JP7126557B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP7126557B2
JP7126557B2 JP2020549723A JP2020549723A JP7126557B2 JP 7126557 B2 JP7126557 B2 JP 7126557B2 JP 2020549723 A JP2020549723 A JP 2020549723A JP 2020549723 A JP2020549723 A JP 2020549723A JP 7126557 B2 JP7126557 B2 JP 7126557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
slit
magnet
line
electric machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020549723A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021019692A1 (ja
Inventor
甲彰 山根
純士 北尾
朋平 高橋
義浩 深山
裕輔 木本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2021019692A1 publication Critical patent/JPWO2021019692A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7126557B2 publication Critical patent/JP7126557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本願は、回転電機に関するものである。
産業用、電気自動車用回転電機には、小型化および高出力化に有利な永久磁石式回転電機が多く採用されている。この回転電機の回転子には、永久磁石を埋設する磁石挿入孔が形成され、ロータコアの外周面と磁石挿入孔の間にブリッジ部が形成される。この回転子が高速回転すると、遠心力によりブリッジ部に応力が集中する。
この問題を解決するため、磁極を構成する複数の永久磁石を有する回転子において、磁極の異なる永久磁石間にスリットを形成する構成が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2010-178471号公報(段落[0008]、[0018]、[0029]および図1、2)
特許文献1の回転電機では、永久磁石からの磁石磁束と、ロータコアの磁気抵抗に起因するリラクタンス磁束の内、リラクタンス磁束を阻害する位置にスリットを設ける必要がある。このため、回転電機の耐久性を向上させるが最大トルクが低下する問題がある。
本願は、上記の問題を解決するためになされたものであり、回転電機のトルク低下を抑制しつつ、ブリッジ部の応力を低減させて、ロータコアの耐久性を向上させることができる回転電機を得ることを目的とする。
本願に開示される回転電機は、電機子巻線を有するステータと、ステータの内周で回転するロータを備える回転電機において、ロータのコアには磁極を構成する複数の永久磁石がコアの軸方向に貫通したV字に配置され中央ブリッジ部を挟む2つの磁石挿入孔に埋設され、各磁極は2つ以上の永久磁石によって構成され、各磁極において永久磁石とロータ外周面によって取り囲む外周鉄部にロータ外周面からロータの径方向内側へ切込まれたスリットを備え、スリットの径方向内側の先端には、軸方向から見て曲線を含みスリットの周方向の幅よりも大きな周方向の幅の空隙部を有し、スリットおよび空隙部は、V字に配置された2つの磁石挿入孔における永久磁石の周方向に沿って径方向外側に位置する外郭線を延長しV字中心で交差させた線をV字形成線とし、空隙部とV字形成線との最短距離を結ぶ線を第一スリット線とし、スリットの径方向外側を始点として、スリットの中央を通り、空隙部において第一スリット線と最短距離で結合する線を第二スリット線としたとき、第二スリット線の長さが第一スリット線の長さと第二スリット線の長さとの和の0.7倍以上0.86倍以下に構成されるものである。
本願に開示される回転電機は、電機子巻線を有するステータと、ステータの内周で回転するロータとを備える回転電機において、ロータのコアに設けられて磁極を構成する複数の永久磁石と、コアの軸方向に貫通してV字に配置され中央ブリッジ部を挟む2つの永久磁石を埋設する磁石挿入孔と、磁極を構成する2以上の永久磁石とロータの外周であるロータ外周面とによって囲まれたコアの外周鉄部にロータ外周面からロータの径方向内側へ切り込まれたスリットと、スリットの径方向内側の先端に設けられて軸方向から見て曲線を含みスリットの周方向の幅よりも大きな周方向の幅の空隙部と、スリットおよび空隙部は、V字に配置された2つの前記磁石挿入孔における永久磁石の周方向に沿って径方向外側に位置する外郭線を延長しV字中心で交差させた線をV字形成線とし、空隙部とV字形成線との最短距離を結ぶ線を第一スリット線とし、スリットの径方向外側を始点として、スリットの中央を通り、空隙部において第一スリット線と最短距離で結合する線を第二スリット線としたとき、第二スリット線の長さが第一スリット線の長さと第二スリット線の長さとの和の0.7倍以上0.86倍以下に構成され、冷媒が永久磁石の周方向の径方向内側の面に平行に走る磁石挿入孔の面に設けた冷媒入口孔から磁石挿入孔と永久磁石の間に構成される隙間を流れ磁石挿入孔の径方向外側へ供給される冷媒経路とを備えるものである。
本願に開示される回転電機によれば、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができる。
実施の形態1による回転電機の構成を模式的に示した縦断面図である。 実施の形態1による回転電機のロータを軸方向から見た平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータの1極を拡大した平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータにおける作用応力メカニズムを説明するための比較例の平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータにおける作用応力メカニズムを説明するための比較例の平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータにおける作用応力メカニズムを説明するための平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータにおける磁石磁束およびリラクタンス磁束の経路を説明するための平面図である。 実施の形態1による回転電機のロータにおけるスリット形状と長さの定義の説明図である。 実施の形態1による回転電機の効果を説明するための比較例のロータのスリットの定義の説明図である。 実施の形態1による回転電機の効果を説明するための比較例のロータの外周ブリッジとスリットに作用する応力の説明図である。 実施の形態1による回転電機のロータの外周ブリッジとスリットに作用する応力の説明図である。 実施の形態1による回転電機のロータの変形例の平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータの1極を拡大した平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータにおける磁石磁束およびリラクタンス磁束の経路を説明するための平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータの変形例の平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータの変形例の平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータの変形例の平面図である。 実施の形態2による回転電機のロータの変形例の平面図である。 実施の形態3による回転電機のロータの1極を拡大した平面図である。 実施の形態3による回転電機のロータの磁石挿入孔周辺を拡大した平面図である。 実施の形態3による回転電機のロータの磁石挿入孔回りの構造との対比の説明図である。 実施の形態3による回転電機のロータの応力緩和孔と冷媒経路の説明図である。 実施の形態3による回転電機の効果を説明するための比較例の説明図である。 実施の形態3による回転電機のロータの遠心力作用の説明図である。 実施の形態4による回転電機のロータの1極を拡大した平面図である。
実施の形態1.
実施の形態1は、電機子巻線を有するステータと、ステータの内周で回転するロータを備え、ロータのコアには磁極を構成する複数の永久磁石がコアの軸方向に貫通した磁石挿入孔に埋設され、各磁極は2つの永久磁石によって構成され、各磁極において永久磁石とロータ外周面によって取り囲む外周鉄部にロータ外周面からロータの径方向内側へ切込まれたスリットを備え、スリットの径方向内側の先端には空隙部を有する回転電機に関するものである。
以下、実施の形態1に係る回転電機の構成について、回転電機の構成を模式的に示した縦断面図である図1、ロータを軸方向から見た平面図である図2、ロータの1極を拡大した平面図である図3、ロータにおける作用応力メカニズムを説明するための比較例の平面図である図4、図5、ロータにおける作用応力メカニズムを説明するための平面図である図6、ロータにおける磁石磁束およびリラクタンス磁束の経路を説明するための平面図である図7、ロータにおけるスリット形状と長さの定義の説明図である図8、効果を説明するための比較例のスリットの定義の説明図である図9、効果を説明するための比較例の外周ブリッジとスリットに作用する応力の説明図である図10、ロータの外周ブリッジとスリットに作用する応力の説明図である図11、およびロータの変形例の平面図である図12に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、回転電機100における各方向を、軸方向G、周方向S、径方向Kとしてそれぞれ示す。したがって、他の部分においても、これらの方向を基準として各方向を示して説明する。
また、実施の形態2以降においても各方向のそれぞれを同様に示す。
実施の形態1の回転電機の全体構成を、構成を模式的に示した縦断面図である図1に基づいて説明する。
図1において、回転電機100はステータ1とロータ2とを備えている。
ステータ1は軸方向に複数の鋼板を積層したステータコア6と、ステータコア6に巻回したコイル7を備えている。
ロータ2はロータコア3と、ロータコア3に埋設された永久磁石4と、ロータコア3の内周部を貫通するシャフト5から構成される。
実施の形態1において、永久磁石4は軸方向に複数個に分割されている。ロータコア3とシャフト5は、圧入および焼き嵌め、またはロータコア3の内周とシャフト5の外周に設けたキー構造を介して嵌合している。
なお、図において、回転電機100の軸方向をGで表している。
次に、ロータ2の構成を、回転電機100のロータ2を軸方向から見た平面図である図2に基づいて説明する。図において、回転電機100の周方向、すなわちロータ2の周方向をSで表し、回転電機100の径方向、すなわちロータ2の径方向をKで表している。
ロータコア3には24個の磁石挿入孔21が周方向に間隔を置いて配置され、磁石挿入孔21にはそれぞれ永久磁石4が埋設されている。
磁石挿入孔21と永久磁石4は周方向に隣接する2個で1セットとなり、回転軸の中心側から径方向外側に向かって広がる12個のV字を構成する。1つの磁極はV字に構成された2つの磁石挿入孔21と2つの永久磁石4で構成され、12個の磁極が周方向に並べて配置されている。
次に、1つの磁極の構成の詳細を、ロータ2の1つの磁極を拡大した平面図である図3に基づいて説明する。
磁石挿入孔21とロータコア3のロータ外周面20とに挟まれて構成された薄肉部を外周ブリッジ部22とする。また、V字を構成する2つの磁石挿入孔21(21a、21b)に挟まれ、V字の周方向の中央部であり径方向内側に構成される薄肉部を中央ブリッジ部23とする。また、各磁極に挟まれた部分を磁極間28とする。
2つの磁石挿入孔21(21a、21b)およびロータ外周面20で囲む三角型の部分を外周鉄部24とする。なお、区別する必要がない場合は、適宜磁石挿入孔21と記載する。
外周鉄部24にはスリット25が形成されている。スリット25はロータ外周面20から径方向の内側に切り込んで延びる延伸部251と、空隙部252とを備える。
延伸部251は磁極の中心を通り径方向に延びるように配置している。空隙部252はスリット25の径方向内側の先端に位置し、延伸部251の周方向の最小幅よりも大きな周方向の幅を有する。
なお、図において、空隙部252は円弧形状を想定しているが、四角形または多角形でもよい。
次に、実施の形態1においてロータ2の外周鉄部24に設けたスリット25の効果を、比較例を用いて説明する。
まず、スリットを有さないロータコア3Aを備えたロータ2Aを比較例1として、図4に基づいて説明する。図4は、比較例1のロータ2に作用する荷重の概要、すなわち作用応力メカニズムを説明する図である。
なお、実施の形態1のロータ2等と区別するため、ロータ2A、ロータコア3A、外周ブリッジ部22A、および外周鉄部24Aと記載している。
図4において、矢印Eは遠心力を受けて外周鉄部24が動く方向を表している。後で説明する図5、図6においても同様である。
ロータ2Aに遠心力が作用するとき、ロータコア3Aには次の2つのメカニズムにより外周ブリッジ部22Aに応力(P、Q)が発生する。
1つは、図4において、遠心力を受けてロータコア3A全体が径方向に膨らみ、周方向の長さが伸びることで外周ブリッジ部22Aを含む外周部および内周部に生じる周方向引張応力(P)である。
もう1つは、図4において、遠心力を受けて外周鉄部24Aが径方向にせり出すことで外周ブリッジ部22Aに局所的に生じる曲げ応力(Q)である。この曲げ応力(Q)によって外周ブリッジ部22Aは径方向内側に凸となる曲げ変形が生じる。
次に、径方向内側の先端を延伸部の幅と等しい直径の円弧で構成したスリットを有するロータコア3Bを備えたロータ2Bを比較例2として、図5に基づいて説明する。図5は、比較例2のロータ2Bに作用する荷重の概要、すなわち作用応力メカニズムを説明する図である。
なお、実施の形態1のロータ2等と区別するため、ロータ2B、ロータコア3B、外周ブリッジ部22B、外周鉄部24B、およびスリット25Bと記載している。
比較例2のロータ2Bでは、比較例1のロータ2Aと同様に図4で説明した内周部に生じる周方向引張応力(P)と外周ブリッジ部22Bに局所的に生じる曲げ応力(Q)とが生じる。なお、図6で説明するように、外周ブリッジ部22Bを含む外周部に生じる周方向引張応力(P)は軽減される。
比較例2のロータ2Bでは、さらに遠心力の作用で外周鉄部24Bが径方向外側にせり出すためにスリット25Bに応力(R)が作用する。
なお、比較例1でも、遠心力の作用で外周鉄部24Aが径方向外側にせり出すが、スリットがないため、応力(R)は働かない。
次に、実施の形態1のロータ2に作用する荷重の概要を、図3のロータ2に対応する図6に基づいて説明する。
実施の形態1および比較例2では、共に設けられたスリット25および25Bによって、比較例1で示した周方向への引張応力(P)の伝達が阻害されるため、外周ブリッジ部22および22Bの応力を低減させることができる。スリット25および25Bの長さが長いほど引張応力Pの伝達を阻害することができる。
比較例2では、図5に示したように、外周鉄部24Bが径方向外側にせり出すためにスリット25Bに応力(R)が作用していた。
一方、実施の形態1のロータ2では、図6に示すように、空隙部252により応力(R)が緩和される。このため、比較例2のロータ2Bよりも耐久性を向上させることができる。
ここで、スリット25を設ける位置について検討する。
外周ブリッジ部22に作用する応力を低減させるためのスリット25は、外周鉄部24ではなく磁極と磁極に挟まれた磁極間28に設けることも考えられる。
一般的に永久磁石式回転電機の内、永久磁石がロータコアの中に埋め込まれる構造である場合には、永久磁石からの磁石磁束によって発生する磁石トルクと、ロータコアの磁気抵抗に起因するリラクタンス磁束によって発生するリラクタンストルクとの2種類のトルクを得ることができる。そして、最終的な回転電機のトルクは、その2種類のトルクの合成トルクとなる。
図7は、実施の形態1のロータ2の1極を拡大した平面図である図3に磁石磁束とリラクタンス磁束を追加したものである。
なお、図7において磁石磁束をMFとリラクタンス磁束をRFと記載し、磁極間28の幅を28Wとしている。また、磁石磁束とリラクタンス磁束の経路を分かりやすくするために、図3に対して参照符号を一部省略している。
リラクタンス磁束は磁極間28を通過するため、磁極間28にスリットを設けると、磁極間の幅28Wが狭くなりリラクタンス磁束の経路を阻害する。したがって、リラクタンストルク自体の低下を招くため、最終的なトルクが低下する。
一方、外周鉄部24にスリット25を設ける場合は、リラクタンストルクの低下を防ぐことができ、結果的に最終的なトルクの低下を防ぐことができる。
すなわち、実施の形態1によれば、回転電機100の最大トルクを低下させずにロータコア3に発生する応力を低減することができ、ロータコア3の耐久性を向上させることができる。
さらに、磁極間28にスリットを設ける場合、遠心力によってコア内周に発生する周方向の引張り応力が径方向内側のスリット端部に集中するため、スリット端部に空隙部を設ける必要がある。
しかし、応力緩和のためにスリット端部に空隙部を設けると周方向の引張り応力を受けるコア内周面積を減少させる。このため、ロータコア内周に作用する応力が増加する。
したがって、ロータコアとシャフトを圧入で保持した場合の内周部応力、およびキー構造で保持した場合のキー部応力が増加する。
一方、実施の形態1のように、外周鉄部24に空隙部252を有するスリット25を設ける場合は、ロータコア内周に発生する応力に直接影響を与えない。
ここで、ロータコア3に設けるスリット25の空隙部252の好適な構成方法を図8に基づいて説明する。図8は、実施の形態1のロータコア3に設けるスリット形状と長さの定義の説明図である。
V字を構成する磁石挿入孔21(21a、21b)において、永久磁石4の周方向で径方向外側に位置する外郭線を延長しV字中心で交差させた線を、V字形成線260a、260bとする。なお、V字形成線260a、260bを区別する必要がない場合は、V字形成線260と記載する。
次に、スリット25とV字形成線260bの最短距離を結ぶ線を第一スリット線261とする。スリット25の径方向外側を始点として、延伸部251の中央を通り、空隙部252において第一スリット線261と最短距離で結合する線を第二スリット線262とする。第一スリット線261、第二スリット線262が結合する点をスリット端点27とする。
そして、第一スリット線261の長さをL261、第二スリット線262の長さをL262とする。
なお、スリット25とV字形成線260aの最短距離を結ぶ線も存在するが、省略している。
スリット25に作用する応力の最大位置は、磁石挿入孔21とスリット25が最短距離となる位置の近傍、すなわちスリット端点27の近傍となる。したがって、スリット25の空隙部252において、スリット端点27近傍は応力集中を低減するために曲率が小さな曲線または直線となっていることが好ましい。
具体的には、スリット端点27が延伸部251の最小幅の半分よりも大きな径の曲線であれば、図5で説明した比較例2よりもスリットに作用する応力を低減させることができる。なお、スリット端点27における曲線の径を大きくしていけば、V字形成線260bと平行な直線と同等となる。
実施の形態1において、スリット25の空隙部252に発生する応力は磁石挿入孔21との位置関係に依存する。永久磁石4がV字配置の場合、応力集中部は空隙部252の先端ではなくスリット端点27近傍となり、磁極中心に対して対称に2箇所となる。
一方で、磁極間28にスリットを設けた場合は、遠心力によってコア内周に発生する周方向の引張り応力が作用するため応力集中部は径方向内側のスリット先端となる。
したがって、実施の形態1のように磁極中心にスリットを設けた場合と磁極間にスリットを設けた場合では、応力発生位置および応力発生メカニズムが異なり、合わせて空隙部の好適な構成方法も大きく異なる。
次に、比較例2に対する実施の形態1の効果を、ロータの外周ブリッジとスリットに作用する応力の説明図を用いて説明する。
図9は、比較例2として図5に示したロータ2Bと同様の、延伸部251Bと径方向内側の先端を延伸部251Bの幅と等しい直径の円弧で構成したスリット25Bを有するロータ2Bを示している。さらに、図9は、ロータコア3Bに設けるスリット形状と長さの定義の説明図である。
V字を構成する磁石挿入孔21(21a、21b)の径方向外側で周方向に延びる外郭線を延長しV字中心で交差させた線を、V字形成線260Ba、260Bbとする。なお、V字形成線260Ba、260Bbを区別する必要がない場合は、V字形成線260Bと記載する。
次に、スリット25BとV字形成線260Bbの最短距離を結ぶ線を第一スリット線261Bとする。スリット25Bの径方向外側を始点として、延伸部251Bの中央を通り、径方向内側の先端において第一スリット線261Bと最短距離で結合する線を第二スリット線262Bとする。第一スリット線261B、第二スリット線262Bが結合する点をスリット端点27Bとする。
そして、第一スリット線261Bの長さをL261B、第二スリット線262Bの長さをL262Bとする。
図10は、比較例2について、図9のL261BとL262Bの割合を変化させて、13000rpmでロータコア3Bを回転させたときの、外周ブリッジ部22Bとスリット25Bに発生する最大応力値を示している。
図10において、横軸はL262B/(L261B+L262B)、縦軸は応力(単位はMPa)である。また実線は、外周ブリッジ部応力を表し、点線は、スリット部応力を表す。
図から明らかにように、L262B/(L261B+L262B)の値が大きいほど、すなわちスリット25Bの長さが長いほど、外周ブリッジ部応力が低減した。しかし、同時にスリットに作用する応力が上昇し、L262B/(L261B+L262B)の値が0.70を超えると外周ブリッジ部応力を上回った。L262B/(L261B+L262B)の値が0.70におけるスリット部応力は243MPaであった。
図11は、実施の形態1について、図8のL261とL262の割合を変化させて、13000rpmでロータコア3を回転させたときの、外周ブリッジ部22とスリット25に発生する最大応力値を示している。
図11において、横軸はL262/(L261+L262)、縦軸は応力(単位はMPa)である。実線は、外周ブリッジ部応力を表し、点線は、スリット部応力を表す。
図10の比較例2と同様にL262/(L261+L262)の値が大きいほど、すなわちスリット25の長さが長いほど、外周ブリッジ部応力が低減した。
さらに、比較例2と比較してスリット部応力が低下しており、スリットに作用する応力が外周ブリッジ部応力を上回るL262/(L261+L262)の値は0.86であった。また、L262/(L261+L262)の値が0.86におけるスリット部応力は209MPaであった。したがって、実施の形態1ではロータコアに作用する応力を、比較例2よりも34MPa低減できた。
すなわち、実施の形態1によれば、ロータコア3で発生する応力を低減することができ、ロータコア3の耐久性を向上させることができる。
なお、スリット25の延伸部251はせん断加工機を用いることで幅を極力小さく抑えることができる。しかし、鋼板が面方向以外に変形する場合があるため、打抜き加工で形成されることが好ましい。
さらに、打ち抜き加工による場合は、生成させるスリット25と磁石挿入孔21との相対位置を一定に保つことができる利点がある。さらに、量産性を損なわないという利点もある。
ただし、打抜き加工によりスリット25を形成する場合、スリット25はある程度の幅がある。ここで、外周鉄部24は永久磁石4によって生じる磁石磁束が通るため、磁石磁束の磁路を確保し、磁気飽和を防ぐためにスリット25の延伸部251は外周鉄部24に磁気飽和が発生しない程度に細くすることが好ましい。
また、磁石挿入孔21において永久磁石4が占める領域以外の領域に非磁性材料を充填してもよい。具体的には、樹脂を充填すれば遠心力およびトルク変動によって永久磁石4が動くことを防止する効果がある。また、放熱材を充填すれば磁石の温度上昇を改善する効果がある。
また、各磁極を形成する永久磁石4の数、形状、および位置などは変更しても良い。例えば、実施の形態1による回転電機のロータの変形例の平面図である図12のように各磁極の永久磁石を3個とした場合でも、図3のロータ2と同様の効果が得られる。なお、永久磁石の数は、2個、3個に限定されず、4個以上でもよい。
以上説明したように、実施の形態1の回転電機は、電機子巻線を有するステータと、ステータの内周で回転するロータを備え、ロータのコアには磁極を構成する複数の永久磁石がコアの軸方向に貫通した磁石挿入孔に埋設され、各磁極は2つの永久磁石によって構成され、各磁極において永久磁石とロータ外周面によって取り囲む外周鉄部にロータ外周面からロータの径方向内側へ切込まれたスリットを備え、スリットの径方向内側の先端には空隙部を有するものである。
したがって、実施の形態1の回転電機は、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2の回転電機は、回転電機の軸方向に対して垂直なロータの断面において、ロータの径方向内側へ切込まれたスリットの角度をロータの径方向に対して周方向に傾けたものである。
実施の形態2の回転電機について、ロータの1極を拡大した平面図である図13、ロータにおける磁石磁束およびリラクタンス磁束の経路を説明するための平面図である図14、およびロータの変形例の平面図である図15ー図18に基づいて、実施の形態1との差異を中心に説明する。
実施の形態2の図13-図18において、実施の形態1と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
なお、実施の形態1と区別するために、回転電機200としている。
実施の形態2のロータ2の全体構成は、実施の形態1の図2と同様である。すなわち、ロータコア3には24個の磁石挿入孔21が周方向に間隔を置いて配置され、磁石挿入孔21にはそれぞれ永久磁石4が埋設されている。
磁石挿入孔21と永久磁石4は周方向に隣接する2個で1セットとなり、回転軸の中心側から径方向外側に向かって広がる12個のV字を構成する。1つの磁極はV字に構成された2つの磁石挿入孔21と2つの永久磁石4で構成され、12個の磁極が周方向に並べて配置されている。
実施の形態2のロータ2の1つの極の構成の詳細を、ロータ2の1極を拡大した平面図である図13に基づいて説明する。
磁石挿入孔21とロータコア3のロータ外周面20とに挟まれて構成された薄肉部を外周ブリッジ部22とする。また、V字を構成する2つの磁石挿入孔21(21a、21b)に挟まれ、V字の周方向の中央部であり径方向内側に構成される薄肉部を中央ブリッジ部23とする。
2つの磁石挿入孔21(21a、21b)およびロータ外周面20で囲む三角型の部分を外周鉄部24とする。
外周鉄部24にはスリット25が形成されている。スリット25はロータ外周面20から径方向の内側に切り込んで延びる延伸部251と、径方向内側の先端には延伸部251の周方向の幅よりも大きな周方向の幅の空隙部252を有する。延伸部251は、径方向に対して周方向に配置している。
実施の形態2では、実施の形態1と同様にスリット25によって外周ブリッジ部22に作用する周方向の引張応力を低減できる。したがって、実施の形態2においても、ロータコア3で発生する応力を低減することができ、ロータコア3の耐久性を向上させることができる。
また、各磁極が左右対称に設計された一般的な永久磁石式回転電機の場合、磁石トルクとリラクタンストルクがピーク値となるロータの回転位相角はそれぞれ異なる。そのため、最大トルクの値は2種類のトルクのピーク値合計より低くなる。
図14は、実施の形態2のロータ2の1極を拡大した平面図である図13に磁石磁束とリラクタンス磁束を追加したものである。
なお、図14において磁石磁束をMFとリラクタンス磁束をRFと記載している。また、磁石磁束とリラクタンス磁束の経路を分かりやすくするために、図13に対して参照符号を一部省略している。
実施の形態2ではスリット25を磁極に対して非対称に配置することで、外周鉄部24において図14に示すようなリラクタンス磁束の経路を生成できる。リラクタンス磁束の経路によって生じるリラクタンストルクにより、リラクタンストルクがピーク値となる回転位相角を一般的な回転電機の位相角からずらすことができる。
さらに、図14に示すように磁石磁束もスリット25により一方へ偏在化させることができる。したがって、磁石トルクがピーク値となる回転位相角も一般的な回転電機の位相角からずらすことができる。
このため、磁石トルクとリラクタンストルクがピーク値となるロータ2の回転位相角を近づけるように設計することができ、最終的なトルクを向上させることができる。
ここで、スリット25によって2つに分割した外周鉄部24において、分割したエリアの双方に磁束が漏れる磁路がある場合、最終的なトルクの増加量が低下する。すなわち、トルクを増加させるには磁石挿入孔21とスリット25との間に形成される磁路を狭くする必要がある。
実施の形態2の構成によれば、空隙部がない斜めスリットの場合よりも、スリット25の長さを増加させて磁石挿入孔21との間に形成される磁路を狭くできる。このため、2つに分割した外周鉄部24に生じる漏れ磁束を低減させることができ、空隙部がない斜めスリットの場合よりも最終的なトルクを向上させることができる。
また、各磁極を形成する永久磁石4および磁石挿入孔21の数、形状、および位置などを変更してもよい。
例えば、実施の形態2の回転電機のロータの変形例1の図15に示すように、各磁極を構成する複数の磁石挿入孔21それぞれを別形状にしてもよい。
また、実施の形態2の回転電機のロータの変形例2の図16に示すように、各磁極を構成する複数の永久磁石4のそれぞれの大きさを変更してもよい。
図15に示すロータ2は、スリット25を斜めに構成させることで磁石挿入孔に発生する応力のアンバランスを、磁石挿入孔それぞれを別形状とすることで低減する効果がある。
図16に示すロータ2は、複数の永久磁石4のそれぞれの大きさを変更することで、ステータと鎖交する磁石磁束を周方向に調整することができる。
また、スリット25の延伸部251の形状は、直線でなくてもよい。
例えば、実施の形態2の回転電機のロータの変形例3の図17に示すように径方向外側に凹となる曲線としたり、変形例4の図18に示すように径方向外側に凸となる曲線としたりしてもよい。
スリット25の延伸部251を非直線で構成する、すなわち湾曲させることにより、磁石磁束が磁気飽和することを防ぐこと、およびスリット25で分断された外周鉄部の左右の面積を調整することで、外周ブリッジ部22に作用する曲げ応力を調整することができる。
以上説明したように、実施の形態2の回転電機は、回転電機の軸方向に対して垂直なロータの断面において、ロータの径方向内側へ切込まれたスリットの角度をロータの径方向に対して周方向に傾けたものである。
したがって、実施の形態2の回転電機は、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができる。さらに、最終的なトルクを向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3の回転電機は、ロータ回転時の遠心力に対して、ロータに埋設された永久磁石の径方向側をロータコアの径方向外側で保持する構成としたものである。
実施の形態3の回転電機について、ロータの1極を拡大した平面図である図19、ロータの磁石挿入孔周辺を拡大した平面図である図20、ロータの磁石挿入孔回りの構造との対比の説明図である図21、ロータの応力緩和孔と冷媒経路の説明図である図22、効果を説明するための比較例の説明図である図23、およびロータの遠心力作用の説明図である図24に基づいて、実施の形態1との差異を中心に説明する。
実施の形態3の図19ー図24において、実施の形態1と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
なお、実施の形態1と区別するために、回転電機300としている。
実施の形態3のロータ2の全体構成は、実施の形態1の図2と同様である。すなわち、 ロータコア3には24個の磁石挿入孔21が周方向に間隔を置いて配置され、磁石挿入孔21にはそれぞれ永久磁石4が埋設されている。
磁石挿入孔21と永久磁石4は周方向に隣接する2個で1セットとなり、回転軸の中心側から径方向外側に向かって広がる12個のV字を構成する。1つの磁極はV字に構成された2つの磁石挿入孔21と2つの永久磁石4で構成され、12個の磁極が周方向に並べて配置されている。
実施の形態3のロータ2の1つの極の構成の詳細を、ロータ2の1極を拡大した平面図である図19に基づいて説明する。
磁石挿入孔21とロータコア3のロータ外周面20とに挟まれて構成された薄肉部を外周ブリッジ部22とする。また、V字を構成する2つの磁石挿入孔21(21a、21b)に挟まれ、V字の周方向の中央部であり径方向内側に構成される薄肉部を中央ブリッジ部23とする。
2つの磁石挿入孔21(21a、21b)およびロータ外周面20で囲む三角型の部分を外周鉄部24とする。
外周鉄部24にはスリット25が形成されている。スリット25はロータ外周面20から径方向の内側に切り込んで延びる延伸部251と、空隙部252とを備える。
延伸部251は磁極の中心を通り径方向に延びるように配置している。空隙部252はスリット25の径方向内側の先端に位置し、延伸部251の周方向の最小幅よりも大きな周方向の幅を有する。
次に、実施の形態3の回転電機300の構成上の特徴を、ロータの磁石挿入孔周辺を拡大した平面図である図20に基づいて説明する。
ロータ2が回転すると永久磁石4に遠心力が作用し、径方向外側の向き(正の向き)に飛散しようとする。しかし、磁石挿入孔21によって永久磁石4に径方向内側の向き(負の向き)の力が加えられ、永久磁石4の位置が保持される。
ロータ2が回転するときの遠心力に対して、永久磁石4を保持する磁石挿入孔21の面のうち、永久磁石の周方向外側を保持する面を第一磁石保持面211とする。永久磁石の径方向を保持する面を第二磁石保持面212とする。また、第一磁石保持面211によって保持される永久磁石の周方向の面を第一磁石面31とする。第二磁石保持面212によって保持される永久磁石の径方向の面を第二磁石面32とする。
なお、図20において、分かり易くするために、第一磁石保持面211と第一磁石面31との間、および第二磁石保持面212と第二磁石面32との間に空間を設けているが、実際には密着している。
実施の形態3では、第二磁石保持面212の中央部(d点)が、第二磁石面32の中央部(e点)よりも第一磁石保持面211に近い位置となるように磁石挿入孔21を構成する。
すなわち、実施の形態3では永久磁石4の径方向の端面側をロータコア3の径方向外側で保持する。
一方、実施の形態1では、図3で明らかなように永久磁石4の径方向の端面側をロータコア3の径方向内側で保持している。
実施の形態3では、実施の形態1と同様にスリット25によって外周ブリッジ部22に作用する周方向の引張応力を低減できる。したがって、実施の形態3においても、ロータコア3で発生する応力を低減することができ、ロータコア3の耐久性を向上させることができる。
さらに、永久磁石4の径方向の端面側をロータコア3の径方向外側で保持する利点は二つある。この利点について、図21および図22に基づいて説明する。
一つ目は、第二磁石保持面に隣接する応力緩和用の空隙部がリラクタンス磁束を阻害しないことである。
図21は、実施の形態1に係る回転電機のロータにおける磁石挿入孔周りの構造を示す対比用の図である。図22は、実施の形態3に係る回転電機のロータにおける磁石挿入孔周りの構造を示す図である。
ロータ2が回転すると、第二磁石保持面212は径方向外側の向き(正の向き)に飛散しようとする永久磁石4から力を受けるため、図21、図22のように応力緩和孔213を設ける必要がある。すなわち、応力緩和孔213を図21では、ロータコア3の径方向内側に設けられている。一方、図22では、応力緩和孔213をロータコア3の径方向外側に設けられている。
ここで、図21に示した実施の形態1の応力緩和孔213は図7に示したリラクタンス磁束の経路上にあるため、永久磁石4の周方向とロータコア3の径方向とがなす角度が小さい場合および回転数が大きく応力緩和孔213が大きくなる場合には、リラクタンス磁束が阻害されリラクタンストルクが低下する。
一方、図22に示した実施の形態3の応力緩和孔213のように、永久磁石4の径方向外側で保持する場合には、応力緩和孔213がリラクタンス磁束を阻害しないためリラクタンストルクの低下を防止できる。
二つ目は、永久磁石の冷却効果を高められることである。図22に示すように、永久磁石4の周方向の径方向内側の面に平行に走る磁石挿入孔21の面に冷媒入口孔214を設けることを考える。冷媒入口孔214にはロータ軸方向端部から冷媒を供給する。供給された冷媒は遠心力により磁石挿入孔21と永久磁石4の間に構成される隙間を図22に示す矢印(L)の向きに流れる。冷媒は、磁石挿入孔21の径方向外側に位置する冷媒出口孔215に集まり、ロータ軸方向端部から排出される。このように、永久磁石4の周方向と径方向を同時に効率よく冷却でき、永久磁石4の減磁を防止できる。
しかし、永久磁石4の径方向の端面を径方向外側で保持する場合、外周ブリッジ部22以外にも高応力が発生する。これに対して、外周鉄部24に設けたスリット25の効果について、比較例を用いて説明する。
図23は、比較例3として、外周鉄部にスリットがなく、永久磁石を径方向外側で保持する構造を有するロータコアに遠心力が作用した場合の変形形状を120倍に拡大した図である。なお、図23において、実施の形態3のロータ2等と区別するため、ロータ2C、ロータコア3C、外周ブリッジ部22C、外周鉄部24C、準外周ブリッジ部29C、および第二磁石保持面212Cと記載している。
図23において、Fは遠心力によって、永久磁石4が第二磁石保持面212Cに作用する力を表している。
外周ブリッジ部22Cには周方向の長さが増加することによって生じる引張り応力と外周鉄部24Cが径方向外側の向き(正の向き)にせり出して径方向内側に凸の曲げ変形が生じることで発生する曲げ応力が作用する。図23において、Sは「周方向引っ張り+径方向内側に凸の曲げ」である。
一方、第二磁石保持面212Cには、永久磁石4を保持する力の反力が第二磁石保持面212Cの法線方向外周向きに作用する。この反力により、外周ブリッジ部22Cと接続して第二磁石保持面212Cを形成するために外周ブリッジ部22Cよりも大きな厚みとなる準外周ブリッジ部29Cに局所的に径方向外側に凸の曲げ変形が生じる。この結果、準外周ブリッジ部29Cには周方向の長さが増加することによって生じる引張り応力と径方向外側に凸の曲げ変形が生じることで発生する曲げ応力が作用する。Tは「周方向引っ張り+径方向外側に凸の曲げ」である。
外周ブリッジ部22Cと準外周ブリッジ部29Cの大きな違いは、外周ブリッジ部22Cはブリッジ内周側が応力集中部となるが、準外周ブリッジ部29Cはブリッジ外周側が応力集中部となることである。
これに対して、図24は、実施の形態3として、外周鉄部24にスリット25を備え、永久磁石4を径方向外側で保持した構造を有するロータコア3に遠心力が作用した場合の変形形状を120倍に拡大した図である。
実施の形態1の効果で説明した通り、図24に示す実施の形態3のロータコア3では、比較例3のロータコア3Cで作用していた周方向への引張応力の伝達が阻害される。したがって、外周ブリッジ部22および準外周ブリッジ部29には、主に曲げ応力のみが作用するため、比較例3のロータ2Cと比べて作用応力を低減させることができる。
図24において、Fは遠心力によって、永久磁石4が第二磁石保持面212Cに作用する力を表している。
この外周ブリッジ部22には、外周鉄部24が径方向外側の向き(正の向き)にせり出して径方向内側に凸の曲げ変形が生じることで発生する曲げ応力が作用する。図24において、Uは「径方向内側に凸の曲げ」である。
準外周ブリッジ部29には、径方向外側に凸の曲げ変形が生じることで発生する曲げ応力が作用する。Vは「径方向外側に凸の曲げ」である。
なお、第一磁石保持面211、第二磁石保持面212は回転時に永久磁石4を保持する作用があれば永久磁石4と直接当接していなくてもよい。具体的には、第一磁石保持面211、第二磁石保持面212と永久磁石4との隙間に、位置を固定するための接着剤および樹脂が挟まれていてもよい。
以上説明したように、実施の形態3の回転電機は、ロータ回転時の遠心力に対して、ロータに埋設された永久磁石の径方向側をロータコアの径方向外側で保持する構成としたものである。
したがって、実施の形態3の回転電機は、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができる。さらに、リラクタンストルクの低下を防止すると共に永久磁石の冷却効果を高めることができる。
実施の形態4.
実施の形態4の回転電機は、スリットに充填剤を充填したものである。
実施の形態4の回転電機について、ロータの1極を拡大した平面図である図25に基づいて、実施の形態1との差異を中心に説明する。
実施の形態4の図25において、実施の形態1と同一あるいは相当部分は、同一の符号を付している。
なお、実施の形態1と区別するために、回転電機400としている。
実施の形態4のロータ2の全体構成は、実施の形態1の図2と同様である。すなわち、ロータコア3には24個の磁石挿入孔21が周方向に間隔を置いて配置され、磁石挿入孔21にはそれぞれ永久磁石4が埋設されている。
磁石挿入孔21と永久磁石4は周方向に隣接する2個で1セットとなり、回転軸の中心側から径方向外側に向かって広がる12個のV字を構成する。1つの磁極はV字に構成された2つの磁石挿入孔21と2つの永久磁石4で構成され、12個の磁極が周方向に並べて配置されている。
実施の形態4のロータ2の1つの極の構成の詳細を、ロータ2の1極を拡大した平面図である図25に基づいて説明する。
磁石挿入孔21とロータコア3のロータ外周面20とに挟まれて構成された薄肉部を外周ブリッジ部22とする。また、V字を構成する2つの磁石挿入孔21(21a、21b)に挟まれ、V字の周方向の中央部であり径方向内側に構成される薄肉部を中央ブリッジ部23とする。
2つの磁石挿入孔21(21a、21b)およびロータ外周面20で囲む三角型の部分を外周鉄部24とする。
外周鉄部24にはスリット25が形成されている。スリット25はロータ外周面20から径方向内側に切り込んで延びる延伸部251と、空隙部252とを備える。
延伸部251は磁極の中心を通り径方向に延びるように配置している。空隙部252はスリット25の径方向内側の先端に位置し、延伸部251の周方向の最小幅よりも大きな周方向の幅を有する。
次に、実施の形態4の回転電機400の構成上の特徴は、スリット25には充填剤253が充填されていることである。
実施の形態4では、実施の形態1と同様にスリット25によって外周ブリッジ部22に作用する周方向の引張応力を低減できる。よって、実施の形態4においても、ロータコア3で発生する応力を低減することができる。
ここで、ロータコア3のロータ外周面20にスリットおよび切欠きがある場合など、ロータコア3のロータ外周面20が周方向に一様な円でない場合には、ロータ2の回転によってロータ表面の空気の流れが乱される。したがって、風損が大きくなり効率が低下し、さらに風切り音が発生する問題がある。
実施の形態4においては、スリット25に充填剤253を充填することで、ロータ表面に生じる空気の乱れを抑制できる。したがって、ロータコア3の耐久性を向上させながら風損および騒音を低減した回転電機を提供できる。
さらに、スリット25を延伸部251と空隙部252から構成しているため、充填剤253が径方向に移動しようとする場合には空隙部252に引っ掛かり移動が抑制される。すなわち、充填剤253が遠心力によって径方向外側の向き飛散することを防止できる。
ここで、充填剤253はロータコア3と同程度の剛性を持つ場合、ロータコア3の外周部で周方向応力が伝達するためスリット25による応力低減効果が損なわれる。したがって、充填された充填剤253はロータコアの数十分の一の剛性を持つ材料が好ましく、例えば非磁性体の樹脂材料が好適である。
以上説明したように、実施の形態4の回転電機は、スリットに充填剤を充填したものである。
したがって、実施の形態4の回転電機は、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができる。さらに、スリットにより発生する風損および騒音を抑制できる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組合せで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組合せる場合が含まれるものとする。
本願は、ブリッジ部応力を低減すると共に、トルク低下を抑制し、ロータコアの耐久性を向上させることができるため、回転電機に広く適用できる。
1 ステータ、2,2A,2B,2C ロータ、3,3A,3B ロータコア、4 永久磁石、5 シャフト、6 ステータコア、7 コイル、20 ロータ外周面、21,21a,21b 磁石挿入孔、22,22A,22B,22C 外周ブリッジ部、23 中央ブリッジ部、24,24A,24B,24C 外周鉄部、25,25B スリット、27,27B スリット端点、28 磁極間、29,29C 準外周ブリッジ部、31 第一磁石面、32 第二磁石面、100,200,300,400 回転電機、211 第一磁石保持面、212 第二磁石保持面、213 応力緩和孔、214 冷媒入口孔、215 冷媒出口孔、251,251B 延伸部、252 空隙部、253 充填剤、260,260a,260b,260B,260Ba,260Bb V字形成線、261,261B 第一スリット線、262,262B 第二スリット線。

Claims (11)

  1. 電機子巻線を有するステータと、前記ステータの内周で回転するロータとを備える回転電機において、
    前記ロータのコアには磁極を構成する複数の永久磁石が前記コアの軸方向に貫通したV字に配置され中央ブリッジ部を挟む2つの磁石挿入孔に埋設され、
    各前記磁極は2つ以上の前記永久磁石によって構成され、
    各前記磁極において前記永久磁石とロータ外周面とによって取り囲む外周鉄部に前記ロータ外周面から前記ロータの径方向内側へ切込まれたスリットを備え、
    前記スリットの径方向内側の先端には、軸方向から見て曲線を含み前記スリットの周方向の幅よりも大きな周方向の幅の空隙部を有し、
    前記スリットおよび前記空隙部は、前記V字に配置された2つの前記磁石挿入孔における前記永久磁石の周方向に沿って径方向外側に位置する外郭線を延長しV字中心で交差させた線をV字形成線とし、前記空隙部と前記V字形成線との最短距離を結ぶ線を第一スリット線とし、前記スリットの径方向外側を始点として、前記スリットの中央を通り、前記空隙部において前記第一スリット線と最短距離で結合する線を第二スリット線としたとき、前記第二スリット線の長さが前記第一スリット線の長さと前記第二スリット線の長さとの和の0.7倍以上0.86倍以下に構成される回転電機。
  2. 前記回転電機の軸に対して垂直な前記ロータの断面において、前記磁石挿入孔は、前記ロータの回転時の遠心力に対して前記永久磁石の周方向の径方向外側を保持する第一磁石保持面と、径方向を保持する第二磁石保持面とを有し、
    前記永久磁石は、前記第一磁石保持面によって保持される第一磁石面と、前記第二磁石保持面によって保持される第二磁石面とを有し、
    前記第二磁石保持面の中央部は、前記第二磁石面の中央部よりも前記第一磁石保持面に近い位置であり、
    前記第二磁石保持面に隣接し、前記第一磁石保持面に径方向外側に設けられた応力緩和孔を有する請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転電機の軸に対して垂直な前記ロータの断面において、前記V字形成線と前記空隙部との距離が最短となる前記第一スリット線と前記第二スリット線とが結合する前記空隙部のスリット端点は、前記スリットの幅の最小値の1/2よりも大きな径の曲線で構成されている請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記回転電機の軸に対して垂直な前記ロータの断面において、前記スリットの前記ロータ外周面に対する角度は前記ロータの径方向に対して周方向に傾いている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記磁石挿入孔に発生する応力のアンバランスを調整するために、各前記磁極を構成する前記磁石挿入孔は異なる形状である請求項に記載の回転電機。
  6. 前記ステータと鎖交する前記永久磁石の磁束を調整するために、各前記磁極を構成する前記永久磁石は、異なる大きさである請求項に記載の回転電機。
  7. 前記スリットで分断される前記外周鉄部の面積を調整するために、前記スリットは湾曲している請求項に記載の回転電機。
  8. 前記磁石挿入孔は、前記永久磁石の周方向の径方向内側の面に平行に走る面に冷媒入口孔を有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 前記スリットに、非磁性体の樹脂材料である充填剤を備えた請求項1から請求項のいずれか1項に記載の回転電機。
  10. 電機子巻線を有するステータと、前記ステータの内周で回転するロータとを備える回転電機において、
    前記ロータのコアに設けられて磁極を構成する複数の永久磁石と、
    前記コアの軸方向に貫通して前記永久磁石を埋設するV字に配置され中央ブリッジ部を挟む2つの磁石挿入孔と、
    前記磁極を構成する2以上の前記永久磁石と前記ロータの外周であるロータ外周面とによって囲まれた前記コアの外周鉄部に前記ロータ外周面から前記ロータの径方向内側へ切り込まれたスリットと、
    前記スリットの径方向内側の先端に設けられて軸方向から見て曲線を含み前記スリットの周方向の幅よりも大きな周方向の幅の空隙部と、
    前記スリットおよび前記空隙部は、前記V字に配置された2つの前記磁石挿入孔における前記永久磁石の周方向に沿って径方向外側に位置する外郭線を延長しV字中心で交差させた線をV字形成線とし、前記空隙部と前記V字形成線との最短距離を結ぶ線を第一スリット線とし、前記スリットの径方向外側を始点として、前記スリットの中央を通り、前記空隙部において前記第一スリット線と最短距離で結合する線を第二スリット線としたとき、前記第二スリット線の長さが前記第一スリット線の長さと前記第二スリット線の長さとの和の0.7倍以上0.86倍以下に構成され、
    冷媒が前記永久磁石の周方向の径方向内側の面に平行に走る前記磁石挿入孔の面に設けた冷媒入口孔から前記磁石挿入孔と前記永久磁石の間に構成される隙間を流れ前記磁石挿入孔の径方向外側へ供給される冷媒経路とを備える回転電機。
  11. 前記回転電機の軸に対して垂直な前記ロータの断面において、前記ロータの回転時の遠心力に対して前記永久磁石の周方向の径方向外側を保持する第一磁石保持面と、径方向を保持する第二磁石保持面とを有する前記磁石挿入孔と、
    前記第一磁石保持面によって保持される第一磁石面と、前記第二磁石保持面によって保持される第二磁石面とを有し、前記第二磁石保持面の中央部は、前記第二磁石面の中央部よりも前記第一磁石保持面に近い位置である前記永久磁石と、
    前記第二磁石保持面に隣接し、前記第一磁石保持面に径方向外側に設けられた応力緩和孔
    とを備える請求項10に記載の回転電機。
JP2020549723A 2019-07-30 2019-07-30 回転電機 Active JP7126557B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/029865 WO2021019692A1 (ja) 2019-07-30 2019-07-30 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021019692A1 JPWO2021019692A1 (ja) 2021-09-27
JP7126557B2 true JP7126557B2 (ja) 2022-08-26

Family

ID=74229391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020549723A Active JP7126557B2 (ja) 2019-07-30 2019-07-30 回転電機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7126557B2 (ja)
WO (1) WO2021019692A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170264152A1 (en) 2016-03-09 2017-09-14 Ford Global Technologies, Llc Electric Machine Rotor
WO2019008820A1 (ja) 2017-07-05 2019-01-10 三菱電機株式会社 回転電機
WO2019064801A1 (ja) 2017-09-28 2019-04-04 三菱電機株式会社 永久磁石式回転電機

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5073692B2 (ja) * 2009-01-28 2012-11-14 本田技研工業株式会社 回転電機
JP5873924B2 (ja) * 2012-04-10 2016-03-01 本田技研工業株式会社 回転電機のロータ
JP2014045630A (ja) * 2012-08-29 2014-03-13 Honda Motor Co Ltd 回転電機
JP2018137867A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 本田技研工業株式会社 回転電機のロータ、及び、回転電機の端面板

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170264152A1 (en) 2016-03-09 2017-09-14 Ford Global Technologies, Llc Electric Machine Rotor
WO2019008820A1 (ja) 2017-07-05 2019-01-10 三菱電機株式会社 回転電機
WO2019064801A1 (ja) 2017-09-28 2019-04-04 三菱電機株式会社 永久磁石式回転電機

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021019692A1 (ja) 2021-02-04
JPWO2021019692A1 (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6273499B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機およびその製造方法
JP6806352B2 (ja) 回転電機、回転子鉄心の製造方法
US8264113B2 (en) Brushless motor
JP5457079B2 (ja) ブラシレスモータ
JP2012161228A (ja) 回転電機用回転子
JP2007104819A (ja) 回転電機
JP2006311772A (ja) 電動機
JP2012165481A (ja) 回転電機用回転子
JP5073692B2 (ja) 回転電機
JP7266180B2 (ja) ロータ及びそれを備えたモータ
JP4485262B2 (ja) 電動機の固定子
WO2014162804A1 (ja) 永久磁石埋め込み式回転電機
WO2017077789A1 (ja) 回転電機
JP6112970B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2005094845A (ja) 永久磁石式回転電機の回転子
JP7126557B2 (ja) 回転電機
JP2022106548A (ja) 回転電機用ロータ
CN115336139A (zh) 旋转电机
WO2020100675A1 (ja) 回転子およびそれを備えた回転電気機械
JP4080273B2 (ja) 永久磁石埋め込み型電動機
JP7070316B2 (ja) 電動機
JP2009106001A (ja) 回転電機
JP5872605B2 (ja) ロータ
JP6328208B2 (ja) 磁石埋込型回転電機およびその製造方法
JPH11155247A (ja) 埋め込み磁石型回転子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200915

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200915

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200915

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210614

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210614

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210623

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210629

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210716

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210720

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20211012

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220105

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220329

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20220712

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20220816

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20220816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220816

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7126557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151