JP7121502B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機に関する。
従来、下記特許文献1に開示されているように、変速機ケース内に設けられたオイルパンからオイルポンプにより吸引したオイルを作動要素に対して供給しつつ、循環可能とされた自動変速機が提供されている。下記特許文献1の自動変速機等においては、オイルポンプにより吸引されたオイルを、出力軸の軸心に設けられた軸心孔を経由して遊星歯車機構をなすギアやクラッチ等の作動要素に対してオイルを供給できる構成とされている。
特開2007-32624号公報
ここで、上記特許文献1等の自動変速機のように遊星歯車機構を備えたものにおいては、プラネタリギア等の潤滑に必要なオイルをなるべく多く確保できるようにしておくことが望ましい。しかしながら、従来技術の自動変速機等においては、プラネタリギア等の潤滑に用いるオイルを十分確保するための対策が十分なされていないという問題があった。
そこで本発明は、遊星歯車機構を備えた自動変速機において、プラネタリギア等の潤滑に必要なオイルをできるだけ多く確保可能な自動変速機の提供を目的とした。
かかる課題を解決すべく提供される本発明は、遊星歯車機構を備えた自動変速機であって、プラネタリギアの潤滑に必要なオイルを受け入れるためのレシーバが、プラネタリキャリアに取り付けられており、前記プラネタリキャリアが、前記プラネタリギアの支軸に対して交差する方向に拡がり、前記プラネタリギアを自転しつつサンギアの周囲を公転可能なように支持する側壁部を有し、前記レシーバが、前記側壁部に対して装着される第一レシーバ部と、前記第一レシーバ部に沿うように取り付けられる第二レシーバ部とを有し、前記第一レシーバ部との間にオイルを受容可能なオイル受容空間を形成する第二レシーバ部とを有し、前記第一レシーバ部の外周側において、前記第一レシーバ部と前記第二レシーバ部との隙間が閉塞され、前記第一レシーバ部の内周側において、前記第一レシーバ部と前記第二レシーバ部とが離間していることを特徴とするものである。
本発明の自動変速機においては、レシーバが第一レシーバ部及び第二レシーバ部を備えたものとされている。また、第一レシーバ部がプラネタリキャリアの側壁部に沿って拡がるように取り付けられると共に、第二レシーバ部が第一レシーバ部に沿うように取り付けられ、両者の間にオイルを受容可能なオイル受容空間が形成される。このように、本発明の自動変速機では、第一レシーバ部を大きくとることにより、プラネタリキャリアの側壁部の大きさ等に依存することなく、オイル受容空間の大きさを大きく確保できる。
また、オイル受容空間は、第一レシーバ部の外周側において第一レシーバ部と第二レシーバ部との隙間が閉塞されると共に、第一レシーバ部の内周側において第一レシーバ部と第二レシーバ部とが離間した構造とされている。そのため、本発明の自動変速機は、第一レシーバ部の内周側からオイル受容空間に対してオイルを容易に導入可能であると共に、オイル受容空間に導入されたオイルが遠心力等の影響で外部に漏洩するのを防止できる。従って、本発明の自動変速機においては、オイル受容空間に対するオイルの導入対策、及びオイル受容空間から外部へのオイルの漏洩対策が十分図られており、プラネタリギア等の潤滑に必要なオイルを可能な限り多く確保可能することができる。
上述した本発明の自動変速機は、前記第一レシーバ部が、前記プラネタリギアへのオイルの供給口を回避するように設けられていることが望ましい。
かかる構成によれば、オイル受容空間に確保されたオイルをプラネタリギアの潤滑のために確実に利用できる。
上述した本発明の自動変速機は、前記プラネタリキャリアが、前記側壁部に非閉塞部を有し、前記第一レシーバ部により、前記非閉塞部が閉塞されているものであることが望ましい。
かかる構成によれば、側壁部が有する非閉塞部からオイル受容空間内に確保されているオイルが漏洩するのを抑制できる。
上述した本発明の自動変速機は、前記プラネタリキャリアが、周方向に隣接する前記プラネタリギア同士の間において、前記側壁部の外周部から前記プラネタリギアの前記支軸に沿う方向に延びるように形成された周壁部を有し、前記非閉塞部が、前記側壁部と前記周壁部との屈曲箇所から周方向に外れた位置に設けられたものである場合に好適である。
ここで、コストダウン等の観点から、プラネタリキャリアを板金製とするなどした場合には、プレス等により曲げ加工された部分や、曲げ加工のために必要な逃がしとなる部分を設けることになる。プラネタリキャリアをこのような構成とした場合、前述した曲げ加工が施された部分や逃がしとなる部分が存在する分だけ、レシーバの略中央部に設けられるオイル導入用の開口領域を大きく取れないという懸念がある。また、オイル導入用の開口領域が大きく取れないと、オイルの供給方法に制限が加わり、例えばベアリング等の他部材の配置等にも悪影響を及ぼしかねない。
さらに、プラネタリキャリアに対するレシーバの固定箇所についても、前述した逃がしとなる部分を避けて略平坦な場所に限定されてしまう。これに加えて、このような構成とした場合には、レシーバの形状が、前述した曲げ加工が施された部分や逃がしとなる部分を回避するような形状に限定されてしまう。そのため、従来技術のような構成とした場合、レシーバを設けることにより形成されるオイルを受け入れ可能な空間の容積(以下、「レシーバ容積」とも称す)が制限されてしまうという問題がある。
上述した本発明の自動変速機は、かかる問題を解消するために好適である。すなわち、本発明の自動変速機は、前記周壁部が、前記側壁部の外周部において曲げ加工を施すことにより形成されたものであり、前記非閉塞部が、前記周壁部の形成のための逃がし部により構成されているものである場合に好適である。
すなわち、本発明の自動変速機で用いられているレシーバは、第一レシーバ部及び第二レシーバ部を備えており、プラネタリキャリアをなす側壁部に設けられた非閉塞部を第一レシーバ部により閉塞すると共に、第一レシーバ部と第二レシーバ部との間にオイル受容空間を形成できるものである。そのため、本発明の自動変速機は、例えばプレス等により曲げ加工を施すための逃げとなる部分を設けるなどすることで非閉塞部が形成されたプラネタリキャリアを採用する場合であっても、オイル導入用の開口領域を大きく取れる。また、本発明の自動変速機は、レシーバの固定箇所やレシーバの形状、レシーバ容量等についての制限を最小限に抑制できる。
本発明によれば、遊星歯車機構を備えた自動変速機において、プラネタリギア等の潤滑に必要なオイルをできるだけ多く確保可能な自動変速機を提供できる。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の断面図である。 図1の自動変速機におけるオイル循環系統の説明図である。 図1の自動変速機を構成する第一遊星歯車機構の作動図である。 図1の要部拡大図である。 第二遊星歯車機構をなす第二プラネタリギア、第二プラネタリキャリア、及びレシーバを示した斜視図である。 キャリアの固定構造の変形例を示した拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る自動変速機10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態の自動変速機10は、後述する第二遊星歯車機構18に設けられたオイル受容空間52、及びこれを構成する部材に特徴を有するが、先ず自動変速機10の構成について簡単に説明した後、特徴部分について詳細に説明する。
≪自動変速機10の構成について≫
自動変速機10は、いわゆるFR式自動変速機である。図1に示すように、自動変速機10は、トルクコンバータ12や、トルクコンバータ12を介してエンジンに連結された入力軸14、クラッチC、ブレーキB、第一遊星歯車機構16、第二遊星歯車機構18、第一出力軸20、第二出力軸22等を、変速機ケース24の内部に備えている。また、第一遊星歯車機構16や第二遊星歯車機構18に対して下方側には、バルブボディ26やオイルパン28等が設けられている。
第一遊星歯車機構16は、エンジンからトルクコンバータ12を経由して入力軸14まで伝達された動力を、クラッチC1~C3およびブレーキB1,B2、ワンウェイクラッチF等の変速制御要素を介して入力可能とされている。第一遊星歯車機構16は、フロントプラネタリサンギヤ16a、リヤプラネタリサンギヤ16b、プラネタリショートピニオン16c、プラネタリロングピニオン16d、プラネタリキャリア16e、及びプラネタリリングギヤ16f等で構成されている。
第一遊星歯車機構16は、入力経路として3つの動力伝達経路を有する。具体的には、第一遊星歯車機構16は、入力経路として入力軸14からクラッチC1を経由し、フロントプラネタリサンギヤ16aへ伝わる第一の経路を有する。また、第一遊星歯車機構16は、クラッチC2を経由してリヤプラネタリサンギヤ16bへと伝わる第二の経路、及びクラッチC3を経由して第一出力軸20及びプラネタリキャリア16eに伝わる第三の経路を有する。また、第一遊星歯車機構16は、出力経路として、プラネタリリングギヤ16fから出力される経路を有する。
また、クラッチC1~C3およびブレーキB1,B2、ワンウェイクラッチF等の変速制御要素は、各変速段に応じて図3に示すように作動する(図中において丸印は、変速制御要素の作動状態にあることを示す。)。以下、各変速段において図3に示したように変速制御要素が作動すると、以下に詳述するように第一遊星歯車機構16が動作する。
変速段が1速であって、シフトレバーがDレンジあるいは2レンジである場合(エンジンブレーキなし)においては、クラッチC2とワンウェイクラッチFとが作用して、所定の変速比で正方向(例えば右方向)への回転力を出力できる。具体的には、この状態においては、クラッチC2が作用しているため、入力軸14の回転力がリヤプラネタリサンギヤ16bに直接に伝達され、プラネタリショートピニオン16cに逆方向(例えば左方向)への回転力を伝達する。一方、プラネタリショートピニオン16cに噛み合っているプラネタリロングピニオン16dは、正方向の回転力を受けてプラネタリキャリア16eを逆方向に回転させようとする。しかしながら、ワンウェイクラッチFの働きにより回転が阻止されているため、プラネタリリングギヤ16fは正方向の回転力を受け、正方向への回転力を出力させる。
変速段が1速であってシフトレバーがLレンジである場合(エンジンブレーキあり)は、上述した変速段が1速であってシフトレバーがDレンジあるいは2レンジである場合と同様にして回転が伝達する。しかしながら、シフトレバーがLレンジである場合には、エンジンブレーキ時にプラネタリキャリア16eの正方向への回転を阻止するための作用をブレーキB2が発揮する点が、上述したシフトレバーがDレンジあるいは2レンジである場合と異なる。すなわち、変速段が1速であってシフトレバーがDレンジあるいは2レンジで駆動している際には、プラネタリキャリア16eの逆方向の回転をワンウェイクラッチFの作用によりロックし、プラネタリリングギヤ16fに回転力を伝達する。しかし、エンジンブレーキ時には逆の力が作用して、ワンウェイクラッチFが作用せず、プラネタリキャリア16eは空転してしまう。そのため、変速段が1速であってシフトレバーがLレンジである場合には、ブレーキB2を作用させてプラネタリキャリア16eを固定することにより、エンジンブレーキ作用を発揮可能としている。
変速段が2速である場合は、図3に示すように、クラッチC2とブレーキB1が作用し、正方向(例えば右方向)への回転力を出力する。具体的には、変速段が2段である場合には、クラッチC2が作用しているため、入力軸14の回転力はリヤプラネタリサンギヤ16bに直接伝達され、プラネタリショートピニオン16cに逆方向への回転力を伝達する。一方、ブレーキB1により、フロントプラネタリサンギヤ16aはロックされる。そのため、プラネタリショートピニオン16cに噛み合っているプラネタリロングピニオン16dは、正方向の回転力を受け、自転しながらフロントプラネタリサンギヤ16a上を正方向に公転し、プラネタリリングギヤ16fに正方向への回転力を伝達する。プラネタリリングギヤ16fの回転力は、正方向の回転力を出力する。
変速段が3段である場合は、クラッチC2とクラッチC3が作用し、所定の変速比で正方向への回転力を出力する。具体的には、変速段が3段である場合には、クラッチC2とクラッチC3とが作用しているため、入力軸14とリヤプラネタリサンギヤ16b及びプラネタリキャリア16eとが同一方向に回転する。従って、プラネタリショートピニオン16cとプラネタリロングピニオン16dがロック状態になり、プラネタリリングギヤ16fが正方向の回転力を受け正方向への回転力を出力する。
変速段が4段である場合は、クラッチC3とブレーキB1とが作用して、所定の減速比で正方向への回転力を出力する。具体的には、変速段が4段である場合には、クラッチC3が作用しているため、入力軸13の回転力が第一出力軸20に直接伝達され、プラネタリキャリア16eに正方向への回転力を伝達する。一方、ブレーキB1の作用により、フロントプラネタリサンギヤ16aがロックされる。そのため、プラネタリキャリア16eに支持されているプラネタリロングピニオン16dは正方向の回転力を受けて自転しながら、フロントプラネタリサンギヤ16a上を公転し、プラネタリリングギヤ16fを正方向に回転させる。プラネタリリングギヤ16fの回転により、正方向への回転力が出力される。
シフトレバーがRレンジである場合は、クラッチC1とブレーキB2が作用してリバースギヤとなり、所定の変速比で逆方向への回転力が出力される。具体的には、シフトレバーがRレンジである場合は、クラッチC1が作用しているため、入力軸14の回転力は、フロントプラネタリサンギヤ16aに直接伝達される。その一方で、ブレーキB2の作用により、プラネタリキャリア16eは固定されている。そのため、フロントプラネタリサンギヤ16aに伝達された正方向への回転力により、プラネタリロングピニオン16dが逆方向に自転し、プラネタリリングギヤ16fに逆方向への回転力が出力される。
第一出力軸20には、軸線方向に延びるように形成された軸心孔20aが設けられている。軸心孔20aには、エンジン駆動式のポンプから圧送されてきたオイルが供給される。また、第一出力軸20には、径方向に形成された孔20bが複数形成されている。孔20bは、軸心孔20aに連通している。孔20bは、第一遊星歯車機構16やクラッチC、ブレーキB等に対応する位置に設けられている。そのため、ポンプにより圧送されてきたオイルを軸心孔20aから孔20bを介して第一遊星歯車機構16やクラッチC、ブレーキB等に供給することができる。
第二遊星歯車機構18は、第一遊星歯車機構16に対して動力伝達方向の下流側に設けられた遊星歯車機構である。第二遊星歯車機構18は、第二サンギア18a、第二プラネタリギア18b、第二リングギア18c、及び第二プラネタリキャリア18dを備えている。第二遊星歯車機構18は、第一遊星歯車機構16側から入力された動力を所定の減速比で減速して第二出力軸22に出力可能とされている。
≪オイル循環系統30について≫
以下、本実施形態の自動変速機10に特有のオイル循環系統30について、図面を参照しつつ詳細に説明する。オイル循環系統30は、自動変速機10において使用されるオイルを循環させるためのものである。すなわち、オイル循環系統30は、エンジン駆動式のオイルポンプPにより吸引したオイルを、変速機ケース24内に設けられたオイルパン28から吸い上げ、第一遊星歯車機構16や、第二遊星歯車機構18、クラッチC、ブレーキB等の作動要素に対して供給しつつ循環させるためのものである。
オイル循環系統30は、第一循環系統32、及び第二循環系統34を備えている。図2に示すように、第一循環系統32は、オイルパン28からオイルポンプP、バルブボディ26を通り、上述した第一出力軸20の軸心孔20a及び孔20bを経由してオイルが流れる循環系統である。第一循環系統32においては、第一出力軸20の軸心孔20aに導入されたオイルが孔20bを介して第一遊星歯車機構16や、クラッチC、ブレーキB等の作動要素において各部の動作や潤滑にオイルが使用された後、オイルパン28にオイルが戻る。
第二循環系統34は、第一循環系統32を迂回してオイルパン28に戻るオイルが流れる循環系統である。図2に示すように、第二循環系統34は、オイルパン28からオイルポンプP、バルブボディ26を通った後、変速機ケース24の外側に設けられた温度調整部36を経てオイルパン28に戻る循環系統である。
ここで、温度調整部36は、オイルの温度調整のために設けられたものである。温度調整部36は、例えばオイルウォーマーやオイルクーラー等によって構成されている。第二循環系統34をなす流路のうち、温度調整部36を経てオイルパン28に戻る戻り流路38の少なくとも一部は、変速機ケース24に形成されている。
第二循環系統34は、戻り流路38の途中において分岐された分岐流路40を有する。分岐流路40は、変速機ケース24に形成されている。分岐流路40は、オイルによる潤滑が必要な潤滑対象に向けてオイルを供給するものである。本実施形態では、第二遊星歯車機構18が潤滑対象とされている。そのため、分岐流路40は、第二遊星歯車機構18に向けて延びるように形成されている。
具体的には、第二遊星歯車機構18には、レシーバ50が設けられており、第二循環系統34を流れるオイルの一部を、分岐流路40を介してレシーバ50に向けて供給し、第二遊星歯車機構18の潤滑用として利用することができる。以下、レシーバ50及びこれにより構成されるオイル受容空間52について、レシーバ50の取り付け対象となる第二プラネタリキャリア18dの構成にも言及しつつ、詳細に説明する。
レシーバ50は、主として第二遊星歯車機構18を構成する第二プラネタリギア18bの潤滑に必要なオイルを受け入れるためのものである。レシーバ50は、第二プラネタリキャリア18dに対して取り付けられている。
ここで、図4や図5に示すように、第二プラネタリキャリア18dは、側壁部18e、周壁部18f、及び非閉塞部18gとを有する。第二プラネタリキャリア18dは、いかなる方法により形成されたものであっても良いが、所定形状に形成された板金を折り曲げ加工することにより側壁部18eや周壁部18fを形成したものとすることができる。
側壁部18eは、第二プラネタリギア18bの支軸18hに対して交差(本実施形態では略直交)する方向に拡がる環状かつ略平面状の部分である。側壁部18eは、第二プラネタリギア18bを自転しつつ第二サンギア18aの周囲を公転可能なように支持する。
周壁部18fは、側壁部18eの外周部から第二プラネタリギア18bの支軸に沿う方向(本実施形態では側壁部18eに対して略直交する方向)に延びるように形成された部分である。具体的には、周壁部18fは、第二プラネタリキャリア18dを構成するための板金を、側壁部18eの外周部分において折り曲げ加工することにより形成された部分である。周壁部18fは、周方向に隣接するように設けられた複数(例えば3個や4個)の第二プラネタリギア18b同士の間に配置されている。
非閉塞部18gは、周壁部18fの形成のために板金を折り曲げ加工するための逃がしとなる部分である。そのため、非閉塞部18gは、側壁部18eと周壁部18fとの屈曲箇所から周方向に外れた位置に設けられている。
レシーバ50は、上述したような構成の第二プラネタリキャリア18dに対して装着されている。具体的には、レシーバ50は、第一レシーバ部54及び第二レシーバ部56を備えており、第一レシーバ部54を第二プラネタリキャリア18dの側壁部18eに固定することにより装着されている。
さらに具体的には、第一レシーバ部54は、第二プラネタリキャリア18dに対して装着される略ドーナツ状の板体である。第一レシーバ部54は、第二プラネタリキャリア18dに対して軸支されている第二プラネタリギア18bへのオイルの供給口18iを回避するように形成されている。第一レシーバ部54を装着することにより、第二プラネタリキャリア18dに設けられた非閉塞部18gを閉塞することができる。
第二レシーバ部56は、第一レシーバ部54との間にオイル受容空間52を形成する部材である。第二レシーバ部56は、平面視が略ドーナツ状の形状を有する部材である。第二レシーバ部56は、外周部56aと内周部56bとの間に段部56cが形成されている。第二レシーバ部56は、外周部56aにおいて第一レシーバ部54の外周部54aと一体化され、第一レシーバ部54と第二レシーバ部56との隙間が閉塞されている。
第一レシーバ部54と第二レシーバ部56とを外周部54a,56aにおいて一体化する構造や方法については、種々のものを採用することができる。具体的には、第一レシーバ部54と第二レシーバ部56とをカシメにより一体化する方法、ねじ等の固定部材を用いて一体化する方法、接着剤等を用いて化学的に一体化する方法等、種々の方法を採用できる。
また、第一レシーバ部54と第二レシーバ部56との固定構造についても種々のものを採用できる。例えば、図6(a)に示したように、第一レシーバ部54と第二レシーバ部56とを重ね合わせ、カシメ等の方法で一体化した構造、図6(b)のように第二レシーバ部56を屈曲させ、第一レシーバ部54の外周部を挟み込んだ構造の他、図6(c)のように第二レシーバ部56を屈曲させ、第一レシーバ部54の外周部54aだけでなく第二プラネタリキャリア18dの側壁部18eの外周部も一緒に挟み込んだ構造など、種々の構造とすることができる。
上述したように第二レシーバ部56には、段部56cが設けられている。そのため、上述したようにして第一レシーバ部54を第二レシーバ部56と一体化すると、第二レシーバ部56の内周部56bと第一レシーバ部54の側壁部18eとの間に空隙が形成される。この空隙により、オイル受容空間52が形成される。
上述した分岐流路40の端部は、上述したようにして形成されたオイル受容空間52に臨むように配置されている。このような構成により、オイル循環系統30は、第二循環系統34を流れるオイルの一部を、分岐流路40を介して第二遊星歯車機構18の潤滑用としてオイルを供給することができる。オイル受容空間52に導入されたオイルは、供給口18iを介して、第二プラネタリギア18bの潤滑用として供給される。
上述したように、本実施形態の自動変速機10は、レシーバ50をなす第一レシーバ部54及び第二レシーバ部56の間にオイル受容空間52を備えている。そのため、自動変速機10は、第一レシーバ部54を大きくとることにより、第二プラネタリキャリア18dの側壁部18eの大きさ等に依存することなく、オイル受容空間52の大きさを大きく確保できる。
また、本実施形態の自動変速機10においては、第一レシーバ部54の内周側において第一レシーバ部54と第二レシーバ部56とが離間した構造とされている。そのため、自動変速機10は、分岐流路40を介して供給されたオイルを、第一レシーバ部54の内周側からオイル受容空間52に対してオイルを容易かつ確実に導入可能であるまた、オイル受容空間52は、第一レシーバ部54及び第二レシーバ部56の外周側において閉塞されている。そのため、自動変速機10においては、オイル受容空間52に導入されたオイルが遠心力等の影響で外部に漏洩するのを防止できる。従って、本実施形態の自動変速機10は、オイル受容空間52へのオイル導入に関する対策、及びオイル受容空間52から外部へのオイル漏洩に関する対策が十分図られている。
上述したように、本実施形態の自動変速機10は、第一レシーバ部54が、プラネタリギア18bへのオイルの供給口18iを回避した構成とされている。そのため、自動変速機10は、オイル受容空間52に確保されたオイルをプラネタリギア18bの潤滑のために確実に利用できる。
上述したように、本実施形態の自動変速機10では、第二プラネタリキャリア18dに形成された非閉塞部18gが第一レシーバ部54によって閉塞されている。そのため、上述した構成によれば、非閉塞部18gからオイル受容空間52内に確保されているオイルが漏洩するのを抑制できる。なお、本実施形態では、第二プラネタリキャリア18dを板金製とする際に必要とされる逃がしとなる部分を非閉塞部部18gとし、これを第一レシーバ部54によって閉塞する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前述した逃がしとなる部分に加えて、あるいは逃がしとなる部分に代えて、別途設けられた開口などを非閉塞部18gと同様に第一レシーバ部54によって閉塞するようにしても良い。
本実施形態では、オイル受容空間52に導入されたオイルを主として第二プラネタリギア18bの潤滑に活用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばオイル受容空間52の近傍に設けられたベアリング等の他の部材の潤滑にも活用可能である。また、オイル受容空間52に導入されたオイルを第二プラネタリギア18b以外の他の部材の潤滑に活用する場合には、オイル受容空間52に臨む位置や、オイル受容空間52をなす第二レシーバ部56の内周部56bよりもオイル受容空間52の内側に他の部材を配置するなどすれば、より一層他の部材にもオイルを活用できる。
本発明は、上述した実施形態に示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明は、自動変速機全般において好適に利用できる。
10 :自動変速機
18 :第二遊星歯車機構
18a :第二サンギア
18b :プラネタリギア
18d :第二プラネタリキャリア
18e :側壁部
18f :周壁部
18g :非閉塞部
18i :供給口
50 :レシーバ
52 :オイル受容空間
54 :第一レシーバ部
56 :第二レシーバ部

Claims (2)

  1. 遊星歯車機構を備えた自動変速機であって、
    プラネタリギアの潤滑に必要なオイルを受け入れるためのレシーバが、プラネタリキャリアに取り付けられており、
    前記プラネタリキャリアが、
    前記プラネタリギアの支軸に対して交差する方向に拡がり、前記プラネタリギアを自転しつつサンギアの周囲を公転可能なように支持する側壁部を有し、
    前記レシーバが、
    前記側壁部に対して装着される第一レシーバ部と、
    前記第一レシーバ部との間にオイルを受容可能なオイル受容空間を形成する第二レシーバ部とを有し、
    前記第一レシーバ部の外周側において、前記第一レシーバ部と前記第二レシーバ部との隙間が閉塞され、
    前記第一レシーバ部の内周側において、前記第一レシーバ部と前記第二レシーバ部とが離間しており、
    前記第一レシーバ部が、前記プラネタリギアへのオイルの供給口を前記プラネタリギアの支軸に対して交差する方向に回避するように設けられていることを特徴とする自動変速機。
  2. 前記プラネタリキャリアが、前記側壁部に非閉塞部を有し、
    前記第一レシーバ部により、前記非閉塞部が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
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