(実施形態1)
図1A~図2Cを参照して、本実施形態に係る発光モジュール1について説明する。本実施形態に係る発光モジュール1は、例えば、建物(戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校若しくは介護施設等の非住宅施設等)の天井等に設置され、室内等を照らす照明装置の光源として使用可能である。
発光モジュール1は、複数種類(例えば2種類)の発光素子51,52を備えている(図1A参照)。本実施形態では、後述するように、複数種類の発光素子51,52に電気的変動が生じたとき、第3座標位置が変位する第3変位量が、第1座標位置が変位する第1変位量及び第2座標位置が変位する第2変位量よりも小さくなっている。なお、後に詳しく説明するが、第1座標位置は、発光素子51が発する光の色度図での座標位置である。第2座標位置は、発光素子52が発する光の色度図での座標位置である。第3座標位置は、発光モジュール1が発する光(すなわち発光素子51,52が発する光の合成光)の色度図での座標位置である。これにより、発光モジュール1が発する光(すなわち複数種類の発光素子51,52が発する光の合成光)において、複数種類の発光素子51,52に生じる電気的変動に伴う光色の変化を低減できる。複数種類の発光素子51,52に生じる電気的変動は、複数種類の発光素子51,52に供給される電力が制御されることで、制御可能である。すなわち、上記の電気的変動とは、電力制御で制御可能な電気的変動である。以下、発光モジュール1について詳しく説明する。
以下の説明では、複数種類の発光素子51,52の電気的変動の一例として、複数種類の発光素子51,52に流れる電流が変動する場合で説明する。以下、この変動を電流変動とも記載する。この電流変動は、例えば、発光モジュール1が発する光を調光するときの、複数種類の発光素子51,51に流れる電流の制御で発生する。このように、上記の電流変動が調光時の電流制御(すなわち電力制御)で発生する場合は、発光モジュール1が発する光(合成光)において、その光の調光(すなわち電力制御)に伴う光色の変化を低減できる。
発光モジュール1は、図1A及び図1Bに示すように、回路基板3(基板)と、複数の発光素子5とを備えている。
複数の発光素子5は、第1種類の発光素子51及び第2種類の発光素子52を含む。回路基板3は、複数の発光素子5が設けられる基板である。回路基板3は、回路基板本体31(基板本体)と、表側導体部32と、裏側導体部33とを有する。回路基板本体31は、例えば矩形の平板状であり、絶縁性を有する部材で形成されている。回路基板本体31は、表面31d及び裏面31aを有する。表面31dは、回路基板本体31の両側主面のうちの一方の主面である。裏面31aは、回路基板本体31の両側主面のうちの他方の主面であり、表面31dの反対側の面である。
表側導体部32は、複数の発光素子5と電気的に接続される導体部を構成している。表側導体部32は、例えば銅箔として形成されている。表側導体部32は、回路基板本体31の表面31dに設けられている。表側導体部32は、複数の発光素子5を例えば電気的に直列に接続するように、回路基板本体31の表面31dにパターン形成されている。本実施形態では、表側導体部32は、複数の導体部32aを有する。複数の導体部32aは、回路基板本体31の長手方向に沿って、互いに間隔を空けて配置されている。導体部32aは、例えば矩形の薄膜状に形成されている。発光素子5は、2つの電極55,56を有する。発光素子5は、隣合う2つの導体部32aに跨って配置されている。この状態で、発光素子5の2つの電極55,56はそれぞれ、隣合う2つの導体部32aに電気的に接続されている。発光素子5の電極55,56と導体部32aとは、例えばはんだ34(図1B参照)で、互いに電気的に接続されている。
裏側導体部33は、例えば、複数の発光素子5の各々から回路基板3に伝達した熱を放熱する部分である。裏側導体部33は、例えば銅箔として形成されている。裏側導体部33は、例えば、回路基板本体31の裏面31a全体に薄膜状に形成されている。
複数の発光素子5は、発光モジュール1の光源を構成している。すなわち、発光モジュール1が発する光は、複数の発光素子5が発する光の合成光で構成されている。複数の発光素子5は、回路基板3の表面31dに設けられており、表側導体部32によって互いに電気的に直列に接続されている。したがって、本実施形態では、複数の発光素子5には、同じ電流値の電流が流れる。また、複数の発光素子5に流れる電流が変動したとき、複数の発光素子5に流れる電流は、同じように変動する。
複数の発光素子5は、例えば2種類の発光素子51,52で構成されている。以下、一方の種類の発光素子51を第1種類の発光素子51とも記載し、他方の種類の発光素子52を第2種類の発光素子52とも記載する。
2種類の発光素子51,52はそれぞれ、例えば、白色光を発する白色発光ダイオードである。より詳細には、第1種類の発光素子51は、例えば色温度が2700K[ケルビン]の白色光を発する白色発光ダイオードである。第2種類の発光素子52は、例えば色温度が6500Kの白色光を発する白色発光ダイオードである。2種類の発光素子51,52は、例えば、複数個ずつ備えられている。2種類の発光素子51,52の発熱は、例えば均一である。本実施形態では、上記のように2種類の発光素子51,52の発熱が均一である場合は、2種類の発光素子51,52の構成比は、1対1に設定されている。
2種類の発光素子51,52は、互いに混在した状態で、回路基板3の長手方向に一列に並んで配置されている。より詳細には、2種類の発光素子51,52は、例えば、回路基板3の長手方向に沿って互いに交互に並んで配置されている。発光素子51,52は、例えば等間隔で配置されている。なお、本実施形態では、2種類の発光素子51,52は、交互に一列に(すなわち規則正しく)配置されるが、2種類の発光素子51,52の配列は、互いに混在していれば、規則性なく配置されてもよい。
第1種類の発光素子51は、例えば図2Aに示す電流-色度特性S1を有する。第2種類の発光素子52は、例えば図2Bに示す電流-色度特性S2を有する。電流-色度特性S1,S2は、互いに異なっている。すなわち、電流-色度特性S1,S2は、例えば、複数の特性要素のうちの少なくとも1つの特性要素が異なる。なお、特性要素とは、電流-色度特性で与えられる色度図での座標位置の変位の軌跡における形、傾き、長さなどである。電流-色度特性とは、色度図において、発光素子5に流れる電流(順方向電流)に変動が生じたときの、発光素子5が発する光の座標位置の変化(すなわち軌跡)を示す特性である。色度図とは、光色に含まれる赤色、緑色及び青色の混合比のうちの2色(例えば赤色及び緑色)の混合比をxy座標位置で表した図である。例えば、x座標が赤色の混合比を表し、y座標が緑色の混合比を表す。混合比は、光全体に対する各色の光の割合をいう。具体的には、赤色光の混合比は、光全体に対する赤色光の割合をいう。緑色光の混合比は、光全体に対する緑色光の割合をいう。青色光の混合比は、光全体に対する青色光の割合をいう。光色に含まれる赤色、緑色及び青色の混合比の合計は、例えば値1に設定されている。
以下、色度図において、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、第1種類の発光素子51が発する光の座標位置を、第1座標位置A(I0)と記載する(図2A参照)。また、色度図において、第2種類の発光素子52に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、第2種類の発光素子52が発する光の座標位置を、第2座標位置B(I0)と記載する(図2B参照)。なお、図2A等では、第1座標位置A(I0)は、作図の都合上、或る座標位置に図示されているが、実際は、電流値I0の変動に伴って変位する座標位置である。同様に、図2B等に図示された第2座標位置B(I0)も、電流値I0の変動伴って変位する座標位置である。
図2Aに示す電流-色度特性S1は、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1(例えば10mA)から第2電流値I2(例えば150mA)まで変動したときの第1座標位置A(I0)の変化を示している。図2Aの第1座標位置A(I1),A(I2)はそれぞれ、電流値I0が第1電流値I1及び第2電流値I2のときの第1座標位置A(I0)である。このように、図2Aに示す電流-色度特性S1では、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値I0の変動(例えば上昇)に伴って、第1座標位置A(I0)は、例えば右斜め上方向に変位する。このような第1種類の発光素子51として、例えば、日亜化学工業株式会社製のNFSW757GT-V3がある。
図2Bに示す電流-色度特性S2は、第2種類の発光素子52に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1(例えば10mA)から第2電流値I2(例えば150mA)まで変動したときの第2座標位置B(I0)の変位を示している。図2Bの第2座標位置B(I1),B(I2)はそれぞれ、電流値I0がI1、I2のときの第2座標位置B(I0)である。このように、図2Bに示す電流-色度特性S2では、第2種類の発光素子52に流れる電流の電流値I0の変動(例えば上昇)に伴って、第2座標位置B(I0)は、第1座標位置A(I0)とは異なるように、例えば左斜め下方向に変位する。このような第2種類の発光素子52として、例えば、SEOUL SEMICONDUCTOR社製のSTW8C2PB-E1がある。
なお、第1電流値I1及び第2電流値I2は、例えば、発光モジュール1で使用される電流の範囲(使用可能電流範囲)内の電流値である。第1電流値I1は、発光素子51,52の使用可能電流範囲の最小電流値でもよいし、第2電流値I2は、発光素子51,52の使用可能電流範囲の最大電流値でもよい。
また、電流-色度特性S1,S2は、互いに同じ電流範囲(第1電流値I1から第2電流値I2までの範囲)で与えられているが、互いに異なる電流範囲で与えられてもよい。例えば、電流-色度特性S1は、第1電流値I1(例えば10mA)から第2電流値I2(例えば150mA)までの範囲で与えられ、電流-色度特性S2は、第3電流値(例えば5mA)から第4電流値(例えば160mA)までの範囲で与えられてもよい。
このように、2種類の発光素子51,52は、互いに異なる電流-色度特性S1,S2を有する。したがって、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)は、第2座標位置B(I0)と異なるように変位する。さらに、本実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)は、互いに逆方向に変位する。これにより、後述のように、2種類の発光素子51,52に電流変動が生じたとき、発光モジュール1が発する光の色度図での変位量を効果的に小さくできる。
なお、上記の「第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)は、互いに逆方向に変位する」には、次の第1~第4の場合が含まれる。第1の場合は、色度図において、電流-色度特性S1,S2が互いに平行な直線状の線分であり、かつ、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)の各々の変位の方向が逆方向である場合である。第2の場合は、色度図において、電流-色度特性S1,S2の少なくとも一方が直線状でない線分(例えば曲がった線分)である場合において、上記の直線状でない線分を直線で近似することで、第1の場合を満たす場合である。第3の場合は、色度図において、電流-色度特性S1,S2が互いに平行でない直線状の直線である場合において、電流-色度特性S1,S2の間の狭い方の角度が所定角度(例えば±20°)以内である場合である。かつ、電流-色度特性S2を電流-色度特性S1に平行な直線に射影したとき、第1座標位置A(I0)の変位の方向と、上記の射影した直線での第2座標位置B(I0)の変位の方向とが逆方向である場合である。第4の場合は、色度図において、電流-色度特性S1,S2の少なくとも一方が直線状でない線分(例えば曲がった線分)である場合において、上記の直線状でない線分を直線で近似することで、第3の場合を満たす場合である。
発光モジュール1が発する光は、2種類の発光素子51,52が発する光の合成光で構成されている。また、発光モジュール1が発する光の電流-色度特性S3は、図2Cに示すように、2種類の発光素子51,52の電流-色度特性S1,S2に基づいて与えられる。
より詳細には、色度図において、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、発光モジュール1が発する光の座標位置を、第3座標位置C(I0)と記載する。この場合、2種類の発光素子51,52が発する光の強度が同じであれば、第3座標位置C(I0)は、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)との中間位置で与えられる。なお、中間位置とは、例えば、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)との幾何学的な中心位置(すなわち重心位置)である。又は、中間位置とは、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)との代数的な平均位置(すなわち各座標成分同士を加算平均した位置)である。
したがって、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動するとき、電流-色度特性S3の始点である第3座標位置C(I1)は、第1座標位置A(I1)と第2座標位置B(I1)との中間位置で与えられる。同様に、電流-色度特性S3の終点である第3座標位置C(I2)は、第1座標位置A(I2)と第2座標位置B(I2)との中間位置で与えられる。電流-色度特性S3は、概略的には、第3座標位置C(I1)と第3座標位置C(I2)とを結ぶ線分で与えられる。
したがって、2種類の発光素子51,52の電流-色度特性S1,S2がそれぞれ図2A及び図2Bで与えられた場合、発光モジュール1が発する光(合成光)の電流-色度特性S3は、図2Cに示すようになる。なお、図2Cにおいて、電流-色度特性S1に付された矢印は、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が上昇したときに第1座標位置A(I0)が変位する方向を示す。同様に、電流-色度特性S2,S3に付された矢印は、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が上昇したときに第2座標位置B(I0)及び第3座標位置C(I0)が変位する方向を示す。
発光モジュール1では、電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第3座標位置C(I0)が変位する第3変位量は、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量、及び第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量よりも小さい。換言すると、上記の第1変位量、第2変位量及び第3変位量の間に上記の関係が成立するような電流-色度特性S1,S2を有する2種類の発光素子51,52が選択されている。
なお、上記の第1変位量は、例えば、第1電流値I1での第1座標位置A(I1)と第2電流値I2での第1座標位置A(I2)との間の直線距離の長さである。第2変位量及び第3変位量についても第1変位量と同様である。この場合は、発光モジュール1が発する光において、第1電流値I1での光色と第2電流値I2での光色とを比較したときの光色の変化が低減される。なお、上記の第1変位量、第2変位量及び第3変位量は、上記の長さに限定されない。例えば、上記の第1変位量は、電流-色度特性S1に沿った長さであってもよい。同様に、第2変位量及び第3変位量もそれぞれ、電流-色度特性S2,S3に沿った長さであってもよい。この場合は、発光モジュール1が発する光において、電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、その電流変動の途中の光色の変化も含めて、光色の変化が低減される。
このように、発光モジュール1では、発光モジュール1が発する光(合成光)の電流-色度特性S3は、2種類の発光素子51,52の電流-色度特性S,S2に基づいて与えられる。
以上、この実施形態の発光モジュール1によれば、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が変動したとき、第3座標位置C(I0)の第3変位量は、第1座標位置A(I0)の第1変位量及び第2座標位置B(I0)の第2変位量よりも小さい。このため、2種類の発光素子51,52が発する光の合成光において、2種類の発光素子51,52の電流変動に伴う光色の変化(例えば発光モジュール1の調光時の光色の変化)を低減できる。
また、本実施形態では、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)は、互いに逆方向に変位する。このため、第1座標位置A(I0)の変位と第2座標位置B(I0)の変位とが互いに効果的に相殺される。この結果、発光素子51,52に流れる電流が変動したとき、発光モジュール1が発する光の色度図での第3座標位置C(I0)の第3変位量を効果的に小さくできる。
なお、本実施形態の発光モジュール1は、白色光色の光を発するが、白色光色の光を
発する場合に限定されず、用途によって各種の光色の光を発してもよい。
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例では、実施形態1と異なる点を中心に説明する。以下の変形例では、実施形態1と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(変形例1)
実施形態1では、2種類の発光素子51,52の構成比は、1対1に設定されたが、2種類の発光素子51,52の構成比は、2種類の発光素子51,52の色度図での座標位置の変位量に応じて設定されてもよい。
例えば、2種類の発光素子51,52の構成比は、2種類の発光素子51、52に流れる電流が変動したとき、色度図での座標位置の変位量が小さい発光素子ほど構成比が大きくなるように、設定されてもよい。
また、図2Cに示す電流-色度特性S1,S2のように、電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)の第1変位量と、第2座標位置B(I0)の第2変位量とは、同じであってもよい。この場合は、2種類の発光素子51,52の構成比を1対1に設定してもよい。
他方、図3に示す電流-色度特性S1,S2のように、電流値I0が第1電流量I1から第2電流量I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)の第1変位量と、第2座標位置B(I0)の第2変位量とに、大差(例えば2倍以上又は3倍以上)があってもよい。この場合は、第1変位量及び第2変位量のうち、大きい方の発光素子(例えば第1種類の発光素子51)と、小さい方の発光素子(例えば第2種類の発光素子52)との構成比を1対2としてもよい。
また、第1座標位置A(I0)の第1変位量と、第2座標位置B(I0)の第2変位量との比率に反比例するように、2種類の発光素子51,52の構成比を設定してもよい。例えば、第1変位量と第2変位量との比率が2対1の場合は、2種類の発光素子51,52の構成比は1対2となる。
(変形例2)
実施形態1では、図2Cに示すように、電流-色度特性S1は、右斜め上方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S2は、左斜め下方向に傾斜した線分であった。ただし、電流-色度特性S1,S2の形状は、そのように限定されない。例えば、電流-色度特性S1,S2はそれぞれ、図4A~図4Dの4つのタイプA~Dの何れか1つのタイプであってもよい。図4AのタイプAの電流-色度特性は、発光素子5に流れる電流の電流値I0の上昇に伴って、右斜め上方に変化する。図4BのタイプBに示す電流-色度特性は、発光素子5に流れる電流の電流値I0の上昇に伴って、左斜め下方に変化する。図4CのタイプCの電流-色度特性は、発光素子5に流れる電流の電流値I0の上昇に伴って、右斜め下方に変化する。図4DのタイプDの電流-色度特性は、発光素子5に流れる電流の電流値I0の上昇に伴って、左斜め上方に変化する。なお、一例として、3つのタイプA~Dの電流-色度特性は、互いに同じ長さであるが、タイプDの電流-色度特性の長さは、3つのタイプA~Cの電流-色度特性の長さよりも短い。例えば、タイプDの電流-色度特性の長さは、3つのタイプA~Cの電流-色度特性の長さの1/3倍の長さである。
(変形例3)
実施形態1では、2種類の発光素子51,52は、互いに異なる色温度で、かつ互いに異なる電流-色度特性を有したが、2種類の発光素子51,52の組み合わせは、このように限定されない。例えば、2種類の発光素子51,52は、互いに同じ色温度で、かつ互いに異なる電流-色度特性を有してもよい。具体的には、2種類の発光素子51,52は、色温度が共に6500Kで、かつ電流-色度特性S1,S2の組み合わせが図4AのタイプA及び図4BのタイプBであってもよい。また、2種類の発光素子51,52は、色温度が共に2700Kで、かつ電流-色度特性S1,S2の組み合わせが図4Cのタイプ及び図4DのタイプDであってもよい。
また、互いに異なる色温度で、かつ互いに異なる電流-色度特性を有する2種類以上の発光素子と、互いに同じ色温度で、かつ互いに異なる電流-色度特性を有する2種類以上の発光素子とを組み合わせて、回路基板3に設けてもよい。
(変形例4)
実施形態1において、図5に示すように、さらに、発光モジュール1が発する光の色度変位中心P1が色度図での所望の座標位置となるように、2種類の発光素子51,52の電流-色度特性S1,S2を設定してもよい。色度変位中心P1とは、例えば、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が所望の電流値に制御されたときに、第3座標位置C(I0)が位置すべき座標位置である。第3座標位置C(I0)は、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。これにより、例えば発光モジュール1に流れる電流の電流値I0が所望の電流値に制御されたときに、発光モジュール1が発する光の光色を所望の光色に設定可能である。
(変形例5)
実施形態1の変形例において、図6に示すように、さらに、電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2に変動したとき、第3座標位置C(I0)が色度図での所望の制限範囲H1内で変化するように、電流-色度特性S1,S2を設定してもよい。なお、第3座標位置C(I0)は、2種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。所望の制限範囲H1は、色度図において、x軸の第1所望範囲h1内でかつy軸の第2所望範囲h2内の範囲である。第1所望範囲h1及び第2所望範囲h2は、任意に設定可能である。本実施形態では、所望の制限範囲H1は、例えばx軸方向の幅が最大幅である。
所望の制限範囲H1は、電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2に変動したとき、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量、及び第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量よりも小さくなるように設定されている。すなわち、所望の制限範囲H1の最大幅(例えばx軸方向の幅)は、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量、及び第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量よりも小さい。これにより、発光素子51,52の電流変動に伴って発光モジュール1が発する光の光色が変化するとき、その光色の変化を色度図での所望の制限範囲H1内に制限できる。
(変形例6)
実施形態1では、2種類の発光素子51,52は、図1Aに示すように、一列に配置され、かつ互いに交互に配置されたが、2種類の発光素子51,52の配列は、上記のように限定されない。例えば図7に示すように、2種類の発光素子51,52は、2列に配置され、市松模様状(チェック柄状)に配置されてもよい。すなわち、2種類の発光素子51,52は、各列で、互いに交互に一列に配置されている。その際、1列目(図7の上側の列)では、第1種類の発光素子51が先頭(例えば1列目の一番左端の発光素子)となり、2列目(図7の下側の列)では、第2種類の発光素子52が先頭(例えば2列目の一番左端の発光素子)となる。2つの列の間では、異なる種類の発光素子51,52が隣合うように配置されている。なお、2種類の発光素子51,52は、3列以上に配置され、市松模様状に配置されてもよい。なお、本変形例では、2種類の発光素子51,52は、市松模様状に配置されたが、2種類の発光素子51,52の配列は、市松模様状に限定されず、不規則に配置されてもよい。
(変形例7)
実施形態1では、複数種類の発光素子51,52には、互いに同じ電流値の電流が流れ、かつ、複数種類の発光素子51,52に流れる電流は、第1電流値I1から第2電流値I2まで、互いに同じように変動した。ただし、複数種類の発光素子51,52には、互いに異なる電流値の電流が流れてもよいし、複数種類の発光素子51,52に流れる電流は、互いに異なるように変動してもよい。
例えば、図8に示すように、第1種類の発光素子51に流れる電流が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第2種類の発光素子52に流れる電流は、第3電流値I3から第4電流値I4まで変動してもよい。
図8において、第1座標位置A(I1)は、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値が第1電流値I1のときの第1座標位置である。第1座標位置A(I2)は、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値が第2電流値I2のときの第1座標位置である。第2座標位置B(I3)は、第2種類の発光素子52に流れる電流の電流値が第3電流値I3のときの第1座標位置である。第2座標位置B(I4)は、第2種類の発光素子52に流れる電流の電流値が第4電流値I4のときの第2座標位置である。第3座標位置C1は、2種類の発光素子51,52にそれぞれ電流値I1,I3の電流が流れたときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。第3座標位置C2は、2種類の発光素子51,52にそれぞれ電流値I2,I4の電流が流れたときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。
この場合、第3座標位置C1は、第1座標位置A(I1)と第2座標位置B(I3)との中間位置で与えられる。また、第3座標位置C2は、第1座標位置A(I2)と第2座標位置B(I4)との中間位置で与えられる。発光モジュール1が発する光の電流-色度特性S3は、概略的には、2つの第3座標位置C1,C2とを結ぶ線分で与えられる。
(実施形態1の効果)
以上説明したように、実施形態1に係る発光モジュール1は、複数種類の発光素子5と、基板3と、を備えている。複数種類の発光素子5は、第1種類の発光素子51及び第2種類の発光素子52を含む。基板3は、複数種類の発光素子5が設けられている。第1座標位置A(I0)は、複数種類の発光素子5に生じる電気的変動に伴って変位する。第1座標位置A(I0)は、第1種類の発光素子51が発する光の色度図での座標位置である。第2座標位置B(I0)は、電気的変動に伴って、第1座標位置A(I0)とは異なるように変位する。第2座標位置B(I0)は、第2種類の発光素子52が発する光の色度図での座標位置である。複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第3座標位置C(I0)が変位する第3変位量は、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量及び第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量よりも小さい。第3座標位置C(I0)は、複数種類の発光素子5が発する光の合成光の色度図での座標位置である。
この構成によれば、複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第3座標位置C(I0)の第3変位量は、第1座標位置A(I0)の第1変位量及び第2座標位置B(I0)の第2変位量よりも小さい。このため、複数種類の発光素子5が発する光の合成光において、複数種類の発光素子5に生じる電気的変動に伴う光色の変化を低減できる。
また、実施形態1に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5は、例えば2種類の発光素子51,52である。
この構成によれば、2種類の発光素子51,52が発する光の合成光において、それら2種類の発光素子51,52に生じる電気的変動に伴う光色の変化を低減できる。
また、実施形態1に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)とは、互いに逆方向に変位する。
この構成によれば、複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)とは互いに逆方向に変位する。このため、複数種類の発光素子5が発する光の合成光において、それら複数種類の発光素子5に生じる電気的変動に伴う光色の変化を容易に低減できる。例えば複数種類の発光素子5が2種類の発光素子51,52である場合は、それら2種類の発光素子51,52の各々の色度図での座標位置の変位量を調整するだけで、上記の合成光の光色の変化を容易に低減できる。
また、実施形態1に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5に生じる電気的変動は、複数種類の発光素子5に流れる電流の変動である。
この構成によれば、発光モジュール1が発する光合成光において、複数種類の発光素子5の電流変動に伴う光色の変化を低減できる。
また、実施形態1に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5に生じる電気的変動は、複数種類の発光素子5に供給される電力が制御されることで、制御可能である。
この構成によれば、複数種類の発光素子5に供給される電力を制御することで、電気的変動を制御できる。これにより、発光モジュール1が発する光合成光において、複数種類の発光素子5に供給される電力の制御に伴う光色の変化を低減できる。
(他の実施形態)
以下、他の実施形態を列挙する。以下に説明する他の実施形態は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する他の実施形態では、上記の実施形態と異なる点を中心に説明する。以下の他の実施形態では、上記の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(実施形態2)
実施形態1では、2種類の発光素子51,52が回路基板3に設けられたが、本実施形態では、図9に示すように、3種類の発光素子51,52,54が回路基板3に設けられている。すなわち、本実施形態の発光モジュール1は、実施形態1の2種類の発光素子51,52に加えて、第3種類の発光素子54を備えている。本実施形態では、発光モジュール1が発する光は、3種類の発光素子51,52,54が発する光の合成光で構成されている。3種類の発光素子51,52,54は、例えば、同じ電流値の電流が供給されて発する。
第1種類の発光素子51、第2種類の発光素子52、及び第3種類の発光素子54の各々の個数は、互いに同じ個数である。3種類の発光素子51,52,54は、図9に示すように、互いに混在した状態で、回路基板3の長手方向に一列に並んで配置されている。より詳細には、発光素子51、発光素子52及び発光素子54は、この順番を周期的に繰り返すようにして、回路基板3の長手方向に沿って並んで配置されている。
第3種類の発光素子54は、例えば、色温度が2700K[ケルビン]である白色光を発する白色発光ダイオードである。第3種類の発光素子54は、図10Aに示す電流-色度特性S4を有する。図10Aに示す電流-色度特性S4は、第3種類の発光素子54に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1(例えば10mA)から第2電流値(例えば150mA)まで変動したときの第4座標位置D(I0)の変化を示している。第4座標位置D(I0)は、色度図において、第3種類の発光素子54に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、第3種類の発光素子54が発する光の座標位置である。なお、図10A等では、第4座標位置D(I0)は、作図の都合上、或る座標位置に図示されているが、実際は、電流値I0の変動に伴って変位する座標位置である。図10Aの第4座標位置D(I1),D(I2)はそれぞれ、電流値I0が第1電流値I1及び第2電流値I2のときの第4座標位置D(I0)である。
このように、図10Aに示す電流-色度特性S4では、第3種類の発光素子54に流れる電流の変動(例えば上昇)に伴って、第4座標位置D(I0)は、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)とは異なるように、例えば上方向に変位する。このような第3種類の発光素子54として、例えば、日亜化学工業株式会社製のNFSW757GT-P5がある。
本実施形態では、図10Bに示すように、実施形態1と同様に、第1種類の発光素子51の電流-色度特性S1は、図2Aで示された電流-色度特性であり、第2種類の発光素子52の電流-色度特性S2は、図2Bで示された電流-色度特性である。また、本実施形態では、図10Bに示すように、実施形態1と同様に、色度図において、第1種類の発光素子51に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、第1種類の発光素子51が発する光の座標位置を、第1座標位置A(I0)と記載する。同様に、第2種類の発光素子52が発する光の座標位置を第2座標位置B(I0)と記載する。また、3種類の発光素子51,52,54に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの、発光モジュール1が発する光(合成光)の座標位置を、第3座標位置C(I0)と記載する。本実施形態では、第3座標位置C(I0)は、3種類の発光素子51,52,54が発する光の各々の座標位置(すなわち第1座標位置A(I0)、第2座標位置B(I0)及び第4座標位置D(I0))の中間位置である。
3種類の発光素子51,52,54は、互いに異なる電流-色度特性S1,S2,S4を有する。したがって、3種類の発光素子51,52,54に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2まで変動したとき、第1座標位置A(I0)、第2座標位置B(I0)及び第4座標位置D(I0)は、互いに異なるように変位する。
本実施形態の発光モジュール1が発する光(合成光)の電流-色度特性S3は、図10Bに示すように、3種類の発光素子51,52,54の電流-色度特性S1,S2,S4に基づいて与えられる。より詳細には、3種類の発光素子51,52,54に流れる電流の電流値I0が任意の値のときの第3座標位置C(I0)は、第1座標位置A(I0)、第2座標位置B(I0)及び第4座標位置D(I0)の3つの座標位置の中間位置で与えられる。したがって、電流値I0が第1電流値I1のときの第3座標位置C(I1)は、電流値I0が第1電流値I1のときの3つの座標位置(第1座標位置A(I1)、第2座標位置B(I1)及び第4座標位置D(I1))の中間位置で与えられる。また、電流値I0が第2電流値I2のときの第3座標位置C(I2)は、電流値I0が第2電流値I2のときの3つの座標位置(第1座標位置A(I2)、第2座標位置B(I2)及び第4座標位置D(I2))の中間位置で与えられる。電流-色度特性S3は、概略的には、2つの座標位置(第4座標位置D(I1),D(I2))を結ぶ線分で与えられる。
本実施形態では、電流値I0が変動したとき、第3座標位置C(I0)が変位する第3変位量は、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量、第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量、及び第4座標位置D(I0)が変位する第4変位量よりも小さい。すなわち、上記の第1変位量、第2変位量及び第4変位量が上記の関係を満たすように、電流-色度特性S1,S2,S4は、設定されている。
より詳細には、まず、3つの電流-色度特性S1,S2,S4のうちの2つの電流-色度特性S1,S2が設定される。これにより、発光モジュール1が発する光(3種類の発光素子51,52,54の合成光)の電流-色度特性S3の形が概略的に定められる。例えば、3種類の発光素子51,52,54に流れる電流の電流値I0が第1電流値I1から第2電流値I2に変動したとき、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)が互いに逆方方向に変位するように、電流-色度特性S1,S2が設定される。そして、適宜形の電流-色度特性S4が設定される。これにより、電流-色度特性S3の形状が微調整される。この結果、上述のように、第3座標位置C(I0)の第3変位量が、第1座標位置A(I0)の第1変位量、第2座標位置B(I0)の第2変位量、及び第4座標位置D(I0)の第4変位量よりも小さくなるように、電流-色度特性S3の形が最終的に定められる。
以上、この実施形態によれば、3種類の発光素子51,52,54が発する光の合成光において、それら3種類の発光素子51,52,54の電流変動に伴う光色の変化を低減できる。
(実施形態2の変形例)
以下、実施形態2の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例では、実施形態2と異なる点を中心に説明する。以下の変形例では、実施形態2と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(変形例1)
実施形態2では、図10に示すように、電流-色度特性S1は、右斜め上方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S2は、左斜め下方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S4は、上方に延びた線分であった。ただし、電流-色度特性S1,S2,S4の形状は、上述のように限定されない。例えば図11Aに示すように、電流-色度特性S1は、右斜め上方向に緩やかに傾斜した線分であり、電流-色度特性S2は、左斜め上方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S4は、左斜め下方向に傾斜した線分であってもよい。この場合、電流-色度特性S3は、左方向に延びた短い線分となる。また、図11Bに示すように、電流-色度特性S1は、右斜め下方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S2は、上方向に延びた線分であり、電流-色度特性S4は、左斜め下方向に傾斜した線分であってもよい。この場合、電流-色度特性S3は、右斜め下方向に急勾配で傾斜した短い線分となる。
(変形例2)
実施形態2では、電流-色度特性が異なる3種類の発光素子51,52,54が設けられたが、電流-色度特性が異なる4種類以上の発光素子が設けられてもよい。図12は、電流-色度特性が異なる4種類の発光素子を備えた場合の、それら4種類の発光素子の電流-色度特性S10,S11,S12,S13と、発光モジュール1の合成光の電流-色度特性S14とを示している。発光モジュール1の合成光は、上記の4種類の発光素子が発する光の合成光である。電流-色度特性S10は、下方向に延びた線分であり、電流-色度特性S11は、右上方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S12は、右斜め上方向に傾斜した線分であり、電流-色度特性S13は、左斜め下方向に傾斜した線分である。この場合、発光モジュール1が発する光の電流-色度特性S14は、右斜め上方向に傾斜した短い線分である。
(実施形態2の効果)
以上説明したように、実施形態2に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5は、第3種類の発光素子54を更に含む。第4座標位置D(I0)は、複数種類の発光素子5の電気的変動に伴って、第1座標位置A(I0)及び第2座標位置B(I0)とは異なるように変位する。第4座標位置D(I0)は、第3種類の発光素子54が発する光の色度図での座標位置である。電気的変動が生じたとき、第3座標位置C(I0)が変位する第3変位量は、第1座標位置A(I0)が変位する第1変位量、第2座標位置B(I0)が変位する第2変位量、及び第4座標位置D(I0)が変位する第4変位量よりも小さい。
この構成によれば、3種類以上の発光素子5が発する光の合成光において、それら3種類以上の発光素子5に生じる電気的変動に伴う光色の変化を低減できる。
また、実施形態2に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)とは、互いに逆方向に変位する。
この構成によれば、複数種類の発光素子5に電気的変動が生じたとき、第1座標位置A(I0)と第2座標位置B(I0)とは互いに逆方向に変位する。このため、複数種類の発光素子5が発する光の合成光において、それら複数種類の発光素子5に生じる電気的変動に伴う光色の変化を容易に低減できる。例えば複数種類の発光素子5が3種類以上の発光素子5である場合は、まず、上記の2種類の発光素子51,52の各々の色度図での座標位置の変位を利用して、上記の合成光の光色の変化を概略的に調整する。そして、上記の複数種類の発光素子5のうちの他の種類の発光素子5の色度図での座標位置の変位を利用して、上記の合成光の光色の変位量を精密に調整する。これにより、複数種類の発光素子5が3種類以上の発光素子5である場合も、上記の合成光の光色の変化量を容易に低減できる。
(実施形態3)
実施形態1では、複数種類(例えば2種類)の発光素子51,52の電気的変動は、複数種類の発光素子51,52に流れる電流の変動(電流変動)であったが、上記の電気的変動は、電流変動に限定されない。例えば、上記の電気的変動は、複数種類の発光素子51,52に印加される電圧の変動(電圧変動)であってもよい。
以下、上記の電気的変動が電圧変動である場合について、図13を参照して詳しく説明する。以下の説明では、複数種類(例えば2種類)の発光素子51,52には、同じ電圧値の電圧(順方向電圧)が印加され、印加された電圧の電圧値V0が、第1電圧値V1から第2電圧値V2まで、同じように変動する場合で説明する。
この場合は、本実施形態では、図13に示すように、電圧値V0が第1電圧値V1から第2電圧値V2まで変動したとき、第3座標位置C(V0)の第3変位量は、第1座標位置A(V0)の第1変位量及び第2座標位置B(V0)の第2変位量よりも小さくなる。電圧値V0は、2種類の発光素子51,52に印加される電圧の電圧値である。上記の第1変位量、第2変位量及び第3変位量が上記の関係を満たすように、2種類の発光素子51,52の電圧-色度特性が設定されている。
なお、図13に示すように、第1座標位置A(V0)は、第1種類の発光素子51に印加される電圧の電圧値V0が任意の値ときの、第1種類の発光素子51が発する光の色度図での座標位置である。第2座標位置B(V0)は、第2種類の発光素子52に印加される電圧の電圧値V0が任意の値のときの、第2種類の発光素子52が発する光の色度図での座標位置である。第3座標位置C(V0)は、2種類の発光素子51,52に印加される電圧の電圧値V0が任意の値ときの、発光モジュール1が発する光(すなわち2種類の発光素子51,52が発する光の合成光)の色度図での座標位置である。なお、図13では、第1座標位置A(V0)は、作図の都合上、或る座標位置に図示されているが、実際は、電圧値V0の変動に伴って変位する座標位置である。同様に、第2座標位置B(V0)及び第3座標位置C(V0)も、電圧値V0の変動伴って変位する座標位置である。
図13に示すように、第1種類の発光素子51は、電圧-色度特性S21を有し、第2種類の発光素子52は、電圧-色度特性S22を有する。電圧-色度特性S21,S22は、互いに異なっている。電圧-色度特性S21,S22は、色度図において、発光素子51,52に印加される電圧(順方向電圧)の変動が生じたときの、発光素子51,52が発する光の色度図での座標位置の変化(すなわち軌跡)を示した図である。
複数種類の発光素子51,52に印加される電圧の電圧値V0が第1電圧V1から第2電圧V2まで変動したとき、第1座標位置A(V0)は、電圧-色度特性S21に沿って第1座標位置A(V1)から第1座標位置A(V2)まで変位する。同様に、第2座標位置B(V0)は、電圧-色度特性S22に沿って、第2座標位置B(V1)から第2座標位置B(V2)まで変位する。
この場合、第3座標位置C(V0)は、第1座標位置A(V0)と第2座標位置B(V0)との中間位置で与えられる。したがって、電圧値V0が第1電圧値V1から第2電圧値V2まで変動するとき、電圧-色度特性S23の始点である第3座標位置C(V1)は、第1座標位置A(V1)と第2座標位置B(V1)との中間位置で与えられる。同様に、電圧-色度特性S23の終点である第3座標位置C(V2)は、第1座標位置A(V2)と第2座標位置B(V2)との中間位置で与えられる。電圧-色度特性S23は、概略的には、第3座標位置C(V1)と第3座標位置C(V2)とを結ぶ線分で与えられる。
この場合、電圧値V0が第1電圧V1から第2電圧V2まで変動したとき、第3座標位置C(V0)が変位する第3変位量は、第1座標位置A(V0)が変位する第1変位量及び第2座標位置B(V0)が変位する第2変位量よりも小さい。すなわち、上記の第1変位量、第2変位量及び第3変位量が上記の関係を満たすように、2種類の発光素子51,52の電圧-色度特性S21,22が設定されている。
以上、この実施形態の発光モジュール1によれば、2種類の発光素子51,52に印加される電圧の電圧値V0が変動したときの第3座標位置C(V0)の第3変位量は、第1座標位置A(V0)の第1変位量及び第2座標位置B(V0)の第2変位量よりも小さい。このため、2種類の発光素子51,52が発する光の合成光において、2種類の発光素子51,52に印加される電圧に変動が生じたとき(例えば調光されたとき)の光色の変化を低減できる。
(実施形態3の変形例)
以下、実施形態3の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例では、実施形態3と異なる点を中心に説明する。以下の変形例では、実施形態3と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(変形例1)
本変形例の発光モジュール1は、図9に示すように、3種類の発光素子(第1種類の発光素子51、第2種類の発光素子52及び第3種類の発光素子54)を備えている。本変形例の発光モジュール1が発する光は、3種類の発光素子51,52,54が発する光の合成光で構成されている。
以下の説明では、3種類の発光素子51,52,54には、同じ電圧値の電圧が印加される場合で説明する。
第1種類の発光素子51及び第2種類の発光素子52は、実施形態5の第1種類の発光素子51及び2種類)の発光素子51,52と同じである。
第3種類の発光素子54は、例えば白色光を発する白色発光ダイオードである。第3種類の発光素子54は、図14Aに示す電圧-色度特性S24を有する。図14Aに示す電圧-色度特性S24では、第3種類の発光素子54に印加される電圧の電圧値V0が第1電圧値V1から第2電圧値V2まで変動したときの第4座標位置D(V0)の変化が示されている。第4座標位置D(V0)は、色度図において、第3種類の発光素子54に印加される電圧の電圧値V0が任意の値のときの、第3種類の発光素子54が発する光の座標位置である。なお、図14A等では、第4座標位置D(V0)は、作図の都合上、或る座標位置に図示されているが、実際は、電圧値V0の変動に伴って変位する座標位置である。図14Aの第4座標位置D(V1),D(V2)はそれぞれ、電圧値V0がV1、V2のときの第4座標位置D(V0)である。
図14Bに示すように、実施形態5と同様に、色度図において、第1種類の発光素子51に印加される電圧の電圧値V0が任意の値のときの、第1種類の発光素子51が発する光の座標位置を、第1座標位置A(V0)と記載する。同様に、第2種類の発光素子52が発する光の座標位置を第2座標位置B(V0)と記載する。また、3種類の発光素子51,52,54に印加される電圧の電圧値V0が任意の値のときの、発光モジュール1が発する光(合成光)の座標位置を、第3座標位置C(V0)と記載する。本実施形態では、第3座標位置C(V0)は、3種類の発光素子51,52,54が発する光の各々の座標位置(第1座標位置A(V0)、第2座標位置B(V0)及び第4座標位置D(V0))の中間位置である。
3種類の発光素子51,52,54は、互いに異なる電圧-色度特性S21,S22,S24を有する。したがって、3種類の発光素子51,52,54に印加される電圧の電圧値V0が第1電圧値V1から第2電圧値V2まで変動したとき、第1座標位置A(V0)、第2座標位置B(V0)及び第4座標位置D(V0)は、互いに異なるように変位する。
本実施形態の発光モジュール1が発する光(合成光)の電圧-色度特性S23は、図14Bに示すように、3種類の発光素子51,52,54の電圧-色度特性S21,S22,S24に基づいて与えられる。より詳細には、3種類の発光素子51,52,54に印加される電圧の電圧値V0が任意の値のとき、第3座標位置C(V0)は、第1座標位置A(V0)、第2座標位置B(V0)及び第4座標位置D(V0)の3つの座標位置の中間位置で与えられる。したがって、電圧値V0がV1のときの第3座標位置C(V1)は、電圧値V0がV1のときの3つの座標位置(第1座標位置A(V1)、第2座標位置B(V1)及び第4座標位置D(V1))の中間位置で与えられる。また、電圧値V0がV2のときの第4座標位置D(V2)は、電圧値V0がV2のときの3つの座標位置(第1座標位置A(V2)、第2座標位置B(V2)及び第4座標位置D(V2))の中間位置で与えられる。電圧-色度特性S3は、概略的には、第4座標位置D(V1)及び第4座標位置D(V2)を結ぶ線分で与えられる。
本実施形態では、電圧値V0が第1電圧値V1から第2電圧値V2に変動したとき、第3座標位置C(V0)の第3変位量は、第1座標位置A(V0)の第1変位量、第2座標位置B(V0)の第2変位量、及び第4座標位置D(V0)の第4変位量よりも小さい。すなわち、上記の第1変位量、第2変位量及び第4変位量が上記の関係を満たすように、電圧-色度特性S21,S22,S24は、設定されている。
以上、この実施形態によれば、3種類の発光素子51,52,54が発する光の合成光において、それら3種類の発光素子51,52,54の電圧変動に伴う光色の変化を低減できる。
(変形例2)
実施形態3では、複数種類の発光素子51,52には、互いに同じ電圧値の電圧が印加された。また、複数種類の発光素子51,52に印加される電圧は、互いに同じように変動した。ただし、複数種類の発光素子51,52には、互いに異なる電圧値の電圧が印加されもよいし、複数種類の発光素子51,52に印加される電圧は、互いに異なるように変動してもよい。
例えば、図15に示すように、第1種類の発光素子51に印加される電圧が第1電圧値V1から第2電圧値V2まで変動したとき、第2種類の発光素子52に印加される電圧は、第3電圧値V3から第4電圧値V4まで変動してもよい。
図15において、第1座標位置A(V1)は、第1種類の発光素子51に印加される電圧の電圧値がV1のときの第1座標位置である。第1座標位置A(V2)は、第1種類の発光素子51に印加される電圧の電圧値がV2のときの第1座標位置である。第2座標位置B(V3)は、第2種類の発光素子52に印加される電圧の電圧値がV3のときの第1座標位置である。第2座標位置B(V4)は、第2種類の発光素子52に印加される電圧の電圧値がV4のときの第2座標位置である。第3座標位置C1は、色度図において、2種類の発光素子51,52にそれぞれ電圧値V1,V3の電圧が印加されたときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。第3座標位置C2は、2種類の発光素子51,52にそれぞれ電圧値V2,V4の電圧が印加されたときの、発光モジュール1が発する光の色度図での座標位置である。
この場合、第3座標位置C1は、第1座標位置A(V1)と第2座標位置B(V3)との中間位置で与えられる。また、第3座標位置C2は、第1座標位置A(V2)と第2座標位置B(V4)との中間位置で与えられる。発光モジュール1が発する光の電圧-色度特性S23は、概略的には、2つの第3座標位置C1,C2を結ぶ線分で与えられる。
(その他の変形例)
実施形態1の変形例1~7及び実施形態2の変形例1,2は、電気的変動の一例として電流変動の場合を説明したが、電圧変動の場合でも成立する。
(実施形態3の効果)
以上説明したように、実施形態3に係る発光モジュール1では、複数種類の発光素子5の電気的変動は、複数種類の発光素子5に印加される電圧の変動である。
この構成によれば、発光モジュール1が発する光合成光において、複数種類の発光素子5の電圧変動に伴う光色の変化を低減できる。
(実施形態4)
本実施形態に係る照明装置40は、図16A、図16B及び図17に示すように、実施形態1の発光モジュール1を備えた照明装置である。照明装置40は、建物の天井等に設置され、例えば白色光の照明光で、建物の室内等を照らす照明装置である。以下の説明においては、図16A及び図16Bにおいて、上下、左右及び前後の各方向を規定する。
照明装置40は、図16A及び図16Bに示すように、発光モジュール1と、筐体7とを備えている。照明装置40は、カバー11と、一対のエンドカバー12とをさらに備えることが好ましい。なお、発光モジュール1については実施形態1と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
筐体7は、取付部材9と、一対の放熱部材10とを備える。
取付部材9は、底壁部91と、一対の側壁部92とを有する。底壁部91は、例えば板金に曲げ加工することにより前後方向に長い矩形平板状に形成されている。一対の側壁部92は、底壁部91の左右方向(幅方向)における両端部からそれぞれ上向きに突出している。発光モジュール1は、底壁部91の下面(配置面)91aに配置されている。
一対の放熱部材10の各々は、例えば板金に曲げ加工することにより前後方向に長尺でかつU字状に形成され、さらに、左右両端部からそれぞれ外向きに延出するように形成されている。これらの放熱部材10の下面には白色塗装が施されており、発光モジュール1の発光素子5から発光される光を反射させる反射板としての機能を有する。また、これらの放熱部材10は、発光素子5で発生した熱を放熱する機能も有する。
そして、これらの放熱部材10は、左右方向における一端部(回路基板3に近い側の端部)において、取付部材9の底壁部91とで回路基板3における左右方向の端部をそれぞれ挟み込むことにより、取付部材9とともに回路基板3を保持する。なお、これらの放熱部材10は、例えばねじ又は溶接などの適宜な方法により取付部材9に取り付けられる。また、取付部材9と一対の放熱部材10とが一体に形成されていてもよい。
カバー11は、例えばポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により、上面が開口する長尺の箱形に形成される。カバー11の下面(出射面)は、幅方向における両端部から中央部に近づくほど下側への突出量が大きくなるような曲面形状となっている。一対のエンドカバー12の各々は、カバー11と同じ材料により半円板状に形成される。一対のエンドカバー12は、カバー11の前後両端に設けられている。
また、照明装置40は、図17に示すように、電源装置41と、制御回路42と、調光操作部43と、発光モジュール1と、を備えている。
電源装置41は、交流電源44(例えば商用電源)から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を発光モジュール1に供給する。これにより、発光モジュール1の複数の発光素子5(すなわち複数種類の発光素子51,52)に電流が流れて、複数の発光素子5が発する。これにより、発光モジュール1が発光して、照明装置40が照明光を発する。
電源装置41は、発光モジュール1に供給する電力(電流又は電圧)を制御可能に構成されている。より詳細には、電源装置41は、整流平滑回路46と、DC-DC変換回路47と、を備えている。整流平滑回路46は、交流電源44から出力される交流電流を整流平滑化して直流電流に変換し、その変換された電流をDC-DC変換回路47に出力する。整流平滑回路46は、例えばダイオード及びコンデンサなどで構成されている。DC-DC変換回路47は、制御回路42の制御に応じて、整流平滑回路46の出力電流の電流値を変化させ、その変化させた電流を発光モジュール1に出力する。これにより、発光モジュール1に供給される電力が制御される。この結果、発光モジュール1が発する光(すなわち照明装置40が発する照明光)の強度が制御される。すなわち、発光モジュール1に供給される電力が制御される。DC-DC変換回路47は、スイッチング素子、コイル、ダイオード及びコンデンサなどで構成されている。
調光操作部43は、照明装置40の照明光の強度を所望の強度に調整するための操作が入力される装置である。調光操作部43は、例えば建物の壁など、ユーザの手が届く場所に設置されている。調光操作部43は、例えば、スライド部を有するスライド式の場合は、ユーザがスライド部をスライド操作することで、スライド部のスライド量に応じた強度(所望の強度)が調光操作部43に入力される。
制御回路42は、調光操作部43に入力された操作に基づいて、DC-DC変換回路47を制御する。これにより、発光モジュール1に供給される電流の電流値が、調光操作部43に入力された所望の強度に対応する電流値に制御される。制御回路42は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。
この照明装置40では、調光操作部43の操作によって、発光モジュール1に供給される電流(すなわち発光素子51,52に流れる電流)が制御されることで、照明装置40の照明光が調光される。その際の電流制御によって、発光素子51,52に流れる電流が変動する。しかし、実施形態1で説明したように、発光素子51,52の電流-色度特性S1,S2が設定されている。このため、照明装置40の照明光(すなわち発光素子51,52が発する光の合成光)において、発光素子51,52に流れる電流の変動に伴う光色の変化が低減されている。
なお、照明装置40の照明光の光色を白色以外に変更してもよい。光色が異なる複数の照明装置40を接近させて配置させた場合、照明装置40が発する照明光の光色の変化が低減されるため、異なる複数の光色が揃った照明を提供できる。
なお、整流平滑回路46及びDC-DC変換回路47は、交流電源44からの交流電流を直流電流に変換して発光モジュール1に供給するための出力系統M1を構成している。すなわち、本実施形態の電源装置41は、1つの出力系統M1を有する電源装置である。
なお、本実施形態では、制御回路42は、DC-DC変換回路47を制御することで、発光モジュール1に供給される電流の電流値を制御するが、電流値を制御する代わりに、発光モジュール1に供給される電圧の電圧値を制御してもよい。この場合は、制御回路42は、DC-DC変換回路47を制御することで、発光モジュール1に供給される電圧の電圧値を、調光操作部43に入力された所望の強度に対応する電圧値に制御する。このように電圧値を制御する場合は、発光モジュール1として実施形態3の発光モジュール1を用いることが望ましい。
(実施形態4の変形例)
以下、実施形態4の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例では、実施形態4と異なる点を中心に説明する。以下の変形例では、実施形態4と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(変形例1)
実施形態4の電源装置41は、1つの出力系統M1を有し、その出力系統M1によって、発光モジュール1の複数種類(例えば2種類)の発光素子51,52に電力を供給した。これに対し、本変形例の電源装置41は、図18に示すように、複数(例えば2つ)の出力系統N1,N2を有し、それら複数の出力系統N1,N2によって、発光モジュール1の複数種類(例えば2種類)の発光素子51,52に別々に電力を供給する。
本変形例の照明装置40は、図18に示すように、実施形態4の照明装置40と同様に、電源装置41と、制御回路42と、調光操作部43と、発光モジュール1とを備えている。本変形例の調光操作部43は、実施形態4の調光操作部43と同様に構成されている。本変形例の発光モジュール1は、実施形態4の発光モジュール1と比べて、第1種類の発光素子51及び第2種類の発光素子52に別々に電力を供給可能である点が異なる以外は、同様に構成されている。
本変形例の電源装置41は、上述の通り、例えば2つの出力系統(第1出力系統N1及び第2出力系統N2)を有する。すなわち、電源装置41は、発光モジュール1が備える複数種類(例えば2つ)の発光素子51,52の種類と同数(例えば2つ)の出力系統N1,N2を有する。
第1出力系統N1は、整流平滑回路46Aと、DC-DC変換回路47Aとを備えている。整流平滑回路46A及びDC-DC変換回路47Aは、実施形態4の整流平滑回路46及びDC-DC変換回路47と同様に構成されている。本変形例のDC-DC変換回路47Aは、制御回路42の制御に応じて、整流平滑回路46Aの出力電流の電流値の大きさを変化させ、その変化させた電流を発光モジュール1の第1種類の発光素子51に出力する。
第2出力系統N2は、整流平滑回路46Bと、DC-DC変換回路47Bとを備えている。整流平滑回路46B及びDC-DC変換回路47Bは、実施形態4の整流平滑回路46及びDC-DC変換回路47と同様に構成されている。本変形例のDC-DC変換回路47Bは、制御回路42の制御に応じて、整流平滑回路46Bの出力電流の電流値の大きさを変化させ、その変化させた電流を発光モジュール1の第2種類の発光素子52に出力する。
制御回路42は、調光操作部43に入力された操作に基づいて、DC-DC変換回路47A,47Bを別々に制御する。これにより、発光モジュール1に供給される電流の電流値が、調光操作部43に入力された所望の強度に対応する電流値に制御される。また、制御回路42は、DC-DC変換回路47A,47Bを別々に制御するため、発光素子51,52に供給される電力を別々に制御できる。これにより、発光素子51,52の定格電流又は使用電流範囲が異なる場合でも、発光素子51,52に最適な電流値の電流を供給できる。
以上、本変形例の照明装置40によれば、複数の出力系統M1,M2を有し、複数の出力系統M1,M2によって、複数種類の発光素子51,52に別々に電力を供給できる。このため、複数種類の発光素子51,52に供給する電流の電流値を個別に制御でできる。これにより、発光素子51,52毎に最適な電流値の電流を供給でき、各種類の発光素子51,52の寿命を延ばすことができる。また、複数種類の発光素子51,52に流れる電流の電流値を制御するとき(例えば照明装置40の照明光を調光するとき)、発光素子51,52毎に電流制御量を異ならせることができる。これにより、発光素子51,52毎に最適な電流制御量を設定でき、各種類の発光素子51,52の寿命を延ばすことができる。
(実施形態4の効果)
以上説明したように、実施形態4に係る照明装置40は、発光モジュール1と、電源装置41と、を備えている。電源装置41は、発光モジュール1の複数種類の発光素子5に供給される電力を制御する。
この構成によれば、実施形態1~3の発光モジュール1の効果を奏する照明装置40を提供できる。また、複数種類の発光素子5の電気的変動が、複数種類の発光素子5に供給される電力の制御で制御可能であるため、発光モジュール1が発する光合成光において、電源装置41の電力制御に伴う光色の変化を低減できる。