JP7117359B2 - 希土類コバルト永久磁石及びその製造方法、並びにデバイス - Google Patents

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Description

本発明は希土類コバルト永久磁石及びその製造方法、並びにデバイスに関する。
希土類コバルト永久磁石は、磁気特性向上など、種々の観点から、例えばFe、Cu、Zr等を含有するものが知られている。
特許文献1には、質量%で、Smを含む希土類元素R:23~27%、Cu:3.5~5.0%、Fe:18~25%、Zr:1.5~3.0%を含み、残部がCo及び不可避的不純物からり、粒界部におけるCuとZrの含有量が前記結晶粒と比較して高濃度となる希土類コバルト永久磁石が開示されている。
また、特許文献2には、25~40質量%のFeと、Zr、Ti及びHfから選択される元素と、希土類元素と、Cuと、Coとを特定の割合で含有し、Cu濃度の高い相を有する永久磁石が開示されている。
国際公開第2017/061126号 特開2014-103239号公報
本発明者らは、希土類コバルト永久磁石の残留磁束密度Brや最大磁気エネルギー積(BH)mなど磁気特性向上の観点からFe含有濃度の高い希土類コバルト永久磁石を検討した。本発明者らは、Feの割合を高めて焼結処理を行ったところ、焼結体にポア(空隙)が生じる場合があるとの知見を得た。大きいポアの発生は焼結体の組織の均一化を阻害し、その結果、反磁界の影響が大きくなり磁気特性が低下することがあった。
本発明は上記の課題を解決するものであり、磁気特性の優れた希土類コバルト永久磁石、及び、ポアの発生及び肥大化が抑制できる希土類コバルト永久磁石の製造方法を提供する。
本発明にかかる希土類コバルト永久磁石は、質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる希土類コバルトを含む金属間化合物であって、複数の結晶粒と粒界部を有し、ポアの最大径が40μm以下である。
上記希土類コバルト永久磁石の一実施形態は、比表面積が0.30m/g以上の粉末の焼結体を含む。
上記希土類コバルト永久磁石の一実施形態は、焼結体密度が8.25g/cm以上、最大エネルギー積が260kJ/m以上、固有保磁力が1600kA/m以上、Brの90%を示すときの逆磁界の大きさをHkとしたとき、Hk/Hcjが65%以上である。
本発明にかかる希土類コバルト永久磁石の製造方法は、
質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる合金を準備する工程(I)と、
前記合金を、比表面積が0.30m/g以上の粉末とする粉砕工程(II)と、
前記粉末を成形体とする加圧成形工程(III)と、
前記成形体を焼結する工程(IV)と、
焼結後の成形体を溶体化処理する工程(V)と、
溶体化処理後の成形体を急冷する工程と(VI)、
溶体化処理後の成形体を熱処理する工程(VII)と、を有する。
また本発明にかかるデバイスは、上記希土類コバルト永久磁石を有することを特徴とする。
本発明により、磁気特性の優れた希土類コバルト永久磁石、及び、ポアの発生及び肥大化が抑制できる希土類コバルト永久磁石の製造方法が提供される。
実施例2の永久磁石の研磨面を示す光学顕微鏡像である。 比較例3の永久磁石の研磨面を示す光学顕微鏡像である。 比較例5の永久磁石の研磨面を示す光学顕微鏡像である。
以下、本発明に係る希土類コバルト永久磁石について説明する。
なお、数値範囲を示す「~」は特に断りがない限り、その下限値及び上限値を含むものとする。
[希土類コバルト永久磁石]
本実施形態の希土類コバルト永久磁石(以下、本永久磁石ともいう)は、質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる希土類コバルトを含む金属間化合物であって、複数の結晶粒と粒界部を有し、ポアの最大径が40μm以下であることを特徴とする。
永久磁石の磁気特性の一項目として残留磁束密度(Br)が挙げられる。Brは単位面積あたりを貫く磁束の量と定義される。永久磁石にポアが存在することは、当該永久磁石中の磁性体量が少なくなることを意味し、当該永久磁石全体を貫く磁束量が減少してしまう。また、ポアの周りは組成やセルが目的とする構造から乱れるため、逆磁区が発生しやすい。従って、可能な限り磁束量を増やし永久磁石としての高機能特性を発現させるためには、高密度な試料を作製することが重要である。
本永久磁石は、Feを22%と比較的多く含有しながら、ポアの最大径が40μm以下に抑制されているため、最大エネルギー積(BH)mや角形比(Hk/Hcj)などの磁気特性に優れている。
図1を参照して、ポアの観察方法を説明する。図1は実施例2の永久磁石の研磨面を示す光学顕微鏡像である。顕微鏡像は、測定対象とする永久磁石(焼結体)を鏡面研磨した後、酸溶媒に含侵させてエッチングする。このとき粒界部分が結晶粒本体部分より速く腐食されるため、粒界がはっきりと現れ、一つ一つの結晶粒を明瞭に観察することができる。
図1に示される通り、本永久磁石は、複数の結晶粒1と、当該各結晶粒1の境界となる結晶粒界2を有する。図1中の黒色の箇所がポア4に相当する。なお、図1中の3で示す灰色の箇所は希土類元素の酸化物でありポア4とは異なるものである。本永久磁石においてポア4の最大径は、当該光学顕微鏡像の中から最大径を有するポアを決定し当該ポアの径を最大径とする。ポアが円でない不定型の場合には最長となる幅を最大径とする。
結晶粒の大きさやポアの大きさは画像処理ソフトを用いるとより正確に把握することができる。
本発明者らは、Feの濃度が高い場合に当該ポアが大きくなりやすいとの知見を得た。ポアは焼結処理時において脱ガス等によって生じるものと考えられる。本発明者らはFeの濃度が高い場合には、拡散速度や濡れ性が比較的低く、焼結処理時においてポアが埋まりにくいのではないかと推定する。本永久磁石は、例えば後述する製造方法などにより、ポアが発生しても焼結処理時に金属成分が当該ポアを埋めやすく、最大径が40μm以下の焼結体が得られるものと推定される。
ポアの最大径は40μm以下であればよい。中でも、本永久磁石を高密度化し、より良好な磁気特性を得る点からは、ポアの最大径は20μm以下が好ましい。また、本永久磁石を高密度化し、より良好な磁気特性を得る点から、光学顕微鏡像内のポアの存在比率(面積比)は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
本永久磁石の組成は、質量百分率で、Smを含む希土類元素R:23~27%、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる。本永久磁石は、このような組成を有することにより、セル構造内にて同一の組成変動傾向を示し、目的とする磁区構造や磁気特性が得られ、優れた磁気特性を有する。
本実施形態において、希土類元素Rとは、Sc、Y、及びランタノイド(原子番号57~71の元素)の総称である。本永久磁石は、希土類元素Rとして少なくともSmを含む。希土類元素RはSmのみ単独で用いてもよく、Smと、1種又は2種以上の他の希土類元素との組み合わせであってもよい。他の希土類元素としては、磁気特性の観点から、中でもPr、Nd、Ce、Laが好ましい。また、磁気特性の観点から、希土類元素R全体に対してSmは80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
本永久磁石中、質量百分率で希土類元素Rは23~27%含有する。上記割合で含有することにより、磁気異方性が高く、且つ、高い保磁力を有する永久磁石が得られる。中でも、磁気特性が向上する点から23.5~26.5%が好ましい。
本永久磁石は、Feを22~27%含有する。Feを22%以上含有することにより飽和磁化が向上する。また、Feの含有量が27%以下であることにより高い保磁力を有する永久磁石となる。本永久磁石は、後述する製造方法によりFeが22%以上であってもポアの肥大化が抑制され、ポアの最大径が40μm以下となる。磁気特性が向上する点からFeの含有割合は22.5~26.5%が好ましい。
本永久磁石は、Cuを4.0~5.0%含有する。Cuを4.0%以上含有することにより高い保磁力を有する永久磁石となる。また、Cuの含有量が5.0%以下であることにより磁化の低下が抑制される。磁気特性が向上する点からCuの含有割合は4.0~4.5%が好ましい。
本永久磁石は、Zrを1.7%~2.5%含有する。Zrを上記範囲内で含有することにより、磁石が保持できる最大の静磁エネルギーである最大エネルギー積(BH)mの高い永久磁石が得られる。磁気特性が向上する点からZrの含有割合は1.7%~2.3%が好ましい。
また、本永久磁石は、残部(すなわち、38.5%~49.3%)がCo(コバルト)及び不可避不純物からなる。Coを含有することにより、永久磁石の熱安定性が向上する。一方、Coの含有量が過剰となると相対的にFeの含有割合が低下する。
不可避不純物は、原料や製造工程から不可避的に混入する元素であって、具体的には、例えば、C、N、P、S、Al、Ti、Cr、Mn、Ni、Hf、Sn、Wなどが挙げられるが、これらに限定されない。本永久磁石において不可避不純物の含有割合は、本永久磁石全量に対し、質量百分率で、合計で5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
本永久磁石中の各元素の含有割合は、例えば、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry)を用いて測定することができる。
本永久磁石は、ThZn17型構造の結晶相(図1の結晶粒1。以下、2-17相ということがある)を主相として有している。ThZn17型構造はR-3m型の空間群を有する結晶構造であり、本永久磁石においては、通常、Th部位を希土類元素及びZrが占め、Zn部位にCo、Cu、Fe、及びZrが占めている。また、本永久磁石は、RCo型構造の結晶相(図1の結晶粒界2。以下、1-5相ということがある)を有している。なお、当該1-5相は、通常、R部位を希土類元素及びZrが占め、Co部位にCo、Cu、Feが占めている。また、本永久磁石は、TbCu型構造の結晶相(以下、1-7相ということがある)を有していてもよい。当該1-7相は、通常、Tb部位を希土類元素及びZrが占め、Cu部位にCo、Cu、Feが占めている。結晶構造は、X線回折法により決定できる。
本発明の永久磁石は、磁壁移動時に2-17相と1-5相の2相間で磁壁がピンニングされることにより、保磁力が発現すると推定される。また、2相分離時にFeとCuそれぞれ2-17相と1-5相に濃縮することによって角形性が向上し、(BH)mが大きくなることから、磁気特性と組成比が大きく関与することが特徴である。さらに、2-17相と1-5相の組成比が試料全体にわたって一定であるほど良好な磁気特性を得ることができ、さらに、細かく加工した場合には歩留まりを向上させることができる。
本永久磁石は、特に残留磁束密度や角形などの磁気特性に優れる点から、緻密化していることが好ましく、具体的には、本永久磁石の密度(焼結体密度)が8.25g/cm以上であることが好ましい。一方、当該密度の上限は特に限定されないが、本永久磁石の組成から、通常、8.40g/cm以下となる。なお、本永久磁石の高密度化は、ポアの最大径や、ポアの存在比率を低減させることにより達成することが好ましく、本永久磁石は密度が高いCuの含有割合が低い場合であっても上記密度を達成することができる。
本永久磁石は、一例として、焼結体密度が8.25g/cm以上、最大エネルギー積が260kJ/m以上、固有保磁力が1600kA/m以上、Brの90%を示すときの逆磁界の大きさをHkとしたとき、Hk/Hcjが65%以上の優れた磁気特性が達成可能である。なお、Hcjは保磁力を示す。
[希土類コバルト永久磁石の製造方法]
本実施形態の希土類コバルト永久磁石の製造方法(以下、本製造方法ともいう)は、質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる合金を準備する工程(I)と、
前記合金を、比表面積が0.30m/g以上の粉末とする粉砕工程(II)と、
前記粉末を成形体とする加圧成形工程(III)と、
前記成形体を焼結する工程(IV)と、
焼結後の成形体を溶体化処理する工程(V)と、
溶体化処理後の成形体を急冷する工程と(VI)、
溶体化処理後の成形体を熱処理する工程(VII)と、を有する。
本製造方法により、大きなポアが生じることを抑制でき、磁気特性に優れた、上記本希土類コバルト永久磁石が製造できる。
まず、質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる合金を準備する(工程(I))。当該合金の準備方法は、所望の組成を有する合金の市販品を入手することにより準備してもよく、各元素を所望の組成となるように配合することにより合金を準備してもよい。
以下、各元素を配合する具体例について説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
まず原料として、所望の希土類元素、Fe、Cu、Coの各金属元素と、母合金を準備する。ここで、母合金として共晶温度の低い組成のものを選択することが、得られる合金の組成の均一化を図りやすい点から好ましい。本発明においては、母合金として、FeZr又はCuZrを選択して用いることが好ましい。FeZrとしては、一例としてFe20%Zr80%前後のものが好適である。また、CuZrとしては、一例としてCu50%Zr50%前後のものが好適である。
これらの原料を所望の組成となるように配合し、Al等の坩堝にいれ、1×10-2torr以下の真空中または不活性ガス雰囲気において高周波溶解炉により溶解することで、均一化した合金が得られる。更に、本発明においては当該溶解した合金を金型により鋳造して合金インゴットとする工程を含んでいてもよい。また、別法として、溶解した合金を銅ロールに滴下することにより1mm厚程度のフレーク上の合金を製造してもよい(ストリップキャスト法)。
また前記鋳造により合金インゴットとした場合、当該合金インゴットの溶体化温度で1~20時間熱処理してもよい。当該熱処理により、組成をより均一化し、最終製品のFe/Cu比のばらつきをより抑制することができる。なお、合金インゴットの溶体化温度は、合金の組成等に応じて適宜調整すればよい。
次いで、前記合金を粉砕して比表面積が0.30m/g以上の粉末とする(工程(II))。比表面積の大きい粉末を用いることで、後述する焼結時に焼結体が緻密化しポアの最大径が40μm以下に抑制される。
本実施形態において比表面積は、単位質量当たりの比表面積を表し、下記式(1)で表すことができる。
比表面積=表面積(m)/質量(g) :式(1)
比表面積が0.30m/g以上とするために、粉末の表面積を増大させることが好ましい。比表面積が0.30m/g以上とする方法は、粉末に十分な凹凸形状を付与する方法であれば任意の方法を採用することができる。製造の容易性の点から、粉砕条件を調整することで粉砕時に表面積を増大させることが好ましい。一例として、まず、合金インゴット又はフレーク状の合金を、公知の粉砕機により100~500μm程度の大きさに粗粉砕し、次いで、微粉砕する際に比表面積を増大させる。比表面積を増大させるために、湿式粉砕法を用いることが好ましい。湿式粉砕法としては、ボールミル法、ジェットミル法、遊星ミル法、アトライター法などが挙げられ、ボールミル法又はジェットミル法が好ましい。
湿式粉砕法は、まず粗粉砕した合金に溶媒を添加しスラリー状とする。当該スラリーの粘度を低く調整することで、湿式粉砕後の微粉末の比表面積が増大する傾向にある。またボールミル法を用いる場合はボールの量を少なめに調整することが好ましい。これらの調整により合金粉末の流動性が高くなり、その結果剪断力が大きくなり、比表面積が大きくなるものと推定される。
微粉砕後の粉体の平均粒径は、後述する焼結工程の焼結時間を短縮することを可能とし、また、均一な永久磁石を製造する点から、平均粒径は1~10μmが好ましい。
なお、粉末の比表面積は、測定対象となる粉末を比表面積測定装置の器具に封入し、加熱しながら真空引きして脱ガスを行う。脱ガス後、室温まで冷却し、さらに液体窒素を入れた容器に器具を含侵し、さらに冷却する。液体窒素温度まで冷却後、圧力を段階的に変えながらガスを器具に封入する。窒素ガス等温吸着曲線を測定し、当該等温吸着曲線からBET式(下式(2))を用いて比表面積を計算する。等温吸着曲線の測定は、例えば、全自動比表面積測定装置を用いることができる。
Figure 0007117359000001
ここで、Vmは窒素ガスの単分子層吸着量(第1層に吸着した窒素ガスの容量)、Vは吸着した窒素ガスの容量、Pはサンプル内の圧力、Poは飽和蒸気圧、Cは吸着熱などに関する定数である。
横軸にP/Po、縦軸にP/V(Po-P)を取りプロットすると直線(BETプロット)が得られる。この直線の切片と傾きからVmが求められ、比表面積Sは下式(3)にから計算する。
S=Vm×N×Am
ここで、Sは比表面積、Nはアボガドロ数であり、Amは窒素ガス1分子の占める面積(0.162nm2)である。
次に、得られた粉体を、加圧成形して所望の形状の成形体とする(工程(III))。本発明においては、粉体の結晶方位を揃えて磁気特性を向上する点から、一定の磁場中で加圧成形することが好ましい。磁場の方向と、プレス方向との関係は特に限定されず、製品の形状等に応じて適宜選択すればよい。例えば、リング磁石や、薄板状の磁石を製造する場合には、プレス方向に対して、平行方向に磁場を印加する並行磁場プレスとすることができる。一方、磁気特性に優れる点からは、プレス方向に対して、直角に磁場を印加する直角磁場プレスとすることが好ましい。
磁場の大きさは特に限定されず、製品の用途等に応じて、例えば15kOe以下の磁場であってもよく、15kOe以上の磁場であってもよい。中でも磁気特性に優れる点からは、15kOe以上の磁場中で加圧成形することが好ましい。また、加圧成形の際の圧力は、製品の大きさ、形状等に応じて適宜調整すればよい。一例として、0.5~2.0ton/cmの圧力とすることができる。すなわち本発明の希土類コバルト永久磁石の製造方法においては、磁気特性の観点から、前記粉体を15kOe以上の磁場中で、磁場に垂直に0.5~2.0ton/cm以下の圧力で加圧成形することが特に好ましい。
次に、前記成形体を1180~1220℃で、20~240分加熱することにより焼結体とする(工程(IV))。1180℃以上で20分以上焼結を行うことにより、得られる焼結体の緻密化が十分となる。また、1220℃以下で240分以下の加熱とすることにより、希土類元素、特にSmの蒸発が抑制されて、磁気特性に優れた永久磁石を製造することができる。焼結時間は中でも30~180分が好ましい。また、酸化を抑制する観点から、上記焼結工程は1000Pa以下の真空中または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、更に、焼結体の密度を大きくする点から1000Pa以下、好ましくは100Pa以下の真空中で焼結することが好ましい。
次に、前記焼結体を1120~1170℃で、5~120時間加熱する溶体化処理(工程(V))を行う。1120℃以上で加熱することにより、成形体中の組成が均一化されると共に、後述する熱処理工程(工程(VII))時にThZn17型構造の結晶相を主相とするための前駆体である前記1-7相を形成することができる。また、加熱温度を1170℃以下とすることで、希土類元素の蒸発が抑制される。中でも溶体化温度は1130~1160℃が好ましい。また、溶体化時間は中でも10~100時間が好ましい。焼結体の最適な溶体化温度は焼結体の組成に応じて変化するため、上記温度範囲内で適宜調整することが好ましい。
1-7相を十分に形成させる点、及び各元素を均一化する点から、溶体化処理時間は20時間以上とする。また、希土類元素、特にSmの蒸発を抑制する点から、溶体化処理時間は100時間以下であることが好ましい。酸化を抑制する観点から、上記溶体化処理は1×10-2torr以下の真空中または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、生産性向上の観点から、前記焼結工程(IV)と前記溶体化処理工程(V)とは一連の工程とすることが好ましい。すなわち、前記成形体を1190℃以上1225℃以下で、0.5時間以上3.0時間以下加熱した後、室温まで冷却せずに、1120℃以上1180℃以下に調整し、続けて好ましくは30~100時間、より好ましくは50~100時間の溶体化処理を行うことが好ましい。溶体化時間を30時間以上、好ましくは50時間以上とすることでより組織の均一化を図ることができる。
次に、前記溶体化処理工程(V)後の冷却過程において、少なくとも1000℃から600℃までの間、冷却速度を60℃/min以上で急冷する(工程(VI))。このように急冷するのは、前記溶体化処理工程(V)で得られた、1-7相の結晶構造を維持するためであり、急冷が不十分な場合には、1-7相が変化する恐れがある。特に溶体化温度から600℃までの時間を短くすることにより、1-7相の結晶構造を維持することができる。中でも冷却速度は80℃/min以上が好ましい。一方、冷却速度の上限は、成形体の形状にもよるが、一例として250℃/min以下が好ましい。
次に、急冷工程後の成形体を時効処理して、2-17相と1-5相とを形成する(工程(VII))。時効温度は特に限定されないが、2-17相を主相とし、2-17相と1-5相とを均質に有する希土類コバルト永久磁石を得るために、700~900℃の温度で2~20時間保持し、その後、少なくとも400℃まで冷却するまでの間、冷却速度を2℃/min以下とする方法とすることが好ましい。700℃~900℃の温度で2~20時間保持することにより、2-17相と1-5相とを均質に形成することができる。中でも800~850℃の温度範囲で時効処理することが好ましい。また、良好な磁気特性を得る点から、冷却速度を2℃/min以下とすることが好ましく、0.5℃/min以下とすることがより好ましい。冷却速度が速すぎると各元素の2-17相および1-5相への濃縮が行われず、良好な磁気特性を得ることができない。
[デバイス]
本発明は、更に前記本永久磁石を有するデバイスを提供することができる。このようなデバイスの具体例としては、例えば、時計、電動モータ、各種計器、通信機、コンピューター端末機、スピーカー、ビデオディスク、センサなどが挙げられる。また、本発明の希土類コバルト永久磁石は、高い環境温度にあっても磁力を劣化しにくいため、自動車のエンジンルームで使用される角度センサ、イグニッションコイル、HEV(Hybrid electric vehicle)などの駆動モータ等にも好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、これらの記載により本発明を制限するものではない。
(実施例1~4)
表1の実施例1~4の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、0.40m/g、及び0.50m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を0.001Paの真空中において1210℃で80分焼結した後、1145℃で50時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例1~4の永久磁石を得た。得られた永久磁石の磁気特性を測定し、次いで組織観察を行った。得られた永久磁石の密度、(BH)m、Hcj、Hk/Hcj、ポアの最大径の評価結果を表1に示す。また、図1に実施例2の永久磁石の組織観察に用いた光学顕微鏡像を示す。
<ポアの最大径の評価基準>
◎:20μm未満であった。
〇:20~40μmであった。
×:40μm超過であった。
(比較例1~4)
上記実施例1~4において、比表面積が0.10m/g、0.20m/g、及び0.25m/gになるように微粉砕を行った以外は実施例1~4と同様にして、比較例1~4の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表1に示す。また、図2に比較例3の永久磁石の組織観察に用いた光学顕微鏡像を示す。
(実施例5~8)
表2の実施例5~8の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、及び0.35m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を0.01Paの真空中において、各々1180℃、1200℃、又は1220℃で120分焼結した後、1130℃で90時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例5~8の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例5~7)
表2の比較例5~7の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.25m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を0.01Paの真空中において、各々1180℃、1200℃、又は1220℃で120分焼結した後、1130℃で90時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、比較例5~7の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表2に示す。また、図3に比較例5の永久磁石の組織観察に用いた光学顕微鏡像を示す。
(実施例9~13)
表3の実施例9~13の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、及び0.45m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を0.1Paの真空中において、1215℃で、各々20分、130分、又は240分焼結した後、1160℃で70時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例9~13の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例8~10)
表3の比較例8~10の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.25m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を0.1Paの真空中において、1215℃で、各々20分、130分、又は240分焼結した後、1160℃で70時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、比較例8~10の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表3に示す。
(実施例14~17)
表4の実施例14~17の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、及び0.60m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を1Paの真空中において、1190℃で200分焼結した後、各々1120℃、1155℃及び1180℃で40時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例14~17の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表4に示す。
(比較例11~13)
表4の比較例11~13の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.20m/g、及び0.25m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を1Paの真空中において、1190℃で200分焼結した後、各々1120℃、及び1180℃で40時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、比較例11~13の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表4に示す。
(実施例18~21)
表5の実施例18~21の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、及び0.55m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を50Paの真空中において、1205℃で150分焼結した後、各々1150℃で5時間、65時間又は120時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例18~21の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表5に示す。
(比較例14~16)
表5の比較例14~16の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.15m/g、及び0.25m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を50Paの真空中において、1205℃で150分焼結した後、各々1150℃で5時間、又は120時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例14~16の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表5に示す。
(実施例22~25)
表6の実施例22~25の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.30m/g、及び0.70m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を各々0.001Pa、1Pa、又は1000Paの真空中において、1185℃で210分焼結した後、1140℃で100時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、実施例22~25の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表6に示す。
(比較例17~18)
表6の比較例17~18の組成になるように、各々Fe20%Zr80%の母合金及び各原料を調整し、高周波溶解炉により溶解し、鋳造して、合金インゴットを得た。
得られた母合金を不活性ガス中で平均約100~500μmになるように粗粉砕し、次いでボールミルを用いて不活性ガス中で粉末の比表面積が0.25m/gになるように各々微粉砕を行った。
これらの粉末を各々15kOeの磁場中で1ton/cmの圧力でプレスすることにより成形体を得た。
この成形体を各々0.001Pa又は1000Paの真空中において、1185℃で210分焼結した後、1140℃で100時間溶体化を行い、1000~600℃までを80℃/minの冷却速度で急冷した。急冷後、850℃で12時間保持し、続いて0.5℃/minの冷却速度で350℃まで徐冷する条件で時効し、比較例17~18の永久磁石を得た。得られた永久磁石は、実施例1~4と同様に測定を行った。結果を表6に示す。
Figure 0007117359000002
Figure 0007117359000003
Figure 0007117359000004
Figure 0007117359000005
Figure 0007117359000006
Figure 0007117359000007
表1~5が示すように微粉末の比表面積が0.30m/g以上の粉末を使用し、且つ、所定の熱処理条件で作製された実施例1~21永久磁石は、密度≧8.25g/cm、(BH)m≧260kJ/m、Hcj≧1600A/m、Hk/Hcj≧65%の全条件を満たし、ポアの最大径が40μm未満であった。
一方、微粉末の比表面積が0.30m/g未満の粉末を使用した比較例1~16の永久磁石は実施例と同じ熱処理条件であっても、密度≧8.25g/cm、(BH)m≧260kJ/m、Hcj≧1600A/m、Hk/Hcj≧65%の全条件を満足するものではなく、ポアの最大径も40μm以上であった。
表6が示すように微粉末の比表面積が0.30m/g以上の粉末を使用し、且つ、1000Pa以下の真空度において所定の熱処理条件で作製された実施例22~25の永久磁石は、密度≧8.25g/cm、(BH)m≧260kJ/m、Hcj≧1600A/m、Hk/Hcj≧65%の全条件を満たし、ポアの最大径が40μm未満であった。
一方、微粉末の比表面積が0.30m/g未満の粉末を使用した比較例17~18永久磁石は実施例と同じ熱処理条件であっても、密度≧8.25g/cm、(BH)m≧260kJ/m、Hcj≧1600A/m、Hk/Hcj≧65%の全条件を満足するものではなく、ポアの最大径も40μm以上であった。
1 結晶粒
2 結晶粒界
3 酸化物
4 ポア

Claims (4)

  1. 質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる希土類コバルトを含む金属間化合物であって、
    複数の結晶粒と粒界を有し、ポアの最大径が40μm以下であり、
    比表面積が0.3m /g以上の粉末の焼結体を含む、希土類コバルト永久磁石。
  2. 焼結体密度が8.25g/cm以上、最大エネルギー積が260kJ/m以上、固有保磁力が1600kA/m以上、Brの90%を示すときの逆磁界の大きさをHkとしたとき、Hk/Hcjが65%以上である、請求項1に記載の希土類コバルト永久磁石。
  3. 質量百分率組成で、R:23~27%(Rは少なくともSmを含む希土類元素の合計)、Cu:4.0~5.0%、Fe:22~27%、Zr:1.7%~2.5%、残部がCo及び不可避不純物からなる合金を準備する工程(I)と、
    前記合金を、比表面積が0.3m/g以上の粉末とする粉砕工程(II)と、
    前記粉末を成形体とする加圧成形工程(III)と、
    前記成形体を焼結する工程(IV)と、
    焼結後の成形体を溶体化処理する工程(V)と、
    溶体化処理後の成形体を急冷する工程と(VI)、
    溶体化処理後の成形体を熱処理する工程(VII)と、を有する、
    希土類コバルト永久磁石の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の希土類コバルト永久磁石を有する、デバイス。
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