JP7103538B1 - 回転伝達状態切換装置 - Google Patents

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Abstract

より簡易な構成の回転伝達状態切換装置を提供する。第1回転部材側係合部を有する第1回転部材と、第2回転部材側係合部を有する第2回転部材と、第3回転部材側係合部を有する第3回転部材と、第1回転部材側係合部と係合する係合子側第1係合部、第2回転部材側係合部と係合する係合子側第2係合部、および、第3回転部材側係合部と係合する係合子側第3係合部を有する係合子とを備えるクラッチ装置、および、第1回転部材の回転を許容する状態と、第1回転部材の回転を規制する状態とを切り換え可能に構成された規制装置を備え、前記規制装置により第1回転部材の回転を許容することで、第2回転部材と第3回転部材との間でのトルクの伝達を許容するのに対し、前記規制装置により第1回転部材の回転を阻止することで、第2回転部材と第3回転部材との間でトルクの伝達を不能とする。

Description

本発明は、たとえば、駆動源と回転軸との間に組み込まれ、該駆動源と該回転軸との間でのトルク伝達の可否を切り換えるための伝達状態切換装置に関する。
近年における化石燃料の消費量低減の流れを受けて、電気自動車の研究が進み、一部で実施されている。電気自動車用駆動装置は、たとえば特開平9-226394号公報に記載されているように、電動モータと、歯車式の減速機構と、デファレンシャルギヤとを備える。前記電動モータに通電し、該電動モータの出力軸を回転駆動すると、前記出力軸の回転トルクは、前記減速機構により増大されてから前記デファレンシャルギヤに伝達される。そして、前記デファレンシャルギヤにより、左右の駆動輪に分配される。
特開平9-226394号公報
特開平9-226394号公報に記載の電気自動車用駆動装置は、次のような面から改良の余地がある。たとえば、この電気自動車用駆動装置を組み込んだハイブリッド自動車の走行中に、電動モータを停止してエンジンのみで走行すると、駆動輪の回転が、減速機構により増速されて電動モータの出力軸に加わる。これにより、前記電動モータが発電機として機能し、前記電動モータの駆動回路に過大な逆起電圧が印加されてしまうといった問題が生じる可能性がある。
上述のような問題を解決するために、駆動系のうち、前記電動モータと前記駆動輪との間にクラッチを設け、前記電動モータの停止時には、前記電動モータと前記駆動輪とを切り離して、前記駆動輪と前記電動モータとの間でトルクを伝達しないようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、前記クラッチには、前記電動モータと前記駆動輪とが回転した状態のまま、該電動モータと該駆動輪との断接状態を切り換えるためのアクチュエータが必要であるため、装置の構造や前記クラッチの断接制御が複雑化する可能性がある。また、前記クラッチの接続に伴うショックにより乗員に違和感や不快感を与えたりする可能性がある。
本発明は、上述のような事情に鑑み、より簡易な構成からなる、回転伝達状態切換装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様の回転伝達状態切換装置は、クラッチ装置と、規制装置と、を備える。
前記クラッチ装置は、
第1回転部材側係合部を有する第1回転部材と、
第2回転部材側係合部を有する第2回転部材と、
第3回転部材側係合部を有する第3回転部材と、
前記第1回転部材側係合部と係合する係合子側第1係合部、前記第2回転部材側係合部と係合する係合子側第2係合部、および、前記第3回転部材側係合部と係合する係合子側第3係合部を有する係合子と、
を備える。
前記規制装置は、前記第1回転部材の回転を許容する状態と、前記第1回転部材の回転を規制する状態とを切り換え可能に構成されている。
本発明の一態様の回転伝達状態切換装置においては、前記規制装置を、使用時にも回転しない固定部分と前記第1回転部材との間に設けられ、かつ、前記固定部分に対する前記第1回転部材の回転を許容する状態と、前記固定部分に対する前記第1回転部材の回転を阻止する状態とを切り換える制動装置により構成することができる。
あるいは、前記規制装置を、電動モータにより構成することができる。
本発明の一態様の回転伝達状態切換装置は、前記規制装置により前記第1回転部材の回転を許容することで、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間でのトルクの伝達を許容するのに対し、前記規制装置により前記第1回転部材の回転を阻止することで、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間でトルクの伝達を不能とする。
前記クラッチ装置は、前記係合子を、前記第3回転部材側係合部と前記係合子側第3係合部とが係合する方向に弾性的に付勢する付勢部材を備えることができる。
前記第3回転部材は、その内周面に、前記第3回転部材側係合部を有することができる。この場合、前記係合子は、その径方向内側面に、前記係合子側第2係合部を有し、かつ、その径方向外側面に、前記係合子側第3係合部を有する。さらに、前記第1回転部材側係合部は、前記第3回転部材側係合部の径方向内側に配置され、かつ、前記第2回転部材側係合部は、前記第3回転部材側係合部の径方向内側に配置される。
この場合、前記係合子を、それぞれの径方向内側面により前記第2回転部材側係合部を径方向外側から挟むように配置された一対の係合子により構成することができる。
前記係合子は、
前記係合子側第2係合部と、前記係合子側第3係合部と、前記第3回転部材側係合部に対する前記係合子側第3係合部の遠近動方向に関して前記係合子側第1係合部よりも前記第3回転部材側係合部に近い側に位置する揺動支持部を有する係合子本体と、
前記係合子側第1係合部と、前記揺動支持部に対し揺動可能に支持された揺動被支持部を有するリンク部材と、
を備えることができる。
前記係合子本体は、
前記係合子側第2係合部を構成するプレート側係合部をそれぞれ有し、前記第3回転部材側係合部の軸方向に関して重畳して配置され、かつ、互いに結合された一対の本体プレートと、
前記揺動支持部を構成し、軸方向両側部分が前記一対の本体プレートに支持された揺動支持軸と、
を備えることができる。
この場合、前記リンク部材を、前記一対の本体プレートの間に配置することができる。
前記係合子本体は、前記一対の本体プレートの間に挟持された中間プレートを備えることができる。
前記第3回転部材は、その外周面に、電動モータやエンジンなどの駆動源の出力軸や回転軸との間でトルクを入力および/または出力するためのトルク入出力部を有することができる。前記トルク入出力部は、たとえば、凹部と凸部とが全周にわたって交互に配置され、かつ、歯車と噛合する歯車部、ベルトをかけ渡すためのプーリ部、あるいは、チェーンをかけ渡すためのスプロケット部により構成することができる。
本発明の一態様の回転伝達状態切換装置は、駆動源の回転トルクを駆動輪に伝達する駆動系に組み込まれて使用されることができる。
本発明により、より簡易な構成で、その製造コストを低く抑えることができる構造を有する回転伝達状態切換装置が提供される。
図1は、本発明の実施の形態の第1例の回転伝達状態切換装置が組み込まれた自動車の駆動系を示す模式図である。 図2は、第1例の回転伝達状態切換装置を構成するクラッチ装置の斜視図である。 図3は、図2の右側から見た端面図である。 図4は、図3のA-A断面図である。 図5は、第1例のクラッチ装置の分解斜視図である。 図6は、第1例のクラッチ装置についての、第1回転部材、蓋体、および蓋体側軸受を取り除き、かつ、第3回転部材にトルクが入力されていない中立状態における、図4の右側から見た端面図である。 図7は、第3回転部材にトルクが入力された状態における第1例のクラッチ装置を示す、図6と同様の図である。 図8は、第2回転部材にトルクが入力された状態における第1例のクラッチ装置を示す、図6と同様の図である。 図9は、第1例のクラッチ装置についての、第2回転部材、本体の左側の端部、本体側軸受、左側の本体プレート、ボルト、およびナットを取り除いた状態における、図4の左側から見た端面図である。 図10は、図9のB-B断面図である。 図11は、図9の上半部の左右方向中央部の拡大図である。 図12は、第1例のクラッチ装置についての、その上半部から、中間プレートおよびリンク部材を取り除いた状態における、図9と同様の図である。 図13は、図12のC-C断面図である。 図14は、第1例のクラッチ装置を構成する、一対の係合子およびばねの斜視図である。 図15は、第1例のクラッチ装置を構成する、一対の係合子およびばねについての、軸方向に関して第2回転部材側から見た端面図である。 図16は、図15のD1-D2断面図である。 図17は、図15のD1-O-D3断面図である。 図18は、第1例のクラッチ装置を構成する一対の係合子の分解斜視図である。 図19は、第1例の一対の係合子を構成する中間プレートとばねの斜視図である。 図20(A)(a)は、第1例のクラッチ装置に関して、中立状態における係合子側第1係合部と第1回転部材側係合部との係合部を示す図である。図20(A)(b)は、図20(A)(a)に示した中立状態から第3回転部材に回転トルクが入力された後の状態における前記係合部を示す図である。図20(B)(a)は、比較例のクラッチ装置に関して、中立状態における係合子側第1係合部と第1回転部材側係合部との係合部を示す図である。図20(B)(b)は、図20(B)(a)に示した中立状態から第3回転部材に回転トルクが入力された後の状態における前記係合部を示す図である。 図21(A)は、第1例のクラッチ装置に関して、第2回転部材側係合部および係合子側第2係合部の係合前の状態を示す図である。図21(B)は、第2回転部材側係合部および係合子側第2係合部の係合後の状態を示す図である。 図22は、本発明の実施の形態の第2例の回転伝達状態切換装置を構成するクラッチ装置の端面図である。 図23は、第2例のクラッチ装置を構成する第1回転部材の一部の斜視図である。 図24は、第2例のクラッチ装置を構成する第2回転部材の一部の斜視図である。 図25は、第3回転部材にトルクが入力された状態における第2例のクラッチ装置の端面図である。 図26は、第2回転部材にトルクが入力された状態における第2例のクラッチ装置の端面図である。 図27は、本発明の実施の形態の第3例の回転伝達状態切換装置が組み込まれた自動車の駆動系を示す模式図である。 図28は、本発明の実施の形態の第4例の回転伝達状態切換装置が組み込まれた自動車の駆動系を示す模式図である。
[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図21(B)を用いて説明する。以下の説明では、本例の回転伝達状態切換装置は、自動車の駆動系に組み込まれている。ただし、本発明の回転伝達状態切換装置の用途がこれに限定されることはない。
図1に示すように、自動車では、駆動源1の出力トルクは、デファレンシャルギヤなどのトルク伝達部材を介して、図示しない駆動輪に伝達される。駆動源1は、エンジンおよび/または電動モータにより構成される。駆動源1は、出力軸2と、出力軸2の先端部に備えられた駆動側歯車3とを有する。
本例の自動車の駆動系は、駆動源1と、駆動輪にトルク伝達可能に接続された回転軸4と、駆動源1と回転軸4との間に配される回転伝達状態切換装置5とを備える。本例の回転伝達状態切換装置5は、駆動源1と回転軸4との間でのトルク伝達の可否を切り換える機能を有し、クラッチ装置6と、規制装置である制動装置7とを備える。
本例のクラッチ装置6は、第1回転部材8と、第2回転部材9と、第3回転部材10と、係合子11と、付勢部材12とを備える。なお、以下、クラッチ装置6に関する説明において、軸方向、径方向、および円周方向とは、特に断らない限り、クラッチ装置6の軸方向、径方向、および円周方向をいう。本例において、クラッチ装置6の軸方向、径方向、および円周方向は、図2などに示すように、第1回転部材8の軸方向、径方向、および円周方向と一致し、かつ、第2回転部材9および第3回転部材10の軸方向、径方向、および円周方向と一致する。本例のクラッチ装置6に関して、軸方向一方側は、図2、図4、図5、図10、図13、図14、図16~図19の右側をいい、軸方向他方側は、図2、図4、図5、図10、図13、図14、図16~図19の左側をいう。
第1回転部材8は、図4および図5に示すように、円柱状の第1軸部13と、一対の腕部14と、一対の第1回転部材側係合部15とを有する。一対の腕部14は、第1軸部13の軸方向他方側の端部から、互いに径方向反対側に向けて伸長している。一対の腕部14のそれぞれは、その径方向中間部に、軸方向の貫通孔である支持孔16を有する。一対の第1回転部材側係合部15のそれぞれは、円柱状のピンにより構成されている。それぞれの第1回転部材側係合部15の軸方向一方側の端部が、それぞれの腕部14の支持孔16に圧入により内嵌固定されている。この状態で、一対の第1回転部材側係合部15は、一対の腕部14から軸方向一方側に伸長している。なお、第1回転部材は、全体を一体に(1部品として)構成することもできる。
第2回転部材9は、第1回転部材8と同軸に配置され、図4および図5に示すように、第2軸部17と、第2回転部材側係合部18とを有する。第2軸部17は、回転軸4の軸方向一方側の端部に、回転軸4と一体に備えられるか、あるいは、回転軸4の軸方向一方側の端部に結合固定されている。第2回転部材側係合部18は、略長円柱状に構成されており、第2軸部17の軸方向一方側の端面の中央部から軸方向一方側に伸長している。第2回転部材側係合部18の外周面は、図6、図7、図21(A)、および図21(B)に示すように、短軸方向(図6、図7、図21(A)、および図21(B)の上下方向)の両側にある一対の側面19と、長軸方向(図6、図7、図21(A)、および図21(B)の左右方向)の両側の側面である一対のガイド面20とを有する。
一対の側面19のそれぞれは、第2回転部材側係合部18の短軸方向に対して直交する平坦面により構成されている。一対のガイド面20のそれぞれは、凸曲面により構成されている。具体的には、それぞれのガイド面20は、第2回転部材側係合部18の中心軸(第2回転部材9の中心軸)を中心とする部分円筒状の凸面により構成されている。したがって、第2回転部材9に関しては、たとえば丸棒素材の外周面を、一対のガイド面20として利用することができ、その分、加工コストを抑えることができる。ただし、それぞれのガイド面を、第2回転部材9の中心軸と平行かつ非同軸の軸を中心とする部分円筒状の凸面により構成したり、あるいは、部分楕円筒状の凸面などの非円筒状の凸面により構成したりすることもできる。本例では、第2軸部17と第2回転部材側係合部18とが一体に造られているが、互いに別体に造られた第2軸部と第2回転部材側係合部とを互いに結合固定することにより第2回転部材を構成することもできる。第2回転部材側係合部18は、一対の第1回転部材側係合部15よりも径方向内側に、より具体的には、一対の第1回転部材側係合部15の間部分に配置される。
第3回転部材10は、その外周面に、トルク入出力部を構成する歯車部21を有し、かつ、その内周面に、第3回転部材側係合部22を有する。なお、歯車部21は、図1にのみ図示し、図2以降ではその図示を省略している。本例では、第3回転部材10は、図2~図5に示すように、中空の円盤状に構成されており、車体などの固定部分23に対し、軸受などにより、回転自在に支持されている。第3回転部材10は、第1回転部材8および第2回転部材9と同軸に配置され、かつ、その内側に、一対の第1回転部材側係合部15、第2回転部材側係合部18、係合子11、付勢部材12などを収容している。第3回転部材10は、軸方向他方側に配置された本体24と、軸方向一方側に配置された蓋体25とを、複数本のボルト26により結合することにより構成されている。
本体24は、外径側筒部27と、内径側筒部28と、側板部29とを備える。外径側筒部27は、円筒状に構成されている。内径側筒部28は、円筒状に構成されており、外径側筒部27の軸方向他方側に、外径側筒部27と同軸に配置されている。側板部29は、略円形平板状に構成されており、その径方向外側の端部が外径側筒部27の軸方向他方側の端部に結合され、かつ、その径方向内側の端部が内径側筒部28の軸方向一方側の端部に結合されている。
外径側筒部27は、その内周面に、第3回転部材側係合部22を有する。第3回転部材側係合部22は、本体24の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。外径側筒部27は、軸方向一方側の端部の外周面に、軸方向他方側に隣接する部分の外周面よりも外径寸法が大きい、本体側インロー嵌合面30を有する。本体側インロー嵌合面30は、本体24の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。外径側筒部27は、軸方向一方側の端部の円周方向等間隔となる複数箇所(図示の例では8箇所)に、軸方向一方側の側面に開口するねじ孔31を有する。
内径側筒部28は、その内周面の軸方向一方側の端部から中間部にかけての部分に、本体側軸受嵌合面32を有する。本体側軸受嵌合面32は、本体24の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。すなわち、第3回転部材側係合部22と本体側インロー嵌合面30と本体側軸受嵌合面32とは、互いに同軸に配置されている。
蓋体25は、外径側筒部33と、内径側筒部34と、側板部35とを備える。外径側筒部33は、円筒状に構成されている。内径側筒部34は、円筒状に構成されており、外径側筒部33の軸方向一方側に、外径側筒部33と同軸に配置されている。側板部35は、略円形平板状に構成されており、その径方向外側の端部が外径側筒部33の軸方向一方側の端部に結合され、かつ、その径方向内側の端部が内径側筒部34の軸方向他方側の端部に結合されている。
外径側筒部33は、その外周面に、凹部と凸部とが全周にわたって交互に配置されている歯車部21を有する。歯車部21には、駆動源1の出力軸2に備えられた駆動側歯車3が噛合されている。なお、本例では、歯車部21を、蓋体25の外径側筒部33に設けているが、第3回転部材に対するトルクの入力および/または出力が可能であれば、歯車部21の形成位置は特に限定されない。たとえば、歯車部21を、本体24の外径側筒部27の外周面に設けることもできる。また、歯車部21に代えて、チェーンをかけ渡すためのスプロケット部や、ベルトをかけ渡すためのプーリ部を、蓋体25の外径側筒部33の外周面あるいは本体の外径側筒部27の外周面に設けることもできる。
外径側筒部33は、その内周面に、蓋体側インロー嵌合面36を有する。蓋体側インロー嵌合面36は、蓋体25の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。蓋体側インロー嵌合面36は、本体24の本体側インロー嵌合面30に対して、がたつきなく嵌合することが可能な内径寸法を有する。
側板部35は、本体24のねじ孔31と整合する、径方向外側の端部の円周方向等間隔となる複数箇所に、通孔37を有する。
内径側筒部34は、その内周面の軸方向他方側の端部から中間部にかけての部分に、蓋体側軸受嵌合面38を有する。蓋体側軸受嵌合面38は、蓋体25の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。すなわち、蓋体側インロー嵌合面36と蓋体側軸受嵌合面38とは、互いに同軸に配置されている。
第3回転部材10は、本体24の本体側インロー嵌合面30に対して、蓋体25の蓋体側インロー嵌合面36をがたつきなく嵌合させ、かつ、蓋体25の各通孔37に挿通したボルト26を、本体24の各ねじ孔31に螺合し、さらに締め付けることにより、本体24と蓋体25とを結合固定することによって組み立てられる。本例では、本体24の本体側インロー嵌合面30と本体側軸受嵌合面32とが互いに同軸に配置され、かつ、蓋体25の蓋体側インロー嵌合面36と蓋体側軸受嵌合面38とが互いに同軸に配置されている。このため、本体側インロー嵌合面30と蓋体側インロー嵌合面36とをがたつきなく嵌合させた、第3回転部材10の組立状態で、蓋体側軸受嵌合面38と本体側軸受嵌合面32とは、互いに同軸に配置される。
第3回転部材10を組み立てた状態で、第1回転部材8の第1軸部13は、蓋体25の蓋体側軸受嵌合面38に対し、蓋体側軸受39により回転可能に支持される。また、第2回転部材9の第2軸部17は、本体24の本体側軸受嵌合面32に対し、本体側軸受40により回転可能に支持される。これにより、第1回転部材8と第2回転部材9とが、互いに同軸に配置され、かつ、第3回転部材10の第3回転部材側係合部22に対して同軸に配置される。この状態で、一対の第1回転部材側係合部15は、第3回転部材側係合部22の径方向内側に配置され、かつ、第2回転部材側係合部18は、第3回転部材側係合部22の径方向内側に配置される。なお、図示の例では、蓋体側軸受39および本体側軸受40として、単列玉軸受が使用されているが、接触角の方向が互いに異なる円すいころ軸受や複列の転がり軸受を使用することもできる。
本例では、係合子11は、それぞれの径方向内側面により第2回転部材側係合部18を径方向外側から挟むように配置された、一対の係合子11(2個の係合子11)により構成されている。一対の係合子11は、一対の第1回転部材側係合部15と係合する一対の係合子側第1係合部41、第2回転部材側係合部18と係合する係合子側第2係合部42、および、第3回転部材側係合部22と係合する係合子側第3係合部43を有し、かつ、第3回転部材側係合部22の径方向内側に配置されている。一対の係合子11のそれぞれは、係合子本体44と、係合子本体44に対して揺動可能に連結されたリンク部材45とを備える。ただし、本発明を実施する場合に、係合子の数は2個に限られず、たとえば、前記係合子を、1対の係合子を構成する2個の係合子の片方を省略して、1個の係合子により構成することもできる。あるいは、前記係合子を、3個以上の係合子により構成することも可能である。
本例では、それぞれの係合子11を構成する係合子本体44は、図14~図19に示すように、複数の部品を組み合わせることにより構成されている。以下、係合子本体44の全体構造について説明した後、係合子本体44を構成する各部品の構造について説明する。
係合子本体44は、略半円形板形状を有しており、第3回転部材側係合部22に対向する一対の係合子側第3係合部43と、揺動支持部を構成する揺動支持軸46と、第2回転部材側係合部18と係合する係合子側第2係合部42とを備える。
本例では、係合子本体44の外周面は、係合子本体44の弧に相当する凸円弧状の径方向外側面と、係合子本体44の弦に相当するクランク状の径方向内側面とから構成されている。なお、係合子本体44に関して径方向とは、係合子本体44の弦に直交する、図6に矢印Xで示す方向をいい、第3回転部材側係合部22に対する係合子側第3係合部43の遠近動方向に対応する。また、係合子本体44に関して幅方向とは、係合子本体44の弦に対して平行な、図6に矢印Yで示す方向をいう。
本例では、一対の係合子11は、それぞれの係合子本体44の径方向外側面を反対側に向け、それぞれの係合子本体44の径方向内側面を対向させた状態で、第3回転部材側係合部22の径方向内側に配置されている。一対の係合子11が第3回転部材側係合部22の径方向内側に配置された状態で、第3回転部材側係合部22と係合子本体44の径方向外側面との間部分、および、一対の係合子11の係合子本体44の径方向内側面同士の間部分のうちの少なくとも一方に、係合子本体44が径方向に移動することを許容する隙間が存在するように、第3回転部材側係合部22の内径寸法および係合子本体44の径方向寸法が規制されている。
係合子本体44は、その径方向外側面に、一対の係合子側第3係合部43を有する。一対の係合子側第3係合部43は、第3回転部材10と第2回転部材9との間でのトルク伝達が可能なドライブモードにおいて、第3回転部材側係合部22に対して押し付けられる部分であり、係合子本体44の径方向外側面の円周方向両側部分に、円周方向に離隔して配置されている。一対の係合子側第3係合部43のそれぞれは、係合子本体44の径方向外側面のうち、円周方向に関して係合子側第3係合部43から外れた部分よりも、第3回転部材側係合部22に向けて突出している。一対の係合子側第3係合部43のそれぞれは、第3回転部材側係合部22の曲率半径よりも小さな曲率半径を有する部分円筒状の凸面により構成されている。係合子本体44の径方向外側面のうち、一対の係合子側第3係合部43から円周方向に外れた部分(円周方向に関して一対の係合子側第3係合部43の間に位置する部分)は、第3回転部材側係合部22に対して接触することのない、非接触面となっている。
係合子本体44は、その幅方向中央部の厚さ方向(軸方向)中央部に、内部空間47を有する。内部空間47の径方向両側の端部は、係合子本体44の径方向外側面と径方向内側面とにそれぞれ開口している。係合子本体44は、軸方向に配置された揺動支持軸46を有し、揺動支持軸46の軸方向中間部は、内部空間47の幅方向中央部の径方向外側部に配置されている。揺動支持軸46は、円柱状のピンにより構成されている。揺動支持軸46の軸方向両側の端部は、係合子本体44のうちの内部空間47を軸方向両側から挟む部分に支持されている。
係合子本体44は、その径方向内側面の幅方向中央部に、係合子側第2係合部42を有する。係合子側第2係合部42は、係合子本体44の径方向内側面の幅方向中央部から径方向外方に向けて凹んだ、略矩形状の凹部により構成されている。
係合子側第2係合部42は、図6、図21(A)、および図21(B)に示すように、その内側に第2回転部材側係合部18の短軸方向の先半部を配置できる大きさを有する。
係合子側第2係合部42の内面は、底面48と、一対の被ガイド面49とにより構成されている。底面48は、係合子本体44の径方向に対して直交する平坦面により構成されている。一対の被ガイド面49は、係合子側第2係合部42の内面のうち、係合子本体44の幅方向に関して両側の端部に位置し、かつ、幅方向に関して互いに対向している。一対の被ガイド面49は、係合子本体44の径方向内側に向かうほど、すなわち、係合子本体44の径方向に関して第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向に向かうほど、互いの間隔が拡がる方向に傾斜した一対の凹曲面により構成されている。
一対の被ガイド面49のそれぞれは、第2回転部材側係合部18の一対のガイド面20に接触可能であり、ガイド面20と同じ大きさの曲率半径あるいはガイド面20よりも僅かに大きい曲率半径を有する、部分円筒状の凹面により構成されている。本例では、係合子側第2係合部42は、図21(B)に示すように、第2回転部材側係合部18の短軸方向の先半部の外周面に合致する内面形状を有する。すなわち、係合子側第2係合部42の底面48を、第2回転部材側係合部18の側面19に面接触させるとともに、係合子側第2係合部42の一対の被ガイド面49を、第2回転部材側係合部18の一対のガイド面20のうち短軸方向に関する先半部に面接触させることが可能である。なお、それぞれの被ガイド面49を、部分楕円筒状の凹面などの非部分円筒状とは異なる凹面により構成することもできる。
係合子本体44は、その幅方向中央部の径方向内側部に、挿通孔50を有する。挿通孔50は、係合子本体44の幅方向中央部の径方向内側部を軸方向に貫通し、かつ、円周方向に伸長する円弧形の長孔により構成されている。挿通孔50は、第1回転部材側係合部15を緩く挿入できる大きさを有する。具体的には、挿通孔50の内側に第1回転部材側係合部15を挿入した際に、第1回転部材側係合部15と挿通孔50の内面との間に、円周方向に関する隙間および係合子本体44の径方向に関する隙間が存在する。このため、第1回転部材側係合部15は、前記円周方向に関する隙間の存在に基づいて、挿通孔50(係合子本体44)に対して、第1回転部材8の回転方向に関する相対変位が可能である。また、挿通孔50(係合子本体44)は、係合子本体44の径方向に関する隙間の存在に基づいて、第1回転部材側係合部15に対して、係合子本体44の径方向の変位が可能である。換言すれば、後述するクラッチ装置6の動作時に、挿通孔50の内周縁と第1回転部材側係合部15とが干渉して、クラッチ装置6の動作が阻害されることがないように、挿通孔50の大きさが規制されている。
係合子本体44は、その径方向内側面の幅方向両側部分に、径方向内側に突出する突起状の凸部51を有する。凸部51は、係合子本体44の径方向内側面の幅方向両側部分における厚さ方向(軸方向)中央部から径方向内側に突出している。凸部51は、後述する付勢部材12を保持するために用いられる。
係合子本体44は、複数の部品を組み合わせることにより構成されている。具体的には、係合子本体44は、一対の本体プレート52と、一対の中間プレート53と、揺動支持軸46と、結合部材である複数ずつのボルト54およびナット55とを備える。
一対の本体プレート52は、係合子本体44の厚さ方向の両側部分を構成する部品であり、軸方向に重畳して配置されている。一対の本体プレート52のそれぞれは、鋼板などの金属板にプレス加工による打ち抜き加工を施して造られたプレス成形品であり、略半円形板形状を有する。本体プレート52は、その径方向外側面のうち、円周方向に離隔した2箇所位置に、係合子本体44を組み立てた状態で係合子側第3係合部43を構成する凸面56を有する。すなわち、一対の本体プレート52の径方向外側面のうちの円周方向に関する位相が一致する部分に備えられ、軸方向に離隔して配置された二対の凸面56(4つの凸面56)が、係合子側第3係合部43を構成する。それぞれの本体プレート52は、その幅方向中央部の径方向外側部に、円形の支持孔57を有する。それぞれの本体プレート52は、その径方向内側面の幅方向中央部に、係合子本体44を組み立てた状態で係合子側第2係合部42を構成するプレート側係合部58を有する。すなわち、軸方向に離隔して配置された一対のプレート側係合部58が、係合子側第2係合部42を構成する。それぞれの本体プレート52は、幅方向中央部の径方向内側部に、係合子本体44を組み立てた状態で挿通孔50を構成する貫通孔59を有する。それぞれの本体プレート52は、幅方向両側部分のそれぞれにおいて、複数(図示の例では3個)の通孔60を有し、かつ、幅方向両側部分のそれぞれにおいて、複数の通孔60から外れた箇所に、位置決め孔61を有する。
一対の中間プレート53は、係合子本体44の厚さ方向の中間部を構成する部材である。一対の中間プレート53のそれぞれは、鋼板などの金属板にプレス加工による打ち抜き加工を施して造られたプレス成形品であり、略扇板形状を有する。一対の中間プレート53は、一対の本体プレート52の幅方向両側部分の間に挟持されている。一対の中間プレート53のそれぞれは、径方向内側面の幅方向中間部に凸部51を有する。凸部51は、一対の本体プレート52の径方向内側面よりも径方向内側に突出している。一対の中間プレート53のうち、凸部51以外の部分は、一対の本体プレート52同士の間に配置されている。特に、一対の中間プレート53の径方向外側面は、一対の本体プレート52の径方向外側面よりも径方向内側に位置しており、第3回転部材側係合部22と接触することはない。一対の中間プレート53は、一対の本体プレート52の通孔60と整合する複数箇所に、通孔62を有し、かつ、一対の本体プレート52の位置決め孔61と整合する箇所に、位置決め孔63を有する。
一対の本体プレート52および一対の中間プレート53は、互いに整合する一対の本体プレート52の通孔60と一対の中間プレート53の通孔62とを挿通した複数のボルト54の先端部に、ナット55を螺合し、さらに締め付けることによって、互いに結合固定されている。なお、本例の構造では、このような結合固定の作業を行う際に、互いに整合する一対の本体プレート52の位置決め孔61と一対の中間プレート53の位置決め孔63とに、作業用の位置決めロッドを挿通することによって、一対の本体プレート52の通孔60と一対の中間プレート53の通孔62とを整合させる作業を容易に行うことができる。本例の構造では、一対の本体プレート52と一対の中間プレート53とを結合固定した状態で、係合子本体44の厚さ方向に関して一対の本体プレート52の間で、かつ、幅方向に関して一対の中間プレート53同士の間に、内部空間47が画成される。
揺動支持軸46は、円柱状のピンにより構成されている。揺動支持軸46の軸方向両側の端部は、一対の本体プレート52の支持孔57に圧入により内嵌固定されている。揺動支持軸46の軸方向中間部は、内部空間47内に配置されている。
リンク部材45は、鋼板などの金属板にプレス加工による打ち抜き加工を施して造られたプレス成形品であって、略矩形板形状または略長円板形状を有しており、係合子本体44の内部空間47(一対の本体プレート52同士の間)に配置されている。
リンク部材45の厚さ寸法は、内部空間47の軸方向幅寸法(=一対の本体プレート52の互いに対向する側面同士の間隔=中間プレート53の厚さ寸法)よりも小さい。リンク部材45は、その長手方向の一方側の端部に揺動被支持部64を有し、かつ、その長手方向の他方側の端部に係合子側第1係合部41を有する。
揺動被支持部64は、円孔により構成され、かつ、揺動支持軸46が挿通されている。これにより、リンク部材45の長手方向一方側の端部が、揺動支持軸46に対し揺動可能に接続(支持)されている。係合子側第1係合部41は、円孔により構成され、かつ、第1回転部材側係合部15が挿通されている。これにより、リンク部材45の長手方向他方側の端部が、第1回転部材側係合部15に対し揺動可能に接続されている。
揺動被支持部64の内径寸法は、揺動支持軸46の外径寸法よりも大きく設定されており、係合子側第1係合部41の内径寸法は、第1回転部材側係合部15の外径寸法よりも大きく設定されている。本例では、図6および図9に示すように、係合子11の一対の係合子側第3係合部43が第3回転部材側係合部22に接触し、かつ、第1回転部材側係合部15が係合子本体44の幅方向中央部に位置する状態で、図11に示すように、揺動支持軸46と第1回転部材側係合部15との互いに遠い側の端縁同士の間隔Waが、揺動被支持部64と係合子側第1係合部41との互いに遠い側の端縁同士の間隔Wb以下になるように設定されている(Wa≦Wb)。なお、これらの間隔WaとWbとの差Wb-Waは、クラッチ装置6の組み立てを容易にする観点からは、極力大きいことが望ましいが、その一方で、後述するように制動装置7を作動した際に、直ちにドライブモードからニュートラルモードに切り換えるようにする観点からは、極力小さいことが望ましい。
本例では、付勢部材12は、一対の係合子11を構成する、一対の係合子本体44の径方向内側面の幅方向両側部分の間に配置された、一対の付勢部材12により構成されている。一対の付勢部材12は、係合子本体44の幅方向に関して第2回転部材側係合部18から外れた位置に配置されている。一対の付勢部材12は、一対の係合子11のそれぞれを径方向外側に向かう方向、すなわち、一対の係合子11のそれぞれを第3回転部材側係合部22に近づける方向に弾性的に付勢している。これにより、第2回転部材9および第3回転部材10のそれぞれにトルクが加わっていない中立状態において、一対の係合子11のそれぞれの係合子側第3係合部43が第3回転部材側係合部22に係合した(押し付けられた)状態となるようにしている。
本例では、一対の付勢部材12のそれぞれは、コイルばねにより構成されており、それぞれの付勢部材12の軸方向両側部分の内側に、一対の係合子11(二対の中間プレート53)のそれぞれの向き合った凸部51を挿入することによって、付勢部材12が一対の係合子11(二対の係合子本体44)の径方向内側面の間から脱落することが防止されている。ただし、それぞれの係合子本体の径方向内側面の幅方向両側部分(それぞれの中間プレートの径方向内側面の幅方向中間部)に、凸部に代替して、径方向外側に向けて凹入する凹部(切り欠き)を設け、該凹部にばねのそれぞれの端部を挿入することによって、係合子本体からのばねの脱落を防止することもできる。また、一対の係合子11のそれぞれを第3回転部材側係合部に近づける方向に弾性的に付勢する付勢部材としては、コイルばねに限らず、板ばねや皿ばねなどを使用することもできる。あるいは、付勢部材を、一対の係合子の間に挟み込むように配置する以外にも、それぞれの係合子と第2回転部材との間に挟み込むように配置することもできる。
本例では、付勢部材12の外径寸法は、係合子本体44の軸方向の厚さ寸法よりも小さい。このため、付勢部材12は、図16および図17に示すように、係合子本体44の軸方向両側の側面よりも軸方向両側(外側)に突出しない。
本例のクラッチ装置6では、その組立状態で、軸方向一方側に配置した第1回転部材8の一対の第1回転部材側係合部15が、一対の係合子11の挿通孔50(一対の本体プレート52の貫通孔59)および係合子側第1係合部41に軸方向に挿入され、かつ、軸方向他方側に配置した第2回転部材9の第2回転部材側係合部18が、一対の係合子11の係合子側第2係合部42の間に軸方向に挿入されている。すなわち、一対の係合子11は、一対の係合子11の係合子側第2係合部42が第2回転部材側係合部18を径方向外側から挟むように、配置されている。
制動装置7は、車体などの固定部分23と第1回転部材8との間に設けられ、かつ、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を許容する状態と、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を阻止する状態とを切り換え可能に構成されている。本例では、制動装置7は、ディスクブレーキ装置により構成されており、図1に示すように、固定部分23に支持固定されたブレーキキャリパ65と、第1回転部材8の第1軸部13とともに回転するブレーキロータ66とを備える。
固定部分23に対する第1回転部材8の回転を阻止する際には、図示しないアクチュエータに通電したり油圧を導入したりすることで、ブレーキキャリパ65に軸方向変位を可能に支持された一対のブレーキパッドを、ブレーキロータ66に向け押し付ける。一対のブレーキパッドが、ブレーキロータ66を軸方向両側から挟持して、第1回転部材8の制動を行う。これに対して、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を許容する際には、アクチュエータへの通電または油圧の導入を停止する。この結果、リターンスプリングの作用により、一対のブレーキパッドがブレーキロータ66から離隔し、制動力が解除される。
本例の回転伝達状態切換装置5は、制動装置7により、固定部分23に対する第1回転部材8の回転の可否を切り換えることで、駆動源1の出力軸2と回転軸4との間でのトルクの伝達を許容(可能)するドライブモードと、不能とするニュートラルモードとを切り換えることができる。
<ドライブモード>
ドライブモードでは、制動装置7による第1回転部材8の制動を解除して、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を許容する。この状態で、駆動源1により、出力軸2を回転駆動すると、駆動側歯車3と歯車部21との噛合部を介して、第3回転部材10にトルクが入力され、第3回転部材10と一対の係合子11とが、クラッチ装置6の中心軸O(図3参照)を中心に、一体的に回転する(同じ方向に同じ速度で回転する)。すなわち、第2回転部材9および第3回転部材10のそれぞれにトルクが加わっていない中立状態において、第3回転部材10と一対の係合子11とは、一対の付勢部材12の作用により、係合子側第3係合部43が第3回転部材側係合部22に対し押し付けられて、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43とが摩擦係合した状態となっている。したがって、駆動源1の出力軸2を回転駆動することに伴って、図7に矢印αで示すように、第3回転部材10が中心軸Oを中心に回転すると、一対の係合子11も中心軸Oを中心に回転する。
第3回転部材10と一対の係合子11とが中心軸Oを中心に回転すると、図7に示すように、係合子側第2係合部42の底面48が、第2回転部材側係合部18の角部(側面19とガイド面20との接続部)を円周方向に押圧する。これにより、第2回転部材側係合部18が備えられた第2回転部材9に、第2回転部材9を、図7に矢印αで示す方向に回転させようとする力が加わる。この際、係合子側第2係合部42の底面48には、第2回転部材側係合部18の角部から、係合子11を径方向外側に向けて押圧する反力が加わる。この結果、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43との当接部に作用する摩擦力が増大し、該当接部で滑りが生じることが防止される。
一対の係合子11の回転に伴い、揺動支持軸46が中心軸Oを中心に回転すると、リンク部材45を介して、第1回転部材8の第1回転部材側係合部15が円周方向に引っ張られ、第1回転部材8に、第1回転部材8を回転させようとする力が加わる。ドライブモードでは、制動装置7による第1回転部材8の制動を解除して、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を許容しているため、第1回転部材8の第1回転部材側係合部15が円周方向に引っ張られると、第1回転部材8が中心軸Oを中心に回転する。この結果、第1回転部材8と第2回転部材9と第3回転部材10と一対の係合子11とが一体的に回転する。換言すれば、クラッチ装置6全体が一体となって回転する。このようにして、ドライブモードでは、第3回転部材10に入力されたトルクが、第2回転部材9および回転軸4に伝達される。
一方、ドライブモードにおいて、たとえば車両を惰性走行させる場合などに、路面から駆動輪を介して第2回転部材9にトルク(逆入力トルク)が加わると、図8に矢印βで示すように、第2回転部材側係合部18が、一対の係合子11の内側で、中心軸Oを中心に回転する。すると、第2回転部材側係合部18の側面19とガイド面20との接続部である角部が、係合子側第2係合部42の底面48を円周方向に押圧する。これにより、一対の係合子11が、径方向外側に向けて押圧され、かつ、中心軸Oを中心に回転する。一対の係合子11が径方向外側に向けて押圧されることに伴い、係合子側第3係合部43が第3回転部材側係合部22に対し押し付けられて、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43とが摩擦係合する。なお、前述のとおり、ドライブモードにおいて、第3回転部材10が回転する状態では、図7に示すように、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43とが係合した状態、すなわち当接部に作用する摩擦力が増大し、該当接部での滑りが防止された状態となっている。したがって、第2回転部材9が、図8に矢印βで示す方向に回転しようとした場合にも、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43との係合が維持されると考えることもできる。ドライブモードでは、第1回転部材8の回転が許容されているため、一対の係合子11が中心軸Oを中心に回転すると、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43との摩擦係合に基づいて、第3回転部材10も中心軸Oを中心に回転する。このようにして、第2回転部材9に入力されたトルクが、第3回転部材10に伝達される。この場合、駆動源1が、駆動輪の回転に対する負荷となる。すなわち、車両に、駆動源1の種類によって、エンジンブレーキまたは回生ブレーキが作用する。
<ニュートラルモード>
ニュートラルモードでは、制動装置7による第1回転部材8の制動を行って、固定部分23に対する第1回転部材8の回転を阻止する。この状態で、駆動源1により、出力軸2を回転駆動すると、第3回転部材10にトルクが入力され、図7に矢印αで示すように、第3回転部材10と一対の係合子11とが、中心軸Oを中心に、一体的に回転しようとする。
一対の係合子11が中心軸Oを中心に回転しようとすることに伴い、揺動支持軸46が中心軸Oを中心に回転しようとすると、リンク部材45を介して、第1回転部材8の第1回転部材側係合部15が円周方向に引っ張られ、第1回転部材8に、第1回転部材8を回転させようとする力が加わる。しかしながら、ニュートラルモードでは、制動装置7による第1回転部材8の制動によって、固定部分23に対する第1回転部材8の回転が阻止されている。このため、リンク部材45により、第1回転部材側係合部15を円周方向に引っ張ると、リンク部材45には、第1回転部材側係合部15から揺動支持軸46を径方向内側に向けて引っ張る方向の反力が加わる。
揺動支持軸46が径方向内側に向けて引っ張られると、一対の係合子11に、第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向の力が作用し、一対の係合子11が、第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向、すなわち径方向内側に向けてわずかに移動する。この結果、係合子側第3係合部43と第3回転部材側係合部22との当接部の面圧が低下または喪失して、第3回転部材10が係合子11に対して空転(摺動)するようになる。このようにして、ニュートラルモードでは、第3回転部材10から第2回転部材9へのトルクの伝達が不能になる。
ニュートラルモードにおいて、路面から駆動輪を介して第2回転部材9にトルクが加わると、図8に矢印βで示すように、第2回転部材側係合部18が、一対の係合子11同士の内側で、中心軸Oを中心に回転しようとする。すると、第2回転部材側係合部18の側面19とガイド面20との接続部である角部が、係合子側第2係合部42の底面48を円周方向に押圧する。これにより、一対の係合子11が、径方向外側に向けて押圧され、かつ、中心軸Oを中心に回転しようとして、揺動支持軸46が、リンク部材45を介して、第1回転部材側係合部15を円周方向に引っ張ろうとする。ニュートラルモードでは、第1回転部材8の回転が阻止されているため、リンク部材45により、第1回転部材側係合部15を円周方向に引っ張ると、リンク部材45には、第1回転部材側係合部15から揺動支持軸46を径方向内側に向けて引っ張る方向の反力が加わる。このようにして、一対の係合子11に、第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向の力が作用すると、一対の係合子11が、第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向に移動しようとして、係合子側第3係合部43と第3回転部材側係合部22との当接部の面圧が低下または喪失する。これにより、第2回転部材9に入力されたトルクの、第3回転部材10への伝達が不能になる。
ニュートラルモードにおいては、制動装置7により第1回転部材8の回転が阻止されている。このため、揺動支持軸46からリンク部材45を介して、第1回転部材側係合部15を円周方向に引っ張ろうとする力が加わった場合でも、第1回転部材側係合部15は、第1回転部材8に固設されていて回転できないため、係合子11の回転が阻止される。この結果、係合子11と係合している第2回転部材9の回転も阻止され、延いては、駆動輪の回転を阻止することができる。換言すれば、パーキングブレーキとしての機能を発揮することができる。
本例の回転伝達状態切換装置5によれば、制動装置7により、使用時にも回転しない固定部分23に対する第1回転部材8の回転の可否を切り換えることにより、第2回転部材9と第3回転部材10との間でトルク伝達が可能なドライブモードと、トルク伝達が不能なニュートラルモードとを切り換えることができる。換言すれば、本例の回転伝達状態切換装置5によれば、第2回転部材9と第3回転部材10との間でのトルク伝達の可否を切り換えるために、第2回転部材9と第3回転部材10との相対回転の可否を切り換える必要がない。このため、制動装置7の締結状態を切り換えるためのアクチュエータとして、油圧式のアクチュエータのように、小型かつ大きな力を発生できるアクチュエータを使用することができて、回転伝達状態切換装置5の構造を簡易化しやすい。
本例のクラッチ装置6においては、一対の係合子11のそれぞれは、係合子本体44の径方向外側面の円周方向に離隔した2箇所に係合子側第3係合部43を有している。このため、一対の付勢部材12により、一対の係合子11のそれぞれを第3回転部材側係合部22に付勢することに基づいて、第3回転部材側係合部22と係合子側第3係合部43との間に生じる摩擦力を、くさび効果によって大きくすることができる。ただし、係合子本体の径方向外側面の円周方向1箇所にのみ係合子側第3係合部を有する構造を採用することもできる。本例では、係合子側第3係合部43を、一対の本体プレート52に備えた凸面56により構成しているが、代替的に、係合子側第3係合部を、中間プレートに設けることもできる。
本例では、回転伝達状態切換装置5のドライブモードからニュートラルモードへの切換時、係合子11が第3回転部材側係合部22から遠ざかる方向(径方向内側)に移動する際に、図21(A)から図21(B)に示すように、第2回転部材側係合部18の短軸方向の先半部の長軸方向両側に位置する一対のガイド面20により、係合子側第2係合部42の幅方向両側に位置する一対の被ガイド面49が案内されることで、係合子11が幅方向に移動することを規制される。そして、図21(B)に示すように、係合子側第2係合部42の底面48が、第2回転部材側係合部18の側面19に面接触するとともに、係合子側第2係合部42の一対の被ガイド面49が、第2回転部材側係合部18の一対のガイド面20に面接触する。このため、本例の構造では、ロック状態の解除後に、係合子11が幅方向にずれ動いて第3回転部材側係合部22に接触することを有効に防止できる。本例の構造では、係合子11の径方向内側への移動の案内を、第2回転部材側係合部18を用いて行えるため、該案内を行うためだけに用いられる別部品を組み込む構造に比べて、部品点数を少なくすることができる。
係合子側第2係合部42の一対の被ガイド面49が、径方向内側に向かうほど互いの間隔が拡がる方向に傾斜した一対の凹曲面により構成され、かつ、第2回転部材側係合部18の一対のガイド面20が、前記一対の凹曲面に合致する一対の凸曲面により構成されている。このため、図21(A)に示すように、係合子11が第2回転部材側係合部18から径方向外側に離れた状態では、一対の被ガイド面49と一対のガイド面20との間に隙間が形成され、かつ、該隙間の大きさ(幅方向寸法)は、径方向外側に向かうほど大きくなっている。このため、本例の構造では、係合子11が第2回転部材側係合部18から径方向外側に離れた状態において、幅方向や回転方向に関する係合子11の動きを適度に許容することができ、係合子11に無理な力が加わることを有効に防止できる。
本例の回転伝達状態切換装置5によれば、ドライブモードからニュートラルモードへの切り換えを円滑に行うことができる。この点について、図20(A)および図20(B)を参照しつつ説明する。
図20(A)(a)および図20(A)(b)は、本例の構造に関して、第1回転部材8の一部と係合子11の一部との相互の位置関係を示している。より具体的には、図20(A)(a)は、第1回転部材側係合部15が係合子11の幅方向中央部に位置し、かつ、リンク部材45が最も径方向内側に寄った状態での、前記位置関係を示している。図20(A)(b)は、図20(A)(a)に示した状態から、係合子11が第1回転部材8に対し、図20(A)(b)の反時計方向に回転して、第1回転部材側係合部15と係合子側第1係合部41との当接部に並進荷重Fが作用することに基づいて、第1回転部材側係合部15から揺動支持軸46にリンク部材45を介して並進荷重Fが作用し始めた状態での、前記位置関係を示している。
図20(B)(a)および図20(B)(b)は、リンク部材を備えておらず、一体に構成された係合子11zが、係合子側第1係合部41zを有する比較例の構造に関して、第1回転部材8zの一部と係合子11zの一部との相互の位置関係を示している。より具体的には、図20(B)(a)は、係合子11zが最も径方向外側に位置し、かつ、第1回転部材側係合部15zが係合子11zの幅方向中央部に位置する状態での、前記位置関係を示している。図20(B)(b)は、図20(B)(a)に示した状態から、係合子11zが第1回転部材8zに対し、図20(B)(b)の反時計方向に回転して、係合子側第1係合部41zが第1回転部材側係合部15zに当接し、第1回転部材側係合部15zと係合子側第1係合部41zとの当接部Xに、回転トルクTに基づく並進荷重Ftが作用し始めた状態での、前記位置関係を示している。
比較例の構造では、図20(B)(b)に示したように、並進荷重Ftの方向、すなわち、第1回転部材8zから係合子11zに作用する荷重の方向は、ドライブモードからニュートラルモードへの切り換え時に係合子11zが移動すべき方向である、係合子11zの径方向(第3回転部材側係合部に対する係合子11zの遠近動方向)に対して大きく傾いている。
これに対して、本例の構造では、図20(A)(b)に示したように、並進荷重Fの方向、すなわち、第1回転部材8から係合子11に作用する荷重の方向は、ドライブモードからニュートラルモードへの切り換え時に係合子11が移動すべき方向である、係合子11の径方向(第3回転部材側係合部22に対する係合子11の遠近動方向)とほぼ平行な方向になっている。換言すれば、並進荷重Fの方向と係合子11が移動すべき方向とのなす角度が、比較例の構造における、並進荷重Ftの方向と係合子11zが移動すべき方向とのなす角度よりも小さい。つまり、本例の構造では、係合子11が中心軸Oを中心に回転することに基づいて、第1回転部材側係合部15に円周方向に加わる力を、係合子11を径方向内側に移動させるための力に効率よく変換することができる。このため、本例によれば、ドライブモードからニュートラルモードへの切り換えを円滑に行うことができる。
本例の構造における、図20(A)(a)に示した状態での、第1回転部材側係合部15の径方向内側面とリンク部材45の係合子側第1係合部41の内周面との間に存在する隙間Gの大きさ(前述した差Wb-Wa)、および、比較例の構造における、図20(B)(a)に示した状態での、第1回転部材側係合部15zの径方向内側面と係合子側第1係合部41zとの間に存在する隙間Gzの大きさは、いずれも、クラッチ装置の組み立てを容易にする観点からは、極力大きいことが望ましいが、その一方で、制動装置7により第1回転部材8、8zを制動した際に、直ちに係合子11、11zを径方向内側に移動させてニュートラルモードを実現できるようにする観点からは、極力小さいことが望ましい。したがって、クラッチ装置の製造においては、これらの事情を考慮して、隙間G、Gzの大きさを、適度な大きさに調整する必要がある。
比較例の構造では、隙間Gzの大きさを調整するために、係合子側第1係合部41zのうち、第1回転部材側係合部15zの径方向内側面と当接する部分を、切削加工で高精度に仕上げることが必要になる場合があり、この場合には、コストが嵩むと想定される。これに対して、本例の構造では、リンク部材45の揺動被支持部64と係合子側第1係合部41との中心間距離を管理するだけで、隙間Gの大きさを調整することができ、リンク部材45は、安価なプレス加工で造れるため、コストを抑えやすい。
本発明を実施する場合には、第3回転部材10を構成する本体24と蓋体25とを結合するための結合手段や、係合子本体44を構成する一対の本体プレート52と一対の中間プレート53とを結合するための結合手段として、リベット、溶接、接着、かしめなどの、他の結合手段を用いることもできる。また、このような他の結合手段として、互いに結合すべき複数の部品の互いに整合する位置に形成された通孔に結合軸の軸方向中間部を挿通し、かつ、該結合軸の軸方向両端部に止め輪を係止し、これらの止め輪によって前記複数の部品を軸方向両側から挟持する結合手段を採用することもできる。
また、一対の本体プレートのうちの一方の本体プレートに、一対の中間プレートのうちの一方の中間プレートを一体に形成し、一対の本体プレートのうちの他方の本体プレートに、一対の中間プレートのうちの他方の中間プレートを一体に形成することもできる。あるいは、一対の本体プレートのうちの一方の本体プレートに、一対の中間プレートを一体に形成することもできる。これらの構成を採用すれば、係合子本体を一対の本体プレートの組み合わせによって構成することができ、部品点数を少なくすることができる。
本例の回転伝達状態切換装置5に組み込んだクラッチ装置6では、一対の本体プレート52同士の間に1つのリンク部材45を揺動可能に配置する構成を採用しているが、本発明を実施する場合、1枚の本体プレートの厚さ方向両側に一対のリンク部材を揺動可能に配置する(第1回転部材側係合部により、該一対のリンク部材を介して、係合子本体を径方向内側に引っ張る)構成を採用することもできる。
本例では、駆動源1の出力軸2に備えられた駆動側歯車3を、クラッチ装置6の第3回転部材10の外周面に備えられた歯車部21と噛合し、かつ、回転軸4を、第2回転部材9に接続しているが、本発明を実施する場合には、駆動源の出力軸を第2回転部材にトルク伝達可能に接続し、かつ、回転軸に備えられた被駆動側歯車と、第3回転部材に備えられた歯車部とを噛合させることもできる。
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図22~図26を用いて説明する。本例では、クラッチ装置6aの構造が、第1例のクラッチ装置6の構造と異なる。
クラッチ装置6aは、第1回転部材8aと、第2回転部材9aと、第3回転部材10aと、係合子11aと、付勢部材12aとを備える。
第1回転部材8aは、図23に示すように、第1軸部13aと、一対の第1回転部材側係合部15aとを有する。第1軸部13aは、制動装置7のブレーキロータ66に接続される。一対の第1回転部材側係合部15aは、第1軸部13aの先端面の直径方向反対側2箇所位置から軸方向に伸長した凸部により構成されている。
第2回転部材9aは、第1回転部材8aと同軸に配置されており、図24に示すように、第2軸部17aと、第2回転部材側係合部18aとを有する。第2軸部17aは、その基端部が回転軸4(図1参照)に接続される。第2回転部材側係合部18aは、略長円柱状で、第2軸部17aの先端面の中央部から軸方向に伸長している。第2回転部材側係合部18aは、一対の第1回転部材側係合部15aの間部分に配置される。
第3回転部材10aは、図22に示すように、円環状に構成されており、固定部分23に対し、軸受を介して回転自在に支持されている。第3回転部材10aは、第1回転部材8aおよび第2回転部材9aと同軸に、かつ、一対の第1回転部材側係合部15aおよび第2回転部材側係合部18aの径方向外側に配置されている。第3回転部材10aは、その内周面に円筒状の凹面である第3回転部材側係合部22aを有する。本例では、第3回転部材10aは、その外周面に、円筒面状のプーリ部を有する。
本例でも、係合子11aは、それぞれの径方向内側面により第2回転部材側係合部18aを径方向外側から挟むように配置された、一対の係合子11aにより構成されている。一対の係合子11aのそれぞれは、略半円形板状に構成されており、第3回転部材10aの径方向内側に配置されている。それぞれの係合子11aは、第3回転部材側係合部22aに対向する径方向外側面に、部分円筒状の凸面である係合子側第3係合部43aを有する。係合子側第3係合部43aの曲率半径は、第3回転部材側係合部22aの曲率半径以下である。
一対の係合子11aを第3回転部材10aの径方向内側に配置した状態で、第3回転部材側係合部22aと係合子側第3係合部43aとの間部分、および、一対の係合子11aの径方向内側面70の間部分の少なくとも一方に隙間が存在するように、第3回転部材10aの内径寸法および係合子11aの径方向寸法が規制されている。
それぞれの係合子11aは、係合子側第1係合部41aと、係合子側第2係合部42aとを有する。係合子側第1係合部41aは、係合子11aの径方向中間部を軸方向に貫通する孔により構成されている。係合子側第1係合部41aは、第1回転部材側係合部15aを緩く挿入できる大きさを有する。このため、第1回転部材側係合部15aは、係合子側第1係合部41a(係合子11a)に対し、第1回転部材8aの回転方向に関する変位が可能であり、係合子側第1係合部41a(係合子11a)は、第1回転部材側係合部15aに対し、係合子11aの径方向の変位が可能である。係合子側第2係合部42aは、係合子11aの径方向内側面の幅方向中央部から径方向外方に向けて凹んだ略矩形状の凹部により構成されている。係合子側第2係合部42aは、その内側に第2回転部材側係合部18aの短軸方向の先半部を配置できる大きさを有する。
それぞれの係合子11aは、径方向内側面の幅方向両側部分から径方向外方に向けて凹んだ略矩形状の凹部67を有する。
本例では、付勢部材12aは、一対の係合子11aの径方向内側面の幅方向両側部分の間に配置された、一対の付勢部材12aにより構成されている。それぞれの付勢部材12aのそれぞれの端部は、一対の係合子11aのそれぞれの凹部67に挿入されている。
本例のクラッチ装置6aでは、その組立状態で、軸方向一方側に配置した第1回転部材8aの一対の第1回転部材側係合部15aが、一対の係合子11aの係合子側第1係合部41aに軸方向に挿入され、かつ、軸方向他方側に配置した第2回転部材9aの第2回転部材側係合部18aが、一対の係合子側第2係合部42aの間に軸方向に挿入されている。すなわち、一対の係合子11aは、それぞれの係合子側第2係合部42aが第2回転部材側係合部18aを径方向外側から挟むように、配置されている。
<ドライブモード>
制動装置7による第1回転部材8aの制動を解除したドライブモードでは、駆動源1の出力軸2(図1参照)を回転駆動することにより、出力軸2と、第3回転部材10aの外周面に備えられたプーリ部とにかけ渡されたベルトを介して、第3回転部材10aにトルクが入力されると、図25に矢印αで示すように、第3回転部材10aと一対の係合子11aとが、クラッチ装置6aの中心軸Oを中心に、一体的に回転する。すなわち、一対の付勢部材12aにより、係合子11aが第3回転部材側係合部22aに近づく方向に押圧され、第3回転部材側係合部22aと係合子側第3係合部43aとが摩擦係合した状態となっているため、第3回転部材10aの回転に伴い、一対の係合子11aも回転する。
第3回転部材10aと一対の係合子11aとの回転に伴い、図25に示すように、係合子側第2係合部42aの底面48aにより、第2回転部材側係合部18aの側面19aとガイド面20aとの接続部である角部が円周方向に押圧される。これにより、第2回転部材9aに、第2回転部材9aを回転させようとする力が加わる。この際、係合子側第2係合部42aの底面48aには、第2回転部材側係合部18aの側面19aとガイド面20aとの接続部である角部から、係合子11aを径方向外側に向けて押圧する反力が加わる。この結果、第3回転部材側係合部22aと係合子側第3係合部43aとの当接部に作用する摩擦力が増大し、該当接部で滑りが生じることが防止される。
一対の係合子11aの回転が回転すると、係合子側第1係合部41aにより第1回転部材側係合部15aが円周方向に押され、第1回転部材8aに、第1回転部材8aを回転させようとする力が加わる。ドライブモードでは、制動装置7による第1回転部材8aの制動を解除して、固定部分23に対する第1回転部材8aの回転を許容しているため、第1回転部材8aの第1回転部材側係合部15aが円周方向に押されると、第1回転部材8aが中心軸Oを中心に回転する。この結果、第1回転部材8aと第2回転部材9aと第3回転部材10aと一対の係合子11aとが一体的に回転する。換言すれば、クラッチ装置6a全体が一体となって回転する。このようにして、ドライブモードでは、第3回転部材10aから、第2回転部材9aへのトルクの伝達が許容される。
ドライブモードにおいて、路面から駆動輪を介して第2回転部材9aにトルクが加わると、図26に矢印βで示すように、第2回転部材側係合部18aが、一対の係合子11の内側で、中心軸Oを中心に回転する。すると、第2回転部材側係合部18aの側面19aとガイド面20aとの接続部である角部が、係合子側第2係合部42aの底面48aを円周方向に押圧する。これにより、一対の係合子11aが、径方向外側に向けて押圧され、かつ、中心軸Oを中心に回転する。一対の係合子11aが径方向外側に向けて押圧されることに伴い、係合子側第3係合部43aが第3回転部材側係合部22aに対し押し付けられて、第3回転部材側係合部22aと係合子側第3係合部43aとが摩擦係合する。ドライブモードでは、第1回転部材8aの回転が許容されているため、一対の係合子11aが中心軸Oを中心に回転すると、第3回転部材側係合部22aと係合子側第3係合部43aとの摩擦係合に基づいて、第3回転部材10aも中心軸Oを中心に回転する。このようにして、第2回転部材9aに入力されたトルクが、第3回転部材10aに伝達される。
<ニュートラルモード>
制動装置7により第1回転部材8aの回転を阻止したニュートラルモードでは、駆動源1により、出力軸2を回転駆動すると、第3回転部材10aにトルクが入力され、図25に矢印αで示すように、第3回転部材10とa一対の係合子11aとが、中心軸Oを中心に、一体的に回転しようとする。
一対の係合子11aが回転しようとすると、係合子側第1係合部41aにより第1回転部材側係合部15aが円周方向に押され、第1回転部材8aに、第1回転部材8aを回転させようとする力が加わる。ニュートラルモードでは、制動装置7による第1回転部材8aの制動によって、固定部分23に対する第1回転部材8aの回転が阻止されている。このため、係合子側第1係合部41aにより第1回転部材側係合部15aを円周方向に押圧すると、第1回転部材側係合部15aから係合子側第1係合部41aに、係合子側第1係合部41aの径方向内側面を径方向内側に押圧する反力が加わる。この結果、係合子11aが第3回転部材側係合部22aから遠ざかる方向、すなわち径方向内側に向けてわずかに移動し、係合子側第3係合部43aと第3回転部材側係合部22aとの当接部の面圧が低下または喪失する。これにより、第3回転部材10aが係合子11aに対して空転または摺動するようになる。このようにして、ニュートラルモードでは、歯車部21と第2軸部17aとの間でのトルクの伝達が不能になる。
ニュートラルモードにおいて、路面から駆動輪を介して第2回転部材9aにトルクが加わると、図26に矢印βで示すように、第2回転部材側係合部18aが、一対の係合子11a同士の内側で、中心軸Oを中心に回転する。すると、第2回転部材側係合部18aの側面19aとガイド面20aとの接続部である角部が、係合子側第2係合部42aの底面48aを円周方向に押圧する。これにより、一対の係合子11aが、径方向外側に向けて押圧され、かつ、中心軸Oを中心に回転しようとして、係合子側第1係合部41により、第1回転部材側係合部15aが円周方向に押圧される。ニュートラルモードでは、第1回転部材8aの回転が阻止されているため、係合子側第1係合部41により、第1回転部材側係合部15aを円周方向に押圧すると、係合子側第1係合部41には、第1回転部材側係合部15aから、係合子11aを第3回転部材側係合部22aから遠ざける方向の反力が加わる。この結果、一対の係合子11aが、第3回転部材側係合部22aから遠ざかる方向にわずかに移動しようとして、係合子側第3係合部43aと第3回転部材側係合部22aとの当接部の面圧が低下または喪失する。このようにして、第2回転部材9aに入力されたトルクの、第3回転部材10aへの伝達が不能になる。
本例でも、ニュートラルモードにおいては、制動装置7により第1回転部材8aの回転が阻止されているため、係合子11aから第1回転部材側係合部15aに、第1回転部材側係合部15aを円周方向に押圧する力が加わった場合でも、係合子11aの回転が阻止される。この結果、第2回転部材9aの回転も阻止され、延いては、駆動輪の回転を阻止することができる。換言すれば、パーキングブレーキとしての機能を発揮することができる。
本例のクラッチ装置6aは、第1例のクラッチ装置6よりも簡易に構成することができ、コストを抑えることができる。その他の部分の構成および作用効果は、第1例と同様である。
[第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図27を用いて説明する。本例の回転伝達状態切換装置5aでは、クラッチ装置6の第1回転部材8の回転の可否を切り換える規制装置として、電動モータ68が使用されている。すなわち、電動モータ68への通電を制御することにより、第1回転部材8の回転を許容する状態と、第1回転部材8の回転を規制(阻止)する状態とを切り換える。
本例の回転伝達状態切換装置5aでは、駆動源1の出力軸2と回転軸4との間でのトルクの伝達を許容するドライブモードにおいては、電動モータ68への通電を制御し、電動モータ68により第1回転部材8に付与するトルクを0にするか、あるいは小さくして、第1回転部材8の回転を許容する。これに対して、駆動源1の出力軸2と回転軸4との間でのトルクの伝達を不能とするニュートラルモードにおいては、電動モータ68への通電を制御し、電動モータ68により第1回転部材8に付与するトルクを大きくして、第1回転部材8の回転を規制する。その他の部分の構成および作用効果は、第1例と同様である。
[第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図28を用いて説明する。本例では、駆動源1aの側に、第2回転部材9が配置され、かつ、駆動輪の側に、第3回転部材10が配置されている。すなわち、第2回転部材9の第2軸部17(図2、図4、および図5など参照)は、駆動源1aの出力軸2aの軸方向一方側の端部に、出力軸2aと一体に備えられるか、あるいは、出力軸2aの軸方向一方側の端部に結合固定されている。また、第3回転部材10の歯車部21には、駆動輪にトルク伝達可能に接続された回転軸4aに備えられた被駆動側歯車69が噛合されている。
本例では、電動モータ68への通電を制御し、電動モータ68により第1回転部材8に付与するトルクを0にするか、あるいは小さくして、第1回転部材8の回転を許容することにより、駆動源1aの出力軸2aと回転軸4aとの間でのトルクの伝達を許容するドライブモードに切り換える。これに対して、電動モータ68への通電を制御し、電動モータ68により第1回転部材8に付与するトルクを大きくすることにより、駆動源1aの出力軸2aと回転軸4aとの間でのトルクの伝達を不能とするニュートラルモードに切り換える。その他の構成および作用効果は、第1例および第3例と同様である。
1、1a 駆動源
2、2a 出力軸
3 駆動側歯車
4、4a 回転軸
5、5a 回転伝達状態切換装置
6、6a クラッチ装置
7 制動装置
8、8a、8z 第1回転部材
9、9a 第2回転部材
10、10a 第3回転部材
11、11a、11z 係合子
12、12a 付勢部材
13、13a 第1軸部
14 腕部
15、15a、15z 第1回転部材側係合部
16 支持孔
17、17a 第2軸部
18、18a 第2回転部材側係合部
19、19a 側面
20、20a ガイド面
21 歯車部
22、22a 第3回転部材側係合部
23 固定部分
24 本体
25 蓋体
26 ボルト
27 外径側筒部
28 内径側筒部
29 側板部
30 本体側インロー嵌合面
31 ねじ孔
32 本体側軸受嵌合面
33 外径側筒部
34 内径側筒部
35 側板部
36 蓋体側インロー嵌合面
37 通孔
38 蓋体側軸受嵌合面
39 蓋体側軸受
40 本体側軸受
41、41a、41z 係合子側第1係合部
42、42a 係合子側第2係合部
43、43a 係合子側第3係合部
44 係合子本体
45 リンク部材
46 揺動支持軸
47 内部空間
48 底面
49 被ガイド面
50 挿通孔
51 凸部
52 本体プレート
53 中間プレート
54 ボルト
55 ナット
56 凸面
57 支持孔
58 プレート側係合部
59 貫通孔
60 通孔
61 位置決め孔
62 通孔
63 位置決め孔
64 揺動被支持部
65 ブレーキキャリパ
66 ブレーキロータ
67 凹部
68 電動モータ
69 被駆動側歯車

Claims (8)

  1. クラッチ装置と、規制装置とを備え、
    前記クラッチ装置は、
    第1回転部材側係合部を有する第1回転部材と、
    前記第1回転部材側係合部よりも径方向内側に配置された第2回転部材側係合部を有する第2回転部材と、
    その内周面に、第3回転部材側係合部を有する第3回転部材と、
    前記第1回転部材側係合部と係合する係合子側第1係合部、その径方向内側面に備えられ、かつ、前記第2回転部材側係合部と係合する係合子側第2係合部、および、その径方向外側面に備えられ、かつ、前記第3回転部材側係合部と係合する係合子側第3係合部を有する係合子と、
    前記係合子を、前記第3回転部材側係合部と前記係合子側第3係合部とが係合する方向である径方向外側に向かう方向に弾性的に付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記第1回転部材側係合部は、前記第3回転部材側係合部の径方向内側に配置され、かつ、前記第2回転部材側係合部は、前記第3回転部材側係合部の径方向内側に配置されており、
    前記規制装置は、前記第1回転部材の回転を許容する状態と、前記第1回転部材の回転を規制する状態とを切り換え可能に構成されており、
    前記規制装置により前記第1回転部材の回転を許容した状態で、前記第3回転部材にトルクが入力されると、前記第1回転部材と前記第2回転部材と前記第3回転部材と前記係合子とが一体的に回転することにより、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間でのトルクの伝達を許容するのに対し、前記規制装置により前記第1回転部材の回転を阻止した状態で、前記第3回転部材に回転トルクが入力されると、前記係合子側第1係合部と前記第1回転部材側係合部との係合に基づいて、前記係合子が前記係合子側第3係合部を前記第3回転部材側係合部から遠ざかる方向である径方向内側に向けて移動し、前記係合子側第3係合部と前記第3回転部材側係合部との当接圧を低下または喪失させることで、前記第2回転部材と前記第3回転部材との間でトルクの伝達を不能とする、
    回転伝達状態切換装置。
  2. 前記規制装置は、使用時にも回転しない固定部分と前記第1回転部材との間に設けられ、かつ、前記固定部分に対する前記第1回転部材の回転を許容する状態と、前記固定部分に対する前記第1回転部材の回転を阻止する状態とを切り換える制動装置、または電動モータにより構成されている、請求項1に記載の回転伝達状態切換装置。
  3. 前記係合子は、それぞれの径方向内側面により前記第2回転部材側係合部を径方向外側から挟むように配置された一対の係合子により構成される、請求項1または2に記載の回転伝達状態切換装置。
  4. 前記係合子は、
    前記係合子側第2係合部と、前記係合子側第3係合部と、前記第3回転部材側係合部に対する前記係合子側第3係合部の遠近動方向に関して前記係合子側第1係合部よりも前記第3回転部材側係合部に近い側に位置する揺動支持部を有する係合子本体と、
    前記係合子側第1係合部、前記揺動支持部に対し揺動可能に支持された揺動被支持部を有するリンク部材と、
    を備える、請求項1~3のいずれかに記載の回転伝達状態切換装置。
  5. 前記係合子本体は、
    前記係合子側第2係合部を構成するプレート側係合部をそれぞれ有し、前記第3回転部材側係合部の軸方向に関して重畳して配置され、かつ、互いに結合された一対の本体プレートと、
    前記揺動支持部を構成し、軸方向両側部分が前記一対の本体プレートに支持された揺動支持軸と、
    を備え、
    前記リンク部材が、前記一対の本体プレートの間に配置されている、
    請求項に記載の回転伝達状態切換装置。
  6. 前記係合子本体は、前記一対の本体プレートの間に挟持された中間プレートを備える、請求項に記載の回転伝達状態切換装置。
  7. 前記第3回転部材は、その外周面にトルク入出力部を有する、請求項1~のいずれかに記載の回転伝達状態切換装置。
  8. 駆動源の回転トルクを駆動輪に伝達する駆動系に組み込んで使用される、請求項1~のいずれかに記載の回転伝達状態切換装置。
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