JP7102858B2 - 経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラム - Google Patents

経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラム Download PDF

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Description

本発明は、経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラムに関する。
従来、車両の経路を特定する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、通過コストに基づいて経路を探索する技術が開示されており、道路中の急カーブの数が多いほど、また車両重量が大きいほど通過コストが大きくなるように通過コストが変更されることで燃料消費を抑制する技術が開示されている。
特開2011-185604号公報
荷物の運送に利用される車両は、一般的な乗用車よりも重量が大きい。カーブを走行する際に推奨される車速は、重量が大きい車両と小さい車両とで異なる場合が多い。従って、車両の重量が異なると、カーブを含む区間の旅行時間が異なる。従来技術においては、このような車両の重量による旅行時間の変化に応じた経路の探索を行うことができなかった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路を利用可能にする技術の提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、経路探索システムは、車両の目的地を取得する目的地取得部と、道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて目的地に到達する経路を探索する経路探索部と、を備え、カーブを含む道路区間における通過コストは、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定される。
また、上記の目的を達成するため、経路探索プログラムは、コンピュータを、車両の目的地を取得する目的地取得部、道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて目的地に到達する経路を探索する経路探索部、として機能させる経路探索プログラムであって、カーブを含む道路区間における通過コストは、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定される。
さらに、上記の目的を達成するため、経路案内システムは、道路区間における車両の車速に応じた通過コストであって、カーブを含む道路区間においては車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定される通過コストに基づいて探索された、車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部と、経路を案内する経路案内部と、を備える。
さらに、上記の目的を達成するため、経路案内プログラムは、コンピュータを、道路区間における車両の車速に応じた通過コストであって、カーブを含む道路区間においては車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定される通過コストに基づいて探索された、車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部、経路を案内する経路案内部、として機能させる。
すなわち、経路探索システム、経路探索プログラムによれば、車両の重量とカーブの曲率に基づいて取得された推奨車速に基づいて当該カーブの通過コストが特定される。従って、車両の重量が大きいことによって低速で走行する必要があるカーブは、その推奨車速に応じた通過コストに設定される。このため、通過コストに基づいて探索を行えば、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路探索を実行することが可能である。また、経路案内システム、経路案内プログラムによれば、案内された経路に従って車両を走行させることにより、利用者は車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路を選択することができる。
経路探索システムおよび経路案内システムのブロック図である。 経路探索処理を示すフローチャートである。 図3A,図3Bは、経路探索の例を示す図である。 警告の例を示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システム構成:
(1-1)経路案内システムの構成:
(1-2)経路探索システムの構成:
(1-3)運行管理者端末の構成
(2)経路探索処理:
(3)他の実施形態:
(1)システム構成:
図1は、本発明にかかる経路案内システム10および経路探索システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態において経路探索システム100は、複数の車両(本実施形態においてはトラック等の運搬車両)によって荷物を運搬する際に利用される。本実施形態において経路探索システム100は、車両で利用される経路案内システム10および運行管理者端末50と協働する。運行管理者端末50は、複数の車両を利用して荷物の運搬サービスを提供する事業者によって利用される端末であり、主に、複数の車両の運行管理を行うために利用される。運行管理者端末50は1台以上の端末が用意され、例えば、事業者の拠点等に設置される。経路案内システム10は、複数の車両のそれぞれで利用され、車両に搭載されてもよいし、可搬型の端末が車両に持ち込まれて利用されても良い。
(1-1)経路案内システムの構成:
本実施形態において運行管理者は、荷物の荷主から運搬の依頼を受けて荷物の運搬計画を策定し、複数の車両のそれぞれにおける走行計画を特定する。走行計画は、少なくとも、車両毎の荷物と、荷物の運搬先である目的地とを含んでいる。目的地は荷物の運搬先であるため、当該目的地においては荷下ろし作業が行われる。
むろん、一台の車両に積載される荷物は複数個であってよい。また、目的地は複数個であって良く、複数の荷物が異なる地点で荷下ろしされる場合、各地点が目的地となり得る。また、運搬の過程で新たな荷物の集荷が行われる場合、荷物が積み込まれる地点が目的地となり得る。さらに、荷物の運搬が終了し、荷物が積載されていない状態で拠点に戻る場合、当該拠点が目的地となり得る。さらに、走行計画には他にも種々の情報が含まれていて良く、例えば、目的地への荷物の運搬期限等が含まれていても良い。
いずれにしても、本実施形態においては各車両で各車両の走行計画に従って走行する必要がある。本実施形態にかかる経路案内システム10は、走行計画に従う経路に沿って車両を誘導する案内を行うための端末である。経路案内システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、図示しない記録媒体、通信部15、GNSS受信部16、車速センサ17、ジャイロセンサ18を備えている。制御部20は、図示しない記録媒体やROMに記憶された図示しない経路案内プログラム21を実行することができる。
図示しない記録媒体には、走行計画に従って運搬を行うために走行すべき経路を示す情報と地図情報とが記録される。地図情報は、車両の位置や案内対象の施設の特定等に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。地物を示すデータには、地物の属性が対応づけられている。
GNSS受信部16は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ17は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ18は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ17およびジャイロセンサ18等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部16の出力信号に基づいて補正される。
通信部15は、他の装置と通信を行う回路を備えている。制御部20は、通信部15を介して経路探索システム100と通信を行うことが可能である。制御部20は、経路案内プログラム21の機能により、経路探索システム100から送信される経路を取得し、当該経路に従って車両を誘導する案内を行う。
すなわち、制御部20が、経路案内プログラム21を実行すると、制御部20は、経路取得部21aおよび経路案内部21bとして機能する。経路取得部21aは、経路探索システム100から送信された経路を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、経路取得部21aの機能により、通信部15を介して経路探索システム100と通信を行い、経路探索システム100によって探索された経路を示す情報を取得する。
経路案内部21bは、経路を案内する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、経路案内部21bの機能により、図示しないユーザI/F部(ディスプレイやスピーカー等)に地図を表示させ、地図上に表示された経路を強調表示する。そして、制御部20は、交差点等での進行方向を示す音声等をユーザI/F部に出力させることにより、経路上を走行するように車両を誘導する。
本実施形態において、経路探索システム100が生成する経路は、道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて探索された経路である。さらに、本実施形態においては、道路区間がカーブを含む場合、当該道路区間においては車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて通過コストが決定される(詳細は後述)。従って、車両の重量が大きい場合、車両の重量が大きいことにより他の一般的な重量の車両よりも車速が低くなり、結果として旅行時間が短くなるような道路区間はできるだけ避けるように経路が探索される。このため、経路案内システム10の利用者(車両の運転者)は、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路を利用し、当該経路に沿って車両を走行させることができる。
(1-2)経路探索システムの構成:
経路探索システム100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部200、記録媒体300、通信部400を備えている。通信部400は、経路案内システム10および運行管理者端末50と情報の授受を行う回路を備えており、制御部200は、通信部400を介して経路案内システム10および運行管理者端末50と通信を行うことができる。また、制御部200は、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして経路探索プログラム210を実行可能である。
また、記録媒体300には、走行計画情報300a、車両情報300b、地図情報300c、コスト情報300dが記録される。走行計画情報300aは、車両毎の走行計画を示す情報であり、運行管理者が運行管理者端末50を利用して各車両の走行計画を作成し、各車両の識別情報を各車両の走行計画に対応づけて任意のタイミングで経路探索システム100に送信する。すなわち、制御部200は、通信部400を介して当該走行計画を示す走行計画情報300aを取得し、記録媒体300に記録する。走行計画情報300aが記録されると、車両毎に、運搬すべき荷物と各荷物の運搬先とが特定された状態になる。
車両情報300bは、経路案内システム10が利用される車両の重量を示す情報であり、車両に荷物が積載された場合における総重量を示す情報である。本実施形態においては、車両の重量が予め決められ、車両の識別情報に対応づけられて車両情報300bとして記録媒体300に記録される。本実施形態においては、荷物を積んでいない状態における重量(車体重量)と、荷物の最大積載量との和を車両の重量と見なしている。すなわち、荷物の積載状況に応じて個別の荷物の重量を加味する処理を省略し、車両における最大の重量を車両毎に特定する構成となっている。
本実施形態において車両情報300bは、車両の仕様から決められるが、むろん、他の手法、例えばセンサ等によって測定されるなどの手法が採用されても良い。表1は、複数の車両の車両情報300bの例を示している。
Figure 0007102858000001
表1に示すように、車両情報300bにおいては、車両の識別情報と車両の重量とを対応づけている。
地図情報300cは、経路案内システム10の記録媒体に記録される地図情報と同様の情報であり、ノードデータ,形状補間点データ,リンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。地物の位置等を示すデータには、地物の属性が含まれている。さらに、本実施形態においてリンクデータには、リンクデータが示す道路区間の距離と制限車速とが含まれている。また、道路区間がカーブを含む場合、そのカーブの曲率がリンクデータに含まれている。むろん、道路区間の距離や曲率はノードや形状補間点の位置から算出されても良い。
表2は、カーブを含む道路区間に関するリンクデータの一部を示している。
Figure 0007102858000002
表2に示すように、リンクデータには道路区間を示す識別情報(表2においてはL1等と表記)が対応づけられており、識別情報に対して道路区間の距離、曲率、制限車速が対応づけられる。
コスト情報300dは、地図情報300cが示す道路区間毎の通過コストを示す情報であり、道路区間を示すリンクデータに対して、経路を選択する際の通過コストが対応づけられている。なお、本実施形態においては、通過コストが大きいほど経路として選択される可能性が低くなるように通過コストが定義される。
また、本実施形態において、通過コストは道路区間を通過する際の統計的な旅行時間の長さに比例した値になるように設定される。すなわち、各道路区間の距離を各道路区間における車両の平均的な車速で除することにより、各道路区間の統計的な旅行時間が得られる。道路区間における車両の平均的な車速は各種の手法で取得されて良く、本実施形態においては道路区間の制限車速である(むろん、制限車速よりも小さい車速でもよい)が、統計や測定で得られた平均車速等であっても良い。
本実施形態においては、各道路区間の統計的な旅行時間が予め特定され、旅行時間の長さに比例する通過コストが予め決められる。そして、道路区間の識別情報(表2に示すL1等)に対して道路区間の通過コストが対応づけられ、コスト情報300dとして記録媒体300に記録されている。従って、通過コストが最小化する経路を探索することにより、最短時間で目的地に到達可能な経路を探索することができる。
なお、本実施形態においては、このようにして決められた通過コストをデフォルトのコストと呼ぶ。むろん、他の思想に基づいて定義されたコストが併用されても良く、例えば、道路区間の距離に比例した値となる距離コストが定義され、総距離が最小化された経路が探索可能であっても良いし、複数の種類のコストが各種の重みで考慮されても良い。
本実施形態においてデフォルトのコストは、調整され得る。すなわち、道路区間の通過コストをデフォルトよりも大きくすることによって、デフォルトよりも経路として選択されにくくすることが可能である。また、道路区間の通過コストをデフォルトよりも小さくすることによって、デフォルトの通過コストで探索した場合よりも経路として選択されやすくすることが可能である。
本実施形態においては、車両の重量とカーブの曲率に基づいて取得される推奨車速に基づいて通過コストを調整する。すなわち、同一の曲率のカーブであっても、車両の重量が大きい場合、小さい場合よりも車両を扱う難易度が高くなる。例えば、車両の重量が大きい場合には小さい場合よりも制動距離が大きくなり、状況変化等に応じて車両を停止させることが困難になる。また、車両の重量が大きい場合には小さい場合よりも曲がりにくくなり、運転者の技術が必要になる。さらに、荷物が積載されている車両は、積載されていない車両と比較して荷崩れのリスクがあり、荷崩れを発生させないように走行させる必要がある。
このように、車両の重量が大きくなると車両を扱う難易度が高くなるが、本実施形態においては当該難易度が遠心力によって評価できると見なしている。すなわち、本実施形態においては、カーブにおいて車両に作用する遠心力が既定の値以下である場合に車両を扱うことが容易であると見なされる。
遠心力は、一般的に車両の質量M、車速V、曲率φにより、M×V2×φと表現される。従って、遠心力が既定値C以下になるためには、車速V0が(C/(φ×M))1/2以下であれば良い。そこで、本実施形態においては、遠心力を既定値C以下にする車速V0にマージンを設けた車速(例えば、一定値を減じる、1より小さい係数を乗じる等によって得られた車速)を推奨車速Vrとする。
通過コストは、旅行時間の長さに比例するコストであり、旅行時間は(道路区間の距離)/(平均的な車速)で特定することができる。従って、デフォルトのコストを算出する際に利用された道路区間の平均的な車速Vl(本実施形態においては制限車速)と、道路区間における推奨車速Vrとが異なれば、通過コストが異なる。そこで、本実施形態においては、デフォルトのコストを算出する際に利用された道路区間の平均的な車速Vlと、道路区間における推奨車速Vrとの比(Vl/Vr)によってコスト係数を定義し、当該コスト係数によってデフォルトのコストを調整する。本実施形態においては、経路が探索される際に当該コスト係数が取得されるが、むろん、予め各種の車両の重量に基づいて道路区間毎の推奨車速が取得され、コスト情報300dに含められていても良い。
本実施形態において、経路探索プログラム210は、目的地取得部210aと経路探索部210bとを備えている。目的地取得部210aは、車両の目的地を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部200は、走行計画情報300aを参照し、車両の識別情報に基づいて、経路探索対象の車両の目的地を取得する。
経路探索部210bは、道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて目的地に到達する経路を探索する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部200は、地図情報300cに基づいて、各車両が目的地まで到達する経路を探索する。なお、車両の出発地は既知であり、例えば、運送会社の拠点等が出発地となり得るが、むろん、車両毎に出発地が異なる場合、車両毎に出発地から目的地までの経路が探索されても良いし、各車両の現在地が出発地とされても良い。
経路探索は、コスト情報300dに基づいて行われる。すなわち、制御部200は、各車両の出発地を起点のノードとし、ノードに接続される道路区間として選択すべきか否かを判定する判定対象の道路区間について通過コストを取得する。通過コストは、コスト情報300dが示すデフォルト値またはデフォルト値にコスト係数が乗じられた値である。判定対象の道路区間の通過コストは、予め算出されていても良いし、経路として選択すべきか否か判定される際に通過コストが算出されても良い。
通過コスト算出対象の道路区間についての通過コストを算出する際に制御部200は、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて通過コストを決定する。すなわち、制御部200は、車両情報300bを参照し、経路探索対象の車両の重量を取得する。また、制御部200は、地図情報300cを参照し、通過コスト算出対象の道路区間がカーブ区間であるか否か(曲率が一定値以上であるか否か)を判定する。
通過コスト算出対象の道路区間がカーブ区間である場合、制御部200は、地図情報300cに基づいて当該道路区間のカーブの曲率を取得する。さらに、制御部200は、重量Mの車両に対して曲率φのカーブ区間で作用する遠心力が既定値C以下になるようにするための車速V0を取得する。そして、制御部200は、当該車速V0にマージンを設けた車速を推奨車速Vrとする。
推奨車速Vrが取得されると、制御部200は、地図情報300cを参照し、通過コスト算出対象の道路区間の制限車速Vlを取得し、Vl/Vrをコスト係数として取得する。そして、制御部200は、通過コスト算出対象の道路区間のデフォルトの通過コストに、当該コスト係数を乗じて得られた値を当該道路区間の通過コストと見なす。
通過コスト算出対象の道路区間が、カーブ区間であると判定されない場合、制御部200は、コスト情報300dに基づいてデフォルトの通過コストを取得し、当該道路区間の通過コストと見なす。
通過コストが得られると、制御部200は、当該通過コストに基づいて公知の手法、例えば、ダイクストラ法等によって出発地から目的地までの経路を探索する。経路が探索されると、制御部200は、経路探索部210bの機能により、各車両で利用される経路案内システム10に各車両の経路を送信する。すなわち、制御部200は、通信部400を介して複数の車両のそれぞれと通信を行い、各車両の識別情報に基づいて各車両の経路の送信先を特定する。そして、制御部200は、各車両の経路を各車両の経路案内システム10に送信する。
以上のようにして各車両の経路が各車両の経路案内システム10に送信されると、各経路案内システム10において各車両の経路が案内される。本実施形態において、経路探索システム100は、カーブ区間における通過コストを、デフォルトのコストにコスト係数であるVl/Vrを乗じることによって決定する。そして、当該推奨車速Vrは、車両の重量とカーブの曲率に基づいて取得された推奨車速に基づいて、遠心力が既定値C以下になるように決定される。
遠心力が既定値C以下になるためには、車速V0が(C/(φ×M))1/2以下であれば良いため、車両の重量が大きい場合には、小さい場合よりも推奨車速Vrが小さくなる。従って、車両が大きい場合には、小さい場合よりも推奨車速Vrが小さくなり、コスト係数Vl/Vrは大きくなる。この結果、車両が大きい場合には、小さい場合よりも推奨車速Vrが小さくなり、調整後の通過コストが大きくなる。
本実施形態においては、このように算出された通過コストに基づいて経路を探索するため、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路探索を実行することが可能である。また、車両の重量が増加することによって難易度が高くなり、結果として小さい車速での走行が強いられる状況において、当該車速の減少が反映された状態で経路を探索することができる。従って、車両の重量に応じて車速が低下したとしても、その低下が考慮された状態で経路が探索される。このため、旅行時間が低下し得る道路区間を避けることが可能である。また、経路に基づいて到着予想時刻を取得する際には、予想精度を向上させることができる。
(1-3)運行管理者端末の構成:
運行管理者端末50は、運行管理者が車両毎の走行計画を入力するための端末である。運行管理者端末50は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部52、図示しない記録媒体、ユーザI/F部54、通信部55を備えている。制御部52は、図示しない記録媒体やROMに記憶された図示しないプログラムを実行することができる。
ユーザI/F部54は、運行管理者の入力を受け付ける入力部と、情報を表示する出力部とを備えており、任意の情報を出力部に表示することができる。むろん、出力部の出力態様は表示に限定されず、音声出力等であっても良い。通信部55は、他の装置と通信を行う回路を備えており、制御部52は、通信部55を介して経路探索システム100と通信を行うことが可能である。
制御部52は、図示しないプログラムの機能により、各車両の走行計画を入力するためのインタフェース画面をユーザI/F部54の出力部に表示させることが可能である。運行管理者は当該インタフェース画面において車両の識別情報を視認しながら、各車両に積載する荷物、目的地等を入力することが可能である。
すなわち、制御部52は、ユーザI/F部54の入力部を利用した運行管理者の操作に基づいて、各車両に積載する荷物を受け付ける。また、ユーザI/F部54の入力部を利用した運行管理者の操作に基づいて、制御部52は、目的地等を受け付ける。そして、制御部52は、各車両の識別情報に対して、各車両に積載される荷物と目的地とを対応付け、通信部55を介して当該識別情報を経路探索システム100に送信する。以上の構成においては、運行管理者が目的地を指定すれば、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路が探索され、案内される。なお、本実施形態においては荷物を示す情報が送信されるが、荷物の実際の重量を考慮して車両の重量が特定される構成であれば、荷物の重量を情報が送信され、経路探索システム100で利用されても良い。
(2)経路探索処理:
次に、制御部200が実行する経路探索処理を説明する。運行管理者は、予め運行管理者端末50を利用して車両毎の走行計画を示す走行計画情報300aを作成し、経路探索システム100に送信する。経路探索システム100は、通信部400を介して走行計画情報300aを取得し、記録媒体300に記録する。経路案内システム10が利用される車両においては、車両の重量を示す情報が予め特定され、車両の識別情報に対応づけられて車両情報300bが生成される。車両情報300bは、車両から経路探索システム100に対して送信され、経路探索システム100においては通信部400を介して車両情報300bを取得し、記録媒体300に記録する。
以上のようにして、走行計画情報300aおよび車両情報300bが記録媒体300に記録され、また、地図情報300cおよびコスト情報300dが予め定義されて記録媒体300に記録された状態で、経路探索システム100は経路探索処理を実行する。なお、経路探索処理は、運行管理者が管理する車両のそれぞれに対して実行可能である。ここでは、ある一台の車両を経路探索対象の車両として経路探索処理を説明するが、複数の車両のそれぞれについて経路が探索される場合、車両の識別情報に基づいて各車両の走行計画情報300aおよび車両情報300bが参照され、それぞれの車両について経路探索処理が実行される。
経路探索処理が開始されると、制御部200は、走行計画を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部200は、経路探索対象の車両の識別情報が対応づけられた走行計画情報300aを記録媒体300から取得して図示しないRAM等に記録する。
次に、制御部200は、目的地取得部210aの機能により、目的地を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部200は、ステップS100で取得された走行計画情報300aを参照し、当該車両の目的地を取得してRAM等に記録する。
以後、制御部200は、経路探索部210bの機能により、車両の出発地から目的地までの経路を探索するために、道路区間毎の通過コストを決定する。通過コストは、少なくとも道路区間が選択されるか否か判定される段階で決まっていれば良い。従って、経路探索の過程で通過コストを参照する必要がある道路区間の通過コストが順次決定されても良いし、通過コストを参照し得る複数の道路区間の通過コストが予め決められていても良い。
ここでは、複数の道路区間の通過コストが予め決められる構成について説明する。従って、この場合において制御部200は、出発地から目的地までの間に存在し、経路となり得る複数の道路区間を特定する。本例では、これらの複数の道路区間が通過コスト算出対象である。通過コスト算出対象は経路となり得る道路区間であれば良く、例えば、出発地から既定距離以内にある道路区間と、目的地から既定距離以内にある道路区間と、出発地から目的地まで延びる直線から既定距離以内にある道路区間とが通過コスト算出対象と見なされる構成等が挙げられる。むろん、経路探索の過程で通過コストが未定の道路区間を選択し得る状況になれば、その道路区間について通過コストが決定された後に経路探索が継続される。
次に、制御部200は、経路探索部210bの機能により、車両の重量を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部200は、車両情報300bに基づいて、経路探索対象の車両の重量Mを取得する。例えば、車両情報300bが表1のような例である場合において車両の識別情報ID1である場合、制御部200は重量Mを15000kgと取得する。
次に、制御部200は、経路探索部210bの機能により、通過コスト算出対象の道路区間の曲率を取得する(ステップS115)。すなわち、制御部200は、地図情報300cを参照し、通過コスト算出対象の道路区間の曲率φを取得する。例えば、表2に示す例において、通過コスト算出対象の道路区間がL1である場合、制御部200は、曲率φをφ1として取得する。
次に、制御部200は、経路探索部210bの機能により、車両の重量と曲率に基づいて推奨車速を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部200は、通過コスト算出対象の道路区間の曲率φに基づいて、通過コスト算出対象の道路区間がカーブ区間であるか否かを判定する。通過コスト算出対象の道路区間がカーブ区間である場合、制御部200は、カーブにおいて車両に作用する遠心力が既定値C以下になるような車速V0をV0=(C/(φ×M))1/2として算出する。そして、車速V0にマージンを設けてより小さい値とした車速を推奨車速Vrとする。例えば、表2に示す例において、通過コスト算出対象の道路区間がL1である場合に推奨車速Vrが40km/hなどのように算出される例が想定される。通過コスト算出対象の道路区間がカーブ区間でない場合、制御部200は、ステップS120,S125をスキップし、通過コスト算出対象の道路区間のコスト係数を1とみなす(実質的にコストの調整は行われない)。
次に、制御部200は、経路探索部210bの機能により、推奨車速に基づいてコスト係数を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部200は、地図情報300cを参照して通過コスト算出対象の道路区間の制限車速Vlを取得し、制限車速Vlと推奨車速Vrとの比(Vl/Vr)をコスト係数として取得する。例えば、表2に示す例において、通過コスト算出対象の道路区間がL1であり、推奨車速Vrが40km/hである場合、コスト係数は50/40である。
次に、制御部200は、経路探索部210bの機能により、コスト係数に基づいてコストを調整する(ステップS130)。すなわち、制御部200は、地図情報300cを参照し、通過コスト算出対象の道路区間におけるデフォルトのコストを取得する。そして、制御部200は、デフォルトのコストにコスト係数を乗じてコストを取得する。
以上のようにして、経路探索において経路の候補となる道路区間のコスト係数が得られると、制御部200は、経路探索部210bの機能により、経路を探索する(ステップS140)。すなわち、制御部200は、ステップS130で決定された通過コストに基づいて、ダイクストラ法等のアルゴリズムによって出発地から目的地までの経路を探索する。
図3Aおよび図3Bは、本実施形態にかかる経路探索の例を示す図である。これらの図においては、ノードを白丸、リンクを実線で示しており、通過コストをリンクに重ねて示している。また、出発地のノードはS,目的地のノードはGである。また、図3Aにおいては重量が軽い車両における通過コストを示し、図3においては重量が重い車両における通過コストを示している。
また、この例においては、道路区間L3にカーブ区間が含まれており、他の区間は直線であることが想定されている。図3Bに例示された車両は、図3Aに例示された車両よりも重量が重く推奨車速が小さいため、コスト係数がより大きくなる。図3Bに示す例ではこの状況を反映して道路区間L3の通過コストが図3Aに示す例の5/4倍になっている。
そして、図3Aに示す通過コストに基づいて経路が探索されると、通過コストの和が最小化されることによって道路区間L1,L2,L3と走行する経路が探索される。一方、図3Bに示す通過コストに基づいて経路が探索されると、道路区間L4,L5と走行する経路が探索される。本実施形態においては、このように、車両の重量に応じた旅行時間の変化を反映した経路探索を実行することが可能である。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて通過コストが決定される限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、車両の重量とカーブの曲率に基づいて取得される推奨車速は、上述の算出式(C/(φ×M))1/2に基づいて算出される構成に限定されず、車両の重量とカーブの曲率との組み合わせに対して推奨車速が対応付けられたマップが予め定義され、当該マップに基づいて取得されても良い。
上述の実施形態を構成する各システムは、機能を共有したより少ない装置で構成されても良い。このような例としては、図1に示す少なくとも1台のシステムが、他の1台以上のシステムと同一の装置で構成される例が挙げられる。例えば、経路案内システム10と運行管理者端末50とが一体の装置で構成されても良いし、経路探索システム100と運行管理者端末50とが一体の装置で構成されても良いし、経路探索システム100と経路案内システム10とが一体の装置で構成されても良い。
むろん、経路案内システム10は、車両に備えられていても良いし、可搬型の端末等であっても良い。さらに、図1に示すシステムがより多数のシステムで構成されても良い。例えば、経路探索システム100がクラウドサーバで構成されても良い。さらに、運行管理者端末50から経路探索システム100にアクセスし、経路探索システム100の制御下において走行計画情報300aを作成するような構成であっても良い。
また、経路探索システム100を構成する各部(目的地取得部210a、経路探索部210b)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、経路探索部210bにおいて通過コストを取得する機能が経路探索システム100で実現され、経路を探索する機能が経路案内システム10で実現される構成等であってもよい。
また、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。例えば、コスト係数に基づいてコストが調整されるのではなく、全ての道路区間に対して車両の重量およびカーブの曲率に基づいてコストが算出される構成であってもよい。
さらに、車両の重量に応じた旅行時間の変化は、カーブ区間以外でも発生し得る。例えば、カーブ区間の手前や停止線の手前、交差点の手前などにおいて、車速を低下させる必要や車両を停止させる必要がある場合、車両の重量に応じて制動距離が変化する。そこで、車両の重量が重いほど大きくなる制動距離を考慮し、制動距離が大きいほど通過コストが大きくなるように通過コストを決定しても良い。また、当該制動距離はブレーキ性能にも依存するため、車両のブレーキ性能に応じて通過コストが調整されても良い。
目的地取得部は、目的地を取得することができればよい。すなわち、車両の到達地点を目的地として取得することができればよい。目的地は、経由目的地および最終目的地を含む複数地点であっても良く、荷物の積み卸しが行われない地点が含まれていても良い。後者としては、荷物をおろした後、荷物が積載されていない状態で車両の拠点まで帰る際における当該拠点が挙げられる。
経路探索部は、道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて目的地に到達する経路を探索することができればよい。すなわち、道路ネットワークを構成する各道路区間を経路として選択すべきか否かが通過コストで表現されており、経路探索部においては当該通過コストに基づいて(例えば、通過コストの和が最小になるような)経路を探索可能である。
通過コストは道路区間が経路として選択されやすくなるか否かを規定する値であれば良く、例えば、通過コストが大きいほど経路として選択されにくくなる構成を採用可能である。また、通過コストは、車速に応じた値に設定されている。すなわち、各道路区間が経路として推奨される度合いが車速によって評価される。従って、道路区間で実現可能な車速(平均車速等)が大きいほど通過コストが小さくなっても良いし、既定の車速(快適に走行可能な車速として予め決められた車速等)に近いほど通過コストが小さくなっても良いし、種々の定義が可能である。
むろん、上述の実施形態のように、道路区間の距離(ノード間距離)に基づいて通過コストが決定されても良い。すなわち、車速と道路区間の距離とに基づいて算出される旅行時間が短いほど通過コストが小さくなるような構成であっても、車速に基づいて通過コストが決められていると言える。
いずれにしても、経路探索部においては、少なくとも、カーブを含む道路区間であれば車速に応じた通過コストを決定する際に、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じた通過コストとする。すなわち、カーブにおいては車両が重いほど車速を減速させる必要があるが、車両の重量とカーブの曲率からカーブの推奨車速を算出すれば、車両の重量に応じたカーブでの減速度合いを示す指標を取得することができる。従って、車速に基づいて通過コストを決定する際に、カーブにおける通過コストを推奨車速によって取得すれば、車両の重量に応じたカーブでの減速度合いを反映した通過コストを決定できる。経路探索部は、車速に応じた通過コストに基づいて経路を探索することができればよいが、むろん、経路の探索においては、他の要素、例えば、道路種別等が考慮されてもよい。
車両の重量は、カーブにおける車両の減速を評価できるように取得されれば良く、荷物を含んだ総重量である。従って、上述の実施形態のように車両における最大積載量に基づいて、車両の重量の最大値が評価されても良いし、車両に積載された荷物の重量に応じて車両の重量が評価されても良い。例えば、車両に荷物が積載された状態で車両の重量が計測されても良いし、既知の車体重量(荷物が積載されていない状態での重量)と積載される荷物の重量(実測値であっても推定値であっても良い)との和が車両の重量とされても良い。
カーブの曲率は、種々の態様で特定されて良く、上述の実施形態のように、予め地図情報に記録されていても良いし、ノードや形状補間点の位置に基づいて算出されても良いし、車両の走行履歴情報(プローブ情報)に基づいて特定されても良い。推奨車速は、車両がカーブを走行する際に推奨される車速であり、車両の重量およびカーブの曲率に基づいて取得される限り、種々の手法で特定されて良い。従って、上述のようにカーブにおいて車両に作用する遠心力が許容範囲内になるような車速から既定のマージンを設けて推奨車速が算出される構成以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、遠心力が許容範囲内になるような車速自体であっても良い。
むろん、単一の道路区間(ノード間に存在する区間)に曲率が異なる複数のカーブが存在する場合、そのそれぞれについて曲率が取得されても良いし、最大値となる曲率が取得されても良い。
推奨車速が小さい場合、大きい場合よりも、通過コストが大きくなるように設定されていれば良いが、より詳細には、推奨車速の変化に応じて通過コストが変化することが好ましい。すなわち、道路区間上での車速が特定されると、道路区間の距離等に基づいて当該道路区間を通過するために必要な旅行時間を特定可能である。従って、車速から特定される道路区間の旅行時間の長さに応じて通過コストを変化させるように構成すれば、車速に応じた通過コストを定義することができ、通過に要する時間が短い道路区間が優先的に選択されるように経路を探索することができる。
さらに、通過コストは、車両の重量およびカーブの曲率以外の要素によって調整されても良い。このような要素の中には道路区間の距離や道路区間上での平均旅行時間等が含まれ得るが、むろん、これら以外の要素が含まれていても良い。例えば、車両の運転者の運転技術が低い場合、運転技術が高い場合よりもカーブを含む道路区間における通過コストを大きくする構成が採用されてもよい。
具体的には、上述の実施形態において、制御部200が、経路探索部210bの機能により、車両の運転者の運転技術を取得する。運転技術は、種々の手法で取得されて良く、例えば、利用者が指定しても良いし、車両の走行履歴によって取得しても良い。後者としては、例えば、車両において運転技術を判定するための動作(例えば、速度超過や急ブレーキ、急加速、急ハンドル等)が行われた回数が計測され、その頻度や発生確率等に基づいて運転技術が取得される構成が挙げられる。
そして、制御部200は、車両の運転者の運転技術が低い場合にコスト係数を1より大きく設定し、運転技術に応じて当該コスト係数の大きさが大きくなるように構成する。この構成によれば、運転技術が低い場合に運転技術が高い場合よりもカーブを含む道路区間におけるコストが大きくなる。従って、運転技術が低く、車両の重量が重い場合においてカーブにおいて車速が低下する程度が大きいような運転者の特性を考慮して経路を探索することが可能になる。
さらに、車両の重量およびカーブの曲率に対応した推奨車速を考慮した経路の探索は、車両の経路の一部において実施されても良い。例えば、荷物が積載された状態で出発地から荷物の運搬完了地点まで走行し、荷物を下ろした後に出発地まで戻る経路が想定される場合、経路探索部が、推奨車速に応じて決定された通過コストで運搬完了地点である目的地に到達するまでの経路を探索しても良い。この場合において、運搬完了地点から運搬完了地点の先の目的地までの経路が探索される場合、経路探索部は、推奨車速ではなく、平均車速(制限車速等の統計的に平均車速であると見なされる車速であっても良い)に応じて決定された通過コストで探索を行う。
すなわち、荷物を積載しており車両の重量が重い場合には、重量が重い車両がカーブにおいて車速が遅くなる状況を反映した通過コストで経路が探索され、荷物を積載していない状態での経路はデフォルトの通過コストで探索される構成が採用されてもよい。この構成によれば、荷物を積載している間には重量が重い車両がカーブにおいて車速が遅くなる状況を反映した経路を通り、荷物を積載していない間には他の要素を優先した(距離や旅行時間が短いなど)経路を通るように探索を行うことができる。むろん、荷物を下ろした後に、推奨車速に基づいて決定された通過コストによって経路の探索を実行するか否かは、各種のユーザーインターフェースによって利用者が指定可能であっても良い。
さらに、経路案内システム10における案内態様は、種々の態様が採用可能である。例えば、制御部20が経路案内部21bの機能により、経路に、推奨車速に応じて決定された通過コストが対応づけられた道路区間が含まれる場合、当該道路区間への到達前に当該道路区間に関する案内を行う構成であっても良い。すなわち、本実施形態によれば、車両の重量が大きいことに起因して車速が低下する道路はできるだけ避けるように経路が探索される。しかし、実際の道路上では道路の選択肢が少ないなどの理由により、車両の重量が大きいことに起因して車速が低下する道路が経路に含まれる場合もある。
そこで、このような場合において、運転者に警告が行われてもよい。図4は、経路案内システム10が備える図示しないユーザI/F部の出力部に表示される警告の例を示す図である。すなわち、この例においては、車両の現在地Caの周辺の地図が表示されており、太い実線で経路が示されている。この状況において経路上の500m先に重量が大きい車両において注意すべきカーブがあることが警告されている。この構成によれば、運転者は重量が大きい車両において注意すべきカーブを通ることを事前に知ることができ、カーブでの運転に注意するなどしてより安全に走行できる可能性を増加させることができる。
むろん、このような案内の態様は一例であり、当該カーブ区間における推奨車速に関する案内が行われる構成であっても良い。推奨車速に関する案内は、推奨車速自体であっても良いし、推奨車速の大小を示す画像等であっても良いし、音声等による案内であっても良く、種々の構成を採用可能である。
さらに、本発明のように、車両の重量とカーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて通過コストが決定される手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムで実現される方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…経路案内システム、15…通信部、16…GNSS受信部、17…車速センサ、18…ジャイロセンサ、20…制御部、21…経路案内プログラム、21a…経路取得部、21b…経路案内部、50…運行管理者端末、52…制御部、54…ユーザI/F部、55…通信部、100…経路探索システム、200…制御部、210…経路探索プログラム、210a…目的地取得部、210b…経路探索部、300…記録媒体、300a…走行計画情報、300b…車両情報、300c…地図情報、300d…コスト情報、400…通信部

Claims (10)

  1. 車両の目的地を取得する目的地取得部と
    ーブを含む道路区間を通過するために必要な旅行時間を前記車両の重量と前記カーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定し、前記旅行時間に応じて、前記道路区間における通過コストを決定し、前記通過コストに基づいて、前記目的地に到達する経路を探索する経路探索部と
    を備える経路探索システム。
  2. 前記経路探索部は、
    前記車両の重量と前記道路区間に含まれる前記カーブの曲率とに基づいて、前記車両に対して作用する遠心力が規定値以下になるような速度を、前記カーブを含む前記道路区間に対する推奨速度として取得する、請求項1に記載の経路探索システム。
  3. 前記推奨車速が小さい場合、大きい場合よりも、前記通過コストが大きい、
    請求項に記載の経路探索システム。
  4. 前記経路探索部は、
    前記車両の運転者の運転技術が低い場合、前記運転技術が高い場合よりも前記カーブを含む前記道路区間における前記通過コストを大きくする、
    請求項1~請求項3のいずれかに記載の経路探索システム。
  5. 前記車両が運搬する荷物の運搬完了地点である前記目的地に到達するまでの経路は、前記推奨速度に応じて決定された前記通過コストで探索され、
    前記運搬完了地点の先の前記目的地までの経路は、平均車速に応じて決定された前記通過コストで探索される、
    請求項1~請求項のいずれかに記載の経路探索システム。
  6. 道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて探索された、前記車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部と、
    前記経路を案内する経路案内部と、
    を備え
    ーブを含む前記道路区間の前記通過コストは、前記カーブを含む前記道路区間を通過するために必要な旅行時間に応じて決定され、
    前記旅行時間は、前記車両の重量と前記カーブの曲率とに基づいて取得される推奨速度に応じて決定される、
    経路案内システム。
  7. 前記経路案内部は、
    前記経路に、前記推奨速度に応じて決定された前記通過コストが対応づけられた前記道路区間が含まれる場合、当該道路区間への到達前に当該道路区間に関する案内を行う、
    請求項に記載の経路案内システム。
  8. 前記経路案内部は、
    前記推奨車速に関する案内を行う、
    請求項に記載の経路案内システム。
  9. コンピュータを、
    車両の目的地を取得する目的地取得部及び、
    ーブを含む道路区間を通過するために必要な旅行時間を前記車両の重量と前記カーブの曲率とに基づいて取得される推奨車速に応じて決定し、前記旅行時間に応じて、前記道路区間における通過コストを決定し、前記通過コストに基づいて、前記目的地に到達する経路を探索する経路探索部
    として機能させるための経路探索プログラム。
  10. コンピュータを、
    道路区間における車両の車速に応じた通過コストに基づいて探索された、前記車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部、
    前記経路を案内する経路案内部、
    として機能させ、
    カーブを含む前記道路区間の前記通過コストは、前記カーブを含む前記道路区間を通過するために必要な旅行時間に応じて決定され、
    前記旅行時間は、前記車両の重量と前記カーブの曲率とに基づいて取得される推奨速度に応じて決定される、
    る経路案内プログラム。
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