JP7120116B2 - 触覚デバイス検査システム、装置、および方法 - Google Patents

触覚デバイス検査システム、装置、および方法 Download PDF

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Description

本発明は、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定するための触覚デバイス検査技術に関する。
従来、アクチュエータの非対称振動によって擬似力覚を人に知覚させる擬似力覚発生装置として、いわゆる触覚デバイスが提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この種の触覚デバイスは、人の錯覚を利用したデバイスであり、牽引錯覚として、物理的には引っ張っていないにもかかわらず、特定の方向にあたかも手を引かれているような、牽引錯覚を作り出すことができる。
再表2017-115729号公報
触覚デバイスは、複数のアクチュエータを含む電子機器であり、製品として大量生産して出荷する際、個々の製品の動作について良否を判定する出荷検査を行う必要がある。一般的な電子機器の出荷検査では、検査対象となる電子機器を動作させて各部の信号を検出し、得られた信号が示す客観的なデータに基づいて良否を判定することになる。
一方、触覚デバイスが動作して作り出す牽引錯覚は、人が感じる主観的なものである。したがって、検査対象となる触覚デバイスが作り出した牽引錯覚を、客観的なデータとして捉えて、その良否を判定することは難しい。このため、個々の触覚デバイスが作り出した牽引錯覚の良否を、人が評価する検査方法が考えられる。
しかしながら、このような検査方法は人の主観に依存した評価となるため、出荷される製品の品質を一定に保つことが難しいという問題点がある。また、各製品の検査に人の手を介さなければならいため、人が正しく判定するための時間がある程度必要となる。また、製品を大量生産して効率よく出荷する場合には、多くの人が必要となる。このため、人が評価する検査方法によれば、出荷検査に要する検査時間や人件費が増えるため、検査コスト全体が大幅に増大するという問題点がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、触覚デバイスの良否を客観的に判定できる触覚デバイス検査技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる触覚デバイス検査システムは、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する触覚デバイス検査システムであって、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルが発生した牽引錯覚に対する、被験者の主観的な評価を示す試験結果を取得する試験装置と、前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別装置と、前記サンプルが発生した牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データを計測する計測装置と、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算装置と、前記検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを計測する検査装置と、得られた前記検査対象特性データに基づいて前記検査対象ごとに当該検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定装置とを備えている。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記良否分別装置が、前記試験結果に含まれる前記主観的な評価に基づいて前記サンプルごとに当該サンプルに関する正当率を計算し、得られた正当率の分布に基づいて特定したしきい値と前記正当率との比較結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記主観的な評価が、二肢強制選択法に基づく評価からなるものである。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記特徴量計算装置が、前記サンプルのうち前記良否分別結果で良品と分別された良品サンプルに関する前記サンプル特性データを統計処理することにより、これら良品サンプルを代表する基準データを計算し、前記サンプルごとに、当該サンプルのサンプル特性データと前記基準データとの一致度を当該サンプルに関するサンプル特徴量として計算し、前記良品サンプルに関する前記サンプル特徴量と前記良否分別結果で不良品と分別された不良品サンプルに関する前記サンプル特徴量とに基づいて、前記基準特徴量を計算するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データが、前記触覚デバイスの速度、加速度、位置、または力に関するデータもしくはこれら任意の組み合わせからなるものである。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データが、前記振動強度の速度、加速度、位置、または力に関する時間応答を示すデータもしくはこれら任意の組み合わせからなるものである。
また、本発明にかかる上記触覚デバイス検査システムの一構成例は、前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データが、前記振動強度の速度、加速度、位置、または力に関する周波数応答を示すデータもしくはこれら任意の組み合わせからなるものである。
また、本発明にかかる触覚デバイス検査装置は、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する演算処理回路を備える触覚デバイス検査装置であって、前記演算処理回路は、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルから、当該サンプルが発生した牽引錯覚に対する被験者の主観的な評価を示す試験結果と、前記牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データとを取得し、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象から、当該検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを取得するデータ取得部と、前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別部と、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、前記検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算部と、前記検査対象から取得した前記検査対象特性データに基づいて、前記検査対象ごとに前記検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定処理部とを備えている。
また、本発明にかかる触覚デバイス検査方法は、計算機システムが、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する際に用いられる触覚デバイス検査方法であって、前記計算機システムが、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルが発生した牽引錯覚に対する、被験者の主観的な評価を示す試験結果を取得する試験ステップと、前記計算機システムが、前記試験結果に基づいて、前記サンプルごとに当該サンプルの良否を分別する良否分別ステップと、前記計算機システムが、前記サンプルが発生した牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データを計測する計測ステップと、前記計算機システムが、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算ステップと、前記計算機システムが、前記検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを計測する検査ステップと、前記計算機システムが、得られた前記検査対象特性データに基づいて前記検査対象ごとに当該検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定ステップとを備えている。
また、本発明にかかる他の触覚デバイス検査方法は、演算処理回路が、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する際に用いられる触覚デバイス検査方法であって、前記演算処理回路が、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルから、当該サンプルが発生した牽引錯覚に対する被験者の主観的な評価を示す試験結果と、前記牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データとを取得し、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象から、当該検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを取得するデータ取得ステップと、前記演算処理回路が、前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別ステップと、前記演算処理回路が、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、前記検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算ステップと、前記演算処理回路が、前記検査対象から取得した前記検査対象特性データに基づいて、前記検査対象ごとに前記検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定処理ステップとを備えている。
本発明によれば、予め基準特徴量を計算しておけば、これに基づいて出荷される製品、すなわち触覚デバイスの検査対象を、人の主観に依存した評価を必要とせず客観的に良否判定することが可能となり、出荷される製品の品質を一定に保つことが可能となる。また、基準特徴量を計算するためには被験者の主観に依存した評価が必要となるものの、これは予め用意した触覚デバイスのサンプルのみを対象とするものである。このため、出荷される製品の検査対象特性データを計測し、検査対象特徴量を計算して基準特徴量と比較するだけでよく、出荷検査を自動化できるとともに、検査効率を大幅に向上させることが可能となる。
図1は、第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システムの構成を示すブロック図である。 図2は、評価試験例を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施の形態にかかる基準特徴量計算動作を示すシーケンス図である。 図4は、第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査動作を示すシーケンス図である。 図5は、試験結果を示す説明図である。 図6は、各サンプルに関する正当率の分布を示すグラフである。 図7は、各サンプルの良品・不良品に関する正当率のばらつきを示すグラフである。 図8は、良否分別結果を示す説明図である。 図9は、触覚デバイスの振動強度に対する正当率の変化特性を示すグラフである。 図10は、加速度振幅の時間応答を示すグラフである。 図11は、加速度振幅の周波数応答を示すグラフである。 図12は、位置の時間応答を示すグラフである。 図13は、位置の時間応答に関する標準偏差を示すグラフである。 図14は、特徴量の分布を示すグラフである。 図15は、検査対象の良否判定を示すグラフである。 図16は、第2の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システムの構成を示すブロック図である。 図17は、第2の実施の形態にかかる基準特徴量計算動作を示すシーケンス図である。 図18は、第2の実施の形態にかかる触覚デバイス検査動作を示すシーケンス図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[触覚デバイス検査システム]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す触覚デバイス検査システム1は、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスBの動作に関する良否を判定するシステムである。この触覚デバイス検査システム1は、例えば、触覚デバイスBを製品として大量生産して出荷する際の出荷検査に用いられる。
図1に示すように、触覚デバイス検査システム1は、主な装置として、試験装置10A、良否分別装置10B、計測装置20A、特徴量計算装置20B、検査装置30A、および判定装置30Bを備えている。
これら装置のうち、試験装置10A、良否分別装置10B、計測装置20A、および特徴量計算装置20Bは、触覚デバイスBの良否判定に先立って、例えば実験室で、触覚デバイスBの良否判定に用いる基準特徴量を計算するために用いられる。また、検査装置30Aおよび判定装置30Bは、基準特徴量を計算した後、実際の出荷検査場において、基準特徴量に基づく触覚デバイスBの良否判定に用いられる。
これら6つの装置のそれぞれについては、論理ICや回路部品で構成してもよく、C基準特徴量Uとプログラムを協働させてなる演算処理回路で構成してもよい。さらには、通信回線を介して接続された、サーバ装置やPCなどの情報処理装置からなる計算機システムで構成してもよい。
また、本実施の形態では、これら6つの装置がそれぞれ独立した装置から構成されている場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、これら装置の使用タイミングや使用場所に応じて、これら装置のうちから選択した2つ以上またはすべての装置を1つの装置として構成してもよい。
触覚デバイスBは、振動により牽引錯覚を発生させるデバイスであり、複数のアクチュエータを非対称振動するよう駆動することにより、牽引錯覚として、物理的には引っ張っていないにもかかわらず、特定の方向にあたかも手を引かれているような、牽引錯覚を作り出す機能を有している。触覚デバイスBの具体例としては、前述した特許文献1の擬似力覚発生装置などがあるが、これに限定されるものではなく、他の触覚デバイスであっても、本発明により同様にして検査することができる。
本実施の形態では、触覚デバイスBのうち、良否判定に用いる基準特徴量を計算するために予め用意した触覚デバイスBをサンプルBSという。また、実際の検査の対象となる触覚デバイスBを検査対象BXという。
[試験装置]
次に、図1を参照して、本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の試験装置10Aの構成について詳細に説明する。試験装置10Aは、予め用意した触覚デバイスBのサンプルBSを動作させて牽引錯覚を発生させ、当該サンプルBSから被験者Yが感じた牽引錯覚に対する主観的な評価を示す試験結果を取得する装置である。
試験装置10Aは、主な回路部として、駆動回路11、操作入力回路12、および試験制御回路13を備えている。
駆動回路11は、試験制御回路13からの指示に応じて、有線または無線で接続されたサンプルBSを動作させて牽引錯覚を発生させる機能を有している。
操作入力回路12は、サンプルBSで発生させた牽引錯覚を被験者Yが感じて行った、その牽引錯覚に対する主観的な評価を示す被験者Yの回答操作D0を検出する機能を有している。
試験制御回路13は、駆動回路11に対して牽引錯覚の発生を指示する機能と、操作入力回路12で検出された回答操作D0を集計して試験結果D1を生成する機能とを有している。
次に、試験装置10Aで行う評価試験方法について説明する。図2は、評価試験例を示すフローチャートである。ここでは、サンプルBSが牽引錯覚を発生させる触覚デバイスBからなる場合を例として説明する。
サンプルBSに対する被験者Yの評価試験は、各サンプルBSについて、被験者Yを変えて次のステップ101~103が繰り返し実行される(ステップ100)。
まず、試験装置10Aと複数のサンプルBSを準備して、複数の被験者のうちから被験者Yを選択し(ステップ101)、被験者Yに試験方法を説明する(ステップ102)。
次に、サンプルBSを変えて次のステップ104~105を繰り返し実行する(ステップ103)。
まず、選択したサンプルBSを被験者Yに渡すとともに、遮音用の耳あて(イヤーマフ:Earmuff)、および目隠し(ブラインドフォールド:Blindfold)を装着してもらう(ステップ104)。次に、サンプルBSで発生させる牽引錯覚の強度や方向を変えて次のステップ106~107を繰り返し実行する。
まず、被験者Yに事前情報を与えずにサンプルBSを駆動して、ランダムに選択した強度および方向の牽引錯覚を発生させ(ステップ106)、被験者Yが感じた牽引錯覚に対する主観的な評価を示す回答操作D0を入力してもらう(ステップ107)。この際、牽引錯覚は、左右方向や前後方向などの決められた2方向のうちのどちらの一方向に発生させるものとし、被験者Yは、どちらの方向に牽引されたと感じたかを回答する、いわゆる二肢強制選択法を用いるものとする。また、各方向とも同数だけ牽引錯覚を発生させる。
これにより、各サンプルBSについて、強度および方向ごとに被験者Yが感じた牽引錯覚に対する主観的な評価を示す回答が得られる。この回答を被験者ごとに取得すれば、すべて被験者YおよびサンプルBSに関する試験結果D1が得られることになる。
[良否分別装置]
次に、図1を参照して。本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の良否分別装置10Bの構成について詳細に説明する。良否分別装置10Bは、試験装置10Aで得られた試験結果D1に基づいて、サンプルBSごとに当該サンプルBSの動作の良否を分別する装置である。
良否分別装置10Bは、主な回路部として、正当率計算回路15および良否分別回路16を備えている。
正当率計算回路15は、サンプルBSごとに、試験装置10Aで得られた試験結果D1に含まれる、当該サンプルBSで発生させた牽引錯覚と、これに対する被験者Yの主観的な評価すなわち回答操作D0との一致・不一致に基づいて、当該サンプルBSの正当率D2を計算する機能を有している。
良否分別回路16は、正当率計算回路15で計算された各サンプルBSの正当率D2を統計処理して、良否判定用のしきい値を決定する機能と、得られたしきい値に基づいて各サンプルBSの正当率D2をしきい値処理することにより、各サンプルBSの良否を分別し、良否分別結果D3を生成する機能とを有している。
[計測装置]
次に、図1を参照して、本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の計測装置20Aの構成について詳細に説明する。計測装置20Aは、動作中のサンプルBSから当該動作を示す客観的なサンプル特性データD5を計測する装置である。
計測装置20Aは、主な回路部として、駆動回路21、計測回路22、および計測制御回路23を備えている。
駆動回路21は、計測制御回路23からの指示に応じて、接続されたサンプルBSを動作させて牽引錯覚を発生させる機能を有している。
計測回路22は、動作中のサンプルBSの当該動作、すなわち、駆動回路21により発生させた牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データD5を計測する機能を有している。
計測制御回路23は、駆動回路21に対して牽引錯覚の発生を指示する機能と、計測回路22で計測された計測結果D4を集計してサンプル特性データD5を生成する機能とを有している。
本実施の形態では、触覚デバイスBが、振動により牽引錯覚を発生させるデバイスである場合を例としており、触覚デバイスBの動作、すなわち発生させた牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データD5として、加速度センサにより加速度データを検出する場合を例として説明する。この加速度データの具体例としては、後述するように、触覚デバイスBで発生した振動の強度を示す振動強度や、加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答を示すデータが考えられる。なお、サンプル特性データD5として、触覚デバイスBの速度、加速度、位置、または力に関するデータもしくはこれら任意の組み合わせを用いてもよく、これらデータの時間応答または周波数応答を用いてもよい。
[特徴量計算装置]
次に、図1を参照して、本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の特徴量計算装置20Bの構成について詳細に説明する。特徴量計算装置20Bは、サンプルBSの良否を分別して得られた良否分別装置10Bからの良否分別結果D3と、計測装置20Aからのサンプル特性データD5とに基づいて、触覚デバイスBの検査対象BXに対する良否判定に用いる基準特徴量D7を計算する装置である。
特徴量計算装置20Bは、主な回路部として、基準データ計算回路25と特徴量計算回路26とを備えている。
基準データ計算回路25は、サンプルBSのうち良否分別結果D3で良品と分別された良品サンプルに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより基準となる基準データD6を計算する機能を有している。
特徴量計算回路26は、サンプルBSごとに、当該サンプルBSのサンプル特性データD5と基準データD6との一致度を当該サンプルBSに関するサンプル特徴量として計算する機能と、良品サンプルに関するサンプル特徴量と良否分別結果D3で不良品と分別された不良品サンプルに関するサンプル特徴量とに基づいて、基準特徴量D7を計算する機能とを有している。
[検査装置]
次に、図1を参照して、本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の検査装置30Aの構成について詳細に説明する。検査装置30Aは、動作中の検査対象BXから当該動作を示す客観的な検査対象特性データD9を計測する装置である。
検査装置30Aは、主な回路部として、駆動回路31、計測回路32、および検査制御回路33を備えている。
駆動回路31は、検査制御回路33からの指示に応じて、接続された検査対象BXを動作させて牽引錯覚を発生させる機能を有している。
計測回路32は、動作中の検査対象BXの当該動作、すなわち、駆動回路31により発生させた牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データD9を計測する機能を有している。
検査制御回路33は、駆動回路31に対して牽引錯覚の発生を指示する機能と、計測回路32で検出された検査結果D8を集計して検査対象特性データD9を生成する機能とを有している。
本実施の形態では、触覚デバイスBが、振動により牽引錯覚を発生させるデバイスである場合を例としており、触覚デバイスBの動作、すなわち発生させた牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データD9として、加速度センサにより加速度データを検出する場合を例として説明する。この加速度データの具体例としては、後述するように、触覚デバイスBで発生した振動の強度を示す振動強度や、振動強度の時間応答あるいは周波数応答を示すデータが考えられるが、サンプル特性データD5と同一のデータを用いる必要がある。なお、検査対象特性データD9として、触覚デバイスBの速度、加速度、位置、または力に関するデータもしくはこれら任意の組み合わせを用いてもよく、これらデータの時間応答または周波数応答を用いてもよい。
[判定装置]
次に、図1を参照して、本発実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の判定装置30Bの構成について詳細に説明する。判定装置30Bは、検査装置30Aで得られた検査対象特性データD9に基づいて、検査対象BXごとに当該検査対象BXが発生した牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と基準特徴量D7との比較結果に基づいて、検査対象BXごとの良否を判定する装置である。
判定装置30Bは、主な回路部として、判定処理回路35と表示回路36とを備えている。
判定処理回路35は、検査装置30Aで得られた検査対象特性データD9に基づいて、検査対象BXごとに当該検査対象BXが発生した牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量Qを計算する機能と、これら検査対象特徴量Qと基準特徴量D7との比較結果に基づいて、検査対象BXごとの良否を判定する機能とを有している。
表示回路36は、判定処理回路35で得られた検査対象BXごとの良否を示す判定結果D10を、LCDやLEDなどの表示装置で表示する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1の動作について説明する。図3は、第1の実施の形態にかかる基準特徴量計算動作を示すシーケンス図である。図4は、第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査動作を示すシーケンス図である。
ここでは、理解を容易とするため、サンプルBSに対する被験者Yの評価試験において、サンプルBSの左右2方向のうちのどちらの一方向に牽引錯覚を発生させるものとし、被験者Yは、どちらの方向に牽引されたと感じたかを回答する、いわゆる二肢強制選択法を用いるものとする。
まず、図3において、試験装置10Aは、予め用意した触覚デバイスBのサンプルBSに牽引錯覚の発生指示を通知し(ステップ110)、これに応じて当該サンプルBSで発生した牽引錯覚に対する、主観的な評価を示す被験者Yの回答操作D0を検出する(ステップ111)。試験装置10Aは、このような評価試験を、サンプルBSごとおよび被験者Yごとに繰り返し実行し、得られた回答操作D0を集計して試験結果D1を生成し(ステップ112)、良否分別装置10Bへ出力する(ステップ113)。
良否分別装置10Bは、試験装置10Aで得られた試験結果D1に含まれる、当該サンプルBSで発生させた牽引錯覚と、これに対する被験者Yの主観的な評価すなわち回答操作D0との一致・不一致に基づいて、当該サンプルBSの正当率D2を計算する(ステップ114)。
この後、良否分別装置10Bは、計算された各サンプルBSの正当率D2を統計処理して、良否判定用のしきい値を決定し、得られたしきい値に基づいて各サンプルBSの正当率D2をしきい値処理することにより、各サンプルBSの良否を分別して良否分別結果D3を生成し(ステップ115)、得られた良否分別結果D3を特徴量計算装置20Bへ出力する(ステップ116)。
図5は、試験結果を示す説明図である。図5に示す試験結果は、5つのサンプルBS1,BS2,BS3,BS4,BS5について、左右方向に牽引錯覚を発生させた場合の試験結果を示している。例えば、サンプルBS1は、右方向に牽引錯覚を10回発生させた場合、被験者Yの回答の正当数が5回であり、左方向に牽引錯覚を10回発生させた場合、被験者Yの回答の正当数が5回であり、正当数合計Mが10回であることを示している。したがって、試行回数Nが左右方向合わせて20回であることから、正当率基準特徴量はM/Nで求められ、サンプルBS1の正当率基準特徴量は50%となる。
一方、サンプルBS2は、右方向に牽引錯覚を10回発生させた場合、被験者Yの回答の正当数が9回であり、左方向に牽引錯覚を10回発生させた場合、被験者Yの回答の正当数が7回であり、正当数合計Mが18回であることを示している。したがって、試行回数Nが左右方向合わせて20回であることから、サンプルBS1の正当率基準特徴量は90%となる。
図6は、各サンプルに関する正当率の分布を示すグラフである。このようにして、すべてのサンプルBS1,BS2,BS3,BS4,BS5について正当率基準特徴量を求め、図6のようにグラフ化すると、これらサンプルBSの分布は、縦軸の正当率基準特徴量に沿って2つの群に分離する。ここで、正当率基準特徴量が50%に近いということは、サンプルBSで発生させた牽引錯覚が被験者Yによりほとんど判別できないという意味であり、不良品であることになる。一方、正当率基準特徴量が100%に近いということは、サンプルBSで発生させた牽引錯覚が被験者Yにより高い確率で判別できるという意味であり、良品であることになる。
図7は、各サンプルの良品・不良品に関する正当率のばらつきを示すグラフである。図8は、良否分別結果を示す説明図である。したがって、図7に示すように、2つの群に関する正当率のばらつきを考慮して、サンプルBS1の正当率と、サンプルBS2,BS3,BS4,BS5の正当率との間で、これら2つの群を分別するしきい値Thを決定すれば、当該しきい値Thに基づいて各サンプルBSの正当率D2をしきい値処理することにより、図8に示すような、各サンプルBSの良否分別結果D3を得ることができる。
図9は、触覚デバイスの振動強度に対する正当率の変化特性を示すグラフである。正当率については、被験者Yの評価試験で触覚デバイスBの振動強度Dを変化させた場合の正当率を用いてもよい。一般に、触覚デバイスBの振動強度Dが小さい場合、触覚デバイスBで発生させた牽引錯覚も小さくなるため、被験者Yが感じにくくなり、正当率基準特徴量は50%に近くなる。一方、触覚デバイスBの振動強度Dを大きくすれば、触覚デバイスBで発生させた牽引錯覚も大きくなるため、被験者Yが感じやすくなり、正当率基準特徴量は100%に近くなる。このような振動強度Dに対する正当率基準特徴量の変化特性は、触覚デバイスBのばらつきに起因して変動する。この際、横軸としては、触覚デバイスBの振動を示す電流、電圧、加速度、速度、位置に関する代表値を用いてもよい。
ここで、図9によれば、良品群の変化特性と不良品群の変化特性との離間距離Lが大きくなる振動強度DとしてDxが存在しており、離間距離Lの中点をしきい値Thとすることにより、良品群の変化特性と不良品群の変化特性とをより正確に分別することがわかる。したがって、サンプルBSに対する被験者Yの評価試験において、離間距離Lが最も大きくなる振動強度DxでサンプルBSを動作させ、得られた正当率基準特徴量をしきい値Thでしきい値処理することにより、より正確にサンプルBSの良否を判定できることになる。
次に、図3において、計測装置20Aは、サンプルBSに牽引錯覚の発生指示を通知し(ステップ120)、これに応じて当該サンプルBSで発生した牽引錯覚を示す特性信号S1を計測する(ステップ121)。
続いて、計測装置20Aは、特性信号S1から得られた計測結果D4に基づいて、例えば加速度データ、具体的には加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答など、客観的なサンプル特性データD5を生成し(ステップ122)、特徴量計算装置20Bへ出力する(ステップ123)。
この後、特徴量計算装置20Bは、サンプルBSのうち良否分別結果D3で良品と分別された良品サンプルに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより基準となる基準データD6を計算し(ステップ130)、判定装置30Bへ出力する(ステップ131)。
続いて、特徴量計算装置20Bは、サンプルBSごとに、当該サンプルBSのサンプル特性データD5と特徴量計算装置20Bで得られた基準データD6との一致度を当該サンプルBSに関するサンプル特徴量として計算し(ステップ132)、良品サンプルに関するサンプル特徴量と良否分別結果D3で不良品と分別された不良品サンプルに関するサンプル特徴量とに基づいて、基準特徴量D7を計算し(ステップ133)、判定装置30Bへ出力する(ステップ134)。
図10は、加速度振幅の時間応答を示すグラフである。図10において、良品サンプルに関する加速度振幅の時間応答を示す特性データWg(t)は、特性41に示すように、時間ゼロから一定時間だけ正の値を示した後、一定の負の値を示している。一方、不良品サンプルに関する加速度振幅の時間応答を示す特性データWd(t)は、特性42に示すように、時間ゼロから少し増加して負の値まで山なりに減衰して負のピークを示した後、一定の負の値を示している。このように、加速度振幅の時間応答は、良品サンプルと不良品サンプルとで大きく異なる。
このため、良品サンプルに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより、良品サンプル群の特性データWg(t)に関する、平均値や中央値などの代表値を、基準特性40すなわち基準データWs(t)として計算しておき、このWs(t)と各検査対象BXの特性データW(t)との一致度を示す特徴量Qを計算すれば、当該検査対象BXの良否を判定できる。特徴量Qの具体例としては、次の式(1)に示すような、Ws(t)とW(t)との残差平方和を用いればよい。
Figure 0007120116000001
図11は、加速度振幅の周波数応答を示すグラフである。図11において、良品サンプルに関する加速度振幅の周波数応答を示す特性データWg(f)は、特性44に示すように、周波数ゼロから一定時間だけ単調増加して1つ目のピークを迎え、その後一旦低下したあとに増加して2つ目のピークを迎え、その後単調減少している。一方、不良品サンプル関する加速度振幅の周波数応答を示す特性データWd(f)は、特性45に示すように、周波数ゼロから2つ目のピークの手前まで特性44とほぼ同様に変化するが、2つ目のピークがほとんどなく、そのあと単調減少している。このように、加速度振幅の周波数応答は、良品サンプルと不良品サンプルとで大きく異なる。
このため、良品サンプルに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより、良品サンプル群の特性データWg(f)に関する、平均値や中央値などの代表値を、基準特性43すなわち基準データWs(f)として計算しておき、このWs(f)と各検査対象BXの特性データW(f)との一致度を示す特徴量Qを計算すれば、当該検査対象BXの良否を判定できる。特徴量Qの具体例としては、次の式(2)に示すような、Ws(f)とW(f)との残差平方和を用いればよい。
Figure 0007120116000002
図12は、位置の時間応答を示すグラフである。図12において、良品サンプルに関する位置の時間応答を示す特性データWg(f)は、特性46に示すように振幅が大きく、不良品サンプル関する位置の時間応答を示す特性データWd(f)は、特性47に示すように、良品サンプルに比べて振幅が小さい。このため、位置の時間応答に関する統計値、例えば標準偏差や分散を求めることで、振幅に関する特徴量Qを抽出できる。
図13は、位置の時間応答に関する標準偏差を示すグラフである。良品サンプルに関する位置の時間応答Wg(f)の標準偏差Sgは、不良品サンプル関する位置の時間応答Wd(f)の標準偏差Sdに比較して大きくなる。このため、これら標準偏差Sgと標準偏差Sdを複数のサンプルで取得し、その間の値を基準特徴量Qsとして決定すればよい。
特徴量Qについては、残差平方和のほか歪度などの特徴量であってもよく、一致性、類似性、近似性、合致性を示す他の特徴量でもよい。また、特徴量Qの抽出に、機械学習を用いてもよい。
また、特徴量Qを用いて検査対象BXの良否を判定する際、特徴量Qをしきい値処理するための基準特徴量D7すなわちQsが必要となる。図14は、特徴量の分布を示すグラフである。サンプルBS1,BS2,BS3,BS4,BS5について特徴量Qを求め、図14のようにグラフ化すると、これらサンプルBSの分布は、縦軸の特徴量Qに沿って良品群と不良品群の2つに分離する。したがって、これら良品群と不良品群のばらつきを考慮して基準特徴量Qsを決定すればよい。
次に、図4において、検査装置30Aは、検査対象BXに牽引錯覚の発生指示を通知し(ステップ140)、これに応じて当該検査対象BXで発生した牽引錯覚を示す特性信号S2を計測する(ステップ141)。
続いて、検査装置30Aは、特性信号S2から得られた検査結果D8に基づいて、例えば加速度データ、具体的には加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答など、客観的な検査対象特性データD9を生成し(ステップ142)、判定装置30Bへ出力する(ステップ143)。
この後、判定装置30Bは、検査対象BXごとに、当該検査対象BXの検査対象特性データD9と、特徴量計算装置20Bで得られた基準データD6との一致度を当該検査対象BXに関する検査対象特徴量Qとして計算する(ステップ144)。
続いて、判定装置30Bは、検査対象BXごとに、当該検査対象BXの検査対象特徴量Qと、特徴量計算装置20Bで得られた基準特徴量D7すなわちQsとを比較し、得られた比較結果に基づいて、当該検査対象BXの動作の良否を判定し(ステップ145)、得られた判定結果D10を表示回路36で表示し(ステップ146)、一連の触覚デバイス検査動作を終了する。
図15は、検査対象の良否判定を示すグラフである。検査対象BX1,BX2,BX3,BX4,BX5について検査対象特徴量Qを求め、図15のようにグラフ化すると、これら検査対象BXの分布は、基準特徴量Qsを挟んで2つに分離する。この際、BX2,BX3,BX5のQ2,Q3,Q5が、基準特徴量Qsの下側に分布しており、良品群を代表する基準データWs(t)との一致度が高く、良品であると判定される。一方、BX1,BX4のQ1,Q4が、基準特徴量Qsの上側に分布しており、良品群を代表する基準データWs(t)との一致度が低く、不良品であると判定される。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、試験装置10Aが、予め用意した触覚デバイスBのサンプルBSが発生した牽引錯覚に対する、被験者の主観的な評価を示す試験結果D1を取得し、良否分別装置10Bが、試験結果D1に基づいてサンプルBSの良否を分別し、計測装置20Aが、サンプルBSが発生した牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データD5を計測し、特徴量計算装置20Bが、サンプルBSの良否を示す良否分別結果D3とサンプル特性データD5とに基づいて、触覚デバイスBの検査対象BXに対する良否判定に用いる基準特徴量Qs(D7)を計算し、検査装置30Aが、検査対象BXが発生した牽引錯覚を示す検査対象特性データD9を計測し、判定装置30Bが、得られた検査対象特性データD9に基づいて検査対象BXごとに当該検査対象BXが発生した牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量Qを計算し、これら検査対象特徴量Qと基準特徴量Qsとの比較結果に基づいて、検査対象BXの良否を判定するようにしたものである。
これにより、予め基準特徴量Qsを計算しておけば、これに基づいて出荷される製品、すなわち触覚デバイスBの検査対象BXを、人の主観に依存した評価を必要とせず客観的に良否判定することが可能となり、出荷される製品の品質を一定に保つことが可能となる。また、基準特徴量Qsを計算するためには被験者の主観に依存した評価が必要となるものの、これは予め用意した触覚デバイスBのサンプルBSのみを対象とするものである。このため、出荷される製品の検査対象特性データD9を計測し、検査対象特徴量Qを計算して基準特徴量Qsと比較するだけでよく、出荷検査を自動化できるとともに、検査効率を大幅に向上させることが可能となる。
また、本実施の形態において、良否分別装置10Bが、試験結果D1に含まれる主観的な評価に基づいてサンプルBSごとに当該サンプルBSに関する正当率D2を計算し、得られた正当率D2の分布に基づいてサンプルBSの良否を判定するためのしきい値Thを計算し、サンプルBSごとの正当率D2としきい値Thとの比較結果に基づいてサンプルBSの良否を分別するようにしてもよい。
これにより、予め人の主観に依存した評価により、サンプルBSごとの良否を分別しておく必要がなく、基準特徴量D7の計算に要する作業負担や所要時間を大幅に削減できる。
また、本実施の形態において、試験装置10Aで実施する被験者Yの主観的な評価として、二肢強制選択法に基づく評価を用いてもよい。
これにより、良否分別装置10Bにおける、サンプルBSの良否分別に要する所要負担や所要時間を大幅に削減できる。
また、本実施の形態において、特徴量計算装置20Bが、サンプルBSのうち良否分別結果D3で良品と分別された良品サンプルに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより基準となる基準データD6を計算し、サンプルBSごとに、当該サンプルBSのサンプル特性データD5と基準データD6との一致度を当該サンプルBSに関するサンプル特徴量Qとして計算し、良品サンプルに関するサンプル特徴量と良否分別結果D3で不良品と分別された不良品サンプルに関するサンプル特徴量とに基づいて、基準特徴量D7を計算するようにしてもよい。
これにより、特徴量計算装置20Bにおいて、高い精度で基準特徴量D7を計算することができる。
また、本実施の形態において、サンプル特性データD5および検査対象特性データD9として、触覚デバイスBの振動強度を示すデータを用いてもよい。具体的には、振動強度の時間応答を示すデータを用いてもよく、振動強度の周波数応答を示すデータを用いてもよい。
これにより、良否判定に用いる特徴量として、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスBの動作を示す、極めて適切な値を計算することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム2について説明する。図16は、第2の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システムの構成を示すブロック図である。
図16に示すように、本実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム2は、触覚デバイスBを搭載した複数の電子機器90と、1つの触覚デバイス検査装置50とから構成されている。本実施の形態では、第1の実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム1のうち、試験装置10A、計測装置20A、および検査装置30Aを電子機器90のそれぞれに配置した構成例について説明する。
[触覚デバイスおよび電子機器]
触覚デバイスBは、携帯可能な肉薄で小型の電子機器90に内蔵されており、電子機器90左右の把持部に、牽引錯覚を発生させる触覚デバイスBのアクチュエータA1,A2が配置されている。電子機器90の中央には、画面表示部91およびタッチパネル92が設けられている。
また、電子機器90の中央には、触覚デバイスBに関する主観的な評価試験において、被験者Yによる回答操作D0を受け付けるための操作ボタン93,94が配置されている。これら操作ボタン93,94は、画面表示部91およびタッチパネル92により、操作シンボルとして構成されているが、操作に応じて上下に変位するキーボタンを用いてもよい。
本実施の形態では、触覚デバイスBに対する被験者Yの評価試験において、触覚デバイスBのアクチュエータA1,A2で時計回り・反時計回りの2方向のどちらの一方向に回転牽引錯覚を発生させるものとし、被験者Yは、どちらの方向に回転牽引されたと感じたかを操作ボタン93,94で回答する、いわゆる二肢強制選択法を用いるものとする。例えば、アクチュエータA1で被験者Yの向こう側の方向の牽引錯覚を発生させ、アクチュエータA2で被験者Yの手前側の方向の牽引錯覚を発生させると、時計回りの回転牽引錯覚が発生し、逆方向に牽引錯覚を発生させると、反時計回りの回転牽引錯覚が発生する。被験者Yによる評価試験の方法については、基本的に前述した図2と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
電子機器90には、図1の試験装置10A、計測装置20A、および検査装置30Aが搭載されており、被験者Yの評価試験で得られた回答操作D0を集計して試験結果D1を生成し、触覚デバイス検査装置50へ送信する機能と、被験者Yの評価試験で発生させた牽引錯覚を示す振動を検出して、加速度データ、具体的には加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答など、客観的なサンプル特性データD5を生成し、触覚デバイス検査装置50へ送信する機能とを有している。なお、本実施の形態において、同一触覚デバイスBがサンプルBSおよび検査対象BXとなるため、実際には、計測装置20Aが検査装置30Aの機能を代替することになる。
本実施の形態では、電子機器90のうち、良否判定に用いる基準特徴量を計算するために予め用意したサンプル用の電子機器90を電子機器90Sといい、電子機器90Sに搭載されている触覚デバイスBがサンプルBSに相当する。また、実際の検査の対象となる検査対象用の電子機器90を電子機器90Xといい、電子機器90Xに搭載されている触覚デバイスBが検査対象BXに相当する。
[触覚デバイス検査装置]
図16に示すように、触覚デバイス検査装置50は、全体としてサーバ装置やPCなどの情報処理装置からなり、主な構成として、通信I/F回路51、演算処理回路52、記憶回路53、および表示回路54を備えている。
通信I/F回路51は、電子機器90との間で有線または無線のデータ通信を行うことにより、電子機器90から試験結果D1、サンプル特性データD5、および検査対象特性データD9を受信する機能を有している。
演算処理回路52は、C基準特徴量Uとその周辺回路を有し、C基準特徴量Uと予め搭載されているプログラムとを協働させることにより、触覚デバイスBの良否を検査するための各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理回路52が実現する主な処理部として、データ取得部52A、良否分別部52B、特徴量計算部52C、判定処理部52Dがある。
データ取得部52Aは、通信I/F回路51を介してサンプル用の電子機器90Sとの間でデータ通信を行うことにより、電子機器90Sから試験結果D1と客観的なサンプル特性データD5を取得して記憶回路53に保存する機能と、通信I/F回路51を介して検査対象用の電子機器90Xとの間でデータ通信を行うことにより、電子機器90Xから客観的な検査対象特性データD9を取得して記憶回路53に保存する機能とを有している。
良否分別部52Bは、記憶回路53の試験結果D1に基づいて、サンプルBSごとに当該サンプルBSの良否を分別し、得られた良否分別結果D3を記憶回路53に保存する機能を有している。
特徴量計算部52Cは、図1の特徴量計算装置20Bに相当し、記憶回路53の良否分別結果D3とサンプル特性データD5とに基づいて、検査対象BXに対する良否判定に用いる基準特徴量Q(D7)を計算して記憶回路53に保存する機能を有している。
判定処理部52Dは、図1の判定装置30Bに相当し、記憶回路53の検査対象特性データD9に基づいて、検査対象BXごとに当該検査対象BXが発生した牽引錯覚の特徴を示す特徴量Qを計算し、これら特徴量Qと記憶回路53の基準特徴量D7との比較結果に基づいて、検査対象BXごとの良否を判定し、得られた判定結果D10を記憶回路53に保存する機能を有している。
記憶回路53は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、触覚デバイスの良否を検査する際に用いる各種の処理データやプログラムを記憶する機能を有している。プログラムは、触覚デバイス検査装置50に接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め読み出されて記憶回路53に格納される。
表示回路54は、演算処理回路52で得られた検査対象BX(電子機器90)ごとの良否を示す判定結果D10を、LCDやLEDなどの表示装置で表示する機能を有している。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図17および図18を参照して、本実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム2の動作について説明する。図17は、第2の実施の形態にかかる基準特徴量計算動作を示すシーケンス図である。図18は、第2の実施の形態にかかる触覚デバイス検査動作を示すシーケンス図である。
本実施の形態にかかる触覚デバイス検査システム2の動作は、基本的に図3と同様である。このうち、試験装置10A、計測装置20A、および検査装置30Aに関するステップが、電子機器90で実行され、その他の良否分別装置10B、特徴量計算装置20B、および判定装置30Bに関するステップが、触覚デバイス検査装置50で実行される。
まず、図17において、サンプル用の電子機器90Sは、搭載する触覚デバイスBで牽引錯覚を発生させ(ステップ200)、牽引錯覚による振動を計測した計測結果D4に基づいて、例えば加速度データ、具体的には加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答など、客観的なサンプル特性データD5を生成し(ステップ201)、触覚デバイス検査装置50へ送信する(ステップ202)。
また、電子機器90Sは、搭載する触覚デバイスBで発生させた牽引錯覚に対する、主観的な評価を示す被験者Yの回答操作D0を、操作ボタン93,94で検出し(ステップ203)、得られた回答操作D0を集計して試験結果D1を生成し(ステップ204)、触覚デバイス検査装置50へ送信する(ステップ205)。
これらステップ200~205は、検査対象となる各触覚デバイスBの電子機器90Sごと、さらには被験者Yごとに、繰り返し実行される。
一方、触覚デバイス検査装置50は、各電子機器90Sから受信した試験結果D1に含まれる、当該サンプルBSで発生させた牽引錯覚と、これに対する被験者Yの主観的な評価すなわち回答操作D0との一致・不一致に基づいて、各サンプルBSの正当率D2を計算する(ステップ210)。
この後、触覚デバイス検査装置50は、計算された各サンプルBSの正当率D2を統計処理して、良否判定用のしきい値を決定し、得られたしきい値に基づいて各サンプルBSの正当率D2をしきい値処理することにより、各サンプルBSの良否を分別して良否分別結果D3を生成する(ステップ211)。
次に、触覚デバイス検査装置50は、各電子機器90Sから受信したサンプル特性データD5のうち、良否分別結果D3で良品と分別された良品デバイスに関するサンプル特性データD5を統計処理することにより基準となる基準データD6を計算する(ステップ212)。
続いて、触覚デバイス検査装置50は、サンプルBSごとに、当該サンプルBSのサンプル特性データD5と基準データD6との一致度を当該サンプルBSに関するサンプル特徴量Qとして計算し(ステップ213)、良品デバイスに関するサンプル特徴量と良否分別結果D3で不良品と分別された不良品デバイスに関するサンプル特徴量とに基づいて、基準特徴量D7を計算する(ステップ214)。
この後、検査対象用の電子機器90Xの良否を判定する際、図18において、検査対象用の電子機器90Xは、搭載する検査対象BXで牽引錯覚を発生させ(ステップ220)、牽引錯覚による振動を計測した計測結果D4に基づいて、例えば加速度データ、具体的には加速度振幅の時間応答あるいは周波数応答など、客観的な検査対象特性データD9を生成し(ステップ221)、触覚デバイス検査装置50へ送信する(ステップ222)。
触覚デバイス検査装置50は、電子機器90Xごとに、当該電子機器90Xの検査対象BXの検査対象特徴量Qを計算して(ステップ223)、予め計算しておいた基準特徴量D7すなわちQsとを比較し、得られた比較結果に基づいて、当該検査対象BXの動作の良否を判定し(ステップ224)、得られた判定結果D10を表示回路54で表示し(ステップ225)、一連の触覚デバイス検査動作を終了する。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、図1の触覚デバイス検査システム1のうち、試験装置10A、計測装置20A、および検査装置30Aを電子機器90のそれぞれに配置して、予め用意したサンプル用の電子機器90Sから、被験者の主観的な評価を示す試験結果D1と牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データD5とを取得して、これら電子機器90Sに共通して設けた触覚デバイス検査装置50で、これら電子機器90Sからの試験結果D1およびサンプル特性データD5に基づいて基準特徴量D7を計算し、検査対象用の電子機器90Xから取得したサンプル特性データD5から計算した検査対象特徴量と基準特徴量D7とを比較した比較結果に基づいて、当該電子機器90Xに搭載されている触覚デバイスBの良否を判定するようにしたものである。
具体的には、触覚デバイス検査装置50の演算処理回路52において、データ取得部52Aが、予め用意した触覚デバイスBのサンプルBSから、当該サンプルBSが発生した牽引錯覚に対する被験者Yの主観的な評価を示す試験結果D1と、当該牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データD5とを取得し、検査の対象となる触覚デバイスBの検査対象BXから、当該検査対象BXが発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データD9を取得し、良否分別部52Bが、試験結果D1に基づいてサンプルBSの良否を分別し、特徴量計算部52Cが、サンプルBSの良否を示す良否分別結果D3とサンプル特性データD5とに基づいて、検査対象BXの良否判定に用いる基準特徴量Qsを計算し、判定処理部52Dが、検査対象特性データD9に基づいて、検査対象BXごとに当該検査対象BXが発生した牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量Qを計算し、これら検査対象特徴量Qと基準特徴量Qsとの比較結果に基づいて検査対象BXの良否を判定するようにしたものである。
これにより、サンプル用の電子機器90Sで取得する試験結果D1およびサンプル特性データD5を、各電子機器90Sで個別に並列的に実行することができ、被験者Yによる主観的な評価試験に要する作業時間を大幅に削減できる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1,2…触覚デバイス検査システム、10A…試験装置、10B…良否分別装置、11…駆動回路、12…操作入力回路、13…試験制御回路、15…正当率計算回路、16…良否分別回路、20A…計測装置、20B…特徴量計算装置、21…駆動回路、22…計測回路、23…計測制御回路、25…基準データ計算回路、26…特徴量計算回路、30A…検査装置、30B…判定装置、31…駆動回路、32…計測回路、33…検査制御回路、35…判定処理回路、36…表示回路、50…触覚デバイス検査装置、51…通信I/F回路、52…演算処理回路、52A…データ取得部、52B…良否分別部、52C…特徴量計算部、52D…判定処理部、53…記憶回路、54…表示回路、90,90S,90X…電子機器、91…画面表示部、92…タッチパネル、93,94…操作ボタン、A1,A2…アクチュエータ、B…触覚デバイス、BS…サンプル、BX…検査対象、D1…試験結果、D2…正当率、D3…良否分別結果、D4…計測結果、D5…サンプル特性データ、D6…基準データ、D7…基準特徴量、D8…検査結果、D9…検査対象特性データ、D10…判定結果。

Claims (10)

  1. 振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する触覚デバイス検査システムであって、
    予め用意した前記触覚デバイスのサンプルが発生した牽引錯覚に対する、被験者の主観的な評価を示す試験結果を取得する試験装置と、
    前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別装置と、
    前記サンプルが発生した牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データを計測する計測装置と、
    前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算装置と、
    前記検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを計測する検査装置と、
    得られた前記検査対象特性データに基づいて前記検査対象ごとに当該検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定装置と
    を備えることを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  2. 請求項1に記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記良否分別装置は、前記試験結果に含まれる前記主観的な評価に基づいて前記サンプルごとに当該サンプルに関する正当率を計算し、得られた正当率の分布に基づいて特定したしきい値と前記正当率との比較結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別することを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記主観的な評価は、二肢強制選択法に基づく評価からなることを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかに記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記特徴量計算装置は、前記サンプルのうち前記良否分別結果で良品と分別された良品サンプルに関する前記サンプル特性データを統計処理することにより、これら良品サンプルを代表する基準データを計算し、前記サンプルごとに、当該サンプルのサンプル特性データと前記基準データとの一致度を当該サンプルに関するサンプル特徴量として計算し、前記良品サンプルに関する前記サンプル特徴量と前記良否分別結果で不良品と分別された不良品サンプルに関する前記サンプル特徴量とに基づいて、前記基準特徴量を計算することを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データは、前記触覚デバイスの速度、加速度、位置、または力に関するデータもしくはこれら任意の組み合わせからなることを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  6. 請求項5に記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データは、前記触覚デバイスの速度、加速度、位置、または力に関する時間応答を示すデータもしくはこれら任意の組み合わせからなることを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  7. 請求項5に記載の触覚デバイス検査システムにおいて、
    前記サンプル特性データおよび前記検査対象特性データは、前記触覚デバイスの速度、位置、または力に関する周波数応答を示すデータもしくはこれら任意の組み合わせからなることを特徴とする触覚デバイス検査システム。
  8. 振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する演算処理回路を備える触覚デバイス検査装置であって、
    前記演算処理回路は、
    予め用意した前記触覚デバイスのサンプルから、当該サンプルが発生した牽引錯覚に対する被験者の主観的な評価を示す試験結果と、前記牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データとを取得し、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象から、当該検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを取得するデータ取得部と、
    前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別部と、
    前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、前記検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算部と、
    前記検査対象から取得した前記検査対象特性データに基づいて、前記検査対象ごとに前記検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定処理部と
    を備えることを特徴とする触覚デバイス検査装置。
  9. 計算機システムが、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する際に用いられる触覚デバイス検査方法であって、
    前記計算機システムが、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルが発生した牽引錯覚に対する、被験者の主観的な評価を示す試験結果を取得する試験ステップと、
    前記計算機システムが、前記試験結果に基づいて、前記サンプルごとに当該サンプルの良否を分別する良否分別ステップと、
    前記計算機システムが、前記サンプルが発生した牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データを計測する計測ステップと、
    前記計算機システムが、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算ステップと、
    前記計算機システムが、前記検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを計測する検査ステップと、
    前記計算機システムが、得られた前記検査対象特性データに基づいて前記検査対象ごとに当該検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定ステップと
    を備えることを特徴とする触覚デバイス検査方法。
  10. 演算処理回路が、振動により牽引錯覚を発生させる触覚デバイスに関する良否を判定する際に用いられる触覚デバイス検査方法であって、
    前記演算処理回路が、予め用意した前記触覚デバイスのサンプルから、当該サンプルが発生した牽引錯覚に対する被験者の主観的な評価を示す試験結果と、前記牽引錯覚を示す客観的なサンプル特性データとを取得し、検査の対象となる前記触覚デバイスの検査対象から、当該検査対象が発生した牽引錯覚を示す客観的な検査対象特性データを取得するデータ取得ステップと、
    前記演算処理回路が、前記試験結果に基づいて、前記サンプルの良否を分別する良否分別ステップと、
    前記演算処理回路が、前記サンプルの良否を示す良否分別結果と前記サンプル特性データとに基づいて、前記検査対象の良否判定に用いる基準特徴量を計算する特徴量計算ステップと、
    前記演算処理回路が、前記検査対象から取得した前記検査対象特性データに基づいて、前記検査対象ごとに前記検査対象が発生した前記牽引錯覚の特徴を示す検査対象特徴量を計算し、これら検査対象特徴量と前記基準特徴量との比較結果に基づいて、前記検査対象の良否を判定する判定処理ステップと
    を備えることを特徴とする触覚デバイス検査方法。
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