JP7119739B2 - 水栓装置 - Google Patents
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Description
開示の実施形態は、水栓装置に関する。
従来、水や湯を吐水する水栓装置は、たとえば、横長の水栓本体を備え、さらに、水栓本体の左右いずれか一端部に配置され、使用者によって回動操作されることで湯水の吐水量を調整する操作ハンドル(流量調整ハンドル)と、水栓本体の左右いずれか他端部に配置され、使用者によって回動操作されることで湯水の温度を調整する操作ハンドル(温度調整ハンドル)とを備える。
このうち、流量調整ハンドルには、水栓本体の左右一端部に設けられた本体部と、水栓本体の左右他端部に回動可能に設けられた支持部と、左右方向に延在するとともに本体部と支持部との間を連結する操作部とを備え、全体としてアーチ状のもの(以下、「アーチハンドル」という)がある(たとえば、特許文献1参照)。
また、流量調整ハンドルには、アーチハンドルの他、一端側だけで構成され、操作部が左右方向に延在しないもの(以下、「ノーマルハンドル」という)がある。
従来の水栓装置では、アーチハンドルの場合は左右に延在する操作部を水栓本体の左右他端部側において支持する支持部が必要であるがノーマルハンドルの場合は支持部が不要であるため、2つの場合では温度調整ハンドルの水栓本体に対する取り付け位置が左右方向にずれる。
このため、従来の水栓装置では、流量調整ハンドルがアーチハンドルの場合とノーマルハンドルの場合とで温度調整ハンドルを変更する必要がある。すなわち、従来の水栓装置は、一方の操作ハンドルの種類が異なる場合は他方の操作ハンドルも変更する必要があり、操作ハンドルを共通化することができなかった。
実施形態の一態様は、操作ハンドルを共通化することができる水栓装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る水栓装置は、それぞれの供給源から供給される水および湯を混合する混合バルブと該混合バルブから送られる混合水を複数の給水路へ選択的に切り替えるか前記混合水を吐水または止水する開閉バルブとが内部において軸上に配置される水栓本体と、前記複数の給水路から供給される混合水をそれぞれ吐水する複数の吐水口と、前記水栓本体の前記軸上における一端部に配置され、前記混合バルブを前記軸まわりに回動させる温度調整ハンドルと、前記水栓本体の前記軸上における他端部に配置され、前記開閉バルブを前記軸まわりに回動可能に該開閉バルブと接続される流量調整ハンドル本体部と、前記水栓本体の前記一端部において前記温度調整ハンドルよりも前記他端部側に配置され、前記軸まわりに回動可能なハンドル支持部と、前記流量調整ハンドル本体部と前記ハンドル支持部とを前記水栓本体の外部において連結する連結部と、前記混合バルブと前記温度調整ハンドルとの間に設けられ、前記温度調整ハンドルを前記ハンドル支持部の前記軸方向の幅分オフセットさせるオフセット部材とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、混合バルブと温度調整ハンドルとの間にオフセット部材を設けることで、温度調整ハンドルの取り付け位置をハンドル支持部の軸方向の幅分オフセットすることが可能なため、ハンドル支持部の有無に関わらず同一の温度調整ハンドルを使用することができる。すなわち、操作ハンドルを共通化することができる。
また、前記温度調整ハンドルは、高温側の操作を規制する高温操作規制ボタンを備え、前記高温操作規制ボタンは、前記オフセット部材によって押し込み量が規制されることを特徴とする。
かかる構成によれば、オフセット部材が高温操作規制ボタンの押し込み量を規制することで、オフセット部材が温度調整ハンドルのオフセットと高温操作規制ボタンの押し込み量の規制を兼ねるようになり、部品点数の削減などが可能となる。
また、前記混合バルブは、前記水栓本体の前記軸上における一端部側の先端部にバルブスプライン部を備え、前記オフセット部材は、前記バルブスプライン部と嵌合するバルブ側嵌合部と、前記温度調整ハンドルの内面と当接するハンドル側嵌合部と、前記バルブ側嵌合部と前記ハンドル側嵌合部との間を径方向に接続する接続部とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、バルブ側嵌合部とハンドル側嵌合部とが径方向に接続されるため、嵌合により動力を伝達するような雌雄部材を軸方向に延ばさなくても両者を接続することができる。これにより、水栓装置の全長を短くすることができる。
また、前記温度調整ハンドルは、ハンドルスプライン部を備え、前記ハンドル側嵌合部は、前記ハンドルスプライン部以外の部分と当接することを特徴とする。
かかる構成によれば、ハンドルスプライン部のスプライン以外の部分で回転動力を伝達することができる。これにより、回転強度の低下を抑えることができる。
また、前記ハンドルスプライン部は、前記接続部が入り込む溝を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、ハンドルスプライン部に溝を設け、溝に接続部が入り込むため、水栓装置の全長を短縮することができる。
実施形態の一態様によれば、操作ハンドルを共通化することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水栓装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<アーチハンドルタイプの水栓装置1Aの概要>
図1および図2を参照してアーチハンドルタイプの水栓装置1Aの概要について説明する。図1は、アーチハンドルタイプの水栓装置1Aの斜視図である。図2は、アーチハンドルタイプの水栓装置1Aの平面図である。なお、図1および図2には、説明の便宜上、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。直交座標系は、他の図においても図示している。
図1および図2を参照してアーチハンドルタイプの水栓装置1Aの概要について説明する。図1は、アーチハンドルタイプの水栓装置1Aの斜視図である。図2は、アーチハンドルタイプの水栓装置1Aの平面図である。なお、図1および図2には、説明の便宜上、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。直交座標系は、他の図においても図示している。
直交座標系は、X軸の正方向を「左方」と規定し、X軸の負方向を「右方」と規定し、Y軸の正方向を「前方」と規定し、Y軸の負方向を「後方」と規定している。また、直交座標系は、Z軸の正方向を「上方」と規定し、Z軸の負方向を「下方」と規定している。このため、以下の説明では、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
図1および図2に示すように、水栓装置1には、一方の操作ハンドルである流量調整ハンドル4にアーチハンドルが採用されたアーチハンドルタイプの水栓装置1Aがある。なお、水栓装置1には、アーチハンドルタイプの他、流量調整ハンドル4にノーマルハンドルが採用された、後述するノーマルハンドルタイプの水栓装置1B(図5および図6参照)がある。
水栓装置1Aは、水栓本体2と、他方の操作ハンドルである温度調整ハンドル3と、流量調整ハンドル4Aと、吐水管6と、ハンドシャワー(不図示)とを備える。水栓装置1Aは、複数の給水路(吐水管6またはシャワーホース7)から供給される水および湯を混合した混合水または水を、複数の吐水口(吐水管6の吐水口またはハンドシャワーの吐水口)から吐水する。
水栓本体2は、円筒状の外郭部材21(図3A参照)を備える。外郭部材21は、金属製の部材であり、水栓本体2の外郭を形成している。外郭部材21には、後述する内部流路ユニット5(図3A参照)が軸方向に挿入される。なお、外郭部材21および内部流路ユニット5の軸は、水栓本体2の軸L(図3A参照)と一致する。このため、以下では、外郭部材21および内部流路ユニット5の軸方向についても「軸L」方向という。また、外郭部材21、内部流路ユニット5およびその他の部材の径方向は、水栓本体2の径方向と共通の方向である。以下では、各部材の径方向についても共通して「径方向」という。
水栓本体2の左右いずれか一端部(たとえば、左端部)には、後方から給湯管8が取り付けられる。水栓本体2の左右いずれか他端部(たとえば、右端部)には、後方から給水管9が取り付けられる。
また、水栓本体2の左右いずれか一端部(たとえば、左端部)には、温度調整ハンドル3が取り付けられる。また、水栓本体2の左右いずれか他端部(たとえば、右端部)には、流量調整ハンドル4Aの後述する流量調整ハンドル本体部41Aが取り付けられる。
温度調整ハンドル3は、有底円筒状の部材であり、水栓本体2に対して軸Lまわりに回動可能に取り付けられる。温度調整ハンドル3は、回動位置に応じて吐水管6またはハンドシャワーから吐水される流体の種類を、水または混合水に切り替える。具体的には、温度調整ハンドル3は、水に湯を混合するか否かを切り替え、吐水管6またはハンドシャワーから混合水を吐水する場合に、回動位置に応じて混合水の温度を調整(設定)する。
温度調整ハンドル3は、高温操作規制ボタン31を備える。高温操作規制ボタン31は、温度調整ハンドル3の高温側の操作、すなわち、高温側への回動操作を規制するボタンである。高温操作規制ボタン31は、後述する付勢部材311(図3A参照)によって径方向の外側へ向けて付勢される。
温度調整ハンドル3は、高温操作規制ボタン31が径方向の内側へ押し込まれないと所定温度以上の高温に設定することができない。このように、高温操作規制ボタン31を設けることで、使用者の意図に反する高温の混合水(湯)が吐水されるのを防止している。
流量調整ハンドル4Aは、上記したように、アーチハンドルであり、流量調整ハンドル本体部41Aと、ハンドル支持部42Aと、連結部43Aとを備える。流量調整ハンドル本体部41Aは、有底筒状の部材であり、水栓本体2に対して軸Lまわりに回動可能に取り付けられる。
ハンドル支持部42Aは、円筒状または環状の部材であり、水栓本体2の左右いずれか一端部(たとえば、左端部)において温度調整ハンドル3よりも他端部(右端部)側に温度調整ハンドル3と並んで配置され、水栓本体2に対して軸Lまわりに回動可能に取り付けられる。ハンドル支持部42Aは、流量調整ハンドル4Aの他端部における回動支点でもある。
連結部43Aは、両端部が鉤状に屈曲された長体部材であり、流量調整ハンドル本体部41Aとハンドル支持部42Aとを水栓本体2の外部において連結している。連結部43Aは、流量調整ハンドル4Aを回動操作する場合に操作される操作部である。
流量調整ハンドル4Aは、流量調整ハンドル本体部41Aの回動位置に応じて、水または混合水の吐水先を、吐水管6またはハンドシャワーに切り替える。流量調整ハンドルは、流量調整ハンドル本体部41Aの回動位置に応じて、吐水管6またはハンドシャワーから吐水される水または混合水の流量を調整する。
<水栓装置1Aの内部構成>
次に、図3Aおよび図3Bを参照して水栓装置1Aの内部構成について説明する。図3Aは、図2におけるII-II断面図、すなわち、水栓装置1Aの正断面図である。図3Bは、図3AにおけるA部の拡大図である。図3Aに示し、かつ、上記したように、水栓本体2は、外郭部材21を備える。外郭部材21は、左右方向に延びている。外郭部材21は、左右方向に直交する断面が円形の内周面21aを有する。
次に、図3Aおよび図3Bを参照して水栓装置1Aの内部構成について説明する。図3Aは、図2におけるII-II断面図、すなわち、水栓装置1Aの正断面図である。図3Bは、図3AにおけるA部の拡大図である。図3Aに示し、かつ、上記したように、水栓本体2は、外郭部材21を備える。外郭部材21は、左右方向に延びている。外郭部材21は、左右方向に直交する断面が円形の内周面21aを有する。
外郭部材21には、下方から吐水管6を内部流路ユニット5に取り付けるための挿入孔が左右方向の中央付近に形成される。また、外郭部材21には、後方からシャワーホース7(図2参照)を内部流路ユニット5に取り付けるための挿入孔が左右方向の中央付近に形成される。
水栓本体2は、外郭部材21に挿入されることで、内部流路ユニット5を内部に備える。内部流路ユニット5は、たとえば、給水管9(図2参照)から供給される水を、外郭部材21の内周面21aと、内部流路ユニット5の後述する内部流路部材51の外周面との間を通さずに流すユニットであり、内部で水の流路を完結させたユニットである。
内部流路ユニット5は、内部流路部材51と、温度調整部(混合バルブ60)と、流量調整部(開閉バルブ70)とを備える。内部流路部材51は、たとえば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などのような強度の高い樹脂製であり、外郭部材21の内周面21aにあわせて、外形が円筒状に形成される。
内部流路部材51の外周面には、リブ状の凸部511が設けられる。内部流路部材51は、凸部511が外郭部材21の内周面21aに当接することで、内部流路部材51の組み立て時(挿入時)の摩擦抵抗を減らして組み立て性を高めるとともに、外郭部材21の内周面21aとの間に空間が形成され断熱性を高めている。内部流路部材51の内部には、温度調整部である混合バルブ60と、流量調整部である開閉バルブ70とが設けられる。
混合バルブ60は、それぞれの供給源から供給される水と湯とを混合する。混合バルブ60は、水栓本体2の軸L上に配置される。混合バルブ60は、感温ばね61と、バイアスばね62と、弁体63と、ライナ64と、スピンドル65とを備える。
感温ばね61は、左右方向の中央側に設けられた第1支持ケース66に収容される。感温ばね61は、温度に応じてばね定数が変化するばねであり、たとえば、形状記憶合金によって構成される。感温ばね61は、後述する弁体63を左右いずれか一方(左方)に向けて付勢する。
バイアスばね62は、第1支持ケース66よりも左方に設けられた第2支持ケース67に収容される。バイアスばね62は、混合バルブ60において混合された混合水Wを後述する開閉バルブ70へ供給する吐水流路Rに設けられる。バイアスばね62は、温度に対してばね定数がほぼ一定のばねである。バイアスばね62は、弁体63を左右いずれか他方(右方)に向けて付勢する。
弁体63は、第1支持ケース66と第2支持ケース67との間に設けられる。弁体63は、左右方向に摺動可能となるように、隔離壁68を介して内部流路部材51に支持される。隔離壁68は、給湯管8(図2参照)から供給される湯を導入する湯導入流路と、給水管9(図2参照)から供給される水を導入する水導入流路とを左右方向において隔離する。また、弁体63には、左右方向に貫通する貫通孔が形成される。
弁体63は、感温ばね61の付勢力とバイアスばね62の付勢力とに応じて左右方向に移動し、湯導入流路と吐水流路Rとの連通状態を調整する。具体的には、弁体63は、感温ばね61の付勢力がバイアスばね62の付勢力よりも大きい場合には、左方に移動する。弁体63が左方に移動し、第1支持ケース66に当接すると、湯導入流路と吐水流路Rとの連通が遮断され、湯が吐水流路Rに流入しなくなる。
また、弁体63は、バイアスばね62の付勢力が感温ばね61の付勢力よりも大きい場合には、右方に移動する。たとえば、弁体63が第1支持ケース66に当接した状態から、バイアスばね62の付勢力が大きくなり、第1支持ケース66から離間すると、湯導入流路と吐水流路Rとが連通し、湯が吐水流路Rに流入する。
弁体63は、第1支持ケース66から離間した状態では、感温ばね61の付勢力とバイアスばね62の付勢力とが釣り合う位置に保持される。弁体63と第1支持ケース66との距離が長くなるほど、吐水流路Rに流入する湯量が多くなる。また、弁体63と第1支持ケース66との距離が長くなるほど、弁体63と第2支持ケース67との距離が短くなり、吐水流路Rに流入する水量が少なくなる。
ライナ64は、バイアスばね62の弁体63とは反対側の端部に当接し、スピンドル65を介して温度調整ハンドル3に接続される。スピンドル65は、第2支持ケース67に回動可能に支持され、温度調整ハンドル3の回動運動をライナ64の左右方向における直進運動に変換する。このため、ライナ64は、温度調整ハンドル3の回動に応じて左右方向に移動する。
混合バルブ60では、温度調整ハンドル3の回動位置にあわせて、ライナ64が左右方向に移動する。すなわち、混合バルブ60は、温度調整ハンドル3の回動位置にあわせて、感温ばね61の付勢力とバイアスばね62の付勢力とが釣り合う位置に弁体63の位置を変更する。これにより、混合バルブ60は、混合水Wを吐水する場合に、混合水Wの温度を温度調整ハンドル3の回動位置に応じた設定温度とすることができる。
また、混合水Wを吐水する場合に、たとえば、湯の温度が変わり混合水Wの温度が変化すると、混合水Wの温度に応じて感温ばね61が伸縮し、弁体63が左右方向に移動し、弁体63の釣り合い位置が自動的に変更される。これにより、吐水流路Rに流入する湯量および水量が調整され、混合水Wの温度が自動的に調整される。
開閉バルブ70は、混合バルブ60で混合され混合バルブ60から送られる混合水Wを、複数の給水路、すなわち、吐水管6またはシャワーホース7(図2参照)へ選択的に切り替えるか、吐水または止水する。開閉バルブ70は、混合バルブ60と同様、水栓本体2の軸L上に配置される。
開閉バルブ70は、切替弁体71と、回動軸72とを備える。切替弁体71は、吐水流路Rに設けられる。切替弁体71は、有底の円筒状であり、流量調整ハンドル本体部41Aの回動にあわせて回動し、内部流路部材51の内周面において摺動する。
切替弁体71は、内部流路部材51の中央付近に形成された2つの開口(不図示)へ向かうように設けられる。なお、2つの開口のうち、一方は、吐水管6へ通じる吐水口であり、他方は、シャワーホース7(図2参照)へ通じる吐水口である。
また、切替弁体71には、連通口(不図示)が形成される。流量調整ハンドル本体部41Aの回動にあわせて切替弁体71が回動することで、連通口は、2つの開口のいずれかと連通する。
回動軸72は、内部流路部材51の内周面において回動可能に支持される。回動軸72は、左右いずれか一端部(右端部)が流量調整ハンドル本体部41Aに接続され、他端部(左端部)が切替弁体71に接続される。
流量調整ハンドル本体部41Aが所定の止水位置にある場合には、連通口は、2つの開口のいずれとも連通しない。このため、流量調整ハンドル本体部41Aが所定の止水位置にある場合には、混合水W(または水)は吐水管6およびハンドシャワーから吐水されない。
また、流量調整ハンドル本体部41Aが止水位置から前方に向けて回動した場合には、たとえば、連通口が2つの開口のうちの一方(吐水管6へ通じる吐水口)と連通する。これにより、混合水W(または水)は、一方の開口から吐水管6に流入し、吐水管6の吐水口から吐水される。
また、流量調整ハンドル本体部41Aが止水位置から後方に向けて回動した場合には、たとえば、連通口が2つの開口のうちの他方(シャワーホース7へ通じる吐水口)と連通する。これにより、混合水W(または水)は、他方の開口からシャワーホース7に流入し、ハンドシャワーの吐水口から吐水される。
切替弁体71は、流量調整ハンドル本体部41Aの回動位置に応じて連通口と2つの開口とが連通する面積を変更することができる。すなわち、開閉バルブ70は、流量調整ハンドル本体部41Aの回動位置にあわせて、吐水管6またはハンドシャワーの吐水口から吐水される混合水W(または水)の流量を調整することができる。
流量調整ハンドル本体部41Aは、回動軸72の一端部側の先端部に設けられた開閉バルブ70の接続部であるバルブスプライン部73に接続されるハンドルスプライン部44Aを内面に備える。このように、流量調整ハンドル本体部41Aは、水栓本体2の軸L上における他端部(右端部)に配置され、開閉バルブ70を軸Lまわりに回動可能に、開閉バルブ70と接続される。
また、流量調整ハンドル本体部41Aと連結部43Aと共に流量調整ハンドル4Aを構成するハンドル支持部42Aは、上記したように、水栓本体2の左右いずれか一端部(左端部)において温度調整ハンドル3よりも他端部(右端部)側に温度調整ハンドル3と並んで配置される。
ここで、流量調整ハンドル4A(図2参照)の水栓本体2における一端部(左端部)側の回動支点となるハンドル支持部42Aを設けた場合、温度調整ハンドル3の取り付け位置がノーマルハンドルの場合と比べてハンドル支持部42Aの軸L方向の幅分左右方向の外側(左側)にずれる。このため、水栓装置1Aは、温度調整ハンドル3をハンドル支持部42Aの軸L方向の幅分オフセットさせるオフセット部材33を備える。
<温度調整ハンドル3およびオフセット部材33>
図3A、図3B、図4Aおよび図4Bを参照して温度調整ハンドル3およびオフセット部材33について説明する。図4Aおよび図4Bは、オフセット部材33の斜視図である。なお、図3Aおよび図3Bに示す温度調整ハンドル3の取り付け状態を基準とした場合、図4Aは、オフセット部材33を左上方から見た図であり、図4Bは、オフセット部材33を右上方から見た図である。
図3A、図3B、図4Aおよび図4Bを参照して温度調整ハンドル3およびオフセット部材33について説明する。図4Aおよび図4Bは、オフセット部材33の斜視図である。なお、図3Aおよび図3Bに示す温度調整ハンドル3の取り付け状態を基準とした場合、図4Aは、オフセット部材33を左上方から見た図であり、図4Bは、オフセット部材33を右上方から見た図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、温度調整ハンドル3は、軸L上における一端部(左端部)に配置される。温度調整ハンドル3は、混合バルブ60を軸Lまわりに回動させる。また、温度調整ハンドル3は、混合バルブ60と接続されるためのハンドルスプライン部32を内面に備える。ハンドルスプライン部32は、その外周面に軸L方向に沿って形成された溝32aを備える。
オフセット部材33は、混合バルブ60と温度調整ハンドル3との間に設けられる。オフセット部材33は、混合バルブ60の軸L上における一端部(左端部)側の先端部に設けられ混合バルブ60の接続部であるバルブスプライン部69に接続されるとともに、温度調整ハンドル3に接続される。
図3A、図3B、図4Aおよび図4Bに示すように、オフセット部材33は、バルブ側嵌合部33aと、ハンドル側嵌合部33bと、接続部33cとを備える。バルブ側嵌合部33aは、混合バルブ60のバルブスプライン部69と嵌合することで、バルブスプライン部69に接続される。ハンドル側嵌合部33bは、当接部33baを備える。当接部33baは、温度調整ハンドル3の内面のうち、ハンドルスプライン部32以外の部分と当接する。
接続部33cは、バルブ側嵌合部33aとハンドル側嵌合部33bとの間を径方向に接続する。接続部33cは、複数であり、それぞれ板状に形成され、ハンドル側嵌合部33bから径方向に突出して設けられる。接続部33cは、バルブ側嵌合部33aがバルブスプライン部69と嵌合した状態、かつ、ハンドル側嵌合部33bが温度調整ハンドル3の内面と当接した状態で、ハンドルスプライン部32の溝32a(図3B参照)に入り込んでいる。なお、接続部33cは、単数でもよい。
このように、接続部33cによってバルブ側嵌合部33aとハンドル側嵌合部33bとが径方向に接続されているため、嵌合により動力を伝達するような雌雄部材を軸L方向に延ばさなくても両者を接続することができる。これにより、水栓の全長、すなわち、水栓装置1Aの左右方向の長さを短縮することができる。
また、ハンドルスプライン部32に溝32aを設け、オフセット部材33の接続部33cが溝32aに入り込むことで、ハンドルスプライン部32のスプライン以外の部分で回転動力を伝達することができ、たとえば、バルブ側嵌合部33aとハンドル側嵌合部33bとの間を接続するために接続部を設けた場合など、ハンドルスプライン部32の長さが足りないことによる、回動に対する強度低下を抑えることができる。
温度調整ハンドル3は、上記したように、高温操作規制ボタン31(図3B参照)を備える。図3Bに示すように、高温操作規制ボタン31は、温度調整ハンドル3の外周面に形成された孔部3aから突出している。高温操作規制ボタン31は、板ばねなどの付勢部材311によって温度調整ハンドル3の径方向の外側へ向けて付勢される。
また、高温操作規制ボタン31は、オフセット部材33の外周面33d(図4Aおよび図4B参照)によって径方向の内側へ向けた移動量が規制される。すなわち、高温操作規制ボタン31の押し込み量が規制される。
このように、オフセット部材33が高温操作規制ボタン31の押し込み量を規制することで、オフセット部材33が温度調整ハンドル3の左右方向のオフセットと高温操作規制ボタン31の押し込み量の規制を兼ねるようになる。これにより、部品点数の削減などが可能となる。
<ノーマルハンドルタイプの水栓装置1B>
次に、図5~図7Bを参照してノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bについて説明する。図5は、ノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bの斜視図である。図6は、ノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bの平面図である。図7Aは、図6におけるVI-VI断面図、すなわち、水栓装置1Bの正断面図である。図7Bは、図7AにおけるB部の拡大図である。なお、図7Bには、上記したアーチハンドルタイプの水栓装置1Aにおける温度調整ハンドル3を二点破線で示している。
次に、図5~図7Bを参照してノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bについて説明する。図5は、ノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bの斜視図である。図6は、ノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bの平面図である。図7Aは、図6におけるVI-VI断面図、すなわち、水栓装置1Bの正断面図である。図7Bは、図7AにおけるB部の拡大図である。なお、図7Bには、上記したアーチハンドルタイプの水栓装置1Aにおける温度調整ハンドル3を二点破線で示している。
また、ノーマルハンドルタイプの水栓装置1Bは、上記したアーチハンドルタイプの水栓装置1Aと共通の操作ハンドル(温度調整ハンドル3)を使用することができる。水栓装置1Bは、水栓装置1Aとは流量調整ハンドル4の構成が相違する。このため、以下で説明する水栓装置1Bにおいて水栓装置1Aと同一または同等の箇所については、同一の符号を付し、説明についても省略する場合がある。
図5および図6に示すように、水栓装置1Bは、流量調整ハンドル4Bを備える。流量調整ハンドル4Bは、流量調整ハンドル本体部41Bと、操作部43Bとを備える。操作部43Bは、流量調整ハンドル本体部41Bの外周面において前方へ向けて突出している。
図7Aおよび図7Bに示すように、水栓装置1Bにおいて、温度調整ハンドル3は、内面に設けられたハンドルスプライン部32が混合バルブ60のバルブスプライン部69に接続されることで、混合バルブ60と接続される。
図7Bに示すように、水栓装置1A(図3B参照)と水栓装置1Bとにおける温度調整ハンドル3の取り付け位置は、左右方向(軸L方向)に、ハンドル支持部の軸L方向の幅d分だけオフセットされる。
このように、実施形態に係る水栓装置1(1A,1B)によれば、混合バルブ60と温度調整ハンドル3との間にオフセット部材33を設けることで、温度調整ハンドル3の取り付け位置をハンドル支持部42Aの軸L方向の幅分オフセットすることが可能なため、ハンドル支持部42Aの有無に関わらず、すなわち、アーチハンドルやノーマルハンドルのような一方の操作ハンドルである流量調整ハンドル4(4A,4B)の種類に関わらず、他方の操作ハンドルである温度調整ハンドル3に同一のものを使用することができる。すなわち、操作ハンドルを共通化することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1A 水栓装置
2 水栓本体
3 温度調整ハンドル
31 高温操作規制ボタン
32 ハンドルスプライン部
32a 溝
33 オフセット部材
33a バルブ側嵌合部
33b ハンドル側嵌合部
33c 接続部
41A 流量調整ハンドル本体部
42A ハンドル支持部
43A 連結部
60 混合バルブ
69 バルブスプライン部
70 開閉バルブ
L 軸
2 水栓本体
3 温度調整ハンドル
31 高温操作規制ボタン
32 ハンドルスプライン部
32a 溝
33 オフセット部材
33a バルブ側嵌合部
33b ハンドル側嵌合部
33c 接続部
41A 流量調整ハンドル本体部
42A ハンドル支持部
43A 連結部
60 混合バルブ
69 バルブスプライン部
70 開閉バルブ
L 軸
Claims (5)
- それぞれの供給源から供給される水および湯を混合する混合バルブと該混合バルブから送られる混合水を複数の給水路へ選択的に切り替えるか前記混合水を吐水または止水する開閉バルブとが内部において軸上に配置される水栓本体と、
前記複数の給水路から供給される混合水をそれぞれ吐水する複数の吐水口と、
前記水栓本体の前記軸上における一端部に配置され、前記混合バルブを前記軸まわりに回動させる温度調整ハンドルと、
前記水栓本体の前記軸上における他端部に配置され、前記開閉バルブを前記軸まわりに回動可能に該開閉バルブと接続される流量調整ハンドル本体部と、
前記水栓本体の前記一端部において前記温度調整ハンドルよりも前記他端部側に配置され、前記軸まわりに回動可能なハンドル支持部と、
前記流量調整ハンドル本体部と前記ハンドル支持部とを前記水栓本体の外部において連結する連結部と、
前記混合バルブと前記温度調整ハンドルとの間に設けられ、前記温度調整ハンドルを前記ハンドル支持部の前記軸方向の幅分オフセットさせるオフセット部材と
を備えることを特徴とする水栓装置。 - 前記温度調整ハンドルは、高温側の操作を規制する高温操作規制ボタンを備え、
前記高温操作規制ボタンは、前記オフセット部材によって押し込み量が規制されることを特徴とする請求項1に記載の水栓装置。 - 前記混合バルブは、前記水栓本体の前記軸上における一端部側の先端部にバルブスプライン部を備え、
前記オフセット部材は、
前記バルブスプライン部と嵌合するバルブ側嵌合部と、
前記温度調整ハンドルの内面と当接するハンドル側嵌合部と、
前記バルブ側嵌合部と前記ハンドル側嵌合部との間を径方向に接続する接続部と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の水栓装置。 - 前記温度調整ハンドルは、ハンドルスプライン部を備え、
前記ハンドル側嵌合部は、前記ハンドルスプライン部以外の部分と当接することを特徴とする請求項3に記載の水栓装置。 - 前記ハンドルスプライン部は、前記接続部が入り込む溝を備えることを特徴とする請求項4に記載の水栓装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018150877A JP7119739B2 (ja) | 2018-08-09 | 2018-08-09 | 水栓装置 |
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JP (1) | JP7119739B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005171519A (ja) | 2003-12-08 | 2005-06-30 | Toto Ltd | 水栓装置 |
JP2007205424A (ja) | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Toto Ltd | 水栓装置 |
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JP2000028017A (ja) * | 1998-07-09 | 2000-01-25 | Toto Ltd | 水栓装置 |
-
2018
- 2018-08-09 JP JP2018150877A patent/JP7119739B2/ja active Active
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