以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係るワイパ装置10の概略構成がブロック図にて示されている。ワイパ装置10は、乗用車などの車両に設けられ、ウィンドシールドガラス12の払拭に用いられる。なお、図1では、右ハンドル車のウィンドシールドガラス12が車両前側から見た正面図にて示され、車幅右側(図1の左側)が運転席、車幅左側(図1の右側)が助手席とされている。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、ワイパ装置10は、一対のワイパ14、16、モータとしてのワイパモータ18、及びリンク機構20を備えており、これらによって払拭部が構成されている。また、車両には、洗浄部としてのウォッシャ装置22が設置されていると共に、ワイパ装置10及びウォッシャ装置22の動作を制御する制御部24が設けられている。ワイパ14、16は、ワイパ14が助手席側に配置され、ワイパ16が運転席側に配置されている。なお、車両が左ハンドル車の場合には、右ハンドル車のワイパ14、16が左右反転されて配置される。
ワイパ14、16は、各々ワイパアーム26、28及びワイパブレード30、32によって構成されている。ワイパ14、16は、ワイパアーム26、28の基端部が各々下記ピボット軸42、44に固定され、ワイパアーム26、28の先端部にワイパブレード30、32が各々固定されている。ワイパ14、16は、ワイパブレード30、32がワイパアーム26、28と共にウィンドシールドガラス12上を往復移動可能にされている。
リンク機構20は、クランクアーム34、第1リンクロッド36、一対のピボットレバー38、40、一対のピボット軸42、44、及び第2リンクロッド46を備えている。また、ワイパモータ18には、減速機構48が一体的に設けられており、減速機構48は、主にウォームギア(図示省略)で構成され、正逆回転可能な出力軸50が設けられている。
ピボットレバー38、40は、各々一端にピボット軸42、44を有しており、ピボット軸42、44は、車体に設けられた図示しないピボットホルダによって各々動作可能に支持されている。ピボットレバー38、40には、ピボット軸42、44を介してワイパアーム26、28が各々固定されている。
クランクアーム34は、一端側が減速機構48の出力軸50に固定され、他端側が第1リンクロッド36の一端側に動作可能に連結されている。第1リンクロッド36の他端側は、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端寄りの箇所に動作可能に連結されている。また、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端及びピボットレバー40におけるピボットレバー38の当該端に対応する端には、第2リンクロッド46の両端が各々動作可能に連結されている。
ワイパ装置10では、減速機構48の出力軸50が所定の範囲の角度θ1で正逆回転されると、この出力軸50の回転力がリンク機構20を介してワイパアーム26、30に伝達され、ワイパアーム26、30が往復動作される。これにより、ワイパブレード30、32がウィンドシールドガラス12上における下反転位置P2と上反転位置P1の間で往復動作(払拭動作)し、ワイパブレード30、32は、下反転位置P2と上反転位置P1の間でウィンドシールドガラス12を払拭する。
ワイパ14、16は、下反転位置P2よりも下側がワイパブレード30、32の格納位置P3とされている。リンク機構20は、ワイパブレード30、32が格納位置P3に配置された場合に、クランクアーム34と第1リンクロッド36とが直線状となる構成とされている。ワイパブレード30、32は、下反転位置P2にある状態から出力軸50が角度θ2回転することにより、格納位置P3に移動される。なお、角度θ2=0°の場合は、下反転位置P2と格納位置P3とが一致し、ワイパブレード30、32は、下反転位置P2に停止した状態が格納状態とされる。
ウォッシャ装置22は、ウォッシャタンク52、ウォッシャポンプ54、ウォッシャモータ56、一対のノズル(ウォッシャノズル)58A、58B、及び一対のホース(ウォッシャホース)60A、60Bを備えている。ウォッシャ装置22は、ノズル58Aが運転者側においてウィンドシールドガラス12に対向され、ノズル58Bが助手席側においてウィンドシールドガラス12に対向されている。
ウォッシャタンク52には、ウィンドシールドガラス12の洗浄液としてのウォッシャ液が貯留されており、ウォッシャタンク52には、ウォッシャポンプ54が配置されている。ホース60A、60Bは、一端側が各々ウォッシャポンプ54に接続され、ホース60Aの他端側がノズル58Aに接続され、ホース60Bの他端側がノズル58Bに接続されている。
これにより、ウォッシャ装置22は、ウォッシャモータ56が駆動されてウォッシャポンプ54が作動されることで、ウォッシャタンク52内のウォッシャ液がホース60A、60Bに圧送される。ホース60A、60Bに圧送されたウォッシャ液は、ノズル58A、58Bからウィンドシールドガラス12へ向けて噴出される。ウォッシャ装置22が作動される際、ワイパ装置10が作動されることで、噴出されたウォッシャ液は、ウィンドシールドガラス12上の汚れと一緒にワイパブレード30、32により払拭される。
一方、第1実施形態において、制御部24には、制御回路62、ワイパモータ駆動回路64、及びウォッシャ駆動回路66が設けられている。制御回路62は、マイクロコンピュータ62A及び不揮発性記憶媒体が用いられた記憶部としてのメモリ62Bを備えている。マイクロコンピュータ62Aは、CPU、ROM、RAM、不揮発性記憶媒体が用いられたメモリ(メモリ62Bでもよい)、及び各種のインターフェイスの各々がバスによって接続されている(図示省略)。
制御回路62は、マイクロコンピュータ62AのCPUがROM或いはメモリ62Bに記憶されたプログラムをRAM上に展開しながら実行することで、実行されたプログラムに応じた各種の処理機能を実現する。メモリ62Bには、ワイパモータ駆動回路64(ワイパモータ18)及びウォッシャ駆動回路66(ウォッシャモータ56)の制御に用いるデータやプログラムが記憶されている。これにより、ワイパ装置10(ワイパモータ18)及びウォッシャ装置22(ウォッシャポンプ54)の作動が制御回路62により制御される。
制御回路62は、電源電圧(車載バッテリの電圧)を所定のデューティ比でオンオフしてワイパモータ18に印加する駆動電圧(駆動電圧の実効値)を制御するPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)制御を行なう。なお、デューティ比は、パルス状の電圧波形の1周期に対するオン時間の割合(比率)としている。
ワイパモータ18には、一例としてブラシ付きモータが用いられている。図2には、ワイパモータ駆動回路64の一例の概略構成がブロック図にて示されている。
図2に示すように、ワイパモータ駆動回路64には、プリドライバ64A及び出力回路64Bが設けられている。出力回路64Bには、各々N型のFETが用いられたスイッチング素子T1~T4が設けられ、スイッチング素子T1~T4によってHブリッジ回路が構成されている。プリドライバ64Aは、制御回路62(マイクロコンピュータ62A)から入力されるデューティ比に応じてスイッチング素子T1~T4の各々のゲート電圧を制御することで、スイッチング素子T1~T4をオンオフして、パルス状の駆動電圧をワイパモータ18に印加する。
図1に示すように、減速機構48はワイパモータ18と一体にされており、減速機構48の出力軸50は、回転角度及び回転速度が各々ワイパモータ18の回転軸の回転角度及び回転速度に応じて変化する。ここから、以下では、出力軸50の回転角度及び回転速度を各々ワイパモータ18の回転角度及び回転速度とみなして説明する。
減速機構48には、出力軸50の回転角(回転角度及び回転速度)を検出する回転角度センサ68が設けられている。回転角度センサ68は、制御回路62(マイクロコンピュータ62A)に接続されており、回転角度センサ68は、出力軸50に連動して回転する励磁コイルまたはマグネットの磁界(界磁)を電流に変換して制御回路62に出力する。
ワイパ装置10では、出力軸50の回転角(回転角度)、回転方向及び回転速度に応じてウィンドシールドガラス12上のワイパブレード30、32の位置(払拭位置)移動方向及び移動速度が変化する。また、出力軸50の回転角、回転方向及び回転速度は、ワイパモータ18の回転軸の回転角、回転方向及び回転速度に応じて変化する。
また、ワイパ装置10では、ウィンドシールドガラス12上の位置及び移動方向に応じてワイパブレード30、32の移動速度としての払拭速度が設定されている。制御回路62のメモリ62Bには、出力軸50の回転角に応じたワイパモータ18の回転軸の回転角及び回転速度等を算出するためのデータ及びプログラムが記憶されている。
制御回路62(マイクロコンピュータ62A)は、回転角度センサ68の出力信号及び出力信号の変化から出力軸50の回転角(回転位置、回転角度)及び回転速度を検出し、ワイパモータ18に印加する電圧(駆動電圧)のデューティ比を算出する。制御回路62は、算出したデューティ比に応じた信号をワイパモータ駆動回路64(プリドライバ64A)に出力することで、プリドライバ64Aがデューティ比に基づいてスイッチング素子T1~T4のオンオフを制御する。
また、制御回路62は、ワイパブレード30、32が上反転位置P1及び下反転位置P2の一方から他方へ移動する際に、払拭速度(移動速度)が徐々に上昇され、ワイパブレード30、32が上反転位置P1と下反転位置P2との中間位置を通過すると払拭速度が徐々に低下するようにデューティ比を設定する。
これにより、電源電圧+B(車載バッテリの電圧、例えば約12V)がパルス状の電圧波形に変調されて、出力回路64Bからワイパモータ18に印加され、ワイパモータ18がパルス状の電圧波形によって定まる実効値に応じて駆動される。また、ワイパモータ18に印加される電圧波形が制御回路62において設定されたデューティ比によって変化されることで、ワイパブレード30、32は、上反転位置P1と下反転位置P2との間を円滑に往復移動される。
制御回路62のメモリ62Bには、ウォッシャモータ56に印加する電圧のデューティ比が予め設定されて記憶されている。制御回路62は、ウォッシャ装置22を作動させる際、記憶されたデューティ比に応じた電圧(電圧波形)がウォッシャモータ56に印加されるようにウォッシャ駆動回路66を制御する。
一方、車両には、エンジン等の制御を統括する車両ECU(Electronic Control Unit)70が設けられており、車両ECU70には、制御回路62が接続されている。また、車両には、ワイパスイッチ72、ウォッシャスイッチ74及び雨量検出部としてのレインセンサ76等が設置されており、ワイパスイッチ72、ウォッシャスイッチ74及びレインセンサ76は、車両ECU70を介して制御回路62に接続されている。
レインセンサ76は、例えば、赤外線を発光する発光素子としてのLED、受光素子であるフォトダイオード、赤外線の光路を形成するレンズ、及び制御回路を含む光学式センサが用いられ、ウィンドシールドガラス12の車室内側に配置されている。
レインセンサ76では、LEDからウィンドシールドガラス12に照射された赤外線がウィンドシールドガラス12において全反射されてフォトダイオードに受光される。この際、ウィンドシールドガラス12に水滴(雨滴)が付着することで、レインセンサ76では、赤外線の一部が水滴を透過して水滴から外部に放出される。その結果、レインセンサ76では、ウィンドシールドガラス12上の雨滴の量に応じてフォトダイオードの受光量が減少し、減少した受光量からウィンドシールドガラス12上の水滴(雨滴)の量が検知される。これにより、車両ECU70(制御回路62でもよい)は、レインセンサ76の出力信号からウィンドシールドガラス12に付着している雨量を検知する。
ワイパスイッチ72は、例えば、車両のステアリングコラム等に設けられたレバー式などとされており、ワイパスイッチ72は、車載バッテリからワイパモータ18に供給される電力のオンオフを行なう。
ワイパ装置10には、ワイパ14、16(ワイパブレード30、32)の作動モードとして、ワイパブレード30、32による払拭速度が複数段階に設定されている。この作動モードには、低速で動作させるLoモード(低速作動モード)、及び高速(Loモードに比して高速)で動作させるHiモード(高速作動モード)が設定されている。また、作動モードには、所定周期で間欠的に往復動作させるINTモード(間欠作動モード)が設定されており、INTモードでは、ワイパブレード30、32の払拭速度がLoモードと同様とされている。
制御回路62(車両ECU70でもよい)は、ワイパスイッチ72の操作に応じてワイパモータ18のオンオフを行なう。また、制御回路62は、ワイパモータ18をオンする際に、Loモード、Hiモード及びINTモードが選択されている場合、選択された作動モードに応じてワイパモータ18を駆動する。
ワイパ装置10において作動モードには、AUTOモードが含まれており、AUTOモードでは、レインセンサ76によって検知される雨量Wに応じて、Loモード、Hiモード、INTモード及び停止の何れかで動作される。
制御回路62(車両ECU70でもよい)は、レインセンサ76の検出結果からウィンドシールドガラス12への雨滴の付着を検知すると共に、ウィンドシールドガラス12に付着する雨量Wを検知し、検知した雨量Wを、複数段階(例えば、大、中、小の3段階)で判定する。制御回路62には、雨量W1の「小」がINTモードで作動するワイパブレード30、32によって払拭可能な雨量、雨量W2の「中」がLoモードで動作するワイパブレード30、32によって払拭可能な雨量、及び雨量W3の「大」がLoモードで動作するワイパブレード30、32によって払拭し切れない雨量として設定されている。
AUTOモードにおいては、レインセンサ76が雨滴を実質的に検出していない場合(雨量W0)、ワイパモータ18が停止状態とされる。また、AUTOモードにおいては、雨量Wが雨量W1(「小」)以上、雨量W2(「中」)以上、及び雨量W3「大(多い)」以上と判定された場合、作動モードが各々INTモード、Loモード及びHiモードに設定される。
また、制御回路62のメモリ62Bには、ワイパブレード30、32の払拭速度に応じたワイパモータ18の回転速度が記憶されており、制御回路62では、ワイパブレード30、32が設定された払拭速度で往復移動するようにワイパモータ18の回転速度を制御する。
ウォッシャスイッチ74は、車載バッテリからウォッシャモータ56に供給する電力のオンオフを行なうと共に、車載バッテリからワイパモータ18に供給する電力のオンオフを行なう。ウォッシャスイッチ74は、例えば、ワイパスイッチ72を構成するレバーに連結され、該レバーが乗員(運転者)側(手前)に引かれるなどの操作(ワイパスイッチ72とは異なる方向への操作)が行なわれることで、操作中オンとなるモーメンタリスイッチ(自動復帰スイッチ)とされている。
制御回路62は、ウォッシャスイッチ74がオンされると、ウォッシャスイッチ74がオンされている間ウォッシャモータ56と共にワイパモータ18を作動させる。これにより、ウォッシャタンク52内のウォッシャ液がノズル58A、58Bからウィンドシールドガラス12表面に噴出されると共に、ワイパ14、16が作動されて、ウィンドシールドガラス12上の汚れがウォッシャ液と共にワイパブレード30、32によって払拭される。
一方、図2に示すように、制御部24には、負荷検出部としての電流検出センサ78が設けられており、電流検出センサ78は、ワイパモータ駆動回路64において出力回路64Bを介してワイパモータ18に出力される電流(駆動電流Id)を検出する。
ワイパモータ18は、回転速度が速くなることで駆動電流Idが増加し、ウィンドシールドガラス12とワイパブレード30、32との間の摩擦抵抗などが増加して負荷量が増加することで駆動電流Idが増加する。
制御回路62のメモリ62Bには、ワイパモータ18の負荷量の基準量(閾値)としての駆動電流Idの基準値Isが記憶されている。ワイパ装置10は、雨量に応じて作動モード(ワイパブレード30、32の払拭速度)が設定されており、基準値Isは、雨量及び作動モードごとに設定されている。
例えば、基準値Isは、雨量W3、W2、W1において、各々Hiモード、Loモード及びINTモードでワイパモータ18が駆動された際、払拭動作に異常状態が生じている(少なくとも正常状態とはいえない)と判別される電流値の最小値が適用される。このため、ワイパ装置10が雨量Wに応じて適切な作動モードで作動された際には、ワイパモータ18の駆動電流Idが基準値Is未満となる(Id<Is)。なお、基準値Isは、ワイパ装置10が正常に動作されていると判断される電流値の最大値(許容範囲の最大値)が適用されてもよく、この場合、駆動電流Idが基準値Is以上となった際に、払拭動作の異常状態と判定されればよい。
ウィンドシールドガラス12の汚れや付着物などは、ワイパモータ18の駆動電流Idを増加させ、ワイパブレード30、32に払拭速度のムラなどの払拭動作の異常状態を生じさせる。制御回路62は、電流検出センサ78によってワイパモータ18の駆動電流Idを検出し、検出した駆動電流Idと基準値Isとを比較し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを判定する。この際、制御回路62は、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is)となっていると、ワイパ14、16(ワイパブレード30、32)の払拭動作に異常状態が生じていると判定する。
図1に示すように、車両には、通知部80が設けられており、通知部80は、車両ECU70を介して制御回路62に接続されている。通知部80には、聴覚通知部を構成するスピーカ82、視覚通知部を構成する記憶媒体としてのディスプレイ84、及び振動通知部を構成する振動手段としてのバイブレータ86の何れか少なくとも一つが設けられている。通知部80は、制御回路62においてワイパ装置10の払拭動作において異常状態が生じていると判定されると、スピーカ82、ディスプレイ84或いはバイブレータ86によって判定結果を乗員に通知する。
通知部80は、スピーカ82から所定の音声メッセージを発信する。このスピーカ82としては、例えば、車両に設置されたオーディオシステムのスピーカが用いられてもよく、車両にナビゲーション装置が設けられている場合に、車両のナビゲーション装置のスピーカ(音声出力機能)が用いられてもよい。なお、聴覚通知部には、スピーカ82に限らず、警告音を発することで所定メッセージが通知される構成であってもよい。
ディスプレイ84としては、車両のインストルメントパネル等に設けられた液晶ディスプレイやHUD(Head Up Display)などが用いられ、通知部80は、ディスプレイ84に映像や文字画像等を表示する。ディスプレイ84には、車両に設けられたナビゲーション装置のディスプレイ(モニタ)が用いられてもよい。なお、視覚通知部には、ディスプレイ84に限らず、警告灯の点灯或いは点滅によって所定メッセージが通知される構成であってもよい。
バイブレータ86は、運転者が触れるステアリングホイールなどに設けられ、作動されることで振動する。通知部80は、バイブレータ86を作動させることで、払拭動作に異常状態が生じたことを乗員に触覚的に通知する。
次に、第1実施形態の作用を説明する。
ワイパ装置10は、ワイパスイッチ72が操作されることでワイパモータ18が駆動されて、ウィンドシールドガラス12表面に沿ってワイパ14、16が往復移動し、ワイパブレード30、32がウィンドシールドガラス12表面を払拭する。また、ウォッシャ装置22は、ウォッシャスイッチ74が操作されると動作し、ノズル58A、58Bからウィンドシールドガラス12にウォッシャ液を噴出する。ワイパ装置10は、ウォッシャ装置22と共に動作することで、ウィンドシールドガラス12表面のウォッシャ液をワイパブレード30、32によって払拭し、ウォッシャ液と共にウィンドシールドガラス12の汚れを除去する。
ウィンドシールドガラス12では、例えば、付着物として、ワックス成分を含む汚れなどが表面に付着した場合、ウォッシャ液を用いてもワイパブレード30、32によって除去しきれないことがある。このようなウィンドシールドガラス12の付着物(汚れ)は、ワイパブレード30、32の払拭動作において払拭ムラ、速度ムラやビビリ等の払拭動作の異常状態を生じさせ、ワイパモータ18の負荷量を増大させると共に、車両前方の視認性の低下の原因となる。このようなウィンドシールドガラス12の付着物は、ウォッシャ液によって除去し難くても、ウィンドシールドガラス12の表面を清掃するなどのメンテナンスによって除去できる。
ここで、ワイパ装置10では、制御回路62においてワイパモータ18の負荷量を算出して、算出した負荷量が予め設定されている基準量以上か否かから、ワイパブレード30、32の払拭動作に異常状態が生じているか否かを判定する。また、制御部24は、払拭動作に異常状態が生じていると判定すると、判定結果を乗員に通知して、乗員にウィンドシールドガラス12表面の清掃などのメンテナンスを促す。
制御回路62では、ワイパモータ18の駆動電流Idを検出し、検出した駆動電流Idを基準値Isと比較する。図3には、雨量W及び作動モードに対する基準値Isの一例が図表にて示されている。なお、第1実施形態における駆動電流Id及び基準値Isは、一例としてワイパ14、16の往路動作、復路動作または往復動作における実効値(単位時間当たりの平均値)を適用している。
図3に示すように、基準値Isは、雨量Wが雨量W3、W2、W1、W0(W3>W2>W1>W0)ごとに設定されている。基準値Isは、雨量W3、W2、W1、W0に対して、各々電流値a、b、c、dとされており、電流値a、b、c、dは、a<b<c<dとなっている。また、基準値Isとする電流値a、b、c、dは、各々作動モードごとに設定されている。なお、第1実施形態では、電流値a、b、c、dが、HiモードとLoモード(INT モードを含む)で異なり、LoモードとINTモードとで同様となっている。
ワイパモータ18に対する負荷量が極めて少ない状態(例えば、速度に対して雨量が極めて多い状態など)において、例えば、Hiモードでは駆動電流Id=10A、Loモード(INTモードを含む)では駆動電流Id=7A~8A程度となっている。基準値Isとする電流値a(a1、a2)、b(b1、b2)、c(c1、c2)、d(d1、d2)は、雨量及び作動モードごとに、払拭動作に異常状態が生じていると判断し得る最小値とされている。
電流値a(a1、a2)、b(b1、b2)、c(c1、c2)、d(d1、d2)は、例えば、電流値d1=20A、c1=19A、b1=17A、a1=d2=15A、c2=12A、b2=10A、a2=8Aとなっている。なお、雨量W3におけるLoモード、INTモード、及び雨量W2におけるINTモードは、AUTOモードにおいては選択されないことで、図3では、※印を付している。
制御回路62は、車両の図示しないイグニッションスイッチがオンされると動作を開始し、イグニッションスイッチがオフされることで動作を終了する。図4~図6には、制御回路62が動作を開始することにより実行される処理の概略が流れ図にて示されている。
図4のフローチャートでは、最初のステップ100においてワイパスイッチ72がオン操作されたか否かを確認しており、ワイパスイッチ72がオンされると、ステップ100において肯定判定してステップ102へ移行する。
ステップ102では、AUTOモードが選択されたか否かを確認し、ワイパスイッチ72においてAUTOモードが選択されている場合には、ステップ102で肯定判定してステップ104へ移行して、AUTOモードで動作する。また、ワイパスイッチ72においてAUTOモードが選択されずに、手動モード(Hiモード、Loモード又はINTモード)が選択されている場合には、ステップ102において否定判定してステップ106へ移行し、手動モードで動作する。
また、ステップ108では、ワイパスイッチ72がオフ操作されたか否かを確認し、ワイパスイッチ72がオフ操作されていなければ、ステップ108において否定判定して、払拭処理を継続する。また、ワイパスイッチ72がオフ操作されると、ステップ108において肯定判定して、ステップ110に移行する。ステップ110では、ワイパ14、16(ワイパブレード30、32)が格納位置P3に移動するまでワイパモータ18を動作させた後に、ワイパモータ18を停止させて、払拭処理を終了する。
図5には、AUTOモードでの動作の概略が示されており、図4においてステップ104に移行することで所定の時間間隔で実行され、最初のステップ120においてレインセンサ76によって雨量Wを検出する。次のステップ122では、検出した雨量Wが雨量W3以上か否かを確認し、ステップ124では、検出した雨量Wが雨量W2以上(雨量W2以上かつ雨量W3未満)か否かを確認する。また、ステップ126では、検出した雨量Wが雨量W1以上(雨量W1以上かつ雨量W2未満)か否かを確認する。
ここで、検出した雨量Wが雨量W1に満たない場合(雨量W0の場合)、ステップ122、124、126の各々で否定判定されてステップ128に移行する。このステップ128では、雨量Wが極めて少ない(ワイパ14、16を動作させるまでもない)として、ワイパモータ18を停止状態とする(駆動させない)。
雨量Wが雨量W1以上であると、ステップ122、124で否定判定されてステップ126で肯定判定され、ステップ130に移行する。また、雨量Wが雨量W2以上であると、ステップ122で否定判定されてステップ124で肯定判定され、ステップ132に移行する。さらに、雨量Wが雨量W3以上であると、ステップ122で肯定判定され、ステップ134に移行する。
ステップ130では、ワイパ14、16がINTモードで動作するようにワイパモータ18を駆動し、ステップ132では、ワイパ14、16がLoモードで動作するようにワイパモータ18を駆動する。また、ステップ134では、ワイパ14、16がHiモードで動作するようにワイパモータ18を駆動する。これにより、ワイパモータ18が雨量Wに応じて駆動されて、ワイパ14、16が往復動作される。
この後、ステップ136では、雨量W及び作動モードに基づいて、駆動電流Idに対する基準値Isを設定する。例えば、雨量Wが雨量W3以上でHiモードによりワイパモータ18が駆動されていると、基準値Isが電流値a(a1)に設定され(Is=a1)、雨量Wが雨量W2以上(雨量W3未満)でLoモードによりワイパモータ18が駆動されていると、基準値Isが電流値b(b2)に設定される(Is=b2)。また、雨量Wが雨量W1以上(雨量W2未満)でINTモードによりワイパモータ18が駆動されていると、基準値Isが電流値c(c2)に設定される(Is=c2)。
次のステップ138では、ワイパモータ18の負荷量を算出する。ワイパモータ18の負荷量の算出においては、ワイパモータ18の駆動電流Idを検出する。また、ステップ140では、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。この際、駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is)であると、ステップ140において否定判定されて、異常状態が生じていないとして払拭処理を継続する。
これに対して、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is)となっていると、ステップ140において肯定判定して、ステップ142に移行する。すなわち、雨量Wが雨量W1以上でワイパモータ18がINTモードで駆動されている状態で、駆動電流Idが電流値c2以上(Id≧c2)である場合、雨量Wが雨量W2以上でワイパモータ18がLoモードで駆動されている状態で、駆動電流Idが電流値b2以上(Id≧b2)である場合、及び雨量Wが雨量W3以上でワイパモータ18がHiモードで駆動されている状態で、駆動電流Idが電流値a1以上(Id≧a1)である場合には、ステップ140において肯定判定される。
ステップ142では、駆動電流Idが基準値Is以上となっていることでワイパブレード30、32の払拭動作に異常状態が生じているとして、通知部80が、払拭動作の異常状態を乗員に通知する。例えば、通知部80は、「ウィンドシールドガラスを清掃してください」などというウィンドシールドガラス12の清掃を促す音声メッセージをスピーカ82から出力して、乗員に通知する。また、通知部80は、音声メッセージと同様のメッセージを文字画像などとしてディスプレイ84に表示することで、乗員に通知する。さらに、通知部80は、バイブレータ86を作動させることで、車両の所定部位(例えば、ステアリングホイールなど)を振動させることで、乗員の触覚を介して払拭動作の異常状態を通知する。なお、スピーカ82、ディスプレイ84及びバイブレータ86の1つのみを用いて異常状態を乗員に通知してもよいし、複数組み合わせて異常状態を乗員に通知してもよい。
一方、図6には、手動モードでの動作の概略が示されており、図6は、図4においてステップ106に移行することで所定の時間間隔で実行され、最初のステップ150では、ワイパスイッチ72においてHiモードが選択されているか否かを確認し、ステップ152では、ワイパスイッチ72においてLoモードが選択されているか否かを確認する。
ワイパスイッチ72においてHiモードが選択されていると、ステップ150で肯定判定されてステップ154に移行し、ワイパ14、16がHiモードで動作するようにワイパモータ18を駆動する。また、ワイパスイッチ72においてLoモードが選択されていると、ステップ150で否定判定されてステップ152で肯定判定され、ステップ156に移行する。ステップ156では、ワイパ14、16がLoモードで動作するようにワイパモータ18駆動する。さらに、ワイパスイッチ72においてINTモードが選択されていると、ステップ150、152の各々で否定判定されてステップ158に移行し、ワイパ14、16がINTモードで動作するようにワイパモータ18を駆動する。これにより、選択された作動モードでワイパモータ18が回転駆動されて、ワイパ14、16が往復移動される。
この後、ステップ160では、レインセンサ76によって雨量Wを検出し、ステップ162では、ワイパモータ18の駆動電流Idを検出する(ワイパモータ18を負荷量算出)。次に、ステップ164では、検出された雨量Wが雨量W3以上か否かを確認し、ステップ166では、検出された雨量Wが雨量W2以上か否かを確認し、ステップ168では、検出された雨量Wが雨量W1以上か否かを確認する。
ここで、検出された雨量Wが雨量W3以上であると、ステップ164において肯定判定して、ステップ170に移行する。ステップ170では、基準値Isとして、雨量W3に対する電流値a(a1、a2)から作動モード(Hi、Lo、INT)に基づいた電流値a1又は電流値a2を適用(基準値Is(a))し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。基準値Isには、例えば、Hiモードであると電流値a1が適用され、Loモード又はINTモードであると電流値a2が適用される。
駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is(a))であると、ステップ170において否定判定されて、次の処理に移行する(払拭処理継続)。また、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is(a))であると、ワイパ14、16の払拭動作に異常状態が生じたとして、ステップ170において肯定判定されてステップ142に移行し、払拭動作の異常状態の通知が行われる。
また、検出された雨量Wが雨量W2以上(W2≦W<W3)であると、ステップ164で否定判定されてステップ166で肯定判定され、ステップ172に移行する。ステップ172では、基準値Isとして、雨量W2に対する電流値b(b1、b2)から作動モード(Hi、Lo、INT)に基づいた電流値b1又は電流値b2を適用(基準値Is(b))し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。基準値Isには、例えば、Hiモードであると電流値b1が適用され、Loモード又はINTモードであると電流値b2が適用される。
駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is(b))であると、ステップ172で否定判定されて、払拭処理が継続される。また、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is(b))であると、ステップ172で肯定判定されてステップ142に移行し、異常状態の通知が行われる。
さらに、検出された雨量Wが雨量W1以上(W1≦W<W2)であると、ステップ164、166の各々において否定判定されてステップ168で肯定判定され、ステップ174に移行する。ステップ174では、基準値Isとして雨量W1に対する電流値c(c1、c2)から作動モード(Hi、Lo、INT)に基づいた電流値c1又は電流値c2を適用(Is(c))し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。基準値Isには、例えば、Hiモードであると電流値c1が適用されて、Loモード又はINTモードであると電流値c2が適用される。
駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is(c))であると、ステップ174において否定判定されて、払拭処理が継続される。また、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is(c))であると、ステップ174において肯定判定されてステップ142に移行し、払拭動作の異常状態の通知が行われる。
一方、検出された雨量Wが雨量W1に満たない(W1>W=W0)場合、ステップ164、166、168の各々において否定判定され、ステップ176に移行する。ステップ176では、雨量W0に対する電流値d(d1、d2)から作動モード(Hi、Lo、INT)に基づいた電流値d1又は電流値d2を適用(Is(d)し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。基準値Isには、例えば、Hiモードであると電流値d1が適用され、Loモード又はINTモードであると電流値d2が適用される。
ここで、ウィンドシールドガラス12が乾いた状態であると、ワイパモータ18の負荷量が増加して、駆動電流Idが増加する。これにより、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is(d))であると、ステップ176において肯定判定されてステップ142に移行し、払拭動作の異常状態の通知が行われる。
これに対して、駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is(d))であると、ステップ176において否定判定されて、ステップ178に移行する。このステップ178では、雨量Wが少ない(W=W0)ことから、ワイパ14、16による払拭動作が不要として、ワイパ14、18(ワイパモータ18)の停止要求を通知する。
ステップ178において通知部80は、例えば、「雨が降っていないのでワイパを止めてください」などというワイパモータ18の停止を促す音声メッセージをスピーカ82から出力して、乗員に通知する。また、通知部80は、音声メッセージと同様のメッセージの文字画像などをディスプレイ84に表示することで、乗員に通知する。さらに、通知部80は、バイブレータ86を作動させることで、車両の所定部位(例えば、ステアリングホイールなど)を振動させることで、触覚的に乗員にワイパモータ18の停止要求を通知する。
これにより、乗員がワイパスイッチ72を操作して、ワイパ装置10を停止することで、乾いたウィンドシールドガラス12上をワイパブレード30、32が不必要に払拭するのを抑制できて、ワイパブレード30、32の磨耗等の損傷を抑制できる。しかも、ワイパモータ18を必要以上に駆動するのを抑制できるので、車両の電力消費を抑制できる。なお、検出された雨量Wが雨量W1に満たないことでステップ168で否定判定された場合には、ステップ176を省略してステップ178に移行し、ワイパモータ18の停止要求を通知してもよい。
したがって、ワイパ装置10では、Hiモード、Loモード又はINTモードなどの手動モードで作動される場合においても、通知部80が、ワイパ装置10の異常状態を乗員に通知して、ウィンドシールドガラス12上の付着物などの汚れ除去を促すことができる。また、ワイパ装置10では、ウィンドシールドガラス12が乾いた状態で、ワイパブレード30、32による払拭動作がなされるのを抑制できて、払拭動作に異常状態が生じるのを抑制できる。
このようにワイパ装置10では、ワイパブレード30、32によってウィンドシールドガラス12を払拭する際、ワイパモータ18の駆動電流Idが、雨量Wに応じて設定された基準値Is以上となっている場合、ワイパブレード30、32による払拭動作に異常状態が生じていると判定し、判定結果を乗員に通知する。
これにより、雨量Wが異なるためにワイパモータ18の負荷量(駆動電流Id)が異なっても、払拭動作に異常状態が生じたことを乗員が適切に認識するように通知できる。また、乗員は、ワイパブレード30、32の払拭動作の異常状態が現れる前に、払拭動作の異常状態が生じる可能性があることを認識でき、この通知に基づいて乗員がウィンドシールドガラス12の清掃を行なうことで、払拭動作に異常状態が現れるのを抑制できる。しかも、ウィンドシールドガラス12の清掃を行なった後でも、払拭動作に異常状態が生じていることが通知された場合には、払拭動作の異常状態が他の要件に起因するものであると認識できる。
また、ワイパ装置10では、基準値Isが払拭速度の異なる作動モードごとに設定されているので、ワイパモータ18の回転速度が変わっても、払拭動作の異常状態を乗員に適切に通知できる。さらに、ワイパ装置10では、聴覚的、視覚的及び触覚的(振動)などを介して通知するので、乗員に払拭動作の異常状態の発生を適切に通知できる。
このように、ワイパ装置10では、Hiモード、Loモード又はINTモードなどの手動モードで作動される場合においても、通知部80がワイパ装置10の異常状態を乗員に通知して、ウィンドシールドガラス12上の付着物などの汚れ除去を促すことができる。
なお、第1実施形態では、雨量Wが少ない(W<W0)にもかかわらず手動モードでワイパ14、16が作動された場合に、ワイパの停止を促す通知を行なうようにしたが、これに限らず、例えば、ウォッシャ液を噴出して、ワイパモータ18の負荷量を軽減するようにしてもよい。図7には、この場合の処理の一例が流れ図にて示されている。
図7には、第1実施形態において図6に替えて適用可能が手動モードでの動作処理が流れ図にて示されている。このフローチャートでは、ステップ160において雨量Wを検出すると、次のステップ180では、検出された雨量Wが雨量W1に満たないか否か(雨量Wが雨量W0か否か)を確認する。
ここで、雨量Wが雨量W1以上であると、ステップ180において否定判定されてステップ162に移行する。これにより、検出された雨量W(W3~W1)及び作動モードに応じて設定された基準値Isが用いられて払拭動作に異常状態が生じたか否かが判定され(ステップ164、166、170~174)、判定結果に応じて通知処理が行なわれる(ステップ142)。
これに対して、検出された雨量Wが雨量W1に満たないと、ウィンドシールドガラス12が乾いた状態であると判断されるので、ステップ180において肯定判定されてステップ182に移行する。このステップ182では、ウォッシャモータ56を駆動してウォッシャポンプ54を作動させることで、ウォッシャ液をウィンドシールドガラス12に噴出する。なお、ステップ180において肯定判定された際、通知部80によってウォッシャ液を噴出することを通知した後、ステップ182に移行してウォッシャ液をウィンドシールドガラス12へ向けて噴出してもよい。
次のステップ184では、ワイパモータ18の駆動電流Idを検出し(ワイパモータ18の負荷量算出)、ステップ176では、雨量W0に対する電流値d(d1、d2)から作動モード(Hi、Lo、INT)に基づいた電流値d1又はd2を基準値Isとして適用し、駆動電流Idが基準値Is以上か否かを確認する。
これにより、駆動電流Idが基準値Is以上(Id≧Is(d))であると、ステップ176において肯定判定されてステップ142に移行し、払拭動作の異常状態の通知が行われる。なお、ステップ176の実行に先立って、再度、レインセンサ76によって雨量Wの検出を行い、検出された雨量W及び作動モードに基づいて設定した基準値Isを用いて、駆動電流Idが基準値Is以上か否かの確認が行われる。
また、駆動電流Idが基準値Is未満(Id<Is(d))であると、ステップ176において否定判定されて、ステップ178に移行し、ワイパ14、18(ワイパモータ18)の停止要求を通知する。
このように、ワイパ14、16が作動された際、ウィンドシールドガラス12が乾いているとみなせる場合には、ウォッシャ液を用いてウィンドシールドガラスに水滴を付着させて、払拭動作の異常状態の有無を判定する。これにより、ウィンドシールドガラス12が乾いているとみなせる状態であっても、払拭動作に異常状態が生じているか否かを適切に判定して、乗員に通知できる。また、ウィンドシールドガラス12が実質的に乾いている状態で駆動電流Id及び基準値Isを用いて払拭動作に異常状態が生じているか否かを判定しようとすると、誤判定が生じてしまうが、ウォッシャ液(ウォッシャ装置22)を用いることで、誤判定の発生を抑制できる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様とされており、第2実施形態においては、第1実施形態と同様の機能については、第1実施形態と同様の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態では、車両に停止スイッチ(キャンセルスイッチ)88(図1参照)が設けられている点で、第1実施形態と相違する。停止スイッチ88は、車両ECU70を介して制御回路62(マイクロコンピュータ62A)に接続されている。制御回路62は、停止スイッチ88がオン操作されていると、払拭動作に異常状態が生じていると判定された場合、判定結果を通知する通知部80の動作を所定のタイミングで停止する。
また、第2実施形態では、払拭動作に異常状態が生じていると判定された際、制御回路62が所定のタイミングでワイパブレード30、32の払拭速度を抑制するようにワイパモータ18を制御する。
所定のタイミングとしては、払拭動作に異常状態が生じていると所定回数判定及び通知された後、或いは払拭動作に異常状態が生じていると最初に判定されてから所定時間が経過した後などのタイミングが適用される。また、異常状態の通知の停止、及び払拭速度の抑制は、同様のタイミングであってもよく、異なるタイミングであってもよい。さらに、第2実施形態では、停止スイッチ88が操作されることで通知の停止及び払拭速度の抑制を行なうように説明するが、払拭速度の抑制は、停止スイッチ88が操作されているか否かにかかわらず実行されてもよい。
図8には、第2実施形態に係るワイパ作動処理の概略が流れ図にて示されている。図8は、図5に替えて第2実施形態に適用されている。なお、第2実施形態では、AUTOモードを例に説明し、手動モードにおける説明を省略する。
図8のフローチャートでは、AUTOモードに設定されると所定時間間隔で実行され、レインセンサ76によって検出された雨量Wに応じて作動モード(Hi、Lo、INT又は停止)を設定し、設定した作動モードでウィンドシールドガラス12の払拭(払拭停止を含む)を行なう(ステップ120~134)。また、このフローチャートでは、雨量W及び作動モードに基づいた基準値Isを適用し、ワイパモータ18の駆動電流Idが基準値Is以上か否かを判定している(ステップ136~140)。
ここで、駆動電流Idが基準値Is以上であることでステップ140において肯定判定されると、ステップ190に移行する。ステップ190では、停止スイッチ88がオン操作されているか否かを確認する。この際、停止スイッチ88がオンされていなければ(オフ)、ステップ190において否定判定されて、ステップ142に移行し、払拭動作に異常状態が生じていることを乗員に通知する。
これに対して、停止スイッチ88がオンされていると、ステップ190において肯定判定されてステップ192に移行する。ステップ192では、最初に払拭動作の異常状態を通知してから所定のタイミングが経過したか否かを判定している。例えば、払拭動作の異常状態が最初に判定された場合、ステップ192において否定判定されて、ステップ142に移行し、払拭動作の異常状態の通知を行なう。
一方、例えば、払拭動作の異常状態の通知が所定回数行なわれた場合(通知状態が所定回数連続した場合)、最初に通知してから所定時間が経過した場合(異常状態が所定時間継続した場合)などで、最初の通知(ステップ142の実行)から所定タイミングが経過すると、ステップ192において肯定判定される。これにより、払拭動作の異常状態の通知が停止されて、ステップ194に移行する。
ステップ194では、ワイパブレード30、32の払拭速度を抑制(減速)するように、ワイパモータ18の回転数を設定する。ステップ194におけるワイパモータ18の回転数の設定は、現在実行されている作動モードのみならず、全ての作動モード(Hiモード、Loモード及びINTモード)に設定されることが好ましい。これにより、ワイパモータ18の回転速度が低減されて、ワイパブレード30、32の払拭速度が低減された状態で、ワイパブレード30、32の払拭動作が継続される。
このように、第2実施形態では、停止スイッチ88が操作されることで、払拭動作の異常状態の通知が停止される。このため、車両走行中のために、ウィンドシールドガラス12の清掃ができないために、払拭動作の異常状態の通知が継続されてしまうのを抑制でき、乗員が払拭動作の異常状態の通知を煩わしく感じてしまうのを抑制できる。
また、ワイパモータ18の回転数を抑制させるので、ワイパモータ18の負荷量を抑制できて、払拭動作の異常状態が継続することによりワイパブレード30、32やウィンドシールドガラス12に損傷等を生じさせてしまうのを抑制できる。さらに、ワイパモータ18の回転数を抑制するので、払拭動作の異常状態に起因してワイパモータ18に異常(損傷など)が生じるのを抑制できる。
なお、第1実施形態(変形例を含む)及び第2実施形態では、ワイパモータ18の負荷量として駆動電流Id(実効値)を適用した。しかしながら、ワイパモータ18の負荷量としては、駆動電流の瞬時値、すなわち、出力軸50(ワイパモータ18の回転軸でもよい)の回転角度ごとの電流値を適用してもよい。また、ワイパモータ18の負荷量としては、出力軸50(ワイパモータ18の回転軸でもよい)の目標回転数と実回転数との偏差を適用してもよく、目標回転角と実回転角との偏差などを適用してもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態の基本的構成は、第1実施形態と同様とされており、第3実施形態において第1実施形態又は第2実施形態と同様の機能については、第1又は第2実施形態と同様の符号を付与してその説明を省略する。
第3実施形態では、ワイパモータ18の負荷量として電流値Iを適用する。また、第3実施形態では、電流値Iの変化を検出する。電流値Iは、瞬時値でもよく、出力軸50の所定回転角度ごとの平均の電流値でもよい。
図9(A)及び図9(B)には、ワイパブレード30、32の往復動作における出力軸50の回転角θに対するワイパモータ18の電流値Iの変化が線図にて示されている。なお、図9(A)及び図9(B)には、往復動作を1サイクルとした場合の半サイクル分が示され、下反転位置P2における回転角θが回転角θLにて示され、上反転位置P1における回転角θが回転角θUにて示されている。また、図9(A)は、払拭動作が正常状態の場合が示され、図9(B)には、払拭動作に異常状態が生じた場合の一例が示されている。
制御回路62は、ワイパモータ18に印加するパルス状の電圧(駆動電圧)のデューティ比を変化させることで、ワイパブレード30、32が上反転位置P1及び下反転位置P2の一方から他方へ移動する際に、払拭速度(移動速度)が徐々に上昇され、ワイパブレード30、32が上反転位置P1と下反転位置P2との中間位置を通過すると払拭速度が徐々に低下するようにしている。
これにより、図9(A)に示すように、回転角θの回転角θLから回転角θU(回転角θUから回転角θLも同様)への変化に対して、ワイパモータ18の電流値Iが円弧状に変化する。また、図9(B)に示すように、ワイパブレード30、32の払拭動作に異常状態が生じることで、ワイパモータ18の負荷量が増加して、電流値Iが増加する。
ここで、図9(A)及び図9(B)に示すように、電流値Iに対して基準量としての閾値Ithを設定する。閾値Ithは、例えば、払拭動作に異常状態が生じていると判定し得る電流値Iの最小値が適用される。これにより、図9(B)に示すように、ワイパモータ18の負荷量が増加した回転角θにおいて電流値Iが増加して閾値Ith以上となることで、払拭動作に異常状態が生じたと判定できると共に、異常状態が生じた回転角θの範囲の特定が可能となっている。なお、閾値Ithには、払拭動作に異常状態が生じていないと判定できる電流値Iの最大値を適用してもよく、この場合、電流値Iが閾値Ithを超えた場合に払拭動作に異常状態が生じたと判定すればよい。
第3実施形態に係る車両は、車両ECU70が自動運転支援機能を備えている。自動運転支援機能は、複数の撮像手段によって車両前方、車両後方を含む車両の周囲を撮像する。車両ECU70は、自動運転支援機能を備えることでナビゲーション装置及び撮像手段による撮影画像に基づいて、車両の操舵制御、速度制御及び制動制御等の運転制御を行い、車両を予め設定された走行経路等に沿って自動走行させる。なお、撮像手段は、ドライブレコーダ(ドライブレコーダのカメラ)であってもよい。
図10には、ワイパ14に設けたワイパブレード30のウィンドシールドガラス12上における払拭範囲が車室内側から見た概略図にて示されている。
図10に示すように、車室内には、ウィンドシールドガラス12の上方かつ車幅方向の中間位置に、車両前方を撮像する撮像手段としてのカメラ90が設置されている。ウィンドシールドガラス12は、車幅方向の中間部かつ上部に透過領域90A(図1参照)が設定されており、カメラ90は、ウィンドシールドガラス12の透過領域90Aを通して車両前方を撮像する。ワイパ装置10では、ワイパ14のワイパブレード30の払拭領域14A内に透過領域90Aが含まれている。これにより、透過領域90Aに対応するウィンドシールドガラス12表面(車外側の面)に付着した水滴等をワイパブレード30によって払拭できて、雨天時においてもカメラ90による車両前方の高い視認性が確保される。
第3実施形態では、透過領域90Aを含む回転角θの所定の角度範囲Δθの領域を特定領域92に設定されており、特定領域92の角度範囲Δθは、回転角θが回転角θaから回転角θbの範囲(θa≦θ≦θb)とされている。なお、第3実施形態では、特定領域をワイパブレード30の払拭領域14A内に設けたが、特定領域は、ワイパブレード32の払拭領域内であってもよく、また、ワイパブレード30、32の払拭領域に跨る領域であってもよい。
制御回路62は、特定領域92におけるワイパモータ18の負荷量と特定領域92を除く領域(以下では、非特定領域94とする)の負荷量とを算出する。この際、制御回路62は、負荷量として電流値Iを適用すると共に、基準量として閾値Ithを適用し、特定領域92及び非特定領域94の各々の電流値Iの変化を検出或いは算出し、閾値Ith(閾値Ithの変化)と比較する。また、閾値Ithは、基準値Isと同様に雨量W及び作動モードに対応されて予め設定された電流値が適用される。
また、制御回路62では、特定領域92において払拭動作に異常状態が生じていると判定された場合と、非特定領域94において払拭動作に異常状態が生じていると判定された場合とで、異なる通知を行なう。
図11には、第3実施形態に係るワイパ作動処理(払拭処理)の概略が流れ図にて示されている。図11は、第1実施形態の図5に替えて第3実施形態に適用される。なお、第3実施形態では、AUTOモードを例に説明し、手動モードにおける説明を省略する。
図11のフローチャートでは、AUTOモードに設定されると所定時間間隔で実行され、レインセンサ76によって検出された雨量Wに応じて作動モードを設定し、設定した作動モードでワイパモータ18を駆動して、ウィンドシールドガラス12の払拭を行なう(ステップ120~134)。これにより、ワイパブレード30が、透過領域90Aを含むウィンドシールドガラス12上の払拭領域14Aを払拭する。
一方、ステップ200では、雨量W及び作動モードに基づいて、ワイパモータ18の電流値Iに対する基準量としての閾値Ithを設定する。また、ステップ202では、ワイパブレード30、32の往復移動を1サイクルとして半サイクルずつ(回転角θU~θL及び回転角θL~回転角θUの各々)の電流値I(電流値Iの変化)を検出する。なお、電流値Iの変化は、半サイクルに限らず、1サイクル分を検出して平均変化を算出してもよく、複数の半サイクルまたは複数サイクル分の平均変化を算出して適用してもよい。
次のステップ204では、検出された電流値Iの変化において、閾値Ith以上(I≧Ith)の値が検出されたか否かを確認する。この際、半サイクルの全域において電流値Iが閾値Ithに満たない場合、ステップ204において否定判定されて、通常処理の払拭処理を継続する。
ここで、電流値Iの変化において、閾値Ith以上(I≧Ith)の値が検出されると、ステップ204で肯定判定し、ステップ206に移行する。このステップ206では、電流値Iが閾値Ith以上となった領域に特定領域92が含まれるか否かを確認する。すなわち、回転角θa~θbの角度範囲Δθ内で、電流値Iが閾値Ith以上となったか否かを確認する。
電流値Iが閾値Ith以上となった領域に特定領域92が含まれず、非特定領域94内であると、ステップ206で否定判定されて、ステップ208に移行する。このステップ208では、上記ステップ142と同様に、通知部80によって払拭動作の異常状態を乗員に通知する。この際、例えば、「ウィンドシールドガラスを清掃してください」などのメッセージが乗員に伝わるように通知する。
これに対して、特定領域92(回転角θaから回転角θbの角度範囲Δθ内)において電流値Iが閾値Ith以上となっていると、ステップ206で肯定判定して、ステップ210に移行する。すなわち、ステップ206では、電流値Iが閾値Ith以上となった領域に特定領域92が含まれるか否かを確認することで、特定領域92において電流値Iが閾値Ith以上となっていると判断されると、優先的にステップ210へ移行する。このステップ210では、例えば、「カメラの映像が乱れる可能性がありますので、ウィンドシールドガラスを清掃してください」などを音声メッセージやディスプレイ84に表示する文字画像によって乗員に通知するように通知部80が動作する。
これにより、乗員は、ウィンドシールドガラス12に付着物などが付着して汚れていることを適切に認識できると共に、ウィンドシールドガラス12の汚れが自動運転支援機能に影響を及ぼしてしまう可能性があることを認識できる。
このように第3実施形態では、ワイパモータ18を駆動する際の電流値Iの変化を検出し、検出した電流値Iの変化と予め設定されている閾値Ithから払拭動作に異常状態が生じているか否かを検出する。このため、ワイパブレード30、32の払拭範囲内の特定領域92に払拭動作の異常状態を生じさせる要因があるか否かを判定できる。また、特定領域92と非特定領域94とで異なる通知を行なうので、特定領域92に払拭動作の異常状態を生じさせる要因がある場合に、特定領域92に払拭動作に異常状態を生じさせる要因があること適切に通知できる。
また、ウィンドシールドガラス12上の特定領域92をカメラ90が撮影する映像の透過領域90Aとしているので、透過領域90Aに汚れが付着して、カメラ90の撮影画像が乱れたり不鮮明になったりしてしまうのを抑制できて、カメラ90による車両前方の高い視認性を確保できる。
なお、第3実施形態では、ワイパモータ18の負荷量としてワイパモータ18の電流値Iを適用した。しかしながら、ワイパモータ18の負荷量は、出力軸50(ワイパモータ18の回転軸でもよく、ワイパブレード30、32の往復移動でもよい)の目標回転数に対する実回転数の偏差、目標回転角(回転位置)に対する実回転角(実回転位置)の偏差、或いは目標回転速度(目標角速度)に対する実回転速度(実角速度)の偏差などを適用してもよい。
すなわち、制御回路62は、出力軸50が予め設定された回転数、回転角、回転速度(角速度)となるようにワイパモータ18の回転を制御する。ここから、出力軸50の目標回転数と実回転数との偏差(ワイパモータ18の回転軸の目標回転数と実回転数との偏差でもよい)をワイパモータ18の負荷量として算出し、算出した偏差が予め設定した基準量以内か否かから判定してもよい。また、出力軸50の目標回転角と実回転角との偏差(ワイパモータ18の回転軸の目標回転角と実回転角の偏差)をワイパモータ18の負荷量とし、算出した偏差が基準量以内か否かを判定してもよい。
さらに、出力軸50の目標回転速度と実回転速度との偏差(ワイパモータ18の回転軸の目標回転速度と実回転速度との偏差、ワイパブレード30、32の目標払拭速度と実払拭速度との偏差でもよい)をワイパモータ18の負荷量として算出し、算出した偏差が基準量以内か否かを判定してもよい。
図12(A)及び図12(B)には、ワイパブレード30、32の往復動作における出力軸50の回転角θに対する回転速度としての角速度ωの変化が線図にて示されている。なお、図12(A)及び図12(B)には、ワイパブレード30、32の往復動作を1サイクルとした場合の半サイクル分が示されており、図12(A)に払拭動作の正常状態が示され、図12(B)に払拭動作に異常状態が生じた一例が示されている。
ワイパ装置10には、ワイパブレード30、32の払拭速度の目標値(目標払拭速度)が設定されており、制御回路62のメモリ62Bには、目標払拭速度に対する出力軸50(ワイパモータ18の回転軸でもよい)の目標角速度ωtが記憶されている。制御回路62は、出力軸50の角速度ωが目標角速度ωtとなるように、デューティ比を設定し、設定したデューティ比でワイパモータ18のPWM制御を行なう。
これにより、図12(A)に示すように、払拭動作が正常状態の場合には、目標角速度ωtと実際の角速度ωとの偏差Δωが所定範囲となるように出力軸50の回転(ワイパモータ18の回転)が制御される。
一方、ウィンドシールドガラス12に付着物等による汚れが生じ、この汚れによってワイパモータ18の負荷量が増加すると、ワイパブレード30、32の払拭速度に速度ムラが生じる。この際の速度ムラは、ワイパブレード30、32の払拭速度が一度低下し、その後に、低下した速度分を戻すように払拭速度が増加する。これにより、ワイパブレード30、32の往復移動周期が目標周期に維持される。
図12(B)に示すように、ワイパブレード30、32に払拭速度に速度ムラが生じると、出力軸50の角速度ωにムラが生じて偏差Δωが増加する。また、偏差Δωの大きさは、ワイパモータ18の負荷量の大きさとなる。
ここから、出力軸50の角速度ωの偏差Δωに対して基準量としての閾値Δωthを設定し、回転角度センサ68の出力信号から出力軸50の角速度ωの変化を検出して、偏差Δωが閾値Δωth以上か否かを判定する。閾値Δωthは、駆動電流Idに対する基準値Isと同様に設定される値が適用される。これにより、ワイパブレード30、32の払拭動作に異常状態が生じたか否かの検出が可能となる。
また、偏差Δωが閾値Δωth以上となった回転角θを特定し、特定した回転角θが特定領域に対応する範囲(例えば、回転角θaから回転角θbの範囲)内か否かから、特定領域において払拭動作に異常状態が生じたか否かの検出が可能となる。