艶を表現することができ、意匠性に優れた布帛とすることができる。
[7]の発明では、前記突起が前記布帛の長手方向に平行な一方の端部にのみ有るので、前記突起の周面により広く艶を表現することができ、意匠性に優れた布帛とすることができる。
本発明に係る布帛加工装置の一実施形態を示す斜視図である(布帛を含む)。 図1におけるA-A線の一例を示す断面図である。 図1におけるA-A線の他の例を示す断面図である。 図1におけるA-A線の他の例を示す断面図である。 本発明に係る布帛加工装置の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛加工装置の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛加工装置の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛加工装置の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る布帛の他の実施形態を示す斜視図である。 従来の一対のローラの間で加熱、挟圧する例を示す説明図である。
次に、本発明に係る布帛の実施形態について詳しく説明する。
本発明に係る布帛加工装置の一実施形態を図1~5に、本発明に係る布帛の一実施形態を図6~8に示す。なお、図1に示す布帛4は挟圧されていない状態である。
本発明の布帛の加工装置1は、図1に示すように長尺の布帛の加工装置であって、加熱手段が設けられた上型2と、上型2に対して対向する下型3と、を備え、上型2及び下型3により形成される挟圧部2-1が空間を有するトンネル状であり、布帛4は長手方向に連続してつながった突起4-1を有し、挟圧部2-1は、走行する布帛4の突起4-1の周面を加熱し、挟圧することで、突起4-1の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする。
上型2には、加熱手段が設けられ、温度50℃~250℃の範囲に設定できる。加熱手段としては特に限定されないが、例えば、電気抵抗加熱(ヒーター)、マイクロ波加熱、熱風加熱を挙げることができる。なかでも、装置が比較的容易であることから、電気抵抗加熱(ヒーター)が好ましい。
下型3は上型2に対向しており、上型2及び下型3により形成される空間を有するトンネル状の挟圧部2-1が、布帛4の長手方向に連続してつながった突起4-1を挟み(挟圧)、加熱することで走行する布帛4の突起4-1の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することができる。空間を有するトンネル状の挟圧部2-1の入口(図1の右奥)から出口(図1の左手前)に向かって布帛4が走行しながら、突起4-1の周面は上型2に接し、加熱、挟圧される。例えば、共にステンレス製の上型2及び下型3のそれぞれ長手方向で5~30cmの範囲、横手方向で5~20cmの範囲、高さを2~5cmの範囲の大きさ(外寸)の布帛加工装置を用意し、加熱温度を50℃~250℃の範囲で制御し、布帛4の走行速度を1~10m/分の範囲の条件で挟圧部によって布帛4の突起4-1の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することができる。
このように挟圧部によって艶を付与するので、意図しない変形や潰れなどを発生させることも、布帛4の突起4-1以外の部分は加熱されないので強度低下の恐れもなく、布帛4の長手方向に連続した突起4-1の周面に艶を付与することができ、平面だけでは表現できない優れた意匠性を付与することができる。しかも、加熱温度、挟圧の程度や走行速度などの加工条件によって、艶の程度を調整することもできる。なお、艶の有無と程度については、8人のパネラーによって加熱も挟圧もされていない布帛の表面と肉眼で比較観察し評価することも、例えばハンディ型光沢計PGII(日本電色工業株式会社製)を使用して、単角度60°で測定しグロス値の差を算出し評価することもできる。
図1に示す布帛加工装置では挟圧部2-1の出口が略半円の形態であり、図1Aは図1のA-A線の断面を示す。挟圧部2-1の入口及び/又は出口の断面の形は特に限定されないが、例えば略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円形からなる群から選ばれるいずれか1種が好ましい。こうして、突起4-1の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状成形することでき、さらに平面だけでは表現できない優れた意匠性を付与することができる。図1に示す布帛加工装置において、共にステンレス製の上型2及び下型3のそれぞれ長手方向20cm、横手方向12.5cm、高さ3cmの大きさ(外寸)、挟圧部2-1が半径1.5mmの略半円とした布帛加工装置を用いて、全横幅が23mmで、略中央に幅3mmの長手方向に連続してつながった突起4-1(直径2.7mmの芯材4-2を内包)を有するポリエステル繊維布帛4(黒色)を加熱温度220℃、走行速度2.5m/分の条件で加工したところ、突起4-1に艶のある意匠性に優れた布帛が得られた。また、色違いの布帛4として、アイボリー色、グレー色も用意し同条件で加工した。なお、光沢計PGIIで測定しグロス値の差を算出したところ、グロス値の差は、0.2%~2.0%の範囲であった。未加工品と比べると、より艶のある方がグロス値は大きくなった。8人のパネラーによる肉眼での比較観察において、いずれの布帛も明らかな艶が認められた。
図2に示す布帛加工装置は、図1の挟圧部2-1の断面の形を略半円の形状にし、さらにスリット状の凹凸が施された形態である。このスリット状の凹凸によって、突起4-1の周面にスリット状の艶を付与することができるので、より繊細な意匠表現ができる。なお、スリットの深さは、例えば上述の布帛を加工する際には、0.2~1.5mmの範囲に設定するのが好ましく、0.5mmでスリット状の艶を十分付与することができた。
また、図3に示す布帛加工装置では、挟圧部2-1の出口の形が略台形の形態である。下型3の上型2に対向する面に、挟圧部3-1が設けられており、布帛4の突起4-1の周面に艶を付与しながら台形の形状に成形することができる。こうして所望の形状に成形できることから、平面だけでは表現できない優れた意匠性を付与することができる。なお、台形の上底と下底の長さは、それぞれ例えば、2~6mmの範囲に設定するのが好ましく、例えば上述の布帛を加工する際には、上型2と下型3の両方とも上底の長さを3mm、下底の長さを4mmとした。なお、台形の高さはそれぞれ順に3mm、1mmとした。こうして、突起4-1を艶のある台形に成形することができた。
空間を有するトンネル状の挟圧部2-1の数は1個以上であれば特に限定されず、複数であってもよく、必要な数を適宜設ければよい。図4に示す布帛加工装置は、挟圧部の断面の形が略四角形で、挟圧部2-1の一部に図2と同様にスリット状の凹凸が施され、しかも空間を有するトンネル状の挟圧部2-1が2列の形態である。なお、布帛4の2列の突起4-1の間を、上型2の底面2-2で加熱、挟圧し艶を付与してもよい。
図5に示す布帛加工装置では、1つの上型2に対向する2つの下型3で、挟圧部が略円形の形態である。2つの下型3の間の隙間は維持され、図7に示す布帛4の突起4-1の他の部分が走行する。下型3には必要に応じて加熱手段を設けてもよく、艶を付与する領域を考慮して適宜設ければよい。また、挟圧部2-1及び/又は挟圧部3-1に図2と同様にスリット状の凹凸が施してもよい。
本発明の布帛加工装置は、挟圧部2-1の入口が出口より大きいことが好ましい。すなわち、挟圧部2-1の入口から出口にかけて空間を有するトンネル状の挟圧部2-1が狭くなっているのが好ましい。こうすることで、布帛4が入口へ侵入し易くなり、走行がよりスムーズになり突起4-1の周面に艶をより付与し易く、形状をより成形し易くなる。
例えば、図1B、図1Cにおいて、布帛4は断面図の右(入口)から左(出口)へ布帛4が走行する。図1Bは、上型2の挟圧部2-1が徐々に狭くなる形態であり、図1Cは、上型2の挟圧部2-1と、下型3の挟圧部3-1とがそれぞれ徐々に狭くなる形態である。
なお、図示はしていないが、入口の外側に布帛4の走行を助け、誘導する誘導路を設けてもよい。この誘導路は布帛4が挟圧部へ侵入をスムーズにする形状であれば特に限定されず、樋状や、板、棒の板等を組み合わせた形状でもよい。
上型2と下型3の材質としては、例えば、ステンレス、鉄、アルミが好ましい。なかでも、錆びないことからステンレスが好ましい。
図9に、布帛を加熱ローラ5と押えローラ6との間を通過させて布帛を加熱、加圧する従来のカレンダー装置の一例を示す。加熱ローラ5によって布帛4の表面の突起4-1(芯4-2を内包)が変形してしまっているし、布帛4の表面全部が加熱され、艶が付与されている。
次に、本発明に係る布帛4の製造方法は、ポリエステル繊維を含む長尺の布帛を製造する方法であって、布帛4に長手方向に連続してつながった突起4-1を形成する工程と、走行する布帛4の突起4-1の周面を加熱し、挟圧する工程と、を含み、前記挟圧は、突起4-1の断面積の50%~99%の範囲であり、突起4-1の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする。
布帛4に長手方向に連続した突起4-1を形成する工程は、例えば、織物の、縦糸、緯糸のいずれかにポリエステル繊維からなる糸を用いても、適宜組み合わせてもよいが、ポリエステル繊維は布帛の少なくとも突起4-1の部分に含むようにして、袋型織、二重織等で製織する工程、あるいは、立体編み等の編み組織で製編する工程によって、突起4-1を形成する。
なお、突起4-1に芯4-2を内包してもよい。芯材4-2としては、例えばポリエステル繊維束、ポリエステル樹脂材、PVC(塩化ビニル.)樹脂材等を挙げることができる。この工程によって、布帛4の表面又は裏面のいずれか一方の面や、長手方向に平行な端部に突起4-1した形状を形成することができる。
走行する布帛4の突起4-1の周面を加熱し、挟圧する工程は、加熱された金属の型で突起4-1を加熱しながら挟む工程で、例えば、上型2と、上型2に対向する下型3との間に形成された空間を有するトンネル状の挟圧部2-1によって、加熱し、挟圧する工程で、布帛の長手方向に連続してつながった突起した形状の周面に艶を付与することができる。ここで、布帛4として全横幅が23mmで、略中央に幅3mmの長手方向に連続してつながった突起4-1(直径2.7mmの芯材4-2を内包)を有するポリエステル繊維布帛4(黒色)を用意し、図1に示す布帛加工装置を用い、加熱温度220℃、走行速度2.5m/分の条件で加工したところ、突起4-1に艶のある意匠性に優れた布帛が得られた。
この工程では、加熱と挟圧によって艶の程度を調整することも突起4-1の形状を成形することもできる。加熱も挟圧もしない部分は、布帛4の強度低下の恐れもなく、布帛4の突起4-1の意図しない変形や潰れなどを発生させることもない。
こうして、立体的に艶を表現することができることから、平面だけでは表現できない意匠性に優れた布帛を製造できる。
本発明の製造方法において、加熱する温度は、50℃~250℃の範囲が好ましく、150℃~250℃の範囲がより好ましく、挟圧は突起4-1の断面積の50%~99%の範囲となるように挟圧するのが好ましい。この範囲にすることで、艶の程度を調整することができるとともに突起4-1を成形することができる。
加熱する方法としては特に限定されず、例えば、電気抵抗加熱(ヒーター)による方法、マイクロ波加熱による方法、熱風加熱による方法を挙げることができる。なかでも、温度設定が比較的容易であることから、電気抵抗加熱(ヒーター)が好ましい。
挟圧する方法としては特に限定されず、手動式、油圧式、荷重式を挙げることができる。なかでも、比較的安価な手動式が好ましい。
図6、図7はそれぞれ、本発明に係る布帛の一実施形態を示す斜視図である。本発明の布帛4は、ポリエステル繊維を含む長尺の布帛であって、布帛4が織物からなり、布帛4を製織してなる連続してつながった突起4-1を有し、突起4-1が袋型組織による突起であり、突起4-1の周面は艶を有することを特徴とする。また、突起4-1が、布帛4の表面又は裏面、又は布帛4の長手方向に平行な端部にあるのが好ましい。
図6は、布帛4の表面に長手方向に連続した突起4-1を有し、突起4-1の断面が略半円であり、突起4-1は芯4-2を内包する実施形態を示す。図示していないが突起4-1の周面の艶を有する。
図7は、布帛4の長手方向に平行な一方の端部にのみに長手方向に連続してつながった突起4-1を有し、突起4-1の断面が略円であり、突起4-1は芯4-2を内包する実施形態を示す。図示していないが突起4-1の周面の艶を有する。例えば、図7において上部に長手方向に連続した外径3mmの突起4-1(直径2.7mmの芯材4-2を内包)を有し、長さ10mmの平坦な部分のあるポリエステル繊維布帛4(黒色)である。
本発明の布帛4は、突起4-1の周面に艶を有するので、立体的に艶を表現することができることから、平面だけでは表現できない意匠性に優れた布帛4とすることができる。前記艶には模様があってもよく、模様は特に限定されないが、布帛4の長手方向と同方向の縞模様であることが好ましい。こうして、見る角度によって光沢感が変化し深みのある艶を表現することができ、意匠性に優れた布帛4とすることができる。
また、布帛4の横手方向の断面における突起4-1の断面形状は特に限定されないが、略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円のいずれか1種が好ましい。このような断面にすることで、平面だけでは表現できない意匠性に優れた布帛4とすることができる。
突起4-1の数は特に限定されないが、布帛4に複数形成されていることで、さらに意匠性が高まるので好ましい。図8は、布帛4の表面に長手方向に連続した突起4-1を2本有し、突起4-1の断面が略四角形であり、突起4-1は芯4-2を内包し、突起4-1と突起4-1の間の凹部4-3の表面と突起4-1(凹凸有)に艶を有し(前記凹凸のうちの凸の上面)、突起4-1の上面の艶は布帛4の長手方向と同方向の縞模様で、ある実施形態を示す。この例では、凹部4-3は芯材を有し2つの突起4-1と併せて全体として突起となっているが、凹部4-3が突起の一部とならなくてもよい。すなわち、突起4-1が単に複数長手方向に並んだ形態でもよい。
なお、突起4-1が複数ある場合は、同じ断面形状であっても、略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円の断面形状を組み合わせてもよい。図8において、例えば、全横幅が17mmで、幅3.75mm、高さ2.5mmの長手方向に連続した突起4-1(直径2.2mmの芯材4-2を内包)を2列あり、突起4-1と突起4-1との間に幅3mm、深さ0.5の凹部4-3があるポリエステル繊維布帛4である。なお、凹部4-3の下部には芯材4-2よりも直径の小さな芯材(直径2mm)を3つ配置している。この布帛4は、図4に示す布帛加工装置を用い、加熱温度220℃、走行速度2.5m/分の条件で加工したところ、突起4-1の上面に凹凸が賦形され、凸の頂面に艶が付与され、凹部4-3にも艶が付与され、意匠性に優れた布帛が得られた。
本発明の布帛4を構成する繊維素材としては、ポリエステル繊維を含んでなり、ポリエステル繊維素材のみからなるばかりでなく、例えば、ポリアミド繊維、アクリル繊維などの繊維を、混繊、混紡、撚糸等で複合化し含んでもよい。このようにポリエステル繊維を含んでいればよく、ポリエステル繊維と他の繊維素材を適宜組み合わされていればよい。
布帛4の形態としては特に限定されず、例えば、織物、編物、不織布を挙げることができ、織物では、縦糸、緯糸のいずれかにポリエステル繊維からなる糸を用いても、適宜組み合わせてもよい。なかでも、突起4-1を形成しやすいことから布帛4は織物又は編物からなるのが好ましい。突起4-1の組織は特に限定されないが、袋型組織又は柱型組織にすることで、布帛4に立体形状となる突起を有することができるので好ましく、平面だけでは表現できない複雑で、意匠性に優れた布帛4とすることができる。
また、突起4-1の内側にポリエステル繊維束、ポリエステル樹脂材、PVC(塩化ビニル)樹脂材等の芯材4-2を挿入するのが好ましい。
インテリア用布帛をはじめ車両用内装表皮材として好適である。
1…布帛加工装置
2…上型
2-1…挟圧部
2-2…底面
3…下型
3-1…挟圧部
4…布帛
4-1…突起
4-2…芯材
4-3…凹部
5…加熱ローラ
10…弾性ロール

Claims (7)

  1. 長尺の布帛の加工装置であって、加熱手段が設けられた上型と、該上型に対して対向する下型と、を備え、該上型及び該下型により形成される挟圧部が空間を有するトンネル状であり、前記布帛は長手方向に連続してつながった突起を有し、前記挟圧部は、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧することで、前記突起の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする布帛の加工装置。
  2. 前記挟圧部の入口及び/又は出口の断面が、略台形、略半楕円、略四角形、略半円、略円形からなる群から選ばれるいずれか1種である請求項1に記載の布帛の加工装置。
  3. ポリエステル繊維を含む長尺の布帛を製造する方法であって、前記布帛に長手方向に連続してつながった突起を形成する工程と、走行する前記布帛の突起の周面を加熱し、挟圧する工程と、を含み、前記挟圧は、前記突起の断面積の50%~99%の範囲であり、前記突起の周面に艶を付与するとともに出口の断面形状の様に成形することを特徴とする布帛の製造方法。
  4. ポリエステル繊維を含む長尺の布帛であって、前記布帛が織物からなり、前記布帛を製織してなる長手方向に連続してつながった突起を有し、前記突起が袋型組織による突起であり、前記突起の周面は艶を有することを特徴とする布帛。
  5. 前記突起が、前記布帛の表面又は裏面、又は前記布帛の長手方向に平行な端部にある請求項4に記載の布帛。
  6. 前記艶が前記布帛の長手方向の縞模様である請求項4または5に記載の布帛。
  7. 前記突起が前記布帛の長手方向に平行な一方の端部にのみ有る請求項4~6のいずれか1項に記載の布帛。
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