JP7107535B2 - 新規細胞表現型スクリーニング方法 - Google Patents
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Description
イメージングセルソーターを用いて、上記複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別する工程、
第一バーコード核酸を指標として各細胞の処理に用いられた被験対象を同定する工程を含む、被験対象をスクリーニングする方法が提供される。
イメージングセルソーターを用いて、前記複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別する工程、
第一バーコード核酸を指標として各細胞の処理に用いられた被験対象を同定する工程を含む。
本明細書において「ゲノム関連情報」とは、細胞ゲノムまたはその由来物に関連する情報で、遺伝子発現の変化に伴う核酸、たんぱく質の変化に関する情報をいう。またここで、「ゲノム関連核酸」とはゲノム関連情報と関連する核酸であり、細胞のゲノムDNA、細胞ゲノムに由来するmRNA等のRNAもしくはそのcDNAが好適な例である。また「ゲノム関連核酸」別の一例として、細胞で発現する蛋白質等の分子に特異的に相互作用(例えば、結合)する核酸プローブが含まれる。また、核酸がゲノムDNAである場合には、当該DNAは制限酵素等で切断された断片でもよいし、当該DNA断片にDNAタグが導入されていてもよい。
バーコード領域には、共通バーコード領域、固有バーコード領域の二種類が含まれる。
本開示の方法では、被験対象で処理しかつ第一バーコード核酸で標識した細胞を準備する。かかる準備工程は、例えば、以下の工程(図1の工程1-1~工程1-3)を含んでいてもよい。
工程1-1:サブコンパートメント(液滴)の作成
(被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸とを含む液滴の形成する工程)
本開示の一実施態様によれば、図1の工程1-1の上段に示される通り、被験対象および第一バーコード核酸を含む液媒体と、有機溶剤とを混合して、被験対象とその被験対象に対応する第一バーコード核酸を含むサブコンパートメント(液滴)を形成する。具体的には、例えば、被験対象および第一バーコード核酸を含む液媒体にハイドロゲルビーズを添加して、被験対象および第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントを生成することができる。より具体的な手法においては、各容器(例えば各ウェル)内で、予め用意したハイドロゲル粒子と、被験対象と、被験対象に対応する第一バーコード核酸とを混合し、有機溶媒と界面活性剤を追加してボルテックスをかけることにより、被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸を含む均一系液滴を大量生成することができる。また、同様の手法により、上記工程は、Anal. Chem., 2018, 90, 16, 9813-9820に記載の方法に準じて実施することができる。本工程でテンプレートとして添加されているハイドロゲル粒子としては、例えば、アクリルアミド、アガロース、コラーゲン、アルギン酸、ポリエチレングリコール等を素材とするビーズを用いることができる。
(被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸とを含むサブコンパートメント(液滴)と、細胞を含むサブコンパートメント(液滴)とを融合する工程)
また、本開示の一実施態様によれば、工程1-2に示されるように、被験対象および第一バーコード核酸を含む液滴と、細胞を含む液滴を混合して、前記被験対象と前記第一バーコード核酸と細胞とを関連付けする工程を実施する。具体的には、被験対象および第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントと、細胞を含む第二サブコンパートメントとを融合し、被験対象、第一バーコード核酸および細胞を含むコンパートメントを生成することにより、被験対象、第一バーコード核酸および細胞の関連付けを実施してもよい。より具体的な手法においては、マイクロ流体デバイスにおいて、被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸を含む液滴群を片方のチャネルから、細胞を含む液滴群を他方のチャネルから流し込み、逐次、1液滴対1液滴の融合をマイクロ流体デバイス中で実施することにより、細胞と被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸を含む液滴を有機溶媒相中に大量に生成することができる。この際、後述の例のように、マイクロ流体デバイス中で細胞を含む液滴を形成させ、その液滴を被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸を含む液滴と融合させて細胞と被験対象と被験対象に対応する第一バーコード核酸を含む液滴を生成することもできる。上記有機溶媒相中の液滴の中では、細胞に対して被験対象を作用させる一方で、細胞表面に被験対象に対応するバーコード核酸を付着させることにより、細胞を第一バーコード核酸で標識することができる。上記工程は、Anal. Chem. 2018, 90, 2, 1273-1279に記載の方法に準じて実施することができる。
第一バーコード核酸は、細胞表面に第一バーコード核酸を連結しうるアンカー(例えば、オリゴヌクレオチド領域と脂質領域(コレステロール、キトサン-グリコール-脂質等)とを備えた公知のアンカー等)含む構成であることが望ましい。特に好ましい例としては、後述する実施例にて使用されるアンカーDNA等が挙げられる。また第一バーコード核酸は、粒子等に包含あるいは結合された形態で使用されてもよい。その場合、第一バーコード核酸が、適宜包含された粒子等から遊離するように設計される。
第一バーコード核酸の構成の詳細については、後述する。
(第一バーコード核酸を標識した細胞を回収する工程)
本開示の一実施態様は、図1の工程1-3に示されるように、上記コンパートメントから細胞を回収する工程を含む。具体的な手法においては、有機溶媒相中の液滴(被験対象を作用させかつ第一バーコード核酸で標識した細胞を含む)から第一バーコード核酸で標識した細胞を回収することができる。上記回収工程においては、例えば有機溶媒相中に有機溶媒を追加して相分離を起こしたり、有機相溶媒相に電場をかけることにより実施することができる。
(イメージベースセルソーティング)
本開示の一実施態様によれば、図1の工程2に示されるように、イメージングセルソーターを用いて、複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別する工程を実施する。本開示の好ましい実施態様によれば、細胞表現型に基づいて、被験対象により所定の反応が起こっている細胞を選別することができる。イメージンセルソーターのより具体的な態様は後述するが、イメージングセルソーターとしては、例えば、WO2017/073737号公報、WO2018/181458号公報に記載の装置が挙げられる。前記公報記載のイメージングセルソーターでは、観測対象の細胞からの光・電磁波等の信号に基づいて画像化を行わずに分析し、光源系または検出系を機械学習により最適化するほか,観測対象の分析や判別する手法についても機械学習を用いて最適化することで,迅速かつ精度よく選別を実施することができる。
(核酸情報の読み取り)
本開示の一実施態様によれば、図1の工程3に示されるように、第一バーコード核酸を指標として各細胞の処理に用いられた被験対象を同定する工程を実施する。本工程においては、第一バーコード核酸の核酸情報を読み取り、細胞の表現型の変化と被験対象とを関連付けすることができることから、目的とする細胞の表現型変化を生じる被験対象を同定することが可能となる。
本開示の一実施態様によれば、上記核酸情報を解析する工程は、
イメージングセルソーターを用いて分取された目的の表現型変化を示す細胞と、第一バーコード核酸と、第二バーコード核酸連結ビーズとを含む複数のコンパートメントを準備する工程であって、上記第二バーコード核酸連結ビーズが、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸あるいは第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な複数の第二バーコード核酸を含んでいる工程、
上記ゲノム関連核酸および第一バーコード核酸をそれぞれ、第二バーコード核酸とハイブリダイズさせてハイブリダイズ複合体を得る工程、
上記ハイブリダイズ複合体に由来する増幅物を製造する工程、および
上記増幅物の発現パターンを指標として、第一バーコード核酸と細胞における被験対象の共存後のゲノム関連情報を検出する工程
を含む。
マイクロ流路中に大量の液滴(コンパートメント)を作製し、好ましくは、それぞれの液滴中に、液滴ごとに異なる第二バーコード核酸連結ビーズと目的の表現型変化を示す細胞を確率的に1:1の割合で含むように混合する。その後、細胞は上述のコンパートメント内で溶解され、図2の左上段に示されるように、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸と被験対象の標識に使用された第一バーコード核酸とが、第二バーコード核酸連結ビーズにハイブリダイズされた状態でコンパートメント内に包含される。
本開示の第一バーコード核酸は、各被験対象に対応するバーコード領域を含んでいれば、特に限定されず、例えば、該核酸はRNA、DNAまたはそれら組み合わせである。
図2(1)(2)に示されるとおり、第二バーコード核酸連結ビーズは、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸あるいは第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な配列を含む第二バーコード核酸と連結している。
上記第二バーコード核酸連結ビーズの1コンパートメント当たりの数は、特に限定されないが、1コンパートメント当たり1つが好ましい。
また、図2の下段の(1)(2)は第二バーコード核酸連結ビーズの表面の拡大図であり、ビーズに連結した第二バーコード核酸の構造の一例を示している。
本開示の一実施態様によれば、第二バーコード核酸は、RNA、DNAまたはそれら組み合わせである。
ビーズは、多数のゲノム関連核酸とハイブリダイズできる観点から、1,000~100,000の第二バーコード核酸と連結していることが好ましい。
複数種の第二バーコード核酸連結ビーズは、公知の手法により製造することができる。例えば、E. Z.Macosko et al.,Highly Parallel Genome-wide Expression Profiling of Individual Cells Using Nanoliter Droplets. Cell. 161,1202-1214(2015)またはGierahn, T. M et al., Seq-Well: A Portable,Low-CostPlatform for High-Throughput Single-Cell RNA-Seq of Low-Input Samples;Nat Methods.14,395-398(2017)に記載の方法により製造することができる。
上記コンパートメントに封入する細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸は、細胞の破砕物、細胞の内容物、細胞の溶解物等から得られる核酸が挙げられる。細胞の由来物(例えば、細胞の破砕物、内容物、溶解物等)は、細胞と細胞溶解バッファー等とを共存させる等の公知手法を用いることにより取得することができる。
また、本開示の一実施態様によれば、上記ゲノム関連情報を解析する工程において、ゲノム関連核酸および第一バーコード核酸をそれぞれ、第二バーコード核酸とハイブリダイズさせてハイブリダイズ複合体を得る工程を実施する。
また、本開示の一実施態様によれば、上記ゲノム関連情報を解析する工程において、上記ハイブリダイズ複合体取得工程で得られたハイブリダイズ複合体に由来する増幅物を作製する工程を実施する。
また、本開示の一実施態様によれば、上記ハイブリダイズ複合体由来の増幅物の作製工程で得られた増幅物の発現パターンを指標として細胞と共存した被験対象を同定し該細胞のゲノム関連情報を検出する工程を含む。上記増幅物の発現パターンとしては、例えば、シークエンシングにより得られた、増幅物の配列情報、例えば、該配列情報中の第一バーコード核酸の配列情報(例えば、第一共通バーコード領域の配列情報)、第二バーコード核酸の配列情報(例えば、第二共通バーコード領域の配列情報、第二固有バーコード領域の配列情報)、ゲノム関連核酸の配列情報(細胞毎のmRNAの配列)等が挙げられる。
上述のハイブリダイズ複合体由来の増幅物の作製工程で得られた増幅物(第一増幅物、第二増幅物)の配列をシーケンサーにより決定し、増幅物の配列情報の解析を行う。第二増幅物の解析では、第二共通バーコード領域の配列情報を指標として、各増幅物の由来する細胞を割り当てる。また、第二固有バーコード領域の配列情報により、各mRNA分子を識別できることから、該配列情報を指標として、細胞毎のmRNAの配列およびその発現量等の情報を得ることができる。上記第二増幅物の解析で得られた情報に基づき、細胞毎のトランスクリプトーム情報を得ることができる。
したがって、1種以上の被験対象と共存した細胞またはその由来物のトランスクリプトーム情報等のゲノム関連情報の検出により、共存した被験対象に対しての細胞の応答を評価することができる。
本開示においては、上述の通り、イメージングセルソーターを用いて、複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別する。本開示においては、イメージングセルソーターを利用することにより、迅速かつ精度よく被験対象に応答して生じた細胞の表現型の変化を分析し、目的とする表現型を示す細胞を選別することができる。イメージングセルソーターは、細胞等の観測対象物の形態情報を高速に取得して分析するフローサイトメータであり、その分析結果に基づいて目的とする観測対象物を選択的に取得することができる。
本開示の一実施態様によれば、イメージングセルソーターは、光源からの光が構造化されて照射される光照射領域に存在する観測対象物からの散乱光、透過光、蛍光、または電磁波を受け取り、電気信号に変換する受光部から出力される前記電気信号の時間軸に基づいて抽出される信号に基づいて前記観測対象物を分析する分析部を備える分析装置である(以下、「第一の実施態様におけるイメージングセルソーター」ともいう)。第一の実施形態におけるイメージングセルソーターでは、光構造と測定対象の相対的な動きを利用する動的ゴーストイメージング(Ghost Motion Imaging)技術が用いられている。第一の実施態様におけるイメージングセルソーターを用いた分析は、例えば、WO2017/073737号公報の記載に準じて実施することができる。
光源1と、
光源1からの光が照射される光照射領域3と、
光照射領域3に存在する観測対象物5からの散乱光(ラマン散乱を含む),透過光,蛍光,または電磁波を受け取り,電気信号に変換する受光部7と、
受光部7から電気信号を受け取って記録する記憶部9と、
記憶部9が記録した、散乱光、透過光、蛍光、または電磁波に関する電気信号を分析して、分析結果を記録する分析部11と、
分析結果に基づいて、光源1または光照射領域3を最適化する光学系制御部13と、
を有する。
本開示の第1の実施態様におけるイメージングセルソーターは、より好ましくは、目的とする表現型を示す細胞を含む学習サンプルを用いて取得した波形データ(電気信号)を学習データとして取得し、その学習データを用いて目的とする表現型を示す細胞を判別する判別モデルを作製し、そのモデルに基づいてテストサンプルを測定した際に取得される波形データ(電気信号)に基づいてテストサンプルから目的とする表現型を示す細胞が取得される。
また、本開示の好ましい実施態様によれば、イメージングセルソーターは、光源からの光が照射される光照射領域に存在する観測対象物からの散乱光、透過光、蛍光、または電磁波を受け取り、電気信号に変換する受光部から出力される電気信号の時間軸に基づいて抽出される信号に基づいて観測対象物を分析する分析部
を備える分析装置である(以下、「第二の実施態様におけるイメージングセルソーター」ともいう)。第二の実施態様におけるイメージングセルソーターを用いた分析は、WO2018/199080号公報の記載に準じて実施することができる。
[1]被験対象と関連付けされている第一バーコード核酸で標識しかつ上記被験対象で処理した複数の細胞を準備する工程、
イメージングセルソーターを用いて、上記複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別する工程、
第一バーコード核酸を指標として各細胞の処理に用いられた被験対象を同定する工程を含む、被験対象をスクリーニングする方法。
[2]各細胞の処理に用いられた被験対象と、各細胞の表現型とを関連付けする、[1]に記載の方法。
[3]上記同定工程が、さらに被験対象により目的とする細胞の表現型変化を生じさせる標的部位を同定する工程を含む、[1]または[2]に記載の方法。
[4]各細胞のゲノム関連情報を解析する工程をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]上記細胞を準備する工程が、被験対象および第一バーコード核酸を含む液媒体と、細胞とを混合して、上記第一バーコード核酸と細胞とを関連付けする工程を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]上記細胞を準備する工程が、被験対象および第一バーコード核酸を含む液媒体にハイドロゲルビーズを添加して、被験対象および第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントを生成して、被験対象と第一バーコード核酸とを関連付けする工程を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]上記細胞を準備する工程が、上記被験対象および第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントと、細胞を含む第二サブコンパートメントとを融合し、上記被験対象、第一バーコード核酸および細胞を含むコンパートメントを生成する、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]上記細胞を準備する工程が、上記コンパートメント中において被験対象で細胞を処理する、[7]に記載の方法。
[9]上記コンパートメントまたはサブコンパートメントが液滴である、[6]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]上記細胞を準備する工程が、上記コンパートメントから細胞を回収する工程を含む、[7]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]上記選別工程が、細胞表現型に基づいて、被験対象により所定の反応が起こっている細胞を選別する工程を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]上記ゲノム関連情報を解析する工程が、上記細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸と、上記第一バーコード核酸と、第二バーコード核酸連結ビーズとを含む複数のコンパートメントを準備する工程であって、上記第二バーコード核酸連結ビーズが、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸あるいは上記第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な複数の第二バーコード核酸を含んでいる工程、
上記ゲノム関連核酸および上記第一バーコード核酸をそれぞれ、上記第二バーコード核酸とハイブリダイズさせてハイブリダイズ複合体を得る工程、
上記ハイブリダイズ複合体に由来する増幅物を製造する工程、および
上記増幅物の発現パターンを指標として細胞における上記被験対象の共存後のゲノム関連情報を検出する工程
を含む、[4]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]上記ゲノム関連核酸が、上記細胞ゲノムDNA、または上記細胞ゲノムに由来するRNAもしくはそのcDNAである、[12]に記載の方法。
[14]第一バーコード核酸が各々、同一の被験対象において共通する第一共通バーコード領域と、第二バーコード核酸とハイブリダイズ可能な第一ハイブリダイズ領域とを含んでいる、[12]または[13]のいずれかに記載の方法。
[15]第一共通バーコード領域の配列情報が、被験対象を特定する指標となる、[12]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16]上記第二バーコード核酸連結ビーズに連結した複数の第二バーコード核酸が各々、互いに共通する第二共通バーコード領域と、互いに峻別しうる第二固有バーコード領域と、ゲノム関連核酸または第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な第二ハイブリダイズ領域とを含む、[12]~[15]のいずれかに記載の方法。
[17]上記第二固有バーコード領域の配列情報が、ゲノム関連核酸を特定する指標となる、[12]~[16]のいずれかに記載の方法。
[18]第二バーコード核酸が、PCRプライマー領域をさらに含む、[11[~[16]のいずれかに記載の方法。
[19]第二ハイブリダイズ領域が、上記第一ハイブリダイズ領域または上記ゲノム関連核酸と相補的な核酸を含む、[12]~[17]のいずれかに記載の方法。
[20]上記イメージングセルソーターが、光源からの光が照射される光照射領域に存在する観測対象物からの散乱光、透過光、蛍光、または電磁波を受け取り、電気信号に変換する受光部から出力される上記電気信号の時間軸に基づいて抽出される信号に基づいて上記観測対象物を分析する分析部
を備える分析装置である、[1]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21]上記光源と上記光照射領域との間の光路上に、光特性が互いに異なる複数の領域を有する光変調部が配置された、[20]に記載の方法。
[22]上記分析部が分析した分析結果に基づいて,上記光源を制御する光学系制御部を更に備える、[20]または[21]に記載の方法。
[23]上記光源からの光が、複数の光領域を有し、上記光学系制御部は、上記光領域の光構造を制御する、[22]に記載の方法。
[24]上記分析部が、分析した結果に基づいて判別アルゴリズムが更新される、[20]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25]上記光および上記光照射領域が、上記分析部が分析した結果に基づいて制御される、[20]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26]上記イメージングセルソーターが、上記光照射領域を含むフローセルを含む、[20]~[25]のいずれかに記載の方法。
[27]上記イメージングセルソーターが、上記分析部の分析結果に基づいて,上記観測対象物を判別し,上記観測対象物を分別する分別部を有する、[20]~[26]のいずれかに記載の方法。
[28]上記イメージングセルソーターが、流路を移動する上記観測対象物の移動可能な流線幅を可変に制御する流線幅制御部を更に備え、
上記分析部が,上記時間軸に基づいて抽出される信号と、当該信号が取得された際の流線幅とに基づいて,上記観測対象物の状態を判別する基準を示す教師情報を機械学習によって生成する教師情報生成部と、
上記信号と上記教師情報生成部が生成する教師情報とに基づいて、上記流線を移動する上記観測対象物の状態を推定する、[20]~[27]のいずれかに記載の方法。
[29]上記流線幅制御部が、
上記観測対象物の径に応じた幅である第1の流線幅に上記流線幅を制御し、
上記教師情報生成部が、
上記流線幅制御部が制御した上記第1の流線幅において上記受光部が検出する第1の観察結果信号に基づく第1の教師情報を上記教師情報として生成し、
上記分析部が、
上記教師情報生成部が生成する上記第1の教師情報と,上記信号とに基づいて,上記流線を移動する上記観測対象物の状態を推定する、[28]に記載の方法。
[30]上記流線幅制御部が、
上記観測対象物の径に基づく幅であり,かつ,上記第1の流線幅よりも幅が広い第2の流線幅に上記流線幅を制御し、
上記教師情報生成部は更に、
上記流線幅制御部が制御した上記第2の流線幅において上記受光部が検出する第2の観察結果信号に基づく第2の教師情報を上記教師情報として生成し、
上記分析部が、
上記教師情報生成部が生成する上記第1の教師情報と、上記教師情報生成部が生成する上記第2の教師情報と,上記信号とに基づいて,上記流線を移動する上記観測対象物の状態を推定する、[28]または[29]に記載の方法。
[31]上記イメージングセルソーターが、
観測対象物が流される少なくとも1つの流路と、
上記流路に対して帯状の励起光を照射する光源と、
上記励起光が照射される位置を通過した上記観測対象物からの蛍光を撮像することにより、上記観測対象物のある断面を撮像する撮像部と、
上記撮像部が撮像した上記断面が撮像された複数の撮像画像に基づいて、上記観測対象物の3次元の画像を生成する3次元画像生成部と
を備える、[1]~[30]のいずれかに記載の方法。
[32]上記イメージングセルソーターが、
上記撮像部が撮像した上記断面が示す上記観測対象物の形態を示す情報に基づいて、観測対象物を分取する、[31]に記載の方法。
[33]上記流路が、並列に並べられた複数の流路であって、
上記励起光が、複数の上記流路に対して照射され、
上記撮像部が、複数の上記流路をそれぞれ流される上記観測対象物の上記断面を撮像する、[31]または[32]に記載の方法。
[34]上記光源と上記蛍光の強さを検出する撮像素子との間の光路上に、光特性が互いに異なる複数の領域を有する光変調部が配置され、
上記撮像部が、
上記撮像素子が検出する上記蛍光の強さと、上記光変調部の上記光特性とに基づいて、上記観測対象物の上記断面の像を、撮像画像として再構成する、[1]~[33]のいずれかに記載の方法。
[35]上記被験対象が被験物質を含む、[1]~[34]のいずれかに記載の方法。
[36]上記被験対象が被験物質である、[1]~[35]のいずれかに記載の方法。
[37]上記ゲノム関連情報を解析する工程が、
イメージングセルソーターを用いて分取された目的の表現型変化を示す細胞と、上記第一バーコード核酸と、第二バーコード核酸連結ビーズとを含む複数のコンパートメントを準備する工程であって、上記第二バーコード核酸連結ビーズが、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸あるいは第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な複数の第二バーコード核酸を含んでいる工程、
上記ゲノム関連核酸および第一バーコード核酸をそれぞれ、第二バーコード核酸とハイブリダイズさせてハイブリダイズ複合体を得る工程、
上記ハイブリダイズ複合体に由来する増幅物を製造する工程、および
上記増幅物の発現パターンを指標として、第一バーコード核酸と細胞における被験対象の共存後のゲノム関連情報を検出する工程
を含む、[1]~[36]のいずれかに記載の方法。
Multi-seq法(Nature Methods,volume16,pages 619-626 (2019)の記載)に準じて、後述する例1と同様の細胞、アンカーCMO、共アンカーCMOおよびオリゴヌクレオチドを使用して、以下の予備実験を行った。すなわち、細胞とアンカーCMOをPhosphate Buffered Saline(PBS)溶液で4度、5分間のインキュベーションを行ったのち、共アンカーCMOを加え、さらに4度、5分間のインキュベーションを行い、最後に赤色蛍光色素(Cy5)を付加したオリゴヌクレオチド(第一バーコード核酸の部分配列に相当する配列を持つ)を混合し、4度、5分間インキュベーションした。
また、血清またはBovine SerumAlbumin(BSA)を含有する細胞培地を溶媒として用いてインキュベーションする以外、参考例1と同様の手法により予備実験を行った。その結果、図4のCおよびDの写真に示される通り、赤色蛍光色素(Cy5)を付加したオリゴヌクレオチド(第一バーコード核酸の部分配列に相当する配列を持つ)の細胞への付加率が低下することが確認された。
また、アンカーCMOや共アンカーCMOを付加する時の溶液を、血清なしOpti-MEM培地 (Thermo Fisher製)に変更し室温でインキュベーションする以外、参考例1と同様の手法により予備実験を行った。その結果、図4のEおよびFの写真に示される通り、十分に蛍光色素を付加したオリゴヌクレオチド(第一バーコード核酸の部分配列に相当する配列を持つ)を細胞に付加できることを確認した。細胞への付加効率が高いまま (100%) 液滴を用いたスクリーニング系に適した反応を行うことができることが確認された。そこで、以下の例1の実験を行うこととした。
本実験では、まずチューブ1内において、コレステロール修飾された2種類のオリゴヌクレオチドリンカー、すなわち、アンカーCMO(5’-Cholesterol-TEG-GTAACGATGGAGCTGTCACTTGGAATTCTCGGGTGCCAAGG-3’(配列番号1))と、共アンカーCMO(5’-AGTGACAGCTGGATCGTTAC-TEG-Cholesterol-3’(配列番号2))を混合した。ここで、オリゴヌクレオチドリンカー中の「Cholesterol-TEG」はhttps://sg.idtdna.com/site/Catalog/Modifications/Product/2555に記載の市販品を使用している。上記混合行程において、溶媒は血清なしのOpti-MEM培地を用い、アンカーCMO、共アンカーCMOの終濃度は共に250nMとした。チューブ1は、室温で5分間インキュベーションした。
チューブ1およびチューブ2においてそれぞれ、10%FBSと50uM 2-メルカプトエタノールを添加したRPMl-1640培地に細胞を再懸濁した。次に、チューブ1に対してのみ、ジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁したLipopolysaccharide(LPS)を薬剤として、最終濃度2ug/mLで添加した。チューブ2には、薬剤の溶剤であるDMSOのみを添加した。次に、チューブ1およびチューブ2をそれぞれ、37度、CO2下で、2時間のインキュベーションを行った。ここまでの実験により、薬剤LPSあり、薬剤なし、という薬剤条件を、各細胞に対して、第一バーコード核酸種類Aと第一バーコード核酸種類Bに対応させ、関連付けした。
具体的には、まず緑色の蛍光色素FAMを付加したオリゴヌクレオチド(第一バーコード核酸の部分配列に相当する配列を持つ)で標識された細胞と赤色蛍光色素(Cy5)を付加したオリゴヌクレオチド(第一バーコード核酸の部分配列に相当する配列を持つ)で標識された細胞を別々に準備し、これらをPBS溶液中で混合して1時間インキュベーションした。このインキュベーション後の混合細胞サンプルを、蛍光顕微鏡を用いて、緑色蛍光(図5のA)と赤色蛍光(図5のB)のそれぞれのチャンネルを観察したところ、多くの細胞が緑・赤の両方で光っていた。すなわち、既出の手法であるPBS溶液中での長時間培養では、バーコード核酸の抜け落ちが生じ、2種類のバーコード核酸が混じり合っていた。
次に、チューブ1およびチューブ2からそれぞれ一部の細胞を採取した。得られた細胞をPBSに懸濁した4%ホルマリン溶液で室温15分間または1mg/mLのDithiobis sulfosuccinimidylpropionatedisodiumsalt(DTSSP)(DOJINDO社製)で室温30分間インキュベーションして固定した後、氷冷したメタノールで5分間処理した。固定処理された細胞を、PBS溶液中に置換した。その後、NFkBタンパク質に対する1次抗体(NFkB p65(D14E12),CST社製)を用いて免疫抗体染色を行った。1次抗体は100倍希釈で用い、反応溶液は1%BSA入りのPBSで4度、16~20時間処理した。次に、蛍光色素付きの2次抗体(Alexa Fluor 488)と反応した。2次抗体は200倍希釈で用い、反応溶液は1%BSA入りのPBSを用いて室温、1時間処理した。
イメージセルソーターを用いて、LPS薬剤添加に応じて観察される細胞イメージ表現型であるNFkBタンパク質の核移行に基づき、混合細胞溶液から細胞を選別し回収した。なお、本実験で用いたイメージセルソーターは、Science, 15 Jun 2018: Vol. 360, Issue 6394, pp. 1246-1251に記載されたものを使用した。
イメージセルソーターで選別・回収した細胞(positive purity: 0.995)ならびにコントロール混合細胞(LPS薬剤ありと薬剤なしの比が1:1)より、細胞約4800個を含む溶液をそれぞれ分注し、1細胞解析を行った。細胞ごとに修飾しているDNAバーコードの読み出しには、液滴技術を用いた1細胞解析技術である10xGenomics社製 Chromium コントローラー装置と10xGenomics社製の単一細胞3’試薬キットv3を用いた。
上記固定・標識・染色固定条件により用意された、イメージセルソーターで選別・回収した細胞混合サンプルを模して混合されたサンプル(LPS薬剤あり細胞と薬剤なしの細胞比が9:1)(positive purity:0.9)より、細胞約4800個を含む溶液を分注し、1細胞解析を行った。細胞ごとに修飾しているDNAバーコードおよび細胞由来の遺伝子情報の読み出しには、例5と同じく液滴技術を用いた1細胞解析技術である10xGenomics社製 Chromium コントローラー装置と10xGenomics社製の単一細胞3’試薬キットv3を用いた。
コンパートメント(液滴)内に、細胞と、被験物質と、被験物質に対応する第一バーコード核酸を包含し接触させることによる被験物質の細胞表現型スクリーニングについては、例えば、以下の方法により実施できる。
7-1
被験物質と被験物質に対応する第一バーコード核酸を包含する第一サブコンパートメントはAnal.Chem.,2018,90,16,9813-9820の記載に準じて、以下の手順により生成することができる。具体的には、FBSを含まないOpti-MEM培地を用い、被験物質を水相に溶解する。次に、ウェル内あるいはチューブ内で水相と、事前にマイクロ流体デバイスなどを用いて作製したハイドロゲル粒子(例えば直径約70μmのサイズのアガロース1.1wt%濃度のゲルビーズ)と、被験物質に対応する第一バーコード核酸、アンカーCMO、共アンカーCMOとを混合する。次に、ウェルに有機溶媒および界面活性剤(例えばTriton―100)を追加してボルテックスにより振とう撹拌処理することにより、第一サブコンパートメントとして、被験物質と被験物質に対応する第一バーコード核酸を含む液滴を得ることができる。図16の顕微鏡写真は被験物質および第一バーコード核酸を添加せずに調製された第一サブコンパートメントの顕微鏡写真であるが、被験物質と被験物質に対応する第一バーコード核酸を含む場合も同様に、おおよそ直径約70μmのサイズの液滴が調製される。この処理により、第一サブコンパートメント内で被験物質と第一バーコード核酸とを関連付けられる。
なお、ここで有機溶媒としては、例えば、Droplet Generator oil for EvaGreen(BioRad社製)が用いられる。Droplet Generator oil for EvaGreenは、酸素の透過性を有し、細胞の液滴内培養に適している。実際、この有機溶媒とFBSを含まないOpti-MEM培地で生成した液滴内で、細胞(THP1細胞)を24時間培養した結果、生存率は88%であった。
次に、FBSを含まないOpti-MEM培地に懸濁した細胞(THP1細胞)を用意する。細胞懸濁液は有機溶媒と共にマイクロ流体デバイスに流し込まれ、マイクロ流体デバイス通過中に、細胞入りの第二サブコンパートメントが作製される。細胞懸濁液と有機溶媒それぞれの流速をコントロールし、細胞入りの第二サブコンパートメントのサイズを約100μmに調整する。さらにマイクロ流体デバイス中で、第一サブコンパートメントと第二サブコンパートメントを、350V―500Vの電圧をかけマージさせることにより、被験物質、細胞、第一バーコード核酸を同時に内包する液滴(コンパートメント)を生成する。即ち、マイクロ流体デバイスにおいて、被験物質と被験物質に対応する第一バーコード核酸を含む液滴群(第一サブコンパートメント)を片方のチャネルから、細胞懸濁液を他方のチャネルから、それぞれ有機溶媒と共に流し込むことで、最終的に被験物質、細胞、第一バーコード核酸を同時に内包する液滴(コンパートメント)が生成される。液滴の生成には、例えば、E. Z. Macosko et al., Highly Parallel Genome-wide Expression Profiling of Individual Cells Using Nanoliter Droplets. Cell. 161, 1202-1214 (2015)の記載に準じて、フローフォーカシングデバイスを用いることができる。
上記有機溶媒相中の液滴(コンパートメント)の中においては、細胞に対して被験物質を作用させる一方で、細胞表面に被験物質に対応する第一バーコード核酸を付着させ、細胞を第一バーコード核酸で標識することができる。
次に、コンパートメント(液滴)からの細胞の回収を、以下のプロセスにより行うことができる。液滴(被験物質を作用させかつ第一バーコード核酸で標識した細胞を含むコンパートメント)100μLをマイクロチップ等を用いて取り出し、下層に500μLのフッ素系溶剤(例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)、Novec(商標)7200高機能性液体(3M JAPAN製))が入ったマイクロチューブに移し変える。この混合物に、さらに別の有機溶媒(例えばパーフルオロ-n-オクタノール)300μLを添加し、マイクロチューブを10秒激しく振ったのち静置することで液滴を破砕し、第一バーコード核酸で標識された細胞を含む水相と、有機溶媒相の二層に分離し、水相から、第一バーコード核酸で標識された細胞を回収し、細胞混合溶液を調製することができる。
次に、イメージセルソーターを用いて、被験物質添加に応じて観察される細胞イメージ表現型(例えば刺激や薬剤処理に応答したタンパク質の核移行)に基づき、細胞混合溶液から細胞を選別回収する。被験物質に応答し細胞イメージ表現型に変化を生じた細胞をイメージセルソーターにより選別する方法は、具体的には、例えば例4と同様の方法により行うことができる。
次に、例6と同様、イメージセルソーターで選別・回収した細胞混合溶液について、1細胞解析を行ない、イメージセルソーターで選別・回収した細胞の被験物質と細胞表現型の情報紐付けを行う。細胞ごとに修飾しているDNAバーコードおよび細胞由来の遺伝子情報の読み出しには、例5と同じく液滴技術を用いた1細胞解析技術である10xGenomics社製 Chromium コントローラー装置と10xGenomics社製の単一細胞3’試薬キットv3を用いることができる。また、回収した細胞の遺伝子発現情報についても、同様の試薬キットを用いて行うことができる。
図18に記載の模式図に準じて、目的の表現型変化を起こす被験対象(図18の例ではLPSにより誘導されるNF-κBの核移行を阻害する被験物質)を探索した。
具体的には、96穴マイクロプレートの各ウェル内において、参考例1に記載の方法に準じて、第一バーコード核酸を細胞(THP1細胞)に付着させ、さらに被験物質と接触させた。その際、各ウェルにおける被験物質の種類および濃度と、第一バーコード核酸はそれぞれ異なる種類のものを使用した。これにより、96種類の被験対象(24種類の被験物質×4種類の濃度)と、細胞(THP1細胞)に付着した96種類の第一バーコード核酸とが関連付けされた。
ソートされた細胞の第一バーコード核酸配列の濃縮レベルは、図21に示される通りであった。ここで、縦軸の数値として1を超えているものはソート前のサンプルより濃縮されていることを意味する。
ポジティブコントロール(LPS(-):NF-κBが核移行していない)は、イメージソーティングにより約20倍濃縮されていた。
被験物質として既知NF-κB核移行阻害剤(TAK242:30μM)を用いた細胞群は、イメージソーティングにより約1.5倍濃縮されていた。
また、ランダムで添加した被験物質のうち、Costunolideを用いた細胞群は顕著に濃縮されていた(Constunolide:anti-inflammatory activity)。
ネガポティブコントロール(LPS(+):NF-κBが核移行している)は、ソートサンプルにほとんど含まれていなかった。
3 光照射領域
5 観測対象物
7 受光部
9 記憶部
11 分析部
13 光学系制御部
25 受光領域
27 受光系制御部
Claims (29)
- 被験対象と関連付けされている第一バーコード核酸で標識しかつ前記被験対象で処理した複数の細胞を準備する工程、
イメージングセルソーターを用いて、前記複数の細胞を細胞表現型に基づいて選別し、所定の細胞表現型を示す細胞を分離する工程、
前記分離された細胞について、前記第一バーコード核酸を指標として各細胞の処理に用いられた被験対象を同定する工程を含む、被験対象をスクリーニングする方法。 - 前記各細胞の処理に用いられた被験対象と、前記各細胞の細胞表現型とを関連付けする、請求項1に記載の方法。
- 前記細胞を準備する工程が、前記被験対象および前記第一バーコード核酸を含む液媒体と、細胞とを混合して、前記第一バーコード核酸と前記細胞とを関連付けする工程を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞を準備する工程が、前記被験対象および前記第一バーコード核酸を含む液媒体と、細胞とを混合して、前記第一バーコード核酸と前記細胞とを関連付けする工程を含み、
前記被験対象を同定する工程が、前記各細胞の処理に用いられた被験対象と、前記各細胞の細胞表現型とを関連付けすることを含む、
請求項1に記載の被験対象をスクリーニングする方法。 - 前記細胞を準備する工程が、前記被験対象および前記第一バーコード核酸を含む液媒体にハイドロゲルビーズを添加して、前記被験対象および前記第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントを生成して、前記被験対象と前記第一バーコード核酸とを関連付けする工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞を準備する工程が、前記被験対象および前記第一バーコード核酸を含む第一サブコンパートメントと、細胞を含む第二サブコンパートメントとを融合し、前記被験対象、前記第一バーコード核酸および前記細胞を含むコンパートメントを生成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞を準備する工程が、前記コンパートメント中において前記被験対象で前記細胞を処理する工程を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記コンパートメント、前記第一サブコンパートメント及び前記第二サブコンパートメントが液滴である、請求項6または7に記載の方法。
- 前記細胞を準備する工程が、前記コンパートメントから前記細胞を回収する工程を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞を分離する工程が、細胞表現型に基づいて、前記被験対象により所定の反応が起こっている細胞を選別する工程を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 各細胞のゲノム関連情報を解析する工程をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ゲノム関連情報を解析する工程が、細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸と、前記第一バーコード核酸と、第二バーコード核酸連結ビーズとを含む複数のコンパートメントを準備する工程であって、前記第二バーコード核酸連結ビーズが、前記細胞ゲノムまたはその由来物に対応するゲノム関連核酸あるいは前記第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な複数の第二バーコード核酸を含んでいる工程、
前記ゲノム関連核酸および前記第一バーコード核酸をそれぞれ、前記第二バーコード核酸とハイブリダイズさせてハイブリダイズ複合体を得る工程、
前記ハイブリダイズ複合体に由来する増幅物を製造する工程、および
前記増幅物の発現パターンを指標として前記細胞における前記被験対象の共存後のゲノム関連情報を検出する工程
を含む、請求項11に記載の方法。 - 前記ゲノム関連核酸が、前記細胞ゲノムのDNA、または前記細胞ゲノムに由来するRNAもしくはそのcDNAである、請求項12に記載の方法。
- 前記第一バーコード核酸が各々、同一の被験対象において共通する第一共通バーコード領域と、前記第二バーコード核酸とハイブリダイズ可能な第一ハイブリダイズ領域とを含んでいる、請求項12または13に記載の方法。
- 前記第一共通バーコード領域の配列情報が、前記被験対象を特定する指標となる、請求項14に記載の方法。
- 前記第二バーコード核酸連結ビーズに連結した複数の前記第二バーコード核酸が各々、互いに共通する第二共通バーコード領域と、互いに峻別しうる第二固有バーコード領域と、前記ゲノム関連核酸または前記第一バーコード核酸とハイブリダイズ可能な第二ハイブリダイズ領域とを含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第二固有バーコード領域の配列情報が、前記ゲノム関連核酸を特定する指標となる、請求項16に記載の方法。
- 前記第二ハイブリダイズ領域が、前記ゲノム関連核酸と相補的な核酸を含む、請求項16または17に記載の方法。
- 前記第一バーコード核酸が各々、同一の被験対象において共通する第一共通バーコード領域と、前記第二バーコード核酸とハイブリダイズ可能な第一ハイブリダイズ領域とを含んでおり、
前記第二ハイブリダイズ領域が、前記第一ハイブリダイズ領域と相補的な核酸を含む、請求項16または17に記載の方法。 - 前記第二バーコード核酸が、PCRプライマー領域をさらに含む、請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記イメージングセルソーターが、光源からの光が照射される光照射領域に存在する観測対象物からの散乱光、透過光、蛍光、または電磁波を受け取り、電気信号に変換する受光部から出力される前記電気信号の時間軸に基づいて抽出される信号に基づいて前記観測対象物を分析する分析部
を備える分析装置である、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。 - 前記光源と前記光照射領域との間の光路上に、光特性が互いに異なる複数の領域を有する光変調部が配置された、請求項21に記載の方法。
- 前記イメージングセルソーターが、前記光照射領域を含むフローセルを含む、請求項21または22に記載の方法。
- 前記イメージングセルソーターが、前記分析部の分析結果に基づいて,前記観測対象物を判別し,前記観測対象物を分別する分別部を有する、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
- 前記イメージングセルソーターが、
前記観測対象物が流される少なくとも1つの流路と、
前記流路に対して帯状の励起光を照射する光源と、
前記励起光が照射される位置を通過した前記観測対象物からの蛍光を撮像することにより、前記観測対象物のある断面を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した前記断面が撮像された複数の撮像画像に基づいて、前記観測対象物の3次元の画像を生成する3次元画像生成部と
を備える、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。 - 前記イメージングセルソーターが、
前記撮像部が撮像した前記断面が示す前記観測対象物の形態を示す情報に基づいて、前記観測対象物を分取する、請求項25に記載の方法。 - 前記光源と前記蛍光の強さを検出する撮像素子との間の光路上に、光特性が互いに異なる複数の領域を有する光変調部が配置され、
前記撮像部が、
前記撮像素子が検出する前記蛍光の強さと、前記光変調部の前記光特性とに基づいて、前記観測対象物の前記断面の像を、撮像画像として再構成する、請求項25または26に記載の方法。 - 前記被験対象が被験物質を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験対象が被験物質である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
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