JP7118783B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統に対して連系可能に接続され、直流電力(DC電力)を交流電力(AC電力)に変換する系統連系インバータ装置に関するものである。
図4は、特許文献1、2等に記載された従来の単相系統連系インバータ装置10を示す構成図である。
単相系統連系インバータ装置10は、直流電源1から供給される直流入力電圧Vinを単相交流の出力電圧Voに変換する装置であり、例えば、単相の商用電力系統である電力系統2に対し、遮断器3等を介して連系可能に接続されている。系統連系インバータ装置10の出力側には、負荷装置4が分岐接続されている。
系統連系インバータ装置10は、直流入力電圧Vinを所定の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ11を有し、この出力側に、電荷蓄積用の入力コンデンサ12が並列に接続されている。入力コンデンサ12には、DC/ACインバータ13が接続されている。DC/ACインバータ13は、入力コンデンサ12の電圧Vdcを、図示しない制御回路から供給されるスイッチング駆動信号によりオン/オフ動作して、交流のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvを出力する回路であり、4つのスイッチ素子(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、これを以下「IGBT」という。)13a1,13a2,13b1,13b2がブリッジ接続されて構成されている。DC/ACインバータ13の出力側には、フィルタ回路14が接続されている。フィルタ回路14は、入力されるインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高周波成分を除去して出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力する回路であり、インダクタ14a及び出力コンデンサ14bのLC回路により構成されている。フィルタ回路14の出力側には、図示しない制御回路によりオン/オフ制御される開閉器15が接続されている。
この種の単相系統連系インバータ装置10では、直流電源1から供給される直流入力電圧Vinが、DC/DCコンバータ11により所定の直流電圧に変換され、入力コンデンサ12に蓄積される。入力コンデンサ12に蓄積された電圧Vdcは、DC/ACインバータ13により交流のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvに変換された後、フィルタ回路14によって高周波成分が除去される。高周波成分が除去された交流の出力電圧Vo及び出力電流Ioは、開閉器15を介して負荷装置4及び電力系統2側へ出力される。電力系統2に停電等が発生すると、遮断器3がオフ状態になり、系統連系インバータ装置10が電力系統2から切り離されて単独運転状態となり、その系統連系インバータ装置10の出力電圧Vo及び出力電流Ioが負荷装置4へ供給される。
図5は、従来の三相系統連系インバータ装置10Aを示す構成図である。この図5において、従来の図4に示す単相系統連系インバータ装置10と共通の要素には、共通の符号が付されている。
図5の三相系統連系インバータ装置10Aは、三相の商用電力系統である電力系統2Aと連系される装置である。電力系統2Aと系統連系インバータ装置10Aとの間には、三相用の遮断器3A及び負荷装置4Aが接続されている。
三相用系統連系インバータ装置10Aは、図4と同様のDC/DCコンバータ11及び入力コンデンサ12と、図4とは構成の異なる三相用のDC/ACインバータ13A、フィルタ回路14A及び開閉器15と、を有している。
DC/ACインバータ13Aは、入力コンデンサ12の電圧Vdcを、図示しない制御回路から供給されるスイッチング駆動信号によりオン/オフ動作して、三相交流のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvを出力する回路であり、6つのスイッチ素子(例えば、IGBT)13a1~13a3,13b1~13b3がブリッジ接続されて構成されている。フィルタ回路14Aは、入力されるインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高周波成分を除去して三相の出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力する回路であり、3つのインダクタ14a1~14a3及び3つの出力コンデンサ14b1~14b3のLC回路により構成されている。フィルタ回路14Aの出力側には、図示しない制御回路によりオン/オフ制御される三相用の開閉器15Aが接続されている。
このような三相系統連系インバータ装置10Aでも、単相系統連系インバータ装置10と略同様の動作が行われる。
特開2001-186664号公報 特許第6173978号公報(特開2016-12971号公報)
一般社団法人日本電気協会「系統連系規程 JEAC9701-2016」2017年3月、追補版発行
図6(a)、(b)は、従来の図5の三相系統連系インバータ装置10Aの課題を説明するための、単独運転となった時の高周波電圧出力例を示す波形図である。更に、図7(a)、(b)は、従来の図5の三相系統連系インバータ装置10Aの課題を説明するための、単独運転となった時の高電圧出力例を示す波形図である。
図6(a)、(b)では、三相系統連系インバータ装置10Aが進み力率出力条件で単独運転となった時の高周波電圧出力例が示されており、同図(a)は出力電圧Voの波形、及び同図(b)は出力電流Ioの波形であり、横軸が時刻である。図6(a)、(b)の左側が電力系統停電前の波形、及び右側が電力系統停電後の波形である。
例えば、電力系統停電で三相系統連系インバータ装置10Aが単独運転状態となった時、略無負荷状態で出力電流Ioが殆ど流れないが、高周波電圧が出力されている。そのため、負荷装置4Aに悪影響を与えるので、対策を講じる必要がある。
図7(a)、(b)では、軽負荷条件において電力系統停電で三相系統連系インバータ装置10Aが単独運転状態となった時の高電圧出力例が示されており、同図(a)は出力電圧Voの波形、及び同図(b)は出力電流Ioの波形であり、横軸が時刻である。図7(a)、(b)の左側が電力系統停電前の波形、及び右側が電力系統停電後の波形である。
三相系統連系インバータ装置10Aが発振停止して単独運転となった後も、出力コンデンサ14b1~14b3の残電荷が放電されないために、高電圧出力状態が継続している。
従来の図5の三相系統連系インバータ装置10Aでは、以下のような課題がある。
DC/ACインバータ13Aの出力電力と負荷装置4Aの消費電力との不均衡(アンバランス)条件において、電力系統2Aの停電時に、例えば、負荷装置4Aの消費電力が少ない場合、系統連系インバータ装置10Aの単独運転を検出するまでに、DC/ACインバータ13Aが出力を継続することがある。このような場合、図7(a)、(b)の右側の出力電圧Vo及び出力電流Ioの波形に示すように、DC/ACインバータ13Aの出力電力が、フィルタ回路14A内の出力コンデンサ14b1~14b3に蓄積して出力端に高電圧を発生し、負荷装置4Aを損傷する恐れがある。又、無効電力のアンバランス条件において、系統連系インバータ装置10Aが電力系統2Aから切り離された単独運転状態になると、図6(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、系統連系インバータ装置10Aから高周波の出力電圧Voを出力してしまう恐れがある。
非特許文献1に記載された系統連系規程により、系統連系インバータ装置10A内のDC/ACインバータ13Aから進み力率の出力が求められている。そのため、系統連系インバータ装置10Aが単独運転状態になると、図6(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、高周波電圧出力となるリスクが高くなる。負荷装置4A内のコンデンサに高周波電圧が印加されると、そのコンデンサに過大な高周波電流が流れて負荷装置4Aを損傷することが考えられる。
特許文献1の技術では、安全動作のために、系統連系インバータ装置10A内の過電圧・過電流を検出し、系統連系インバータ装置10Aを停止させ、放電回路にて出力コンデンサ14b1~14b3の電荷を放電させるようにしている。しかし、専用の放電回路が必要になるため、系統連系インバータ装置10Aの部品点数が増えて装置コストが高くなる問題がある。
これと同様の問題が、従来の図4の単相系統連系インバータ装置10にもある。
本発明の系統連系インバータ装置は、直流入力電圧が印加される入力コンデンサと、電力系統に連系可能に接続され、前記入力コンデンサに蓄積された直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換し、前記電力系統側へ出力するインバータと、インダクタ及び出力コンデンサを有し、前記インバータから出力される前記交流電圧の高調波成分を除去して交流の出力電圧を出力するフィルタ回路と、前記インバータのスイッチング動作を制御する制御回路と、を備えている。
前記制御回路は、前記出力電圧の異常状態を検出して異常検出結果を出力する異常検出部と、前記インバータから出力されるインバータ電流を計測して電流計測値を出力する電流計測部と、通常運転時にはインバータ電流指令を入力し、前記異常検出部から前記異常検出結果が出力されると、前記インバータ電流指令をコンデンサ放電電流指令に切り替えて入力する切替部と、前記切替部に入力された前記インバータ電流指令又は前記コンデンサ放電電流指令のいずれか一方と、前記電流計測値と、の誤差を減少するような電流制御によって前記スイッチング動作を制御するスイッチング制御部と、を有し、前記異常検出結果に基づき、前記電力系統から切り離された単独運転状態を検出した時に、前記出力コンデンサの蓄積電荷を、前記スイッチング動作及び前記電流制御にて、前記インバータを経由して前記入力コンデンサへ放電させるように制御する、構成になっている。
本発明の系統連系インバータ装置によれば、異常検出部で検出された出力電圧の異常状態の異常検出結果に基づき、系統連系インバータ装置の単独運転状態を検出した時に、出力コンデンサの蓄積電荷を、インバータのスイッチング動作とスイッチング制御部の電流制御とにより、そのインバータを経由して入力コンデンサへ放電させるようにしている。そのため、負荷装置への安全保護が行える。更に、出力コンデンサの蓄積電荷を放電するための専用の放電回路を必要としないので、部品点数の削減により、装置コストの低減が可能になる。
本発明の実施例1における三相系統連系インバータ装置30を示す構成図 図1中の異常検出部50の構成例を示す機能ブロック図 本発明の実施例2における異常検出部50Aの構成例を示す機能ブロック図 従来の単相系統連系インバータ装置10を示す構成図 従来の三相系統連系インバータ装置10Aを示す構成図 従来の三相系統連系インバータ装置10Aの課題を説明するための、単独運転となった時の高周波電圧出力例を示す波形図 従来の三相系統連系インバータ装置10Aの課題を説明するための、単独運転となった時の高電圧出力例を示す波形図
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における三相系統連系インバータ装置30を示す構成図である。
三相系統連系インバータ装置30は、直流電源21から供給される直流入力電圧Vinを三相u,v,w交流の出力電圧Voに変換する装置であり、例えば、三相の商用電力系統である電力系統22に対し、三相用遮断器23等を介して連系可能に接続されている。系統連系インバータ装置30の出力側には、三相用負荷装置24が分岐接続されている。
系統連系インバータ装置30は、図示しない制御部の制御によって直流入力電圧Vinを所定の直流電圧に変換する昇圧チョッパ方式等の単相DC/DCコンバータ31を有し、この出力側に、電荷蓄積用の入力コンデンサ32が並列に接続されている。入力コンデンサ32には、三相DC/ACインバータ33が接続されている。三相DC/ACインバータ33は、入力コンデンサ32の電圧Vdcを、制御回路40から供給されるスイッチング駆動信号S45によりオン/オフ動作して、三相u,v,w交流のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvを出力する回路である。この三相DC/ACインバータ33は、スイッチング駆動信号S45によりオン/オフ動作する6つのスイッチ素子(例えば、IGBT)33a1~33a3,33b1~33b3がブリッジ接続されて構成されている。各IGBT33a1~33a3,33b1~33b3には、それぞれボディダイオード33cが逆並列に接続されている。
DC/ACインバータ33の出力側には、三相用フィルタ回路34が接続されている。三相用フィルタ回路34は、三相のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvの高周波成分を除去して、三相の出力周波数foを有する出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力する回路である。この三相用フィルタ回路34は、3つのインダクタ34a1~34a3及び3つの出力コンデンサ34b1~34b3のLC回路により構成され、この出力側に、制御回路40によりオン/オフ制御されるリレー等の三相用開閉器35が接続されている。
インダクタ34a1,34a3の出力側には、インバータ電流Iinvを計測して計測電流iinvを出力する計器用変流器(CT)やシャント抵抗等の電流計測器36a,36bが取り付けられている。更に、フィルタ回路34の出力側には、出力電圧Voを計測して三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)を出力する計器用変圧器(VT)や抵抗分割回路等の電圧計測器37が取り付けられている。電流計測器36a,36b及び電圧計測器37の出力側には、制御回路40が接続されている。
制御回路40は、計測電流iinv及び計測電圧voに基づき、DC/ACインバータ33のスイッチング動作を制御するためのスイッチング駆動信号S45を生成し、更に、開閉器35をオン/オフするための制御信号等を生成する機能を有している。
制御回路40は、計測電流iinvをデジタル信号の電流計測値S41に変換する電流計測部41と、インバータ電流指令CCaとコンデンサ放電電流指令CCbとを切り替えて入力する切替部42と、を有し、この電流計測部41及び切替部42の出力側に、スイッチング制御部が接続されている。そのスイッチング制御部は、切替部42に入力されたインバータ電流指令CCa又はコンデンサ放電電流指令CCbのいずれか一方と、電流計測値S41と、の誤差を減少するような電流制御によってDC/ACインバータ33のスイッチング動作を制御する機能を有し、減算器43、電流制御部44、及びパルス幅変調制御部(以下「PWM制御部」という。)45により構成されている。
減算部43は、電流計測部41及び切替部42の出力側に接続され、切替部42で切り替えて入力されたインバータ電流指令CCa又はコンデンサ放電電流指令CCbから電流計測値S41を減算して減算値S43を出力するものであり、この出力側に、電流制御部44が接続されている。
電流制御部44は、減算値S43に対して比例積分制御等のフィーバック制御を行って変調制御信号S44を出力するものであり、この出力側に、PWM制御部45が接続されている。PWM制御部45は、三角波等の搬送波により変調制御信号S44をパルス幅変調してスイッチング駆動信号S45を生成し、このスイッチング駆動信号S45によってDC/ACインバータ33内のIGBT33a1~33a3,33b1~33b3をオン/オフ動作させるものである。
電圧計測器37の出力側には、異常検出部50が接続されている。異常検出部50は、計測電圧voに基づき、出力電圧Voの異常状態(例えば、過電圧や出力周波数foの異常状態)を検出して異常検出結果S50を出力し、切替部42の入力側を、インバータ電流指令CCa側からコンデンサ放電電流指令CCb側へ切り替えさせるものである。その切替部42を含む電流計測部41、減算部43、電流制御部44及びPWM制御部45は、異常検出結果S50に基づき、電力系統22から切り離された単独運転状態を検出した時に、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷を、DC/ACインバータ33のスイッチング動作とスイッチング制御部の電流制御とにより、そのDC/ACインバータ33を経由して入力コンデンサ32へ放電させる機能を有している。
制御回路40は、その他、図示しないが、系統連系インバータ装置30の単独運転状態を検出して開閉器35をオフ状態にするための単独運転制御部等も有している。このような制御回路40は、中央処理装置(CPU)を有するプロセッサや個別回路等により構成されている。
図2は、図1中の異常検出部50の構成例を示す機能ブロック図である。
この異常検出部50は、出力電圧Voの異常状態(例えば、過電圧の異常状態)を示す異常検出結果S50を出力する機能を有し、ベクトル電圧検出部51を備えている。ベクトル電圧検出部51の出力側には、フィルタ52、上限値超過検出部53、及び所定時間継続検出部54がカスケード接続(縦続接続)されている。異常検出部50には、更に、スイッチング駆動信号S45のデューティ比DRを入力する上限値又は下限値超過検出部55と、計測電圧voの瞬時値である計測電圧瞬時値の絶対値voiを入力する上限値超過検出部57と、が設けられている。上限値又は下限値超過検出部55の出力側には、所定時間継続検出部56が接続されている。上限値超過検出部57の出力側にも、所定時間継続検出部58が接続されている。3つの所定時間継続検出部54,56,58の出力側には、オア部(以下「OR部」という。)59が接続されている。
ベクトル電圧検出部51は、電圧計測器37で計測された出力電圧Voの計測電圧voに対するベクトル演算を行って交流電圧振幅vdを瞬時に算出するものであり、三相/二相電圧変換部51a及び交流電圧振幅算出部51bを有している。三相/二相電圧変換部51aは、次式(1)のベクトル演算により、三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)を二相α,βの計測電圧vα,vβに変換して、交流電圧振幅算出部51bへ出力するものである。
Figure 0007118783000001
・・・(1)
交流電圧振幅算出部51bは、次式(2)により、計測電圧vα,vβから交流電圧振幅vdを瞬時に算出して、フィルタ52へ出力するものである。
vd=√(vα+vβ) ・・・(2)
フィルタ52は、交流電圧振幅vdを平滑して上限値超過検出部53へ出力するものである。上限値超過検出部53は、平滑された交流電圧振幅S52が上限値の閾値を超えたことを検出すると、この上限値超過検出結果S53を所定時間継続検出部54へ出力するものである。所定時間継続検出部54は、上限値超過検出結果S53が所定時間以上継続していることを検出すると、この所定時間継続検出結果S54をOR部59へ出力するものである。
上限値又は下限値超過検出部55は、スイッチング駆動信号S45のデューティ比DRが所定の上限値又は下限値を超えたことを検出すると、この上限値又は下限値超過検出結果S55を所定時間継続検出部56へ出力するものである。所定時間継続検出部56は、上限値又は下限値超過検出結果S55が所定時間以上継続していることを検出すると、この所定時間継続検出結果S56をOR部59へ出力するものである。
上限値超過検出部57は、計測電圧瞬時値の絶対値(=|計測電圧瞬時値|)voiが所定の上限値を超えたことを検出すると、この上限値超過検出結果S57を所定時間継続検出部58へ出力するものである。所定時間継続検出部58は、上限値超過検出結果S57が所定時間以上継続したことを検出すると、この所定時間継続検出結果S58をOR部59へ出力するものである。
OR部59は、3つの所定時間継続検出結果S54,S55,S56の論理和を求め、そのいずれか1つを入力すると、出力電圧Voの異常状態を示す異常検出結果S50を、図1中の切替部42に与えるものである。
(実施例1の通常動作)
図1の系統連系インバータ装置30は、通常動作の場合、遮断器23及び開閉器35がオン状態となり、電力系統22と連系されている。切替部42の入力側は、インバータ電流指令CCa側に接続され、その切替部42に入力された目標となるインバータ電流指令CCaが減算部43へ入力されている。
直流電源1から供給された直流入力電圧Vinは、DC/DCコンバータ31により所定の直流電圧に変換され、この直流電圧の電荷が入力コンデンサ32に蓄積される。入力コンデンサ32に蓄積された直流電圧Vdcは、DC/ACインバータ33内におけるIGBT33a1~33a3,33b1~33b3のスイッチング動作により、三相のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvに変換される。変換された三相のインバータ電圧Vinv及びインバータ電流Iinvは、フィルタ回路34内のインダクタ34a1~34a3及び出力コンデンサ34b1~34b3によって高周波成分が除去され、三相の出力周波数foを有する出力電圧Voが生成される。高周波成分が除去された三相の出力周波数foを有する出力電圧Voは、開閉器35を介して負荷装置24側へ出力される。
インバータ電流Iinvは、電流計測器36a,36bによって計測され、この電流計測器36a,36bから出力された計測電流iinvが、電流計測部41によってデジタル信号の電流計測値S41に変換され、減算部43へ送られる。減算部43は、入力されたインバータ電流指令CCaから電流計測値S41を減算し、この減算値S43を電流制御部44へ送る。電流制御部44は、入力された減算値S43を減少させるために、比例積分制御等のフィートバック制御を行って変調制御信号S44を生成し、PWM制御部45へ与える。PWM制御部45は、変調制御信号S44を三角波等の搬送波によりパルス幅変調してスイッチング駆動信号S45を生成し、このスイッチング駆動信号S45によってDC/ACインバータ33内のIGBT33a1~33a3,33b1~33b3をオン/オフ動作させる。これにより、インダクタ34a1~34a3を流れるインバータ電流Iinvは、インバータ電流指令CCaと一致する電流値に保持される。
例えば、直流電源21の直流入力電圧Vinが変動し、系統連系インバータ装置30の出力電力が電力系統22の供給電力よりも大きくなると、その系統連系インバータ装置30の出力電力が負荷装置24へ供給されると共に、電力系統22へ供給(逆潮流)される。これに対し、系統連系インバータ装置30の出力電力が電力系統22の供給電力よりも小さくなると、その電力系統22の供給電力が負荷装置24へ供給される。又、負荷装置24の消費電力が大きくなると、系統連系インバータ装置30の出力電力及び電力系統22の供給電力がその負荷装置24へ供給される。
電力系統22が停電等によって遮断器23がオフ状態になると、その電力系統22から負荷装置24への電力供給が停止され、系統連系インバータ装置30が、単独運転状態へ移行する。
(実施例1の単独運転時の動作)
例えば、図1において、電力系統22の停電等によって遮断器23がオフ状態になり、系統連系インバータ装置30が単独運転状態へ移行する時に、出力電圧Voが過電圧の異常状態になった場合、その出力電圧Voが電圧計測器37で計測され、その電圧計測器37から出力される計測電圧voが、図2の異常検出部50内のベクトル電圧検出部51に入力される。
ベクトル電圧検出部51において、入力された計測電圧voは、三相/二相電圧変換部51aによって式(1)のベクトル演算が行われ、三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)が二相α,βの計測電圧vα,vβに変換され、交流電圧振幅算出部51bへ出力される。交流電圧振幅算出部51bは、変換された二相α,βの計測電圧vα,vβに基づき、式(2)の演算行って交流電圧振幅vdを瞬時に算出する。
算出された交流電圧振幅vdは、フィルタ52のデジタル処理等により、平滑された交流電圧振幅S52が生成され、上限値超過検出部53へ出力される。上限値超過検出部53は、入力された交流電圧振幅S52が、上限値の閾値を超えたか否かを監視し、上限値の閾値を超えたことを検出すると、上限値超過検出結果S53を所定時間継続検出部54へ出力する。所定時間継続検出部54は、上限値超過検出結果S53が所定時間以上継続しているか否かを監視し、所定時間以上継続したことを検出すると、所定時間継続検出結果S54をOR部59へ出力する。OR部59は、所定時間継続検出結果S54を入力すると、出力電圧Voが過電圧の異常状態になっていることを示す異常検出結果S50を出力する。この時、図1の制御回路40内の図示しない単独運転検出部により、系統連系インバータ装置30の単独運転状態が検出され、その後、開閉器35がオフ状態になる。
OR部59から出力された異常検出結果S50に基づき、図1の切替部42の入力側がコンデンサ放電電流指令CCb側に切り替わり、コンデンサ放電電流指令CCbが切替部42に入力されて減算部43へ送られる。減算部43は、コンデンサ放電電流指令CCbから電流計測値S41を減算し、この減算値S43を電流制御部44へ送る。
電流制御部44は、減算値S43に対して比例積分制御等のフィートバック制御を行って変調制御信号S44を生成し、PWM制御部45へ出力する。PWM制御部45は、三角波等の搬送波により変調制御信号S44をパルス幅変調してスイッチング駆動信号S45を生成する。このスイッチング駆動信号S45により、DC/ACインバータ33内のIGBT33a1~33a3,33b1~33b3が回生動作モードになる。
すると、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷が、インダクタ34a1~34a3を通して、各IGBT33a1~33a3,33b1~33b3のスイッチング動作により、その蓄積電荷が電圧Vdcまで昇圧され、入力コンデンサ32へ放電される。その結果、系統連系インバータ装置30の出力端における高電圧の発生が抑制される。
更に、図2の異常検出部50は、スイッチング駆動信号S45のデューティ比DRと、計測電圧瞬時値の絶対値(=|計測電圧瞬時値|)voiと、により過電圧状態を監視している。
例えば、異常検出部50内の上限値又は下限値超過検出部55は、DC/ACインバータ33のスイッチング動作を制御するためのスイッチング駆動信号S45のデューティ比DRが所定の上限値又は下限値を超えたか否かを監視し、所定の上限値又は下限値を超えたことを検出すると、上限値又は下限値超過検出結果S55を所定時間継続検出部56へ出力する。所定時間継続検出部56は、上限値又は下限値超過検出結果S55が所定時間以上継続したか否かを監視し、所定時間以上継続したことを検出すると、所定時間継続検出結果S56をOR部59へ出力する。OR部59は、所定時間継続検出結果S56を入力すると、異常検出結果S50を図1中の切替部42に与える。
これにより、切替部42の入力側がコンデンサ放電電流指令CCb側に切り替わり、上記と同様に、減算部43、電流制御部44及びPWM制御部45の動作により、IGBT33a1~33a3,33b1~33b3が回生動作モードになる。そして、出力コンデンサ34b1~34b3に蓄積された電荷が、インダクタ34a1~34a3を通して、各IGBT33a1~33a3,33b1~33b3のスイッチング動作により、電圧Vdcまで昇圧され、入力コンデンサ32へ放電される。その結果、系統連系インバータ装置30の出力端における高電圧の発生が抑制される。
又、図2の異常検出部50内の上限値超過検出部57は、電圧計測器37で計測された計測電圧voの瞬時値の絶対値voiが所定の上限値を超えたか否かを監視し、所定の上限値を超えたことを検出すると、上限値超過検出結果S57を所定時間継続検出部58へ出力する。所定時間継続検出部58は、上限値超過検出結果S57が所定時間以上継続したか否かを監視し、所定時間以上継続したことを検出すると、所定時間継続検出結果S58をOR部59へ出力する。OR部59は、所定時間継続検出結果S58を入力すると、異常検出結果S50を図1の切替部42に与える。
これにより、上記と同様に、切替部42の入力側がコンデンサ放電電流指令CCb側に切り替わり、出力コンデンサ34b1~34b3に蓄積された電荷が、インダクタ34a1~34a3を通して、各IGBT33a1~33a3,33b1~33b3のスイッチング動作により、電圧Vdcまで昇圧され、入力コンデンサ32へ放電される。その結果、系統連系インバータ装置30の出力端における高電圧の発生が抑制される。
(実施例1の効果)
本実施例1の系統連系インバータ装置30によれば、以下の(a)、(b)のような効果がある。
(a) 上記課題で説明したように、従来の図5の系統連系インバータ装置10Aでは、DC/ACインバータ13Aの出力電力と負荷装置4Aの消費電力とのアンバランス条件において、電力系統2Aの停電時に、例えば、負荷装置4Aの消費電力が少ない場合、系統連系インバータ装置10Aの単独運転を検出するまでに、DC/ACインバータ13Aが出力を継続することがある。このような場合、図7(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、DC/ACインバータ13Aの出力電力がフィルタ回路14A内の出力コンデンサ14b1~14b3に蓄積して出力端に高電圧を発生し、負荷装置4Aを損傷する恐れがある。
これに対して、本実施例1の系統連系インバータ装置30では、異常検出部50により、出力電圧Voにおける過電圧の異常状態を高速(例えば、数ms)に検出し、この異常検出結果S50に基づき、系統連系インバータ装置30の単独運転状態を検出した時に、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷を、インダクタ34a1~34a3を通して、回生動作モードのDC/ACインバータ33のスイッチング動作とスイッチング制御部の電流制御とにより、そのDC/ACインバータ33を経由して、入力コンデンサ32へ放電させるようにしている。これにより、系統連系インバータ装置30の高電圧発生を抑制し、負荷装置24を安全に保護できる。
(b) 従来のように、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷を放電するための専用の放電回路を必要としないので、部品点数の削減により、装置コストの低減が可能になる。
(実施例2の構成)
図3は、本発明の実施例2における異常検出部50Aの構成例を示す機能ブロック図であり、実施例1の図2に示す異常検出部50と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の異常検出部50Aは、図示を省略した実施例1のベクトル電圧検出部51、フィルタ52、上限値超過検出部53、所定時間継続検出部54、上限値又は下限値超過検出部55、所定時間継続検出部56、上限値超過検出部57及び所定時間継続検出部58と、実施例1のOR部59と、を有する他に、以下の構成が追加されている。
本実施例2の異常検出部50Aでは、電圧計測器37の出力側に接続された瞬時位相検出部61を有し、この瞬時位相検出部61の出力側に、遅延部62及び減算部63が接続されている。更に、減算部63の出力側には、瞬時周波数演算処理部64、ローパスフィルタ65、及び所定時間継続検出部66が縦続接続されている。所定時間継続検出部66の出力側には、OR部59が接続されている。
瞬時位相検出部61は、三相u,v,wの計測電圧voのベクトル演算を行って交流電圧位相角θ(n)を算出するものであり、三相/二相電圧変換部61a及び交流電圧位相角算出部61bにより構成されている。三相/二相電圧変換部61aは、式(1)のベクトル演算を行い、三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)を二相α,βの計測電圧vα,vβに変換するものであり、この出力側に、交流電圧位相角算出部61bが接続されている。交流電圧位相角算出部61bは、変換された計測電圧vα,vβから、次式(3)により、交流電圧位相角θ(n)を算出するものであり、この出力側に、遅延部62及び減算部63が接続されている。
θ(n)=tan-1(vα/vβ)・・・(3)
遅延部62は、交流電圧位相角θ(n)を1サンプリング周期だけ遅延(z-1、但し、zはz変換演算子)させ、遅延後の交流電圧位相角θ(n-1)を減算部63へ出力するものである。減算部63は、交流電圧位相角θ(n)から遅延後の交流電圧位相角θ(n-1)を減算して位相角変化量Δθ(n)を求めるものであり、この出力側に、瞬時周波数演算処理部64が接続されている。瞬時周波数演算処理部64は、次式(4)に従い、サンプリング周期(1/fs)の位相角変化量Δθ(n)により、瞬時周波数fiを算出するものであり、この出力側に、ローパスフィルタ65が接続されている。
fi=Δθ(n)×(fs/2π)・・・(4)
但し、fs;サンプリング周波数
ローパスフィルタ65は、瞬時周波数fiの高周波成分を除去するものであり、例えば、デジタル処理を行う場合、入力信号をx(n)、出力信号をy(n)にすると、次式(5)から、その出力信号y(n)を算出できる。
y(n)=(1-k)×y(n-1)+k×x(n)・・・(5)
但し、k;フィルタ定数
なお、ローパスフィルタ65の構成は、式(5)の演算式に限定されず、種々の構成を採用できる。このローパスフィルタ65の出力側には、所定時間継続検出部66が接続されている。
所定時間継続検出部66は、高周波成分が除去された瞬時周波数filが所定の上下限値を超えてこの上下限超過状態が所定時間以上継続するか否かの監視を行い、所定時間以上継続したことを検出すると、出力電圧Voの異常状態(例えば、出力周波数foの異常状態)を示す検出結果S66をOR部59へ出力するものである。OR部59からは、出力周波数foの異常状態を示す検出結果S66に対応する異常検出結果S50が出力され、図1中の切替部42へ与えられる構成になっている。
(実施例2の動作)
図3の異常検出部50Aにおいて、図1の三相u,v,wの出力電圧Voが電圧計測器37で計測されると、この三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)が瞬時位相検出部61内の三相/二相変換部61aに入力される。三相/二相変換部61aは、式(1)により、三相u,v,wの計測電圧vo(=vu,vv,vw)のベクトル演算を行い、三相u,v,wの計測電圧voを二相の計測電圧vα,vβに変換し、この計測電圧vα,vβを交流電圧位相角算出部61bへ出力する。交流電圧位相角算出部61bは、変換された計測電圧vα,vβから、式(3)により、交流電圧位相角θ(n)を算出し、この交流電圧位相角θ(n)を遅延部62及び減算部63へ出力する。
遅延部62は、交流電圧位相角θ(n)を1サンプリング周期だけ遅延(z-1)させ、遅延後の交流電圧位相角θ(n-1)を減算部63へ出力する。減算部63は、交流電圧位相角θ(n)から遅延後の交流電圧位相角θ(n-1)を減算して位相角変化量Δθ(n)を求め、この位相角変化量Δθ(n)を瞬時周波数演算処理部64へ出力する。瞬時周波数演算処理部64は、式(4)により、位相角変化量Δθ(n)から瞬時周波数fiを算出し、この瞬時周波数fiをローパスフィルタ65へ出力する。
ローパスフィルタ65は、式(5)等から、瞬時周波数fiの高周波成分を除去し、この除去した瞬時周波数filを所定時間継続検出部66へ出力する。所定時間継続検出部66は、高周波成分が除去された瞬時周波数filが所定の上下限値を超えてこの上下限超過状態が所定時間以上継続するか否かの監視を行い、所定時間以上継続したことを検出すると、出力周波数foの異常状態を示す検出結果S66をOR部59へ出力する。すると、OR部59から、出力周波数foの異常状態を示す検出結果S66に対応する異常検出結果S50が出力され、図1中の切替部42に与えられる。
そして、実施例1と同様に、切替部42の入力側がコンデンサ放電電流指令CCb側に切り替わり、減算部43、電流制御部44及びPWM制御部45の動作により、IGBT33a1~33a3,33b1~33b3が回生動作モードになる。すると、出力コンデンサ34b1~34b3に蓄積された電荷が、インダクタ34a1~34a3を通して、各IGBT33a1~33a3,33b1~33b3のスイッチング動作により、電圧Vdcまで昇圧され、入力コンデンサ32へ放電される。これにより、系統連系インバータ装置30の出力端における高電圧の発生が抑制される。
(実施例2の効果)
本実施例2の系統連系インバータ装置30によれば、以下の(1)~(3)のような効果がある。
(1) 従来の系統連系インバータ装置10Aでは、無効電力のアンバランス条件において、系統連系インバータ装置10Aが電力系統2Aから切り離された単独運転状態になると、図6(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、DC/ACインバータ13Aから高周波電圧を出力してしまう恐れがある。
これに対して、本実施例2の系統連系インバータ装置30では、出力電圧Voの周波数異常状態を高速(例えば、数ms)に検出し、系統連系インバータ装置30を停止させることにより、負荷装置24を安全に保護できる。又、高周波出力と同時に、高電圧も同時に発生する可能性があるので、系統連系インバータ装置30を停止させる前に、電圧異常検出と同じように、インバータ電流指令CCaを回生動作のコンデンサ放電電流指令CCbに切り替えることにより、出力コンデンサ34b1~34b3の残留電荷を、DC/ACインバータ33を通して入力コンデンサ32へ放電させることで、残留電荷の高電圧を抑制し、負荷装置24を安全に保護できる。
(2) 従来の系統連系インバータ装置10Aでは、非特許文献1に記載された系統連系規程により、DC/ACインバータ13Aから進み力率の出力が求められている。そのため、系統連系インバータ装置10Aが単独運転状態になると、図6(a)の右側の出力電圧Voの波形に示すように、高周波電圧出力となるリスクが高くなる。負荷装置4A内のコンデンサに高周波電圧が印加されると、そのコンデンサに過大な高周波電流が流れて負荷装置4Aを損傷することが考えられる。
これに対して、本実施例2の系統連系インバータ装置30では、前記系統連系規程により、DC/ACインバータ33から進み力率の出力が求められている条件下において、系統連系インバータ装置30が単独運転状態になっても、高速に周波数異常を検出して停止することができるため、高周波電圧出力となるリスクがない。そのため、例えば、負荷装置24内のコンデンサに高周波電圧が印加されて過大な高周波電流が流れることがなく、負荷装置24の損傷を防止できる。
(3) 実施例1の効果と同様に、出力コンデンサ34b1~34b3の蓄積電荷を放電するための専用の放電回路を必要としないので、部品点数の削減により、装置コストの低減が可能になる。
(実施例1、2の変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(i)~(iii)のようなものがある。
(i) 制御回路40は、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、実施例2の異常検出部50Aは、実施例1の異常検出部50が有する出力電圧Voの電圧異常検出機能に加えて、出力周波数foの異常検出機能を付加しているが、出力周波数foの異常検出機能のみを設けても良い。これにより、実施例2と略同様の効果が得られる。
(ii) 図1の三相系統連系インバータ装置30における電力変換部は、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、DC/ACインバータ33は、IGBT33a1~33a3,33b1~33b3以外のMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)、SiCトランジスタ、GaNトランジスタ等の他のスイッチ素子で構成しても良い。
(iii) 図1は、三相系統連系インバータ装置30であるが、本発明は、従来の図4のような単相系統連系インバータ装置10にも適用できる。
22 電力系統
24 負荷装置
30 系統連系インバータ装置
32 入力コンデンサ
33 DC/ACインバータ
34 フィルタ回路
34a1~34a3 インダクタ
34b1~34b3 出力コンデンサ
40 制御回路
42 切替部
43,63 減算部
44 電流制御部
45 PWM制御部
50,50A 異常検出部
51 ベクトル電圧検出部
52 フィルタ
53,57 上限値超過検出部
54,56,58,66 所定時間継続検出部
55 上限値又は下限値超過検出部
59 OR回路
61 瞬時位相検出部
62 遅延部
64 瞬時周波数演算処理部
65 ローパスフィルタ

Claims (5)

  1. 直流入力電圧が印加される入力コンデンサと、
    電力系統に連系可能に接続され、前記入力コンデンサに蓄積された直流電圧をスイッチングして交流電圧に変換し、前記電力系統側へ出力するインバータと、
    インダクタ及び出力コンデンサを有し、前記インバータから出力される前記交流電圧の高調波成分を除去して交流の出力電圧を出力するフィルタ回路と、
    前記インバータのスイッチング動作を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記出力電圧の異常状態を検出して異常検出結果を出力する異常検出部と、
    前記インバータから出力されるインバータ電流を計測して電流計測値を出力する電流計測部と、
    通常運転時にはインバータ電流指令を入力し、前記異常検出部から前記異常検出結果が出力されると、前記インバータ電流指令をコンデンサ放電電流指令に切り替えて入力する切替部と、
    前記切替部に入力された前記インバータ電流指令又は前記コンデンサ放電電流指令のいずれか一方と、前記電流計測値と、の誤差を減少するような電流制御によって前記スイッチング動作を制御するスイッチング制御部と、を有し、
    前記異常検出結果に基づき、前記電力系統から切り離された単独運転状態を検出した時に、前記出力コンデンサの蓄積電荷を、前記スイッチング動作及び前記電流制御にて、前記インバータを経由して前記入力コンデンサへ放電させるように制御する、
    構成になっていることを特徴とする系統連系インバータ装置。
  2. 前記出力電圧は、三相交流電圧であり、
    前記異常検出部は、
    前記三相交流電圧のベクトル演算を行って交流電圧振幅を瞬時に算出し、前記交流電圧振幅が閾値以上で所定時間以上継続した時に、前記三相交流電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
  3. 前記異常検出部は、
    前記出力電圧の瞬時値が過電圧上限値を超えた状態が所定時間以上継続した時に、前記出力電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
  4. 前記異常検出部は、
    前記スイッチング動作を制御するスイッチング駆動信号のデューティ比が所定の上限値又は下限値を超えた状態が所定時間以上継続した時に、前記出力電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
  5. 前記出力電圧は、三相交流電圧であり、
    前記異常検出部は、
    前記三相交流電圧のベクトル演算を行って交流電圧位相角を算出し、サンプリング周期の前記交流電圧位相角の変化により瞬時周波数を算出し、前記瞬時周波数が所定の上下限値を超えて所定時間以上継続した時に、前記三相交流電圧の前記異常状態を検出することを特徴とする請求項1記載の系統連系インバータ装置。
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