JP7117557B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、レーダ装置に関する。
近年、高分解能が得られるマイクロ波又はミリ波を含む波長の短いレーダ送信信号を用いたレーダ装置の検討が進められている。また、屋外での安全性を向上させるために、車両以外にも、歩行者又は落下物等の小物体を広角範囲で検知するレーダ装置(広角レーダ装置)の開発が求められている。
広角な検知範囲を有するレーダ装置の構成として、複数のアンテナ(アンテナ素子)で構成されるアレーアンテナによって反射波を受信し、素子間隔(アンテナ間隔)に対する受信位相差に基づく信号処理アルゴリズムによって反射波の到来角(到来方向)を推定する手法(到来角推定手法。Direction of Arrival (DOA) estimation)を用いる構成である。例えば、到来角推定手法には、フーリエ法(FFT(Fast Fourier Transform)法)、又は、高い分解能が得られる手法としてCapon法、MUSIC(Multiple Signal Classification)及びESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)が挙げられる。
また、レーダ装置として、例えば、受信側に加え、送信側にも複数のアンテナ(アレーアンテナ)を備え、送受信アレーアンテナを用いた信号処理によりビーム走査を行う構成(MIMO(Multiple Input Multiple Output)レーダと呼ぶこともある)が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
特開2008-304417号公報 特表2011-526371号公報
J. Li, and P. Stoica, "MIMO Radar with Colocated Antennas," Signal Processing Magazine, IEEE Vol. 24, Issue: 5, pp. 106-114, 2007 J. Li, and P. Stoica, "MIMO Radar with Colocated Antennas," Signal Processing Magazine, IEEE Vol. 24, Issue: 5, pp. 106-114, 2007M. Kronauge, H.Rohling,"Fast two-dimensional CFAR procedure", IEEE Trans. Aerosp. Electron. Syst., 2013, 49, (3), pp. 1817-1823 Direction-of-arrival estimation using signal subspace modeling Cadzow, J.A.; Aerospace and Electronic Systems, IEEE Transactions on Volume: 28 , Issue: 1 Publication Year: 1992 , Page(s): 64 - 79
しかしながら、レーダ装置(例えば、MIMOレーダ)において物標(又はターゲット)を検知する方法について十分に検討されていない。
本開示の一態様は、物標を精度良く検知することができるレーダ装置を提供する。
本開示の一態様に係るレーダ装置は、複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナを用いて送信信号を送信する送信回路と、を具備し、複数の受信アンテナ及び前記複数の送信アンテナに基づいて構成される複数の仮想アンテナを含む仮想受信アレーのうち、少なくとも2つの前記仮想アンテナの配置位置が同一であり、前記複数の送信アンテナのうち、前記少なくとも2つの仮想アンテナに対応する送信アンテナから順次送信される前記送信信号の送信間隔が等間隔である。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、レーダ装置において到来方向を精度良く推定することができる。
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
一実施の形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図 一実施の形態に係るレーダ送信信号の一例を示す図 一実施の形態に係る送信切替動作の一例を示す図 一実施の形態に係るレーダ送信信号生成部の他の構成例を示すブロック図 一実施の形態に係るレーダ送信信号の送信タイミング、及び、測定範囲の一例を示す図 一実施の形態に係る送信タイミングの一例を示す図 一実施の形態に係る送信タイミングの一例を示す図 一実施の形態に係る送信タイミングの一例を示す図 一実施の形態に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態に係る仮想アンテナ毎の受信タイミングの一例を示す図 一実施の形態に係る送信アンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態に係る受信アンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態に係る仮想受信アレー配置の一例を示す図 一実施の形態に係る仮想アンテナ毎の受信タイミングの一例を示す図 一実施の形態のバリエーション1に係る送信タイミングの例を示す図 一実施の形態のバリエーション1に係る送信タイミングの他の例を示す図 一実施の形態のバリエーション1に係る送信タイミングの他の例を示す図 一実施の形態のバリエーション2に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション2に係る送信タイミングの例を示す図 一実施の形態のバリエーション2に係るアンテナ配置の他の例を示す図 一実施の形態のバリエーション3に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション3に係るアンテナ配置の他の例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係る送信切替動作の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係る送信切替動作の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係る送信切替動作の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係るアンテナ配置の一例を示す図 一実施の形態のバリエーション4に係る送信切替動作の一例を示す図 バリエーション5に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図 バリエーション6に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図 チャープパルスを用いた場合の送信信号と反射波信号の一例を示す図
MIMOレーダは、例えば、時分割、周波数分割又は符号分割を用いて多重した信号(レーダ送信波)を複数の送信アンテナ(又は送信アレーアンテナと呼ぶ)から送信し、周辺物体において反射された信号(レーダ反射波)を複数の受信アンテナ(又は受信アレーアンテナと呼ぶ)を用いて受信し、それぞれの受信信号から、多重された送信信号を分離して受信する。このような処理により、MIMOレーダは、送信アンテナ数と受信アンテナ数との積で示される複素伝搬路応答を取り出すことができ、これらの受信信号を仮想受信アレーとしてアレー信号処理を行う。
また、MIMOレーダでは、送受信アレーアンテナにおける素子間隔を適切に配置することにより、仮想的にアンテナ開口を拡大し、角度分解能の向上を図ることができる。
例えば、特許文献1には、MIMOレーダの多重送信方法として、送信アンテナ毎に送信時間をずらして信号を送信する時分割多重送信を用いたMIMOレーダ(以下、「時分割多重MIMOレーダ」と呼ぶ)が開示されている。時分割多重送信は、周波数多重送信又は符号多重送信と比較し、簡易な構成で実現できる。また、時分割多重送信は、送信時間の間隔を十分に広げることにより、送信信号間の直交性を良好に保つことができる。時分割多重MIMOレーダは、送信アンテナを所定の周期で逐次的に切り替えながら、送信信号の一例である送信パルスを出力する。時分割多重MIMOレーダは、送信パルスが物体で反射された信号を複数の受信アンテナで受信し、受信信号と送信パルスとの相関処理後に、例えば、空間的なFFT処理(反射波の到来方向推定処理)を行う。
時分割多重MIMOレーダは、送信信号(例えば送信パルス又はレーダ送信波)を送信する送信アンテナを、所定の周期で逐次的に切り替えていく。したがって、時分割多重送信は、周波数分割送信又は符号分割送信と比較し、全ての送信アンテナから送信信号を送信し終えるまでに要する時間が長くなり得る。このため、例えば、特許文献2のように、各送信アンテナから送信信号を送信し、それらの受信位相変化からドップラ周波数(つまり、ターゲットの相対速度)の検出を行う場合、ドップラ周波数を検出するためにフーリエ周波数解析を適用するにあたり、受信位相変化の観測の時間間隔(例えば、サンプリング間隔)が長くなる。よって、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲(つまり、検出できるターゲットの相対速度範囲)が低減する。
また、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲(換言すると、相対速度範囲)を超えるターゲットからの反射波信号が想定される場合、レーダ装置は、反射波信号が折り返し成分か否かを特定できず、ドップラ周波数(換言すると、ターゲットの相対速度)の曖昧性(不確定性、Ambiguity)が生じる。
例えば、レーダ装置が、Nt個の送信アンテナを所定の周期Trで逐次的に切り替えながら送信信号(送信パルス)を送信する場合、全ての送信アンテナから送信信号を送信し終えるまでにTr×Ntの送信時間が必要となる。このような時分割多重送信をNc回繰り返して、ドップラ周波数の検出のためにフーリエ周波数解析を適用すると、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲は、サンプリング定理より、±1/(2Tr×Nt)となる。したがって、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲は、送信アンテナ数Ntが増大するほど低減し、より低速な相対速度でもドップラ周波数の曖昧性が生じやすくなる。
ここで、ドップラ周波数範囲(換言すると、相対速度範囲又は相対速度の最大値)を拡大させる方法の一つに、送信アンテナを1つ(1ブランチ)として、仮想受信アレーを形成しない方法がある。この方法では、1つの送信アンテナ(Nt=1)によって、Tr×Ntの送信時間(送信周期)を短くできるので、ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大できる。しかし、この方法では、アンテナ開口面積が小さくなり、距離又は方位の分離及び推定の精度が低下してしまう。
また、ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大させる他の方法に、送信アンテナを1つ(1ブランチ)として、かつ、受信アンテナの素子間隔を広げる方法がある。この方法では、1つの送信アンテナ(Nt=1)によって、Tr×Ntの送信時間(送信周期)を短くできるので、ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大できる。更に、受信アンテナの素子間隔を広げることにより、アンテナ開口面積を大きくできる。しかし、この方法では、受信アンテナの素子間隔に起因して、グレーティングローブが大きくなり、誤検出(例えば、ゴーストの発生)が増加してしまう。
そこで、本開示に係る一態様では、アンテナ開口面積の低減又はグレーティングローブの増大を抑えつつ、折り返しが発生しない(換言すると、曖昧性が生じない)ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大させる方法について説明する。これにより、本開示に係る一態様では、レーダ装置10は、より広いドップラ周波数範囲において、物標を精度良く検知することができる。
以下、本開示の一態様に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
以下では、レーダ装置において、送信ブランチにおいて、複数の送信アンテナから時分割多重された異なる送信信号を送出し、受信ブランチにおいて、各送信信号を分離して受信処理を行う構成(換言すると、MIMOレーダ構成)について説明する。
[レーダ装置の構成]
図1は、本実施の形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。
レーダ装置10は、レーダ送信部(送信ブランチ)100と、レーダ受信部(受信ブランチ)200と、基準信号生成部300と、を有する。
レーダ送信部100は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号に基づいて高周波(無線周波数:Radio Frequency)のレーダ信号(レーダ送信信号)を生成する。そして、レーダ送信部100は、複数の送信アンテナ108-1~108-Ntによって構成される送信アレーアンテナを用いて、レーダ送信信号を所定の送信周期にて送信する。
レーダ受信部200は、物標(ターゲット。図示せず)により反射したレーダ送信信号である反射波信号を、複数の受信アンテナ202-1~202-Naを含む受信アレーアンテナを用いて受信する。レーダ受信部200は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を用いて、下記の処理動作を行うことで、レーダ送信部100と同期した処理を行う。また、レーダ受信部200は、各受信アンテナ202において受信した反射波信号を信号処理し、例えば、物標の有無検出又は反射波信号の到来方向の推定を行う。
なお、物標はレーダ装置10が検出する対象の物体であり、例えば、車両(4輪及び2輪を含む)、人、ブロック又は縁石などを含む。
基準信号生成部300は、レーダ送信部100及びレーダ受信部200のそれぞれに接続されている。基準信号生成部300は、基準信号としてのリファレンス信号をレーダ送信部100及びレーダ受信部200に供給し、レーダ送信部100及びレーダ受信部200の処理を同期させる。
[レーダ送信部100の構成]
レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101と、切替制御部105と、送信切替部106と、送信無線部107-1~107-Ntと、送信アンテナ108-1~108-Ntと、を有する。すなわち、レーダ送信部100は、Nt個の送信アンテナ108を有し、各送信アンテナ108は、それぞれ個別の送信無線部107に接続されている。
レーダ送信信号生成部101は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいてレーダ送信信号を生成する。そして、レーダ送信信号生成部101は、所定のレーダ送信周期(Tr)にてレーダ送信信号を繰り返し出力する。レーダ送信信号は、y(k, M)=I(k, M)+j Q(k, M)で表される。ここで、jは虚数単位を表し、kは離散時刻を表し、Mはレーダ送信周期の序数を表す。また、I(k, M)及びQ(k, M)は、第M番目のレーダ送信周期における離散時刻kにおけるレーダ送信信号(k M)の同相成分(In-Phase成分)、及び、直交成分(Quadrature成分)をそれぞれ表す。
レーダ送信信号生成部101は、符号生成部102と、変調部103と、LPF(Low Pass Filter)104とを含む。以下、レーダ送信信号生成部101における各構成部について説明する。
具体的には、符号生成部102は、レーダ送信周期Tr毎に、符号長Lの符号系列の符号an(M)(n=1,…,L)(パルス符号)を生成する。符号生成部102において生成される符号an(M)には、例えば、低レンジサイドローブ特性が得られる符号が用いられる。符号系列としては、例えば、Barker符号、M系列符号、又は、Gold符号などが挙げられる。
変調部103は、符号生成部102から受け取るパルス符号系列(例えば、符号an(M))に対してパルス変調(振幅変調、ASK(Amplitude Shift Keying)、パルスシフトキーイング)又は位相変調(Phase Shift Keying)を行い、変調信号をLPF104へ出力する。
LPF104は、変調部103から受け取る変調信号のうち、所定の制限帯域以下の信号成分を、ベースバンドのレーダ送信信号として送信切替部106へ出力する。
図2は、レーダ送信信号生成部101によって生成されるレーダ送信信号の一例を示す。図2に示すように、レーダ送信周期Trのうち、符号送信区間Twの間に符号長Lのパルス符号系列が含まれる。各レーダ送信周期Trのうち、符号送信区間Twの間にパルス符号系列が送信され、残りの区間(Tr-Tw)は無信号区間となる。1つの符号には、L個のサブパルスが含まれる。また、1つのサブパルスあたり、No個のサンプルを用いたパルス変調が施されることにより、各符号送信区間Tw内には、Nr(=No×L)個のサンプルの信号が含まれる。また、レーダ送信周期Trにおける無信号区間(Tr-Tw)には、Nu個のサンプルが含まれる。
切替制御部105は、レーダ送信部100における送信切替部106、及び、レーダ受信部200における出力切替部211を制御する。なお、切替制御部105における、レーダ受信部200の出力切替部211に対する制御動作についてはレーダ受信部200の動作の説明において後述する。以下では、切替制御部105における、レーダ送信部100の送信切替部106に対する制御動作について説明する。
切替制御部105は、例えば、レーダ送信周期Tr毎に、送信アンテナ108(換言すると、送信無線部107)を切り替える制御信号(以下、「切替制御信号」と呼ぶ)を送信切替部106に出力する。
送信切替部106は、レーダ送信信号生成部101から入力されるレーダ送信信号を、切替制御部105から入力される切替制御信号によって指示される送信無線部107へ出力する切替動作を行う。例えば、送信切替部106は、切替制御信号に基づいて、複数の送信無線部107-1~107-Ntのうち一つを選択して切り替えて、選択した送信無線部107へレーダ送信信号を出力する。
第z(z=1,…,Nt)番目の送信無線部107は、送信切替部106から出力されるベースバンドのレーダ送信信号に対して周波数変換を施してキャリア周波数(Radio Frequency:RF)帯のレーダ送信信号を生成し、送信増幅器により所定の送信電力P[dB]に増幅して第z番目の送信アンテナ108へ出力する。
第z(z=1,…,Nt)番目の送信アンテナ108は、第z番目の送信無線部107から出力されるレーダ送信信号を空間に放射する。
図3は、本実施の形態に係る送信アンテナ108の切替動作の一例を示す。なお、本実施の形態に係る送信アンテナ108のの切替動作は、図3に示す例に限定されるものではない。
図3では、切替制御部105は、レーダ送信周期Tr毎に、第1の送信アンテナ108(又は送信無線部107-1)から第Ntの送信アンテナ108(又は送信無線部107-Nt)までを順に切り替える指示を示す切替制御信号を、送信切替部106に出力する。よって、第1の送信アンテナ108から第Ntの送信アンテナ108の各々において、レーダ送信信号はNp(=Nt×Tr)周期の送信間隔で送信される。
切替制御部105は、アンテナ切替周期Npでの送信無線部107の切替動作をNc回繰り返す制御を行う。
なお、各送信無線部107における送信信号の送信開始時間は、周期Trに同期させなくてもよい。例えば、各送信無線部107では、送信開始時間に異なる送信遅延Δ1, Δ2,…,ΔNtを設けて、レーダ送信信号の送信を開始してもよい。このような送信遅延Δ1, Δ2,…,ΔNtを設ける場合、後述するレーダ受信部200の処理において、送信遅延Δ1, Δ2,…,ΔNtを考慮した送信位相補正係数を導入することにより、ドップラ周波数によって異なる位相回転となる影響を取り除くことができる。このような送信遅延Δ1, Δ2,…,ΔNtを測定毎に可変することで、他のレーダ装置(図示せず)からの干渉がある場合又は他のレーダ装置に干渉を与える場合に、他レーダ間で干渉の影響を相互にランダマイズ化する効果が得られる。
また、レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101の代わりに、図4に示すレーダ送信信号生成部101aを備えてもよい。レーダ送信信号生成部101aは、図1に示す符号生成部102、変調部103及びLPF104を有さず、代わりに符号記憶部111及びDA変換部112を備える。符号記憶部111は、符号生成部102(図1)において生成される符号系列を予め記憶し、記憶している符号系列を巡回的に順次読み出す。DA変換部112は、符号記憶部111から出力される符号系列(デジタル信号)をアナログ信号(ベースバンド信号)に変換する。
[レーダ受信部200の構成]
図1において、レーダ受信部200は、Na個の受信アンテナ202を備え、アレーアンテナを構成する。また、レーダ受信部200は、Na個のアンテナ系統処理部201-1~201-Naと、CFAR部213と、方向推定部214と、を有する。
各受信アンテナ202は、物標(ターゲット)に反射したレーダ送信信号である反射波信号を受信し、受信した反射波信号を、対応するアンテナ系統処理部201へ受信信号として出力する。
各アンテナ系統処理部201は、受信無線部203と、信号処理部207とを有する。
受信無線部203は、増幅器204と、周波数変換器205と、直交検波器206と、を有する。受信無線部203は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいて動作する。具体的には、増幅器204は、受信アンテナ202から受け取る受信信号を所定レベルに増幅し、周波数変換器205は、高周波帯域の受信信号をベースバンド帯域に周波数変換し、直交検波器206は、直交検波により、ベースバンド帯域の受信信号を、I信号及びQ信号を含むベースバンド帯域の受信信号に変換する。
各アンテナ系統処理部201-z(ただし、z=1~Naの何れか)の信号処理部207は、AD変換部208、209と、相関演算部210と、出力切替部211と、ドップラ解析部212-1~212-Ntと、を有する。
AD変換部208には、直交検波器206からI信号が入力され、AD変換部209には、直交検波器206からQ信号が入力される。AD変換部208は、I信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、I信号をデジタルデータに変換する。AD変換部209は、Q信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、Q信号をデジタルデータに変換する。
ここで、AD変換部208,209のサンプリングでは、例えば、レーダ送信信号における1つのサブパルスの時間Tp(=Tw/L)あたり、Ns個の離散サンプルが行われる。すなわち、1サブパルスあたりのオーバーサンプル数はNsとなる。
以下の説明では、I信号Iz(k, M)及びQ信号Qz(k, M)を用いて、AD変換部208,209の出力としての第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の離散時間kにおけるベースバンドの受信信号を複素数信号xz(k, M)=Iz(k, M)+j Qz(k, M)と表す(ただし、z=1~Naの何れか)。また、以下では、離散時刻kは、レーダ送信周期(Tr)の開始するタイミングを基準(k=1)とし、信号処理部207は、レーダ送信周期Trが終了する前までのサンプル点であるk=(Nr+Nu)Ns/Noまで周期的に動作する。すなわち、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noとなる。ここで、jは虚数単位である。
第z(z=1,…,Na)番目の信号処理部207における相関演算部210は、レーダ送信周期Tr毎に、AD変換部208,209から受け取る離散サンプル値Iz(k, M)及びQz(k, M)を含む離散サンプル値xz(k, M)と、レーダ送信部100において送信される符号長Lのパルス符号an(M)(ただし、z=1,…,Na、n=1,…,L)との相関演算を行う。例えば、相関演算部210は、離散サンプル値xz(k, M)と、パルス符号an(M)とのスライディング相関演算を行う。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における離散時刻kのスライディング相関演算の相関演算値ACz(k, M)は、次式に基づき算出される。
Figure 0007117557000001
上式において、アスタリスク(*)は複素共役演算子を表す。
相関演算部210は、例えば、式(1)に従って、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noの期間に渡って相関演算を行う。
なお、相関演算部210は、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noに対して相関演算を行う場合に限定されず、レーダ装置10の測定対象となるターゲットの存在範囲に応じて、測定レンジ(すなわち、kの範囲)を限定してもよい。これにより、レーダ装置10では、相関演算部210の演算処理量の低減が可能となる。例えば、相関演算部210は、k=Ns(L+1),…,(Nr+Nu)Ns /No-NsLに測定レンジを限定してもよい。この場合、図5に示すように、レーダ装置10は、符号送信区間Twに相当する時間区間では測定を行わない。
これにより、レーダ装置10は、レーダ送信信号がレーダ受信部200に直接的に回り込むような場合でも、レーダ送信信号が回り込む期間(少なくともτ1未満の期間)では相関演算部210による処理が行われないので、回り込みの影響を排除した測定が可能となる。また、測定レンジ(kの範囲)を限定する場合、以下で説明する出力切替部211、ドップラ解析部212、CFAR部213及び方向推定部214の処理に対しても、同様に測定レンジ(kの範囲)を限定した処理を適用すればよい。これにより、各構成部での処理量を削減でき、レーダ受信部200における消費電力を低減できる。
出力切替部211は、切替制御部105から入力される切替制御信号に基づいて、レーダ送信周期Tr毎の相関演算部210の出力を、Nt個のドップラ解析部212のうちの一つに選択的に切り替えて出力する。以下、一例として、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における切替制御信号をNtビットの情報[bit1(M), bit2(M), … ,bitNt(M)]で表す。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の切替制御信号において、第NDビット(ただし、ND=1~Ntの何れか)が‘1’である場合、出力切替部211は、第ND番目のドップラ解析部212を選択(換言するとON)する。一方、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の切替制御信号において、第NDビットが‘0’である場合、出力切替部211は、第ND番目のドップラ解析部212を非選択(換言するとOFF)とする。出力切替部211は、選択したドップラ解析部212に対して、相関演算部210から入力される相関演算値ACz(k, M)を出力する。
例えば、図3に示す送信無線部107(又は送信アンテナ108)の切替動作に対応するNtビットの切替制御信号を以下に示す
[bit1(1), bit2(1), … ,bitNt(1)] = [1, 0, …, 0]
[bit1(2), bit2(2), … ,bitNt(2)] = [0, 1, …, 0]

[bit1(Nt), bit2(Nt), … ,bitNt(Nt)] = [0, 0, …, 1]
上記のように、各ドップラ解析部212は、Np(=Nt×Tr)周期で順次選択される(換言すると、ONとなる)。例えば、切替制御信号は、上記内容をNc回繰り返す。
第z(z=1,…,Na)番目の信号処理部207は、Nt個のドップラ解析部212を有する。
ドップラ解析部212は、出力切替部211からの出力(例えば、相関演算値ACz(k, M))に対して、離散時間k毎にドップラ解析を行う。例えば、Ncが2のべき乗値である場合、ドップラ解析において高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理を適用できる。
例えば、第z番目の信号処理部207の第ND番目のドップラ解析部212における第w番目の出力のうち、後述する重畳する仮想受信アレーにおける出力は、次式に示すように、離散時刻kにおけるドップラ周波数インデックスfsのドップラ周波数応答FT_CIz (ND)(k, fs, w)を示す。なお、ND=1~Ntであり、k=1,…, (Nr+Nu)Ns/Noであり、wは1以上の整数である。また、Nvaは、重畳する仮想受信アレーに対応するアンテナ数を示し、Nは、1周期内の送信回数を示す。また、jは虚数単位であり、z=1~Naである。
Figure 0007117557000002
一例として、図7及び図8に示すアンテナ配置及び送信間隔を用いる場合(詳細については後述する)について説明する。図7及び図8では、重畳する仮想受信アレーの組(VA#4、VA#7、VA#9)は周期T’でサンプリングされる。そのため、ND=1,2,3、かつ、z=4,3,1の場合には、式(2)は、次式で表される。式(3)において、Nva=3であり、N=3である。
Figure 0007117557000003
また、他の例として、図9、図10、図11及び図12に示すアンテナ配置及び送信間隔を用いる場合(詳細については後述する)について説明する。図9、図10、図11及び図12では、重畳する仮想アレーの組(VA#11、VA#18)は周期T’=3Trでサンプリングされる。そのため、ND=2かつz=3、及び、ND=3かつz=2の場合、式(2)は、次式で表される。式(4)において、Nva=2であり、N=6である。
Figure 0007117557000004
一方、例えば、第z番目の信号処理部207の第ND番目のドップラ解析部212における第w番目の出力のうち、上記重畳する仮想受信アレー以外の重畳しない仮想受信アレーにおける出力は、次式に示すように、離散時刻kにおけるドップラ周波数インデックスfuのドップラ周波数応答FT_CIz (ND)(k, fu, w)を示す。なお、ND=1~Ntであり、k=1,…, (Nr+Nu)Ns/Noであり、wは1以上の整数である。また、jは虚数単位であり、z=1~Naである。
Figure 0007117557000005
なお、FFT処理の際、ドップラ解析部212は、例えば、Han窓又はHamming窓等の窓関数係数を乗算してもよい。窓関数係数を用いることにより、周波数ピーク周辺に発生するサイドローブを抑圧できる。
以上、信号処理部207の各構成部における処理について説明した。
図1において、CFAR部213は、ドップラ解析部212からの出力を用いて、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理(換言すると、適応的な閾値判定)を行い、ピーク信号を与える離散時間のインデックスk_cfar及びドップラ周波数のインデックスfs_cfarを抽出する。
例えば、CFAR部213は、各アンテナ系統処理部201-1~201-Nのドップラ解析部213のうち、重畳する仮想受信アレー(詳細は後述する)に対応する出力FT_CIz (ND) (k,fs, w)を用いて、CFAR処理を行う。
また、CFAR部213は、重畳する仮想受信アレーに対応するドップラ周波数インデックスfs_cfarを、重畳する仮想受信アレー以外の他の仮想受信アレーに対応するドップラ解析部213の出力FT_CIz (ND)(k,fu,w)のドップラ周波数インデックスfuに対応させるために、インデックス変換を行う。当該インデックス変換は、式(6)及び式(7)によって行われてよい。CFAR部213は、インデックス変換後のドップラ周波数インデックスfs_cfarを、方向推定部214に出力する。
ここで、fs_cfar=-(Nt-1)Nc/2+1,..,0,...,(Nt-1)Nc/2であり、fu_cfar=-Nc/2+1,..,0,..., Nc/2である。
Figure 0007117557000006
Figure 0007117557000007
以下、ドップラ周波数範囲の広いドップラ周波数インデックスfs_cfarを、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarと表現する。また、ドップラ周波数範囲の狭いドップラ周波数インデックスfuを、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuと表現する。広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarを、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させる際には、重複が含まれる可能性がある。
例えば、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarに、0≦α≦Nc/2の範囲のドップラ周波数インデックスαが含まれる場合、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換によって、αと変換される。ここで、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarに、β=α-Ncも含まれると、βは、-Nc≦β≦-Nc/2の範囲に含まれることから、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換によって、β+Nc=αと変換される。よって、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarを、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換において、重複が発生する。
同様に、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarに、β=α+Ncも含まれると、βは、Nc≦β≦3Nc/2の範囲に含まれることから、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換によって、β+Nc=αと変換される。よって、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換によって、重複が発生する。
このように、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarに、|α-β|がNcの整数倍となる関係のα、βが含まれると、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに対応させる際に、重複が発生する。
狭範囲ドップラ周波数インデックスfuに重複が発生していると、狭範囲ドップラ周波数インデックスfuの信号成分は、異なるドップラ周波数成分の信号が混合された状態となる。混合された信号の電力が近いほど振幅位相成分が変動し、後続の方向推定部214における測角の精度が劣化し得る。そこで、本実施の形態では、重複判定処理を導入する。これにより、方向推定部214における側角の精度劣化を引き起こす影響を抑制する。次に、この重複判定処理について説明する。
<重複判定処理>
CFAR処理で抽出した、広範囲ドップラ周波数インデックスfs_cfarのうち、ドップラ周波数インデックスαとドップラ周波数インデックスβを、重畳しない仮想受信アレーに対応するドップラ解析部212からのw番目の出力FT_CIz (ND)(k,fu,w)のドップラ周波数インデックスfuに対応させるインデックス変換を行う。変換後のドップラ周波数インデックスfs_cfarが重複する場合、次の(B1)~(B3)の処理を行う。
(B1)CFAR部213は、重畳する仮想受信アレーに対応するドップラ解析部212からのw番目の出力であるFT_CI1 (ND)(k,α,w),…,FT_CINa (ND)(k,α,w)の電力和と、FT_CI1 (ND)(k,β,w),…,FT_CINa (ND)(k,β,w)の電力和を比較する。
(B2)CFAR部213は、(B1)の電力和の比較の結果、所定値(例えば6~10dB程度に設定)以上の電力差がある場合、ドップラ周波数インデックスαとβのうち、電力の大きい方のドップラ周波数インデックスを有効にして、電力の小さい方のドップラ周波数インデックスを、方向推定部214への出力対象から除外する。
(B3)CFAR部213は、(B1)の電力和の比較の結果、所定値以上の電力差がない場合、ドップラ周波数インデックスαとβの両方を、方向推定部214への出力対象から除外する。
以上、CFAR部213の処理について説明した。なお、レーダ装置10は、CFAR処理を行わずに、方向推定部214において方向推定処理を行ってもよい。
図1において、方向推定部214は、CFAR部213から入力される情報(例えば、時間インデックスk_cfar、及び、ドップラ周波数インデックスfs_cfar、fu_cfar)に基づいて、各ドップラ解析部212からの出力を用いてターゲットの方向推定処理を行う。
なお、例えば、方向推定部214は、式(8)に示すような仮想受信アレー相関ベクトルh(k,f,w)を生成し、方向推定処理を行う。
以下では、アンテナ系統処理部201-1~201-Naの各信号処理部207で同様な処理を施して得られたドップラ解析部212-1~212-Ntからのw番目の出力をまとめたものを、式(8)に示すような送信アンテナ数Ntと受信アンテナ数Naとの積であるNt×Na個の要素を含む、仮想受信アレー相関ベクトルh(k_cfar,f_cfar,w)として表記する。仮想受信アレー相関ベクトルh(k_cfar,f_cfar,w)は、ターゲットからの反射波信号に対して各受信アンテナ202間の位相差に基づく方向推定を行う処理に用いる。ここで、z=1,…,Naであり、ND=1,…,Ntである。
Figure 0007117557000008
式(8)において、hcal[b]は、送信アレーアンテナ間及び受信アレーアンテナ間の位相偏差及び振幅偏差を補正するアレー補正値である。b=1,…,Nt×Naである。また、式(8)において、重畳する仮想受信アレーの組(ND、z)ではf_cfar=fs_cfarであり、重畳しない仮想受信アレーの組(ND、z)ではf_cfar=fu_cfarである。
また、送信アンテナ108を時分割で切り替えているため、異なるドップラ周波数fにおいて異なる位相回転が発生する。TxCAL(1)(f),…,TxCAL(Nt)(f)は、その位相回転を補正し、基準送信アンテナの位相に一致させるための送信位相補正係数である。
例えば、図3に示す送信無線部107(又は送信アンテナ108)の切替動作に対応する、第1の送信アンテナ108(ND=1)を基準送信アンテナとした場合、送信位相補正係数は、次式で表される。
Figure 0007117557000009
なお、各送信無線部107の送信信号の送信開始時刻に異なる送信遅延Δ,Δ,…,ΔNtを設けた場合、式(9)に示す送信位相補正係数TxCAL(ND)(f)に式(10)の補正係数ΔTxCAL (ND)(f)を乗算し、新たな送信位相補正係数TxCAL(ND)(f)としてよい。これにより、ドップラ周波数によって異なる位相回転の影響を除去できる。ここで、ΔTxCAL (ND)(f)のNDは、位相基準とする基準送信アンテナ番号である。
Figure 0007117557000010
仮想受信アレー相関ベクトルh(kcfar, fs_cfar, w)は、Na×Nt個の要素から構成される列ベクトルである。
方向推定部214は、例えば、方向推定評価関数値PH(θBEAM_cfar, kcfar, fs_cfar, w)における方位方向θを所定の角度範囲内で可変として空間プロファイルを算出し、算出した空間プロファイルの極大ピークを大きい順に所定数抽出し、極大ピークの方位方向を到来方向推定値として出力する。
なお、方向推定評価関数値PH(θBEAM_cfar, kcfar, fs_cfar, w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種の方法がある。例えば、非特許文献3に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。
例えば、Nt×Na個の仮想受信アレーが等間隔dHで直線状に配置される場合、ビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。
Figure 0007117557000011
Figure 0007117557000012
ここで、式(11)において、上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、a(θu)は、方位方向θuの到来波に対する仮想受信アレーの方向ベクトルを示す。
また、方位方向θuは到来方向推定を行う方位範囲内を所定の方位間隔β1で変化させたベクトルである。例えば、θuは以下のように設定される。
θu=θmin + uβ1、u=0,…, NU
NU=floor[(θmax-θmin)/β1]+1
ここでfloor(x)は、実数xを超えない最大の整数値を返す関数である。
なお、上述した時刻情報kは、距離情報に変換して出力されてもよい。時刻情報kを距離情報R(k)に変換するには次式を用いればよい。ここで、Twは符号送信区間を表し、Lはパルス符号長を表し、C0は光速度を表す。
Figure 0007117557000013
また、ドップラ周波数情報は相対速度成分に変換して出力されてもよい。ドップラ周波数インデックスfsを相対速度成分vd(fs)に変換するには、次式を用いて変換することができる。ここで、λは送信無線部107から出力されるRF信号のキャリア周波数の波長である。また、Δfは、ドップラ解析部212におけるFFT処理でのドップラ周波数間隔である。例えば、本実施の形態では、Δf=1/(NtNcTr)である。
Figure 0007117557000014
以上、方向推定部214の動作について説明した。
[レーダ装置10の動作]
以上の構成を有するレーダ装置10における動作について説明する。
Nt個の送信アンテナ108(送信アレー)及びNa個の受信アンテナ202(受信アレー)は、例えば、以下の(条件1)を満たすように配置され、以下の(条件2)を満たすように送信タイミングを切り替えられる。
(条件1)仮想受信アレーを構成するNt×Na個のアンテナ素子(仮想アンテナ又は仮想ブランチと呼ぶ)のうち、少なくとも2つの仮想アンテナの配置位置が同一(重複又は重畳)となるように、送信アンテナ108及び受信アンテナ202が配置される。
(条件2)配置位置が重複する仮想アンテナにそれぞれ対応する送信アンテナ108から順次送信されるレーダ送信信号の送信間隔は等間隔である。
まず、(条件2)に関して、レーダ送信信号の送信タイミングについて説明する。
図6A、図6B及び図6Cは、複数の送信アンテナ108からのレーダ送信信号の送信タイミングの一例を示す。図6A、図6B及び図6Cでは、一例として、送信アンテナ108数Nt=6(例えば、Tx#1~Tx#6)とする。
各送信アンテナ108の送信周期T(例えば、T=Tr×Nt)内に、レーダ送信信号の送信タイミング(換言すると送信回数)がN回ある場合、(条件2)を満たすためには、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ間の送信間隔(換言すると、送信周期)T'は、(1)1送信周期T内におけるNの約数に相当する送信回数に1回の周期、又は、(2)N回にN回の周期(換言すると、全ての送信回数)である。
例えば、図6A、図6B及び図6Cのように、N=6(約数:2及び3)では、1送信周期T=6Trにおいて、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信周期T'は、図6Aに示すように3回の送信回数に1回の周期(換言すると、T'=T/2)、図6Bに示すように2回の送信回数に1回の周期(換言すると、T'=T/3)、又は、図6Cに示すようにN回にN回の周期(換言すると、T'=T/6)、の何れかである。
例えば、レーダ装置10では、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの数(例えば、Nの約数個、又は、N個)に応じて、送信周期T'が設定される。
例えば、図6Aに示すように、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108がTx#1及びTx#4の2つ(N=6の約数)の場合、Tx#1及びTx#4の送信間隔T'はT/2となる。よって、レーダ装置10は、受信処理において、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔をTx#1及びTx#4の送信間隔T'=T/2に設定できる。
また、図6Bに示すように、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108がTx#1、Tx#3及びTx#5の3つ(N=6の約数)の場合、Tx#1、Tx#3及びTx#5の送信間隔T'はT/3となる。よって、レーダ装置10は、受信処理において、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔をTx#1、Tx#3及びTx#5の送信間隔T'=T/3に設定できる。
また、図6Cに示すように、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108がTx#1~Tx#6の全て(N個)の場合、Tx#1~Tx#6の送信間隔T'はT/6となる。よって、レーダ装置10は、受信処理において、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔をTx#1~Tx#6の送信間隔T'=T/6に設定できる。
例えば、サンプリング間隔を各送信アンテナ108の送信間隔Tとする場合、相対速度の最大値vmax=λ/(4T)で表される。ここで、λはキャリア周波数の波長を示し、Tはサンプリング間隔を示す。
これに対して、例えば、図6Aでは、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔を送信間隔T'=T/2とする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=2vmaxで表される。同様に、例えば、図6Bでは、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔を送信間隔T'=T/3とする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=3vmaxで表される。同様に、例えば、図6Cでは、配置位置が重複する仮想アンテナでのサンプリング間隔を送信間隔T'=T/6とする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=6vmaxで表される。
このように、図6A、図6B及び図6Cでは、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する複数の送信アンテナ108から順次送信されるレーダ送信信号の送信間隔を等間隔にすることにより、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、各送信アンテナ108の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmax(又は、ドップラ周波数範囲)のNの約数倍、又は、N倍に拡大される。よって、レーダ装置10では、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲を拡大でき、ドップラ周波数の曖昧性の発生を防ぐことができる。
レーダ装置10は、レーダ送信信号を複数の送信アンテナ108を用いて所定の送信パターンで送信する。例えば、送信周期T内の複数の送信タイミング(例えば、N回)におけるレーダ送信信号を送信する送信アンテナ108の送信パターン(換言すると、切替制御信号によって示される切替パターン)が、上記送信周期T毎に繰り返される。レーダ装置10では、送信周期T内の複数の送信タイミング(例えば、N回)におけるレーダ送信信号を送信する送信アンテナ108の送信パターン(換言すると、切替制御信号によって示される切替パターン)が、上記送信周期T毎に繰り返される。
次に、(条件1)に関して、本実施の形態に係るアンテナ配置の具体例について説明する。以下、一例として、アンテナ配置の具体例である配置例1及び配置例2について説明する。
<配置例1>
配置例1では、送信アンテナ108及び受信アンテナ202をそれぞれ1次元に配置する場合について説明する。
図7は、配置例1に係るアンテナ配置の一例を示す。
図7では、送信アンテナ108の数をNt=3(例えば、Tx#1、Tx#2及びTx#3)とし、受信アンテナ202の数をNa=4(例えば、Rx#1、Rx#2、Rx#3及びRx#4)とする。
図7では、例えば、Tx#1とTx#3との間隔と、Rx#1とRx#4との間隔とが同一である。また、図7では、例えば、Tx#3とTx#2との間隔と、Rx#1とRx#3との間隔とが同一である。
この場合、図7に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=12個のVA#1~VA#12)では、Tx#1及びRx#4によって構成される仮想アンテナVA#4と、Tx#2及びRx#3によって構成される仮想アンテナVA#7と、Tx#3及びRx#1によって構成される仮想アンテナVA#9と、が同一位置に重複して配置される。
例えば、レーダ装置10は、同一位置に重複して配置される仮想アンテナVA#11及びVA#18にそれぞれ対応する送信アンテナTx#2及びTx#3の送信間隔が等間隔になるように、各送信アンテナ108の送信タイミングを切り替える。例えば、図8は、図7に示すTx#1、Tx#2及びTx#3において、図3と同様、レーダ送信信号の送信タイミングが順に切り替わる場合の各仮想アンテナ(VA#1~VA#12)における反射波信号の受信タイミング(換言すると、各送信アンテナ108の送信タイミング)を示す。
図8に示すように、レーダ送信信号は、Tx#1、Tx#2及びTx#3の順に送信間隔T'で送信される。なお、各送信アンテナ108から送信されるレーダ送信信号の送信間隔T=3T'である(換言すると、T'=T/3)。
よって、図8では、図6Cと同様、各送信アンテナ108の送信周期T(例えば、T=Tr×Nt)内におけるレーダ送信信号の送信タイミングN=3回の全てにおいて、配置位置が重複する仮想アンテナ(VA#4、VA#7及びVA#9)に対応する送信アンテナ108(例えば、Tx#1、Tx#2及びTx#3)からレーダ送信信号が送信される。
レーダ装置10は、図8に示すように、送信間隔T'毎に、Tx#1、Tx#2及びTx#3から送信されたレーダ送信信号に対応する反射波信号を受信する。
ここで、図8において、配置位置が重複する仮想アンテナVA#4、VA#7及びVA#9に着目する。図8に示すように、仮想アンテナVA#4、VA#7及びVA#9のうち、何れかの仮想アンテナにおいて送信周期T'毎に受信信号が受信される。具体的には、レーダ装置10は、Tx#1の送信タイミングではVA#4において反射波信号を受信し、Tx#2の送信タイミングではVA#7において反射波信号を受信し、Tx#3の送信タイミングではVA#9において反射波信号を受信する。換言すると、レーダ装置10は、各送信アンテナ108の送信周期T毎の反射波信号の受信を待つこと無く、送信タイミング毎に同一位置の仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。レーダ装置10は、例えば、仮想アンテナVA#4、VA#7及びVA#9において受信する信号を用いてドップラ解析を行う。
このように、レーダ装置10は、送信間隔T'毎に、同一位置に配置される仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。よって、例えば、図8では、レーダ装置10は、仮想アンテナVA#4、VA#7及びVA#9の配置位置においてサンプリング間隔T'をT'=T/3に設定できる。
例えば、サンプリング間隔を各送信アンテナ108の送信間隔Tとする場合、相対速度の最大値vmax=λ/4Tで表される。ここで、λはキャリア周波数の波長を示す。これに対して、図8に示すように、仮想アンテナVA#4、VA#7及びVA#9におけるサンプリング間隔T'=T/3とする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=3vmaxで表される。
これにより、配置例1では、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmaxの3倍に拡大される。
<配置例2>
配置例2では、送信アンテナ108及び受信アンテナ202をそれぞれ2次元的に配置し、3次元に到来方向推定を行う場合について説明する。
図9は、配置例2に係る送信アンテナ108の配置例を示し、図10は、配置例2に係る受信アンテナ202の配置例を示す。また、図11は、図9に示す送信アンテナ108及び図10に示す受信アンテナ202によって構成される仮想受信アレーの配置例を示す。
図9では、送信アンテナ108の数をNt=6(例えば、Tx#1~Tx#6)とし、図10では、受信アンテナ202の数をNa=8(例えば、Rx#1~Rx#8)とする。
図9及び図10に示すように、送信アンテナ108及び受信アンテナ202は、第1軸の方向、及び、第1軸と直交する第2軸の方向の2次元的に配置される。例えば、図9では、Tx#2及びTx#3の2次元の配置関係と、図10に示すRx#8及びRx#6の2次元の配置関係と、が同一である。
この場合、図11に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=48個のVA#1~VA#48)では、Tx#2及びRx#3によって構成される仮想アンテナVA#11と、Tx#3及びRx#2によって構成される仮想アンテナVA#18と、が同一位置に重複して配置される。
例えば、レーダ装置10は、同一位置に重複して配置される仮想アンテナVA#11及びVA#18にそれぞれ対応する送信アンテナTx#2及びTx#3の送信間隔が等間隔になるように、各送信アンテナ108の送信タイミングを切り替える。図12は、図11に示す各仮想アンテナ(VA#1~VA#12)に対する、各送信アンテナ108の送信タイミングの一例を示す。
図12では、レーダ送信信号は、例えば、各送信アンテナ108の送信周期T(例えば、T=6Tr)において、Tx#2、Tx#1、Tx#4、Tx#3、Tx#5及びTx#6の順に送信される。よって、図12に示すように、Tx#2とTx#3との送信間隔T'はT/2となり、等間隔である。なお、図12では、Tx#2及びTx#3の送信間隔がT/2になればよく、各送信アンテナ108の送信順序は図12に示す順序に限定されない。
よって、図12では、図6Aと同様、各送信アンテナ108の送信周期T(例えば、T=Tr×Nt)内におけるレーダ送信信号の送信タイミングN=6回のうちのNの約数である2回において、配置位置が重複する仮想アンテナ(VA#11及びVA#18)に対応する送信アンテナ108(例えば、Tx#2及びTx#3)からレーダ送信信号が送信される。
レーダ装置10は、配置位置が重複する仮想アンテナVA#11及びVA#18において、VA#11及びVA#18に対応するTx#2及びTx#3からそれぞれ送信されたレーダ送信信号に対応する反射波信号を送信間隔T/2毎に受信する。換言すると、レーダ装置10は、各送信アンテナ108の送信周期T毎の反射波信号の受信を待つこと無く、送信間隔T'=T/2毎に同一位置の仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。レーダ装置10は、例えば、仮想アンテナVA#11及びVA#18において受信する信号を用いてドップラ解析を行う。
このように、レーダ装置10は、送信間隔T'毎に、同一位置に配置される仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。よって、例えば、図12では、レーダ装置10は、仮想アンテナVA#11及びVA#18の配置位置においてサンプリング間隔をT'をT'=T/2に設定できる。
例えば、サンプリング間隔を各送信アンテナ108の送信間隔Tとする場合、相対速度の最大値vmax=λ/4Tで表される。ここで、λはキャリア周波数の波長を示す。これに対して、図11及び図12に示すように、仮想アンテナVA#11及びVA#18におけるサンプリング間隔T'=T/2とする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=2vmaxで表される。
これにより、配置例2では、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmaxの2倍に拡大される。
以上、アンテナ配置の配置例1及び配置例2について説明した。
なお、アンテナ配置(例えば、アンテナ数Nt,Na又は配置位置)は、図7、図9及び図10に示す例に限定されず、例えば、上述した(条件1)を満たすようなアンテナ配置であればよい。
ここで、例えば、図7に示す仮想受信アレーでは、VA#8とVA#12との間が他の仮想アンテナ間よりも広い歯抜け状態である。本実施の形態では、例えば、送信アンテナ108及び受信アンテナ202は、仮想受信アレーにおいて、歯抜け状態になる箇所が1カ所以下になるように配置されてもよい。これにより、上記歯抜け状態に起因するサイドローブ又はグレーティングローブのレベルが大きくなること(換言すると、許容できないレベルになること)を防止できる。
なお、アンテナ配置の他の配置例はバリエーション4において後述する。
以上のように、本実施の形態では、レーダ装置10において、複数の送信アンテナ108及び複数の受信アンテナ202に基づいて構成される複数の仮想アンテナを含む仮想受信アレーのうち、少なくとも2つの仮想アンテナの配置位置を同一にする。また、レーダ装置10において、複数の送信アンテナ108のうち、上記配置位置が同一である少なくとも2つの仮想アンテナに対応する送信アンテナ108間のレーダ送信信号の送信間隔を等間隔にする。
これにより、レーダ装置10は、配置位置が同一である仮想アンテナに対応する複数の送信アンテナ108の送信タイミングの度に、当該仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。よって、レーダ装置10は、1つの送信アンテナ108毎の送信間隔と比較して、1つの仮想アンテナにおける受信間隔を短くすることができる。よって、レーダ装置10は、当該仮想アンテナにおけるサンプリング間隔を短くすることにより、ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大させることができる。
また、レーダ装置10では、複数の送信アンテナ108を用いて、各々の送信アンテナ108に対応する仮想アンテナの配置位置を重複させるように、送信アンテナ108及び受信アンテナ202が配置される。一例として、図7において、仮に、Tx#1の1つの送信アンテナ(1ブランチ)及び4つの受信アンテナ(Rx#1~Rx#4)を用いる場合、上述したように、送信間隔(換言すると、サンプリング間隔)を短くできるものの、アンテナ開口長は4アンテナ分となる。これに対して、本実施の形態では、Tx#1~Tx#3の3つの送信アンテナ(3ブランチ)及び4つの受信アンテナ(Rx#1~Rx#4)を用いることにより、上述したようにサンプリング間隔を短くしつつ、アンテナ開口長を10アンテナ分にできる。
これにより、本実施の形態では、レーダ装置10では、1つの送信アンテナを用いる場合と比較して、アンテナ開口面積(又は、アンテナ開口長)を大きくしつつ、上述したドップラ周波数範囲の拡大を実現できる。
また、本実施の形態では、複数の送信アンテナ108に対応する仮想アンテナの配置位置を重複させることにより、当該仮想アンテナでの受信間隔を短くし、ドップラ周波数範囲を拡大させる。よって、本実施の形態では、アンテナ開口面積を確保するために、例えば、受信アンテナ202の素子間隔を広げなくてもよいので、グレーティングローブの発生を抑え、誤検出(例えば、ゴーストの発生)の増加を抑えることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、アンテナ開口面積の低減又はグレーティングローブの増大を抑えつつ、折り返しが発生しない(換言すると、曖昧性が生じない)ドップラ周波数範囲(又は相対速度の最大値)を拡大させることができる。これにより、レーダ装置10は、より広いドップラ周波数範囲において、物標(例えば、到来方向)を精度良く検知することができる。
(一実施の形態のバリエーション1)
各送信アンテナ108の送信周期T内において、送信タイミング(又は送信回数)がN回ある場合、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信間隔(又は送信周期)T'は、上述したように、(1)Nの約数に相当する送信回数に1回の周期、又は、(2)N回全ての送信回数の周期である。
バリエーション1では、送信アンテナ108の数Nt(例えば、送信回数N)が素数であり、Nの約数が存在しない場合について説明する。
バリエーション1では、Ntが素数の場合、例えば、Ntより大きく素数ではない数をNに設定する。例えば、Nt=5の場合、Ntより1大きい値(Nt+1)である「6」をNに設定してもよい。配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108間の送信間隔を等間隔にできる。
なお、各送信アンテナ108の送信周期T内のN回の送信タイミング全てにおいて、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108からレーダ送信信号が送信される場合(例えば、図6Cを参照)、Ntが素数の場合(例えば、Nt=5)でも、N=Ntに設定する。これは、N=Ntの場合でも、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108間の送信間隔を等間隔にできるためである。
よって、例えば、Nt=5の場合、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する複数の送信アンテナの送信周期T'は、例えば、1送信周期T内におけるN=6の約数(つまり、2又は3)の送信回数に1回の周期、又は、N=Nt=5回にNt回の周期、の何れかである。
図13は、Nt=5の場合に、1送信周期T内において、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信回数を2回(送信周期T'=T/2)とする場合の送信タイミングの一例である。図13では、送信アンテナTx#1及びTx#4が、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナである。
図13に示す例では、Nt=5(素数)に対して、送信周期T内における送信回数Nは6回(=Nt+1)である。よって、図13では、Tx#1及びTx#4の2つの送信アンテナ108の送信間隔T'はT/2で等間隔である。なお、図13では、一例として、1送信周期T内において、Tx#5はレーダ送信信号を2回送信る。ただし、送信アンテナTx#1及びTx#4の送信タイミングが等間隔であれば、送信周期T内の送信パターンにおいて、レーダ送信信号を複数回送信する送信アンテナ108は、Tx#5以外の送信アンテナ108(例えば、Tx#2又はTx#3)でもよい。
バリエーション1によれば、送信アンテナ108の数Ntが素数の場合でも、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信間隔を等間隔にできる。よって、上記実施の形態と同様、ドップラ周波数(相対速度の最大値)の範囲を拡大することができるので、レーダ装置10は、折り返しなしでドップラ周波数を検出できるドップラ周波数範囲の低減を抑えて、到来方向を精度良く推定することができる。
なお、図13では、Nt=5の場合について説明したが、Ntの値が他の素数の場合についても同様である。また、図13では、Nt=5の場合に、N=Nt+1とする場合について説明したが、NはNtに1を加算した値に限定されない。
また、図13では、一例として、N=Nt+1=6とする場合に、送信回数をNの約数である2回に設定する場合について説明したが、送信回数は、他の約数である3回でもよく、Nt回でもよい。
例えば、N>Ntの場合、送信周期T内における配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信回数が3回以上の場合、送信周期T内の送信アンテナ108の送信パターンにおいて、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナを、レーダ送信信号を複数回(2回以上)送信する送信アンテナ108に設定してもよい。
図14Aは、N>Ntの一例として、Nt=5及びN=6の場合に、送信周期T内において、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ(例えば、Tx#1及びTx#4)の送信回数が3回の場合の送信タイミングの一例を示す。図14Aでは、送信周期T内の送信パターン(又は切替パターン)において、Tx#1の送信タイミングが2回設定され、Tx#4の送信タイミングが1回設定される。
また、例えば、N>Ntの場合、送信周期T内における配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナの送信回数が3回以上の場合、送信周期T内の送信アンテナ108の送信パターンにおいて、レーダ送信信号を複数回送信する送信アンテナ108は、複数の送信アンテナ108の配置における重心から最も離れた送信アンテナ以外の送信アンテナでもよい。例えば、レーダ送信信号を複数回送信する送信アンテナ108は、複数の送信アンテナ108の配置における中央付近の送信アンテナでもよい。
図14Bは、N>Ntの一例として、Nt=5及びN=6の場合に、送信周期T内において、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ(例えば、Tx#3及びTx#4)の送信回数が3回の場合の送信タイミングの一例を示す。図14Bにおいて、送信アンテナTx#3は、送信アンテナTx#1~Tx#5の中央に配置される送信アンテナ(又は、重心から最も離れた送信アンテナ以外の送信アンテナ)である。換言すると、Tx#3は、仮想アンテナ配置上で、中心付近となる仮想アンテナを構成する送信アンテナである。図14Bの場合、Tx#3の送信タイミングが2回設定され、Tx#4の送信タイミングが1回設定される。これにより、窓関数の効果によって、レーダ装置10は、方向推定時の角度プロファイル上のサイドローブを低減できる。
(一実施の形態のバリエーション2)
バリエーション2では、複数のアンテナ(複数の送信アンテナ108又は複数の受信アンテナ202)を用いたビーム形成によって得られる信号を、各アンテナの信号とは位相中心の異なる実信号として扱う場合について説明する。
図15は、バリエーション2に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図15では、送信アンテナ108の数をNt=3(例えば、Tx#1、Tx#2及びTx#3)とし、受信アンテナ202の数をNa=2(例えば、Rx#1及びRx#2)とする。ただし、Nt及びNaの値は、図15に示す例に限定されない。
例えば、送信アンテナ108及び受信アンテナ202の各アンテナ素子は、間隔dの整数倍で配置される。図15では、Tx#1、Tx#2及びTx#3はそれぞれ間隔2d離れて配置され、Rx#1及びRx#2は、間隔3d離れて配置される。なお、間隔dは、半波長程度であり、例えば、d=0.5λとする。
バリエーション2では、レーダ装置10は、図15に示す送信アンテナ108において、Tx#2及びTx#3の位相を制御して給電することにより、Tx#2及びTx#3の2素子によってビームを形成(換言すると、アンテナ合成)する。図15において、2素子の位相中心は、Tx#2とTx#3との間に存在する。例えば、Tx#2及びTx#3に対して等電力で給電された場合、2素子の位相中心は、図15に示すように、Tx#2とTx#3との中点となる。
また、図15では、Tx#2及びTx#3の2素子の位相中心点(例えば、合成アンテナの位相中心)と、Tx#1との間隔3dは、Rx#1とRx#2との間隔3dと同一である。
この場合、図15に示すように、仮想受信アレーにおいて、Tx#2及びTx#3の合成アンテナとRx#1とによって構成される仮想アンテナ(換言すると、アンテナ合成に対応する仮想アンテナ)と、Tx#1及びRx#2によって構成される仮想アンテナVA#2とが、同一位置に重複して配置される。2つの仮想アンテナが重複して配置される位置では、受信信号が2つ存在する。
バリエーション2では、レーダ送信部100は、配置位置が重複する仮想アンテナに対応するTx#1、及び、Tx#2及びTx#3の合成アンテナの送信間隔が等間隔になるように、各送信アンテナ108の送信タイミングを切り替える。
図16は、図15に示すアンテナ配置における送信タイミングの一例を示す。なお、送信タイミングは、図16に示す例に限定されず、配置位置が重複する仮想アンテナに対応する送信アンテナ108の送信タイミングが一定の間隔となるように設定されればよい。
図16では、Tx#1、Tx#2及びTx#3の送信アンテナ108毎の送信間隔(送信周期)はT=4Trである。また、図16に示すように、Tx#1の送信タイミングと、Tx#2及びTx#3の合成アンテナ(Tx#2+Tx#3)の送信タイミング(換言すると、Tx#2及びTx#3の同時送信のタイミング)との間隔は、T'=2Trである。よって、図16に示すように、Tx#1と、Tx#2及びTx#3の合成アンテナとの送信間隔T'は2Tr=T/2となり、等間隔である。
図16の場合、レーダ装置10は、図15において配置位置が重複する仮想アンテナにおいて送信周期T'=2Tr毎に反射波信号を受信する。レーダ受信部200は、ドップラ解析部212において、例えば、図15において配置位置が重複する2つの仮想アンテナでそれぞれ受信される受信信号を用いてドップラ解析を行う。
このように、レーダ装置10は、送信間隔T'毎に、同一位置に配置される仮想アンテナにおいて反射波信号を受信できる。よって、例えば、図16では、レーダ装置10は、同一位置に配置される仮想アンテナにおいてサンプリング間隔をT'=T/2に設定できる。
例えば、図16に示すように、サンプリング間隔を各送信アンテナ108の送信間隔T=4Trとする場合、相対速度の最大値vmax=λ/4Tで表される。ここで、λはキャリア周波数の波長を示す。これに対して、図16に示すように、Tx#1と、Tx#2及びTx#3の合成アンテナとの送信間隔(2Tr)に対応する仮想アンテナにおけるサンプリング間隔T'=2Tr=T/2でとする場合、相対速度の最大値v'max=λ/4T'=2vmaxで表される。
これにより、図15では、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmaxの2倍に拡大される。換言すると、仮想受信アレーが重複しない場合と比較して、折り返しが発生しないドップラ周波数範囲(相対速度)が2倍に拡大する。
よって、バリエーション2では、レーダ装置10は、仮想受信アレーにおいて仮想アンテナが重複しない場合と比較して、折り返しが発生しない(換言すると、曖昧性が生じない)ドップラ周波数範囲(相対速度の最大値)を拡大させて、到来方向を精度良く推定することができる。
また、バリエーション2では、複数(例えば、3個以上)の送信アンテナ108のうち少なくとも2つの送信アンテナ108からレーダ送信信号を同時送信する。これにより、仮想アンテナの配置位置は、当該少なくとも2つの送信アンテナ108間の位相中心点に基づいて定まる。よって、例えば、上記実施の形態と比較して、送信アンテナ108単体から構成される仮想アンテナ同士を重複させなくてもよい。例えば、図15では、Tx#1~Tx#3、Rx#1及びRx#2の組み合わせにより構成される仮想アンテナVA#1~VA#6は互いに重複していない。こうすることで、バリエーション2では、仮想受信アレーの開口長を減らすことなく、ドップラ周波数範囲(又は、相対速度の最大値)を拡大させることができる。
また、例えば、図15に示すTx#2及びTx#3のアンテナ合成は、位相中心が1波長以上離れたアンテナ素子の合成であることから、Tx#2及びTx#3のアンテナ合成によって形成される合成ビームは、メインローブ幅が小さくなり、狭い範囲に適応可能である。例えば、高速道路上の高速物体など、狭い範囲で相対速度が高い物体を検出したいシーンにバリエーション2が適応されることが考えられる。
なお、図15では、複数の送信アンテナ108のアンテナ合成(同時送信)について説明したが、これに限らず、複数(例えば、3個以上)の受信アンテナ202の受信信号を合成してもよい。
図17は、複数の受信アンテナ202の受信信号を合成する例を示す。
図17では、送信アンテナ108の数をNt=2(例えば、Tx#1及びTx#2)とし、受信アンテナ202の数Na=3(例えば、Rx#1、Rx#2及びRx#3)とする。ただし、Nt及びNaの値は、図17に示す例に限定されない。
例えば、送信アンテナ108及び受信アンテナ202の各アンテナ素子は、間隔dの整数倍で配置される。図17では、Tx#1及びTx#2は間隔3d離れて配置され、Rx#1、Rx#2及びRx#3は、間隔2d離れて配置される。なお、間隔dは、半波長程度であり、例えば、d=0.5λとする。
図17において、レーダ装置10は、Rx#1及びRx#2の受信信号を合成する。例えば、図17に示すように、Rx#1及びRx#2の2素子の位相中心は、Rx#1とRx#2との中点となる。
また、図17に示すように、Rx#1及びRx#2の2素子の位相中心点(例えば、合成アンテナの位相中心)と、Rx#3との間隔3dは、Tx#1とTx#2との間隔3dと同一である。
この場合、図17に示すように、仮想受信アレーにおいて、Rx#1及びRx#2の合成アンテナとTx#2とによって構成される仮想アンテナ(換言すると、アンテナ合成に対応する仮想アンテナ)と、Tx#1及びRx#3によって構成される仮想アンテナVA#3とが同一位置に重複して配置される。2つの仮想アンテナが重複して配置される位置では、受信信号が2つ存在する。
バリエーション2では、レーダ送信部100は、配置位置が重複する仮想アンテナに対応するTx#1及びTx#2の送信間隔が等間隔になるように、各送信アンテナ108の送信タイミングを切り替える。また、レーダ受信部200は、Rx#1及びRx#2において受信した反射波信号を合成する。これにより、仮想アンテナの配置位置は、Rx#1及びRx#2の間の位相中心点に基づいて定まる。
これにより、図17でも、図15と同様、仮想受信アレーの開口長を減らすことなく、ドップラ周波数範囲(又は、相対速度の最大値)を拡大させることができる。
なお、ここでは、アンテナ合成処理として、2つの送信アンテナ108からレーダ送信信号を同時送信する処理、及び、2つの受信アンテナ202における受信信号を合成する処理について説明したが、アンテナ合成処理において、3つ以上の送信アンテナ108又は3つ以上の受信アンテナ202を用いてもよい。
(一実施の形態のバリエーション3)
送信アンテナ108の各々、及び、受信アンテナ202の各々は、サブアレーアンテナによって構成されてもよい。
図18及び図19は、図9に示す送信アンテナ108の配置及び図10に示す受信アンテナ202の配置と同様のアンテナ配置を、サブアレーアンテナで構成する場合の一例を示す。
例えば、送信アンテナ108及び受信アンテナ202の1系統(1アンテナ素子)は、図9及び図10に示す第1軸及び第2軸の平面における点を位相中心として、隣接するアンテナに物理的に干渉しない程度に開口長を拡げてサブアレーアンテナを用いて構成してもよい。これにより、ビーム幅が絞られ、高いアンテナ利得を得ることができる。また、サブアレーアンテナにアレーウエイトをかけてサイドローブを抑制してもよい。
例えば、図18に示すように、アンテナ1系統を第2軸方向に4素子のサブアレーアンテナで構成してもよい。レーダ装置10の視野角(FOV:Field of View)が水平方向に広角、及び、垂直方向に狭角である場合、送信アンテナ108及び受信アンテナ202の1系統のビームパターンも同様に水平方向に広角、及び、垂直方向に狭角となることが望ましい。よって、図18に示すように、垂直方向(例えば、第2軸方向)に並べたサブアレーアンテナ構成が考えられる。なお、図18に示すアンテナ配置の代わりに、水平方向(例えば、第1軸方向)に素子が並ぶサブアレーアンテナ構成でもよい。このように、送信アンテナおよび受信アンテナ1系統は、レーダ装置10の視野角に適したビームパターンを形成するようなサブアレーアンテナで構成されることが望ましい。
また、図18では、全てのアンテナ素子が同様のサブアレーアンテナ構成である場合について説明したが、これに限定されない。例えば、アンテナ素子毎に、隣接するアンテナに干渉しない範囲で構成を変えてもよい。
例えば、図19に示すように、送信アンテナ108の各素子は、第1軸方向に2素子、及び、第2軸方向に4素子である8素子のサブアレーで構成される。また、図19に示すように、受信アンテナ202のうち、Rx#4、Rx#6及びRx#7は、第1軸方向に3素子、及び、第2軸方向に8素子である24素子のサブアレーで構成され、Rx#1、Rx#2、Rx#3、Rx#5及びRx#8は、第1軸方向に1素子、及び、第2軸方向に4素子である4素子のサブアレーで構成される。図19のアンテナ構成では、例えば、図18のアンテナ構成と比較してアンテナ1系統のビームパターンが狭角になり、視野角(FOV)が狭くなる。これにより、図19に示すアンテナ構成のレーダ装置10では、正面方向のアンテナ利得が向上し、SNR(Signal to Noise Ratio。又はS/N比と呼ぶ)を向上できる。
また、図9、図10、図18又は図19に示すように不等間隔に配置され送信アンテナ108(アンテナ素子)及び受信アンテナ202(アンテナ素子)に対して、ダミーアンテナ素子を設置してもよい。例えば、図18において、Rx#1の右側領域、又は、Rx#8の左側領域等にダミーアンテナ素子が設置されてもよい。ダミーアンテナ素子を設置することによって、例えば、アンテナの放射、インピーダンス整合、又は、アイソレーション等の電気的特性の影響を一様化する効果が得られる。
(一実施の形態のバリエーション4)
バリエーション4では、送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置について、上記配置例1及び配置例2以外の他の配置例について説明する。なお、以下に説明するアンテナ配置例(例えば、アンテナ数又はアンテナ配置位置)は一例であり、これらに限定されるものではない。
また、後述する図20~図23、図25、図27~図30に示す1マスの間隔を「d」とする。ただし、間隔dは、第1軸と第2軸とで異なる値でもよい。
(配置例3:Nt=6及びNa=8の例)
配置例3では、送信アンテナ108の数をNt=6(例えば、Tx#1~Tx#6)とし、受信アンテナ202の数をNa=8(例えば、Rx#1~RX#8)とする場合のアンテナ配置例について説明する。また、配置例3では、送信アンテナ108及び受信アンテナ202のうち、一方が1次元の直線アレーであり、他方が2次元の平面アレーである。
<配置例3-1>
図20は、配置例3-1に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図20では、Tx#1からTx#6は、例えば、第1軸方向に間隔dで直線状に配置される。また、図20では、Rx#1~Rx#4、及び、Rx#5~Rx#8が第2軸方向に間隔dでそれぞれ配置され、Rx#1~Rx#4の組とRx#5~Rx#8の組とが第1軸方向にそれぞれ間隔3dで配置されている。
この場合、図20に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=48個の仮想アンテナ)では、Tx#1及びTx#4に対応する仮想アンテナ、Tx#2及びTx#5に対応する仮想アンテナ、及び、Tx#3及びTx#6に対応する仮想アンテナが、それぞれ第2軸方向の4カ所において重複して配置される。なお、図20では、各配置位置に重複している仮想アンテナは2個である(以下、「重複1回」と呼ぶこともある)。
このように、少なくとも1つの送信アンテナ108(図20では、例えば、Tx#1~Tx#6)に対応する複数の仮想アンテナは、複数の位置において他の送信アンテナ108に対応する仮想アンテナと重複して配置される。これにより、レーダ装置10は、複数の配置位置の仮想アンテナで受信した受信信号を用いることにより受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
<配置例3-2>
図21は、配置例3-2に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図21は、受信アンテナ202において、配置例3-1(図20)のアンテナ配置と比較して、第1軸方向のアンテナ間隔は同一であり、Rx#2、Rx#4、Rx#6及びRx#8の配置位置を第1軸方向に間隔dだけ右側にずらしたアンテナ配置である。図21に示すアンテナ配置でも、図20と同様、各送信アンテナ108に対応する仮想アンテナが複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する仮想アンテナと重複して配置されるので、レーダ装置10における受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
<配置例3-3>
図22は、配置例3-3に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図22では、送信アンテナ108は、Tx#1~Rx#3、及び、Tx#4~Tx#6が、第2軸方向に間隔dでそれぞれ配置され、Tx#1~Tx#3の組とTx#4~Tx#6の組とが第1軸方向にそれぞれ間隔4d離れて配置されている。また、図22では、Rx#1~Rx#8は、例えば、第1軸方向に間隔dで直線状に配置される。
この場合、図22に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=48個の仮想アンテナ)では、Tx#1及びTx#4に対応する仮想アンテナ、Tx#2及びTx#5に対応する仮想アンテナ、及び、Tx#3及びTx#6に対応する仮想アンテナが、それぞれ第1軸方向の4カ所において重複して配置される。なお、図22では、各配置位置に重複している仮想アンテナは2個である(重複1回)。
このように、少なくとも1つの送信アンテナ108(図22では、例えば、Tx#1~Tx#6)に対応する複数の仮想アンテナは、複数の位置において他の送信アンテナ108に対応する仮想アンテナと重複して配置される。これにより、レーダ装置10は、複数の配置位置の仮想アンテナで受信した受信信号を用いることにより受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
<配置例3-4>
図23は、配置例3-4に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図23は、送信アンテナ108において、配置例3-3(図22)のアンテナ配置と比較して、第1軸方向のアンテナ間隔は同一であり、Tx#2及びTx#5の配置位置を第1軸方向に間隔dだけ右側にずらし、Tx#3及びTx#6の配置位置を第1軸方向に間隔2dだけ右側にずらしたアンテナ配置である。図23に示すアンテナ配置でも、図22と同様、各送信アンテナ108に対応する仮想アンテナが複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する仮想アンテナと重複して配置されるので、レーダ装置10における受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
以上、配置例3-1~配置例3-4について説明した。
図24は、配置例3(例えば、図20~図23を参照)における各送信アンテナ108(Tx#1~Tx#6)の送信タイミングの一例を示す。
図24に示すように、Tx#1~Tx#6の送信アンテナ108毎の送信周期Tは6Trである。図24に示すように、同一位置に配置される仮想アンテナに対応する送信アンテナ108の組(例えば、Tx#1とTx#4、Tx#2とTx#5、及び、Tx#3とTx#6)毎の送信周期T'は3Trである。換言すると、同一位置に配置される仮想アンテナを構成する送信アンテナ108の組の送信周期T'=T/2である。
よって、配置例3のアンテナ配置により、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmaxの2倍に拡大される。
(配置例4:Nt=6及びNa=8の例)
配置例4では、送信アンテナ108の数をNt=6(例えば、Tx#1~Tx#6)とし、受信アンテナ202の数をNa=8とする場合のアンテナ配置例について説明する。また、配置例4では、送信アンテナ108及び受信アンテナ202の双方が2次元の平面アレーである。
図25は、配置例4に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図25では、Tx#2及びTx#3の組と、Tx#4及びTx#5の組とが第1軸方向に間隔2d離れて配置される。また、Tx#3及びTx#5は、Tx#1に対して、第1軸方向にそれぞれ間隔d離れ、第2軸方向に間隔2d離れて配置される。同様に、Tx#2及びTx#4は、Tx#6に対して、第1軸方向にそれぞれ間隔d離れ、第2軸方向に間隔2d離れて配置される。また、図25では、第1軸方向に間隔d離れて配置された4アンテナ素子の2組(Rx#1~Rx#4の組、及び、Rx#5~Rx#8の組)が、第2軸方向に間隔2d離れてそれぞれ配置されている。
この場合、図25に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=48個の仮想アンテナ)では、Tx#1及びTx#3、Tx#2及びTx#4、Tx#3及びTx#5、Tx#4及びTx#6、Tx#1及びTx#5及びTx#2及びTx#6にそれぞれ対応する仮想アンテナが同一位置に重複1回で配置される。また、Tx#1、Tx#3及びTx#5の組、及び、Tx#2、Tx#4及びTx#6の組にそれぞれ対応する仮想アンテナが2カ所の同一位置に重複2回で配置される。
図25では、重複2回の仮想受信アレーが中心に配置され、放射状に重複1回の仮想アンテナ及び重複なしの仮想アンテナが配置される。よって、図25に示す仮想受信アレー配置は、仮想受信アレーの中央の受信電力ほど受信電力が高くなるような配置となっている。このように空間的に窓関数のような分布となり、同様の受信アレーを重複無しで配置した場合に比べて、アレーが形成するビームパターンにおいてサイドローブレベルが低くなり、誤検出のリスクが低減する。なお、重複した仮想受信アレーの信号は加算、平均化、又は、空間電力分布に窓関数をかけるなどの処理をして到来方向推定に用いることができる。
図26は、配置例4(例えば、図25を参照)における各送信アンテナ108(Tx#1~Tx#6)の送信タイミングの一例を示す。
図26に示すように、Tx#1~Tx#6の送信アンテナ108毎の送信周期Tは6Trである。図26に示すように、同一位置に重複2回で配置される仮想アンテナに対応する送信アンテナ108の組(例えば、Tx#1、Tx#3及びTx#5の組、及び、Tx#2、Tx#4及びTx#6の組)毎の送信周期T'は2Trである。換言すると、同一位置に配置される仮想アンテナを構成する送信アンテナ108の組の送信周期T'=T/3である。
よって、図25のアンテナ配置により、相対速度の最大値v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Tに基づく相対速度の最大値vmaxの3倍に拡大される。
また、図25では、各送信アンテナ108に対応する仮想アンテナが複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する仮想アンテナと重複して配置されるので、レーダ装置10における受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
なお、図25のアンテナ配置の代わりに、図26に示すアンテナ配置を適用してもよい。図26は、図25に示す送信アンテナ108の配置を、90度回転させたアンテナ配置である。この場合、図26に示すように、Tx#1、Tx#2、Tx#3及びTx#4の組に対応する仮想アンテナが3カ所の同一位置に重複3回で配置される。これにより、図25と同様、相対速度の最大値を拡大でき、かつ、レーダ装置10における受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
図28は、図27における各送信アンテナ108(Tx#1~Tx#6)の送信タイミングの一例を示す。
図28に示すように、Tx#1~Tx#6の送信アンテナ108毎の送信周期Tは8Trである。また、図28に示すように、同一位置で重複3回で配置される仮想アンテナに対応する送信アンテナ108の組(Tx#1、Tx#2、Tx#3及びTx#4)毎の送信周期T'は2Trである。また、重複2回である仮想アレーに対応する送信アンテナ108であるTx#5及びTx#6毎の送信周期T'は2Trである。
レーダ装置10は、これらの送信周期(T'=2Tr)の仮想受信アレーを用いて速度推定を行う場合、従来の送信周期Torg=6Trとすると、送信周期T'=Torg/3である。よって、v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Torgに基づく相対速度の最大値vmaxの3倍に拡大される。
また、レーダ装置10は、送信周期T'=4Trとして、仮想受信アレーの信号を用いて速度推定を行う構成も考えられる。これによって、レーダ装置10は、図27において重複1回である仮想受信アレーに対応する送信アンテナの組(Tx#1、Tx#2の組、及びTx#3、Tx#4の組)の信号、Tx#5とTx#6に対応する仮想受信アレーの信号、及び重複3回の仮想受信アレーの信号を加算して速度推定処理、及びCFAR処理を行ってもよい。
レーダ装置10は、これらの送信周期(T'=4Tr)の仮想受信アレーを用いて速度推定を行う場合、従来の送信周期Torg=6Trとすると、送信周期T'=2T/3である。よって、v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Torgに基づく相対速度の最大値vmaxの1.5倍に拡大される。送信周期T'=4Trの場合に比べて得られる最大速度は小さいが、速度推定に用いる仮想受信アレーの信号が多いため、CFAR処理に用いる受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
図27及び図28に示す構成では、レーダ装置10は上記のような受信処理を選択することができる。例えば、レーダ装置10は、反射強度が大きく相対速度も大きい反射物を検出したい場合は送信周期T'=2Trの受信信号を用いる処理を行い、上記に比べ反射強度が低い場合は送信周期T'=4Trの受信信号を用いる処理を行うこともできる。
また、送信アンテナ108の全てのアンテナを多重しなくてもよい。例えば、レーダ装置10は、図27に示される送信アンテナのうち、重複する仮想受信アンテナに対応するTx#1、Tx#2、Tx#3及びTx#4のみを用いてレーダ送信信号を連続で送信する。これによって、レーダ装置10は、送信周期T'=Trとして、仮想受信アレーの信号を用いて速度推定を行うことができる。従来の送信周期Torg=6Trとすると、送信周期T'=Torg/6である。よって、v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Torgに基づく相対速度の最大値vmaxの6倍に拡大される。このように、レーダ装置10は、より高速に対応できる構成を採ってもよい。例えば、レーダ装置10は、検出対象によって送信アンテナの送信タイミングパターンを切り替えることにより、より高速に対応できる構成及び到来方向推定の精度を向上できる構成としてもよい。なお、仮想受信アンテナが多数重なる本実施の形態の本配置例を一例として記載したが、これに限らずに適応してもよい。
(配置例5:Nt=3及びNa=4の例)
配置例5では、送信アンテナ108の数をNt=3(例えば、Tx#1~Tx#3)とし、受信アンテナ202の数をNa=4とする場合のアンテナ配置例について説明する。また、配置例5では、送信アンテナ108が1次元の直線アレーであり、受信アンテナ202が2次元の平面アレーである。
<配置例5-1>
図29は、配置例5-1に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図29では、Tx#1~Tx#3は、例えば、第1軸方向に間隔dで直線状に配置される。また、受信アンテナ202は、例えば、第2軸方向に間隔dで2素子が2組(Rx#1及びRx#2の組、及び、Rx#3及びRx#4の組)配置され、第1軸方向に、上記2組の素子が間隔2d離れて配置されている。
この場合、図29に示すように、仮想受信アレー配置(Nt×Na=12個の仮想アンテナ)では、Tx#1及びTx#3に対応する仮想アンテナが、それぞれ第2軸方向の2カ所において重複して配置される(重複1回)。
これにより、図29では、レーダ装置10は、複数の配置位置の仮想アンテナで受信した受信信号を用いることにより受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
<配置例5-2>
図30は、配置例5-2に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図30は、受信アンテナ202において、配置例5-1(図29)のアンテナ配置と比較して、第1軸方向のアンテナ間隔(2d)は同一であり、Rx#2及びRx#4の配置位置を第1軸方向に間隔dだけ右側にずらしたアンテナ配置である。図30に示すアンテナ配置でも、図29と同様、各送信アンテナ108に対応する仮想アンテナが複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する仮想アンテナと重複して配置されるので、レーダ装置10における受信信号の品質(例えば、SNR)を向上させることができる。
<配置例5-3>
図31は、配置例5-3に係る送信アンテナ108及び受信アンテナ202のアンテナ配置、及び、仮想受信アレーの配置の一例を示す。
図31において、送信アンテナ108の総数Ntは3個であり、それぞれ、Tx#1~Tx#3で示される。送信アンテナTx#1~Tx#3は、dHの間隔で第1軸方向に等間隔に配置される。ここで、第1軸方向の基本間隔dHは、例えば、dH=0.5λである。受信アンテナ202の総数Naは4個であり、それぞれ、Rx#1~Rx#4で示される。受信アンテナRx#1~Rx#4は、[3,2,3]×dHの間隔で第1軸方向に配置される。
図31に示されるように、仮想アンテナVA#6の位置には、送信アンテナTx#3と受信アンテナRx#2とによって構成される仮想アンテナと、送信アンテナTx#1と受信アンテナRx#3とによって構成される仮想アンテナとが重複して配置される。
図32は、図31における各送信アンテナ108(Tx#1~Tx#3)の送信タイミングの一例を示す。Tx#1~Tx#3の送信アンテナ108毎の送信周期Tは4Trである。図32に示すように、同一位置で重複1回で配置される仮想アンテナに対応する送信アンテナ108の組(Tx#1、Tx#3)毎の送信周期T'は2Trである。また、図32に示すように、送信アンテナTx#2の送信周期T'も同様に2Trである。したがって、レーダ装置10は、重複1回の仮想受信アレーの信号に加え、Tx#2による仮想受信アレーを加算して速度推定処理、及びCFAR処理を行ってもよい。
これらの送信周期(T'=2Tr)の仮想受信アレーを用いて速度推定を行う場合、従来の送信周期Torg=3Trとすると、送信周期T'=2T/3である。よって、v'max(又は、ドップラ周波数範囲)は、送信アンテナ108毎の送信間隔Torgに基づく相対速度の最大値vmaxの1.5倍に拡大される。
また、この送信方法に関してはSNRについても利点がある。通常、図32のように仮想アンテナに重なりのないTx#2からは(Nt=3, N=3であれば)送信回数N回のうち1回ずつしかレーダ送信信号が送信されないため、全体の送信数はNc回である。しかし、上記のように仮想アンテナに重なりのないTx#2からレーダ送信信号が送信回数Nのうち2回ずつ送信されることで、全体の送信数は2Nc回となる。また、それらの送信はすべて2Tr間隔で送信されるため、FFTにより受信信号の同相加算が可能となりSNRの向上が期待できる。
(一実施の形態のバリエーション5)
本開示の一態様に係るレーダ装置の構成は、図1に示す構成に限定されない。例えば、図33に示すレーダ装置10aの構成を用いてもよい。なお、図33において、レーダ受信部200の構成は、図1と同様であるので詳細な構成を省略している。
図1に示すレーダ装置10では、レーダ送信部100において、送信切替部106によって、レーダ送信信号生成部101からの出力を複数の送信無線部107の何れか一つに選択的に切り替える。これに対して、図33に示すレーダ装置10aでは、レーダ送信部100aにおいて、レーダ送信信号生成部101からの出力(レーダ送信信号)は、送信無線部107aによって送信無線処理を施され、送信切替部106aによって、送信無線部107aの出力を複数の送信アンテナ108の何れか一つに選択的に切り替える。
図33に示すレーダ装置10aの構成でも、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
(一実施の形態のバリエーション6)
上記実施の形態では、レーダ送信部100において、パルス列を位相変調又は振幅変調して送信するパルス圧縮レーダを用いる場合について説明したが、変調方式はこれに限定されない。例えば、本開示は、チャープ(chirp)パルスのような周波数変調したパルス波を用いたレーダ方式についても適用可能である。
図34は、チャープパルス(例えば、fast chirp modulation)を用いたレーダ方式を適用した場合のレーダ装置10bの構成図の一例を示す。なお、図34において、図1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、レーダ送信部100bにおける送信処理について説明する。
レーダ送信部100bにおいて、レーダ送信信号生成部401は、変調信号発生部402及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)403を有する。
変調信号発生部402は、例えば、図35に示すように、のこぎり歯形状の変調信号を周期的に発生させる。ここで、レーダ送信周期をTrとする。
VCO403は、変調信号発生部402から出力されるレーダ送信信号に基づいて、周波数変調信号(換言すると、周波数チャープ信号)を送信無線部107へ出力する。周波数変調信号は、送信無線部107において増幅され、送信切替部106において切り替えられた送信アンテナ108から空間に放射される。例えば、第1の送信アンテナ108から第Ntの送信アンテナ108の各々において、レーダ送信信号はNp(=Nt×Tr)周期の送信間隔で送信される。
方向性結合部404は、周波数変調信号の一部の信号を取り出して、レーダ受信部200bの各受信無線部501(ミキサ部502)に出力する。
次に、レーダ受信部200bにおける受信処理について説明する。
レーダ受信部200bの受信無線部501は、ミキサ部502において、受信した反射波信号に対して、送信信号である周波数変調信号(方向性結合部404から入力される信号)をミキシングし、LPF503を通過させる。これにより、反射波信号の遅延時間に応じた周波数となるビート信号が取り出される。例えば、図35に示すように、送信信号(送信周波数変調波)の周波数と、受信信号(受信周波数変調波)の周波数との差分周波数がビート周波数として得られる。
LPF503から出力された信号は、信号処理部207bにおいて、A/D変換部208bによって離散サンプルデータに変換される。
R-FFT部504は、送信周期Tr毎に、所定の時間範囲(レンジゲート)において得られたNdata個の離散サンプルデータをFFT処理する。これにより、信号処理部207bでは、反射波信号(レーダ反射波)の遅延時間に応じたビート周波数にピークが現れる周波数スペクトラムが出力される。なお、FFT処理の際、R-FFT部504は、例えば、Han窓又はHamming窓等の窓関数係数を乗算してもよい。窓関数係数を用いることにより、ビート周波数ピーク周辺に発生するサイドローブを抑圧できる。
ここで、第M番目のチャープパルス送信によって得られる第z番目の信号処理部207bにおけるR-FFT部504から出力されるビート周波数スペクトラム応答をAC_RFT(fb、M)で表す。ここで、fbはFFTのインデックス番号(ビン番号)であり、fb=0,…,Ndata/2である。周波数インデックスfbが小さいほど、反射波信号の遅延時間が小さい(換言すると、物標との距離が近い)ビート周波数を示す。
第z番目の信号処理部207bにおける出力切替部211は、上記実施の形態と同様、切替制御部105から入力される切替制御信号に基づいて、レーダ送信周期Tr毎のR-FFT部504の出力を、Nt個のドップラ解析部212のうちの一つに選択的に切り替えて出力する。
以下、一例として、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における切替制御信号をNtビットの情報[bit1(M), bit2(M), … ,bitNt(M)]で表す。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の切替制御信号において、第ND番目のビットbitND(M)(ただし、ND=1~Ntの何れか)が‘1’である場合、出力切替部211は、第ND番目のドップラ解析部212を選択(換言するとON)する。一方、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の切替制御信号において、第ND番目のビットbitND(M)が‘0’である場合、出力切替部211は、第ND番目のドップラ解析部212を非選択(換言するとOFF)とする。出力切替部211は、選択したドップラ解析部212に対して、R-FFT部504から入力される信号を出力する。
上記のように、各ドップラ解析部212の選択は、Np(=Nt×Tr)周期で順次ONとなる。切替制御信号は、上記内容をNc回繰り返す。また、上記実施の形態と同様、仮想受信アレーにおいて、同一位置に重複して配置される仮想アンテナに対応する送信アンテナ108に対応するドップラ解析部212の選択(換言すると、送信アンテナ108の送信タイミング)は、送信アンテナ108毎の送信周期において等間隔に設定される。
なお、各送信無線部107における送信信号の送信開始時間は、周期Trに同期させなくてもよい。例えば、各送信無線部107では、送信開始時間に異なる送信遅延Δ1, Δ2,…,ΔNtを設けて、レーダ送信信号の送信を開始してもよい。
第z(z=1,…,Na)番目の信号処理部207bは、Nt個のドップラ解析部212を有する。
ドップラ解析部212は、出力切替部211からの出力に対して、ビート周波数インデックスfb毎にドップラ解析を行う。
例えば、Ncが2のべき乗値である場合、ドップラ解析において高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理を適用できる。
例えば、第z番目の信号処理部207bの第ND番目のドップラ解析部212における第w番目の出力のうち、重畳する仮想受信アレーにおける出力は、次式に示すように、ビート周波数インデックスfbにおけるドップラ周波数インデックスfsのドップラ周波数応答FT_CIz (ND)(fb, fs, w)を示す。なお、ND=1~Ntであり、wは1以上の整数である。また、Nvaは、重畳する仮想受信アレーに対応するアンテナ数を示し、Nは、1周期内の送信回数を示す。また、jは虚数単位であり、z=1~Naである。
Figure 0007117557000015
一方、例えば、第z番目の信号処理部207bの第ND番目のドップラ解析部212における第w番目の出力のうち、上記重畳する仮想受信アレー以外の重畳しない仮想受信アレーにおける出力は、次式に示すように、ビート周波数インデックスfbにおけるドップラ周波数インデックスfuのドップラ周波数応答FT_CIz (ND)(fb, fu, w)を示す。なお、ND=1~Ntであり、ND=1~Ntであり、wは1以上の整数である。また、jは虚数単位であり、z=1~Naである。
Figure 0007117557000016
信号処理部207b以降の信号補正部213、CFAR部213及び方向推定部214の処理は、上記実施の形態で説明した離散時刻kをビート周波数インデックスfbで置き換えた動作となるので、詳細な説明を省略する。
以上の構成及び動作により、本バリエーションでも、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、後述する一実施の形態のバリエーションにおいても、同様に、レーダ送信信号として周波数チャープ信号を適用でき、符号化パルス信号を用いた場合と同様の効果が得られる。
また、上述したビート周波数インデックスfbは、距離情報に変換して出力されてもよい。ビート周波数インデックスfbを距離情報R(fb)に変換するには次式を用いればよい。ここで、Bwは周波数変調して生成される周波数チャープ信号の周波数変調帯域幅を表し、C0は光速度を表す。
Figure 0007117557000017
以上、本開示に係る一実施の形態について説明した。
[他の実施の形態]
(1)図1に示すレーダ装置10において、レーダ送信部100及びレーダ受信部200は、物理的に離れた場所に個別に配置されてもよい。また、図1に示すレーダ受信部200において、方向推定部214と、他の構成部とは、物理的に離れた場所に個別に配置されてもよい。
(2)レーダ装置10は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、およびRAM(Random Access Memory)等の作業用メモリを有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。但し、レーダ装置10のハードウェア構成は、かかる例に限定されない。例えば、レーダ装置10の各機能部は、集積回路であるIC(Integrated Circuit)として実現されてもよい。各機能部は、個別に1チップ化されてもよいし、その一部または全部を含むように1チップ化されてもよい。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
<本開示のまとめ>
本開示のレーダ装置は、複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナを用いて送信信号を送信する送信回路と、を具備し、複数の受信アンテナ及び前記複数の送信アンテナに基づいて構成される複数の仮想アンテナを含む仮想受信アレーのうち、少なくとも2つの前記仮想アンテナの配置位置が同一であり、前記複数の送信アンテナのうち、前記少なくとも2つの仮想アンテナに対応する送信アンテナから順次送信される前記送信信号の送信間隔が等間隔である。
本開示のレーダ装置において、前記送信回路は、前記送信信号を前記複数のアンテナを用いて所定の送信パターンで送信する。
本開示のレーダ装置において、前記送信パターンにおいて、前記複数のアンテナには、前記送信信号を複数回送信する送信アンテナが含まれる。
本開示のレーダ装置において、前記送信パターンにおいて、前記送信信号を複数回送信する送信アンテナは、前記複数の送信アンテナのアンテナ配置における重心から最も離れた送信アンテナ以外の送信アンテナである。
本開示のレーダ装置において、前記複数の送信アンテナのうち少なくとも1つの送信アンテナに対応する複数の前記仮想アンテナは、複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する前記仮想アンテナと重複して配置される。
本開示のレーダ装置において、前記送信回路は、前記複数の送信アンテナのうち、前記少なくとも2つの仮想アンテナに対応する送信アンテナから、前記送信信号を連続で送信する。
本開示のレーダ装置において、3個以上の送信アンテナのうち少なくとも2つの送信アンテナから前記送信信号が同時に送信され、前記少なくとも2つの仮想アンテナの配置位置は、前記少なくとも2つの送信アンテナ間の位相中心点に基づいて定まる。
本開示のレーダ装置において、3個以上の受信アンテナを用いて、前記送信信号が物標において反射された反射波信号を受信する受信回路、を更に具備し、前記受信回路は、前記3個以上の受信アンテナのうち少なくとも2つの受信アンテナにおいて受信された前記反射波信号を合成し、前記少なくとも2つの仮想アンテナの配置位置は、前記少なくとも2つの受信アンテナ間の位相中心点に基づいて定まる。
本開示のレーダ装置において、前記複数の送信アンテナは、2次元的に配置されている。
本開示は、広角範囲を検知するレーダ装置として好適である。
10,10a,10b レーダ装置
100,100a,100b レーダ送信部
101,101a,401 レーダ送信信号生成部
102 符号生成部
103 変調部
104,503 LPF
105 切替制御部
106,106a 送信切替部
107,107a 送信無線部
108 送信アンテナ
111 符号記憶部
112 DA変換部
200,200b レーダ受信部
201 アンテナ系統処理部
202 受信アンテナ
203,501 受信無線部
204 増幅器
205 周波数変換器
206 直交検波器
207,207b 信号処理部
208,208b,209 AD変換部
210 相関演算部
211 出力切替部
212 ドップラ解析部
213 CFAR部
214 方向推定部
300 基準信号生成部
402 変調信号発生部
403 VCO
404 方向性結合部
502 ミキサ部
504 R-FFT部

Claims (9)

  1. 複数の送信アンテナと、
    複数の受信アンテナと、
    所定回数の送信周期毎に 前記複数の送信アンテナの各送信アンテナ少なくとも1回以上用いて送信信号を送信する送信回路と、
    前記送信信号が物標において反射された反射波信号を受信する受信回路と、
    を具備し、
    前記 複数の受信アンテナ及び前記複数の送信アンテナに基づいて構成される複数の仮想アンテナを含む仮想受信アレー配置位置が同一である仮想アンテナ を少なくとも2つ含み、
    前記送信回路は、 前記配置位置が同一である仮想アンテナに対応する全ての送信アンテナを用いて、前記所定回数の送信周期よりも短い間隔毎に、前記送信信号を送信する
    レーダ装置。
  2. 前記送信回路は、前記送信信号を前記複数の送信アンテナを用いて所定の送信パターンで送信する、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記送信パターンにおいて、前記配置位置が同一である仮想アンテナに対応する送信アンテナには、前記送信信号を複数回送信する送信アンテナが含まれる、
    請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記送信パターンにおいて、前記送信信号を複数回送信する送信アンテナは、前記複数の送信アンテナのアンテナ配置における重心から最も離れた送信アンテナ以外の送信アンテナである、
    請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記複数の送信アンテナのうち少なくとも1つの送信アンテナに対応する複数の前記仮想アンテナは、複数の配置位置において他の送信アンテナに対応する前記仮想アンテナと重複して配置される、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  6. 前記送信回路は、前記複数の送信アンテナのうち、前記配置位置が同一である仮想アンテナに対応する送信アンテナから、前記送信信号を連続で送信する、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  7. 前記複数の送信アンテナは、3個以上の送信アンテナであり、
    前記3個以上の送信アンテナのうち少なくとも2つの送信アンテナから前記送信信号が同時に送信され、
    前記配置位置が同一である仮想アンテナの配置位置は、前記少なくとも2つの送信アンテナ間の位相中心点に基づいて定まる、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  8. 前記複数の受信アンテナは、3個以上の受信アンテナであり、
    前記受信回路は、前記3個以上の受信アンテナのうち少なくとも2つの受信アンテナにおいて受信された前記反射波信号を合成し、
    前記配置位置が同一である仮想アンテナの配置位置は、前記少なくとも2つの受信アンテナ間の位相中心点に基づいて定まる、
    請求項1に記載のレーダ装置。
  9. 前記複数の送信アンテナは、2次元的に配置されている、
    請求項1に記載のレーダ装置。
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