JP7120770B2 - 型枠離型剤 - Google Patents

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Description

本発明は、型枠離型剤及びその製造方法に関する。更に詳しくは水硬性組成物用型枠離型剤及び水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。
従来、コンクリート製品の表面に発生する気泡や空隙は耐久性と表面美観の面で好ましくなく、モルタル埋め込みによる修復を行うのが一般的であるが、その労力は多大である。
表面気泡の低減に対し、水溶性剥離剤が一般に使用され、ある程度の効果は認められているが、まだ充分ではない。即ち、水溶性剥離剤を使用した場合、型枠からのコンクリートの脱型性が悪く、型枠にコンクリートが付着して、コンクリート表面の平滑性が損なわれ、コンクリート内部の気泡や空隙が表面に現れ、逆に美観性が低下する場合が多い。
また従来、コンクリートの型枠に塗布する剥離剤は鉱物油や動植物油等の液状撥水性物質を主成分としたもので、剥離性を高める為に脂肪酸や脂肪酸金属塩が配合されている。この脂肪酸や脂肪酸金属塩は鋼製型枠への吸着力を高めるものであり、油性物質に介在させることで型枠への付着力を高めている。
特許文献1には、特定のアミド(A)を含有してなることを特徴とする表面美観剤を用いることにより、セメント成形体の表面から気泡痕を十分に除くことができることを開示されている。
特許文献2には、基礎コンクリートの養生時、コンクリートのヒビ割れ対策として散水をした後に、金属製型枠とコンクリートとの境界面に錆が発生するのを防止できるようにしたコンクリート養生用防錆離型剤およびこれを用いたコンクリート養生方法が開示されている。
特開2007-77008号公報 特開2004-211368号公報
本発明の課題は、水硬性組成物を型枠に充填した後、硬化体脱型時の離型性に優れ、且つ硬化体の表面美観を向上することができる型枠離型剤及び水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供することである。
本発明は、(a)成分として、下記一般式(1)で表される化合物を含む、型枠離型剤に関する。
Figure 0007120770000001
[式中、Rは、炭素数7以上21以下の炭化水素基を示し、Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。mは0または1を示す。]
また本発明は、次の工程1~工程4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。工程1:水と水硬性粉体とを混練して水硬性組成物を得る工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を、本発明の前記型枠離型剤を塗布した型枠に充填する工程。
工程3:工程2で得られた型枠に充填された水硬性組成物を硬化させる工程。
工程4:工程3で得られた硬化体を型枠から脱型する工程。
本発明によれば、水硬性組成物を型枠に充填した後、硬化体脱型時の離型性に優れ、且つ硬化体の表面から気泡痕を十分に取り除く事により表面美観を向上することができる型枠離型剤及びその製造方法が提供される。
<型枠離型剤>
本発明の型枠離型剤を用いることにより、硬化体脱型時の離型性に優れ、また硬化体の表面から気泡痕を十分に取り除く事により表面美観を向上することできる機構は不明であるが、以下の様に推定される。
本発明の型枠離型剤を型枠に塗布して、水硬性組成物を充填した際、(a)成分はセメントペーストのような高イオン濃度の水硬性組成物と接触すると、徐々に凝集・もしくは水硬性組成物表面に吸着する。この効果により、凝集・もしくは吸着した水硬性組成物表面の表面自由エネルギーを低下させることで水硬性組成物の濡れ性が向上し、相対的に気泡が界面に出にくくなることで、硬化体表面の美観が向上したものと考えられる。また、離型性に関しては、凝集物による脆弱層の形成により、剥離が容易となるものと考えられる。
本発明の型枠離型剤は、(a)成分として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 0007120770000002
[式中、Rは、炭素数7以上21以下の炭化水素基を示し、Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。mは0または1を示す。]
一般式(1)中、Rは、表面美観の観点から、炭素数7以上、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、21以下、好ましくは19以下、より好ましくは17以下の炭化水素基、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、より好ましくは直鎖のアルキル基又は直鎖のアルケニル基である。
一般式(1)中、Aは、表面美観の観点から、炭素数2以上、そして、4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である。またAは、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
一般式(1)中、mは、0又は1であり、表面美観の観点から、好ましくは1である。
(a)成分の具体例としては、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、リノール酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及びパーム核油脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上が挙げられ、表面美観の観点から、オレイン酸ジエタノールアミド、リノール酸ジエタノールアミド及びパーム核油脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上が好ましく、リノール酸ジエタノールアミド及びオレイン酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上がより好ましい。
(a)成分は、公知の方法により、アルカノールアミンと脂肪酸等と反応させることにより得ることができる(特開2001-302600号公報等)。
また前記脂肪酸ジエタノールアミドは、特開2003-183232号公報に記載の方法により得ることができる。
本発明の型枠離型剤は、スプレー塗布性、表面美観の観点から、更に(b)成分として、動粘度が、3mm/s以上80mm/s以下である油性成分を含有することが好ましい。なお(b)成分の動粘度は、JIS K 2283に記載の方法で測定される値である。
(b)成分の動粘度は、表面美観の観点から、3mm/s以上、好ましくは5mm/s以上、より好ましくは7mm/s以上、そして、80mm/s以下、好ましくは75mm/s以下、よりましくは70mm/s以下である。
(b)成分の油性成分としては、(1)灯油、軽油、スピン油、トランス油、マシン油等の鉱物油、(2)ポリアルキレングリコール等の合成油、(3)菜種、やし、パーム、大豆油等の植物油、(4)油脂、(5)脂肪酸エステル等が使用できる。(b)成分は、中でも鉱物油から選ばれる1種以上が好ましく、スピン油及びマシン油から選ばれる1種以上がより好ましく、マシン油が更に好ましい。
(b)成分は、市販のものを用いることができる。
(b)成分として、スピン油を用いる場合、スピン油としては、コスモピュアスピンE、コスモピュアスピンESP(いずれもコスモ石油ルブリカンツ(株)製)が挙げられ、コスモピュアスピンESPが好ましい。
(b)成分として、マシン油を用いる場合、マシン油としてはコスモピュアセイフティー10、コスモピュアセイフティー22、コスモピュアセイフティー32、コスモピュアセイフティー46、コスモピュアセイフティー68(いずれもコスモ石油ルブリカンツ(株)製)が挙げられる。
本発明の型枠離型剤は、低温安定性の観点から、更に(c)成分として、HLBが10以下のノニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)、炭素数が8以上22以下の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を有するアルコール及び炭素数が7以上21以下の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を有する脂肪酸から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
(c)成分は、本発明の型枠離型剤において、(a)成分のうち低温での結晶性の高い化合物のパッキング性を低下させることで、型枠離型剤の低温安定性を改善するものと考えられるため好ましい。
(c)成分は、低温安定性の観点から、HLB10以下のノニオン界面活性剤及び炭素数が7以上21以下の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を有する脂肪酸から選ばれる1種以上が好ましく、HLB10以下のノニオン界面活性剤がより好ましい。
(c)成分のノニオン界面活性剤のHLB値は、低温安定性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上であり、そして、10以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは9以下である。
ここで、HLB値は、下記に示すグリフィンの式で定義される。
HLB値=20×Mw/M
(式中、Mはノニオン界面活性剤の分子量であり、Mwは該ノニオン界面活性剤の親水性部分の分子量である。)
(c)成分のノニオン界面活性剤としては、(c1)アルキルモノグリセリルエーテル〔以下、(c1)成分という〕、(c2)ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル〔以下、(c2)成分という〕、(c3)アルキルポリグリコシド(グリコシド型ノニオン界面活性剤)〔以下、(c3)成分という〕、(c4)ソルビタン系ノニオン界面活性剤〔以下、(c4)成分という〕、(c5)脂肪酸モノグリセライド〔以下、(c5)成分という〕、及び(c6)蔗糖脂肪酸エステル〔以下、(c6)成分という〕からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、低温安定性の観点から、(c4)ソルビタン系ノニオン界面活性剤、及び(c2)ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、(c4)ソルビタン系ノニオン界面活性剤がより好ましい。
(c)成分が、(c4)成分である場合、(c4)成分は、炭素数が、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下の、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有する化合物が好ましい。
(c)成分のノニオン界面活性剤としては、具体的には以下の化合物が挙げられる。
(c4)成分としては、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3)、ソルビタンモノパルミテート(HLB6.7)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7)から選ばれる1種以上が挙げられる。
(c2)成分としては、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンパルミチルエーテル、ポリオキシアルキレンステアリルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。但し、これらはHLBが10以下である。
(c5)成分としては、ラウリン酸モノグリセライド(HLB5.3)、オレイン酸モノグリセライド(HLB4.0)、パルミチン酸モノグリセライド(HLB4.4)、ステアリン酸モノグリセライド(HLB3.4)から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中でも、(c)成分のノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上がより好ましく、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエートから選ばれる1種以上が更に好ましい。
(c)成分のアルコールとしては、低温安定性の観点から、炭素数が、8以上、好ましくは10以上、そして、22以下、好ましくは20以下の、直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基、好ましくは直鎖のアルケニル基を有する化合物が好ましい。
アルコールとしては、具体的には、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、リノールアルコール及びステアリルアルコールから選ばれる1種以上が挙げられ、低温安定性の観点から、好ましくはオレイルアルコール、リノールアルコール及びラウリルアルコールから選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイルアルコール及びリノールアルコールから選ばれる1種以上である。
(c)成分の脂肪酸としては、炭素数が、7以上、好ましくは9以上、そして、21以下、好ましくは19以下の、直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基、好ましくは直鎖のアルケニル基を有する化合物が好ましい。
脂肪酸としては、具体的には、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸及びステアリン酸から選ばれる1種以上が挙げられ、低温安定性の観点から、好ましくはオレイン酸、リノール酸及びラウリン酸から選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸及びリノール酸から選ばれる1種以上である。
本発明の型枠離型剤において、(a)成分の含有量は、表面美観の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは29質量%以下、更に好ましくは28質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは7質量%以下である。
本発明の型枠離型剤において、(b)成分の含有量は、表面美観の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは42質量%以上、更に好ましくは44質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは93質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは96質量%以下である。
本発明の型枠離型剤において、(c)成分の含有量は、低温安定性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは29質量%以下、更に好ましくは28質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下である。
本発明の型枠離型剤において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(a)/(c)は、低温安定性の観点から、好ましくは20/80以上、より好ましくは22/78以上、更に好ましくは24/76以上、より更に好ましくは30/70以上、そして、好ましくは80/20以下、より好ましくは78/22以下、更に好ましくは76/24以下、より更に好ましくは70/30以下である。
すなわち、本発明の型枠離型剤において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(a)/(c)は、低温安定性の観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.28以上、更に好ましくは0.31以上、より更に好ましくは0.42以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3.6以下、更に好ましくは3.2以下、より更に好ましくは2.4以下である。
本発明の型枠離型剤は、刷毛やモップによる塗布の他に、スプレーによる噴霧により型枠に塗布しても良い。これらの離型剤は、潤滑油としても使用することが出来る。
本発明の型枠離型剤の型枠への塗布量は、離型性および表面美観の観点から、好ましくは0.5g/m以上、より好ましくは1g/m以上、更に好ましくは1.5g/m以上、そして、好ましくは40g/m以下、より好ましくは38g/m以下、更に好ましくは36g/m以下である。
本発明の型枠離型剤は、水硬性組成物、より詳細にはモルタル組成物又はコンクリート組成物を対象とする。
水硬性組成物は、水硬性粉体を含有するものであり、水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。これらの中でも、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、普通ポルトランドセメントがより好ましい。
また、セメント等の水硬性粉体には、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポゾラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が含まれていてもよい。例えば、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等を用いてもよい。
水硬性組成物は、生産性および強度の観点から、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量比(水の質量/水硬性粉体の質量×100)、通常W/Pと略記される。〕が、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、そして、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下のものを用いることができる。
水硬性組成物は、生産性および強度の観点から、水/セメント比〔スラリー中の水とセメントの質量比(水の質量/セメントの質量×100)、通常W/Cと略記される。〕が、好ましくは10%以上、より好ましくは12%以上、更に好ましくは14%以上、そして、好ましくは60%以下、より好ましくは58%以下、更に好ましくは56%以下のものを用いることができる。
水硬性組成物には、さらに骨材を含有することができる。骨材として細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
骨材は、コンクリートやモルタルなどの調製に用いられる通常の範囲で用いることができる。水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、コンクリートの性状の観点から、嵩容積50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましく、そして、100%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、500kg/m3以上が好ましく、600kg/m3以上がより好ましく、700kg/m3以上が更に好ましく、そして、1000kg/m3以下が好ましく、900kg/m3以下がより好ましい。水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、800kg/m3以上が好ましく、900kg/m3以上がより好ましく、1000kg/m3以上が更に好ましく、そして、2000kg/m3以下が好ましく、1800kg/m3以下がより好ましく、1700kg/m3以下が更に好ましい。
水硬性組成物は、上記成分以外に更にその他の成分を含有することもできる。例えば、分散剤、消泡剤、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、早強剤等が挙げられる。早強剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、ギ酸塩から選ばれる化合物、又はアルカノールアミン、グリセリン誘導体、ホルムアルデヒド誘導体、カテコール誘導体から選ばれる有機化合物、ポルトランドセメントの水和生成物(C-S-H、および水酸化カルシウム)のナノ粒子が挙げられる。
水硬性組成物は、コンクリート組成物、モルタル組成物であってよい。
水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の種々の分野を対象としたものが用いられる。
本発明の型枠離型剤が対象とする水硬性組成物は、表面美観をより向上できる観点で、(I)脂肪酸部分の炭素数が10以上24以下である、脂肪酸アルカノールアミド〔以下、(I)成分という〕、(II)ポリカルボン酸系分散剤〔以下、(II)成分という〕、(III)下記一般式(III-1)及び下記一般式(III-2)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤〔以下、(III)成分という〕、水硬性粉体、並びに水を含有する水硬性組成物〔以下、水硬性組成物(A)ともいう〕が好ましい。
31-O-[(EO)・(PO)m’]-H (III-1)
[式中、R31は炭素数4以上15以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基、nはEOの平均付加モル数で1以上5以下の数、m’はPOの平均付加モル数で0以上5以下の数であり、EOとPOはブロック又はランダムに結合してもよい。〕
Figure 0007120770000003
[式中、R32は炭素数6以上12以下の炭化水素基、R33とR34はそれぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基である。]
(I)成分の脂肪酸部分の炭化水素基は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭化水素基であり、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
脂肪酸部分の炭素数は、脂肪酸アルカノールアミドの原料脂肪酸においてカルボキシル基の炭素原子を含む炭素数であり、コンクリート製品表面の気泡痕削減効果の観点から、10以上、好ましくは12以上、そして、24以下、好ましくは22以下であり、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸メチルモノエタノールアミド、脂肪酸エチルモノエタノールアミド、脂肪酸プロピルモノエタノールアミド、脂肪酸メタノールエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられ、コンクリート製品表面の気泡痕削減効果の観点から、脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。
(I)成分は、例えば、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミドのうち脂肪酸部の炭素数が10以上18以下の化合物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、及びラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを1種以上併用してもよい。(I)成分は、コンクリート製品表面の気泡痕削減効果の観点から、好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、及びヤシ脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはオレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはパーム核脂肪酸ジエタノールアミドである。
(I)成分は、高級脂肪酸とアルカノールアミンを反応させることにより得られるが、脂肪酸アルカノールアミド以外の副産物が同時に生成される。副産物としては、脂肪酸アルカノールアミドと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸モノエステル、脂肪酸アルカノールアミド脂肪酸ジエステル、並びにアルカノールアミンと脂肪酸が脱水縮合した脂肪酸アルカノールアミンモノエステル、脂肪酸アルカノールアミンジエステル等が挙げられる。(I)成分には、本発明の効果を損なわない限り、前記の副産物を微量に含んでも良い。(I)成分中の前記副産物の含有量は、(I)成分100質量部中、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
(II)成分のポリカルボン酸系分散剤としては、コンクリート製品表面の気泡痕削減効果の観点から、下記一般式(II-1)で示される単量体(II-1)を構成単量体として含む共重合体が好ましい。
ポリカルボン酸系分散剤としては、下記一般式(II-1)で示される単量体(II-1)と下記一般式(II-2)で示される単量体(II-2)とを構成単量体として含む共重合体がより好ましい。
Figure 0007120770000004
〔式中、
21、R22:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
23:水素原子又は-COO(AO)n1
:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
q:0以上2以下の数
p:0又は1の数
を示す。〕
Figure 0007120770000005
〔式中、
24、R25、R26:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(II-1)中、R21は、流動保持性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(II-1)中、R22は、流動保持性の観点から、メチル基が好ましい。
一般式(II-1)中、R23は、流動保持性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(II-1)中、Xは、流動保持性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(II-1)中、AOは、流動保持性の観点から、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(II-1)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、流動保持性の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上、より更に好ましくは20以上、そして、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは130以下である。
一般式(II-1)中、流動保持性の観点から、pは、1が好ましい。
一般式(II-2)中、流動保持性の観点から、R24は、水素原子が好ましい。
一般式(II-2)中、流動保持性の観点から、R25は、メチル基が好ましい。
一般式(II-2)中、流動保持性の観点から、R26は、水素原子が好ましい。
(CHCOOMについては、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
とMは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基である。
、Mのアルキル基、ヒドロアルキル基、及びアルケニル基は、それぞれ、炭素数1以上4以下が好ましい。
とMは、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、又はアルキルアンモニウム基が好ましく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)が更に好ましく、水素原子、又はアルカリ金属がより更に好ましい。
流動保持性の観点から、一般式(II-2)中の(CHCOOMのrは、1が好ましい。
単量体(II-1)を構成単量体として含む共重合体は、流動保持性の観点から、構成単量体中の単量体(II-1)の合計量が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
単量体(II-1)と単量体(II-2)とを構成単量体として含む共重合体は、流動保持性の観点から、構成単量体中の単量体(II-1)と単量体(II-2)の合計量が、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(II-1)と単量体(II-2)とを構成単量体として含む共重合体は、単量体(II-1)と単量体(II-2)の合計中の単量体(II-2)の割合が、水硬性組成物の流動保持性の観点から、好ましくは40モル%以上、そして、好ましくは99モル%以下、より好ましくは97モル%以下、更に好ましくは95モル%以下である。
ポリカルボン酸系分散剤、更に単量体(II-1)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(II-1)と単量体(II-2)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量は、水硬性組成物の流動保持性の観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは40,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは100,000未満、更に好ましくは80,000以下である。
ポリカルボン酸系分散剤、更に単量体(II-1)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(II-1)と単量体(II-2)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれ、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC-8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
ポリカルボン酸系分散剤は、AOの平均付加モル数や単量体(II-1)、単量体(II-2)の割合などが異なる分散剤を2種以上用いることもできる。
(III)成分は、(I)成分と(II)成分とを一液化して用いる場合により好ましい成分である。
一般式(III-1)中、R31が芳香環を含まない炭化水素基である場合、R31は、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と水硬性組成物の表面美観を向上させる観点から、炭素数4以上、そして、15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。またR31が芳香環を含む炭化水素基である場合、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と表面美観を向上させる観点から、R31の炭素数は、6以上、そして、15以下、好ましくは12以下、より好ましくは7以下であり、また6であってもよい。
一般式(III-1)中、nは、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と水硬性組成物の表面美観を向上させる観点から、1以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下の数である。
一般式(III-1)中、m’は、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と水硬性組成物の表面美観を向上させる観点から、0以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1以下の数であり、また0であってもよい。
一般式(III-2)中、R32は、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と水硬性組成物の表面美観を向上させる観点から、炭素数6以上、そして、12以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基である。
一般式(III-2)中、R33とR34は、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点と水硬性組成物の表面美観を向上させる観点から、それぞれ独立に、炭素数1以上、そして、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基である。R33とR34はともにメチル基であることがより好ましい。
(III)成分は、具体的には、フェノキシエタノール、フェニルジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、及びアルキル基の炭素数が8以上10以下のアルキルジメチルアミンから選ばれる1種以上の溶剤が挙げられ、(I)成分と(II)成分とを一液化する観点から、フェノキシエタノール、フェニルジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、オクチルジメチルアミン、及びデシルジメチルアミンから選ばれる1種以上の溶剤が好ましく、フェノキシエタノール、フェニルジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、オクチルジメチルアミン、及びデシルジメチルアミンから選ばれる1種以上の溶剤がより好ましく、フェノキシエタノールが更に好ましい。
水硬性組成物(A)は、水硬性粉体100質量部に対して、(I)成分を、水硬性組成物硬化体の表面美観改善効果の観点から、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.025質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.07質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下含有する。
水硬性組成物(A)は、水硬性粉体100質量部に対して、(II)成分を、水硬性組成物の流動性を確保する観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.07質量部以上、更に好ましくは0.09質量部以上、そして、水硬性組成物の材料分離抵抗性の観点から、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.9質量部以下、更に好ましくは0.8質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下含有する。
水硬性組成物(A)は、(I)成分と(II)成分とを一液化させたものを水硬性組成物に含有させる観点から、水硬性粉体100質量部に対して、(III)成分を、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.08質量部以下を含有する。
水硬性組成物(A)は、(IV)成分として、炭化水素基の炭素数が12以上22以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0以上25以下である、硫酸エステル又はその塩を含有することができる。
(IV)成分の炭化水素基は、好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖のアルケニル基である。
炭化水素基の炭素数は、表面美観改善効果の観点から、12以上、好ましくは14以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、22以下、好ましくは20以下である。
(IV)成分の炭化水素基は、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、オレイル基、ステアリル基及びドコシル基から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはミリスチル基、パルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1以上であり、より好ましくはパルミチル基、オレイル基及びステアリル基から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはオレイル基、ステアリル基、より更に好ましくはステアリル基である。
(IV)成分のアルキレンオキサイドは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドはエチレンオキサイドが好ましい。(IV)成分は、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを含むことが好ましい。
(IV)成分の硫酸エステルの塩として、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、モルホリニウム塩等から選ばれる有機アンモニウム塩が好適である。
(IV)成分としては、具体的には、アルキルサルフェート、アルケニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェート、アルキルフェニルサルフェート、アルケニルフェニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテルサルフェートが挙げられ、材料分離抵抗性を付与する観点から、アルケニルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルサルフェートから選ばれる1種以上がより好ましい。
(IV)成分を含有する場合、水硬性組成物(A)は、水硬性粉体100質量部に対して、(IV)成分を、分散剤との一液化の観点から、好ましくは0.0005質量部以上、より好ましくは0.002質量部以上、更に好ましくは0.003質量部以上、そして、好ましくは0.01質量部以下、より好ましくは0.005質量部以下含有する。
<型枠離型剤の製造方法>
本発明の型枠離型剤の製造方法は、前記型枠離型剤を製造する方法である。即ち、本発明の型枠離型剤の製造方法は、(a)成分、並びに任意成分である(b)成分及び(c)成分を混合して、型枠離型剤を製造する方法である。
本発明の型枠離型剤の製造方法は、本発明の型枠離型剤で述べた事項を、適宜適用することができる。
<水硬性組成物の硬化体の製造方法>
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、次の工程1~工程4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法である。
工程1:水と水硬性粉体とを混練して水硬性組成物を得る工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を、本発明の上記型枠離型剤を塗布した型枠に充填する工程。
工程3:工程2で得られた型枠に充填された水硬性組成物を硬化させる工程。
工程4:工程3で得られた硬化体を型枠から脱型する工程。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法には、本発明の型枠離型剤、及び型枠離型剤の製造方法で述べた事項を、適宜適用することができる。
工程1は、(I)成分と、(II)成分と、(III)成分と、水硬性粉体と、水とを混合して水硬性組成物(A)を調製する工程であってよい。この場合、任意に(IV)成分を混合できる。また、工程1では、前記した水硬性組成物(A)における各成分の含有量を混合量に読み替えて適用できる。
工程2において、本発明の型枠剥離剤は、刷毛やモップによる塗布の他に、スプレーによる噴霧により型枠に塗布しても良い。これらの剥離剤は、潤滑油としても使用することが出来る。
また本発明の型枠剥離剤の型枠への塗布量は、離型性および表面美観の観点から、好ましくは0.5g/m以上、より好ましくは1g/m以上、更に好ましくは1.5g/m以上、そして、好ましくは40g/m以下、より好ましくは38g/m以下、更に好ましく36g/m以下である。
また型枠への充填方法としては、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
工程3では、工程2で得られた型枠に充填された水硬性組成物を硬化させる。
工程3では、例えば、養生条件として水硬性組成物が養生温度50℃以上に保持される時間を好ましくは1時間以上、そして、好ましくは24時間以下、より好ましくは20時間以下とする。なお、型枠に充填された水硬性組成物を50℃以上に保持して養生を行う場合、オートクレーブ養生、蒸気等の加熱養生により行うことができる。
また工程3では、蒸気養生をせずに、水硬性組成物を硬化させてもよい。蒸気養生をしないでモルタル又はコンクリート製品を製造する場合の水硬性組成物の調製でセメントに水を接触させてから脱型するまでの時間は、生産性および強度の観点から、4時間以上48時間以下が好ましい。この場合、温度は0℃以上、更に5℃以上が好ましく、そして、45℃以下、更に40℃以下が好ましい。この温度範囲での加熱及び/又は冷却は適宜行うことができる。
工程4では、工程3で得られた硬化体を型枠から脱型する。工程3と工程4は一連の温度制御のもとに連続して行うことができる。硬化体の脱型は、公知の方法に準ずることができる。
本発明では、水硬性組成物の調製を開始してから脱型するまでの時間、すなわち、セメントに水を接触させてから脱型を開始するまでの時間は、生産性および強度の観点から、4時間以上、更に5時間以上が好ましく、そして、48時間以下、更に40時間以下が好ましい。
〔実施例1〕
[型枠離型剤の調製]
下記配合成分を用いて、表1に示す型枠離型剤を調製し、下記の低温安定性の評価を行った。結果を表1に示す。表1の型枠離型剤は、常法により調製した。即ち、ビーカーに(a)成分~(c)成分を投入し、水浴(60℃)で加温してから、マグネチックスターラーで30分間撹拌し、20℃まで放冷することで型枠離型剤を調製した。なお、表1の各成分の含有量は、有効分に基づく質量%である。
(a)成分
・(a-1):オレイン酸ジエタノールアミド42質量%、リノール酸ジエタノールアミド33質量%、パルミチン酸ジエタノールアミド23質量%、ステアリン酸ジエタノールアミド2質量%の混合物(川研ファインケミカル(株)製)
・(a-2):ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル(株)製、オレイン酸ジエタノールアミドの含有量8質量%)
・(a-3):ラウリン酸ジエタノールアミドとミリスチン酸ジエタノールアミドとの混合物(川研ファインケミカル(株)製)
・(a-4):オレイン酸ジエタノールアミド(和光純薬工業(株)製)
・(a-5):ラウリン酸ジエタノールアミド(和光純薬工業(株)製)
・(a-6):パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(花王(株)製、オレイン酸ジエタノールアミドの含有量15質量%)
(b)成分
・(b-1):スピン油(コスモピュアスピンESP、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度4.8mm/s
・(b-2):マシン油(コスモピュアセイフティー10、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度10mm/s
・(b-3):マシン油(コスモピュアセイフティー22、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度22mm/s
・(b-4):マシン油(コスモピュアセイフティー32、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度32mm/s
・(b-5):マシン油(コスモピュアセイフティー46、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度48mm/s
・(b-6):マシン油(コスモピュアセイフティー68、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度68mm/s
(b)成分の動粘度は、JIS K 2283に記載の方法で測定した。
(c)成分
・(c-1):ソルビタンモノラウレート(花王(株)製)、HLB8.6
・(c-2):ソルビタンモノオレエート(花王(株)製)、HLB4.3
・(c-3):オレイン酸(花王(株)製)
・(c-4):オレイルアルコール(東京化成工業(株)製)
<低温安定性の評価>
表1に示す型枠離型剤100gをマルエム スクリュー管ビンNo.8に移した後、密封し、0℃の温度に誤差範囲を±1℃に設定した恒温室に静置した。そして、静置後1週間、1ヵ月、3ヵ月間保存したサンプルビンにものさしを当て、全サンプル中の高さに対して、析出物が占める高さの割合(%)で評価した。評価の基準は下記の通りである。その結果を表1に示す。
◎:サンプルに析出物が見られない。
○:サンプルに析出物が1%未満見られる。
△:サンプルに析出物が1%以上10%未満見られる。
低温安定性の評価基準において、△は離型剤として使えるレベルであり、◎や○であるとより好ましい。
Figure 0007120770000006
〔実施例2及び比較例2〕
[モルタルの調製と離型評価]
モルタル配合を表2に示した。モルタルは、セメントと砂を混合したものに、水、分散剤、消泡剤を混合した水溶液を加えて、JIS R 5201に規定されるモルタルミキサーを使用してモルタルを60rpmで60秒混練した後に120rpmで60秒混錬して調製した。分散剤の添加量は、JISR 5201に記載のフローコーン(上径70mm×下径100mm×高さ60mm)を使用してモルタルフローが200±10mmとなるように分散剤の添加量を調整した。また消泡剤の添加量は、ステンレス製の容器(内径7.5cm、内高8.0cm、重さ1.0kg)にモルタルを充填し、巻き込み空気を抜いて重量法により測定した空気量が2.0%±1.0%となるように消泡剤の添加量を調整した。
Figure 0007120770000007
モルタルの調製に使用した成分は以下の通りである。
・セメント:太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント(株)製普通ポルトランドセメントの1:1混合物、比重3.16
・砂:京都府城陽産 表乾比重2.50g/cm
・水:水道水(表2中、水の含有量は、分散剤と消泡剤の添加量を含む)
・分散剤:花王(株)製、マイテイ21 LV-S
・消泡剤:花王(株)製、消泡剤No.21
調製したモルタルを、表1に記載の型枠離型剤、又は下記に示す比較離型剤を4g/mの量でそれぞれ塗布した円柱鋼製型枠(高さ10cm、内径4cm)に30秒間、テーブルバイブレータ(株式会社関西機器製作所製)を用いて2500vpmの振動下で充填し、硬化させ、24時間、20℃での気中養生の後に脱型した。このモルタルの型枠への充填及び脱型は、各離型剤ごとに2個ずつ実施した。
・比較離型剤1:マシン油、C20-35の水添油、及び流動パラフィンを混合した鉱物油(コスモピュアセイフティー46、コスモ石油ルブリカンツ(株)製)、動粘度46mm/s
・比較離型剤2:パラット(山宗化学(株)製)
・比較離型剤3:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル(エマルゲン102KG、花王(株)製)5.0質量%と(b-5)95.0質量%の混合物
・比較離型剤4:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(エマルゲン109P:花王(株)製)5.0質量%と(b-5)95.0質量%の混合物
<表面美観の評価>
モルタル硬化体表面を、デジタルカメラで撮影縮尺を記録した上で撮影し、撮影した画像を、画像処理オープンソースソフトウェアのImageJを用いて画像解析を行った。撮影した画像の表面気泡径を、撮影縮尺を参考に実寸に換算し、表面積5000mm当たりの硬化体表面粗大気泡数(直径1mm以上の表面気泡の数)および、硬化体表面気泡総表面積を算出し、表面美観の指標として表3に示した。表3中の値は、2つのモルタル硬化体ごとに各表面を撮影して、測定した値を平均したものである。硬化体表面粗大気泡数、及び硬化体表面気泡総表面積の各値が小さいほど表面美観に優れていると言えるため好ましい。
<離型性の評価>
モルタル硬化体の脱型後、鋼製型枠表面を、デジタルカメラで撮影縮尺を記録した上で撮影し、撮影した画像を、画像処理オープンソースソフトウェアのImageJを用いて画像解析を行った。撮影した画像のはがれ残り部分を、撮影縮尺を参考に実寸に換算し、表面積5000mm当たりのはがれ残り面積をもとにはがれ残りの割合を算出した。2つのモルタル硬化体ごとにはがれ残りを確認し、各はがれ残りの割合を平均した値をもとに、下記評価基準で判断した。結果を表3に示す。
◎:はがれ残りが鋼製型枠の全面積に対して0.1%未満
○:はがれ残りが鋼製型枠の全面積に対して0.1%以上1%未満
△:はがれ残りが鋼製型枠の全面積に対して1%以上
Figure 0007120770000008
表3中、比較例2-3は、本発明の(a)成分である(a-1)を、離型剤として用いず、上記モルタル調製時に添加(セメント100質量部に対して(a-1)を0.013質量部)し調製したモルタルで、上記評価を行った。
(考察)
本発明の(a)成分を、離型剤として用いず、モルタルに配合した比較例2-3は、表面美観の結果が悪く、離型性と表面美観の向上を両立できないことが分かる。
〔実施例3及び比較例3並びに実施例4及び比較例4〕
[コンクリートの調製と離型評価]
・コンクリート1、2の調製
コンクリート配合1を表4に示した。コンクリート1、2は、コンクリート配合1の分量で、強制2軸型ミキサー(株式会社IHI製)に、砂利、約半量の砂、セメント、残部の砂の順に投入し、空練りを15秒間行い、次いで、下記の分散剤及び消泡剤を含む練り混ぜ水を添加し、120秒間練り混ぜた。得られたコンクリートについて、JISA 1101に基づいてコンクリート流動性を測定し、分散剤1を、コンクリートのスランプ値が8±1cmとなるように添加したものをコンクリート1、コンクリートのスランプ値が21±1cmとなるように添加したものをコンクリート2とした。また、得られたコンクリート1、2の空気量をJISA 1128に基づいて測定し、これが1.5±1.5%となることを確認した。
Figure 0007120770000009
・コンクリート3~5の調製
コンクリート配合2を表4に示した。コンクリート3~5は、コンクリート配合2の分量で、強制2軸型ミキサー(株式会社IHI製)に、砂利、約半量の砂、セメント、フライアッシュ、残部の砂の順に投入し、空練りを15秒間行い、次いで、下記の分散剤及び消泡剤を含む練り混ぜ水を添加し、120秒間練り混ぜた。得られたコンクリートについて、JISA 1150に基づいてコンクリート流動性を測定し、分散剤2を、コンクリートのスランプフローが600±10mmとなるように添加したものをコンクリート3、コンクリートのスランプフローが650±10mmとなるように添加したものをコンクリート4、コンクリートのスランプフローが700±10mmとなるように添加したものをコンクリート5とした。また、得られたコンクリート3~5の空気量をJISA 1128に基づいて測定し、これが1.5±1.5%となることを確認した。
Figure 0007120770000010
コンクリートの調製に使用した成分は以下の通りである。
・セメント:太平洋セメント(株)製、普通ポルトランドセメント、比重3.16
・フライアッシュ:中部電力(株)製、II種フライアッシュ
・砂:兵庫県西島産砕砂 密度2.58g/cm
・砂利:兵庫県西島産砕石 密度2.63g/cm
・水:水道水(表4、5中、水の含有量は、分散剤と消泡剤の添加量を含む)
・分散剤1:花王(株)製、マイテイ21 LV-S
・分散剤2:花王(株)製、マイテイ21HF
・消泡剤:花王(株)製、消泡剤No.21
調製したコンクリートを、表1に記載の型枠離型剤、又は前記の比較離型剤を5g/mの量でそれぞれ塗布した直方体の鋼製型枠(高さ50cm、幅20cm、奥行き10cm)に、表6、7に記載の条件で充填した。充填後、硬化させ、表6、7に記載の条件で養生した後に脱型した。このコンクリートの型枠への充填及び脱型は、各離型剤ごとに2個ずつ実施した。
このコンクリート硬化体について、実施例2及び比較例2のモルタル硬化体と同様に、コンクリート硬化体表面の画像解析を行い、撮影した画像の表面気泡径を、撮影縮尺を参考に実寸に換算し、表面積1000cm当たりの硬化体表面粗大気泡数(直径5mm以上の表面気泡の数)および、硬化体表面気泡総表面積を算出し、表面美観の指標として表6、7に示した。表6,7中の値は、2つのモルタル硬化体ごとに各表面を撮影して、測定した値を平均したものである。
また離型性の評価については、鋼製型枠表面を、デジタルカメラで撮影縮尺を記録した上で撮影し、撮影した画像を、画像処理オープンソースソフトウェアのImageJを用いて画像解析を行い、撮影した画像のはがれ残り部分を、撮影縮尺を参考に実寸に換算し、表面積1000cm当たりのはがれ残り面積をもとにはがれ残りの割合を算出した。2つのモルタル硬化体ごとにはがれ残りを確認し、各はがれ残りの割合を平均した値をもとに、実施例2及び比較例2のモルタル硬化体の離型性評価基準と同じ基準で判断した。結果を表6、7に示す。
Figure 0007120770000011
Figure 0007120770000012
表6、7中、充填条件において、「加振」は、コンクリートを型枠に2500vpmの振動下、表記載の時間で充填したことを意味する。また「無加振」は、コンクリートを型枠に無振動で充填したことを意味する。
また養生条件において、「気中養生」は、コンクリートを型枠に充填後、24時間、20℃で気中養生をしたことを意味する。また「蒸気養生」は、コンクリートを型枠に充填後、20℃での前置き養生1時間、60℃での蒸気養生6時間、後置き養生1時間の計8時間の蒸気養生をしたことを意味する。
〔実施例5及び比較例5〕
コンクリート配合は以下の通りであった。
セメント:12.0kg(太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメント、比重3.16)
炭酸カルシウム微粉末:3.6kg(ネオフロー、清水工業株式会社製、比重2.7)
練り混ぜ水:5.25kg(セメント混和剤を含む)
砂:22.4kg 兵庫県西島産砕砂 密度2.58g/cm
砂利:26.9kg 兵庫県西島産砕石 密度2.63g/cm
セメント混和剤として、下記(i)を1.4質量%、(ii)を21.6質量%、(iii)を5.0質量%、(iv)を0.9質量%含有し、残部が水であるセメント混和剤を用いた。
(i):脂肪酸ジエタノールアミド(脂肪酸部分の炭素数が10~16のアルキル基である化合物)、アミノーンPK-02S、花王(株)製
(ii):ポリカルボン酸系分散剤、マイテイ21VS、花王(株)製
(iii):フェノキシエタノール、ダウケミカル社製
(iv):アルキル硫酸エステル塩(炭素数18のアルキル基であり、エチレンオキシ基の平均付加モル数が23モルであるアルキル硫酸エステルアンモニウム塩)、花王(株)製
前記コンクリート配合で、強制2軸型ミキサー(KYC社製)に、砂利、約半量の砂、セメントと炭酸カルシウム微粉末の混合物、残部の砂の順に投入し、空練りを15秒間行った。次いで、すばやく前記の練り混ぜ水を添加し、120秒間練り混ぜた。得られたコンクリートについて、流動性の指標として、JISA 1101、JIS A 1150に基づいてスランプフローを測定した。セメント混和剤は、このスランプフローとなる量で前記の練り混ぜ水を添加した。結果を表8に示した。また、得られたコンクリートの空気量をJISA 1128に基づいて測定し、これが1.5±1.5%であったことを確認した。
表1記載の型枠離型剤又は前記比較離型剤2(パラット(山宗化学(株)製))を、はけにより鋼製型枠(高さ50cm、幅20cm、奥行き10cmの直方体の鋼製型枠)に均一となるように塗布し、そこに前記で調製したコンクリートを無振動で充填し、24時間、20℃での気中養生の後脱型し、コンクリート硬化体を得た。
コンクリート硬化体の表面をデジタルカメラで撮影し、撮影した画像から、画像処理ソフトImageJを用いて、表面気泡占有率(%)を算出し、表面美観の指標とした。表面気泡占有率は、表面気泡総表面積(cm)×100/コンクリート硬化体表面積(cm)で求めた。結果を表8に示した。
Figure 0007120770000013

Claims (6)

  1. (a)成分として、下記一般式(1)で表される化合物、及び(b)成分として、動粘度3mm /s以上80mm /s以下の油性成分を含む、水硬性組成物用型枠離型剤であって、
    水硬性組成物用型枠離型剤中、(a)成分を1質量%以上30質量%以下、(b)成分を40質量%以上98質量%以下含有し、
    水硬性組成物を充填する型枠に塗布して用いられる、
    水硬性組成物用型枠離型剤。
    Figure 0007120770000014

    [式中、Rは、炭素数7以上21以下の炭化水素基を示し、Aは炭素数2以上4以下のアルキレン基を示す。mは1を示す。]
  2. 更に(c)成分として、HLBが10以下のノニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)、炭素数が8以上22以下の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を有するアルコール及び炭素数が7以上21以下の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を有する脂肪酸から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の型枠離型剤。
  3. 型枠離型剤中、(c)成分を1質量%以上30質量%以下含有する、請求項に記載の型枠離型剤。
  4. 型枠離型剤中、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比(a)/(c)が、0.25以上4以下である、請求項又はに記載の型枠離型剤。
  5. 次の工程1~工程4を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    工程1:水と水硬性粉体とを混練して水硬性組成物を得る工程。
    工程2:工程1で得られた水硬性組成物を、請求項1~の何れか1項に記載の型枠離型剤を塗布した型枠に充填する工程。
    工程3:工程2で得られた型枠に充填された水硬性組成物を硬化させる工程。
    工程4:工程3で得られた硬化体を型枠から脱型する工程。
  6. 工程1が、(I)脂肪酸部分の炭素数が10以上24以下である、脂肪酸アルカノールアミドと、(II)ポリカルボン酸系分散剤と、(III)下記一般式(III-1)及び下記一般式(III-2)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤と、水硬性粉体と、水とを混合して水硬性組成物を調製する工程である、請求項に記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    31-O-[(EO)・(PO)m’]-H (III-1)
    [式中、R31は炭素数4以上15以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基、nはEOの平均付加モル数で1以上5以下の数、m’はPOの平均付加モル数で0以上5以下の数であり、EOとPOはブロック又はランダムに結合してもよい。〕
    Figure 0007120770000015

    [式中、R32は炭素数6以上12以下の炭化水素基、R33とR34はそれぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基である。]
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