JP7119779B2 - 成膜装置と成膜方法 - Google Patents
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基板を保持する基板ホルダーと、該基板ホルダーに対向して配置されかつスパッタガス、反応性ガス若しくは原料ガスを放出するガスプレートとを真空チャンバー内に備え、PVD(物理蒸着)法若しくはCVD(化学気相蒸着)法により上記基板に被膜を形成する成膜装置において、
上記ガスプレートが、ガスプレート本体と、該ガスプレート本体内に設けられその基端側にガス供給源に接続されたガス導入口を有しかつその先端側にガスプレート本体の一面に設けられたガス放出孔と連通する開口を有するガス経路管とで構成され、
上記ガス経路管が、ガス導入口を中央に有しかつガス導入口から両端方向に向け均等長の分岐管を有する円弧状第一分岐路管と、該第一分岐路管の両側出口にそれぞれ接続されかつ接続部から両端方向に向け均等長の分岐管(但し、下記円弧状延長管を含まず)を有する一対の円弧状第二分岐路管と、一対の第二分岐路管の各両側出口にそれぞれ接続されかつ接続部から両端方向に向け均等長の分岐管(但し、下記円弧状延長管を含まず)を有する二対の円弧状第三分岐路管と、以下、同様に構成された円弧状第n分岐路管から成るn段階(nは正の整数)の分岐構造を有し、第n分岐路管の各両側出口が上記ガス放出孔と連通する開口を構成すると共に、
n段階の分岐構造を有する上記ガス経路管がガスプレート本体内に1個以上設けられており、
更に、外側に位置する上段側円弧状分岐路管が、内側に位置する下段側円弧状分岐路管との接続部に上段側円弧状分岐路管の曲率半径と同一の円弧状延長管を有し、かつ、上段側円弧状分岐路管の上記円弧状延長管の端部が、対峙する他の上段側円弧状分岐路管の円弧状延長管の端部に接続せずに閉止されていることを特徴とするものである。
第1の発明に記載の成膜装置において、
上記ガスプレート本体がベースプレートと該ベースプレートに接合されたトッププレートとで構成され、かつ、ベースプレートの接合面に設けられた凹溝により上記ガス経路管が構成されることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の成膜装置において、
上記ガスプレート本体がベースプレートと該ベースプレートに接合されたトッププレートとで構成され、かつ、ベースプレートとトッププレートの接合面に設けられた各凹溝を位置整合させて上記ガス経路管が構成されることを特徴とし、
第4の発明は、
第2の発明または第3の発明に記載の成膜装置において、
上記ベースプレートとトッププレートが、レーザ溶接若しくは電子ビーム溶接により接合されていることを特徴とするものである。
PVD(物理蒸着)法若しくはCVD(化学気相蒸着)法による成膜方法において、
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載の成膜装置を用いて基板ホルダーに保持された基板に被膜を形成することを特徴とするものである。
真空チャンバー内に導入されるスパッタガス、反応性ガス若しくは原料ガス等のガス分布が均一化されるため、基板を遊星回転させる装置を組み込むことなく基板内の膜厚分布を均一化させることが可能となる。
(1-1)一組のガス経路管を有する上記ガスプレートの構成
一組のガス経路管を有する従来技術に係るガスプレートは、図3(A)~(B)に示すように、ガスプレート本体21と、該ガスプレート本体21内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口22を有しかつその先端側にガスプレート本体21の一面に設けられたガス放出孔(A~P)と連通する開口23を有するガス経路管24とで構成されている。尚、ガス経路管は、ガスプレート本体21の内部に設けられているため、図3(A)~(B)のガス経路管24は透視画像として示されている。
ガスプレート本体21の上記ガス放出孔(A~P)から放出されるガス量は、円弧状分岐路管24aの両側出口24b近傍に位置する輪状管23aの開口23と連通するガス放出孔(D、EおよびL、M)からの放出量が特に多く、上記両側出口24bから離れた輪状管23aの開口23と連通するガス放出孔(H、IおよびP、A)からの放出量が少なくなってしまう。このため、真空チャンバー内に導入するスパッタガス、反応性ガス若しくは原料ガス等のガス分布を真空チャンバー内で均一化させることが困難となる問題を有していた。
(2-1)二組のガス経路管を有する上記ガスプレートの構成
二組のガス経路管を有する従来技術に係るガスプレートは、図4(A)~(B)に示すように、ガスプレート本体31と、該ガスプレート本体31内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口32を有しかつその先端側にガスプレート本体31の一面に設けられたガス放出孔(A~P)と連通する開口33を有する外側ガス経路管34と、上記ガスプレート本体31内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口32’を有しかつその先端側にガスプレート本体31の一面に設けられたガス放出孔(A’~P’)と連通する開口33’を有する内側ガス経路管34’とで構成されている。尚、各ガス経路管は、ガスプレート本体31の内部に設けられているため、図4(A)~(B)の外側ガス経路管34と内側ガス経路管34’は透視画像として示されている。
ガスプレート本体31の上記ガス放出孔(A~P)から放出されるガス量は、円弧状分岐路管34aの両側出口34b近傍に位置する円弧状管33aの開口33と連通するガス放出孔(D、EおよびL、M)からの放出量が特に多く、上記両側出口34bから離れた円弧状管33aの開口33と連通するガス放出孔(H、IおよびP、A)からの放出量が少なくなってしまう。
(3-1)第一実施形態に係るガスプレートの構成
一組のガス経路管を有する第一実施形態に係るガスプレートは、図5(A)~(B)に示すように、ガスプレート本体51と、該ガスプレート本体51内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口52を有しかつその先端側にガスプレート本体51の一面に設けられたガス放出孔(A~P)と連通する開口53を有するガス経路管54とで構成されている。尚、ガス経路管は、ガスプレート本体51の内部に設けられているため、図5(A)~(B)のガス経路管54は透視画像として示されている。
第一実施形態に係るガスプレートのガス経路管54においては、該ガス経路管54を構成する円弧状第一分岐路管541、円弧状第二分岐路管542、円弧状第三分岐路管543および円弧状第四分岐路管544の各分岐管の長さがそれぞれ均等に設定されているため、円弧状第四分岐路管544に開設された各開口53と上記ガス導入口52までの距離が略同一になっている。
ところで、図5(A)~(B)に示す第一実施形態に係るガスプレートにおいては、円弧状第一分岐路管541のガス導入口52から両側出口541bまでの長さ(すなわち、分岐管の長さ)が均等に加工され、各円弧状第二分岐路管542における円弧状第一分岐路管541の接続部(両側出口541b)から両側出口542bまでの長さ(分岐管の長さ)が均等に加工され、各円弧状第三分岐路管543における円弧状第二分岐路管542の接続部(両側出口542b)から両側出口543bまでの長さ(分岐管の長さ)が均等に加工され、更に、各円弧状第四分岐路管544における円弧状第三分岐路管543の接続部(両側出口543b)から開口53までの長さ(分岐管の長さ)も均等に加工された構造になっている。この場合、円弧状第二分岐路管542と円弧状第三分岐路管543の加工自由度を改善するため、図6(A)~(B)に示すような構造にしてもよい。
(4-1)第二実施形態に係るガスプレートの構成
二組のガス経路管を有する第二実施形態に係るガスプレートは、図7(A)~(B)に示すように、ガスプレート本体61と、該ガスプレート本体61内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口62を有しかつその先端側にガスプレート本体61の一面に設けられたガス放出孔(A~P)と連通する開口63を有する外側ガス経路管64と、上記ガスプレート本体61内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口62’を有しかつその先端側にガスプレート本体61の一面に設けられたガス放出孔(A’~P’)と連通する開口63’を有する内側ガス経路管64’とで構成されている。尚、ガス経路管は、ガスプレート本体51の内部に設けられているため、図7(A)~(B)の外側ガス経路管64と内側ガス経路管64’は透視画像として示されている。また、第二実施形態に係るガスプレートは、第一実施形態の変形例に係るガスプレートと同様な構造(加工自由度を改善した構造)となっている。
第二実施形態に係るガスプレートの外側ガス経路管64においては、該外側ガス経路管64を構成する円弧状第一分岐路管641、円弧状第二分岐路管642、円弧状第三分岐路管643および円弧状第四分岐路管644の各分岐管の長さがそれぞれ均等に設定されているため、円弧状第四分岐路管644に開設された各開口63と上記ガス導入口62までの距離が略同一になっている。従って、円弧状第四分岐路管644における各開口63と、円弧状第一分岐路管641における両側出口641bとの位置関係に拘らずガスプレート本体61の上記ガス放出孔(A~P)から放出されるガス量は等しくなる。
(5-1)第二実施形態に係るガスプレート
第二実施形態に係るガスプレートは、図8(A)~(B)に示すように、ガスプレート本体71と、該ガスプレート本体71内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口72を有しかつその先端側にガスプレート本体71の一面に設けられたガス放出孔と連通する開口73を有する外側ガス経路管74と、ガスプレート本体71内に設けられその基端側にガス供給源(図示せず)に接続されたガス導入口72’を有しかつその先端側にガスプレート本体71の一面に設けられたガス放出孔と連通する開口73’を有する内側ガス経路管74’とで構成されている。
以下、図8(A)~(B)に示した第二実施形態に係るガスプレートの製造工程について説明する。
図1に示すPVD成膜装置(マグネトロンスパッタ装置)を用いてSiO2の成膜を実施した。また、ガスプレート4には、一組のガス経路管を有する図5(A)~(B)に示した第一実施形態に係るガスプレートが適用され、ガスプレートの直径は250mm、ガス放出孔のPCD(pitch circle diameter)は170mmである(図10参照)。
参考例1と同様、上記PVD成膜装置(マグネトロンスパッタ装置)を用いてSiO2の成膜を実施した。ガスプレート4には、一組のガス経路管を有する図3(A)~(B)に示した従来技術に係るガスプレートが適用され、ガスプレートの直径は250mm、ガス放出孔のPCDは170mmである(図10参照)。
(1)表1に示されたSiO2膜の膜厚分布から、参考例1では、基板回転時と基板停止時の膜厚分布がほとんど変わらないことが確認される。
図2に示すCVD成膜装置を用いてSiCの成膜を実施した。また、ガスプレート14には、二組のガス経路管を有する図7(A)~(B)に示した第二実施形態に係るガスプレートが適用され、ガスプレートの直径は250mm、外側ガス放出孔のPCD(pitch circle diameter)は80mm、また、内側ガス放出孔のPCDは40mmである(図11参照)。
実施例2と同様、上記CVD成膜装置を用いてSiCの成膜を実施した。ガスプレート14には、二組のガス経路管を有する図4(A)~(B)に示した従来技術に係るガスプレートが適用され、ガスプレートの直径は250mm、外側ガス放出孔のPCDは80mm、内側ガス放出孔のPCDは40mmである(図11参照)。
(1)表2に示されたSiC膜の膜厚分布から、本発明に係る実施例2では、基板回転時と基板停止時の膜厚分布がほとんど変わらないことが確認される。
A~P ガス放出孔
A’~P’ ガス放出孔
1、11 真空チャンバー
2、12 基板
3、13 基板ホルダー
4、14 ガスプレート
5、15 回転機構
21 ガスプレート本体、
22 ガス導入口
23 開口
23a 輪状管
24 ガス経路管
24a 円弧状分岐路管
24b 両側出口
31 ガスプレート本体
32 ガス導入口
33 開口
33a 円弧状管
34 外側ガス経路管
34a 円弧状分岐路管
34b 両側出口
32’ ガス導入口
33’ 開口
33’a 輪状管
34’ 内側ガス経路管
34’a 円弧状分岐路管
34’b 両側出口
51 ガスプレート本体
52 ガス導入口
53 開口
54 ガス経路管
541 円弧状第一分岐路管
541b 両側出口
542 円弧状第二分岐路管
542b 両側出口
543 円弧状第三分岐路管
543b 両側出口
544 円弧状第四分岐路管
61 ガスプレート本体
62 ガス導入口
63 開口
64 外側ガス経路管
641 円弧状第一分岐路管
641b 両側出口
642 円弧状第二分岐路管
642b 両側出口
643 円弧状第三分岐路管
643b 両側出口
644 円弧状第四分岐路管
62’ ガス導入口
63’ 開口
64’ 内側ガス経路管
641’ 円弧状第一分岐路管
641’b 両側出口
642’ 円弧状第二分岐路管
642’b 両側出口
643’ 円弧状第三分岐路管
643’b 両側出口
644’ 円弧状第四分岐路管
71 ガスプレート本体
72 ガス導入口
73 開口
74 外側ガス経路管
75 ベースプレート
76 トッププレート
77 凹溝
78 ガス放出孔
72’ ガス導入口
73’ 開口
74’ 内側ガス経路管
80 溶接部
Claims (5)
- 基板を保持する基板ホルダーと、該基板ホルダーに対向して配置されかつスパッタガス、反応性ガス若しくは原料ガスを放出するガスプレートとを真空チャンバー内に備え、PVD(物理蒸着)法若しくはCVD(化学気相蒸着)法により上記基板に被膜を形成する成膜装置において、
上記ガスプレートが、ガスプレート本体と、該ガスプレート本体内に設けられその基端側にガス供給源に接続されたガス導入口を有しかつその先端側にガスプレート本体の一面に設けられたガス放出孔と連通する開口を有するガス経路管とで構成され、
上記ガス経路管が、ガス導入口を中央に有しかつガス導入口から両端方向に向け均等長の分岐管を有する円弧状第一分岐路管と、該第一分岐路管の両側出口にそれぞれ接続されかつ接続部から両端方向に向け均等長の分岐管(但し、下記円弧状延長管を含まず)を有する一対の円弧状第二分岐路管と、一対の第二分岐路管の各両側出口にそれぞれ接続されかつ接続部から両端方向に向け均等長の分岐管(但し、下記円弧状延長管を含まず)を有する二対の円弧状第三分岐路管と、以下、同様に構成された円弧状第n分岐路管から成るn段階(nは正の整数)の分岐構造を有し、第n分岐路管の各両側出口が上記ガス放出孔と連通する開口を構成すると共に、
n段階の分岐構造を有する上記ガス経路管がガスプレート本体内に1個以上設けられており、
更に、外側に位置する上段側円弧状分岐路管が、内側に位置する下段側円弧状分岐路管との接続部に上段側円弧状分岐路管の曲率半径と同一の円弧状延長管を有し、かつ、上段側円弧状分岐路管の上記円弧状延長管の端部が、対峙する他の上段側円弧状分岐路管の円弧状延長管の端部に接続せずに閉止されていることを特徴とする成膜装置。 - 上記ガスプレート本体がベースプレートと該ベースプレートに接合されたトッププレートとで構成され、かつ、ベースプレートの接合面に設けられた凹溝により上記ガス経路管が構成されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 上記ガスプレート本体がベースプレートと該ベースプレートに接合されたトッププレートとで構成され、かつ、ベースプレートとトッププレートの接合面に設けられた各凹溝を位置整合させて上記ガス経路管が構成されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 上記ベースプレートとトッププレートが、レーザ溶接若しくは電子ビーム溶接により接合されていることを特徴とする請求項2または3に記載の成膜装置。
- PVD(物理蒸着)法若しくはCVD(化学気相蒸着)法による成膜方法において、
請求項1~4のいずれかに記載の成膜装置を用いて基板ホルダーに保持された基板に被膜を形成することを特徴とする成膜方法。
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