JP7099644B2 - 密閉型冷媒圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機、特に、圧縮機構と圧縮機構を駆動する電動機部とが密閉容器内に収められた密閉型冷媒圧縮機に関する。
冷媒を圧縮する圧縮機の一つとして、圧縮機構と圧縮機構を駆動する電動機部とが密閉容器内に収められた密閉型冷媒圧縮機が知られている。また、密閉型冷媒圧縮機の中には、電動機部が圧縮機構の上部に配置され、圧縮機構の下部に潤滑油を貯めるための貯留部が設けられているものがある。このような圧縮機では、潤滑油は、軸受や圧縮機構を潤滑し、冷媒とともに電動機部の回転子を通り抜けた後、一部を除き電動機部の上部の空間で冷媒と分離され、電動機部の固定子と密閉容器との間に形成された隙間を経由して、貯留部に戻る。
ところで、近年では、圧縮機の大容量化などにより冷媒の流量が多くなり、これに伴って、電動機部の上部の空間で冷媒と分離されずに、密閉容器の外部へ持ち出される潤滑油の量が増加している。潤滑油が密閉容器外に持ち出されると、圧縮機内に設けられた摺動部品の潤滑が不十分になって、圧縮機の信頼性が低下したり、運転効率が低下したりする。このため、潤滑油が持ち出されないための対策が各種行われている。例えば、特許文献1に記載のような圧縮機(以下で、従来の圧縮機と称す)では、圧縮機構の上部に円筒状の部材を配置している。これにより、電動機部の上部の空間で冷媒と分離され、電動機部の固定子と密閉容器との間に形成された隙間を経由して貯留部に戻ろうとする潤滑油が、圧縮機構から吐出される冷媒により巻き上げられて、冷媒とともに再び電動機部の上部に向かうことを防止している。
特開2015-55214号公報
しかし、従来の圧縮機では、圧縮機構から吐出された後に電動機部の上部の空間で冷媒と分離された潤滑油が、冷媒とともに再び電動機部の上部に向かうことを抑制しているに過ぎない。従って、従来の圧縮機では、電動機部の上部の空間で冷媒と分離される前の潤滑油、つまり、圧縮機構から吐出された直後の潤滑油は、冷媒とともに電動機部の上部に向かってしまう。結果として、従来の圧縮機では、電動機部の上部の空間で冷媒と分離されずに、密閉容器の外部へ持ち出される潤滑油の量を減少させることはできないという問題があった。
本開示は、圧縮機構から吐出された直後の潤滑油が電動機部の上部に向かうことを抑制することができる密閉型冷媒圧縮機を提供することを目的とする。
本開示の一形態に係る密閉型冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構の上部に位置して圧縮機構を駆動し、固定子、固定子の内側に位置する回転子及び回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、圧縮機構の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、回転子と上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、上部マフラとの間に隙間が設けられ、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸及び排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、圧縮機構、電動機部、上部マフラ、及び油分離カバーが収められ、圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、油分離溝の上端は、油分離カバーの上端よりも下部に位置する
また、本開示の一形態に係る他の密閉型冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構の上部に位置して圧縮機構を駆動し、固定子、固定子の内側に位置する回転子及び回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、圧縮機構の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、回転子と上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、上部マフラとの間に隙間が設けられ、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸及び排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、圧縮機構、電動機部、上部マフラ、及び油分離カバーが収められ、圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、内周面の下端部は、内周面の周方向に沿って油分離溝の深さ以上の深さで削られている。
また、本開示の一形態に係る他の密閉型冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構の上部に位置して圧縮機構を駆動し、固定子、固定子の内側に位置する回転子及び回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、圧縮機構の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、回転子と上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、上部マフラとの間に隙間が設けられ、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸及び排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、圧縮機構、電動機部、上部マフラ、及び油分離カバーが収められ、圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、油分離溝は、上端から下端に向かって、駆動軸の回転方向に傾斜する。
また、本開示の一形態に係る他の密閉型冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構の上部に位置して圧縮機構を駆動し、固定子、固定子の内側に位置する回転子及び回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、圧縮機構の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、回転子と上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、上部マフラとの間に隙間が設けられ、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸及び排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、圧縮機構、電動機部、上部マフラ、及び油分離カバーが収められ、圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、油分離カバーの下端には切欠きが設けられている。
また、本開示の一形態に係る他の密閉型冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構の上部に位置して圧縮機構を駆動し、固定子、固定子の内側に位置する回転子及び回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、圧縮機構の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、回転子と上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、上部マフラとの間に隙間が設けられ、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸及び排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、圧縮機構、電動機部、上部マフラ、及び油分離カバーが収められ、圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、油分離溝が伸びる方向と直交する断面における油分離溝の形状は、台形を成し、油分離溝の断面の底部が対応する台形の下底は、油分離溝の断面の内周面側の開口部が対応する台形の上底よりも長い。
上記のように構成された密閉型冷媒圧縮機では、圧縮機構から吐出された直後の潤滑油が電動機部の上部に向かうことを抑制することができる。
実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機を含む冷凍サイクル装置の概略図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の内部の構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の圧縮機構の内部構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の下バランサの斜視図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、給油管周辺の潤滑油の流れを示す図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、上部マフラ周辺の冷媒及び潤滑油の流れを示す図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、油分離カバーの油分離溝の状況を示す図である。 実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、遠心分離板周辺の冷媒及び潤滑油の流れを示す図である。 実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機に係る油分離カバー周辺の断面図である。 実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーを軸方向に沿って切断した断面図である。 実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーを軸方向に沿って切断した断面図である。 実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの一部を駆動軸の軸方向から見た平面図である。 実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機に係る油分離カバー周辺の断面図である。 実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。 他の形態に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。
以下で、一実施形態である密閉型冷媒圧縮機について、添付した図面を参照しながら説明する。各実施の形態において同一の構成については、同一の符号を付す。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機を含む冷凍サイクル装置の概略図である。図2は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の内部の構造を示す断面図である。図3は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の圧縮機構の内部の構造を示す断面図である。図4は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の下バランサの斜視図である。図5は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。図6は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。なお、図3では、ピストンと駆動軸との位置関係の理解を助けるために、駆動軸の回転軸の中心を2本の一点鎖線の交点により示すとともに、駆動軸における圧縮機構から上部に伸びる部分の外径を破線により示す。
図1に示すように、冷凍サイクル装置200は、密閉型冷媒圧縮機100、凝縮器201、膨張装置202、蒸発器203、及び冷媒配管204を備えている。密閉型冷媒圧縮機100、凝縮器201、膨張装置202及び蒸発器203は、この順番で、冷媒配管204によって接続されている。また、蒸発器203は、密閉型冷媒圧縮機100とも冷媒配管204によって接続されている。そして、冷凍サイクル装置200では、まず、気体状態の低温低圧の冷媒が、密閉型冷媒圧縮機100に吸入された後、気体の状態を保持したまま圧縮されて高温高圧になる。高温高圧状態になった冷媒は、凝縮器201で冷却されて、高圧の液体状の冷媒になる。その後、高圧の液体状の冷媒は、膨張装置202で減圧されることで低温低圧の気体及び液体の二相の冷媒になる。この二相となった冷媒は、蒸発器203で加熱された後、気体状態の低温低圧の冷媒となって、再び密閉型冷媒圧縮機100に吸入される。冷凍サイクル装置200では、以上のようなサイクルが繰り返される。
図2に示すように、密閉型冷媒圧縮機100は、潤滑油を貯留する貯留部1aが設けられた容器1、電動機部2、冷媒を圧縮する圧縮機構3、サクションマフラ5、吸入管6、吐出管7、上部マフラ36、給油管40、上バランサ50、下バランサ55、油分離カバー70、及び遠心分離板80を備える。
容器1には、図2に示すように、電動機部2、圧縮機構3、上部マフラ36、給油管40、上バランサ50、下バランサ55、油分離カバー70、及び遠心分離板80が収められている。また、容器1の底部には、潤滑油を貯留する貯留部1aが設けられている。さらに、容器1は、円筒形状の中央容器11、中央容器11の上部を塞ぐ上容器12、及び中央容器11の下部を塞ぐ下容器13を有する。中央容器11には、サクションマフラ5が取り付けられた吸入管6が接続されている。上容器12には、吐出管7が接続されている。吸入管6は、サクションマフラ5を介して流入する低温低圧の冷媒を圧縮機構3内に送り込むための接続管である。吐出管7は、圧縮機構3によって圧縮された容器1内の高温高圧の冷媒を密閉型冷媒圧縮機100の外部へ排出させるための接続管である。
電動機部2は、図2に示すように、圧縮機構3の上部に位置し、圧縮機構3を駆動する。また、電動機部2は、中央容器11に固定され、固定子21、及び固定子21の内側に位置するとともに上下に貫く貫通孔22aが設けられた回転子22を有する。さらに、電動機部2は、上下に伸びる駆動軸23を有する。駆動軸23は、後述する上部軸受34及び下部軸受35により回転自在に支持され、回転子22と共に回転する。また、駆動軸23の下部は中空になっており、この中空部分が潤滑油を吸込むための油吸込み孔23aになっている。油吸込み孔23aの内部には、捩り曲げ加工が施された板材である撹拌板を持つ遠心ポンプ23bが設けられている。さらに、駆動軸23には、駆動軸23内部の中空部分と駆動軸23の外部の空間とをつなぐ孔である上部給油口23c及び下部給油口23dが設けられている。また、上部給油口23cは、駆動軸23の軸受であって後述する圧縮機構3の上側に位置する上部軸受34に囲まれた部分に設けられ、下部給油口23dは、駆動軸23の軸受であって後述する圧縮機構3の下側に位置する下部軸受35に囲まれた部分に設けられている。
圧縮機構3は、図2に示すように、貯留部1aの上部に位置し、中央容器11に固定されている。つまり、貯留部1aは、圧縮機構3の下部に位置する。また、圧縮機構3は、例えばロータリ方式の圧縮機構で、吸入管6から流入した冷媒を圧縮する。また、圧縮機構3は、図2に示すように、シリンダ31、ピストン32、上部軸受34、及び下部軸受35を有する。さらに、圧縮機構3は、図3に示すように、ベーン33及びベーンスプリング39を有する。
図3に示すように、シリンダ31は、円筒形状を成しており、シリンダ31が成す円筒の内側の空間が圧縮機構3における圧縮室になっている。また、シリンダ31には、吸入管6が接続された吸入口38が設けられている。さらに、シリンダ31には、上部軸受34に設けられた吐出口34aとシリンダ31の内側の空間とを連通するシリンダ吐出口31bが設けられている。これに加え、シリンダ31には、シリンダ31の上部で分離された潤滑油を貯留部1aに返油するための貫通孔31aが設けられている。そして、シリンダ31では、ベーン33が、シリンダ31が成す円筒の壁部分から内側に向かって突出するように設けられている。ここで、ベーン33は、シリンダ31が成す円筒の壁の内部に収められたベーンスプリング39によって、ピストン32に押し当てられている。
ピストン32は、駆動軸23の回転軸の中心に対して偏心して取り付けられている。そして、ピストン32は、駆動軸23が回転すると、駆動軸23とともに回転する。また、ピストン32がシリンダ31の内側の空間、つまり、圧縮室内を回転することで、吸入口38からシリンダ31の内側に流入した冷媒が圧縮され、シリンダ吐出口31bを介して、上部軸受34に設けられた吐出口34aから、高温・高圧の冷媒が吐出される。
図2に示される上部軸受34及び下部軸受35は、駆動軸23を回転自在に支持している。また、上部軸受34はシリンダ31の上面に位置し、シリンダ31が成す円筒の内側の空間、つまり、圧縮機構3における圧縮室を上部から塞いでいる。さらに、下部軸受35はシリンダ31の下面に位置し、シリンダ31が成す円筒の内側の空間、つまり、圧縮機構3における圧縮室を下部から塞いでいる。
上部マフラ36は、圧縮機構3から発せられる作動音を消音するための部材であり、図2に示すように、圧縮機構3の上側に位置している。また、上部マフラ36は、上部軸受34の吐出口34a、つまり、圧縮機構3の上側に設けられた冷媒を吐出する吐出口34aを覆っている。さらに、上部マフラ36には、駆動軸23及び上部軸受34が貫く孔が設けられ、その周囲に平面部36tが形成されている。そして、平面部36tには、吐出口34aから吐出された冷媒を排出する排出孔36aが設けられている。排出孔36aは、吐出脈動を低減する観点から、駆動軸23の軸方向から見たとき、吐出口34aから離れた位置に形成されている。
給油管40は、管状の部材であり、その一端が貯留部1a内に位置している。また、給油管40の他端は、駆動軸23と隙間を空けて下部軸受35に固定されている。従って、駆動軸23が回転しても、給油管40は回転しない。
上バランサ50及び下バランサ55は、駆動軸23の回転時の振動を抑制するための錘、いわゆるカウンターウェイトである。上バランサ50及び下バランサ55はともに、駆動軸23の軸方向から見たときに、固定子21の内側に位置している。また、図2に示すように、上バランサ50は、回転子22の上面に固定されている。そして、下バランサ55は、回転子22の下面に固定されている。従って、上バランサ50及び下バランサ55は、回転子22とともに回転する。さらに、図4に示すように、下バランサ55は、円筒をその中心軸で半分に切断した形状を成している。上バランサ50の形状も、下バランサ55と同じである。このような形状の上バランサ50及び下バランサ55が回転子22に固定されているため、上バランサ50は、回転子22の上面の一部から上方に向かって突き出た状態であり、下バランサ55は、回転子22の下面の一部から下方に向かって突き出た状態になっている。
遠心分離板80は、図2に示すように、駆動軸23の上端に取付けられた部材であり、回転子22を通り抜けて電動機部2の上部の空間である上部空間Bに到達した冷媒と潤滑油との分離を促進するための部材である。遠心分離板80は、駆動軸23に取り付けられている部分から駆動軸23の軸方向と直交する方向に広がる円盤状の平板部80aと、平板部80aの外縁から駆動軸23の軸方向に沿って上方に伸びる外縁部80bを有している。遠心分離板80は、駆動軸23の上端に固定されているため、駆動軸23が回転すると、駆動軸23と共に回転する。
油分離カバー70は、回転子22の旋回流を利用して、圧縮機構3から冷媒とともに吐出される潤滑油を冷媒から分離するための部材である。油分離カバー70は、図2に示すように、回転子22及び上部マフラ36の間に位置し、上下に伸びる筒状の部材である。また、油分離カバー70は、駆動軸23及び上部軸受34を囲んでいる。そして、油分離カバー70は、例えばスポット溶接で上部マフラ36と部分的に固定されている。つまり、油分離カバー70の下端の開口部は、全周にわたって上部マフラ36に固定されているわけではない。結果として、油分離カバー70と上部マフラ36との間には、隙間が設けられている。また、油分離カバー70では、駆動軸23の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸23及び排出孔36aが位置している。さらに、油分離カバー70の上端は、上部軸受34の上端よりも下部に位置する。そして、図5及び図6に示すように、油分離カバー70の内周面には、上下に伸びる溝である油分離溝72が複数設けられている。なお、油分離カバー70は、回転子22の回転で生ずる旋回流の力をより有効に利用するため、駆動軸23の軸方向から見たときに、固定子21の内周面よりも内側に収まっていることが望ましい。また、油分離カバー70の固定方法は、上部マフラ36へのスポット溶接に限られず、例えば、密閉容器などへのボルトによる固定などでもよい。
次に、密閉型冷媒圧縮機100の動作について説明する。図7は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、給油管周辺の潤滑油の流れを示す図である。図8は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、上部マフラ周辺の冷媒及び潤滑油の流れを示す図である。図9は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機が作動した際の、油分離カバーの油分離溝の状況を示す図である。図10は、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機100が作動した際の、遠心分離板周辺の冷媒及び潤滑油の流れを示す図である。図7から図10において、白抜き矢印は冷媒の流れを、塗りつぶし矢印は潤滑油の流れを示す。
電動機部2の駆動により駆動軸23が回転すると、駆動軸23と共にシリンダ31内のピストン32も回転する。このピストン32の回転により、シリンダ31に収納されたベーン33が往復運動する。この時、冷媒は、吸入管6を介して圧縮機構3の吸入口38から、シリンダ31の内壁、ピストン32及びベーン33により囲まれた圧縮室内の空間に入る。そして、圧縮室内の空間の冷媒は、ピストン32の回転に伴って圧縮室内の空間の容積が小さくなるにつれ圧縮されていく。この時、シリンダ31内に流入した潤滑油も冷媒と共に圧縮され、冷媒と混合された状態となる。
また、駆動軸23の回転と同時に、駆動軸23内の遠心ポンプ23bも回転する。これにより、図7に示すように、貯留部1aから潤滑油が給油管40内に吸引され、駆動軸23の下端に設けられた油吸込み孔23aから駆動軸23内の空間を通り、上方へ吸い上げられる。吸い上げられた潤滑油は、上部給油口23cから上部軸受34と駆動軸23との間に流入すると共に、上部軸受34とピストン32の上面との間に流入する。また、油吸込み孔23aから吸い上げられた潤滑油は、下部給油口23dから下部軸受35と駆動軸23との間に流入すると共に、下部軸受35とピストン32の下面との間に流入する。この潤滑油の供給により、駆動軸23とピストン32が円滑に回転する。なお、給油管40の径は、電動機部2の高速回転時に最適な給油が行えるように、調整されている。
次に、シリンダ31内のピストン32の回転により圧縮された潤滑油及び冷媒は、シリンダ31の圧縮室内と連通するシリンダ吐出口31bを通って、図8に示すように、上部軸受34に設けられた吐出口34aから上部マフラ36の内部空間に流入する。上部マフラ36に流入した潤滑油及び冷媒は、上部マフラ36内の潤滑油及び冷媒と共に、排出孔36aから排出される。
排出孔36aから排出された冷媒は、油分離カバー70で囲まれた空間に流入する。その後、冷媒は、図8に示すように、回転子22に設けられた貫通孔22a、及び固定子21と回転子22との間のエアギャップを通って容器1内の上部に向かう。ここで、排出孔36aから冷媒とともに排出された一部の潤滑油は、油分離カバー70の油分離溝72に入り込んだ後に貯留部1aに戻される。具体的には、回転子22の下部の空間では、回転子22の回転に伴って旋回流が発生している。ここで、冷媒よりも密度の大きい潤滑油の油滴には、冷媒よりも大きな遠心力が作用する。そして、冷媒よりも大きな遠心力を受けた潤滑油は、その旋回半径を徐々に大きくしながら、油分離カバー70の内周面に衝突して冷媒から分離され、図9に示すように、油分離カバー70の内周面に設けられた上下に伸びる油分離溝72に入り込む。ここで、潤滑油は、油分離溝72に入り込んでいるため、冷媒の旋回流による影響を受けにくい。従って、油分離溝72に入り込んだ潤滑油の多くは、冷媒の旋回流によって巻き上げられることなく、油分離溝72に沿って重力により下降する。油分離溝72に沿って下降した潤滑油は、その後、図8に示すように、油分離カバー70と上部マフラ36との間に設けられた隙間から、油分離カバー70の外部に排出され、上部マフラ36を伝ってさらに下降し、シリンダ31に設けられた貫通孔31aを通過して、貯留部1aに戻る。油分離カバー70で冷媒から分離されなかった潤滑油については、冷媒とともに回転子22に設けられた貫通孔22a、及び固定子21と回転子22との間のエアギャップを通って容器1内の電動機部2の上部の空間に向かう。
図10に示すように、容器1内の空間であって電動機部2の上部の空間である上部空間Bに流入した潤滑油及び冷媒は、回転子22上部に設けられた遠心分離板80の平板部80aの下面に衝突する。このとき、図10の矢印Y2に示すように、一部の潤滑油は、凝集し、冷媒の流れに逆らって重力によって下方へと落下して分離される。
また、上部空間Bでは、回転子22の回転により旋回流が発生しており、平板部80aの下面に衝突した潤滑油及び冷媒は、旋回流に誘引されながら、駆動軸23の軸方向と直交する方向へ流れる。ここで、冷媒は、吐出管7から容器1の外へと吐出されるが、駆動軸23の軸方向と直交する方向へ流れた潤滑油の一部は、図10の矢印Y3に示すように、容器1の内周面に向かい、その後、内周面に衝突して冷媒から分離される。なお、冷媒とともに吐出管7側へと流れる潤滑油もあるが、その一部は遠心分離板80の外縁部80bに衝突、凝集して粒径が大きい油滴となり、遠心力の作用によって冷媒から分離される。従って、外縁部80bは、油滴が吐出管7へ直接侵入することを抑制し、冷媒と潤滑油の遠心分離を促進している。
その後、上部空間Bで分離された潤滑油は、容器1と固定子21との間に設けられた隙間を通って最終的に貯留部1aに戻る。
以上のように構成された密閉型冷媒圧縮機100の効果について説明する。密閉型冷媒圧縮機100は、回転子22及び上部マフラ36の間に位置し、上下に伸びる筒状の部材である油分離カバー70を備える。また、油分離カバー70は、駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に駆動軸23及び排出孔36aが位置している。そのため、上部マフラ36の排出孔36aから排出された冷媒および潤滑油は、まず、油分離カバー70で囲まれた空間に流入する。そして、油分離カバー70で囲まれた空間に流入した冷媒及び潤滑油は、回転子22の回転に伴う旋回流の影響を受ける。ここで、冷媒よりも密度の大きい潤滑油の油滴には、冷媒よりも大きな遠心力が作用している。そして、冷媒よりも大きな遠心力を受けた潤滑油は、その旋回半径を徐々に大きくしながら、油分離カバー70の内周面に衝突して冷媒から分離され、油分離カバー70の内周面に設けられた上下に伸びる油分離溝72に入り込む。また、潤滑油は、油分離溝72に入り込んでいるため、冷媒の旋回流による影響を受けにくい。従って、油分離溝72に入り込んだ潤滑油の多くは、冷媒の旋回流によって巻き上げられることなく、油分離溝72に沿って重力により下降する。その後、潤滑油は、油分離カバー70と上部マフラ36との間に設けられた隙間から、油分離カバー70の外部に排出され、上部マフラ36を伝ってさらに下降し、シリンダ31に設けられた貫通孔31aを通過して、貯留部1aに戻る。以上のようにして、密閉型冷媒圧縮機100では、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かう前に、一部の潤滑油を油分離カバー70の油分離溝72によって捕らえて、貯留部1aに戻している。従って、密閉型冷媒圧縮機100では、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することができる。また、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
また、密閉型冷媒圧縮機100では、油分離カバー70が回転子22と上部マフラ36との間に位置することで、油分離カバー70の周囲の空間への回転子22の旋回流による影響を抑制できる。その結果、上部空間Bで分離され、容器1と固定子21との間に設けられた隙間を通って貯留部1aへ戻ろうとする潤滑油が、回転子22の旋回流によって巻き上げられ、貯留部1aに戻ることが阻害されてしまうという事態を抑制できる。
さらに、密閉型冷媒圧縮機100では、回転子22とともに回転し、回転子22の下面の一部から下方に向かって突き出る下バランサ55を備えている。ここで、回転子22が回転すると下バランサ55も回転して、駆動軸23又は回転子22の回転方向と交差する下バランサ55の端面が、回転子22の下部の空間の気体を押す。その結果、回転子22だけが回転して旋回流を発生させるときよりも、油分離カバー70に囲まれた空間内への旋回流の影響を、より大きくすることができる。これにより、油分離カバー70で囲まれた空間に流入した冷媒及び潤滑油は、下バランサ55がないときと比較して、回転子22の回転に伴う旋回流の影響をより強く受ける。その結果、冷媒よりも密度の大きい潤滑油の油滴には、下バランサ55がないときと比較して、より大きな遠心力が作用する。これにより、潤滑油は、下バランサ55がないときと比較して、油分離カバー70の内周面に衝突して冷媒から分離され、油分離カバー70の内周面に設けられた上下に伸びる油分離溝72に入り込みやすくなる。以上のよう理由から、密閉型冷媒圧縮機100では、下バランサ55を備えることで、回転子22の回転による旋回流の影響を大きくして、冷媒と潤滑油との分離を促進し、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことをさらに抑制している。また、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。なお、下バランサ55によって回転子22の回転による旋回流の力を強くするという効果を奏するに当たって、下バランサ55の形状は、例えば、直方体や立方体などであってもよい。
実施の形態2.
図11は、実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機に係る油分離カバー周辺の断面図である。実施の形態2である密閉型冷媒圧縮機と実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機との相違点は、油分離カバーである。従って、実施の形態2に係る油分離カバーの符号を70Aとしている。図11において、白抜き矢印は冷媒の流れを、塗りつぶし矢印は潤滑油の流れを示す。
実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機では、図11に示すように、油分離カバー70Aの上端が、上部軸受34の上端よりも上部に位置する。これにより、実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことをさらに抑制することができる。具体的には、圧縮機構3から吐出されて電動機部2の上部に向かう潤滑油及び冷媒は、上部軸受34に設けられた吐出口34aから上部マフラ36を通り抜けて、上部マフラ36の排出孔36aから排出されるものだけでなく、圧縮機構3の圧縮室を上部から塞ぐ上部軸受34と上部軸受34が支持する駆動軸23との隙間を通り抜けて上部軸受34の上端から排出されるものも含まれる。このとき、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機のように、油分離カバー70の上端が上部軸受34の上端よりも下部にあると、上部軸受34の上端から排出された潤滑油が、回転子22の回転に伴う旋回流によって遠心力を受け、駆動軸23の軸方向と直交する方向に進んだとしても、進んだ先には油分離カバー70がない。従って、油分離カバー70の上端が上部軸受34の上端よりも下部にあると、上部軸受34の上端から排出された潤滑油を油分離カバー70で捕らえることができない。一方、実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機では、油分離カバー70Aの上端が、上部軸受34の上端よりも上部に位置するため、上部軸受34の上端から排出され、回転子22の回転に伴う旋回流による遠心力を受けて駆動軸23と直交する方向に進んだ潤滑油は、油分離カバー70Aの内周面に衝突して冷媒から分離され、油分離カバー70Aの内周面に設けられた上下に伸びる油分離溝72に入り込む。つまり、油分離カバー70Aは、上部軸受34の上端から排出された潤滑油を捕らえることができる。これにより、上部軸受34の上端から排出された潤滑油も、上部マフラ36の排出孔36aから排出された潤滑油と同様に、貯留部1aに戻ることができる。以上のような理由から、実施の形態2に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことをさらに抑制することができる。また、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態2である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態2である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Bでは、油分離カバー70Bの油分離溝72Bの上端が、油分離カバー70Bの上端よりも下部に位置している。これが、実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機と実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機との相違点である。
実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことをさらに抑制することができる。具体的には、実施の形態1で説明したように、上部マフラ36の排出孔36aから排出された潤滑油は、回転子22の回転に伴う旋回流による遠心力を受けて、油分離カバー70の油分離溝72に入り込む。油分離溝72に入り込んだ潤滑油の多くは、前述のとおり、冷媒の旋回流によって巻き上げられることなく、油分離溝72に沿って重力により下降して、貯留部1aに戻っていく。しかしながら、油分離溝72に入り込んだ一部の潤滑油は、上部マフラ36の排出孔36aから排出される冷媒及び潤滑油の上昇流によって、油分離溝72を上昇して、電動機部2の上部に向かってしまう。しかし、実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Bでは、油分離溝72Bの上端が、油分離カバー70の上端よりも下部に位置する、つまり、油分離溝72Bの上端が閉塞されているため、油分離溝72Bを上昇する潤滑油が油分離溝72Bの上端で止められる。その結果、実施の形態3に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことをさらに抑制することができる。また、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態3である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態3である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態4.
図13は、実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。また、図13では、油分離カバーの内側を見やすくするために、油分離カバーを軸方向に沿って切断した状態を示している。実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Cでは、油分離カバー70Cの内周面の下端部が、油分離カバー70Cの内周面の周方向に沿って、油分離溝72Cの深さ以上の深さで削られている。これが、実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機と実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機との相違点である。
このような実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。具体的には、実施の形態1で説明したように、上部マフラ36の排出孔36aから排出された潤滑油は、回転子22の回転に伴う旋回流による遠心力を受けて、油分離カバー70の油分離溝72に入り込む。そして、油分離溝72に入り込んだ潤滑油の多くは、前述のとおり、冷媒の旋回流によって巻き上げられることなく、油分離溝72に沿って重力により下降する。ここで、油分離溝72が油分離カバー70の内周面のどこに形成されるかによって、油分離溝72の直下に油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間が位置している場合と、油分離溝72の直下に油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間が位置していない場合とに分けることができる。そして、直下に油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間が位置している油分離溝72を下降する潤滑油は、油分離溝72を下降した後、すぐに、油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間を通って、貯留部1aに戻ることができる。一方、直下に油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間が位置していない油分離溝72を下降する潤滑油は、油分離溝72を下降した後、上部マフラ36の上面上を移動してから、油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間を通って、貯留部1aに戻ることになる。このとき、一部の潤滑油は、上部マフラ36の上面上を移動中に、上部マフラ36の排出孔36aから排出される冷媒及び潤滑油の上昇流によって、巻き上げられて、電動機部2の上部に向かってしまう。しかし、実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機では、油分離カバー70Cの内周面の下端部が、油分離カバー70Cの内周面の周方向に沿って、油分離溝72Cの深さ以上の深さで削られている。これにより、直下に油分離カバー70Cと上部マフラ36との間の隙間が位置していない油分離溝72Cを下降する潤滑油は、油分離溝72Cを下降した後、油分離カバー70Cの内周面における下端部の削られた部分を通って、上部マフラ36の上面上を移動することなく、油分離カバー70Cと上部マフラ36との間の隙間に到達できる。その結果、実施の形態4に係る密閉型冷媒圧縮機では、潤滑油が上部マフラ36の上面上を移動中に、上部マフラ36の排出孔36aから排出される冷媒及び潤滑油の上昇流によって、巻き上げられることが抑制され、油分離溝72Cによって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。なお、油分離溝72Cによって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくすることは、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することにつながる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態4である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態4である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態5.
図14は、実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーを軸方向に沿って切断した断面図である。実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Dでは、油分離カバー70Dの上端の開口部の面積s1が、油分離カバー70Dの下端の開口部の面積s2よりも小さい。これが、実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機と実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機との相違点である。
このような実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。具体的には、実施の形態1で説明したように、上部マフラ36の排出孔36aから排出された潤滑油は、回転子22の回転から生じた旋回流による遠心力を受けて、油分離カバー70の油分離溝72に入り込む。ここで、実施の形態1に係る油分離カバー70のように壁面が駆動軸23と平行に伸びていると、油分離溝72に入り込んだ潤滑油は、基本的に、重力のみによって下降し、油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間を通って、貯留部1aに戻ることになる。一方、実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Dでは、油分離カバー70Dの上端の開口部の面積s1が、油分離カバー70Dの下端の開口部の面積s2よりも小さい。これにより、油分離カバー70Dの油分離溝72Dは、上端から下端に向かうにつれて、駆動軸23の近傍からその周囲に向かって進む経路を成す。その結果、油分離カバー70Dの油分離溝72D内の潤滑油は、重力だけでなく、回転子22の回転に伴う旋回流からの力を受けて油分離溝72Dを下降し、油分離カバー70Dと上部マフラ36との間の隙間に到達できる。以上より、実施の形態5に係る密閉型冷媒圧縮機では、重力だけでなく、回転子22の旋回流による力も利用して、油分離溝72D内の潤滑油を下降させるため、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。なお、油分離溝72Dによって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくすることは、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することにつながる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態5である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態5である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態6.
図15は、実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーを軸方向に沿って切断した断面図である。図16は、実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの一部を駆動軸の軸方向から見た平面図である。なお、図16において、見やすさのため、複数ある油分離溝72Eのうちの一つの油分離溝72Eだけを示し、油分離溝72Eの上端から下端へ向かう経路を破線で示す。
実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Eでは、図15に示すように、油分離溝72Eは、駆動軸23の軸方向と直交する方向から見たときに、駆動軸の軸方向に対して傾斜している。このとき、図16に示すように、油分離溝72Eは、駆動軸23の軸方向から見たときに、油分離溝72Eの上端72E1から油分離溝72Eの下端72E2に向かう方向は、回転子22の回転方向R1に沿っている。つまり、油分離溝72Eは、上端から下端に向かって、駆動軸23の回転方向に傾斜している。
以上のように、実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Eでは、油分離溝72Eが、上端から下端に向かって、駆動軸23の回転方向に傾斜している。この場合、油分離溝72E内の潤滑油が、回転子22の旋回流に押されて油分離溝72E内を進む方向は、油分離溝72Eを下降する方向になる。従って、実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機では、油分離溝72E内の潤滑油は、重力だけでなく、回転子22の旋回流も利用して、油分離溝72を下降し、油分離カバー70Eと上部マフラ36との間の隙間に到達できる。以上より、実施の形態6に係る密閉型冷媒圧縮機では、重力だけでなく回転子22の旋回流も利用して、油分離溝72E内の潤滑油を下降させるため、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。なお、油分離溝72Eによって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくすることは、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することにつながる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態6である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態6である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態7.
図17は、実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Fでは、図17に示すように、油分離カバー70Fの下端に切欠きが設けられている。これが、実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機と実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機との相違点である。
このような実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。具体的には、実施の形態1で説明したように、上部マフラ36の排出孔36aから排出された潤滑油は、回転子22の回転による旋回流から遠心力を受けて、油分離カバー70の油分離溝72に入り込んで油分離溝72を下降し、油分離カバー70と上部マフラ36との間の隙間を通って、貯留部1aに戻ることになる。ここで、実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Fでは、油分離カバー70Fの下端に切欠きが設けられている。これにより、実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、実質的に、油分離カバー70Fと上部マフラ36との間の隙間が広がっていることになる。その結果、油分離溝72を下降した潤滑油は、油分離カバー70Fと上部マフラ36との間の隙間を通り抜けやすくなる。以上のような理由から、実施の形態7に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。なお、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくすることは、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することにつながる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態7である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態7である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態8.
図18は、実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機に係る油分離カバー周辺の断面図である。実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機は、油分離カバーから下部へ向かって伸びる油流路74を備えている。以下でより具体的に説明する。なお、図18において、白抜き矢印は冷媒の流れを、塗りつぶし矢印は潤滑油の流れを示す。
実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機に係る油分離カバーは、実施の形態7に係る油分離カバー70Fと同じであり、その下端には切欠きが設けられている。従って、図18において、油分離カバーの符号は、実施の形態7における油分離カバーと同じ70Fとしている。また、実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機は、油分離カバー70Fの切欠きと接続し、油分離カバー70Fの切欠きから下部へ向かって伸びる筒状の部材である油流路74を備える。なお、油分離カバー70Fと油流路74との接続方法は、溶接であるが、必ずしもこれに限られない。
このような実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。具体的には、前述のとおり、油分離カバー70Fでは、油分離カバー70Fの下端に切欠きが設けられたため、実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、実質的に、油分離カバー70Fと上部マフラ36との間の隙間が広がっていることになる。その結果、油分離溝72を下降した潤滑油は、油分離カバー70Fと上部マフラ36との間の隙間を通り抜けやすくなる。これに加え、実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機では、油分離カバー70Fの切欠きと接続し、油分離カバー70Fの下部へ向かって伸びる筒状の部材である油流路74を備える。この油流路74により、油分離カバー70Fの下端の切欠きから油分離カバー70Fの外部に出た潤滑油に対して、回転子22の旋回流が直接当たることが抑制される。その結果、潤滑油は、回転子22の旋回流によって巻き上げられることが抑制され、貯留部1aにつながる貫通孔31aに到達しやすくなる。以上のような理由から、実施の形態8に係る密閉型冷媒圧縮機では、実施の形態1に係る密閉型冷媒圧縮機と比較して、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくなる。なお、油分離溝72によって捕らえられた潤滑油を貯留部1aに戻しやすくすることは、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することにつながる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態8である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態8である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
実施の形態9.
図19は、実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの斜視図である。図20は、実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバーの平面図である。実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Gでは、図19及び図20に示すように、油分離カバー70Gの油分離溝72Gの断面の形状が台形である。以下で、具体的に説明する。
実施の形態9に係る密閉型冷媒圧縮機の油分離カバー70Gでは、図19及び図20に示すように、油分離溝72Gが伸びる方向と直交する断面における油分離溝72Gの形状が、台形を成している。このとき、油分離溝72Gの断面の底部が台形の下底に対応し、油分離溝72Gの断面の内周面側の開口部が台形の上底に対応する。そして、油分離溝72Gの断面の底部が対応する台形の下底は、油分離溝72Gの断面の内周面側の開口部が対応する台形の上底よりも長い。このようにすることで、油分離溝72Gに入り込んだ潤滑油が抜け出ることが難しくなり、冷媒の旋回流によって潤滑油が巻き上げられることが抑制される。以上のような理由から、例えば油分離溝が伸びる方向と直交する断面における油分離溝の形状を長方形にする場合と比較して、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することができる。そして、圧縮機構3から吐出された直後の潤滑油が電動機部2の上部に向かうことを抑制することは、結果的に、容器1の外部へ持ち出される潤滑油の量の減少につながる。
実施の形態9である密閉型冷媒圧縮機における他の構成は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機と同様である。従って、実施の形態9である密閉型冷媒圧縮機における他の構成、効果は、実施の形態1である密閉型冷媒圧縮機での説明のとおりである。
他の実施形態.
本開示に係る密閉型冷媒圧縮機は、前述の実施の形態に限らずその要旨の範囲内において変更可能である。例えば、図21及び図22に示す油分離カバー70Hのように、油分離カバー70Hが成す円筒の内周面から、円筒の中心軸に向かって複数のフィンを立てることで、油分離溝72Hを形成してもよい。また、図23及び図24に示す油分離カバー70Iのように、油分離カバー70Iの壁面が、駆動軸の軸方向から見たときに、直線が何度も折れ曲がって環状を成すことによって、油分離溝72Iが形成されていてもよい。さらに、図25及び図26に示す油分離カバー70Jのように、油分離カバー70Jの壁面が、駆動軸の軸方向から見たときに、蛇行する曲線が環状を成すことによって、油分離溝72Jが形成されていてもよい。
また、各実施の形態において、遠心分離板80が駆動軸23の上端に取付けられているが、遠心分離板80がなくても、上部空間Bにおいて冷媒と潤滑油は分離され、潤滑油は固定子21と容器1との隙間を通って貯留部1aに戻る。従って、遠心分離板80は必須の構成ではない。さらに、回転子22には冷媒及び潤滑油が通過する貫通孔22aが設けられているが、回転子22と固定子21のエアギャップ25を冷媒及び潤滑油が通過することは可能であるため、貫通孔22aも必須の構成ではない。これに加え、回転子22の下面に下バランサ55がなくても、回転子22の回転だけでも回転子22の下部の空間で旋回流が発生するため、下バランサ55も必須の構成ではない。さらに、上部マフラと油分離カバーは、上部マフラと油分離カバーとの間に隙間が設けられていれば、一体の部材であってもよい。また、油分離カバーの形状を円筒としたが、円筒であることは必須ではなく、筒状を成していればよい。さらに、圧縮機構から吐出された直後の潤滑油が電動機部の上部の空間に向かうことを抑制するという効果を奏するにあたり、油分離溝が複数である必要はない。ただし、油分離溝の数は多い方が、その効果は高まる。これに加え、油分離カバーと上部マフラとの隙間は、例えば、上部マフラを凹ませることによって拡大させてもよい。また、各実施の形態を組み合わせてもよい。
1 容器、1a 貯留部、2 電動機部、3 圧縮機構、21 固定子、22 回転子、23 駆動軸、34 上部軸受、34a 吐出口、36 上部マフラ、36a 排出孔、55 下バランサ、70 油分離カバー、70A 油分離カバー、70B 油分離カバー、70C 油分離カバー、70D 油分離カバー、70E 油分離カバー、70F 油分離カバー、70G 油分離カバー、70H 油分離カバー、70I 油分離カバー、70J 油分離カバー、72 油分離溝、72B 油分離溝、72C 油分離溝、72D 油分離溝、72E 油分離溝、72G 油分離溝、72H 油分離溝、72I 油分離溝、72J 油分離溝、74 油流路、100 密閉型冷媒圧縮機

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構の上部に位置して前記圧縮機構を駆動し、固定子、前記固定子の内側に位置する回転子及び前記回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、
    前記圧縮機構の上側に設けられた前記冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、前記冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、
    前記回転子と前記上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、前記上部マフラとの間に隙間が設けられ、前記駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に前記駆動軸及び前記排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、
    前記圧縮機構、前記電動機部、前記上部マフラ、及び前記油分離カバーが収められ、前記圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、
    前記油分離溝の上端は、前記油分離カバーの上端よりも下部に位置する、密閉型冷媒圧縮機。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構の上部に位置して前記圧縮機構を駆動し、固定子、前記固定子の内側に位置する回転子及び前記回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、
    前記圧縮機構の上側に設けられた前記冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、前記冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、
    前記回転子と前記上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、前記上部マフラとの間に隙間が設けられ、前記駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に前記駆動軸及び前記排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、
    前記圧縮機構、前記電動機部、前記上部マフラ、及び前記油分離カバーが収められ、前記圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、
    前記内周面の下端部は、前記内周面の周方向に沿って前記油分離溝の深さ以上の深さで削られている、密閉型冷媒圧縮機。
  3. 前記油分離カバーの上端の開口部の面積は、前記油分離カバーの下端の開口部の面積よりも小さい、
    請求項1又は請求項2に記載の密閉型冷媒圧縮機。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構の上部に位置して前記圧縮機構を駆動し、固定子、前記固定子の内側に位置する回転子及び前記回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、
    前記圧縮機構の上側に設けられた前記冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、前記冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、
    前記回転子と前記上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、前記上部マフラとの間に隙間が設けられ、前記駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に前記駆動軸及び前記排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、
    前記圧縮機構、前記電動機部、前記上部マフラ、及び前記油分離カバーが収められ、前記圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、
    前記油分離溝は、上端から下端に向かって、前記駆動軸の回転方向に傾斜する、密閉型冷媒圧縮機。
  5. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構の上部に位置して前記圧縮機構を駆動し、固定子、前記固定子の内側に位置する回転子及び前記回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、
    前記圧縮機構の上側に設けられた前記冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、前記冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、
    前記回転子と前記上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、前記上部マフラとの間に隙間が設けられ、前記駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に前記駆動軸及び前記排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、
    前記圧縮機構、前記電動機部、前記上部マフラ、及び前記油分離カバーが収められ、前記圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、
    前記油分離カバーの下端には切欠きが設けられている、密閉型冷媒圧縮機。
  6. 前記切欠きと接続し、前記切欠きから下部に向かって伸びる筒状の部材である油流路を備える、請求項5に記載の密閉型冷媒圧縮機。
  7. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構の上部に位置して前記圧縮機構を駆動し、固定子、前記固定子の内側に位置する回転子及び前記回転子とともに回転して上下に伸びる駆動軸を有する電動機部と、
    前記圧縮機構の上側に設けられた前記冷媒を吐出する吐出口を覆うとともに、前記冷媒を排出する排出孔が設けられた上部マフラと、
    前記回転子と前記上部マフラとの間に位置する上下に伸びる筒状の部材であって、前記上部マフラとの間に隙間が設けられ、前記駆動軸の軸方向から見たときに下端の開口部の内側に前記駆動軸及び前記排出孔が位置するとともに、内周面に上下に伸びる溝である油分離溝が設けられた油分離カバーと、
    前記圧縮機構、前記電動機部、前記上部マフラ、及び前記油分離カバーが収められ、前記圧縮機構の下部に位置し潤滑油を貯留する貯留部が設けられた容器と、を備え、
    前記油分離溝が伸びる方向と直交する断面における前記油分離溝の形状は、台形を成し、
    前記油分離溝の断面の底部が対応する前記台形の下底は、前記油分離溝の断面の前記内周面側の開口部が対応する前記台形の上底よりも長い、密閉型冷媒圧縮機。
  8. 前記駆動軸を回転自在に支持するとともに前記圧縮機構の圧縮室を上部から塞ぐ上部軸受を備え、
    前記油分離カバーの上端は、前記上部軸受の上端よりも上部に位置する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の密閉型冷媒圧縮機。
  9. 前記駆動軸の回転時の振動を抑制するための錘であって、前記回転子とともに回転し、前記回転子の下面の一部から下方に向かって突き出る下バランサを備える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の密閉型冷媒圧縮機。
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