JP7107946B2 - 赤外線センサーモジュール - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム状透明接着剤、及び赤外線センサーモジュールに関する。
本願は、2017年8月28日に、日本に出願された特願2017-163632号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
人感センサー等の赤外線センサーのカバー部材として、赤外域で高い光透過性を有するカバーガラス部材が提案されている(特許文献1)。赤外線センサーにおいて、カバーガラス部材は、例えば、特許文献2のように、凹部を設けて、赤外線センサーの枠部に固定される。
特開2016-040220号公報 特開2011-037694号公報
幅広い赤外線波長領域で光透過性を有するフィルム状接着剤を用いて、赤外線受光素子に赤外線透過性を有するガラスウエハを直接接着することができれば、赤外線センサーをより小型化することができる。
そこで、本発明は、赤外線受光素子にガラスウエハを直接接着することのできる、幅広い赤外線波長領域で光透過性を有するフィルム状透明接着剤、及びこれを用いた赤外線センサーモジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、熱硬化性又はエネルギー線硬化性のフィルム状透明接着剤であって、硬化後の波長800nmの光線透過率が80%以上であるフィルム状透明接着剤を提供する。
本発明のフィルム状透明接着剤としては、硬化後の波長800~2000nmの光線透過率が全て80%以上であることが好ましい。
本発明のフィルム状透明接着剤としては、硬化後の波長850nmの光線透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明のフィルム状透明接着剤としては、充填材を含有し、前記充填材の平均粒子径が450nm以下であることが好ましい。
本発明は、赤外線受光部を有する赤外線受光素子とガラスウエハとが、前記フィルム状透明接着剤により硬化接着されてなり、前記赤外線受光部が、前記ガラスウエハ及び硬化後の前記フィルム状透明接着剤を透過した赤外線を受光するように設けられている赤外線センサーモジュールを提供する。
本発明によれば、赤外線受光素子にガラスウエハを接着することのできるフィルム状透明接着剤、及びこれを用いた赤外線センサーモジュールの提供が提供される。
<フィルム状透明接着剤>
本発明のフィルム状透明接着剤は、熱硬化性又はエネルギー線硬化性のフィルム状透明接着剤であって、硬化後の波長800nmの光線透過率が80%以上である。本発明のフィルム状透明接着剤は、硬化後の透明樹脂膜の、波長800nmの光線透過率が80%以上であるので、波長800nmの周辺の幅広い赤外線波長領域で、光透過性を有するものとすることができる。本発明のフィルム状透明接着剤としては、硬化後の波長800~2000nmの光線透過率が全て80%以上であることが好ましく、硬化後の波長850nmの光線透過率が90%以上であることが好ましい。本発明のフィルム状透明接着剤の硬化後の赤外線の光線透過率が高いことにより、本発明のフィルム状透明接着剤を硬化させて赤外線受光素子にガラスウエハを接着したとき、赤外線受光素子が、ガラスウエハを透過した赤外線を効率よく受光できる。
前記フィルム状透明接着剤の硬化後の波長800nmの光線透過率の上限値は限定されないが、95%であってもよく、93%であってもよい。前記フィルム状透明接着剤の硬化後の波長800~2000nmの光線透過率の上限値は限定されないが、95%であってもよく、93%であってもよい。前記フィルム状透明接着剤の硬化後の波長850nmの光線透過率の上限値は限定されないが、95%であってもよく、93%であってもよい。
本発明のフィルム状透明接着剤は、熱硬化性又はエネルギー線硬化性を有し、熱硬化性及びエネルギー線硬化性の両方の特性を有していてもよい。以下、熱硬化性を有するフィルム状透明接着剤を「熱硬化性フィルム状透明接着剤」と云い、エネルギー線硬化性を有するフィルム状透明接着剤を「エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤」と云う。
前記フィルム状透明接着剤は、感圧接着性を有するものが好ましい。硬化性及び感圧接着性をともに有するフィルム状透明接着剤は、未硬化状態では各種被着体に軽く押圧することで貼付できる。フィルム状透明接着剤は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。フィルム状透明接着剤は、硬化によって最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、この硬化物は、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
本発明のフィルム状透明接着剤はフィルム状であるので、硬化により赤外線受光素子及びガラスウエハを接着する際に、液だれを生じるおそれがなく、熱硬化性フィルム状透明接着剤は、赤外線センサーモジュールを作成する際の熱処理により、同時に赤外線受光素子及びガラスウエハを接着することが可能となる。
フィルム状透明接着剤は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。フィルム状透明接着剤が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
本明細書においては、フィルム状透明接着剤の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
前記フィルム状透明接着剤の厚さは、特に限定されないが、1~50μmであることが好ましく、3~40μmであることがより好ましい。フィルム状透明接着剤の厚さが前記下限値以上であることにより、被着体(すなわち、ガラスウエハ及び赤外線受光素子)に対してより高い接着力が得られる。
ここで、「フィルム状透明接着剤の厚さ」とは、フィルム状透明接着剤全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるフィルム状透明接着剤の厚さとは、フィルム状透明接着剤を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
○熱硬化性フィルム状透明接着剤
本発明のフィルム状透明接着剤が熱硬化性を有するとき、好ましい熱硬化性フィルム状透明接着剤としては、例えば、重合体成分及び熱硬化性成分を含有するものが挙げられ、重合体成分、熱硬化性成分及び充填材を含有するものがより好ましい。重合体成分は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。熱硬化性成分は、熱を反応のトリガーとして、硬化(すなわち、重合)反応し得る成分である。本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
[熱硬化性接着剤組成物]
熱硬化性フィルム状透明接着剤は、その構成材料を含有する熱硬化性接着剤組成物を用いて形成できる。例えば、熱硬化性フィルム状透明接着剤の形成対象面に熱硬化性接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にフィルム状透明接着剤を形成できる。熱硬化性接着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、熱硬化性フィルム状透明接着剤の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。 本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、熱硬化性接着剤組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましく、この場合、例えば、70~130℃で10秒~5分の条件で乾燥させることが好ましい。
好ましい熱硬化性接着剤組成物としては、例えば、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)を含有するものが挙げられる。以下、各成分について説明する。
(重合体成分(a))
重合体成分(a)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、フィルム状透明接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、ガラスウエハ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させるための重合体化合物である。重合体成分(a)は、後述するエポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)に該当しない成分でもある。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する重合体成分(a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
重合体成分(a)としては、例えば、アクリル系樹脂((メタ)アクリロイル基を有する樹脂)、ポリエステル、ウレタン系樹脂(すなわち、ウレタン結合を有する樹脂)、アクリルウレタン樹脂、シリコーン系樹脂(すなわち、シロキサン結合を有する樹脂)、ゴム系樹脂(すなわち、ゴム構造を有する樹脂)、フェノキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
重合体成分(a)における前記アクリル系樹脂としては、公知のアクリル重合体が挙げられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000~2000000であることが好ましく、100000~1500000であることがより好ましい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、フィルム状透明接着剤の形状安定性(すなわち、保管時の経時安定性)が向上する。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へフィルム状透明接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状透明接着剤との間でボイド等の発生がより抑制される。
本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-60~70℃であることが好ましく、-30~50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが前記下限値以上であることで、フィルム状透明接着剤と支持シートとの接着力が抑制されて、フィルム状透明接着剤を備えたガラスウエハの支持シートからの引き離しがより容易となる。アクリル系樹脂のTgが前記上限値以下であることで、フィルム状透明接着剤とガラスウエハとの接着力が向上する。
アクリル系樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1~18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N-メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
アクリル系樹脂は、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステル以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN-メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーが共重合してなるものでもよい。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂は、上述の水酸基以外に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。アクリル系樹脂の水酸基をはじめとするこれら官能基は、後述する架橋剤(f)を介して他の化合物と結合してもよいし、架橋剤(f)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル系樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、フィルム状透明接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する傾向がある。
本発明においては、重合体成分(a)として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を、アクリル系樹脂を用いずに単独で用いてもよいし、アクリル系樹脂と併用してもよい。前記熱可塑性樹脂を用いることで、フィルム状透明接着剤を備えたガラスウエハの支持シートからの引き離しがより容易となったり、被着体の凹凸面へフィルム状透明接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状透明接着剤との間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は1000~100000であることが好ましく、3000~80000であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-30~150℃であることが好ましく、-20~120℃であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物及びフィルム状透明接着剤が含有する前記熱可塑性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する重合体成分(a)の含有量の割合(すなわち、フィルム状透明接着剤の重合体成分(a)の含有量)は、重合体成分(a)の種類によらず、20~75質量%であることが好ましく、30~65質量%であることがより好ましい。
(エポキシ系熱硬化性樹脂(b))
エポキシ系熱硬化性樹脂(b)は、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)からなる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有するエポキシ系熱硬化性樹脂(b)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・エポキシ樹脂(b1)
エポキシ樹脂(b1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂(b1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。そのため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いることで、フィルム状透明接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を有する基に変換されてなる化合物が挙げられる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へ(メタ)アクリル酸又はその誘導体を付加反応させることにより得られる。本明細書において「誘導体」とは、特に断りのない限り、元の化合物の1個以上の基がそれ以外の基(置換基)で置換されてなるものを意味する。ここで、「基」とは、複数個の原子が結合してなる原子団だけでなく、1個の原子も包含するものとする。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基)、2-プロペニル基(アリル基)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(b1)の数平均分子量は、特に限定されないが、フィルム状透明接着剤の硬化性、並びに熱硬化後のフィルム状透明接着剤の強度及び耐熱性の点から、300~30000であることが好ましく、400~10000であることがより好ましく、500~3000であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量は、100~1000g/eqであることが好ましく、150~800g/eqであることがより好ましい。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有するエポキシ樹脂(b1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・熱硬化剤(b2)
熱硬化剤(b2)は、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(b2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(b2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(b2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(b2)としてフェノール系硬化剤を用いる場合には、熱硬化剤(b2)は軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、例えば、多官能フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等の樹脂成分の数平均分子量は、300~30000であることが好ましく、400~10000であることがより好ましく、500~3000であることが特に好ましい。
熱硬化剤(b2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60~500であることが好ましい。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する熱硬化剤(b2)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤において、熱硬化剤(b2)の含有量は、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、0.1~500質量部であることが好ましく、1~200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、フィルム状透明接着剤の硬化がより進行し易くなる。熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、フィルム状透明接着剤の吸湿率が低減されて、フィルム状透明接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤において、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)の総含有量)は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、5~100質量部であることが好ましく、6~90質量部であることがより好ましく、7~80質量部であることが特に好ましい。
熱硬化性フィルム状透明接着剤は、その各種物性を改良するために、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する他の成分で好ましいものとしては、例えば、硬化促進剤(c)、充填材(d)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、エネルギー線硬化性樹脂(g)、光重合開始剤(h)、汎用添加剤(i)等が挙げられる。
(硬化促進剤(c))
硬化促進剤(c)は、熱硬化性接着剤組成物の硬化速度を調節するための成分である。
好ましい硬化促進剤(c)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する硬化促進剤(c)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
硬化促進剤(c)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤において、硬化促進剤(c)の含有量は、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(c)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(c)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。硬化促進剤(c)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(c)が、高温・高湿度条件下でフィルム状透明接着剤中において被着体との接着界面側に移動して偏析することを抑制する効果が高くなり、フィルム状透明接着剤を用いて得られる赤外線センサーモジュールの信頼性がより向上する。
(充填材(d))
熱硬化性フィルム状透明接着剤は、充填材(d)を含有することにより、その熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数を熱硬化性フィルム状透明接着剤の貼付対象物に対して最適化することで、熱硬化性フィルム状透明接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。熱硬化性フィルム状透明接着剤が充填材(d)を含有することにより、硬化後のフィルム状透明接着剤の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
充填材(d)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよい。
好ましい有機充填材としては、例えば、アクリル粒子やシリコーン粒子等が挙げられる。中でも光透過性や他の材料との相溶性の観点からアクリル粒子が好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましく、球状シリカであることがより好ましい。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する充填材(d)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
充填材(d)としてアクリル微粒子を使用する場合、アクリル微粒子の平均粒子径は1~450nmが好ましく、1~400nmがより好ましい。
充填材(d)として球状シリカを用いる場合、球状シリカの平均粒子径は、1~250nmであることが好ましく、5~200nmであることがより好ましい。
充填材(d)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材(d)の含有量の割合(すなわち、フィルム状透明接着剤の充填材(d)の含有量)は、5~80質量%であることが好ましく、7~60質量%であることがより好ましい。充填材(d)の含有量がこのような範囲であることで、上記の熱膨張係数の調整がより容易となる。
(カップリング剤(e))
フィルム状透明接着剤は、カップリング剤(e)を含有することにより、被着体に対する接着性及び密着性が向上する。フィルム状透明接着剤がカップリング剤(e)を含有することにより、その硬化物は耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。カップリング剤(e)は、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものである。
カップリング剤(e)は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有するカップリング剤(e)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
カップリング剤(e)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤において、カップリング剤(e)の含有量は、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)の総含有量100質量部に対して、0.03~20質量部であることが好ましく、0.05~10質量部であることがより好ましく、0.1~5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(e)の前記含有量が前記下限値以上であることで、充填材(d)の樹脂への分散性の向上や、熱硬化性フィルム状透明接着剤の被着体との接着性の向上など、カップリング剤(e)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。カップリング剤(e)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
(架橋剤(f))
重合体成分(a)として、上述のアクリル系樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤は、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(f)を含有していてもよい。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状透明接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(f)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤)、アジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤)等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物及び脂環族多価イソシアネート化合物(以下、これら化合物をまとめて「芳香族多価イソシアネート化合物等」と略記することがある);前記芳香族多価イソシアネート化合物等の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体;前記芳香族多価イソシアネート化合物等とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記「アダクト体」は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味し、その例としては、後述するようなトリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等が挙げられる。「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、先に説明したとおりである。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート;2,6-トリレンジイソシアネート;1,3-キシリレンジイソシアネート;1,4-キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート;3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて又は一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートのいずれか1種又は2種以上が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(f)として有機多価イソシアネート化合物を用いる場合、重合体成分(a)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(f)がイソシアネート基を有し、重合体成分(a)が水酸基を有する場合、架橋剤(f)と重合体成分(a)との反応によって、フィルム状透明接着剤に架橋構造を簡便に導入できる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する架橋剤(f)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
架橋剤(f)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物において、架橋剤(f)の含有量は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、0.01~20質量部であることが好ましく、0.1~10質量部であることがより好ましく、0.3~5質量部であることが特に好ましい。架橋剤(f)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(f)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。架橋剤(f)の前記含有量が前記上限値以下であることで、架橋剤(f)の過剰使用が抑制される。
(エネルギー線硬化性樹脂(g))
フィルム状透明接着剤は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)は、エネルギー線硬化性化合物を重合(硬化)して得られたものである。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;エポキシ変性(メタ)アクリレート;前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート;イタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)の重量平均分子量は、100~30000であることが好ましく、300~10000であることがより好ましい。
熱硬化性接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂(g)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エネルギー線硬化性樹脂(g)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物において、エネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量は、1~95質量%であることが好ましく、1.5~90質量%であることがより好ましく、2~85質量%であることが特に好ましい。
(光重合開始剤(h))
熱硬化性接着剤組成物は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(g)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(h)を含有していてもよい。
熱硬化性接着剤組成物における光重合開始剤(h)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα-ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;2,4-ジエチルチオキサントン;1,2-ジフェニルメタン;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン;1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン等のキノン化合物等が挙げられる。
光重合開始剤(h)としては、例えば、アミン等の光増感剤等も挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物が含有する光重合開始剤(h)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
光重合開始剤(h)を用いる場合、熱硬化性接着剤組成物において、光重合開始剤(h)の含有量は、エネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましく、2~5質量部であることが特に好ましい。
(汎用添加剤(i))
汎用添加剤(I)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する汎用添加剤(i)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤においては、フィルム状透明接着剤の表面状態が良好になるなど、造膜性が向上する点では、重合体成分(a)の含有量は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)及び充填材(d)の総含有量(重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)及び充填材(d)の総含有量)100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、38質量部以上であることがより好ましい。上述の点で、重合体成分(a)の前記含有量の上限値は、特に限定されないが、65質量部であることが好ましい。
一方、熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤においては、フィルム状透明接着剤の信頼性が向上する点では、重合体成分(a)の含有量は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)及び充填材(d)の総含有量(すなわち、重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)及び充填材(d)の総含有量)100質量部に対して、45質量部以上であることが好ましい。上述の点で、重合体成分(a)の前記含有量の上限値は、特に限定されないが、65質量部であることが好ましい。
(溶媒)
熱硬化性接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する熱硬化性接着剤組成物は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2-プロパノール、イソブチルアルコール(2-メチルプロパン-1-オール)、1-ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド(すなわち、アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性接着剤組成物が含有する溶媒は、熱硬化性接着剤組成物中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
[熱硬化性接着剤組成物の製造方法]
熱硬化性接着剤組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
○エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤
本発明のフィルム状透明接着剤がエネルギー線硬化性を有するとき、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤としては、エネルギー線硬化性成分(a)を含有するものが挙げられ、エネルギー線硬化性成分(a)及び充填材を含有するものが好ましい。
エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤において、エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。ここで、「エネルギー線」及び「エネルギー線硬化性」とは、先に説明したとおりである。
エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤をガラスウエハに貼付し、更に、赤外線受光素子に接着した後に、硬化させるときの硬化条件は、硬化物が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り特に限定されず、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤の種類に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤の硬化時における、エネルギー線の照度は、120~280mW/cmであることが好ましい。そして、前記硬化時における、エネルギー線の光量は、100~1000mJ/cmであることが好ましい。
[エネルギー線硬化性接着剤組成物]
エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤は、その構成材料を含有するエネルギー線硬化性接着剤組成物を用いて形成できる。例えば、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤の形成対象面にエネルギー線硬化性接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤を形成できる。
エネルギー線硬化性接着剤組成物の塗工は、例えば、上述の熱硬化性接着剤組成物の塗工の場合と同じ方法で行うことができる。
エネルギー線硬化性接着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、エネルギー線硬化性接着剤組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましい。そして、溶媒を含有するエネルギー線硬化性接着剤組成物は、例えば、70~130℃で10秒~5分の条件で乾燥させることが好ましい。ただし、本発明においては、形成されるエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が熱硬化しないように、エネルギー線硬化性接着剤組成物を乾燥させることが好ましい。
<エネルギー線硬化性接着剤組成物(IV-1)>
好ましいエネルギー線硬化性接着剤組成物としては、例えば、前記エネルギー線硬化性成分(a)及び充填材を含有するエネルギー線硬化性接着剤組成物(IV-1)(本明細書においては、単に「組成物(IV-1)」と略記することがある)等が挙げられる。
[エネルギー線硬化性成分(a)]
エネルギー線硬化性成分(a)は、エネルギー線の照射によって硬化する成分であり、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤に造膜性や、可撓性等を付与するとともに、硬化後に硬質の透明樹脂膜を形成するための成分でもある。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000~2000000の重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有する、分子量が100~80000の化合物(a2)が挙げられる。前記重合体(a1)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
(エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000~2000000の重合体(a1))
エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000~2000000の重合体(a1)としては、例えば、他の化合物が有する基と反応可能な官能基を有するアクリル系重合体(a11)と、前記官能基と反応する基、及びエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線硬化性基を有するエネルギー線硬化性化合物(a12)と、が反応してなるアクリル系樹脂(a1-1)が挙げられる。
他の化合物が有する基と反応可能な前記官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基(すなわち、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基)、エポキシ基等が挙げられる。ただし、半導体ウエハや半導体チップ等の回路の腐食を防止するという点では、前記官能基はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
これらの中でも、前記官能基は、水酸基であることが好ましい。
・官能基を有するアクリル系重合体(a11)
前記官能基を有するアクリル系重合体(a11)としては、例えば、前記官能基を有するアクリル系モノマーと、前記官能基を有しないアクリル系モノマーと、が共重合してなるものが挙げられ、これらモノマー以外に、さらにアクリル系モノマー以外のモノマー(すなわち、非アクリル系モノマー)が共重合したものであってもよい。
前記アクリル系重合体(a11)は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよく、重合方法についても公知の方法を採用できる。
前記官能基を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、置換アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
前記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;ビニルアルコール、アリルアルコール等の非(メタ)アクリル系不飽和アルコール((メタ)アクリロイル骨格を有しない不飽和アルコール)等が挙げられる。
前記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸(すなわち、エチレン性不飽和結合を有するモノカルボン酸);フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸(エチレン性不飽和結合を有するジカルボン酸);前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の無水物;2-カルボキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸カルボキシアルキルエステル等が挙げられる。
前記官能基を有するアクリル系モノマーは、水酸基含有モノマーが好ましい。
前記アクリル系重合体(a11)を構成する、前記官能基を有するアクリル系モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記官能基を有しないアクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(すなわち、(メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル(すなわち、(メタ)アクリル酸ステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1~18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
前記官能基を有しないアクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル等を含む、芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステル;非架橋性の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等も挙げられる。
前記アクリル系重合体(a11)を構成する、前記官能基を有しないアクリル系モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記非アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン;酢酸ビニル;スチレン等が挙げられる。
前記アクリル系重合体(a11)を構成する前記非アクリル系モノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記アクリル系重合体(a11)において、これを構成する構成単位の全量に対する、前記官能基を有するアクリル系モノマーから誘導された構成単位の量の割合(含有量)は、0.1~50質量%であることが好ましく、1~40質量%であることがより好ましく、3~30質量%であることが特に好ましい。前記割合がこのような範囲であることで、前記アクリル系重合体(a11)と前記エネルギー線硬化性化合物(a12)との共重合によって得られた前記アクリル系樹脂(a1-1)において、エネルギー線硬化性基の含有量は、透明樹脂膜の硬化の程度を好ましい範囲に容易に調節可能となる。
前記アクリル系樹脂(a1-1)を構成する前記アクリル系重合体(a11)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
組成物(IV-1)において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、アクリル系樹脂(a1-1)の含有量の割合(すなわち、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤のアクリル系樹脂(a1-1)の含有量)は、1~70質量%であることが好ましく、5~60質量%であることがより好ましく、10~50質量%であることが特に好ましい。
・エネルギー線硬化性化合物(a12)
前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、前記アクリル系重合体(a11)が有する官能基と反応可能な基として、イソシアネート基、エポキシ基及びカルボキシ基からなる群より選択される1種又は2種以上を有するものが好ましく、前記基としてイソシアネート基を有するものがより好ましい。前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、例えば、前記基としてイソシアネート基を有する場合、このイソシアネート基が、前記官能基として水酸基を有するアクリル系重合体(a11)のこの水酸基と容易に反応する。
前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、1分子中に前記エネルギー線硬化性基を1~5個有することが好ましく、1~3個有することがより好ましい。
前記エネルギー線硬化性化合物(a12)としては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;
ジイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物等が挙げられる。
これらの中でも、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートであることが好ましい。
前記アクリル系樹脂(a1-1)を構成する前記エネルギー線硬化性化合物(a12)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記アクリル系樹脂(a1-1)において、前記アクリル系重合体(a11)に由来する前記官能基の含有量に対する、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)に由来するエネルギー線硬化性基の含有量の割合は、20~120モル%であることが好ましく、35~100モル%であることがより好ましく、50~100モル%であることが特に好ましい。前記含有量の割合がこのような範囲であることで、硬化後の透明樹脂膜の接着力がより大きくなる。前記エネルギー線硬化性化合物(a12)が一官能(前記基を1分子中に1個有する)化合物である場合には、前記含有量の割合の上限値は100モル%となるが、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)が多官能(前記基を1分子中に2個以上有する)化合物である場合には、前記含有量の割合の上限値は100モル%を超えることがある。
前記重合体(a1)の重量平均分子量(Mw)は、100000~2000000であることが好ましく、300000~1500000であることがより好ましい。
ここで、「重量平均分子量」とは、先に説明したとおりである。
前記重合体(a1)が、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものである場合、前記重合体(a1)は、前記アクリル系重合体(a11)を構成するものとして説明した、上述のモノマーのいずれにも該当せず、かつ架橋剤と反応する基を有するモノマーが重合して、前記架橋剤と反応する基において架橋されたものであってもよいし、前記エネルギー線硬化性化合物(a12)に由来する、前記官能基と反応する基において、架橋されたものであってもよい。
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が含有する前記重合体(a1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
(エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100~80000の化合物(a2))
エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100~80000の化合物(a2)が有するエネルギー線硬化性基としては、エネルギー線硬化性二重結合を含む基が挙げられ、好ましいものとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。
前記化合物(a2)は、上記の条件を満たすものであれば、特に限定されないが、エネルギー線硬化性基を有する低分子量化合物、エネルギー線硬化性基を有するエポキシ樹脂、エネルギー線硬化性基を有するフェノール樹脂等が挙げられる。
前記化合物(a2)のうち、エネルギー線硬化性基を有する低分子量化合物としては、例えば、多官能のモノマー又はオリゴマー等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン、9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル]プロパン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロキシプロパン等の2官能(メタ)アクリレート;
トリス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等の多官能(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
前記化合物(a2)のうち、エネルギー線硬化性基を有するエポキシ樹脂、エネルギー線硬化性基を有するフェノール樹脂としては、例えば、「特開2013-194102号公報」の段落0043等に記載されているものを用いることができる。このような樹脂は、後述する熱硬化性成分を構成する樹脂にも該当するが、本発明においては前記化合物(a2)として取り扱う。
前記化合物(a2)は、重量平均分子量が100~30000であることが好ましく、300~10000であることがより好ましい。
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が含有する前記化合物(a2)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)]
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤は、前記エネルギー線硬化性成分(a)として前記化合物(a2)を含有する場合、さらにエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)も含有することが好ましい。
前記重合体(b)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)としては、例えば、アクリル系重合体、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル、ゴム系樹脂、アクリルウレタン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、前記重合体(b)は、アクリル系重合体(以下、「アクリル系重合体(b-1)」と略記することがある)であることが好ましい。
アクリル系重合体(b-1)は、公知のものでよく、例えば、1種のアクリル系モノマーの単独重合体であってもよいし、2種以上のアクリル系モノマーの共重合体であってもよいし、1種又は2種以上のアクリル系モノマーと、1種又は2種以上のアクリル系モノマー以外のモノマー(非アクリル系モノマー)と、の共重合体であってもよい。
アクリル系重合体(b-1)を構成する前記アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、先に説明したとおりである。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチル)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチル)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリル)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1~18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
前記環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル等が挙げられる。
前記グリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。
前記置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N-メチルアミノエチル等が挙げられる。
アクリル系重合体(b-1)を構成する前記非アクリル系モノマーとしては、例えば、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン;酢酸ビニル;スチレン等が挙げられる。
少なくとも一部が架橋剤によって架橋された、前記エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)としては、例えば、前記重合体(b)中の反応性官能基が架橋剤と反応したものが挙げられる。
前記反応性官能基は、架橋剤の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、架橋剤がポリイソシアネート化合物である場合には、前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基等が挙げられ、これらの中でも、イソシアネート基との反応性が高い水酸基が好ましい。架橋剤がエポキシ系化合物である場合には、前記反応性官能基としては、カルボキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、これらの中でもエポキシ基との反応性が高いカルボキシ基が好ましい。ただし、半導体ウエハや半導体チップの回路の腐食を防止するという点では、前記反応性官能基はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
前記反応性官能基を有する、エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)としては、例えば、少なくとも前記反応性官能基を有するモノマーを重合させて得られたものが挙げられる。アクリル系重合体(b-1)の場合であれば、これを構成するモノマーとして挙げた、前記アクリル系モノマー及び非アクリル系モノマーのいずれか一方又は両方として、前記反応性官能基を有するものを用いればよい。例えば、反応性官能基として水酸基を有する前記重合体(b)としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られたものが挙げられ、これ以外にも、先に挙げた前記アクリル系モノマー又は非アクリル系モノマーにおいて、1個又は2個以上の水素原子が前記反応性官能基で置換されてなるモノマーを重合して得られたものが挙げられる。
反応性官能基を有する前記重合体(b)において、これを構成する構成単位の全量に対する、反応性官能基を有するモノマーから誘導された構成単位の量の割合(含有量)は、1~20質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましい。前記割合がこのような範囲であることで、前記重合体(b)において、架橋の程度がより好ましい範囲となる。
エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、組成物(IV-1)の造膜性がより良好となる点から、10000~2000000であることが好ましく、100000~1500000であることがより好ましい。ここで、「重量平均分子量」とは、先に説明したとおりである。
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が含有する、エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
組成物(IV-1)としては、前記重合体(a1)及び前記化合物(a2)のいずれか一方又は両方を含有するものが挙げられる。そして、組成物(IV-1)は、前記化合物(a2)を含有する場合、さらにエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)も含有することが好ましく、この場合、さらに前記(a1)を含有することも好ましい。組成物(IV-1)は、前記化合物(a2)を含有せず、前記重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)をともに含有していてもよい。
組成物(IV-1)が、前記重合体(a1)、前記化合物(a2)及びエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)を含有する場合、組成物(IV-1)において、前記化合物(a2)の含有量は、前記重合体(a1)及びエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)の総含有量100質量部に対して、10~400質量部であることが好ましく、30~350質量部であることがより好ましい。
組成物(IV-1)において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、前記エネルギー線硬化性成分(a)及びエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)の合計含有量の割合(すなわち、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤の前記エネルギー線硬化性成分(a)及びエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)の合計含有量)は、5~90質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましく、20~70質量%であることが特に好ましい。エネルギー線硬化性成分の含有量の前記割合がこのような範囲であることで、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤のエネルギー線硬化性がより良好となる。
[充填材]
充填材を含有するエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤は、充填材(d)を含有する熱硬化性フィルム状透明接着剤と同様の効果を奏する。
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が含有する充填材としては、熱硬化性接着剤組成物及び熱硬化性フィルム状透明接着剤が含有する充填材(d)と同じものが挙げられる。
組成物(IV-1)及びエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤が含有する充填材は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
組成物(IV-1)において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材の含有量の割合(すなわち、エネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤の充填材の含有量)は、25~75質量%であることが好ましく、28~72質量%であることがより好ましい。
充填材が他の成分よりも顕著に吸水し難いため、前記割合が前記下限値以上であることで、前記吸水率を0.55%以下とすることがより容易となり、サイズが小さい透明樹脂膜付きガラスウエハを支持シートからピックアップするときに、支持シートへの透明樹脂膜の残存を抑制する効果がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、フィルム状透明接着剤及びその硬化物である透明樹脂膜の強度が、より向上する。
組成物(IV-1)は、前記エネルギー線硬化性成分及び充填材以外に、目的に応じて、熱硬化性成分、カップリング剤、架橋剤、光重合開始剤、及び汎用添加剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含有していてもよい。
組成物(IV-1)における前記熱硬化性成分、カップリング剤、架橋剤、光重合開始剤、及び汎用添加剤としては、それぞれ、熱硬化性接着剤組成物におけるエポキシ系熱硬化性樹脂(b)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、光重合開始剤(h)、及び汎用添加剤(i)と同じものが挙げられる。
例えば、前記エネルギー線硬化性成分及び熱硬化性成分を含有する組成物(IV-1)を用いることにより、形成されるエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤は、加熱によって被着体に対する接着力が向上し、このエネルギー線硬化性フィルム状透明接着剤から形成された透明樹脂膜の強度も向上する。
組成物(IV-1)において、前記熱硬化性成分、カップリング剤、架橋剤、光重合開始剤、及び汎用添加剤は、それぞれ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
組成物(IV-1)における前記熱硬化性成分、カップリング剤、架橋剤、光重合開始剤、及び汎用添加剤の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
組成物(IV-1)は、希釈によってその取り扱い性が向上することから、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
組成物(IV-1)が含有する溶媒としては、例えば、熱硬化性接着剤組成物における溶媒と同じものが挙げられる。
組成物(IV-1)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
<<エネルギー線硬化性接着剤組成物の製造方法>>
組成物(IV-1)等のエネルギー線硬化性接着剤組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
<<赤外線センサーモジュール>>
本発明の赤外線センサーモジュールは、赤外線受光素子とガラスウエハとが、前記本発明のフィルム状透明接着剤により硬化接着されてなるものである。赤外線透過率の高いガラスウエハ、及び硬化後のフィルム状透明接着剤は、赤外線透過率が高いので、赤外線受光素子は、ガラスウエハ及び硬化後のフィルム状透明接着剤を透過して来た赤外線を効率よく受光することができる。ガラスウエハがフィルム状透明接着剤により赤外線受光素子と強固に接着されるので、赤外線受光素子が保護され、信頼性の高い赤外線センサーモジュールとすることができる。
本発明の赤外線センサーモジュールは、前記本発明のフィルム状透明接着剤を用いて、赤外線受光素子とガラスウエハとを硬化接着することにより製造することができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
<アクリル系樹脂の製造>
アクリル系樹脂(1):アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(85質量部)、及びアクリル酸-2-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw)60万)。
アクリル系樹脂(2):アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(85質量部)、及びアクリル酸-2-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw)70万)。
アクリル系樹脂(3):アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略記する)(55質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(15質量部)、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と略記する)(20質量部)及びアクリル酸-2-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(10質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw)80万)。
<フィルム状透明接着剤の製造>
[実施例1]
前記アクリル系樹脂(1)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):15質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):12質量部、球状シリカ(平均粒子径0.05μm、商品名「YA050C-SV2」株式会社アドマテックス製):90質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が20質量%となる接着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ10μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[実施例2]
前記アクリル系樹脂(1)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):15質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):12質量部、球状シリカ(平均粒子径0.05μm、商品名「YA050C-SV2」株式会社アドマテックス製):90質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が20質量%となる接着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[実施例3]
前記アクリル系樹脂(2)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):29質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):14質量部、エネルギー線硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-165」大日精化工業株式会社製):4質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が30質量%となる接着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[実施例4]
前記アクリル系樹脂(1)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):15質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):12質量部、球状シリカ(平均粒子径0.01μm、商品名「YA010C-SV1」株式会社アドマテックス製):90質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が20質量%となる接着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[実施例5]
前記アクリル系樹脂(1)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):15質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):12質量部、球状シリカ(平均粒子径0.1μm、商品名「YA100C-SV2」株式会社アドマテックス製):90質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が20質量%となる接着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[実施例6]
前記アクリル系樹脂(3)(BA/MA/GMA/HEA=55/15/20/10):100質量部に対して、アクリル粒子含有熱硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-135」(樹脂固形100質量部に対して6質量部のアクリル微粒子(平均粒径0.4μm)を含有する熱硬化性樹脂である。)大日精化工業株式会社製): 850質量部、エネルギー線硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-242」大日精化工業株式会社製): 150質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が40質量%となる接着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[比較例1]
前記アクリル系樹脂(3)(BA/MA/GMA/HEA=55/15/20/10):100質量部に対して、シリカフィラー含有熱硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-193」(樹脂固形100質量部に対して13質量部の球状シリカ(平均粒子径500μm)を含有する熱硬化性樹脂である)大日精化工業株式会社製): 1000質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が60質量%となる接着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[比較例2]
前記アクリル系樹脂(3)(BA/MA/GMA/HEA=55/15/20/10):100質量部に対して、アクリル粒子含有熱硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-135」(樹脂固形分100質量部に対して6質量部のアクリル微粒子(平均粒径0.4μm)を含有する熱硬化性樹脂である。)大日精化工業株式会社製): 850質量部、エネルギー線硬化性樹脂(商品名「セイカセブンSS02-242」大日精化工業株式会社製): 1200質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が40質量%となる接着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
[比較例3]
前記アクリル系樹脂(1)(MA/HEA=85/15):100質量部に対して、エポキシ樹脂(商品名「CNA-147」日本化薬株式会社製):15質量部、フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC-4L」三井化学株式会社製):12質量部、球状シリカ(平均粒子径500nm、商品名「SC2050-MA」株式会社アドマテックス製):90質量部、架橋剤(商品名「BHS8515」トーヨーケム株式会社製:1質量部をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、固形分濃度が20質量%となる接着剤組成物を得た。
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(厚さ38μm)の片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルムの前記剥離処理面に、得られた接着剤組成物を塗布し、100℃、2分間乾燥して、厚さ20μmのフィルム状透明接着剤を得た。
実施例1~6及び比較例1~3のフィルム状透明接着剤の組成を表1にまとめて示した。
Figure 0007107946000001
上記で得られた剥離フィルム付きのフィルム状透明接着剤を、厚さ100μmのガラスウエハ(ショット社製 D263 T eco)に70℃で貼り合わせ、剥離フィルムを除去することでガラスウエハ及びフィルム状透明接着剤の積層体を作製し、その後オーブンにて175℃、5hで、フィルム状透明接着剤を硬化させた。
ただし、実施例3,6、比較例2のフィルム状透明接着剤については、エネルギー線硬化性樹脂が含まれるので、ガラスウエハ及びフィルム状透明接着剤の積層体について、紫外線照射装置(RAD-2000m/12 リンテック社製、主波長365nm)で紫外線照射(照度220mW/cm、光量120mJ/cm)してから、オーブンにて175℃、5hで、フィルム状透明接着剤を硬化させた。
それぞれ、熱硬化後のガラスウエハ及びフィルム状透明接着剤の積層体について、下記の項目を評価した。
(光線透過率)
分光度計(SHIMADZU社製,UV-VIS-NIR SPECTROPHOTOMETER UV-3600)を用い、直接受光ユニットを用いて、積分球を使用せずに厚さ150μmのガラスウエハをリファレンスとしたきの、熱硬化後の積層体の波長800~2000nmの光線透過率(%)を測定し、波長850nmの光線透過率を求めた。
波長800~2000nmの領域で光線透過率が常に80%以上を〇、それ以外を×として評価した。
(せん断強度)
シリコンウエハ(200mm径、厚さ350μm)の研磨面(ドライポリッシュ)に、フィルム状透明接着剤を低密度ポリエチレン基材(厚さ100μm)に積層したテープのフィルム状透明接着剤の側を60℃で貼付するとともにリングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(株式会社ディスコ製、DFD6361)を使用して、5mm×5mmのチップサイズにダイシングした。ダイシングの際の切り込み量は、基材を20μm切りこむようにした。
ダイシングブレード:27HECC
ダイシング速度:50mm/s
ダイシング回転数:30000rpm
その後、10mm×10mmにダイシングしたチップの上に150℃、300gfで1秒ボンディングし、更に、175℃、5時間加熱して樹脂を硬化させた後、Nordson DAGE 4000HSボンドテスター(ノードソン社製)を使用して、250℃に加熱したプレート上で、チップの積層体に熱がかかった状態で、せん断速度0.2mm/sの条件で、せん断強度(N/5mm□)を測定した。
実施例1~6及び比較例1~3のフィルム状透明接着剤の評価結果を表2にまとめて示した。
Figure 0007107946000002
上記結果から明らかなように、実施例1~6では、熱硬化後のフィルム状接着剤の波長850nm透過率が90%以上と良好であり、波長800~2000nmの透過率が80%以上と良好であった。
これに対して、比較例1~3では、熱硬化後のフィルム状接着剤の波長850nmの赤外線透過率が、5~42%であり、波長800~2000nmの透過率が80%未満のところがあり、赤外線透過性が低いために、赤外線受光素子とガラスウエハを接着する用途には使用できなかった。
本発明のフィルム状透明接着剤は、赤外線センサーモジュールの、赤外線受光部を有する赤外線受光素子とガラスウエハの接着に好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 赤外線受光部を有する赤外線受光素子とガラスウエハとが、熱硬化性フィルム状透明接着剤により硬化接着されてなり、前記赤外線受光部が、前記ガラスウエハ及び硬化後の前記フィルム状透明接着剤を透過した赤外線を受光するように設けられている赤外線センサーモジュールであって、
    前記熱硬化性フィルム状透明接着剤が、アクリル系樹脂と、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)とを含有し、
    前記熱硬化性フィルム状透明接着剤の硬化後の波長800~2000nmの光線透過率が全て80%以上である赤外線センサーモジュール
  2. 前記熱硬化性フィルム状透明接着剤の硬化後の波長850nmの光線透過率が90%以上である請求項に記載の赤外線センサーモジュール
  3. 前記熱硬化性フィルム状透明接着剤が充填材を含有し、前記充填材の平均粒子径が450nm以下である、請求項1又は2に記載の赤外線センサーモジュール
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