JP7103899B2 - 内装用表面材 - Google Patents
内装用表面材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7103899B2 JP7103899B2 JP2018173163A JP2018173163A JP7103899B2 JP 7103899 B2 JP7103899 B2 JP 7103899B2 JP 2018173163 A JP2018173163 A JP 2018173163A JP 2018173163 A JP2018173163 A JP 2018173163A JP 7103899 B2 JP7103899 B2 JP 7103899B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- interior surface
- resin
- surface material
- particles
- main surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
Description
また、近年では内装用表面材に触感の向上が求められている。本願出願人は触感に優れる内装用表面材を提供するため、これまで、繊維集合体の少なくとも一方の主面上にプリント層を備えた内装用表面材について、触感の向上に寄与する粒子として平均粒子径106μm以下の中空粒子を含有しているプリント層を備えた内装用表面材(特願2017-099574、および、特願2017-099574を基礎出願としてなる国際出願PCT/JP2018/018964)を提案した。
本願出願人が提案した内装用表面材は、プリント層が平均粒子径106μm以下の中空粒子を含有しているため、抵抗感やヌメリ感を与えることでしっとり感が高いなど、より触感に優れる内装用表面材であった。
つまり、内装用表面材を取り扱っている時や成形加工などの加工時に内装用表面材の主面(プリント層)から粒子が脱落し易い、および/または、内装用表面材を成型加工してなる内装材から粒子が脱落し易い(内装用表面材のプリント層由来の部分から粒子が脱落し易い)という問題を有していた。そして、粒子が脱落することによって、意匠性や触感などが当初期待したよりも低下する恐れや、周囲が粒子によって汚染される恐れがあった。
そのため、従来技術を参照する限りでは、プリント層に含有されている粒子の脱落を防止できると共に、より触感に優れる内装用表面材を提供することができないものであった。
前記有機樹脂はアスカーC硬度が0より大きく67未満である、内装用表面材。」である。
具体的には、上述した構成を備える内装用表面材において、樹脂層がアスカーC硬度が0より大きく67未満の有機樹脂を含有していることによって、樹脂層の存在に起因して触感が低下するという問題を解決できると共に、より優れた触感の内装用表面材を提供できることを見出した。
そのため、本発明によって、プリント層に含有されている粒子の脱落を防止できると共に、より触感に優れる内装用表面材を提供できる。
本発明でいう繊維集合体とは、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛である。本発明の内装用表面材は、繊維集合体(特に、不織布)を含んでいるため柔軟であり、人に柔軟性を感じさせると共に、人に抵抗感やヌメリ感を与えることで、しっとり感が高いなど、より触感に優れる内装用表面材となる。なお、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる繊維集合体(特に、不織布)を備えた内装用表面材は、より柔軟であり、人に柔軟性を感じさせると共に、抵抗感やヌメリ感を与えることでしっとり感が高いなど、更に触感に優れていて好ましい。
また、本発明の内装用表面材は、繊維集合体を含んでいるため、柔軟で金型への追従性に優れる。特に、本発明の内装用表面材を構成する繊維集合体が不織布(特に、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)であると、更に柔軟で金型への追従性に優れ好ましい。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
また、繊維集合体が加熱することで捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは接着繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維集合体を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cm2圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいい、目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1m2あたりの質量をいう。
なお、プリント層はそのプリント樹脂以外に、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。
なお、プリント層は繊維集合体の一方の主面上に存在するのであれば、繊維集合体の両主面上にプリント層が存在していても良い。
(平均粒子径の算出方法)
(1)室温(25℃)雰囲気下に置いた複数の粒子の200倍の光学顕微鏡写真を撮影する、あるいは、室温(25℃)雰囲気下に置いた内装用表面材の両主面の200倍の光学顕微鏡写真を各々撮影する。
(2)撮影した写真のうち粒子の存在が認められた写真から、ランダムに10個の粒子を選出する。
(3)選出した10個の粒子の粒子径を各々算出し、算出した値の平均値を平均粒子径とする。なお、写真に写る粒子の面積と同じ面積を有する円の直径を算出し、その直径の値を粒子の粒子径とみなす。
本発明でいう中空粒子とは、内部に空洞を有する粒子を意味する。中空粒子は中実粒子よりも粒子径方向へ変形し易いため、人は中空粒子を含有する内装用表面材の主面を触った際に、人は硬質なものを触った際の触感ではなく弾性を有するものを触った際の触感を感じる。その結果、内装用表面材の主面を触った際に柔軟性が感じられ易くなることに起因して、触感が向上した内装用表面材を提供できる。
そのため、内装用表面材の調製工程における加熱温度範囲内で、粒子径が変化し難い中空粒子であるのが好ましく、具体的には、加熱温度150℃雰囲気下であっても粒子径が変化し難い中空粒子であるのが好ましい。
なお、プリント層の露出する主面上に粒子が存在している態様として、例えば、プリント層の露出する主面上にプリント樹脂によって粒子が接着担持されている態様や、プリント層の露出する主面に粒子の一部がめり込むことで担持されている態様などであることができる。そして、プリント層の主面上に粒子の一部が露出する態様であることができる。
また、プリント層は粒子以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含んでいてもよい。
そのため、該百分率は28質量%以上であるのが好ましく、28質量%よりも多いのが好ましく、30質量%以上であるのが好ましく、30質量%よりも多いのが好ましく、35質量%以上であるのが好ましく、40質量%以上であるのが好ましい。また、該百分率の上限値は適宜選択でき、400質量%以下であることができ、200質量%以下であることができ、100質量%以下であることができる。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
A=100×B/C
A:プリント層を構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)
B:プリント層を構成する粒子の固形分質量(単位:g/m2)
C:プリント層を構成するプリント樹脂の固形分質量(単位:g/m2)
また、内装用表面材が備えているプリント層を構成している、粒子およびプリント樹脂の固形分質量を測定することが困難である場合には、内装用表面材の製造工程においてプリント層を構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与した、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、プリント樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリント層を構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。あるいは、内装用表面材の製造工程においてプリント層を構成するため繊維集合体の一方の主面上に付与する、プリント層を構成する粒子とプリント樹脂を含有する塗布液中の、粒子の固形分質量をBとして上述の式へ代入すると共に、プリント樹脂の固形分質量をCとして上述の式へ代入することで、プリント層を構成するプリント樹脂の固形分質量に対する粒子の固形分質量の百分率(単位:質量%)を算出する。
樹脂層は、内装用表面材のプリント層から粒子が脱落する、および/または、内装用表面材を成型加工してなる内装材から粒子が脱落する(内装用表面材のプリント層由来の部分から粒子が脱落する)のを防止する役割を担う層である。
(アスカーC硬度の測定方法)
(1)測定対象となる有機樹脂で構成された試料(外観形状が、縦:50mm、横:50mm、厚さ10mm以上、フィルムを積み重ねて調製できる)を用意した。
(2)高分子計器株式会社製アスカーゴム硬度計C型の圧子を用い、試料をJIS K7312-1996の試験方法へ供することで測定を行った。具体的には、25℃雰囲気下において、用意した試料の主面に対しアスカーゴム硬度計C型を垂直に押し当て直ちに数値を読み取った。その際、測定位置は用意した試料の外端より6mm以上内側で計測し、測定点同士は6mmの間隔を確保して5点計測した中央値をアスカーC硬度とした、
なお、アスカーC硬度が低いということは、測定対象の有機樹脂で構成された試料に厚さ方向へ力を作用させた際に該試料が変形し易いことを意味する。本願出願人は、樹脂層の存在に起因する内装用表面材の触感の低下は、内装用表面材に厚さ方向へ力を作用させた際の、樹脂層の変形し難さに起因して発生するものであることを見出した。そして、樹脂層のアスカーC硬度が0より大きく67未満の有機樹脂を含有していることによって、樹脂層が厚さ方向に変形し易いものであって、その結果、樹脂層の存在により柔軟性が感じられ難くなることに起因して触感が低下するという問題を解決できると共に、より柔軟性が感じられる優れた触感の内装用表面材を提供できることを見出した。
有機樹脂のアスカーC硬度の上限値は上述した効果が発揮されるよう、適宜調整できるが、より上述した効果が発揮され易いよう、65以下であるのが好ましく、63以下であるのが好ましく、60以下であるのが好ましい。下限値は0より大きい値となるものであり、その値は適宜調整できる。
なお、樹脂層は内装用表面材の両主面上に存在していても良い。また、樹脂層は内装用表面材のプリント層における繊維集合体が存在する側と反対側の主面上にのみ存在する態様以外にも、プリント層や繊維集合体を構成する構成繊維間に侵入している態様であってもよい。
内装用表面材の目付は適宜選択するが、300g/m2以下であることができる。一方、目付の下限値は適宜調整するが、100g/m2以上であるのが現実的である。なお、前記の下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
内装用表面材の通気度は適宜選択するが、吸音効果が期待される周波数領域の範囲が広い内装用表面材を提供できるように、通気度は5cm3/cm2・s以上であるのが好ましい。上限値は適宜選択できるが、吸音効果に富むよう、通気度は100cm3/cm2・s以下であるのが好ましい。
なお、この「通気度」はJIS L1913:2010「一般不織布試験方法」に規定される6.8.1(フラジール形法)によって測定される値をいう。
本発明にかかる内装用表面材の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)繊維集合体を用意する工程、
(2)プリント層を構成可能な樹脂と、粒子を溶媒あるいは分散媒に混合して、塗布液Aを調製する工程、
(3)繊維集合体の少なくとも一方の主面上に、塗布液Aを付与する工程、
(4)塗布液Aを付与した繊維集合体を加熱することで溶媒あるいは分散媒を除去して、プリント層を備える繊維集合体を調製する工程、
(5)樹脂層を構成可能な有機樹脂を含んだ成分を溶媒あるいは分散媒に混合して、塗布液Bを調製する工程、
(6)プリント層を備える繊維集合体におけるプリント層側の主面上に、塗布液Bを付与する工程、
(7)塗布液Bを付与した、プリント層を備える繊維集合体を加熱することで、溶媒あるいは分散媒を除去して、内装用表面材を調製する工程、
を備える、内装用表面材の製造方法を挙げることができる。
繊維集合体として、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。なお、繊維集合体における構成繊維の繊度や繊維長、繊維集合体の厚さや目付は上述した数値のものを採用することができる。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面上へ好適に塗布液Aを塗布できるよう、プリント層を構成可能な樹脂が溶解すると共に、粒子が溶解せず分散可能な溶媒を採用する、あるいは、プリント層を構成可能な樹脂粒子および粒子が溶解せず分散可能な分散媒を採用するのが好ましい。また、塗布液Aには粒子以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。
繊維集合体の一方の主面上に、塗布液Aを付与する方法は適宜選択できるが、繊維集合体の一方の主面に塗布液Aをそのまま、あるいは泡立てた状態で、スプレーや含浸ロールなどを用いて散布あるいは塗布する方法、繊維集合体の一方の主面を塗布液A中に浸漬する方法などを採用することができる。繊維集合体の一方の主面上に付与する、塗布液Aの態様は適宜選択できるが、主面上全てを被覆するように付与する方法、主面上に模様を形成するようにプリントや捺染して付与する方法などを選択できる。なお、一種類の塗布液Aを付与する、あるいは、複数種類の塗布液Aを付与しても良い。また、複数種類の塗布液Aを付与する場合には、各塗布液Aの付与態様(模様、塗布液Aの組成)は異なっていても良い。
溶媒あるいは分散媒を除去してプリント層を備える繊維集合体を調製する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。溶媒あるいは分散媒を除去する際の加熱温度は溶媒あるいは分散媒が揮発可能な温度であると共に、繊維集合体や中空粒子など構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。なお、繊維集合体が繊維ウェブの場合には、本工程によって構成繊維同士を接着する(溶融したバインダで接着する、あるいは、構成繊維に含まれる熱可塑性成分を溶融させ接着する)ことで、不織布を形成してもよい。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択できるが、好適に塗布液Bを塗布できるよう、樹脂層を構成可能な有機樹脂が溶解すると共に繊維集合体やプリント層の構成成分が溶解しない溶媒あるいは分散媒、または、樹脂層を構成可能な有機樹脂ならびに繊維集合体やプリント層の構成成分が溶解しない溶媒あるいは分散媒を採用するのが好ましい。また、塗布液Bには上述した添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。なお、樹脂層は、プリント層に含有されている粒子を含有していない態様となるように調製されるのが好ましい。
プリント層を備える繊維集合体におけるプリント層側の主面上に、塗布液Bを付与する方法は適宜選択できるが、例えば、工程(3)で挙げた手段を採用できる。
なお、一種類の塗布液Bを付与する、あるいは、複数種類の塗布液Bを付与しても良い。また、複数種類の塗布液Bを付与する場合には、各塗布液Bの付与態様(模様、塗布液Bの組成)は異なっていても良い。
溶媒あるいは分散媒を除去して内装用表面材を調製する方法は適宜選択できるが、例えば、工程(4)で挙げた手段を採用できる。
上述の内装用表面材の製造方法では、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を積層する工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程、などの、各種二次工程を備えた内装用表面材の製造方法であってもよい。
なお、これらの構成部材は内装用表面材における、樹脂層側の主面とは異なる主面側に積層して備えることができる。
更に、リライアントプレス処理などの、表面を平滑とするための加圧処理工程へ供してもよい。
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:38mm)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウェブを形成した後、片面から針密度400本/m2でニードルパンチ処理を行い、その後、熱ロール間(ギャップ間隔:0.6mm、ロール加熱温度:165℃)へ供することで、ニードルパンチ不織布(目付:180g/m2、厚さ:1.5mm)を調製した。
次いで、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した面とは反対の面から、以下に記載の割合で配合したバインダ液を泡立てた状態で塗布し、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布(目付:182g/m2、厚さ:1.6mm、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる不織布)を調製した。
バインダ液
・アクリル酸エステル樹脂エマルジョンA(アクリル酸エステル樹脂のTg:-40℃、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンの固形分質量:50質量%):2.3部
・増粘剤:0.2部
・界面活性剤:0.2部
・25%アンモニア水:0.1部
・水:97.2部
表1に記載のようにして配合した各種プリント液を調製した。
なお、各種プリント液に配合した中空粒子MFL-100MCA(マツモトマイクロスフェアー(登録商標)MFL-100MCA、松本油脂製薬株式会社、熱膨張率:112.3%)は、有機樹脂からなる中空粒子の外周に無機成分が存在している中空粒子であった。
表2に記載のようにして配合した各種樹脂層塗布液を調製した。
バインダ接着不織布を内装用表面材とした。
バインダ接着不織布のバインダ液を塗布した方の主面に対して、シリンダを用いてプリント液1を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液1由来のプリント層を備えた内装用表面材とした。
比較例1で調製した内装用表面材における、プリント液1由来のプリント層が露出する主面の全面に対して、樹脂層塗布液1を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液1由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液1由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液1の塗布量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着不織布の一方の主面上にプリント液1由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液1由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液1の代わりに樹脂層塗布液2を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液1由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液2由来の樹脂層を備えた、内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液1の代わりに樹脂層塗布液3を用いたこと以外は実施例2と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液1由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液3由来の樹脂層を備えた、内装用表面材を調製した。
平均摩擦係数(MIU)は内装用表面材の柔軟性を示す指標であり、その値が大きい方が柔軟性に冨みより優れた触感となる。
平均摩擦係数は、表面試験機(KES-FB4)を用いて測定される値であり、内装用表面材から採取した試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、摩擦子(10mm×10mm)に50gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定されたμ(摩擦係数)の20mm間の平均値(average value of μ in a distance of 20mm)である。
なお、平均摩擦係数(MIU)の値は大きい方が触感に優れていることを意味しており好ましいものの、その値が大き過ぎると摩擦抵抗が強過ぎて、触感を損なう恐れがあるため1.5以下であるのが好ましい。
平均摩擦係数の変動(MMD)は内装用表面材の主面の均一性を示す指標であり、その値が小さい方がより均一的であることを意味する。
平均摩擦係数の変動は、表面試験機(KES-FB4)を用いて測定される値であり、内装用表面材から採取した試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、摩擦子(10mm×10mm)に50gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定されたμ(摩擦係数)の平均偏差である。
表面粗さ(SMD)は主面における凹凸つまり平滑性を示す指標であり、その値が小さい方がより平滑であることを意味する。
表面粗さは表面試験機(KES-FB4、カトーテック株式会社製)を用いて測定される値であり、内装用表面材から採取した試料(20cm角)を試験機に400gの荷重をかけてセットし、粗さ接触子(0.5mmワイヤー、接触面幅:5mm)に10.0gの加重をかけて試料に接触させ、試料を1mm/sec.の速度で移動させて測定された表面の凹凸データの平均偏差(average deviation of surface roughness data)であり、単位はμmである。
内装用表面材における主面(参考例においてはバインダ液を塗布した方の主面、比較例1においてはプリント層が露出している主面、実施例および他の比較例においては樹脂層が露出している主面)をモニター5名に触ってもらうことで、柔軟性を感じさせ優れた触感を与える内装用表面材であるか否かを評価した。
なお、表4においては、比較例1の内装用表面材における主面を触った際の触感を基準として、より柔軟性を感じさせ優れた触感を与える内装用表面材であるとモニターの過半数が評価した内装用表面材には○を、それ以外の内装用表面材には×を記載した。
また、後述する表5においても同様に、比較例3の内装用表面材における主面を触った際の触感を基準として、より柔軟性を感じさせ優れた触感を与える内装用表面材であるとモニターの過半数が評価した内装用表面材には○を、それ以外の内装用表面材には×を記載した。
更に、後述する表6においても同様に、比較例6の内装用表面材における主面を触った際の触感を基準として、より柔軟性を感じさせ優れた触感を与える内装用表面材であるとモニターの過半数が評価した内装用表面材には○を、それ以外の内装用表面材には×を記載した。
そして、後述する表7においても同様に、比較例7の内装用表面材における主面を触った際の触感を基準として、より柔軟性を感じさせ優れた触感を与える内装用表面材であるとモニターの過半数が評価した内装用表面材には○を、それ以外の内装用表面材には×を記載した。
まず、内装用表面材から試料(短辺:30mm、長辺:230mm)を採取し、JIS L0849:2013に準拠した摩耗試験機II型を用いる汗布摩擦堅牢度の試験へ供した。具体的には、試料と接触する部分に設ける摩擦用布として、以下組成の人工汗を染み込ませたJIS L0803に規定する金巾3号もしくは黒布(混率:ポリエステル/コットン=65/35、糸番手:45、打ち込み:タテ110本 ヨコ76本、目付:94g/m2)を用いた。そして、試料への荷重を200gに調製した摩擦子により、試料の樹脂層上を100往復させた。
(人工汗の組成)
一級試薬以上の純度のリン酸水素二ナトリウム・12水8g、一級試薬以上の純度の塩化ナトリウム8g、一級試薬以上の純度の酢酸5gを蒸留水に溶かし、合計1Lとなるようにメスアップして、人工汗を調製した。
汗布摩擦堅牢度の試験へ供した後の試料を風乾し、金巾3号もしくは黒布における試料と接触した部分を観察した。観察した結果から、JISL0801:2011に準拠した判定基準に基づき、本汗布摩擦堅牢度の試験前後における汚染の判定を行い、汚染等級(等級)を評価した。
なお、等級が高い内装用表面材であるほど、測定対象となった主面からの脱落物が少ない内装用表面材であることを意味する。そのため、等級が高い内装用表面材であるほど、粒子の脱落を防止できる内装用表面材であるといえる。
そして、その等級が3級よりも高い内装用表面材(より好ましくは4級以上の内装用表面材)は、粒子の脱落を防止できる内装用表面材であると評価した。
なお、実施例1~実施例8と実施例10および比較例1~5と比較例7の内装用表面材の等級を評価する際には、摩擦用布として金巾3号を用いた。また、比較例6および実施例9の内装用表面材の等級を評価する際には、摩擦用布として黒布を用いた。
バインダ接着不織布のバインダ液を塗布した方の主面に対して、シリンダを用いてプリント液2を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液2由来のプリント層を備えた内装用表面材とした。
比較例3で調製した内装用表面材における、プリント液2由来のプリント層が露出する主面の全面に対して、樹脂層塗布液4を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液2由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に樹脂層塗布液4由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液4の塗布量を変更したこと以外は実施例4と同様にして、接着不織布の一方の主面上にプリント液2由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液4由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液4の代わりに樹脂層塗布液5を用いたこと以外は実施例4と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液2由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液5由来の樹脂層を備えた、内装用表面材を調製した。
樹脂層塗布液4の代わりに樹脂層塗布液6を用いたこと以外は実施例4と同様にして、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液2由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面に、樹脂層塗布液6由来の樹脂層を備えた、内装用表面材を調製した。
バインダ接着不織布のバインダ液を塗布した方の主面に対して、シリンダを用いてプリント液3を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液3由来のプリント層を備えた内装用表面材とした。
比較例6で調製した内装用表面材における、プリント液3由来のプリント層が露出する主面上全面にわたりシボ柄をなすよう、樹脂層塗布液7を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液3由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面にわたり部分的(シボ柄部分)に、樹脂層塗布液7由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
バインダ接着不織布のバインダ液を塗布した方の主面に対して、シリンダを用いてプリント液4を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液4由来のプリント層を備えた内装用表面材とした。
比較例7で調製した内装用表面材における、プリント液4由来のプリント層が露出する主面上全面にわたりシボ柄をなすよう、樹脂層塗布液7を塗布した。その後、温度140℃のドライヤーで乾燥することで、バインダ接着不織布の一方の主面上にプリント液4由来のプリント層を備えると共に、該プリント層におけるバインダ接着不織布が存在する側と反対側の主面上全面にわたり部分的(シボ柄部分)に、樹脂層塗布液7由来の樹脂層を備えた内装用表面材を調製した。
Claims (1)
- 繊維集合体の少なくとも一方の主面上に粒子を含有するプリント層を備えていると共に、前記プリント層における前記繊維集合体が存在する側と反対側の主面上に有機樹脂を含有する樹脂層を備える、内装用表面材であって、
前記有機樹脂はアスカーC硬度が0より大きく67未満である、内装用表面材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018173163A JP7103899B2 (ja) | 2018-09-17 | 2018-09-17 | 内装用表面材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018173163A JP7103899B2 (ja) | 2018-09-17 | 2018-09-17 | 内装用表面材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020044683A JP2020044683A (ja) | 2020-03-26 |
JP7103899B2 true JP7103899B2 (ja) | 2022-07-20 |
Family
ID=69899177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018173163A Active JP7103899B2 (ja) | 2018-09-17 | 2018-09-17 | 内装用表面材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7103899B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7365918B2 (ja) | 2020-01-21 | 2023-10-20 | 日本バイリーン株式会社 | 表面材 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004174890A (ja) | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Oji Tac Hanbai Kk | 印刷用擬似接着シート |
JP2010275459A (ja) | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Bridgestone Corp | エラストマー組成物 |
JP2013060674A (ja) | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Seiren Co Ltd | 立体プリント布帛 |
JP2013107348A (ja) | 2011-11-23 | 2013-06-06 | Hiraoka & Co Ltd | 可撓性複合シート |
JP2014173195A (ja) | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Seiren Co Ltd | 立体プリント布帛およびその製造方法 |
JP2016222915A (ja) | 2015-06-02 | 2016-12-28 | 三菱樹脂株式会社 | 粘着シート及びこれを用いた画像表示装置 |
JP2018068557A (ja) | 2016-10-27 | 2018-05-10 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
WO2018212245A1 (ja) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | 日本バイリーン株式会社 | 内装用表面材 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07121532B2 (ja) * | 1988-03-10 | 1995-12-25 | 難波プレス工業株式会社 | 三層ラミネート表皮材を有する一体発泡製品 |
-
2018
- 2018-09-17 JP JP2018173163A patent/JP7103899B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004174890A (ja) | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Oji Tac Hanbai Kk | 印刷用擬似接着シート |
JP2010275459A (ja) | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Bridgestone Corp | エラストマー組成物 |
JP2013060674A (ja) | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Seiren Co Ltd | 立体プリント布帛 |
JP2013107348A (ja) | 2011-11-23 | 2013-06-06 | Hiraoka & Co Ltd | 可撓性複合シート |
JP2014173195A (ja) | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Seiren Co Ltd | 立体プリント布帛およびその製造方法 |
JP2016222915A (ja) | 2015-06-02 | 2016-12-28 | 三菱樹脂株式会社 | 粘着シート及びこれを用いた画像表示装置 |
JP2018068557A (ja) | 2016-10-27 | 2018-05-10 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
WO2018212245A1 (ja) | 2017-05-19 | 2018-11-22 | 日本バイリーン株式会社 | 内装用表面材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020044683A (ja) | 2020-03-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6278775B2 (ja) | 表皮材 | |
JP7144407B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7103899B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7386622B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7191530B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7330083B2 (ja) | 表面材 | |
JP7365918B2 (ja) | 表面材 | |
JP7340990B2 (ja) | 表面材 | |
JP2021194913A (ja) | 表面材 | |
JP2021098922A (ja) | 表面材とその製造方法 | |
JP2024082396A (ja) | 表面材 | |
JP7369561B2 (ja) | 表面材 | |
JP2023035645A (ja) | 表面材 | |
JP2021187073A (ja) | 表面材 | |
US20210189638A1 (en) | Surface material and method of manufacturing the same | |
JP7426846B2 (ja) | 表面材 | |
JP2021127537A (ja) | 表面材 | |
JP7454972B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP2019059390A (ja) | 車両用内装基材 | |
JP7349258B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7313137B2 (ja) | 内装用表面材 | |
JP7377644B2 (ja) | 積層体 | |
JP2023003140A (ja) | 表面材およびその製造方法 | |
KR20210036827A (ko) | 장식 섬유 시트 | |
JP2024022414A (ja) | 表面材とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210720 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220426 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220705 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220707 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7103899 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |