JP7108305B2 - 制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、建築物等の地震発生時等の制振に使用される制振ダンパ用の付加ばね構造体及びこの制振ダンパに関する。
建築物や構造物等においては、地震、強風、又は種々の衝撃等の外力による揺れを減衰させるために、例えば柱や梁などの骨組部材の接合部位の間に、粘弾性ダンパ、粘性ダンパ、又はオイルダンパ等のエネルギ吸収材を適用した各種制振ダンパをはじめとする制振装置をブレースや方杖として架設することが行われている。しかし、これらの従来一般の建物の制振装置は、建物が自身の弾性範囲内で変形する時だけに制振ダンパよる所定の耐震性能、制振性能が発揮するものであり、建物自体の弾性範囲を超えて変形する揺れに対して制振性を根本的に高めるのは困難であった。また、これらの制振装置は、ゴムやオイルなどの粘性効果を利用した速度依存型の高剛性化作用によって、制振性に加えて建物等の剛性を高めることができるが、これらの作用が十分に発揮されうる振動周期や振幅の範囲が限定されており、特に長周期振動(震動)に対しては、建物等の剛性化や制振性が十分に発揮され難いという問題があった。
この問題を改善するために、地震動のエネルギを減衰させるエネルギ吸収構造体とばね性を付与するばね構造体とを組み合わせた複合型の制振ダンパが提案されている。このような制振ダンパの一例として、特許文献1には、粘弾性材料と第1及び第2の鋼部材とが交互に積層された振動エネルギ吸収体と金属製コイルばねとを直列接続してなる粘弾性ブレースが記載されている。地震力によって粘弾性ブレースに伸長又は収縮させる力が作用した際に、粘弾性材料と金属製コイルばねとがそれぞれ伸長又は収縮する共同作用で振動エネルギを吸収し減衰するように構成されている。
特許文献2には、二つの剛性部材間にエネルギ吸収材を介在させてなるエネルギ吸収体に直列又は並列に弾性ばねを介在させた制振装置が記載されている。地震等の振動エネルギをエネルギ吸収材によって効率よく吸収し、建物の変形に対しての弾性抵抗を弾性ばねで付与することによって、高い振動減衰性能を発揮させつつ、変形終息後は弾性ばねの復元力によって変形したエネルギ吸収体を元の状態に戻すように構成されている。
特開2002-089077号公報 特開2003-049557号公報
このような複合型の制振ダンパを構成するばね構造体としては、(1)所望のばね力を有すること、(2)小型軽量であること、(3)ばね力の周波数依存性が小さいこと、(4)環境温度の変動に対して一定の安定したばね力を発揮すること、が要求されている。
しかしながら、上述した特許文献1及び2には、ばね構造体として金属製コイルばねが使用されているため、大きなばね定数を得るためには、金属製コイルばねを大きくする必要があり、重量やサイズが増加するため小型軽量化が図れず、制振ダンパの設置・施工上の制限が発生する場合があった。また、コイルばねがばね力を発揮するまでには、ある程度のストロークが必要であるため、振幅が微小な振動に対しては制振性を発揮できない場合があった。
従って本発明の目的は、小型でありかつ軽量な制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパを提供することにある。
本発明の他の目的は、ばね定数の周波数依存性が小さい制振ダンパ用の付加ばね構造体及び制振ダンパを提供することにある。
本発明によれば、制振ダンパ用の付加ばね構造体は、少なくとも1対の鋼板が間にシリコーン粘弾性体を挟んで積層された構造を有している。特に、このシリコーン粘弾性体は、周波数1Hzにおいて複素弾性率GがG≧0.2MPaであり、かつ周波数0.1~50Hzの範囲において損失正接tanδがtanδ≦0.1である。
複素弾性率G≧0.2MPaであるシリコーン粘弾性体を積層して付加ばね構造体を構成しているため、より小さな寸法かつ小さな変形ストロークで従来の金属コイルばねと同等のばね定数を得ることができる。また、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ損失正接tanδ≦0.1であるシリコーン粘弾性体によれば、ばね定数の周波数変化に対する変動が小さくなる。もちろん、シリコーン系の粘弾性体を用いることにより、ばね定数の温度依存性も小さくなる。また、複素弾性率G≧0.2MPa、かつ損失正接tanδ≦0.1とすることにより、繰り返しの変形に対して弾性率が低下するマリンス効果を低減化させることができる。
シリコーン粘弾性体が、付加反応型シリコーンであることが好ましい。付加反応型シリコーンを用いることにより、硬化収縮を小さくし残留応力を小さくすることができる。その結果、粘弾性体の形状及び物性が安定化し、鋼板との良好な密着性を確保することができる。
シリコーン粘弾性体が、分散配置されたシリカ粒子を含んでいることも好ましい。これにより、粘弾性体の機械的強度を向上させることができる。
シリコーン粘弾性体が、少なくとも1対の鋼板に挟まれた平板形状を有しており、この平板形状の、付加ばね構造体の振動方向における両端の角部が面取りされていることも好ましい。これにより、振動時に、シリコーン粘弾性体が鋼板から剥がれにくくなり密着性を維持することができる。
本発明によれば、さらに、制振ダンパは、粘弾性のダンパ本体と、このダンパ本体と並列に連結された上述の付加ばね構造体とを備えている。
本発明によれば、付加ばね構造体を小型で小さな変形ストロークでも従来の金属コイルばねと同等のばね力を発生できるため小型軽量化が実現できると共に、地震動等の周波数や温度の変化によるばね力の変動が小さくできる。そして、この付加ばね構造体とエネルギ吸収構造体とを組み合わせた制振ダンパは、地震動などの初期振動により大変形したエネルギ吸収構造体に復元力を持たせることができ、その後の振動が終息するまで継続的にエネルギ吸収構造体の振動減衰性能を持続することができる。また、振動の周波数や環境温度の影響を受けにくく、安定した耐震性能、制振性能を発揮させることができ、建物の歪変形や倒壊を防止することができる。
本発明の一実施形態における制振ダンパの構成を概略的に示す側面図である。 図1の制振ダンパを建築物内に設置した状態を概略的に示す説明図である。 図1の制振ダンパにおける付加ばね構造体の一構成例を概略的に示す斜視図である。 図3の付加ばね構造体の構成を示す(A)正面図、(B)平面図、(C)側面図である。 図1の制振ダンパにおける付加ばね構造体の他の構成例を示す(A)正面図、(B)平面図、(C)側面図である。 付加ばね構造体の実施例及び比較例において規定された変数を示しており、(A)は静的ばね定数と寸法との関係のシミュレーションに使用する変数、(B)は動的ばね定数と周波数との関係のシミュレーションに使用する変数を表している。 複素弾性率と周波数との関係の測定結果を表す図である。 損失正接と周波数との関係の測定結果を表す図である。 測定した動的粘弾性データ(貯蔵及び損失弾性率の対周波数特性)を示す図である。 最小二乗和の分散Jが最小となるようなパラメータ(分数階数)qを求めた結果を表す図である。 最小二乗法で同定した未知パラメータを用いて計算したモデル応答と測定データとの比較図である。 実施例1~8及び比較例1~3における動的ばね定数と周波数との関係のシミュレーション結果を表す図である。 実施例1の付加ばね構造体の振動試験における装置構成の模式図である。 実施例1の付加ばね構造体の変位と荷重との関係を表す図である。 動的ばね定数と周波数との関係のシミュレーション結果及び実測結果を比較して表す図である。 実施例1~8及び比較例1~3における複素弾性率と損失正接との範囲を示す図である。
図1は本発明の一実施形態における制振ダンパの構成を概略的に示しており、図2はこの制振ダンパを建築物内に設置した状態を概略的に示している。
図1に示すように、本実施形態の制振ダンパ10は、粘弾性のダンパ本体11と、制振ダンパ10の軸線に沿ってこのダンパ本体11に並列に連結された1対の付加ばね構造体12とを備えている。ダンパ本体11は、例えば、シリンダとピストンとによりダンパ室内のオイルを圧縮するオイルダンパによって構成されている。もちろん他の種類のダンパであっても良い。このダンパ本体11には、ロッド14が制振ダンパ10の軸線方向(図にて左右方向)に連結されている。1対の付加ばね構造体12はダンパ本体11の両側(図にて上下側)に互いに対向して配置されており、個々の付加ばね構造体12は後述するように粘弾性体を2層に積層した構造を有している。
図2に示すように、この制振ダンパ10は、建築物の梁15等にロッド14及び取り付け部16を介して斜めに取り付けたブレースダンパとして、地震、強風、又は種々の衝撃等の外力のエネルギを吸収して建築物の揺れを減衰させるように構成しても良い。
図3及び図4は本実施形態の制振ダンパ10における付加ばね構造体12の一構成例を概略的に示している。
これらの図に示すように、本実施形態における付加ばね構造体12は、各々が矩形ストリップ形状の1対の外側鋼板12a及び12bと、同じく矩形ストリップ形状の単一の内側鋼板12cと、外側鋼板12a及び内側鋼板12c間並び外側鋼板12b及び内側鋼板12c間にそれぞれ挟設されたシリコーン粘弾性体12d及び12eとを互いに平行に積層して構成されている。外側鋼板12a及び12bの軸線方向に沿った一端部にはダンパ本体11の一端部に連結して固着するための取り付け孔12f(図4(B)参照)が設けられており、内側鋼板12cの軸線方向に沿った他端部にはダンパ本体11の他端部に連結して固着するための取り付け孔12g(図4(B)参照)が設けられている。
シリコーン粘弾性体12d及び12eの各々は、矩形ストリップ状の平板形状に形成されているが、その振動方向における両端の角部は面取りされているか、又は丸形状に形成されている。これにより、振動時に、シリコーン粘弾性体12d及び12eが外側鋼板12a及び12b並びに内側鋼板12cから剥がれにくくなり、密着性を維持することができる。
2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々は、付加反応型のシリコーン系粘弾性材料で形成されている。付加反応型シリコーン系粘弾性材料を用いることにより、硬化収縮を小さくし残留応力を小さくすることができる。その結果、シリコーン粘弾性体12d及び12eの形状及び物性が安定化し、外側鋼板12a及び12b並びに内側鋼板12cとの良好な密着性を確保することができる。シリコーン系粘弾性材料が、分散配置されたシリカ粒子を含んでいる。これにより、シリコーン粘弾性体の機械的強度を向上させることができる。
より詳細には、このシリコーン系粘弾性材料として、周波数1Hzにおいて複素弾性率GがG≧0.2MPaであり、かつ周波数0.1~50Hzの範囲において損失正接tanδがtanδ≦0.1のシリコーン系粘弾性材料を使用している。ここで、周波数0.1~50Hzの範囲は、建物における地震等による振動を意図したものである。このように、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ損失正接tanδ≦0.1であるシリコーン粘弾性材料を2層に積層して付加ばね構造体12を構成することにより、シリコーン粘弾性体12d及び12eの各寸法が小さくかつ小さな変形ストロークでも従来の金属コイルばねと同等のばね定数を得ることができるため、小型かつ軽量の付加ばね構造体が実現できる。また、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ損失正接tanδ≦0.1であるシリコーン粘弾性体によれば、ばね定数の周波数変化に対する変動が小さくできる。もちろん、シリコーン系粘弾性材料を用いることにより、ばね定数の温度依存性が小さくなる。また、複素弾性率G≧0.2MPa、かつ損失正接tanδ≦0.1とすることにより、繰り返しの変形に対して弾性率が低下するマリンス効果を低減化させることができる。なお、複素弾性率G及び損失係数tanδはJIS K7244-10準拠(25℃)の測定による値である。
図5は本発明の制振ダンパにおける付加ばね構造体13の他の構成例を概略的に示している。本構成例の付加ばね構造体13を除く制振ダンパの構成は図1及び図2に示した構成と同じである。
図5に示すように、本構成例における付加ばね構造体13は、各々が矩形ストリップ形状の1対の外側鋼板13a及び13bと、同じく矩形ストリップ形状の3つの内側鋼板13c、13d及び13eと、外側鋼板13a及び内側鋼板13d間、内側鋼板13d及び内側鋼板13c間、内側鋼板13c及び内側鋼板13e間、並びに内側鋼板13e及び外側鋼板13b間にそれぞれ挟設されたシリコーン粘弾性体13f、13g、13h及び13iとを互いに平行に積層して構成されている。外側鋼板13a及び13bの軸線方向に沿った一端部にはダンパ本体11の一端部に連結して固着するための取り付け孔13jが設けられており、内側鋼板13d及び13eの軸線方向に沿った他端部にはダンパ本体の他端部に連結して固着するための取り付け孔13kが設けられている。
シリコーン粘弾性体13f、13g、13h及び13iの各々は、矩形ストリップ状の平板形状に形成されているが、その振動方向における両端の角部は面取りされているか、又は丸形状に形成されている。これにより、振動時に、シリコーン粘弾性体13f、13g、13h及び13iが外側鋼板13a及び13b並びに内側鋼板13c、13d及び13eから剥がれにくくなり、密着性を維持することができる。
4層のシリコーン粘弾性体13f、13g、13h及び13iの各々は、付加反応型のシリコーン系粘弾性材料で形成されている。付加反応型シリコーン系粘弾性材料を用いることにより、硬化収縮を小さくし残留応力を小さくすることができる。その結果、シリコーン粘弾性体13f、13g、13h及び13iの形状及び物性が安定化し、外側鋼板13a及び13b並びに内側鋼板13c、13d及び13eとの良好な密着性を確保することができる。
より詳細には、このシリコーン系粘弾性材料として、複素弾性率GがG≧0.2MPaであり、かつ周波数0.1~50Hzの範囲において損失正接tanδがtanδ≦0.1のシリコーン系粘弾性材料を使用している。このように、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ損失正接tanδ≦0.1であるシリコーン粘弾性材料を4層に積層して付加ばね構造体13を構成することにより、シリコーン粘弾性体12d及び12eの各寸法が小さくかつ小さな変形ストロークでも従来の金属コイルばねと同等のばね定数を得ることができるため小型かつ軽量化な付加ばね構造体が実現できる。また、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ損失正接tanδ≦0.1であるシリコーン粘弾性体によれば、ばね定数の周波数変化に対する変動が小さくできる。もちろん、シリコーン系粘弾性材料を用いることにより、ばね定数の温度依存性が小さくなる。また、複素弾性率G≧0.2MPa、かつ損失正接tanδ≦0.1とすることにより、繰り返しの変形に対して弾性率が低下するマリンス効果を低減化させることができる。
なお、付加ばね構造体におけるシリコーン粘弾性体の層数は、複数層であれば、上述した2層又は4層に限定されることなく、何層であっても良い。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の付加ばね構造体について詳細に説明する。
(実施例1)
図3及び図4に示した付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例1ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.36MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.03である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5058を使用した。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法をシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。静的ばね定数kとこれら変数との間には、以下の式(1)が成り立つ。
Figure 0007108305000001
(1)
所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.36MPaを使用した。上記の式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=1020mmが得られた。
この実施例1のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。複素弾性率G、G′及びG″の測定方法は、JIS K7244-10準拠(25℃)であった。損失正接tanδは測定されたG′及びG″から、tanδ=G″/G′で計算した。測定装置としては、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社のARES-RDA)を用いた。試験片は、CF5058のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
さらに、実施例1のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性をシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。動的ばね定数k、力F及び変位xの間には、一般に、以下の式(2)が成り立つ。
Figure 0007108305000002
(2)
動的ばね定数は、数値積分公式である式(3)の力F及び変位xの関係から求めることができる。
Figure 0007108305000003
(3)
ただし、
Figure 0007108305000004
Figure 0007108305000005
である。ここで、Aは振幅、ωは角周波数、tは時間、fは周波数である。なお、式(3)における未知パラメータは、全て、計算時刻i-1における既知量である。
以下、上述の数値積分式(3)の導出について説明する。
付加ばね構造体12は、寸法や重量が大きいため、実験を行って動的ばね定数を求めることが簡単にはできない。その一方で、ばね材である粘弾性材料の複素弾性率は実験室で比較的容易に測定できるので、その測定データ使用して付加ばね構造体12の動的ばね定数を予測した。以下、その動的ばね定数の計算アルゴリズムを説明する。
動的ばね定数の計算ロジックは以下の通りである。
1.粘弾性材料の動的粘弾性挙動が分数階微分モデル(構成式)で表せると仮定する、
2.実測した複素弾性率を基にモデルに含まれている材料パラメータを同定する、
3.構成式と付加ばねの変位-力モデル(運動方程式)とが等価であると仮定する、
4.求めた材料パラメータを運動方程式の未知パラメータに当てはめて運動方程式に力(既知量)が与えられた場合の変位を解く、
5.入力した力と計算によって得られた変位との関係から動的ばね定数を算出する。
動的粘弾性測定装置で測定される動的粘弾性の応力-ひずみの関係が次の式(4)で表されると仮定する。
Figure 0007108305000006
(4)
ここで、第1項のDεの項は、分数階微分オペレータ(fractional differential operator)を表しており、q(0≦q≦1)は分数階数を表している。分数階微分は、次の式(5)よって定義される。
Figure 0007108305000007
(5)

式(4)の形から、複素弾性率G(ω)(G)は次の式(6)のように表せる。
Figure 0007108305000008
(6)
ここで、F[・]はフーリエ変換、右辺第2項のGは等価ばね定数、同じく右辺第2項のηは粘弾性減衰定数、jは複素数、ωは角周波数、最右辺のG′は貯蔵せん断弾性率、同じく最右辺のG″は損失せん断弾性率をそれぞれ表している。
式(6)のG′及びG″は、以下の式(7)及び式(8)のようにも表される。
Figure 0007108305000009
(7)
Figure 0007108305000010
(8)
式(7)及び式(8)の未知パラメータG、η、qは、粘弾性材料の貯蔵及び損失弾性率の測定データにカーブフィットすることによって得られる。このカーブフィットの方法には、以下の最小二乗和の式(9)が使用できる。
Figure 0007108305000011
(9)
ただし、
Figure 0007108305000012
であり、Jは分散、G′及びG″は測定された貯蔵及び損失弾性率データを表しており、添え字i(=1, 2, …,n)は測定データ番号を表している。
図9は測定した動的粘弾性データ(貯蔵及び損失弾性率の対周波数特性)を示しており、この測定した動的粘弾性データに対して式(7)及び式(8)を最小二乗法によりカーブフィットさせて、式(4)の未知パラメータを同定する。具体的には、式(7)と式(8)を代入した式(9)について、パラメータGで偏微分した式と、パラメータηで偏微分した式の両式が0となる連立方程式からGとqの関係式並びにηとqの関係式である式(10)を導き、式(7)と式(8)を代入した式(9)のパラメータG、ηにこれらの関係式をそれぞれ代入し、式(9)を分散Jとパラメータqの関数としてプロットすると図10のグラフが得られる。このグラフにおいて分散Jが最小値となるパラメータqの値を求める。このパラメータqの値をGとqの関係式、ηとqの関係式に代入して、それぞれパラメータG、ηの値を得る。
Figure 0007108305000013
(10)

ここで、
Figure 0007108305000014
である。
このようにして求めた実施例1のシリコーン粘弾性材の未知パラメータは、q=0.151[-]、G=3.137×10[N/m]、η=3.202×10[N/m]であった。図11は最小二乗法で同定したモデル未知パラメータを用いて計算したモデル応答(実線)と測定データ(プロット)との比較図である。低周波側の損失弾性率のモデル一致度は低いが、仮定した分数階微分モデルは測定データと広い周波数範囲にわたってよく一致することが分かる。従って、このモデルパラメータを使って、付加ばね構造体の動きを表す数値積分式(3)に関して周波数を変えて計算し、その動的ばね定数を予測することができる。
このように、複素弾性率における「ひずみ-応力」の関係が分数階微分モデルを用いてうまく表せることが分かったが、付加ばね構造体の運動は「変位-力」のモデルであり、物理量としては異なっている。しかしながら、ミクロ領域で成り立つ「ひずみ-応力」関係が、マクロ領域で成り立つ「変位-力」関係と等価であると仮定すれば、これは式(11)のように表すことができる。即ち、実験しやすい複素弾性率データを使ってモデル妥当性を検証でき、かつ材料パラメータを同定できる式(4)のごとき「ひずみ-応力」関係の材料パラメータをスカラ倍して式(11)のごとき「変位-力」の関係とすることができる。
Figure 0007108305000015
(11)
ただし、
Figure 0007108305000016
である。
付加ばねの動的挙動をシミュレートするために、式(12)に示すn時点目において成り立つ線形分数階微分方程式を考える。付加ばねのようにダンパ部品として固定され、かつ外部から強制的にせん断変形力を受ける場合は、式(12)のゲルの質量mの寄与率は無視できる程度に小さいと考えてよいため、式(12)の一般形は式(11)に帰着する。
Figure 0007108305000017
(12)
式(12)の左辺第2項には分数階微分オペレータが含まれており、粘弾性減衰項ともいうべき特性を発現し、その粘性と弾性の割合は材料パラメータqで制御される。この式(12)の分数階微分項の計算には次の式(13)のように時刻0~tnの分数階積分(fractional integral)が含まれており、例えばL1アルゴリズムなどで計算することできる。
Figure 0007108305000018
(13)
ただし、
Figure 0007108305000019
である。
式(12)又は付加ばねの運動を想定し、慣性項がほぼ無視できると考えた場合に成り立つ式(11)には分数階微分項が含まれているものの、基本的には2階の微分方程式であり、例えば構造解析で実績のあるNewmark-β法などで解くことができる。式(11)を変位について解くと前述した式(3)の数値積分公式が得られ、この式(3)の力と変位の関係から、付加ばね構造体12の動的ばね定数を得ることができる。実施例1~8及び比較例1~3の付加ばね構造体の動的ばね定数はこのようにして求めた値である。なお、式(3)は複素弾性率を計測可能かつ式(4)の構成式で表される材料すべてに適用可能である。
具体的なシミュレーション方法は、上述した式(11)のモデルにおける力(外力)Fを入力値とした正弦波振動から与えられ、前述の式(3)から変位xを算出することによって求めたものである。即ち、ある周波数fにおける外力Fを入力し、正弦波振動の変位xを計算した。その場合、入力した外力Fの複数周期の区間(周期数が大きいほど、計算精度が安定化する)における変位の最大値を変位xとして出力し、そのときの外力Fと変位xを用いて動的ばね定数kd1=F/xの式(2)から周波数fにおける動的ばね定数kd1を得た。同様に、周波数f,f,...,fにおける動的ばね定数kd2,kd3,...,kdnを計算し、動的ばね定数の周波数特性をシミュレーションした。この実施例1の粘弾性材料における動的ばね定数kの周波数依存性を求めたシミュレーション結果が、図12に示されている。同図に示されているように、実施例1の付加ばね構造体は、動的ばね定数kの周波数依存性が0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じであった。
一方、実施例1の粘弾性材料における動的ばね定数kの周波数依存性を実際に測定した。
図13は、この実測に使用した付加ばね構造体の振動試験用装置の構成を示している。同図に示すように、オイルダンパであるダンパ本体11の軸線方向の一端はロッド13を介して固定面100に取り付けられており、他端はロッド13を介して振動が印加されるように構成されている。1対の付加ばね構造体12はダンパ本体11に並列に連結されている。固定面100側のロッド13の荷重は荷重計101によって測定され、ダンパ本体11の変位はレーザ変位計102によって測定され、測定された荷重及び変位は記録計103に送られて記録される。ただし、付加ばね構造体12のばね定数の実測にあたっては、ダンパ本体11はオイルを抜き取ってダンパ機能無しのフリーで摺動するように構成した。
このような振動試験用装置を用い、ロッド13に印加される振動の周波数を変えて荷重に対する変位を測定することにより、付加ばね構造体12の動的ばね定数kの周波数依存性を実測した。その際、振動の周波数を0.5Hz、1Hz、2Hz、及び4Hzと変えて測定した。図14は、各周波数振動による変位が5mm、7.5mm、10mmにおける付加ばね構造体1つ当たりの荷重をプロットした結果であり、実施例1の付加ばね構造体は、各周波数においてほぼ線形にばね力を発生し、ほぼ一定のばね定数を示すことが分かった。また、図15は、実施例1における付加ばね構造体1つ当たりの動的ばね定数の周波数依存性について、実際の測定結果と、シミュレーション結果とを比較して表している。同図に示すように、シミュレーション結果と実測結果とが、非常に良く一致している。
(実施例2)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例2ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.27MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.05である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-40を使用した。試験片は、RBL-9200-40のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.27MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=1350mmが得られた。
この実施例2のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例2のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例2の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じであった。
(実施例3)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例3ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.34MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.07である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-50を使用した。試験片は、RBL-9200-50のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.34MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=1100mmが得られた。
この実施例3のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例3のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例3の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じであった。
(実施例4)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例4ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.91MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.07である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-60を使用した。試験片は、RBL-9200-60のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.91MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=450mmが得られた。
この実施例4のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例4のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例4の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmよりも若干高かったが、0.1Hzでは設定値通りのばね定数kであった。
(実施例5)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例5ではシリコーン粘弾性材料として、実施例1の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5058と、実施例4の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-60とを重量比で85:15にて混合した、1Hzにおける複素弾性率Gが0.4MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.04の材料を使用した。試験片は、CF5058のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液と、RBL-9200-60のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液とを、重量比で85:15にて混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.4MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=919mmが得られた。
この実施例5のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例5のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例5の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmよりも若干低かったが、3Hzでは設定値通りのばね定数kであった。
(実施例6)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例6ではシリコーン粘弾性材料として、実施例1の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5058と、実施例4の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-60とを、重量比で49.6:50.4にて混合した、1Hzにおける複素弾性率Gが0.52MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.06の材料を使用した。試験片は、CF5058のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液と、RBL-9200-60のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液とを、重量比で49.6:50.4で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.50MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=735mmが得られた。
この実施例6のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例6のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例6の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmよりも若干低かったが、1~3Hzの間では設定値通りのばね定数kであった。
(実施例7)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例7ではシリコーン粘弾性材料として、実施例1の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5058と、実施例4の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-60とを、重量比で60:40にて混合して、1Hzにおける複素弾性率Gが0.44MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.06となる材料を使用した。試験片は、CF5058のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液と、RBL-9200-60のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液とを、重量比で60:40で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.44MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=836mmが得られた。
この実施例7のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例7のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例7の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmよりも若干低かったが、3Hzでは設定値通りのばね定数kであった。
(実施例8)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。実施例8ではシリコーン粘弾性材料として、実施例3の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-50と、実施例4の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-60とを、重量比で89.4:10.6にて混合して、1Hzにおける複素弾性率Gが0.74MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.08となる材料を使用した。試験片は、RBL-9200-50のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液と、RBL-9200-60のA液とB液とを重量比では1:1で混合した未硬化混合液とを、重量比で89.4:10.6で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.74MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=497mmが得られた。
この実施例8のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、実施例8のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、実施例8の付加ばね構造体も、動的ばね定数kの周波数依存性は0.01Hz~100Hzにわたって小さかった。また、1Hz付近でのばね定数kは、静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じであった。
(比較例1)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。比較例1ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.05MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.16である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5055を使用した。試験片は、CF5055のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.05MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=7350mmが得られた。
この比較例1のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、比較例1のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、比較例1の付加ばね構造体は、動的ばね定数kが0.01Hz~0.1Hzの領域でかなり低く、0.3Hzで静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じ値となるが、1Hz~100Hzの領域で大幅に増大しており、従って、動的ばね定数kの周波数依存性は著しく高かった。
(比較例2)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。比較例2ではシリコーン粘弾性材料として、1Hzにおける複素弾性率Gが0.15MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.06である東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)CF5056を使用した。試験片は、CF5056のA液とB液とを重量比では1:1で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.15MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=2298mmが得られた。
この比較例2のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、比較例2のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、比較例2の付加ばね構造体は、動的ばね定数kが0.3Hzで静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じ値となるが、特に10Hz~100Hzの領域で増大しており、従って、周波数依存性は高かった。
(比較例3)
実施例1と同様の構造の付加ばね構造体12において、2層のシリコーン粘弾性体12d及び12eの各々に所定のシリコーン粘弾性材料を使用した。比較例3ではシリコーン粘弾性材料として、実施例3の東レ・ダウコーニング株式会社の付加反応型シリコーン(二液タイプ)XIAMETER(登録商標) RBL-9200-50を、A液とB液とを重量比で42.5:57.5にて混合した、1Hzにおける複素弾性率Gが0.68MPa、1Hzにおける損失正接tanδが0.11となる材料を使用した。試験片は、RBL-9200-50のA液とB液とを上記重量比で混合して減圧脱泡した後、未硬化の状態で金型に注型し、加熱オーブンにて大気雰囲気中で70℃、4時間の加熱硬化することで得た。試験片の形状及び寸法は、φ25mm×2mm厚の円板形状であった。
このシリコーン粘弾性材料を使用した場合に所望の静的ばね定数kを得るためのシリコーン粘弾性体モデルの寸法を前述の式(1)によりシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL(面積A=wL)、高さ(厚さ)h、層数N、弾性率Gを、図6(A)に示すように規定した。所望の静的ばね定数kとしては、k=12.5kN/mmを設定した。各変数としては、幅w=170mm、高さh=10mm、層数N=2、弾性率G=0.68MPaを使用した。式(1)に、これら変数を代入すると、長さL=541mmが得られた。
この比較例3のシリコーン粘弾性材料について、複素弾性率G及び損失正接tanδの周波数特性を実測して求めた。その実測結果が図7及び図8に示されている。測定条件は実施例1の場合と同じである。
さらに、比較例3のシリコーン粘弾性材料を使用した場合の動的ばね定数kの周波数依存性を実施例1の場合と同様にシミュレーションで求めた。このシミュレーションにおいては、シリコーン粘弾性体モデルの幅w、長さL、面積A(=wL)、高さh、層数N、弾性率G、力F、変位xを、図6(B)に示すように規定した。シミュレーション結果は、図12に示されている。同図に示されているように、比較例3の付加ばね構造体は、動的ばね定数kが1~3Hzの間で静的ばね定数kの設定値12.5kN/mmと同じ値となるが、0.01Hz~0.1Hzの領域で低くなっていた。
表1は以上詳細に説明した実施例1~8及び比較例1~3に使用した粘弾性材料の製品名、製造メーカ、1Hzにおける複素弾性率G、及び1Hzにおける損失正接tanδを示している。なお、表1中のXIAMETERは登録商標である。
Figure 0007108305000020
また、表2は実施例1~8における粘弾性材料の1Hzにおける複素弾性率G、静的ばね定数k、粘弾性体モデルの厚さ(高さ)h、層数N、及び幅wと、式(1)によって算出した長さLを示している。また、表3は比較例1~3における粘弾性材料の1Hzにおける複素弾性率G、静的ばね定数k、粘弾性体モデルの厚さ(高さ)h、層数N、及び幅wと、式(1)によって算出した長さLを示している。
Figure 0007108305000021
Figure 0007108305000022
表2から分かるように、実施例1~8においては長さLが1350mm以下の寸法であっても、12.5kN/mmの静的ばね定数を得ることができたのに対し、表3の比較例1~2においては長さLが2298mm以上でなければ12.5kN/mmの静的ばね定数を得ることができなかった。即ち、複素弾性率Gが0.27以上(1Hzにおいて)の粘弾性材料を用いた実施例1~8によれば、複素弾性率Gが0.16以下(1Hzにおいて)の粘弾性材料を用いた比較例1~2と同等の静的ばね定数をより小さな寸法で得ることができた。従って、付加ばね構造体12の粘弾性材料は、複素弾性率G≧0.2MPa(1Hzにおいて)であることが望ましい。
また、図12から分かるように、実施例1~8においては動的ばね定数の周波数依存性が小さかったが、比較例1~2においては動的ばね定数の周波数依存性が大きかった。特に比較例1は、より高い周波数領域(1Hz~100Hzの領域)において周波数依存性が非常に大きかった。また、比較例3は、表3に示したように、実施例1~8と同様に長さLが1350mm以下の寸法であっても、12.5kN/mmの静的ばね定数を得ることができているが、動的ばね定数の低周波領域において低下が見られた。これは表1に示したとおり、比較例1と比較例3の材料の損失正接tanδが実施例1~8よりも大きいためである。従って、ばね定数の周波数変化に対する変動を小さくするために、付加ばね構造体12の粘弾性材料は、複素弾性率G≧0.2MPaであり、かつ周波数0.1~50Hzの範囲において損失正接tanδ≦0.1であることが望ましい。
図16は実施例1~8及び比較例1~3における複素弾性率Gと損失正接tanδとの範囲を示している。同図に示すように、実施例1~8は、いずれも、複素弾性率G≧0.2MPa、かつ損失正接tanδ≦0.1の領域内にあり、比較例1~3はこの領域内には存在しない。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 制振ダンパ
11 ダンパ本体
12、13 付加ばね構造体
12a、12b、13a、13b 外側鋼板
12c、13c、13d、13e 内側鋼板
12d、12e、13f、13g、13h、13i シリコーン粘弾性体
12f、12g、13j、13k 取り付け孔
14 ロッド
15 梁
16 取り付け部
100 固定面
101 荷重計
102 レーザ変位計
103 記録計

Claims (5)

  1. 少なくとも1対の鋼板が間にシリコーン粘弾性体を挟んで積層された構造を有しており、
    前記シリコーン粘弾性体は、周波数1Hzにおいて複素弾性率GがG≧0.2MPaであり、かつ少なくとも周波数0.1~15Hzの範囲の全ての周波数における損失正接tanδがtanδ≦0.1であることを特徴とする、制振ダンパ用の付加ばね構造体。
  2. 前記シリコーン粘弾性体が、付加反応型シリコーンであることを特徴とする請求項1に記載の付加ばね構造体。
  3. 前記シリコーン粘弾性体が、分散配置されたシリカ粒子を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の付加ばね構造体。
  4. 前記シリコーン粘弾性体が、前記少なくとも1対の鋼板に挟まれた平板形状を有しており、該平板形状の、当該付加ばね構造体の振動方向における両端の角部が面取りされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の付加ばね構造体。
  5. 粘弾性のダンパ本体と、該ダンパ本体と並列に連結された請求項1から4のいずれか1項に記載の付加ばね構造体とを備えていることを特徴とする制振ダンパ。
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