以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、本実施形態におけるジョブ履歴監査システム100の構成例を示す概念図である。図1に示したように、本実施形態におけるジョブ履歴監査システム100は、MFP101と、PC102とを含む。
MFP101は、コピーやプリント等のジョブを実行すると共に、実行されたジョブのジョブ履歴(本発明のジョブログに相当する)を記録することができるデジタル複合機である。なお、MFP101に代えて、単機能のプリンタやスキャナ等の機器を使用しても良く、それらの機器が複数台あっても良い。本実施形態において、ジョブ履歴は、ジョブの実行日時やジョブの実行ユーザ等の情報からなるジョブ履歴属性情報や、ログ画像等で構成されているものとする。
PC102は、MFP101からジョブ履歴を受信し、必要に応じて、ジョブ履歴属性情報を整形する処理や、ログ画像の形式を変換する処理や、該ログ画像の解像度を変換する処理等を行う。また、PC102は、処理したジョブ履歴の保存場所等の設定をユーザに行わせるための、ユーザインタフェース画面を表示する。
図2は、MFP101のハードウェア構成例を示すブロック図である。
MFP101は、コントローラユニット200を備えている。該コントローラユニット200は、スキャナ222やプリンタ223に接続されている。更に、コントローラユニット200は、ネットワークや公衆回線等(図示せず)と接続して、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
CPU201は、MFP101全体の制御を行う。RAM202は、CPU201が動作するためのワークメモリであると共に、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM203は、ブートROMであり、システムのブートプログラムを保存している。
HDD204は、システムソフトウェア、ユーザボックス内の画像データ、ジョブ履歴等を保存する、ハードディスクドライブである。操作部I/F205は、該コントローラユニット200と操作部221とのインタフェースであり、操作部221に表示する画面データの出力等を行う。
ネットワークI/F206は、LAN等のネットワークに接続し、情報の入出力を行う。モデム207は、公衆回線に接続し、画像データの入出力を行う。以上のデバイス201~207が、システムバス208上に配置される。
イメージバスI/F209は、システムバス208と、画像データを高速で転送する画像バス210とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス210上には、以下のデバイスが配置される。
RIP(Raster Image Processor)211は、PDL(Page Description Language)コードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F212は、画像入出力デバイスであるスキャナ222及びプリンタ223をコントローラユニット200に接続し、画像データの変換を行う。スキャナ画像処理部213は、スキャナから入力した画像データに対する補正や加工、編集等を行う。プリンタ画像処理部214は、プリンタへ出力する画像データに対して、該プリンタに対応させるための補正や解像度変換等を行う。画像回転部215は、画像データの回転を行う。画像圧縮部216は、画像データの圧縮伸長処理を行う。
図3は、PC102のハードウェア構成例を示すブロック図である。
PC102は、該PCの動作を制御する制御部300を備えている。CPU301は、ROM302やHDD304に記憶された制御プログラムを読み込んで、入力や出力といった各種制御処理や、演算処理を実行する。RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD304は、ジョブ履歴や各種プログラム等を記憶する。
操作入力I/F305は、PC102に接続されたキーボードやマウス等の操作デバイス(図示せず)からの信号入力を受け付ける。表示出力I/F306は、画面表示用のディスプレイ等(図示せず)への信号出力を行う。ネットワークI/F307は、制御部300をLAN等のネットワーク(図示せず)に接続し、ネットワーク上の別の装置(図示せず)との情報の送受信を行う。これらのブロック301~307は、バス310によって相互接続されている。
図4は、MFP101のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、コントローラ部401は、MFP101全体を制御する。また、コントローラ部401は、指示されたジョブを実行するとともに、ジョブ履歴記録の設定が有効となっている場合には、ジョブ履歴を後述するジョブ履歴記録領域403に記録する。
ジョブ履歴管理部402は、後述するジョブ履歴監査アプリケーション(以下、監査アプリと記す)と、ネットワークI/F206を介して通信を行う。そして、ジョブ履歴管理部402は、監査アプリからの指示を受けて、ジョブ履歴記録の有効化や、記録されたジョブ履歴の監査アプリへの送信等を行う。
ジョブ履歴記録領域403には、コントローラ部401によって記録されたジョブ履歴が、PC102に送信される前に、一時的に保存される。ジョブ履歴記録領域403は、RAM202もしくはHDD204上に配置される。また、ジョブ履歴記録領域403は、PC102への送信後に、ジョブ履歴を削除する。
ジョブ履歴保存領域404には、PC102によって処理された後のジョブ履歴(以下、処理済みジョブ履歴と記す)が保存される。ジョブ履歴保存領域404は、RAM202もしくはHDD204上に配置される。本実施形態では、ジョブ履歴保存領域404を、ジョブ履歴記録領域403とは異なる場所(具体的にはファイルシステム上の異なるパーティションやフォルダ等)に配置する。また、コントローラ部401が、事前に、ジョブ履歴保存領域404の所定の容量を確保することにしても良い。
図5は、PC102上で動作する監査アプリ500のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ジョブ履歴処理部501は、MFP101から送信されてくるジョブ履歴を、ネットワークI/F307を介して受信する。更に、ジョブ履歴処理部501は、ジョブ履歴を、後述する対象ジョブ履歴保存領域503に一旦保存するとともに、保存したジョブ履歴に対して必要な処理を行う。
また、ジョブ履歴処理部501は、必要な処理が行われた処理済みジョブ履歴を、ネットワークI/F307を介してMFP101に送信するか、或いは、設定されたフォルダに保存する。そして、ジョブ履歴処理部501は、処理済みジョブ履歴のMFP101への送信或いはフォルダへの保存が完了すると、当該ジョブ履歴を対象ジョブ履歴保存領域503から削除する。
監査アプリ制御部502は、監査アプリ500に対する各種設定やジョブ履歴監査等を行うための、ユーザインタフェース画面を提供する。また、監査アプリ制御部502は、ユーザが入力した各種設定情報を、保持する。ユーザインタフェース画面は、PC102の表示出力I/F306を介して、ディスプレイやタッチパネル等の表示装置上に表示される。ユーザは、キーボード、マウス、タッチパネル等を用いて、該ユーザインタフェース画面への入力操作を行う。監査アプリ制御部502は、該入力を、操作入力I/F305を介して受け付ける。
監査アプリ制御部502は、PC102もしくはネットワーク上の異なるマシンで動作するウェブブラウザからのアクセスに応じて、ウェブブラウザ上にユーザインタフェース画面を表示させ、ウェブブラウザを介して入力を受け付けるように構成されても良い。
加えて、監査アプリ制御部502は、必要に応じて、ネットワークI/F307を介して、MFP101のジョブ履歴管理部402への指示を行う。
対象ジョブ履歴保存領域503には、ジョブ履歴処理部501による処理のためにMFP101から受信したジョブ履歴が、保存される。対象ジョブ履歴保存領域503は、RAM303もしくはHDD304上に配置される。ジョブ履歴は、ジョブ履歴処理部501による処理の後、処理済みジョブ履歴の保存場所として設定されたMFP101に送信されるか、フォルダ(不図示)に保存されるまで、対象ジョブ履歴保存領域503に保存される。
次に、実施形態1に係るジョブ履歴監査システム100の動作について説明する。
図6~図8は、いずれも監査アプリ500の監査アプリ制御部502が表示するユーザインタフェース画面の例を示す概念図である。このうち、図6および図7は、運用に先立って必要な設定を行う画面を示す。図6および図7に示したユーザインタフェース画面は、監査アプリ500をPC102へインストールするときに、監査アプリ500のインストーラが表示することにしても良い。
図6は、ジョブ履歴監査システム100の管理者に、ジョブ履歴を取得するMFPを設定させるための、画面600を示す。
図6において、入力フォーム601は、ジョブ履歴取得対象であるMFPのIPアドレスの入力を受け付ける。指定ボタン602は、ユーザによって押下されたときに、入力フォーム601に入力されたIPアドレスを指定する。リストボックス603は、指定ボタン602を用いて指定されたIPアドレスを、リスト表示する。除外ボタン604は、リストボックス603にリスト表示されたIPアドレスの何れかをユーザがクリック操作またはタップ操作で選択した状態で押下されたときに、当該選択されたIPアドレスをリストボックス603から削除する。
OKボタン605は、リストボックス603に表示されているIPアドレスに対応するMFPを、ジョブ履歴取得対象のMFPとして、監査アプリ制御部502に確定させるためのボタンである。監査アプリ制御部502は、新たにジョブ履歴取得対象となったMFP101に対して、ジョブ履歴記録を「有効」にすることと、ジョブ履歴送信先をPC102に設定することとを、指示する。そして、監査アプリ制御部502からの指示を受けて、MFP101上のジョブ履歴管理部402が、コントローラ部401のジョブ履歴記録を「有効」にする設定と、記録されるジョブ履歴の送信先にPC102を指定する設定とを行う。
一方、既にジョブ履歴記録が「有効」に設定されていたMFP101を、ジョブ履歴取得対象から除外した場合、監査アプリ制御部502が、除外されたMFP101に対して、ジョブ履歴記録を「無効」にする指示を行うようにしても良い。ジョブ履歴記録を「無効」に設定する指示を監査アプリ制御部502から受けたとき、ジョブ履歴管理部402は、コントローラ部401のジョブ記録の設定を「無効」にする。ジョブ記録の設定を「無効」にするとき、ジョブ履歴管理部402は、ジョブ履歴の送信先の設定をクリアする処理に加えて、ジョブ履歴記録領域403にジョブ履歴が残っているか否かを判断し、残っているジョブ履歴を全てPC102に送信するとともにMFP内から削除することにしても良い。
図7は、ジョブ履歴監査システム100の管理者に、処理済みジョブ履歴の保存場所(以下、ジョブ履歴保存場所と記す)を設定させるための、画面610を示す。
画面610は、ラジオボタン611,612によって、ジョブ履歴保存場所の指定先をMFPにするかフォルダにするかの選択を受け付ける。
ジョブ履歴保存場所にMFPが選択された場合、さらに、画面610は、ラジオボタン613,614によって、「ジョブ履歴取得元のMFP」に保存するか、「指定したMFP」に保存するかの選択を受け付ける。
「指定したMFP」が選択された場合、さらに、画面610は、ドロップダウンリスト615によって、ジョブ履歴取得対象のMFPの中からジョブ履歴保存場所とするMFPを選択する操作を受け付ける。ジョブ履歴取得対象のMFPが複数台あり且つ「ジョブ履歴取得元のMFP」が選択された場合、処理済みのジョブ履歴は、取得元のMFPにそれぞれ保存されるようになる。一方、ジョブ履歴取得対象のMFPが複数台あり且つ「指定したMFP」が選択された場合、処理済みのジョブ履歴は、「指定したMFP」に集約して保存される。
ジョブ履歴保存場所に「フォルダ」が選択された場合、さらに、画面610は、ジョブ履歴保存場所に指定するフォルダのフォルダパスを入力フォーム616へ入力する操作を、受け付ける。入力されるフォルダパスは、PC102のファイルシステム上のフォルダパスでも良いし、ネットワークを介してPC102からアクセスできる他のデバイスのフォルダパスであっても良い。また、入力フォーム616へフォルダパスを直接入力させる代わりに、ユーザが「参照」ボタン617を押下してフォルダ選択ダイアログ(不図示)を表示し、このフォルダ選択ダイアログからフォルダパスを選択できるように、監査アプリ500を構成しても良い。
OKボタン618は、監査アプリ制御部502に、この画面610での設定内容を確定させるときに、押下される。
図6および図7の設定が行われた後は、監査アプリ500がMFP101へジョブ履歴送信指示を行うたびに、MFP101がPC102上の監査アプリ500へジョブ履歴を送信するようになる。ジョブ履歴送信指示は、例えば、PC102の起動に伴う監査アプリ500の起動時や、監査アプリ制御部502が表示するユーザインタフェース画面で管理者の操作を受け付けたとき等に、監査アプリ制御部502からジョブ履歴管理部402へ送信される。
MFP101上のジョブ履歴管理部402は、PC102上の監査アプリ制御部502からジョブ履歴送信指示を受け取ると、ジョブ履歴記録領域403に記録されているジョブ履歴を、該監査アプリ500へ送信する。送信したジョブ履歴は、ジョブ履歴記録領域403から削除される。
監査アプリ500のジョブ履歴処理部501は、MFP101から送信されたジョブ履歴を受信して、対象ジョブ履歴保存領域503へ保存する。本実施形態において、ジョブ履歴処理部501は、複数のMFP101から同時にジョブ履歴を受信して対象ジョブ履歴保存領域503に保存できるように構成しても良いし、1台ずつ順番に受信するように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、ジョブ履歴処理部501は、受信したジョブ履歴を、対象ジョブ履歴保存領域503に保存すると、その保存したジョブ履歴を、RAM303もしくはHDD304上のキューに登録する。そして、ジョブ履歴処理部501は、ジョブ履歴の受信とは別のスレッドで定期的にキューを監視し、キューに登録されているジョブ履歴に対して必要な処理を行うとともに、設定されたジョブ履歴保存場所へ処理済みジョブ履歴を保存する。この保存後、この処理済みジョブ履歴は、対象ジョブ履歴保存領域503から削除される。ここで、必要な処理と処理済みジョブ履歴の保存とは、複数のスレッドで並行して行われるようにしても良い。
なお、本実施形態では、上述のように、受信したジョブ履歴に対する処理を、キューで管理して、ジョブ履歴を受信する処理とは別スレッドで非同期に実行するようにしたが、これらの処理を同期して処理すること、すなわちジョブ履歴を対象ジョブ履歴保存領域503に保存した直後に必要な処理を行うことにしても良い。
また、ジョブ履歴処理部501は、キューを用いた管理に代えて、処理状態を表すステータスファイルを、ジョブ履歴と関連付けて対象ジョブ履歴保存領域503に保存することで、ジョブ履歴への処理を管理することにしても良い。このような管理では、必要な処理を行うスレッドで、対象ジョブ履歴保存領域503に保存されたジョブ履歴とステータスファイルとを定期的に監視して、必要な処理と処理済みジョブ履歴の保存とを行えば良い。或いは、必要な処理を行うスレッドで、対象ジョブ履歴保存領域503に保存されたジョブ履歴とステータスファイルとを定期的に監視するのではなく、予め設定された時刻に確認して、必要な処理と処理済みジョブ履歴の保存とを行うようにしても良い。
図9は、監査アプリ500のジョブ履歴処理部501が処理済みのジョブ履歴を保存する処理を説明するためのフローチャートである。図8に示す各ステップは、PC102のCPU301が、ROM302またはHDD304に記憶されている監査アプリ500を実現するプログラムを実行することによって実現される。このとき、CPU301は、必要に応じて、記憶領域としてRAM302やHDD304を利用する。
ステップS701において、ジョブ履歴処理部501は、図7の画面で設定されたジョブ履歴保存場所が、MFPであるか否かを判断する。MFPである場合、ジョブ履歴処理部501は、処理をステップS702に進める。ジョブ履歴保存場所がMFPでない場合、ジョブ履歴処理部501は、処理をステップS705に進める。
ステップS702において、ジョブ履歴処理部501は、図7の画面で設定されたジョブ履歴保存場所のMFPが、「ジョブ履歴取得元のMFP」であるか否かを判断する。「ジョブ履歴取得元のMFP」である場合、ジョブ履歴処理部501は、処理をステップS703に進める。一方、「ジョブ履歴取得元のMFP」でない場合、ジョブ履歴処理部501は、処理をステップS704に進める。
ステップS703において、ジョブ履歴処理部501は、ジョブ履歴をジョブ履歴取得元のMFPに送信する。このとき、処理前のジョブ履歴は、削除される。そして、ジョブ履歴を受信したMFP101は、ジョブ履歴をジョブ履歴保存領域404に保存する。
ステップS704において、ジョブ履歴処理部501は、指定されたMFPにジョブ履歴を送信する。このとき、処理前のジョブ履歴は、削除される。そして、ジョブ履歴を受信したMFP101は、ジョブ履歴をジョブ履歴保存領域404に保存する。
なお、ステップS703、S704において、MFP101がスリープしていることが考えられる。この場合、MFP101がスリープ中の通信を受信してスリープから復帰することに対応していれば、MFP101はスリープから復帰してジョブ履歴を受信することにする。
また、ステップS703、S704において、MFP101の電源がオフになっていか、スリープから復帰しないなどの理由で、送信に対する応答が無い場合が考えられる。このため、一定時間応答が無い場合、PC102の表示出力I/F306を監査アプリ制御部502に制御させて、MFP101の稼働状況の確認を促すメッセージを、ポップアップダイアログ(不図示)等で表示装置に表示させることにしても良い。或いは、そのようなメッセージを、監査アプリ制御部502が表示するユーザインタフェース画面(不図示)上に表示させることにしても良い。
ステップS705において、ジョブ履歴処理部501は、図7の画面でジョブ履歴保存場所に設定されたフォルダへ、ジョブ履歴を保存する。このとき、処理前のジョブ履歴は、削除される。
図8は、ジョブ履歴監査システム100の管理者もしくは監査専用のユーザに、保存された処理済みジョブ履歴を監査させるための画面620を示す。
画面620は、ユーザ等が、期間指定欄621,622を用いて、監査したいジョブ履歴の期間を日付単位で指定する操作を、受け付ける。また、フィルタ入力欄623は、指定された期間に対応するジョブ履歴から、ユーザ等が指定した文字列をジョブ履歴属性情報に含まれるジョブ履歴を検索するための操作を、受け付ける。ジョブ履歴属性情報には、ジョブ名、ジョブの実行日時、ジョブの実行ユーザ、ジョブ種別等が含まれる。
表示ボタン624は、監査アプリ制御部502に、期間指定欄621,622やフィルタ入力欄623で特定されたジョブ履歴を、図7で設定されたジョブ履歴保存場所から取得して、一覧表示欄625に表示する処理を行わせるためのボタンである。
ログ画像表示アイコン626は、一覧表示欄625の表示されたジョブ履歴毎に、表示される。ログ画像表示アイコン626を用いて何れかのジョブ履歴を選択すると、監査アプリ制御部502が、選択したジョブ履歴のログ画像を表示する(不図示)。
以上説明したように、実施形態1によれば、監査アプリ500で処理したジョブ履歴を保存する場所を設定する際に、MFP101への保存を選択することができる。このため、本実施形態によれば、PC102上のディスクを消費することなく、ジョブ履歴監査の手段を提供することができる。
[実施形態2]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
上述の実施形態1では、MFP101内に、ジョブ履歴保存領域404を設けた。しかし、ジョブ履歴保存領域404は、ジョブ履歴監査を行わないユーザにとっては不要であり、したがって、最初からMFP101のRAM202もしくはHDD204上に設けておく必要は無い。特に、ジョブ履歴保存領域404のために、RAM202もしくはHDD204を所定の大きさの記憶領域を確保するような構成を採用した場合は、RAM202もしくはHDD204の記憶容量を無駄に消費することになる。
このため、本実施形態では、ジョブ履歴保存領域404を必要に応じて作成することとして、このような無駄を省くこととした。本実施形態の説明においては、実施形態1と重複する部分の説明を省略し、相違点のみを説明する。
図10は、ジョブ履歴保存場所にMFPが設定された場合に、監査アプリ500の監査アプリ制御部502が、ジョブ履歴保存場所に指定されたことをMFP101に通知する動作を表すフローチャートである。図10に示す各ステップは、PC102のCPU301が、ROM302またはHDD304に記憶されている、監査アプリ500を実現するプログラムを実行することで、実現される。また、CPU301は、必要に応じて、記憶領域としてRAM302やHDD304を利用する。
ステップS801において、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存場所のMFPとして、「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されているか否かを判断する。「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されている場合、監査アプリ制御部502は、処理をステップS802に進める。「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されていない場合、すなわち、「指定したMFP」に設定されている場合、監査アプリ制御部502は、処理をステップS804に進める。
ステップS802において、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴取得対象のMFPに対する繰り返し処理(S803)を制御する。具体的には、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴取得対象のMFPとして登録されているMFP1台ずつに対して、ステップS803の処理を繰り返し行う。
ステップS803において、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存場所であることを、各MFP101に通知する。ジョブ履歴取得対象のMFPとして登録されている全てのMFPに対してステップS803の処理が終わると、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存場所通知の処理を終了する。
ステップS804において、監査アプリ制御部502は、指定されたMFPに対してジョブ履歴保存場所であることを通知し、ジョブ履歴保存場所通知の処理を終了する。
図11は、MFP101のジョブ履歴管理部402が、監査アプリ500からジョブ履歴保存場所に指定されたとの通知を受信した際の動作を表すフローチャートである。図11に示す各ステップは、MFP101のCPU201が、ROM203またはHDD204に記憶されているジョブ履歴管理部402を実現するプログラムを実行することで、実現される。また、CPU201は、必要に応じて、記憶領域としてRAM202やHDD204を利用する。
ステップS811において、ジョブ履歴管理部402は、ジョブ履歴保存領域404が既に作成済みであるか否かを判断する。既に作成済みの場合、ジョブ履歴管理部402は、ジョブ履歴保存場所の通知を受信した際の処理を終了する。作成されていない場合、ジョブ履歴管理部402は、処理をステップS812に進める。
ステップS812において、ジョブ履歴管理部402は、RAM202またはHDD204上に、ジョブ履歴保存領域404を作成し、ジョブ履歴保存場所通知を受信した際の処理を終了する。
以上のように、実施形態2では、処理済みジョブ履歴をMFP101に保存する設定が成されたタイミングで、MFP101内へジョブ履歴保存領域404を作成する。これによって、実施形態2によれば、ジョブ履歴監査を行わない場合に、予めジョブ履歴保存領域404を用意する無駄を省くことができる。
なお、本実施形態では、処理済みジョブ履歴をMFP101に保存するように設定したタイミングで、MFP101内にジョブ履歴保存領域404を作成することとしたが、これに代えて、保存すべき処理済みジョブ履歴を受信したタイミングで、ジョブ履歴管理部402が、図11のフローチャートに示す処理を行って、ジョブ履歴保存領域404を作成することとしても良い。
[実施形態3]
次に、本発明の実施形態3について説明する。
実施形態3は、処理済みジョブ履歴の保存先として指定可能な記憶領域が、SMBやWebDAVといった、PC102から直接操作可能なプロトコルを用いて共有されている場合に、実施形態2と同様に、必要に応じて、ジョブ履歴保存領域404を作成する例である。実施形態3によれば、実施形態2と同様な効果を得ることができる。
本実施形態の説明においては、実施形態1および実施形態2と重複する部分の説明を省略し、相違点のみを説明する。
図12は、監査アプリ500の監査アプリ制御部502が、MFP101上にジョブ履歴保存領域404を作成する処理の動作を示すフローチャートである。図12に示す各ステップは、PC102のCPU301が、ROM302またはHDD304に記憶されている監査アプリ500を実現するプログラムを実行することで、実現される。また、CPU301は、必要に応じて、記憶領域としてRAM302やHDD304を利用する。
ステップS901において、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存場所のMFPとして、「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されているか否かを判断する。「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されている場合、監査アプリ制御部502は、処理をステップS902に進める。一方、「ジョブ履歴取得元のMFP」が設定されていない場合、すなわち、「指定したMFP」が設定されている場合には、監査アプリ制御部502は、処理をステップS905に進める。
ステップS902において、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴取得対象のMFPに対する繰り返し処理(S903~S904)を制御する。具体的には、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴取得対象のMFP101として登録されているMFPの1台ずつに対して、S903~S904の処理を繰り返し行う。
ステップS903において、監査アプリ制御部502は、MFP101上にジョブ履歴保存領域404が既に作成済みであるか否かを判断する。ジョブ履歴保存領域404が既に作成済みの場合、監査アプリ制御部502は、S904の処理はスキップし、繰り返し処理を次のMFPに対する処理に移行させる。一方、ジョブ履歴保存領域404が未だ作成されていない場合、監査アプリ制御部502は、処理をステップS904に進める。
ステップS904において、監査アプリ制御部502は、MFP101のRAM202またはHDD204上に、ジョブ履歴保存領域404を作成する。
ジョブ履歴取得対象のMFPとして登録されている全てのMFPに対してステップS903~S904の処理が終わると、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存領域作成の処理を終了する。
一方、ステップS905において、監査アプリ制御部502は、指定されたMFP上にジョブ履歴保存領域404が既に作成済みであるか否かを判断する。ジョブ履歴保存領域404が既に作成済みの場合、監査アプリ制御部502は、ジョブ履歴保存領域作成の処理を終了する。一方、ジョブ履歴保存領域404が未だ作成されていない場合、監査アプリ制御部502は、処理をステップS906に進める。
ステップS906において、監査アプリ制御部502は、指定されたMFP101のRAM202またはHDD204上にジョブ履歴保存領域404を作成し、ジョブ履歴保存領域作成の処理を終了する。
以上のように、実施形態3では、処理済みジョブ履歴の保存先として指定可能な記憶領域が、PC102から直接操作可能なプロトコルを用いて共有されている場合に、ジョブ履歴保存領域404を、必要になったタイミングで作成することができる。
なお、実施形態3では、ジョブ履歴保存領域404がSMBやWebDAVといったプロトコルを用いて共有されていることを想定している。このようなプロトコルでジョブ履歴保存領域404が共有されている場合、処理済みジョブ履歴は、PC102からMFP101上のジョブ履歴保存領域404へ直接に保存しても良い。更には、処理済みジョブ履歴をPC102からジョブ履歴保存領域404へ直接的に保存する場合、処理済みジョブ履歴をMFP101へ保存するタイミングで、監査アプリ制御部502が、ジョブ履歴保存場所のMFP101にジョブ履歴保存領域404があるか否かを判断して、ジョブ履歴保存領域404を作成するようにしても良い。
[実施形態4]
次に、本発明の実施形態4について説明する。
実施形態1の図7に示した画面でジョブ履歴保存場所をMFPに設定した場合、PC102に大規模な記憶領域を作成することを不要とできるが、その一方で、MFPに大規模の記憶領域を確保する必要が生じてしまう。特に、複数台のMFPで取得されたジョブ履歴を1台のMFPに集めて保存する場合には、ジョブ履歴保存場所を設けたMFPに、非常に大規模な記憶容量が必要となる。
これに対して、本実施形態では、処理済みジョブ履歴の容量を節約するための設定を設けた。具体的には、本実施形態では、ジョブ履歴処理部501がジョブ履歴、特にジョブ履歴に含まれるログ画像に対する処理を行うことで、必要容量の低減を実現する。本実施形態の説明においては、実施形態1乃至実施形態3と重複する部分の説明は省略し、相違点のみを説明する。
図13は、本実施形態における、ジョブ履歴監査システム100の管理者にログ画像の保存設定を行わせるための画面1000を示す。この画面1000は、監査アプリ制御部502の制御により、表示される。
ジョブ履歴監査システム100の管理者は、画面1000を用いて、ログ画像の「解像度」、「保存するページ」および「カラーモード」に加えて、「削除の管理」に関する設定、すなわちジョブ履歴保存場所に保存されたジョブ履歴を削除するタイミングに関する設定を、指定することができる。
「解像度」については、ラジオボタンを用いて、「100dpi」か「300dpi」かを選択できる。ジョブ履歴処理部501は、選択された解像度に従って、ログ画像の解像度を変換する。例えば、ログ画像の鮮明さを犠牲にして、ログ画像の容量を小さくすることを優先したい場合には、「100dpi」を選択すれば良い。
「保存するページ」については、ラジオボタンを用いて、「すべて」、「先頭から指定ページまで」、「全体の指定比率にあたるランダムなページ」のいずれかを選択できる。
「すべて」が選択された場合、ジョブ履歴処理部501は、ログ画像のすべてのページを、間引きすること無しに、保存する。「先頭から指定ページまで」が選択された場合、ジョブ履歴処理部501は、ログ画像の先頭ページから入力フォーム1021で指定されたページまでを保存する。「全体の指定比率にあたるランダムなページ」が選択された場合、ジョブ履歴処理部501は、ログ画像に含まれる全ページ数に対して、入力フォーム1022で指定された割合にあたるページ数の画像をランダムに抽出して、保存する。
「すべて」以外を選択することで、保存するページ数を減らして、保存容量を低減できる。特に、「全体の指定比率にあたるランダムなページ」を選択した場合、保存するページをページ全体からランダムに抽出するため、情報漏洩抑止等の効果を低下させること無しに、記憶容量を低減することができる。
また、「全体の指定比率にあたるランダムなページ」を選択した場合、チェックボックスによって「先頭のページを常に含める」かどうかを切り替えられる。「先頭のページを常に含める」が有効になっている場合、ジョブ履歴処理部501は、先頭のページは常に保存対象とし、それ以外のページからランダムに抽出し、合計で指定された比率にあたるページ数を保存対象とする。これは、先頭のページを見て、効率的に文書の重要度を判断したい場合等に、有用な機能である。
「カラーモード」については、ラジオボタンによって「変更しない」か「白黒」かを選択可能である。「変更しない」が選択された場合、ジョブ履歴処理部501は、カラーのログ画像はカラーのまま、白黒のログ画像は白黒のまま保存する。「白黒」が選択された場合、ジョブ履歴処理部501は、白黒のログ画像は白黒のまま保存するが、カラーのログ画像は白黒に変換して保存する。これによって、カラーのログ画像の保存容量を低減することができる。
「削除の管理」については、「保存期間」、「容量が少なくなったら古いものから削除」、「手動」のいずれかを選択可能である。
「保存期間」が選択された場合、入力フォーム1041への入力により、保存日数が指定される。監査アプリ500の監査アプリ制御部502は、指定された保存期間の間だけジョブ履歴を保存し、該保存期間を超過したジョブ履歴を削除する。具体的には、監査アプリ制御部502が、日付が変わったことを検知して、MFP101のジョブ履歴管理部402に保存期間を超えたジョブ履歴の削除を指示する。もしくは、監査アプリ制御部502が、保存期間を予めジョブ履歴管理部402に通知しておき、ジョブ履歴管理部402が日付の変更を検知して保存期間を超えたジョブ履歴を削除しても良い。
「容量が少なくなったら古いものから削除」が選択された場合には、例えば、空き容量が所定値以下(例えば300MB以下)になったときに、一番古いジョブ履歴と、該ジョブ履歴と日付が同一のジョブ履歴とを、削除する。具体的には、監査アプリ制御部502が、「容量が少なくなったら古いものから削除」が選択されたことをジョブ履歴管理部402に通知しておき、ジョブ履歴管理部402が空き容量が例えば300MB以下になったことを検知して、ジョブ履歴の削除を行う。
「手動」が選択された場合、ジョブ履歴の自動的な削除は、行われない。このため、例えば、監査アプリ制御部502のユーザインタフェース画面(不図示)において、ジョブ履歴監査システム100の管理者から削除対象のジョブ履歴を指定して、削除する。削除対象のジョブ履歴を指定する方法としては、例えば、削除対象とするジョブ履歴の保存日数等を、管理者等に指定させる方法が有る。
OKボタン1051は、監査アプリ制御部502に、画面1000による設定の内容を確定させるためのボタンである。
以上のように、実施形態4によれば、設定に応じて処理済みジョブ履歴の保存データ量を減らせるとともに、処理済みジョブ履歴の保存データ量が増加し続けることを抑制できる。
なお、ジョブ履歴保存場所の設定に応じて、推奨の設定をデフォルト値として表示するようにしても良い。例えば、図7において、ジョブ履歴保存場所が「指定したMFP」に設定されている場合、ログ画像の保存容量が少なくなるように、「解像度」は「100dpi」、「カラーモード」は「白黒」がデフォルトで選択されることにしても良い。また、ジョブ履歴保存場所の設定に応じて、推奨する設定をメッセージとして表示するようにしても良い。更には、「削除の管理」で「保存期間」が選択された場合、監査アプリ制御部502が、ジョブ履歴保存場所となるMFPの容量から、目安となる保存期間を見積もって提示するようにしても良い。
加えて、図13の画面1000において、「削除の管理」の削除条件として、ジョブ履歴の属性に基づく条件設定を可能にしてもよい。更には、ログ画像に含まれるテキストをOCR処理で読み出し、このテキストに基づいて削除条件を満たすか否かを判断することにしても良い。
[その他の実施形態]
上述の各実施形態では、ジョブ履歴管理部402を予めMFP101上に構成しておくこととしたが、該ジョブ履歴管理部402を、MFP101の追加のアプリケーションとして、後からインストールすることにしても良い。ジョブ履歴管理部402を後で追加できるように構成する場合、ジョブ履歴管理部402のアプリケーションがPC102にインストールされて初めて起動するときに、ジョブ履歴保存領域404を作成することにしても良い。
また、上述の各実施形態では、ジョブ履歴記録領域403が、予めMFP101上に配置されることとしていたが、ジョブ履歴保存領域404が作成されると同時に作成されるようにしても良い。
加えて、ジョブ履歴処理部501がジョブ履歴への処理を行った後、処理済みジョブ履歴をMFP101に送信する前に、ジョブ履歴監査システム100の管理者もしくは監査専用のユーザが監査できるようにしても良い。この場合、監査の結果によっては、処理済みジョブ履歴を、MFP101に送信せずに削除できるようにしても良い。