JP7095627B2 - 電源システム - Google Patents
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Description
本開示は、第1蓄電装置と、第1蓄電装置よりも低電圧の第2蓄電装置とを含む電源システムに関する。
従来、電気自動車の電気システムとして、第1蓄電装置と、第1蓄電装置の直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、平滑コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換して駆動用モータに供給するインバータと、第1蓄電装置と平滑コンデンサとの間に設けられたシステムメインリレーと、第1蓄電装置より低電圧の第2蓄電装置と、システムメインリレーと平滑コンデンサとの間に設けられ、第1蓄電装置または平滑コンデンサの電圧を降圧して第2蓄電装置に供給し、第2蓄電装置の電圧を昇圧して平滑コンデンサに供給する双方向DC/DCコンバータと、システム全体を制御する制御装置とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電気システムの制御装置は、イグニッションスイッチのオン操作による起動指示を受信すると、双方向DC/DCコンバータを昇圧動作するように制御し、平滑コンデンサの電圧がプリチャージ完了閾値に達した際に双方向DC/DCコンバータの昇圧動作を停止させると共にシステムメインリレーを閉成させる。
上述のような電気システムにおいて、双方向DC/DCコンバータにより平滑コンデンサをプリチャージしている間に、当該双方向DC/DCコンバータの異常等により平滑コンデンサの電圧が耐電圧を超えてしまうと、平滑コンデンサのみならず、それに接続された各種補機にも故障が発生してしまうおそれがある。
そこで、本開示は、第1蓄電装置よりも低電圧の第2蓄電装置からの電力を昇圧する電圧変換装置を用いたコンデンサのプリチャージの異常が発生した際に、当該コンデンサやそれに接続された機器の故障の発生を抑制することを主目的とする。
本開示の電源システムは、第1蓄電装置と、前記第1蓄電装置よりも低電圧の第2蓄電装置とを含む電源システムにおいて、それぞれリレーを介して前記第1蓄電装置に接続される正極側電力ラインおよび負極側電力ラインと、前記正極側電力ラインおよび高電圧電力ラインに接続される上アーム素子と、前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続される下アーム素子とを含む第1電圧変換装置と、前記リレーと前記第1電圧変換装置との間で前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続されるコンデンサと、前記リレーと前記コンデンサとの間で前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続され、前記第1蓄電装置および前記第1電圧変換装置側からの電力を降圧して前記第2蓄電装置側に供給すると共に、前記第2蓄電装置からの電力を昇圧して前記第1蓄電装置および前記第1電圧変換装置側に供給することができる第2電圧変換装置と、前記リレーが開成された状態で前記第2電圧変換装置によって昇圧された前記第2蓄電装置からの電力により前記コンデンサがプリチャージされている間に、前記第1蓄電装置と前記コンデンサとの電圧差が所定範囲外になり、かつ前記コンデンサの電圧が所定電圧以上になった場合、前記第1電圧変換装置の前記下アーム素子をオンさせると共に、前記第2電圧変換装置を停止させる制御装置とを含むものである。
本開示の電源システムでは、リレーが開成された状態で第2電圧変換装置によって昇圧された第2蓄電装置からの電力によりコンデンサがプリチャージされている間に、第1蓄電装置とコンデンサとの電圧差と、コンデンサの電圧とが監視される。そして、第1蓄電装置とコンデンサとの電圧差が所定範囲外になり、かつコンデンサの電圧が所定電圧以上になった場合、第1電圧変換装置の下アーム素子がオンされると共に、第2電圧変換装置が停止させられる。これにより、専用の異常検出回路等を用いることなく第2電圧変換装置によるコンデンサのプリチャージの異常を検出すると共に、異常が検出された際に第1電圧変換装置の下アーム素子をオンさせてコンデンサを放電させることができる。この結果、第2電圧変換装置を用いたコンデンサのプリチャージの異常が発生した際に、当該コンデンサやそれに接続された機器の故障の発生を良好に抑制することが可能となる。
また、前記電源システムは、前記高電圧電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続されるインバータと、前記第1電圧変換装置と前記インバータとの間で前記高電圧電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続される第2コンデンサを更に含むものであってもよく、前記制御装置は、前記第1電圧変換装置の前記下アーム素子をオンさせて前記コンデンサを放電させると共に、前記インバータをスイッチング制御して前記第2コンデンサを放電させるものであってもよい。これにより、第2電圧変換装置によるプリチャージの異常が発生した際に第1および第2コンデンサの双方を放電させることが可能となる。
次に、図面を参照しながら本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の電源システム1を含む車両としてのハイブリッド車両Vを示す概略構成図である。同図に示すハイブリッド車両Vは、電源システム1に加えて、エンジンEGや、シングルピニオン式のプラネタリギヤPG、電源システム1と電力をやり取りするモータジェネレータMG1およびMG2、車両全体を制御するハイブリッド電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)10等を含む。また、電源システム1は、高電圧バッテリ(第1蓄電装置)2や、それぞれ図示しないコイルに励磁電流が供給された際に閉成する正極側システムメインリレーSMRBおよび負極側システムメインリレーSMRG、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGを介して高電圧バッテリ2に接続されると共にモータジェネレータMG1およびMG2を駆動する電力制御装置(以下、「PCU」という)3、高電圧バッテリ2よりも低電圧の低電圧バッテリ(第2蓄電装置)4、双方向DC/DCコンバータ(第2電圧変換装置)5等を含む。
エンジンEGは、ガソリンや軽油、LPGといった炭化水素系の燃料と空気との混合気の爆発燃焼により動力を発生する内燃機関であり、図示しないエンジン電子制御ユニットにより制御される。プラネタリギヤPGは、モータジェネレータMG1(ロータ)に連結されるサンギヤと、出力軸に接続されると共にモータジェネレータMG2(ロータ)に連結されるリングギヤと、複数のピニオンギヤを回転自在に支持すると共にエンジンEGのクランクシャフトに連結されるプラネタリキャリヤとを含む。出力軸は、デファレンシャルギヤDFやドライブシャフトDSを介して左右の駆動輪DWに連結される。
モータジェネレータMG1,MG2は、何れも同期発電電動機(三相交流電動機)である。モータジェネレータMG1は、主に、負荷運転されるエンジンEGにより駆動されて電力を生成する発電機として動作する。また、モータジェネレータMG2は、主に、高電圧バッテリ2からの電力およびモータジェネレータMG1からの電力の少なくとも何れか一方により駆動されて駆動トルクを発生する電動機として動作すると共に、ハイブリッド車両Vの制動に際して回生制動トルクを出力する。更に、モータジェネレータMG1およびMG2は、PCU3を介して高電圧バッテリ2と電力をやり取りすると共に、当該PCU3を介して相互に電力をやり取りすることができる。
HVECU10は、図示しないCPUやROM,RAM等を含むマイクロコンピュータである。HVECU10は、CAN等の通信線を介してエンジン電子制御装置等と接続されると共に、スタートスイッチSS、アクセルペダルポジションセンサ、シフトポジションセンサ、車速センサといった各種センサ等と接続されている。ハイブリッド車両Vの走行に際して、HVECU10は、アクセル開度や車速に基づいて走行に要求される要求トルクを設定すると共に、エンジンEGへの要求パワーおよび目標回転数、モータジェネレータMG1,MG2に対するトルク指令値等を設定する。
また、HVECU10は、正極側システムメインリレーSMRBおよび負極側システムメインリレーSMRGを開閉制御する。すなわち、HVECU10は、運転者によりスタートスイッチSSがオンされてハイブリッド車両Vのシステム起動が要求されると、正極側システムメインリレーSMRBおよび負極側システムメインリレーSMRGの図示しないコイルに励磁電流を供給して両者を閉成(オン)させ、高電圧バッテリ2とPCU3とを電気的に接続する。更に、運転者によりスタートスイッチSSがオフされてハイブリッド車両Vのシステム停止が要求されると、HVECU10は、正極側システムメインリレーSMRBおよび負極側システムメインリレーSMRGへの励磁電流の供給を遮断して両者を開成(オフ)させ、高電圧バッテリ2とPCU3との電気的接続を解除する。
電源システム1を構成する高電圧バッテリ2は、例えば200~400Vの定格出力電圧を有するリチウムイオン二次電池またはニッケル水素二次電池である。高電圧バッテリ2の正極端子には、正極側システムメインリレーSMRBを介して正極側電力ラインPLが接続され、高電圧バッテリ2の負極端子には、負極側システムメインリレーSMRGを介して負極側電力ラインNLが接続される。また、高電圧バッテリ2には、当該高電圧バッテリ2の端子間電圧VBを検出する電圧センサ21や、当該高電圧バッテリ2を流れる電流(充放電電流)IBを検出する電流センサ22が設けられている。電圧センサ21により検出される高電圧バッテリ2の端子間電圧VBや電流センサ22により検出される電流IBは、図示しない信号線を介して直接、あるいは高電圧バッテリ2を管理する図示しない電源管理電子制御装置によりHVECU10に送信される。
電源システム1を構成するPCU3は、モータジェネレータMG1を駆動する第1インバータ31と、モータジェネレータMG2を駆動する第2インバータ32と、高電圧バッテリ2からの電力を昇圧すると共にモータジェネレータMG1,MG2側からの電圧を降圧することができる昇降圧コンバータ(第1電圧変換装置)33と、第1および第2インバータ31,32や昇降圧コンバータ33を制御するモータ電子制御ユニット(以下、「MGECU」という)30とを含む。
第1および第2インバータ31,32は、図示しない6つのトランジスタ(例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT))と、各トランジスタに逆方向に並列接続された図示しない6つのダイオードとにより構成されるものである。6つのトランジスタは、高電圧電力ラインHPLと負極側電力ラインNLとに対してソース側とシンク側とになるよう2個ずつ対をなす。また、対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、モータジェネレータMG1,MG2の三相コイル(U相、V相、W相)の各々が電気的に接続される。
昇降圧コンバータ33は、2つのトランジスタ(例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)Tra,Trbと、各トランジスタTra,Trbに対して逆方向に並列接続された2つのダイオードDa,Dbと、リアクトルLとを含む。リアクトルLの一端は、正極側電力ラインPLに電気的に接続され、リアクトルLの他端には、一方のトランジスタ(上アーム素子)Traのエミッタと他方のトランジスタ(下アーム素子)Trbのコレクタとが電気的に接続される。また、上記一方のトランジスタTraのコレクタは、上記高電圧電力ラインHPLに電気的に接続され、上記他方のトランジスタTrbのエミッタは、負極側電力ラインNLに電気的に接続される。
更に、PCU3は、フィルタコンデンサ(第1コンデンサ)34、平滑コンデンサ(第2コンデンサ)35、電圧センサ36および37を含む。フィルタコンデンサ34の正極端子は、正極側システムメインリレーSMRBと昇降圧コンバータ33との間で正極側電力ラインPL(リアクトルLの一端)に電気的に接続され、フィルタコンデンサ34の負極端子は、負極側システムメインリレーSMRGと昇降圧コンバータ33との間で負極側電力ラインNLに電気的に接続される。これにより、昇降圧コンバータ33の高電圧バッテリ2側の電圧(昇降圧コンバータ33に印加される電圧)は、フィルタコンデンサ34により平滑化される。また、電圧センサ36は、フィルタコンデンサ34の端子間電圧(昇圧前電圧)VLを検出する。
平滑コンデンサ35の正極端子は、昇降圧コンバータ33と第1、第2インバータ31,32との間で高電圧電力ラインHPL(昇降圧コンバータ33のトランジスタTraのコレクタ)に電気的に接続され、平滑コンデンサ35の負極端子は、昇降圧コンバータ33と第1、第2インバータ31,32との間で負極側電力ラインNLや昇降圧コンバータ33のトランジスタTrbのエミッタに電気的に接続される。これにより、昇降圧コンバータ33により昇圧された電圧は、平滑コンデンサ35により平滑化される。また、電圧センサ37は、平滑コンデンサ35の端子間電圧(昇圧後電圧)VHを検出する。電圧センサ36により検出されるフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLや電圧センサ37により検出される平滑コンデンサ35の端子間電圧VHは、MGECU30に送信されると共に、図示しない信号線を介して直接、あるいはMGECU30によりHVECU10に送信される。
MGECU30は、図示しないCPUやROM,RAM等を含むマイクロコンピュータであり、CAN等の通信線を介してHVECU10等と接続される。また、MGECU30は、HVECU10からの指令信号や、モータジェネレータMG1のロータの回転位置を検出する図示しないレゾルバの検出値、モータジェネレータMG2のロータの回転位置を検出するレゾルバの検出値、昇降圧コンバータ33の図示しない電流センサからの電流値、電圧センサ36,37からの端子間電圧VL,VH、図示しない電流センサにより検出されるモータジェネレータMG1,MG2に印加される相電流等を入力する。MGECU30は、これらの入力信号に基づいて、第1および第2インバータ31,32や昇降圧コンバータ33へのゲート信号(スイッチング制御信号)を生成し、これらをスイッチング制御する。
電源システム1を構成する低電圧バッテリ4は、例えば12Vの定格出力電圧を有する鉛蓄電池であり、低電圧電力ラインを介して複数の補機(低電圧補機)と接続される。双方向DC/DCコンバータ(DDC)5は、正極側システムメインリレーSMRBとPCU3との間で正極側電力ラインPLに接続されると共に、負極側システムメインリレーSMRGとPCU3との間で負極側電力ラインNLに接続される。また、双方向DC/DCコンバータ5は、上記低電圧電力ラインを介して低電圧バッテリ4および複数の補機と接続される。なお、正極側電力ラインPLおよび負極側電力ラインNLには、双方向DC/DCコンバータ5に加えて、空気調和装置の圧縮機(インバータコンプレッサ)やAC100Vへの変換器といった高電圧補機が接続される。
そして、双方向DC/DCコンバータ5は、正極側電力ラインPL側、すなわち高電圧バッテリ2およびPCU3(昇降圧コンバータ33)側の電力を降圧して低電圧電力ライン側、すなわち各種補機や低電圧バッテリ4に供給すると共に、低電圧バッテリ4からの電力を昇圧して正極側電力ラインPL側、すなわち高電圧バッテリ2およびPCU3側に供給することができる。本実施形態において、双方向DC/DCコンバータ5は、電圧変換回路50や、当該電圧変換回路50の高電圧バッテリ2およびPCU3側への出力電圧を検出する電圧センサ51、電圧変換回路50の低電圧バッテリ4側への出力電圧を検出する図示しない電圧センサ、電圧センサ51等の検出値が目標電圧Vtagになるように電圧変換回路50をフィードバック制御する電子制御装置(以下、「DDCECU」という)55等を含む。また、本実施形態において、双方向DC/DCコンバータ5(電圧変換回路50)の目標電圧Vtagは、HVECU10により設定され、HVECU10から通信線を介してDDCECU55に送信される。
次に、図2を参照しながら、運転者によりスタートスイッチSSがオンされてハイブリッド車両Vがシステム起動される際の電源システム1の制御手順について説明する。図2は、スタートスイッチSSがオンされてハイブリッド車両Vのシステム起動が要求された際にHVECU10により実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、昇降圧コンバータ33のトランジスタTraを「上アーム素子Tra」といい、トランジスタTrbを「下アーム素子Trb」という。
運転者によりスタートスイッチSSがオンされると、HVECU10(CPU)は、図2に示すように、電圧センサ21により検出された高電圧バッテリ2の端子間電圧VBを取得し、PCU3のフィルタコンデンサ34および平滑コンデンサ35をプリチャージする際の目標電圧Vtagに当該端子間電圧VBを設定すると共に、設定した目標電圧Vtagを双方向DC/DCコンバータ5のDDCECU55に送信する(ステップS100)。HVECU10からの目標電圧Vtagを受信したDDCECU55は、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが開成された状態で、電圧センサ51の検出値が目標電圧Vtagになるようにする電圧変換回路50のフィードバック制御を開始し、電圧センサ51の検出値が目標電圧Vtagになると、当該検出値が目標電圧Vtagに維持されるように電圧変換回路50をフィードバック制御する。
ステップS100の処理の後、HVECU10は、電圧センサ21により検出された高電圧バッテリ2の端子間電圧VBと、電圧センサ36により検出されたフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLとを取得し、端子間電圧VBと端子間電圧VLとの差分の絶対値|VB-VL|が予め定められた比較的小さい値α(正の値、例えば、30V程度)よりも大きいか否か(-αから+αまでの範囲(所定範囲)外であるか否か)を判定する(ステップS110)。また、ステップS110にて絶対値|VB-VL|が値αよりも大きいと判定した場合(ステップS110:YES)、HVECU10は、ステップS100にて目標電圧VtagをDDCECU55に送信してから予め定められた時間trefが経過したか否かを判定する(ステップS120)。ステップS120にて用いられる閾値としての時間trefは、目標電圧VtagがDDCECU55に送信されてからフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLおよび平滑コンデンサ35の端子間電圧VHが双方向DC/DCコンバータ5を用いたプリチャージにより目標電圧Vtagに達したとみなすことができる時間として定められる。
ステップS120にてDDCECU55への目標電圧Vtagの送信後に時間trefが経過していないと判定した場合、HVECU10は、ステップS110の判定処理を再度実行し、ステップS110にて絶対値|VB-VL|が値α以下(-αから+αまでの範囲内)になったと判定した場合(ステップS110:NO)、HVECU10は、正極側システムメインリレーSMRBおよび負極側システムメインリレーSMRGを閉成させる(ステップS190)。この際、フィルタコンデンサ34の端子間電圧VLおよび平滑コンデンサ35の端子間電圧VHは、目標電圧Vtagすなわち高電圧バッテリ2の端子間電圧VBに近い値になっていることから、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが閉成された際に正極側電力ラインPL等やPCU3に大きな突入電流が流れるのを抑制することが可能となる。ステップS190の処理の後、HVECU10は、車両状態をハイブリッド車両Vの走行が許容されるREADY-ON状態へと移行させ(ステップS200)、図2のルーチンを終了させる。
一方、ステップS110にて絶対値|VB-VL|が値αよりも大きいと判定し、かつステップS120にてDDCECU55への目標電圧Vtagの送信後に時間trefが経過したと判定した場合(ステップS110,S120:YES)、HVECU10は、電圧センサ36により検出されたフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLを取得し、端子間電圧VLが予め定められた過電圧閾値Vref以上であるか否かを判定する(ステップS130)。ステップS130にて用いられる過電圧閾値Vrefは、高電圧バッテリ2の定格電圧よりも高く、かつフィルタコンデンサ34、平滑コンデンサ35並びに高電圧補機の耐電圧よりも低い値に定められる。
ステップS130にてフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLが過電圧閾値Vref以上であると判定された場合(ステップS130:YES)、双方向DC/DCコンバータ5の電圧変換回路50、電圧センサ51あるいはDDCECU55等の異常によりフィルタコンデンサ34が目標電圧Vtagを超えて過充電されていることになる。このため、ステップS130にて端子間電圧VLが過電圧閾値Vref以上であると判定した場合(ステップS130:YES)、HVECU10は、昇降圧コンバータ33の下アーム素子TrbのみをオンさせるようにMGECU30に指令信号(ON指令)を送信し(ステップS140)、更に、モータジェネレータMG1およびMG2の予め定められた一方または双方にd軸電流のみを流すようにMGECU30に指令信号(スイッチング指令)を送信する(ステップS150)。
HVECU10からの指令信号(ON指令)を受信したMGECU30は、電圧センサ36により検出される端子間電圧VLが所定値以下になるまで昇降圧コンバータ33の下アーム素子Trbのみをオンさせる。これにより、フィルタコンデンサ34に蓄えられた電荷を昇降圧コンバータ33のリアクトルLおよび負極側電力ラインNLに流して(逃がして)当該フィルタコンデンサ34を速やかに放電させることが可能となる。なお、フィルタコンデンサ34の放電中、MGECU30は、下アーム素子Trbの温度を監視し、下アーム素子Trbの温度が許容温度を超えないように当該下アーム素子Trbを適宜オフさせる。また、MGECU30は、HVECU10からの指令信号(スイッチング指令)に応じてモータジェネレータMG1およびMG2の予め定められた一方または双方にd軸電流が流れるように第1および第2インバータ31,32の少なくとも何れか一方のトランジスタをスイッチング制御する。これにより、平滑コンデンサ35に蓄えられた電荷をモータジェネレータMG1等にd軸電流として供給して熱に替え、当該平滑コンデンサ35を速やかに放電させることができる。
ステップS150にてMGECU30に指令信号を送信した後、HVECU10は、双方向DC/DCコンバータ5の作動を停止させるようにDDCECU55に指令信号を送信する(ステップS160)。また、HVECU10は、双方向DC/DCコンバータ5によるプリチャージに異常が発生したことを示すために、図示しないインストルメントパネル等に設けられた警告灯を点灯させる(ステップS170)。更に、HVECU10は、双方向DC/DCコンバータ5の作動およびREADY-ON状態への移行を禁止し(ステップS180)、図2のルーチンを終了させる。一方、ステップS130にてフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLが過電圧閾値Vref未満であると判定した場合(ステップS130:NO)、HVECU10は、何らかの異常により双方向DC/DCコンバータ5が低電圧バッテリ4からの電圧を昇圧し得なくなっているとみなし、ステップS140およびS150の処理をスキップした上で、ステップS160からS180の処理を実行し、図2のルーチンを終了させる。
上述のような図2のルーチンが実行される結果、電源システム1を搭載したハイブリッド車両Vでは、専用の異常検出回路等を用いることなく双方向DC/DCコンバータ5によるフィルタコンデンサ34および平滑コンデンサ35のプリチャージの異常を検出すると共に、異常が検出された際に、昇降圧コンバータ33の下アーム素子Trbをオンさせてフィルタコンデンサ34を放電させる共に、第1および第2インバータ31,32のスイッチング制御により平滑コンデンサ35を放電させることができる。この結果、双方向DC/DCコンバータ5を用いたフィルタコンデンサ34および平滑コンデンサ35のプリチャージの異常が発生した際に、フィルタコンデンサ34、平滑コンデンサ35並びにそれらに接続された高電圧補機の故障の発生を良好に抑制することが可能となる。
また、双方向DC/DCコンバータ5への動作停止指令の送信(ステップS160)に先立って、昇降圧コンバータ33の下アーム素子Trbをオンさせると共に第1および第2インバータ31,32の少なくとも何れか一方をスイッチング制御することで(ステップS140,S150)、双方向DC/DCコンバータ5の動作が停止するまでにフィルタコンデンサ34の端子間電圧VLおよび平滑コンデンサ35の端子間電圧VHが耐電圧を超えてしまうのを良好に抑制することができる。更に、平滑コンデンサ35をフィルタコンデンサ34と同時に放電させることで、ステップS180の処理後に運転者によりスタートスイッチSSがオフされた際等に改めて平滑コンデンサ35を放電させる必要がなくなる。加えて、フィルタコンデンサ34に蓄えられた電荷をリアクトルLを介して負極側電力ラインNLに流すと共に、平滑コンデンサ35に蓄えられた電荷をモータジェネレータMG1等に流して両者を放電させることで、下アーム素子Trbや第1インバータ31等のトランジスタのオン時間を良好に確保して放電処理を速やかに完了させることが可能となる。
以上説明したように、本開示の電源システム1は、高電圧バッテリ2と、当該高電圧バッテリ2よりも低電圧の低電圧バッテリ4と、それぞれ正極側システムメインリレーSMRBまたは負極側システムメインリレーSMRGを介して高電圧バッテリ2に接続される正極側電力ラインPLおよび負極側電力ラインNLと、正極側電力ラインPLおよび高電圧電力ラインHPLに接続される上アーム素子Traと、正極側電力ラインPLおよび負極側電力ラインNLに接続され下アーム素子Trbbとを含む昇降圧コンバータ33と、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGと昇降圧コンバータ33との間で正極側電力ラインPLおよび負極側電力ラインNLに接続されるフィルタコンデンサ34と、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGとフィルタコンデンサ34との間で正極側電力ラインPLおよび負極側電力ラインNLに接続され、高電圧バッテリ2および昇降圧コンバータ33側からの電力を降圧して低電圧バッテリ4側に供給すると共に、低電圧バッテリ4からの電力を昇圧して高電圧バッテリ2および昇降圧コンバータ33側に供給することができる双方向DC/DCコンバータ5と、制御装置としてのHVECU10を含む。
HVECU10は、正極側および負極側システムメインリレーSMRB,SMRGが開成された状態で双方向DC/DCコンバータ5によって昇圧された低電圧バッテリ4からの電力によりフィルタコンデンサ34がプリチャージされている間に、高電圧バッテリ2とフィルタコンデンサ34との電圧差|VB-VL|と、フィルタコンデンサ34の端子間電圧VLとを監視する(ステップS110,S130)。そして、HVECU10は、電圧差|VB-VL|が所定範囲(-αから+αまでの範囲)外になり、かつ端子間電圧VLが過電圧閾値(所定電圧)Vref以上になった場合(ステップS110,S120,S130:YES)、MGECU30と協働して昇降圧コンバータ33の下アーム素子Trbをオンさせると共に(ステップS140)、双方向DC/DCコンバータ5を停止させる(ステップS160)。これにより、電源システム1では、双方向DC/DCコンバータ5を用いたフィルタコンデンサ34のプリチャージの異常が発生した際に、フィルタコンデンサ34やそれに接続された高電圧補機の故障の発生を良好に抑制することが可能となる。
また、電源システムは、高電圧電力ラインHPLおよび負極側電力ラインNLに接続される第1および第2インバータ31,32と、昇降圧コンバータ33と第1および第2インバータ31,32との間で高電圧電力ラインHPLおよび負極側電力ラインNLに接続される平滑コンデンサ35を含む。更に、HVECU10は、昇降圧コンバータ33の下アーム素子Trbをオンさせてフィルタコンデンサ34を放電させると共に、MGECU30と協働して第1および第2インバータ31,32の少なくとも何れか一方のスイッチング制御により平滑コンデンサ35を放電させる。これにより、双方向DC/DCコンバータ5によるプリチャージの異常が発生した際にフィルタコンデンサ34および平滑コンデンサ35の双方を放電させることが可能となる。
なお、図2のステップS130では、フィルタコンデンサ34の端子間電圧VLの代わりに、平滑コンデンサ35の端子間電圧VHが過電圧閾値Vrefと比較されてもよい。また、上述の電源システム1を含む車両は、動力分配用のプラネタリギヤPGを有する2モータ式(シリーズパラレル方式)のハイブリッド車両Vに限られるものではない。すなわち、本開示の発明が適用される車両は、1モータ式のハイブリッド車両であってもよく、シリーズ式のハイブリッド車両であってもよく、パラレル式のハイブリッド車両であってもよく、プラグイン式のハイブリッド車両であってもよく、電気自動車であってもよい。更に、PCU3は、2つ以上の昇降圧コンバータを含むものであってもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、電源システムの製造産業等において利用可能である。
1 電源システム、2 高電圧バッテリ、3 電力制御装置(PCU)、4 低電圧バッテリ、5 双方向DC/DCコンバータ、50 電圧変換回路、55 電子制御装置(DDCECU)、10 ハイブリッド電子制御装置(HVECU)、21,36,37,51 電圧センサ、22 電流センサ、30 モータ電子制御装置(MGECU)、31 第1インバータ、32 第2インバータ、33 昇降圧コンバータ、34 フィルタコンデンサ、35 平滑コンデンサ、Da,Db ダイオード、DF デファレンシャルギヤ、DS ドライブシャフト、DW 駆動輪、EG エンジン、HPL 高電圧電力ライン、L リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、NL 負極側電力ライン、PG プラネタリギヤ、PL 正極側電力ライン、SMRB 正極側システムメインリレー、SMRG 負極側システムメインリレー、Tra,Trb トランジスタ、V ハイブリッド車両。
Claims (1)
- 第1蓄電装置と、前記第1蓄電装置よりも低電圧の第2蓄電装置とを含む電源システムにおいて、
それぞれリレーを介して前記第1蓄電装置に接続される正極側電力ラインおよび負極側電力ラインと、
前記正極側電力ラインおよび高電圧電力ラインに接続される上アーム素子と、前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続される下アーム素子とを含む第1電圧変換装置と、
前記リレーと前記第1電圧変換装置との間で前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続されるコンデンサと、
前記リレーと前記コンデンサとの間で前記正極側電力ラインおよび前記負極側電力ラインに接続され、前記第1蓄電装置および前記第1電圧変換装置側からの電力を降圧して前記第2蓄電装置側に供給すると共に、前記第2蓄電装置からの電力を昇圧して前記第1蓄電装置および前記第1電圧変換装置側に供給することができる第2電圧変換装置と、
前記リレーが開成された状態で前記第2電圧変換装置によって昇圧された前記第2蓄電装置からの電力により前記コンデンサがプリチャージされている間に、前記第1蓄電装置と前記コンデンサとの電圧差が所定範囲外になり、かつ前記コンデンサの電圧が所定電圧以上になった場合、前記第1電圧変換装置の前記下アーム素子をオンさせると共に、前記第2電圧変換装置を停止させる制御装置とを備える電源システム。
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