以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1~図4は本発明の実施による座席冷却装置の形態の一例を示している。図1に示す如く、本参考例の座席冷却装置1は、座席2に取り付けられる座席冷却部3と、該座席冷却部3に接続される冷媒冷却ユニット4を備えて構成される。ここでは、四輪車等の車両の座席2に対して本発明を適用した場合を例示している。
座席冷却部3は、座席2において着席者の首から腰にあたる背面5から、着席者の臀部及び大腿部にあたる座面6にかけて設置される部材であり、座席冷却部3の表面に着席者が着席する形で使用される。本参考例の場合、座席冷却部3は、座席2とは別個の面状の部品として構成されており、座席2の背面5から座面6にかけてを覆うように設置される。
座席冷却部3は、図1、図2に示す如く、例えば発泡ウレタン等の緩衝性の素材を薄く面状に形成すると共に、該緩衝性の素材に沿って可撓性の冷却チューブ7を配置して構成される。座席冷却部3をなす前記緩衝性の素材の厚みや硬さ等は、冷却チューブ7が着席者からの加重により過度に変形しないよう、且つ着席者による加重を好適に受け止め得る程度に適宜調整すれば良い。
冷却チューブ7は、軟質の樹脂等により形成され、座席冷却部3の変形にある程度追従しつつ、内部を水等の冷媒液Wが流通する流路を形成するようになっている。冷却チューブ7は、例えば座席冷却部3を構成する前記緩衝性の素材に形成した溝に埋め込むようにして配置しても良いし、あるいは前記緩衝性の素材の表面を覆うカバーに沿って配置することもできる。
座席冷却部3の表面をなす前記カバーは、織地や編地、不織布、ネット地といった各種の生地により形成することができるが、暑熱環境下での使用を想定した場合、例えば難燃性の繊維と冷却機能性の繊維を組み合わせて編み込んだ生地が好適である。難燃性の繊維としては、例えばポリエステル等の樹脂にリン酸等の難燃性の物質を混ぜ込んで成形された繊維を用いることができる。難燃性の繊維は、樹脂繊維の表面に難燃性の物質をコーティングしたものであっても良いが、洗濯等によって表面の難燃性物質が剥がれてしまう場合があるので、繊維の素材中に混ぜ込んだ方がより好適である。冷却機能性の繊維としては、例えば樹脂等によって形成された繊維に、接触冷感を有する素材(熱伝導性の高い物質や、気化熱によって周囲の熱を奪う物質)をコーティングした繊維を用いることができる。
前記カバーに冷却チューブ7を配置する場合、前記カバーの素材により、冷却チューブ7を例えば以下のような形で前記カバーに支持させることができる。前記カバーが編地で形成される場合には、前記カバーの編目を通して可撓性の冷却チューブ7を編み込むことで、該冷却チューブ7を前記カバーのなす面に沿って支持させることができる。前記カバーがネット地で形成される場合は、網目に冷却チューブ7を通すことで同様に冷却チューブ7を支持することができ、また、前記カバーが織地や不織布で形成される場合は、前記カバーに例えば冷却チューブ7を通す穴を適宜開口すれば良い。その他、座席冷却部3ないし冷却チューブ7の素材や構成等は、冷却チューブ7を好適に配置できる限りにおいて適宜設計し得る。
車両の運転席等である座席2は、例えば図1、図2に示す如く、本体部2aの背面5及び座面6にあたる部分を緩衝性のクッション部2bにより被覆した構成となっている。本体部2aの表面と、クッション部2bの裏面とにはそれぞれ面ファスナが設置され、該面ファスナにより互いに固定される。
本参考例における座席冷却部3は、この本体部2aとクッション部2bとの間の面ファスナを利用して座席2に対し着脱自在に固定できるようになっている。座席冷却部3の適宜位置(ここでは、背面5から座面6にかけての左右端部の計8箇所)には、テープ状の支持部3aの一端が取り付けられており、該支持部3aは両面に面ファスナを備えている。支持部3aは、両面に備えた面ファスナにより、座席2の本体部2aの表面及びクッション部2bの裏面の面ファスナに対して着脱自在に貼り付けられるようになっている。そして、支持部3aの他端側を本体部2aとクッション部2bの間に挟み込むことにより、座席冷却部3を座席2に対して固定することができる。また、背面5と座面6の間の位置には、裏面に面ファスナである支持部3aが取り付けられており、この支持部3aにおいても座席冷却部3が座席2に対して固定されるようになっている。
尚、座席冷却部3の座席2に対する固定方法としては、ここに示した例以外にも種々の手段を採用し得る。例えば、座席2の表面から背面にわたってベルトやバンド等を回し掛けることで座席冷却部3を固定するようにしても良い。
冷媒液Wが流通する流路としての冷却チューブ7は、ここに示した参考例の場合、座席冷却部3のなす面に沿って、全部で3本が配置されている。各冷却チューブ7は、それぞれ一端を入側チャンバ8に、他端を出側チャンバ9に接続されている。チャンバ8,9は、座席2の着席者にとって邪魔にならない適宜位置に固定される。尚、ここでは冷却チューブ7の本数が3本の場合を例示したが、冷却チューブ7の本数はこれに限定されず、冷却対象の面積や、要求される冷却性能その他の条件に合わせて適宜変更し得る。
チャンバ8,9は、各々円筒形状をなす中空の部材であり、一端が開放され、他端が閉塞されている。円筒形状をなす入側チャンバ8の円筒面には各冷却チューブ7の一端が接続されて入側チャンバ8の内部と連通し、また、円筒形状をなす出側チャンバ9の円筒面には各冷却チューブ7の他端が接続されて出側チャンバ9の内部と連通している。
冷却チューブ7の配置について説明する。3本の冷却チューブ7a,7b,7cのうち、冷却チューブ7aは、入側チャンバ8から座席冷却部3の背面5の下部の左端に入り、左右方向中間部の右寄りの位置から上方へ伸びて、背面5の上部にて外側に逸れて下方に折り返す。そして、背面5を上下に2度往復し、背面5の右側下方から左端に戻り、座席冷却部3から出て出側チャンバ9に接続する。また、冷却チューブ7bは、入側チャンバ8から座席冷却部3の背面5の下部の左端に入り、左右方向中間部の左寄りの位置から上方へ伸びて、背面5の上部にて外側に逸れて下方に折り返す。そして、背面5を上下に2度往復し、背面5の左側下方から座席冷却部3から出て、出側チャンバ9に接続する。
冷却チューブ7a,7b,7cのうち、冷却チューブ7cは、入側チャンバ8から座席冷却部3の座面6の後方の左端に入り、座面6の左端部に沿って前方に伸び、座面6の前端にて右側に逸れて後方に折り返す。そして、座面6を前後に5度往復し、座面6の後方の左端から出て出側チャンバ9に接続する。
図1に示す如く、入側チャンバ8と出側チャンバ9は、それぞれ入側接続管10及び出側接続管11を介して冷媒冷却ユニット4に接続されている。冷媒冷却ユニット4は、図3、図4に示す如く、内部に冷媒液Wを貯留する筐体12を備えてなり、該筐体12と隣接する位置に、冷媒液Wを循環させるためのポンプユニット13を備えている。筐体12は、L字形の断面形状を有するベースプレート14の底面14aに脚部12aを連結されており、ベースプレート14の側面14bにポンプユニット13が配置されている。
筐体12の内部には、保冷剤15と共に冷媒液Wが貯留される。保冷剤15としては、例えば樹脂製の容器内にポリアクリル酸ナトリウムのような高吸水性樹脂や防腐剤と共に水が封入された一般的な保冷剤を用いることができる。冷媒液Wとしては、例えば水が用いられる。
保冷剤15は、内部に封入する液体の溶質の濃度等を調整することで適宜変更でき、これにより、冷媒冷却ユニット4における冷媒液Wの保冷性能を調節することが可能である。本参考例の場合、保冷剤15として、融点が約マイナス16℃のタイプの保冷剤15aと、融点が約0℃のタイプの保冷剤15bの二種類を採用している。保冷剤15a,15bは各々板状の直方体形状に形成されており、これら板状の保冷剤15a,15bを筐体12内で各々垂直方向に沿った面をなすように配置し、且つ二種類の保冷剤15a,15bを水平方向に交互に配列するように並べている。
筐体12は、本体部12bと、該本体部12bの上面を開閉する蓋部12cのそれぞれを、アルミやステンレス等の金属板に断熱材を挟み込んで断熱層を形成した保冷構造にて構成したボックスである。蓋部12cの内側には、本体部12bとの間にパッキン12dが備えられ、本体部12bに貯留した冷媒液Wが漏れ出さないようになっている。
深型の本体部12bの内部には、上述の如く二種類の保冷剤15a,15bが配置される。本体部12bの側壁と保冷剤15の間に生じる隙間には、二個の充填材12eを配し、本体部12bの内部を保冷剤15が自由に動くことがないようにしている。充填材12eとしては、液体である冷媒液Wを保持し、且つ該冷媒液Wの通過を許容しつつ保冷剤15を一定の場所に支持可能な素材、例えば連続気泡型のスポンジ等が適している。
また、本体部12bに収容した保冷剤15の上側には一個の充填材12fが配置される。この充填材12fは、例えば単独気泡型の発泡スチロール等で形成されており、保冷剤15と蓋部12cとの間に挟み込まれることで、充填材12eと共に保冷剤15を一定の場所に支持するようになっている。
ここで、本参考例では、各保冷剤15を本体部12b内で一定の場所に支持するための部材として充填材12e,12fを備えた場合を説明したが、こうした充填材12e,12fに代えて、あるいは加えて、例えば本体部12b内に適宜仕切板を備えることにより、保冷剤15を一定の場所に支持するよう構成することも可能である。その際、前記仕切板には適宜穴や隙間を備え、前記仕切板を越えて冷媒液Wが自由に移動できるようにすると良い。
本体部12bと蓋部12cにより形成される内部空間は、冷媒液出口12gと冷媒液入口12hの二箇所において外部と連通している。冷媒液出口12g及び冷媒液入口12hの内側からは、それぞれ本体部12bの内部空間へ内部ホース(出口側内部ホース16及び入口側内部ホース17)が延びている。出口側内部ホース16の一端は冷媒液出口12gの内側に接続されており、他端はそこから充填材12eの上方を通って本体部12b内における冷媒液出口12gとは反対側の内壁へ向かって延びて下方に向かい、本体部12bの底部に達している。入口側内部ホース17は、一端を冷媒液入口12hに接続され、他端は該冷媒液入口12hの近傍に位置している。こうして、出口側内部ホース16の吸込口である他端と、入口側内部ホース17の吐出口である他端とは、連続気泡型スポンジである充填材12eを挟んで隔てられている。
ポンプユニット13の出側には、出口ホース18が連結されて座席冷却部3(図1、図2参照)へ延びており、ポンプユニット13の入側は、吸入管19を介して冷媒冷却ユニット4の冷媒液出口12gの外側に接続されている。冷媒液入口12hの外側には、入口ホース20が連結されて座席冷却部3へ延びている。
図1、図2に示す如く、出口ホース18と入口ホース20の端部は、入側接続管10及び出側接続管11の端部に備えたダブルコネクタ21により、それぞれ入側接続管10又は出側接続管11に接続されている。すなわち、ダブルコネクタ21は、入側接続管10の一端を出口ホース18に接続するコネクタと、出側接続管11の一端を入口ホース20に接続するコネクタとが一体に構成された部品である。また、ダブルコネクタ21には図示しないバルブが備えられており、接続管10,11とホース18,20の付け外しに際して接続管10,11の端部から冷媒液Wが垂れることを防止するようになっている。
入側接続管10の他端はコネクタ10aを介して入側チャンバ8の開放端に接続され、出側接続管11の他端はコネクタ11aを介して出側チャンバ9の開放端に接続されている。ポンプユニット13は、内部に備えた図示しないポンプにより、吸入管19を通して本体部12b内の冷媒液W(図3、図4参照)を吸い出し、出口ホース18、入側接続管10から入側チャンバ8へ送り込むことができるようになっている。ポンプユニット13における前記ポンプを駆動するための電力は、例えば、車両に備え付けのシガーソケットから賄うようにしても良いし、ポンプユニット13に別途備えた電源装置から供給するようにしても良い。その場合、前記電源装置としては、例えば乾電池や、充電式のリチウムバッテリや鉛バッテリ、その他種々の電源装置を適宜利用することができる。
次に、上記した本参考例の作動を説明する。
本参考例の座席冷却装置1を使用するにあたっては、図1、図2に示す如く座席2に座席冷却部3を取り付け、図3、図4に示す如く、冷媒冷却ユニット4を構成する筐体12内に保冷剤15を収容する。筐体12は、本体部12bの上面に備えた蓋部12cを開放することで内部にアクセスできる。本体部12bに、冷凍庫等で予冷した保冷剤15を上方から投入すると共に、冷媒液Wとして水を満たす。保冷剤15の上に充填材12fを配置し、蓋部12cを閉じる。
筐体12の外部に延びるホース18,20の端部には、接続管10,11の端部を接続する。この際、上述の如く、ホース18,20は接続管10,11の端部にダブルコネクタ21を介して接続されるので、出口ホース18を入側接続管10に、入口ホース20を出側接続管11に、それぞれ別個に連結するような手間をかけることなく、一度の動作でホース18,20と接続管10,11とを連結することができる。
この状態で、ポンプユニット13の電源スイッチ(図示せず)をオンにすると、本体部12b内の保冷剤15によって冷却された冷媒液Wが、出口側内部ホース16から冷媒液出口12g、吸入管19を通ってポンプユニット13の入側へ向かって吸い出される。そして、ポンプユニット13の出側から出口ホース18を通り、入側接続管10を介して入側チャンバ8に送り込まれる(図1参照)。入側チャンバ8に導入された冷媒液Wは、3本の冷却チューブ7の一端から該各冷却チューブ7に流入し、座席冷却部3のなす面に沿って流れた後、各冷却チューブ7の他端から出側チャンバ9へ排出され(図1参照)、出側接続管11から入口ホース20を通って本体部12bに戻される。本体部12bの冷媒液入口12hから入口側内部ホース17を通って本体部12bの内部に戻された冷媒液Wは、保冷剤15同士の隙間や、連続気泡型のスポンジである充填材12eの内部を通過し、冷却された上で出口側内部ホース16から冷媒液出口12gへ再度吸い出される。
こうして冷却チューブ7を流通する間、冷媒液Wは周囲の物体や空気と熱交換して熱を回収し、本体部9bにて保冷剤15により冷却されながら、座席冷却部3と冷媒冷却ユニット4の間を循環する。特に、座席2に着席者がある場合、冷媒液Wは着席者の体と熱交換する。暑熱下で着席者が座席2に着席する場合、着席者と背面5や座面6との間には蒸れが生じ、着席者にとってはこの部分に特に不快を感じやすいが、本参考例の座席冷却装置1によれば、座席2との接触面から着席者の体を冷却することにより、熱や不快感を効果的に取り除くことができる。
座席冷却部3においては、冷却チューブ7が直接または間接的に着席者の体に接触することになるが、上述の如く冷却チューブ7は軟質の樹脂等で形成されているため、着席者の体の形や加重に合わせて変形することができ、着席者にとっての違和感は最低限に抑えられる。また、冷却チューブ7に冷媒液Wを循環させるチャンバ8,9は着席者に接触しないよう、適宜位置に配置することができるので、チャンバ8,9が着席者の使用感に影響する心配もない。
軟質の冷却チューブ7は、着席者の姿勢や加重のかかり方の如何によっては一時的に潰れるように変形し、冷媒液Wの流路が閉塞してしまう場合があり得る。しかしながら、本参考例においては、座席冷却部3に複数(ここでは3本)の冷却チューブ7を配置しているため、仮に背面5や座面6の一部に着席者から強い加重がかかって冷却チューブ7の一部が閉塞するような事態が生じても、全ての冷却チューブ7が閉塞することはなく、残りの冷却チューブ7では支障なく冷媒液Wが流通する。また、一時的な強い加重が消えれば、閉塞した冷却チューブ7の流路も復元して再び冷媒液Wが流通するようになる。したがって、例えば冷却チューブ7内で冷媒液Wの圧力が高まって漏れや破損が生じるような心配はない。
着席者がない状態でポンプユニット13を作動させた場合、冷媒液Wはむろん座席冷却部3ないし座席2の背面5や座面6そのものを冷却することになる。こうした使い方は、例えば着席者が座席2に着席する前に背面5や座面6を快適な温度に冷却しておきたい場合に有効である。車内に設置される座席2は、直射日光等によって熱せられ、車内の空気以上に高温となっている場合がある。高温の座席2は、仮に車両に空調設備が設けられている場合であっても快適な温度まで冷却されるまで時間がかかるが、本参考例の如き座席冷却装置1を予め作動させておけば、着席者が着席した時点で背面5や座面6を適温にしておくことができるのである。
本参考例の座席冷却装置1は、特に自動車競技のほか、車両を運転する際の利用に適しており、例えば運転席である座席2に座席冷却部3を設置し、座席2の下方や隣席等に冷媒冷却ユニット4を配置する形で使用する。この際、座席2の下方を含む運転室内の空間は高温となり得るが、本参考例の座席冷却装置1の場合、冷媒液W及び保冷剤15を収容した冷媒冷却ユニット4が上述の如く断熱層による保冷構造をなしている。したがって、冷媒冷却ユニット4の内部が周囲の高温に曝されにくく、長時間にわたって冷媒液Wの冷却を持続することができる。この際、冷媒液Wを冷却するために保冷剤15を用いているので、例えば氷水を用いた場合と比較して、冷却性能の持続時間を長くすることを可能としている。しかも、本参考例の場合、上述の如く二種類の保冷剤15a,15bを交互に配列した構成により、冷却持続時間を一層向上させている。また、氷水により冷媒液Wを冷却する場合、氷は使用に伴って溶融してしまうが、本参考例の如く保冷剤15を用いれば何度でも再利用することができ、使用の度に用意する冷媒液Wとしての水は最少限の量で済む。
こうした持続時間の向上と共に、本参考例では、冷媒冷却ユニット4をなるべく軽量にすることも可能としている。本参考例の座席冷却装置1によれば、冷媒冷却ユニット4の重量は保冷剤15や冷媒液Wを含んでも7kg~9kg程度とし(同程度の冷却性能を、仮に氷水による冷却で実現しようとした場合、氷水を収容した容器の重量は14kg前後にはなってしまう)、サイズもレーシングカーや各種作業用車両等の運転室に容易に積み込める程度に小さい。そして、本願出願人による試験によれば、70℃の温度下において使用した場合、1.5時間程度の間、冷却を続けることが可能である。これは、一般的な自動車競技においては十分な時間である。また、仮にこれより長時間の自動車競技や、その他の長時間の作業等に座席冷却装置1を使用する場合には、別途冷却した保冷剤15を用意しておき、冷媒冷却ユニット4内の使用済みの保冷剤15と交換すれば、速やかに再び元の冷却性能を得ることができる。
車両に搭載される座席冷却装置1においては、使用中、冷媒冷却ユニット4に対して前後左右に慣性力が作用することになるが、本参考例の座席冷却装置1では、本体部12b内に収容した保冷剤15の周囲に充填材12e,12fを備えている。こうすることで、本体部12b内において保冷剤15が充填材12e,12fにより一定の場所に支持され、慣性力を受けても保冷剤15が本体部12b内の一方に偏るようなことがない。したがって、本体部12b内における冷媒液Wの循環や、保冷剤15による冷却性能を一定に保つことができる。
発泡スチロール等で構成される充填材12fには、断熱材としての役割も備わっている。すなわち、保冷剤15と蓋部12cとの間に充填材12fを備えることで、蓋部9cから本体部12b内への熱の伝達を抑え、冷媒冷却ユニット4の保冷性能を増すことができる。また同時に、充填材12fが本体部12b内で一定の体積を占め、空気の入り込む余地を減らすことにより、座席冷却装置1の使用中、冷媒液Wが慣性力等の影響を受けて本体部12b内で偏りを生じることを防止することもできる。
また、上述の如く、出口側内部ホース16の吸込口と、入口側内部ホース17の吐出口とは、保冷剤15と本体部12bの側壁との間に備えられる充填材12eを挟んで隔てられている。このため、入口側内部ホース17から本体部12b内に引き込まれた冷媒液Wは、引き込まれた直後に出口側内部ホース16から吸い出されていくようなことはなく、保冷剤15の間を迂回したり、充填材12eの内部を通過したりしながら、本体部12b内を時間をかけて移動してから出口側内部ホース16から吸い出される。このため、座席冷却部3にて熱を回収して本体部12bへ戻された冷媒液Wは、本体部12b内で十分に冷却されてから、再度座席冷却部3へ送り出されることになる。
また、本参考例においては、座席冷却部3を座席2に対して着脱可能な構成としている。このようにすると、一個の座席冷却装置1を複数の車両間で積み替えて使い回すことが容易で、便利である。
以上のように、上記本参考例においては、座席2に設置される座席冷却部3と、該座席冷却部3のなす面に沿って配置され、内部を冷媒液Wが流通する流路(冷却チューブ)7と、内部に収容した冷媒液Wを冷却する冷媒冷却ユニット4と、該冷媒冷却ユニット4にて冷却した冷媒液Wを流路7へ送り込むポンプユニット13とを備えている。このようにすれば、流路7を流通する冷媒液Wを周囲の物体や着席者との間で熱交換させ、着席者の体を効果的に冷却することができる。
また、本参考例において、座席冷却部3は、座席2に対して着脱自在に構成されているので、一個の座席冷却装置1を複数の車両間で積み替えて使い回すことが容易である。
また、本参考例においては、異なる融点を有する二種類の保冷剤15a,15bが冷媒冷却ユニット4内に交互に配置されているので、冷却性能の持続時間を長く確保することができる。
また、本参考例において、保冷剤15は、冷媒冷却ユニット4内において一定の場
所に支持可能に構成されているので、慣性力を受けて保冷剤15が冷媒冷却ユニット4内の一方に偏るようなことがなく、冷媒冷却ユニット4内における冷媒液Wの循環や、保冷剤15による冷却性能を一定に保つことができる。
また、本参考例においては、冷媒冷却ユニット4内に、連続気泡型のスポンジにより形成された充填材12eを配し、座席冷却部3から冷媒液Wを冷媒冷却ユニット4内に戻す内部ホース17の吐出口と、冷媒冷却ユニット4内の冷媒液Wを冷媒冷却ユニット4から吸い出す内部ホース16の吸込口とが、充填材12eを隔てて配置されているので、座席冷却部3にて熱を回収して冷媒冷却ユニット4へ戻された冷媒液Wを、冷媒冷却ユニット4内で十分に冷却してから、再度座席冷却部3へ送り出すことができる。
また、本参考例の座席冷却装置は、車両の座席2に適用することができる。
したがって、上記本参考例によれば、暑熱下でも座面を効率良く冷却し得る。
図5~図7は本発明の実施による座席冷却装置の形態の一例を示している。基本的な構成は上記参考例(図1~図4参照)と共通しているが、本第一実施例の座席冷却装置22の場合、座席冷却部を座席2に対して一体に組み込んだ点と、冷媒冷却ユニットを著しく小型化した点に特徴がある。
本第一実施例における座席冷却部23は、座席2の背面5や座面6をなす部材の内側に冷媒液Wの流路としての冷却チューブ7を埋め込んだ形で構成されている。各冷却チューブ7の配置は、上記参考例(図1、図2参照)と同様である。
このように座席冷却部23を座席2と一体的に構成した場合、上記参考例と比較して、座席冷却装置22ないし座席冷却部23を複数の車両間で使い回すことが難しいというデメリットはある。しかしながら、上記参考例の如く既設の座席2の表面に冷却チューブ7を配置するのではなく、座席2自体に冷却チューブ7を設置することで、着席者にとってはより良い使用感が得られるという利点がある。すなわち、上記参考例(図1、図2参照)の場合、通常は座席2単体で着席者にとって適した乗り心地に調整されているところへ座席冷却部3を取り付けるため、座席2本来の使用感が変化してしまうことが避けられないが、本第一実施例(図5参照)の如く座席2に冷却チューブ7を設置する形で座席冷却部23を製作すれば、座席冷却部23としての機能を持たせつつ、座席2を着席者にとって快適な設計とし得る。
また、本第一実施例における冷媒冷却ユニット24は、図6に示す如く、円筒形状の本体部24aの上部をスクリュー式の蓋部24bにより開閉可能に構成した水筒状の構造である。本体部24aは、真空の断熱層を備えた金属の二重構造にて構成される容器であり、保冷剤として丁度一本の飲料入容器25を収容できるようになっている。
飲料入容器25は、例えば容量400ml~600ml、主には500mlのペットボトル入りの市販の清涼飲料水であり、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった一般的な店舗で普通に購入できるものである。こうしたペットボトル入りの清涼飲料水は、むろん種類によって形状が区々であるが、概ね直径65mm程度の柱状であるので、本体部24aの内径を67mm以上100mm以下程度に設定すれば、容量500ml前後の規格のペットボトルであればほとんどの製品を収容することができる。本体部24aに収容可能とする飲料入容器25の数は、丁度一本が好適である。
本体部24aの上面を構成する蓋部24bには、該蓋部24bのなす面を貫通するように冷媒液出口24cと冷媒液入口24dが備えられており、本体部24aと蓋部24bにより形成される内部空間は、冷媒液出口24cと冷媒液入口24d、及び後述する支持リング24fないし飲用口24gの3箇所において外部と連通する。
蓋部24bの本体部24a側の面である下面には、本体部24a側へ突出するように円筒形の外嵌リング24e及び支持リング24fが形成されている。外嵌リング24eの径は支持リング24fよりも大きく、外嵌リング24e及び支持リング24fのなす軸は本体部24a及び蓋部24bの中心軸と一致している。外嵌リング24eの外周面には螺旋状のピッチが形成されていると共に、本体部24aの外嵌リング24eに対応する位置の内周面にも同様のピッチが形成してあり、蓋部24bを本体部24a上部の開口部にねじ込むことで、蓋部24bを本体部24aに固定できるようになっている。
また、支持リング24fの内周面には螺旋状のピッチが形成されており、キャップを外した飲料入容器25の飲み口に備えたピッチと螺合するようになっている。一般的なペットボトルでは、飲み口の外周面ないしキャップの内周面に備えたピッチの規格が概ね共通しているので、支持リング24fの内周面に、前記キャップの内周面のピッチに即した形状のピッチを設けることにより、蓋部24bに対し、キャップを外した飲料入容器25の飲み口を直接ねじ込んで固定することができる。
蓋部24bの上面には、支持リング24fと対応する位置に突出する円筒形状の飲用口24gが備えられている。飲用口24gは、蓋部24b下面の支持リング24fと直接連通しており、該支持リング24fに飲料入容器25の飲み口を固定すると、該飲み口が支持リング24f及び飲用口24gを介して蓋部24bの上面と連通した状態となる。
蓋部24bの上面には、さらに飲用口24gを覆うように飲用蓋24hが設けられている。飲用蓋24hは、飲用口24gを密閉可能に覆うと共に、該飲用口24gを開閉可能に蓋部24bに対して取り付けられている。
冷媒液出口24cには、蓋部24bの下面から本体部24aの底部に延びる延長ホース24iが接続され、本体部24a内へ延びている。延長ホース24iは柔軟性を有するシリコンゴム等の素材により構成されており、冷媒液入口24dと反対側の先端には、該先端における冷媒液Wの流路を囲むようにリング状の錘24jが備えられている。
蓋部24bの冷媒液出口24cの外側には吸入管26の一端が連結され、該吸入管26の他端はポンプユニット27の入側へ接続される。ポンプユニット27の出側は、出口ホース28を介して座席冷却部23の入側チャンバ8に接続された入側接続管10に連結される(図5参照)。蓋部24bの冷媒液入口24dは、入口ホース29を介して座席冷却部3の出側チャンバ9に接続された出側接続管11に連結される(図5参照)。ポンプユニット27には、ポンプと共に該ポンプを駆動する電源装置が内蔵されており、該電源装置からは、例えば四本の単三電池により、6Vの電圧にて電力が供給されるようになっている。尚、電源装置の構成はこれに限定されない。例えば、充電式のリチウムバッテリや鉛バッテリ、あるいは車両に備え付けのシガーソケット等、種々の電源装置を適宜利用することができる。
次に、上記した本第一実施例の作動を説明する。
本第一実施例の座席冷却装置22を使用するにあたっては、図6に示す如く冷媒冷却ユニット24の本体部24a内に保冷剤である飲料入容器25を収容し、さらに冷媒液Wとして水を満たす。この際、飲料入容器25は予め冷凍庫等により予冷し、内部の飲料を凍結させておく。
上述の如く、蓋部24bの冷媒液出口24cとポンプユニット27の入側とを吸入管26により連結し、ポンプユニット27の出側は出口ホース28を介して入側接続管10に連結する。蓋部24bの冷媒液入口24dは、入口ホース29を介して出側接続管11に連結する(図5参照)。
この状態で、ポンプユニット27の電源スイッチ(図示せず)をオンにすると、保冷剤25によって冷却された冷媒液Wが吸入管26からポンプユニット27へ吸い出され、出口ホース28から入側接続管10を介して入側チャンバ8に送り込まれる。入側チャンバ8に導入された冷媒液Wは、座席冷却部23に配置された冷却チューブ7を流れた後、出側接続管11から入口ホース29を通って冷媒冷却ユニット24に戻される。こうして、冷媒液Wは冷媒冷却ユニット24、ポンプユニット27及び座席冷却部23の間を循環する。
この際、冷媒冷却ユニット24内において、冷媒液入口24dから蓋部24b付近へ導入された冷媒液Wは、保冷剤である飲料入容器25の周囲を通過しつつ本体部24a内を底部に向かって移動し、該底部にて延長ホース24iの先端から吸い出され、該延長ホース24iに導かれて蓋部24bへ向かい、冷媒液出口24cから流出する。こうして、本体部24a内を通過する際、冷媒液Wと保冷剤25とが長く接触することにより、熱交換が効率良く行われるようになっている。
ここで、上述の如く、延長ホース24iは柔軟性を有する素材で構成されていると共に先端には錘24jが取り付けられている。したがって、座席冷却装置22を使用する際、冷媒冷却ユニット24が傾動すると、延長ホース24iの先端は、錘24jを伴い、重力に従って本体部24a内を上下に移動することになる。こうすることにより、錘24jの取り付けられた延長ホース24iの先端部が、本体部24a内の冷媒液W中に常に沈んだ状態となるので、冷媒冷却ユニット24の傾きによらず、延長ホース24iを介した冷媒液Wの吸い出しをスムーズに行うことができる。
本第一実施例における冷媒冷却ユニット24の特徴は、第一に携帯性である。すなわち、冷媒冷却ユニット24の大きさを、500mlのペットボトルを収容できる程度としているので、冷媒冷却ユニット24のサイズ及び重量が小さく、容易に携行することができ、例えば保冷剤としての飲料入容器25の交換や、冷媒液Wの補充等に便利である。冷却力の持続時間が上記参考例(図1~図4参照)と比較すると劣ってしまうことは否めないものの、その分は保冷剤としての飲料入容器25を頻繁に交換することで補えば良い。飲料入容器25の交換は、冷媒冷却ユニット24の蓋部24bを本体部24aから取り外し、蓋部24b裏面の支持リング24fから飲料入容器25を取り外して別の飲料入容器25を取り付け、蓋部24bを本体部24aに再び取り付けるだけで済むので、簡便である。
尚、ここでは冷媒冷却ユニット24とポンプユニット27とを別々に備えた場合を例示したが、ポンプユニット27を冷媒冷却ユニット24に内蔵したり、冷媒冷却ユニット24とポンプユニット27を一体の部品として構成することも可能である。
さらに、使用に伴い、本体部24aに収容された飲料入容器25内の飲料は、座席冷却部23にて回収した熱により徐々に溶融していくが、本第一実施例の場合、この溶融した飲料を使用者の飲用に供することもでき、使用者にとっては熱中症への対策ともなり得る。無論、保冷剤としての飲料入容器25の冷却性能は、飲料を飲用した分だけ落ちてしまうが、その際には保冷剤25として新たな飲料入容器を本体部24aに収容すれば、冷却性能を復活させることができる。近年では、コンビニエンスストア等で凍らせたペットボトル入り清涼飲料水を販売しているので、そういった商品を購入して補充すれば良い。
また、本第一実施例の場合、冷媒冷却ユニット24に収容した飲料入容器25は蓋部24bに固定されているので、飲料入容器25が冷媒冷却ユニット24内で動くことがない。また、飲料入容器25の内容物を飲用に供するにあたっては、飲用蓋24hを開放すれば、飲料入容器25の飲み口と連通する飲用口24gが現れるので、そこから飲料を口に運べば良い。このように、本第一実施例の冷媒冷却ユニット24では、飲用蓋24hを開放するだけで飲用に及ぶことができるので、非常に簡便である。
以上のように、上記本第一実施例において、座席冷却部23は、座席2と一体的に構成されているので、座席2に座席冷却部23としての機能を持たせつつ、座席2を着席者にとって快適な設計とし得る。
また、本第一実施例において、冷媒冷却ユニット24は、保冷剤として丁度一本の飲料入容器25を収容可能に構成されているので、使用に伴って飲料入容器25内で溶融した飲料を使用者の飲用に供することができる。
また、本第一実施例において、冷媒冷却ユニット24は、飲料入容器25を収容する本体部24aと、該本体部24aの上部を開閉可能に覆う蓋部24bと、該蓋部24bの下面から本体部24a側へ突出するように形成され、円筒形状の内周面に飲料入容器25のキャップを外した頭部を固定可能に構成された支持リング24fと、蓋部24bの上面における支持リング24fに対応する位置に形成され、支持リング24fと連通する飲用口24gと、該飲用口24gを開閉するよう、蓋部24bに取り付けられた飲用蓋24hとを備えているので、飲料入容器25が蓋部24bに固定され、冷媒冷却ユニット24内で動くことがない。また、飲用蓋24hを開放するだけで保冷剤(飲料入容器)25の内容物を飲用に供することができ、簡便である。
また、本第一実施例は、冷媒冷却ユニット24から冷媒液Wを送り出す冷媒液出口24cから冷媒冷却ユニット24内に向かって延びる柔軟性の延長ホース24iと、該延長ホース24iの先端に取り付けられた錘24jとを備えているので、延長ホース24iの先端部が冷媒液W中に常に沈んだ状態となり、冷媒冷却ユニット24の傾きによらず、冷媒液Wの吸い出しをスムーズに行うことができる。
その他の構成や作用効果については上記参考例と同様であるため説明を省略するが、上記本第一実施例によっても、暑熱下でも座面を効率良く冷却し得る。
図8、図9は本発明の実施による座席冷却装置の形態のさらに別の一例を示している。基本的な構成は上記参考例及び第一実施例(図1~図7参照)と共通しているが、本第二実施例の座席冷却装置30は、適用対象を二輪車の座席31とした点に特徴がある。
本第二実施例における座席冷却部32は、座席31の座面33をなす部材の内側に冷却チューブ7を埋め込んだ形で構成されている。2本のチャンバ8,9は、例えば座面33の後方に、車体の幅方向に沿って配置される。
冷却チューブ7としては、ここでは冷却チューブ7e,7fの2本を備えた場合を例示している。各冷却チューブ7e,7fは、それぞれ入側チャンバ8の左右端部から座面33に伸びて座面33の後端に入り、座面33の左右端部に沿って前方に伸び、運転者の臀部近傍にあたる前後方向中間部にて幅方向中間部に向かって折れる。続いて、運転者の大腿部近傍にあたる座面33の前後方向中間部から前部にかけ、左右方向両端部と中間部との間を数度往復しながら前方へ向かい、座面33の前端部にて幅方向中間部に折れ、座面33の幅方向中間部を後方へ伸びる。さらに、冷却チューブ7e,7fは、座面33の前後方向中間部から後部にかけ、左右方向両端部と中間部との間を数度往復しながら後方へ向かい、座面33の後端から出て出側チャンバ9の左右方向中間部に接続する。
こうして、入側チャンバ8から送り出された冷媒液Wは、まず座面33の前半部に送られて運転者の臀部から大腿部にかけてを冷却した後、座面33の後半部から出側チャンバ9に戻るようになっている。さらに、二人乗りの場合には、運転者の体を冷却した後の冷媒液Wにより、同乗者の臀部や大腿部をも冷却することが可能である。
尚、ここでは座席冷却部32を座席31と一体的に形成した場合を例示したが、上記参考例の座席冷却部3(図1、図2参照)と同様、座席31に対して座席冷却部を着脱可能に形成しても良い。
冷媒冷却ユニット及びポンプユニットとしては、上記第一実施例と同様の冷媒冷却ユニット24及びポンプユニット27(図5~図7参照)を使用している。冷媒冷却ユニット24やポンポユニット27は、二輪車の車体の適宜位置に取り付けても良いし、運転者が身につけるようにしても良い。あるいは、上記参考例(図1~図4参照)の如きボックス型の冷媒冷却ユニット4を二輪車に搭載あるいは運転者に携行可能な程度に小型に製作して使用することも可能である。
以上のように、上記本第二実施例の座席冷却装置30は、二輪車の座席に適用することができる。
その他の構成や作用効果については上記第一実施例と同様であるため説明を省略するが、上記本第二実施例によっても、暑熱下でも座面を効率良く冷却し得る。
尚、本発明の座席冷却装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではない。例えば、参考例および第一、第二実施例における座席冷却部や冷媒冷却ユニットを適宜組み合わせた構成としても良い。また、上記実施例に説明したような車両の座席以外にも、例えばフォークリフトや建機、重機の座席、あるいは車椅子、各種の椅子やソファなど、種々の座席に適用することができる。その他、本発明は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る。