JP7095564B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

Description

本発明は、収納部位内に折り畳まれて収納されて、内部に膨張用ガスを流入させて収納部位から突出するように膨張するエアバッグを備えるエアバッグ装置に関する。

従来、エアバッグ装置としては、車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時等において斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護するために、膨張完了時のエアバッグの後面側に、左右の一端側から、後方に向かって部分的に突出する突出膨張部を配設させている構成の助手席用エアバッグ装置があった（例えば、特許文献１参照）。

また、エアバッグ装置として、エアバッグに、膨張用ガスの一部を排出可能な排気孔を設け、この排気孔の開閉を、座席に着座した乗員の着座位置や体格に応じて、開閉制御装置によって制御し、エアバッグの膨張時の内圧を制御する構成のものもあった（例えば、特許文献２参照）。このエアバッグ装置では、排気孔は、連結部材によって開閉制御装置に連結される排出部に、形成されており、排出部は、連結部材の開閉制御装置との連結を維持させた状態でのバッグ本体の膨張時に、バッグ本体内へ引き込まれて排気孔の閉塞状態を維持され、連結部材の開閉制御装置との連結を解除した状態でのバッグ本体の膨張時に、バッグ本体への引き込みを解除されてバッグ本体から突出し、排気孔を開口させる構成とされていた。

特開２０１８－１１４９４７公報 特開２００８－１７９２３１公報

左右の一方から突出膨張部を突出させるように膨張するエアバッグに、上記特許文献２のような排出部を設け、排気孔の開閉を制御することにより、膨張時の内圧を制御する構成とする場合、例えば、単純に、特許文献１に記載のエアバッグのように、突出膨張部の前方の側面側に位置しているベントホールの配置位置に、排出部を配設させる構成とすれば、バッグ本体から突出した排出部の排気孔から膨張用ガスを排気させつつエアバッグが展開膨張する際に、突出膨張部の前側の領域が、突出した排出部の分だけ急激に膜長を増加させるような態様となり、この膜長の増加により、膨張する突出膨張部に左右のぶれが生じ、突出膨張部を、安定して後方に突出させることができない虞れがある。そのため、開閉を制御可能な排気孔を設け、膨張時の内圧を制御可能な構成としても、迅速にエアバッグを膨張完了可能とする点に、改善の余地があった。

本発明は、上述の課題を解決するものであり、部分的に突出する突出膨張部を有し、かつ、膨張時の内圧を制御可能な構成としても、突出膨張部によって、安定して乗員の頭部を保護可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。

本発明に係るエアバッグ装置は、収納部位内に折り畳まれて収納されて、内部に膨張用ガスを流入させて収納部位から突出するように膨張する構成とされるとともに、開口時に、内部に流入させた膨張用ガスの一部を排出可能な排気孔を、有するエアバッグと、
収納部位側に配置されて、排気孔の開閉を制御可能な開閉制御装置と、
を備える構成とされて、
エアバッグが、
可撓性を有した袋状として、膨張用ガスを内部に流入させるための流入用開口を有するとともに、流入用開口の周縁を、収納部位側に連結される構成のバッグ本体と、
排気孔を有する排出部と、
バッグ本体内に配置されて元部側を排出部に連結されるとともに、先端側を流入用開口近傍に配置される開閉制御装置に連結される連結部材と、
を備える構成のエアバッグ装置であって、
バッグ本体が、
膨張完了時の前端側を収納部位に取り付けられる本体膨張部と、
膨張完了時の本体膨張部の後面側における上側の領域において左右方向の一端側から部分的に後方に突出するように配置されるとともに、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能な突出膨張部と、
を備える構成とされて、
排出部が、
連結部材の開閉制御装置との連結を維持させた状態でのバッグ本体の膨張時に、バッグ本体内へ引き込まれた状態で、排気孔の周囲の壁部相互を圧接されることにより、排気孔の閉塞状態を維持され、連結部材の開閉制御装置との連結を解除した状態でのバッグ本体の膨張時に、バッグ本体への引き込みを解除されてバッグ本体から突出し、排気孔を開口させるように、構成されるとともに、
膨張完了時の本体膨張部において、左右方向側で対向する側壁部のうち突出膨張部側に配置される一方の側壁部に、配設されて、膨張完了時のエアバッグを側方から見た状態において、突出膨張部の頂点よりも下方の領域に、配設されていることを特徴とする。

本発明のエアバッグ装置では、エアバッグが、後面側の上側領域における左右の一端側から、後方に向かって部分的に突出する突出膨張部を備える構成であり、また、開閉制御装置によって開閉を制御される排気孔を有した排出部が、突出膨張部側の側壁部の領域に配置される構成であるが、この排出部は、膨張完了時のエアバッグを側方から見た状態において、突出膨張部の頂点よりも下方となる領域に、配設されている。すなわち、本発明のエアバッグ装置では、排出部と突出膨張部とが、側方から見て上下に離れた位置に、配置される構成である。そのため、排出部を部分的に突出させるようにして開口した排気孔から膨張用ガスを排気させつつ、エアバッグが膨張する場合にも、突出膨張部の配設されている領域では、突出する排出部による左右方向の膜長の増加が生じがたく、突出膨張部を、左右のぶれの発生を抑制して、迅速に本体膨張部の後面から後方に突出させることができる。また、本発明のエアバッグ装置では、排出部は、エアバッグの膨張完了時に、突出膨張部より下側となる領域において、前面側を収納部位の周縁の部位によって支持されるような領域に、配置される構成である。そのため、排出部を部分的に突出させつつエアバッグが膨張する場合に、この排出部を備えている本体膨張部の下側部位は、排出部の突出分膜長を増加させることとなるが、このような膜長増加により本体膨張部の下側部位が、左右にぶれるように展開することとなっても、収納部位の周縁の部位に支持されて、リバウンドが抑制されて、ぶれが連続して生ずることを抑制でき、エアバッグ全体を、静止状態の膨張完了形状まで、迅速に膨張させることができる。そして、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグの膨張完了時には、突出膨張部によって、車両の斜め衝突時やオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、的確に受け止めることができる。

したがって、本発明のエアバッグ装置では、部分的に突出する突出膨張部を有し、かつ、膨張時の内圧を制御可能な構成としても、突出膨張部によって、安定して乗員の頭部を保護することができる。

また、本発明のエアバッグ装置において、エアバッグを、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置された収納部位内に折り畳まれて収納させる構成とすれば、排出部は、エアバッグの膨張完了時に、突出膨張部より下側となる領域であって、前面側を収納部位の周縁の部位としてのインストルメントパネルに支持されるような領域に配置されることとなる。そのため、排出部を部分的に突出させつつエアバッグが膨張する場合に、この排出部を備えている本体膨張部の下側部位が左右にぶれるように展開することとなっても、この下側部位は、インストルメントパネルに支持されて、リバウンドを抑制され、ぶれの連続した発生を抑制できることとなる。その結果、容積の大きな（膜長の長い）助手席用のエアバッグであっても、エアバッグ全体を、静止状態の膨張完了形状まで、迅速に膨張させることができて、好ましく、インストルメントパネルの上面側に収納部位を配置させるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置に好適である。

さらに、上記構成のエアバッグ装置において、排出部を、膨張完了時のエアバッグを側方から見た状態で、突出膨張部の突出状態の起点よりも下側に、配設させる構成とすれば、排出部と突出膨張部とを、側方から見て、確実に上下で離れた位置に、配置させることが可能となって、好ましい。

さらにまた、上記構成のエアバッグ装置において、排出部を配設させている側壁部と、排出部と、を、膨張時の側壁部を構成する一対の可撓性を有したシート体からなる側壁構成パネルの周縁相互を結合させることにより、形成し、
各側壁構成パネルを、排出部を構成する排出部形成部位を、部分的に突出させて構成されるとともに、それぞれ、側壁形成用縁部を、備えて、側壁形成用縁部相互を、結合させる構成とすることが、好ましい。

エアバッグ装置をこのような構成とすれば、平面的な結合作業により、バッグ本体の側壁部と、側壁部から部分的に突出する排出部と、を形成することができ、排出部を、バッグ本体と一体的に、簡便に製造することができる。

具体的には、側壁部形成用縁部相互を結合させて形成される結合部位は、エアバッグの膨張完了時に、上下方向に略沿うように配設させる構成とすることができる。

また、上記構成のエアバッグ装置において、側壁部形成用縁部相互を結合させて形成される結合部位を、エアバッグの膨張完了時に、水平方向に略沿うように配設させる場合には、連結部材を、先端側を、流入用開口近傍において、突出膨張部から離れた側に配置される開閉制御装置に連結させる構成とすることが、好ましい。

エアバッグ装置をこのような構成とすれば、開閉制御装置と連結部材との連結状態を維持された状態でのエアバッグの膨張完了時に、排出部が、本体膨張部の下側の領域において、前後方向に略沿うように配設されることとなるが、連結部材が、先端側を、突出膨張部から離れた側、すなわち、排出部から離れた側に配置される開閉制御装置に連結させるようにして、排出部の周囲の周壁相互の前後方向に沿う圧接部位に対して、平行状態ではなく、直交状態に近づくように、斜めに配置される。そのため、開閉制御装置との連結を維持された状態でのバッグ本体の膨張時に、連結部材による引張力を、排出部における排気孔周縁の前縁側と後縁側とにおいて同等に作用させやすく、排出部の圧接される周壁相互を、前後の略全域にわたって、安定してバッグ本体内へ引き込むことができて、排出部の閉塞状態を安定して維持させることができる。

本発明の一実施形態である助手席用エアバッグ装置が搭載される付近を示す概略図である。 実施形態のエアバッグ装置の前後方向に沿った概略拡大断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において使用されるエアバッグを単体で膨張させた状態の斜視図である。 図３のエアバッグの概略縦断面図であり、拘束用凹部の部位での断面図である。 図３のエアバッグの概略横断面図である。 図３のエアバッグを構成する基布を示す平面図である。 図３のエアバッグを構成する基布の残りを示す平面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが閉塞モードで膨張を完了させた状態を示す前後方向の概略横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが開口モードで膨張を完了させた状態を示す前後方向の概略横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了時の概略側面図であり、閉塞モードの状態と開口モードの状態とを示す。 本発明の他の形態であるエアバッグの概略横断面図である。 図１２のエアバッグを構成する基布において、左パネル部を示す平面図である。 図１２のエアバッグを使用したエアバッグ装置において、エアバッグの膨張完了時の概略側面図であり、閉塞モードの状態と開口モードの状態とを示す。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、エアバッグ装置として、助手席用エアバッグ装置を例に採り、説明をする。助手席用エアバッグ装置Ｍ（以下「エアバッグ装置」と省略する）は、図１，８に示すように、車両Ｖにおける助手席ＰＳの前方において、インストルメントパネル（以下「インパネ」と省略する）１の上面２の内部に配置されるトップマウントタイプとされている。なお、実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両Ｖの前後・上下・左右の方向と一致するものである。

エアバッグ装置Ｍは、図１，２に示すように、折り畳まれたエアバッグ２５と、エアバッグ２５に膨張用ガスを供給するインフレーター８と、エアバッグ２５及びインフレーター８を収納保持する収納部位としてのケース１２と、エアバッグ２５及びインフレーター８をケース１２に取り付けるためのリテーナ９と、折り畳まれたエアバッグ２５を覆うエアバッグカバー６と、エアバッグ２５に形成される排出部６５の開閉を制御する開閉制御機構としての係止部材１６と、を備えている。実施形態の場合、インフレーター８と係止部材１６とは、図１に示す制御装置１００により、作動を制御される。

制御装置１００は、図１に示すように、助手席ＰＳに着座した乗員ＭＰの体格や、インパネ１と乗員ＭＰとの離隔距離を検知可能な位置検知センサ１０１、乗員ＭＰの重量を検知可能な重量検知センサ１０２、及び、車両Ｖの加速度や加速の方向を検知可能な衝突検知センサ１０３等からの電気信号を入力させて、インフレーター８を作動させるとともに、好適な膨張モードでエアバッグ２５を膨張させるように、係止部材１６の作動を制御する。

エアバッグカバー６は、合成樹脂製のインパネ１と一体的に形成されて、エアバッグ２５の展開膨張時に、前後二枚の扉部６ａ，６ｂを、エアバッグ２５に押されて開くように、構成されている。また、エアバッグカバー６における扉部６ａ，６ｂの周囲には、ケース１２に連結される連結壁部６ｃが、形成されている。

インフレーター８は、図１，２に示すように、複数のガス吐出口８ｂを有した略円柱状の本体部８ａと、インフレーター８をケース１２に取り付けるためのフランジ部８ｃと、を備えて構成されている。実施形態では、インフレーター８は、車両Ｖの前面衝突と、斜め衝突と、オフセット衝突と、の際に、作動するように、制御装置１００によって、作動を制御されている。

収納部位としてのケース１２は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成されて、図１，２に示すように、インフレーター８を下方から挿入させて取り付ける略長方形状の底壁部１３と、底壁部１３の外周縁から上方に延びてエアバッグカバー６の連結壁部６ｃを係止する周壁部１４と、を備えている。実施形態の場合、エアバッグ２５とインフレーター８とは、エアバッグ２５内に配置させたリテーナ９の各ボルト９ａを取付手段として、エアバッグ２５における流入用開口３４の周縁、ケース１２の底壁部１３、及び、インフレーター８のフランジ部８ｃを、貫通させて、ナット１０止めすることにより、ケース１２の底壁部１３に連結される。具体的には、ケース１２の底壁部１３は、左右方向側を幅広として構成されるもので（図８参照）、左右の略中央となる位置に、インフレーター８の本体部８ａを挿通可能な挿通孔と、リテーナ９の各ボルト９ａを挿通させるための挿通孔と、を配設させている。また、底壁部１３において、インフレーター８の本体部８ａを挿通させるための挿通孔の左側には、後述する連結部材９６の先端９６ｂ側を挿通可能とする貫通孔１３ａが、形成されている（図２参照）。さらに、ケース１２の底壁部１３には、車両Ｖのボディ側に連結される図示しないブラケットが、配設されている。

また、底壁部１３の下部側であって、貫通孔１３ａの近傍（実施形態の場合、インフレーター８の左側）となる位置には、開閉制御装置としての係止部材１６が、配設されている。この係止部材１６は、エアバッグ２５に形成される連結部材９６の先端９６ｂ側を連結するもので、図２に示すように、連結部材９６の先端９６ｂ側に形成される係止孔９７に挿通されて連結部材９６の先端９６ｂ側を係止する係止ピン１７と、底壁部１３の下面側に取り付けられて係止ピン１７を引き込み可能に作動するアクチュエータ１８と、係止ピン１７の先端側において底壁部１３から下方に延びるように構成されて係止ピン１７の先端側を支持可能とされる支持ブラケット１９と、を備えている。アクチュエータ１８は、制御装置１００からの作動信号を受けて係止ピン１７を引き込むように作動する構成とされている。アクチュエータ１８が係止ピン１７を引き込むように作動すると、係止ピン１７は、連結部材９６の先端９６ｂ側を係止している状態から、係止を解除する状態に移行する。アクチュエータ１８は、制御装置１００からの電気信号により係止ピン１７を移動できれば、油圧・水圧・空気圧、あるいは、インフレーター等の膨張するガス圧を発生させる場合を含めた流体圧を利用するピストンシリンダ、それらの流体圧や電気を利用したモータ、電磁ソレノイド、復元時の付勢力を利用するばね等を、使用することができる。なお、アクチュエータ１８の非作動時には、係止時における係止ピン１７からの連結部材９６の先端９６ｂ側の部位の抜けを防止するように、係止ピン１７は、先端側を支持ブラケット１９により支持されている。

エアバッグ２５は、図３～５に示すように、バッグ本体２６と、排気孔６８を有する排出部６５と、バッグ本体２６の内部に配置されてバッグ本体２６の膨張完了形状を規制するテザー５１，５７と、排出部６５に元部９６ａ側を連結されてバッグ本体２６内に配置される連結部材９６と、を備える構成とされている。

バッグ本体２６は、可撓性を有したシート体から形成される袋状とされるもので、実施形態の場合、図３～５に示すように、本体膨張部２７と、膨張完了時の本体膨張部２７の後面側から部分的に突出するように配置される突出膨張部３９と、を備えている。

本体膨張部２７は、膨張完了時に、インパネ１の上面２とインパネ１上方のウィンドシールド４との間を塞ぐように配置されるもので、膨張完了時の形状を、図３に示すように、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱形状として、膨張完了時の前端側に、ケース１２に取り付けられる取付部３３を、備える構成とされている（図５参照）。すなわち、実施形態のエアバッグ２５では、本体膨張部２７は、膨張完了時の前端２７ａ側をケース１２に取り付けられて、膨張完了時に、図８に示すように、左側の領域を、若干、運転者側となる左方に張り出させるように、配置される構成である。本体膨張部２７は、膨張完了時に乗員ＭＰ側である後面側に配置される後側壁部３８と、後側壁部３８の周縁から前方に延びるとともに前端２７ａ側にかけて上下の幅寸法を小さくするように収束される先細り形状の周壁部２８と、を備えている。

周壁部２８は、エアバッグ２５の膨張完了時に、主にインパネ１とインパネ１上方のウィンドシールド４との間に配置される部位であり、上下方向側で対向して配置される上壁部２９，下壁部３０と、左右方向側で対向して配置される左壁部３１，右壁部３２と、を備えている。実施形態のエアバッグ２５では、周壁部２８における膨張完了時の前端側の部位が、エアバッグ２５をケース１２に取り付けるための取付部３３とされている。取付部３３は、膨張完了時の左右方向側の幅寸法を、ケース１２の左右方向側の幅寸法よりも大きく設定されている（図８参照）。取付部３３における膨張完了時の下面側（下壁部３０側）には、内部に膨張用ガスを流入可能に略円形に開口して形成される流入用開口３４と、流入用開口３４の周縁においてリテーナ９のボルト９ａを挿通させるための複数（実施形態の場合、４個）の取付孔３５と、が、形成されている。そして、流入用開口３４の周縁をリテーナ９を利用してケース１２に取り付けられることにより、エアバッグ２５は、取付部３３の部位でケース１２に取り付けられている。流入用開口３４は、実施形態の場合、取付部３３の左右の中央から若干右方にずれた位置に配置されるもので、エアバッグ２５は、この流入用開口３４の中心を取付中心Ｃ（図５参照）とし、この取付中心Ｃを、助手席ＰＳの左右方向の中心と略一致させるようにして、ケース１２に取り付けられて、車両Ｖに搭載されている（図８参照）。また、流入用開口３４の左側には、排出部６５から延びる連結部材９６の先端９６ｂ側を挿通可能なスリット状の挿通孔３６が、左右方向に略沿うように形成されている。さらに、周壁部２８における左壁部３１と右壁部３２とには、内部に流入した余剰の膨張用ガスを排気させるためのベントホール３７が、形成されている。

後側壁部３８は、エアバッグ２５の膨張完了時に、乗員ＭＰ側となる後面側において、上下方向に略沿うように配置されるもので、左右方向の一端側（実施形態の場合、運転席側となる左端側）の部位に、部分的に後方に突出するように膨張する突出膨張部３９を、配設させている。

突出膨張部３９は、膨張完了時の本体膨張部２７の後面側における上側の領域に配置されるもので、実施形態の場合、エアバッグ２５の膨張完了時に、助手席ＰＳに着座した乗員ＭＰの左斜め前方となる位置に、配置される構成である（図８参照）。この突出膨張部３９は、膨張完了時の前端３９ｃ側において本体膨張部２７と連通されることにより、本体膨張部２７を経て、内部に膨張用ガスを流入させる構成であり（図５参照）、膨張完了時の外形形状を、厚さ方向を左右方向に沿わせるように配置される略板状として、左右方向側から見て略台形状とされている。具体的には、突出膨張部３９は、左右方向側から見た膨張完了形状を、本体膨張部２７側となる前端３９ｃ側を幅広として、後端３９ｄ側にかけて狭幅とするような台形状とされている（図４参照）。突出膨張部３９は、膨張完了時に、左右方向側で対向するように配置される左壁部３９ａと右壁部３９ｂとを備えており、左壁部３９ａは、図５に示すように、本体膨張部２７における周壁部２８の左壁部３１から連なるように、構成されている。突出膨張部３９の外形寸法（上下方向側の幅寸法及び前後方向側の幅寸法（後側壁部３８からの突出量））は、エアバッグ２５の膨張完了時において、右壁部３９ｂ（後述する斜突用拘束面４４）に、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを接触させた際に、この乗員ＭＰの頭部ＭＨを、的確に受け止め、かつ、後述する拘束用凹部に向かって円滑に案内可能な寸法に、設定されている。

そして、実施形態のエアバッグ２５は、膨張完了時の後側の領域を、乗員ＭＰを保護可能な乗員保護部４２として、構成されている。具体的には、突出膨張部３９と、本体膨張部２７における後側壁部３８と、が、乗員保護部４２を構成している。乗員保護部４２は、車両Ｖの前突時に前進移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護可能な前突用拘束面４３と、車両Ｖの斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護可能な斜突用拘束面４４と、前突用拘束面４３と斜突用拘束面４４との間に配置されて斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを進入させて拘束させるための拘束用凹部４５と、を備える構成とされている。

実施形態の場合、前突用拘束面４３は、後側壁部３８の上側の領域から構成されるもので、膨張完了時のエアバッグ２５において、後側壁部３８における突出膨張部３９の右側に配置される領域から、構成されている。すなわち、この前突用拘束面４３は、取付中心Ｃを通る前後方向に沿った中心線ＣＬから左側（運転席側）と右側（運転席から離れた側）とに延びる領域を備えるもので（図５参照）、前突時に前進移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを支障なく保護可能に、構成されている。実施形態の場合、前突用拘束面４３は、エアバッグ２５の膨張完了時に、前後方向に略沿った横断面において、中心線ＣＬ上となる左右の中央付近を前方側に向かって僅かに凹ませるように、構成されている（図５参照）。

斜突用拘束面４４は、突出膨張部３９の右壁部３９ｂから構成されている。すなわち、斜突用拘束面４４は、前突用拘束面４３から後方に向かって突出するように形成されるもので、実施形態の場合、前突用拘束面４３の運転席ＤＳ側となる左側のみに、配置されている。この斜突用拘束面４４は、エアバッグ２５の膨張完了時に、前後方向に略沿うように、配置される（図５参照）。また、実施形態のエアバッグ２５において、後側壁部３８における下側の領域は、前突時や斜突時、オフセット衝突時等に前進に移動する乗員ＭＰが頭部ＭＨを乗員保護部２４に拘束された際に、主に、乗員ＭＰの胸部を受け止めることとなる。

前突用拘束面４３と斜突用拘束面４４との間に形成される拘束用凹部４５は、乗員ＭＰの頭部ＭＨを進入させて拘束するためのものであり、実施形態の場合、突出膨張部３９の右側の領域と、本体膨張部２７における後側壁部３８と、の境界部位に、上下方向に略沿うようにして形成されるとともに、図４，５に示すように、後端４５ｂ側を開口させて、ポケット状に前方に凹む構成とされている。この拘束用凹部４５は、左右方向側から見て、上下に幅広とした略長方形状の左側壁４７と右側壁４８との上縁相互、下縁相互、前縁相互を、それぞれ、結合（縫着）させることにより、後端４５ｂ側を開口させた略ポケット状に、構成されている（図４，５参照）。すなわち、拘束用凹部４５は、上下方向側の長さ寸法（開口の開口幅寸法）を、乗員ＭＰの頭部ＭＨを円滑に進入させることが可能な寸法に、設定されている。また、拘束用凹部４５は、前後方向側の幅寸法（深さ）を、乗員ＭＰの頭部ＭＨの前側の領域を進入可能な寸法に、設定されている。

また、実施形態のエアバッグ２５では、拘束用凹部４５は、凹みの先端側（前端４５ａ側）を、バッグ本体２６内に配置される凹部用テザー５７に連結されて、エアバッグ２５の膨張完了時に、凹部用テザー５７によって、凹みの先端（前端４５ａ）側を前方に牽引された状態で、配置されることとなる（図５参照）。実施形態の場合、拘束用凹部４５は、エアバッグ２５の膨張完了時に、左側壁４７と右側壁４８とを略全域にわたって接触させるように、後端４５ｂ側の開口４６の口開きを抑制された状態で、突出膨張部３９の右壁部３９ｂから連なって、前端４５ａを右方に向けるように、前後方向に対して僅かに傾斜して、配置されることとなる（図５参照）。

バッグ本体２６内において、バッグ本体２６の膨張完了形状を規制するテザーとしては、実施形態の場合、本体膨張部２７の領域内に、図５に示すように、前後テザー５１と、凹部用テザー５７と、が、配置されている。

前後テザー５１は、前突用拘束面４３の左右方向の略中央と、エアバッグ２５（本体膨張部２７）の前端２７ａ側と、を連結するもので、図５に示すように、エアバッグ２５の膨張完了時に、中心線ＣＬ上に位置するように配置されて、流入用開口３４の周縁から延びる前側部位５２と、後側壁部３８側から延びる後側部位５３と、を連結させるようにして構成されている。

実施形態では、前側部位５２は、凹部用テザー５７とともに、図７に示すテザー用基布６０から、構成されている。テザー用基布６０は、共用として流入用開口３４の周縁に連結される連結部６１と、連結部６１から後方に延びて前側部位５２を構成する帯状の前側部位用基材６２と、連結部６１から左斜め前方に向かって延びて凹部用テザー５７を構成する帯状部６３と、を備える構成とされている。そして、前側部位５２は、この帯状の前側部位用基材６２を折って形成されるもので、バッグ本体２６の膨張完了時における外形形状を、前端５２ａ側を左右方向に略沿わせ、後端５２ｂ側を上下方向に略沿わせるような略三角錐形状に近似した立体形状とされている。テザー用基布６０の連結部６１は、流入用開口３４、取付孔３５、及び、挿通孔３６に対応する開口（図符号省略）を有するもので、流入用開口３４の周縁の部位で、本体膨張部２７における取付部３３の下面側の部位に、縫着される構成である。

後側部位５３は、シート状として、実施形態の場合、本体膨張部２７における後側壁部３８の左右の略中央から延びるもので、外形形状を、前側部位５２に連結される前端側を狭幅とし、後側壁部３８に連結される後端側にかけて上下に拡開されるような略台形状として、後端側を、後側壁部３８の上下左右の略中央となる位置に、連結される構成である。実施形態の場合、後側部位５３は、後述する後左パネル部８７の右縁８７ｄと後右パネル部９０の左縁９０ｃとからそれぞれ延びるように形成される延設部８７ｅ，９０ｅから形成されている（図７参照）。すなわち、後側部位５３は、図５に示すように、左右方向側で重ねられた二枚重ね状とされている。

この前後テザー５１は、エアバッグ２５の膨張完了時に、後側壁部３８の左右方向の略中央、すなわち、前突用拘束面４３の左右方向の略中央と、流入用開口３４の周縁部位（本体膨張部２７の前端２７ａ側）と、を連結するもので、エアバッグ２５の膨張初期における前突用拘束面４３（後側壁部３８）の過度の後方への突出や、膨張完了時の前突用拘束面４３の後方移動を、抑制するために、配置されている。また、実施形態では、後側壁部３８は、この前後テザー５１に牽引されるようにして、エアバッグ２５の膨張完了時に、中心線ＣＬ上となる位置を、上下の略全域にわたって、僅かに車両前方側に向かって凹ませて、配置されることとなる（図５参照）。

凹部用テザー５７は、エアバッグ２５の膨張完了時に、図５に示すように、拘束用凹部４５の凹みの先端（前端４５ａ）側と、エアバッグ２５の前端側（本体膨張部２７の前端２７ａ側）と、を連結するように、配置されている。この凹部用テザー５７は、上述したごとく、テザー用基布６０の帯状部６３から構成されるもので、帯状部６３の後端６３ａ側を、拘束用凹部４５の前端４５ａ側に連結させることにより、エアバッグ２５の膨張完了時に、前端５７ａ側を右方に位置させ、後端５７ｂ側を左方に位置させるように、前後方向に対して、傾斜して配置される構成である（図５参照）。この凹部用テザー５７は、長さ寸法を、エアバッグ２５の膨張完了時に、拘束用凹部４５を、凹部用テザー５７に略沿わせるようにして前方に牽引可能な寸法に、設定されている。

排出部６５は、実施形態の場合、左右方向側で対向する左壁部３１，右壁部３２のうち突出膨張部３９側に配置される左壁部３１に、配設されている。具体的には、排出部６５は、左壁部３１において、ベントホール３７よりも後側であって、かつ、膨張完了時のエアバッグ２５を側方から見た状態において、突出膨張部３９の頂点３９ｅよりも下方の領域に、配設されている。さらに詳細には、排出部６５は、頂点３９ｅよりも下方であって、突出膨張部３９の下端側における突出状態の起点３９ｆよりも、下側に、配設されるもので（図１１のＡ，Ｂ参照）、膨張用ガスＧを排気可能な排気孔６８を、備えている。この排出部６５は、バッグ本体２６と一体的に形成されるもので、連結部材９６の係止部材１６との連結を維持させた状態でのバッグ本体２６の膨張時に、バッグ本体２６内へ引き込まれた状態を維持され（図９参照）、連結部材９６の係止部材１６との連結を解除した状態でのバッグ本体２６の膨張時に、バッグ本体２６内への引き込みを解除されてバッグ本体２６から突出する構成とされている（図１０参照）。この排出部６５は、平らに展開した状態の側面視の外形形状を、略長方形状とされるもので、左壁部３１における前側部位３１ａ及び後側部位３１ｂからそれぞれ連なるようにして形成されるとともに外形形状を略同一とした２枚の側壁部６６，６７を、備え、先端６５ｂ側においてこの側壁部６６，６７の一部を、連結部材９６とともに、相互に結合させることにより、構成されている。この排出部６５では、２枚の側壁部６６，６７は、連結部材９６との結合部位９８を除いた領域を、非結合とされており、また、連結部材９６の係止部材１６との連結を解除した状態でのバッグ本体２６の膨張時には、図１０に示すように、反転されるようにして、バッグ本体２６から突出することとなる。そして、これらの２枚の側壁部６６，６７におけるこの非結合の領域が、排気孔６８を、構成している。実施形態の排出部６５では、バッグ本体２６内への引き込み時には、元部６５ａ側の部位（左壁部３１との境界部位）付近が、後述する結合部位７０から連なる略線状の部位を、側壁部６６，６７相互を圧接させるようにして、シールされることとなって、膨張用ガスの排気を抑制されることとなる。

排出部６５を係止部材１６に連結させる連結部材９６は、バッグ本体２６と別体とされて、可撓性を有した帯状の布材から構成されるもので、実施形態の場合、２枚重ね状として、排出部６５の先端６５ｂ側を挟むように構成されている（図５参照）。この連結部材９６は、相互に重ねられた状態で、縫合糸を用いて、先端９６ｂ側を除いた略全長にわたって相互に結合されるとともに、この略全長にわたって設けられる結合部位９８によって、元部９６ａ側を、排出部６５の先端６５ｂ側に縫着（結合）させる構成とされている。また、連結部材９６の先端９６ｂ側には、係止部材１６の係止ピン１７を挿通可能な係止孔９７が、形成されている。この連結部材９６は、長さ寸法を、係止孔９７に係止ピン１７を挿通させて係止ピン１７との係止を維持されて、排出部６５をバッグ本体２６内に引き込むような閉塞モードでエアバッグ２５が膨張する際にも、エアバッグ２５を支障なく膨張可能な寸法に、設定されている。そして、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、連結部材９６と係止部材１６との係止を維持させた閉塞モードでエアバッグ２５が膨張する場合には、エアバッグ２５は、排出部６５を連結部材９６によりバッグ本体２６内に引き込まれた状態で膨張することとなり、排気孔６８の周縁を構成する側壁部６６，６７が、バッグ本体２６内に流入した膨張用ガスの内圧を受けて相互に圧接されるような態様となって、排気孔６８が開くことを抑制される（図９及び図１１のＡ参照）。また、連結部材９６と係止部材１６との係止を解除させた開口モードでエアバッグ２５が膨張する場合には、排出部６５が、バッグ本体２６への引き込みを解除されて、バッグ本体２６に対して反転されるようにして、バッグ本体２６から突出することとなり、排気孔６８を開口させることとなる（図１０及び図１１のＢ参照）。

バッグ本体２６は、所定形状の基布の周縁相互を結合させて袋状に形成されるもので、実施形態の場合、図６，７に示すように、左パネル部７４，右パネル部８５と、突出部構成パネル部９２と、前パネル部７２と、後左パネル部８７，後右パネル部９０と、から構成されている。

前パネル部７２は、外形形状を、長手方向を前後方向に略沿わせた略帯状として構成されるもので、膨張完了時の本体膨張部２７において上下方向側で対向する上壁部２９から下壁部３０にかけてを、構成している。実施形態の場合、前パネル部７２は、左縁７２ｃ側を左方に張り出させるように、左右非対称形として、構成されている。

左パネル部７４は、膨張完了時の本体膨張部２７における左壁部３１から突出膨張部３９にかけてを構成するもので、実施形態の場合、図６，１１に示すように、前後方向側（流入用開口３４側と後側壁部３８側と）で、２つに分割されている。右パネル部８５は、本体膨張部２７の右壁部３２を構成している。実施形態では、左パネル部７４を構成する前側部位７５と後側部位８０とが、膨張時の左壁部３１を構成する一対の側壁構成パネルを、構成している。左パネル部７４は、膨張完了時に左壁部３１を形成する領域で、前側部位７５と後側部位８０とに分割されるもので、後側部位８０には、突出膨張部３９の左壁部３９ａを構成する突出部構成部８３が、配設されている。

前側部位７５は、後縁７６側に、排出部６５の側壁部６７を構成する排出部形成部位７７を部分的に突出させて構成されるもので、この前側部位７５における後縁７６が、左壁部３１を構成する側壁形成用縁部を、構成している。排出部形成部位８２は、外形形状を、上下方向側を幅広とした略長方形状として、構成されている。後側部位８０は、前縁８１側に、排出部６５の側壁部６６を構成する排出部形成部位８２を部分的に突出させて構成されるもので、この後側部位８０における前縁８１が、左壁部３１を構成する側壁形成用縁部を、構成している。この後側部位８０における前縁８１側の領域は、排出部形成部位８２も含めて、外形形状を、前側部位７５の後縁７６側の領域と、エアバッグ２５の外周面側相互を接触させるように重ねた状態で、同一形状となるように、構成されている。平らに展開した状態の後側部位８０において、排出部形成部位８２は、突出部構成部８３よりも下側となる位置に、形成されている。そして、実施形態のエアバッグ２５では、左壁部３１の領域に、前側部位７５の後縁７６と後側部位８０の前縁８１とを、排出部６５の配置領域を除いて結合させる結合部位７０が、形成される構成であり、この結合部位７０は、図１１に示すように、エアバッグ２５の膨張完了時に、エアバッグ２５を側方から見た状態において、上下方向に略沿うように配設される。

後左パネル部８７，後右パネル部９０は、膨張完了時の本体膨張部２７における後面（後側壁部３８の部位）を構成するとともに左右方向側で２分割するように構成されるもので、それぞれ、長手方向を上下方向に略沿わせた帯状として構成されている。後左パネル部８７の右縁８７ｄと、後右パネル部９０の左縁９０ｃと、には、それぞれ、前後テザー５１の後側部位５３を構成する延設部８７ｅ，９０ｅが、突出して形成されている。突出膨張部３９側となる左側に配置される後左パネル部８７の左縁８７ｃの上端側には、拘束用凹部４５の右側壁４８を構成する凹部構成部８８が、部分的に突出するように、形成されている。凹部構成部８８の前縁８８ｃには、凹部用テザー５７の後端５７ｂを連結させる連結タブ８８ｄが、突出して形成されている。

突出部構成パネル部９２は、突出膨張部３９における斜突用拘束面４４側、すなわち、右壁部３９ｂの部位を構成するもので、外形形状を、左パネル部７４における後側部位８０に形成される突出部構成部８３と略同一とした略台形状とされている。また、突出部構成パネル部９２の前縁側には、拘束用凹部４５の左側壁４７を構成する凹部構成部９３が、突出して形成されている。凹部構成部９３の前縁９３ｃには、凹部用テザー５７の後端５７ｂを連結される連結タブ９３ｄが、突出して形成されている。

実施形態では、バッグ本体２６を構成する左パネル部７４（前側部位７５，後側部位８０），右パネル部８５，突出部構成パネル部９２，前パネル部７２，後左パネル部８７，後右パネル部９０、及び、前後テザー５１及び凹部用テザー５７を構成するテザー用基布６０は、それぞれ、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。

そして、実施形態のバッグ本体２６は、図６，７に示すように、左パネル部７４（前側部位７５，後側部位８０），右パネル部８５，突出部構成パネル部９２，前パネル部７２，後左パネル部８７，後右パネル部９０の対応する縁部相互を、縫合糸を用いて縫着（結合）させることにより、排出部６５を有した袋状とされている。

具体的には、前側部位７５と後側部位８０とは、後縁７６，前縁８１相互を結合させて結合部位７０を形成することにより、左パネル部７４を形成する。前パネル部７２の後上縁７２ａは、後左パネル部８７，後右パネル部９０の上縁８７ａ，９０ａと結合され、後下縁７２ｂは、後左パネル部８７，後右パネル部９０の下縁８７ｂ，９０ｂと結合される。前パネル部７２の左縁７２ｃは、左パネル部７４における前側部位７５，後側部位８０の上縁７５ａ，８０ａから下縁７５ｂ，８０ｂにかけてと結合され、前パネル部７２の右縁７２ｄは、右パネル部８５における上縁８５ａから下縁８５ｂにかけてと結合される。後左パネル部８７の左縁８７ｃは、左パネル部７４における後側部位８０の後縁８０ｃと結合される。後左パネル部８７の右縁８７ｄは、後右パネル部９０の左縁９０ｃと結合される。後右パネル部９０の右縁９０ｄは、右パネル部８５の後縁８５ｃと結合される。左パネル部７４における突出部構成部８３の上縁８３ａ，下縁８３ｂ，後縁８３ｃは、それぞれ、突出部構成パネル部９２の上縁９２ａ，下縁９２ｂ，後縁９２ｃと結合される。後左パネル部８７に形成される凹部構成部８８の上縁８８ａ，下縁８８ｂ，前縁８８ｃは、それぞれ、突出部構成パネル部９２における凹部構成部９３の上縁９３ａ，下縁９３ｂ，前縁９３ｃと、結合される。

次に、実施形態のエアバッグ装置Ｍの車両Ｖへの搭載について説明をする。まず、エアバッグ２５を、リテーナ９を内部に収納させた状態で、ケース１２内に収納可能に折り畳み、折り畳んだエアバッグ２５の周囲を、折り崩れしないように、破断可能な図示しないラッピングシートによりくるんでおく。このとき、排出部６５から延びる連結部材９６の先端９６ｂ側を、バッグ本体２６に形成される挿通孔３６から突出させておく。その後、折り畳まれたエアバッグ２５を、ボルト９ａを底壁部１３から突出させるようにして、予め係止部材１６を取り付けておいたケース１２内に収納させる。そして、係止部材１６の係止ピン１７を、底壁部１３に形成される貫通孔１３ｂから突出させた連結部材９６の係止孔９７に挿通させ、係止ピン１７の先端を支持ブラケット１９に支持させるようにして、連結部材９６の先端９６ｂ側を係止部材１６に係止させる。次いで、インフレーター８の本体部８ａを、底壁部１３の下方から、ケース１２内に挿入させるとともに、底壁部１３から下方に突出しているリテーナ９のボルト９ａを、インフレーター８のフランジ部８ｃに挿通させる。その後、インフレーター８のフランジ部８ｃから突出した各ボルト９ａにナット１０を締結させれば、折り畳んだエアバッグ２５とインフレーター８とを、ケース１２に取り付けることができる。

その後、車両Ｖに搭載されたインパネ１におけるエアバッグカバー６の連結壁部６ｃに、ケース１２の周壁部１４を係止させ、ケース１２に設けられた図示しないブラケットを車両Ｖのボディ側に固定させ、インフレーター８と係止部材１６とを制御装置１００に電気的に接続させれば、エアバッグ装置Ｍを車両Ｖに搭載することができる。

実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、車両Ｖに搭載した状態で、車両Ｖの前面衝突、斜め衝突、若しくは、オフセット衝突を検知すれば、制御装置１００がインフレーター８に作動信号を出力することとなって、インフレーター８が、ガス吐出口８ｂから膨張用ガスを吐出させて、エアバッグ２５が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、エアバッグカバー６の扉部６ａ，６ｂを押し開かせることとなる。そして、エアバッグ２５は、エアバッグカバー６の扉部６ａ，６ｂを押し開いて形成される開口を経て、ケース１２から上方へ突出するとともに、車両Ｖの後方側に向かって突出しつつ展開膨張して、図１の二点鎖線及び図１１のＡに示すように、インパネ１の上面２とインパネ１上方のウィンドシールド４との間を塞ぐように、膨張を完了させることとなる。

そして、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、エアバッグ２５が、後面側の上側領域における左右の一端側（実施形態の場合、左側）から、後方に向かって部分的に突出する突出膨張部３９を備える構成であり（図８参照）、また、開閉制御装置としての係止部材１６によって開閉を制御される排気孔６８を有した排出部６５が、突出膨張部３９側の左壁部３１の領域に配置される構成であるが、この排出部６５は、図１１に示すように、膨張完了時のエアバッグ２５を側方から見た状態において、突出膨張部３９の頂点３９ｅよりも下方となる領域に、配設されている。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、排出部６５と突出膨張部３９とが、側方から見て上下に離れた位置に、配置される構成である。そのため、図１０に示すごとく、排出部６５を部分的に突出させるようにして開口した排気孔６８から膨張用ガスを排気させつつ、エアバッグ２５が膨張する場合にも、突出膨張部３９の配設されている領域では、突出する排出部６５による左右方向の膜長の増加が生じがたく、突出膨張部３９を、左右のぶれの発生を抑制して、迅速に本体膨張部２７の後面（後側壁部３８）から後方に突出させることができる。また、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、排出部６５は、エアバッグ２５の膨張完了時に、突出膨張部３９より下側となる領域であって、前面側を、収納部位としてのケース１２の周縁の部位であるインパネ１に支持されるような領域に、配置される構成である（図１１参照）。そのため、排出部６５を部分的に突出させつつエアバッグ２５が膨張する場合に、この排出部６５を備えている本体膨張部２７の下側部位２７ｂは、排出部６５の突出分膜長を増加させることとなるが、このような膜長増加により本体膨張部２７の下側部位２７ｂが、左右にぶれるように展開することとなっても、インパネ１に支持されて、リバウンドが抑制されて、ぶれが連続して生ずることを抑制でき、エアバッグ２５全体を、静止状態の膨張完了形状まで、迅速に膨張させることができる。

そして、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、エアバッグ２５の膨張完了時には、突出膨張部３９によって、車両Ｖの斜め衝突時やオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、的確に受け止めることができる。具体的には、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、エアバッグ２５は、膨張完了時の本体膨張部２７の後面（後側壁部３８）を、前突時に乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護する前突用拘束面４３とし、本体膨張部２７から突出する突出膨張部３９において後側壁部３８から連なる右壁部３９ｂを、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護する斜突用拘束面４４とするとともに、この前突用拘束面４３と斜突用拘束面４４との間に、前方に凹む拘束用凹部４５を配設させていることから、車両Ｖの斜め衝突時やオフセット衝突時等において、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、斜突用拘束面４４によって受け止めつつ、拘束用凹部４５内に進入させることにより、的確に保護することができる（図８の二点鎖線参照）。

したがって、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、部分的に突出する突出膨張部３９を有し、かつ、膨張時の内圧を制御可能な構成としても、突出膨張部３９によって、安定して乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護することができる。

具体的には、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、排気孔６８の開閉を制御する開閉制御装置は、排出部６５から延びる連結部材９６の先端９６ｂ側を係止する係止部材１６から、構成されている。そして、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、所定のセンサ１０１，１０２，１０３からの信号を入力させている制御装置１００が、例えば、小柄乗員ＭＰ１の着座を検知したり、乗員ＭＰがインパネ１に近接した位置に着座していることを検知した場合には、インフレーター８の作動と略同時に、係止部材１６のアクチュエータ１８に作動信号を出力させて、係止部材１６が係止ピン１７を引き込むように作動されることとなる。そして、エアバッグ２５は、図１０及び図１１のＢに示すように、バッグ本体２６から排出部６５を突出させて、排気孔６８を開口させるような開口モードで膨張することとなり、排気孔６８から余剰の膨張用ガスＧを排気させるようにして、膨張を完了させることとなる。そのため、エアバッグ２５が、排気孔６８から余剰の膨張用ガスＧを排気させて、内圧上昇を抑制された状態で膨張を完了させることから、小柄乗員ＭＰ１やインパネ１に近接して着座している乗員ＭＰを、内圧を低く設定されたエアバッグにより、必要以上に押圧することを抑えて、ソフトに保護することができる。

逆に、制御装置１００が、例えば、大柄乗員ＭＰ２の着座を検知したり、乗員ＭＰがインパネ１から離れた位置に着座していることを検知した場合には、制御装置１００からアクチュエータ１８に作動信号が出力されず、エアバッグ２５は、排出部６５の引き込みを維持された状態で、排気孔６８の周囲の側壁部６６，６７相互を圧接されることにより、排気孔６８を閉塞させるような閉塞モードで膨張することとなり、図９及び図１１のＡに示すように、この排気孔６８の閉塞状態を維持されたままで、膨張を完了させることとなる。そのため、エアバッグ２５が、排気孔６８から膨張用ガスを排気させない内圧の高い状態で膨張を完了させることから、大柄乗員ＭＰ２やインパネ１から離隔して着座している乗員ＭＰを、十分な内圧を確保して、クッション性よく膨張したエアバッグ２５により、底付きすることなく、的確に保護することができる。

実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、排出部６５が、膨張完了時のエアバッグ２５を側方から見た状態で、突出膨張部３９の突出状態の起点３９ｆよりも下側に、配設されていることから（図１１参照）、排出部６５と突出膨張部３９とを、側方から見て、確実に上下で離れた位置に、配置させることができる。

また、実施形態のエアバッグ装置Ｍでは、排出部６５を配設させている左壁部３１と、排出部６５と、が、膨張時の左壁部３１を構成する一対の可撓性を有したシート体からなる側壁構成パネルとしての前側部位７５と後側部位８０との後縁７６，前縁８１相互を結合させることにより、形成され、各前側部位７５，後側部位８０が、排出部６５を構成する排出部形成部位７７，８２を、部分的に突出させて構成されるとともに、それぞれ、側壁形成用縁部としての後縁７６，前縁８１を、備えて、後縁７６，前縁８１相互を、結合させる構成とされている。そのため、平面的な結合作業により、バッグ本体２６の左壁部３１と、左壁部３１から部分的に突出する排出部６５と、を形成することができ、排出部６５を、バッグ本体２６と一体的に、簡便に製造することができる。

実施形態のエアバッグ２５では、排出部６５は、突出膨張部３９側に配置される左壁部３１を前後で分割するようにして、すなわち、前側部位７５，後側部位８０の後縁７６，前縁８１相互を結合させて形成される結合部位７０を、エアバッグ２５の膨張完了時に、上下方向に略沿うように配置させて、形成されているが、図１２，１４に示すエアバッグ２５Ａのように、左壁部３１Ａを、上下で分割するようにして、排出部６５Ａを配設させる構成としてもよい。

図１２，１４に示すエアバッグ２５Ａでは、左壁部３１Ａを構成する左パネル部１１０以外は、前述のエアバッグ２５と同一の構成であることから、同一の部材には、同一の図符号を付して、詳細な説明を省略する。また、このエアバッグ２５Ａでは、突出膨張部３９Ａは、図１４に示すように、前述のエアバッグ２５における突出膨張部３９よりも上下の幅寸法を大きく設定されている。

エアバッグ２５Ａにおける左壁部３１Ａを構成する左パネル部１１０は、図１３に示すように、上下方向側で、２つに分割されており、この左パネル部１１０を構成する上側部位１１１と下側部位１１６とが、膨張時の左壁部３１Ａを構成する一対の側壁構成パネルを、構成している。左パネル部１１０は、膨張完了時に左壁部３１Ａを形成する領域（左壁部３１Ａの下端近傍の領域）で、上側部位１１１と下側部位１１６とに分割されるもので、上側部位１１１には、突出膨張部３９Ａの左壁部３９ａを構成する突出部構成部１１４が、配設されている。

上側部位１１１は、下縁１１２側に、排出部６５Ａの側壁部６６Ａを構成する排出部形成部位１１３を部分的に突出させて構成されるもので、この上側部位１１１における下縁１１２が、左壁部３１Ａを構成する側壁形成用縁部を、構成している。排出部形成部位１１３は、外形形状を、前後方向側を幅広とした略長方形状として、構成されている。平らに展開した状態の上側部位１１１において、排出部形成部位１１３は、突出部構成部１１４よりも下側となる位置に、形成されている。下側部位１１６は、上縁１１７側に、排出部６５Ａの側壁部６７Ａを構成する排出部形成部位１１８を部分的に突出させて構成されるもので、この下側部位１１６における上縁１１７が、左壁部３１Ａを構成する側壁形成用縁部を、構成している。この下側部位１１６における上縁１１７側の領域は、排出部形成部位１１８も含めて、外形形状を、上側部位１１１における下縁１１２側の領域と、エアバッグ２５Ａの外周面側相互を接触させるように重ねた状態で、同一形状となるように、構成されている。そして、このエアバッグ２５Ａでは、左壁部３１Ａの領域に、上側部位１１１の下縁１１２と下側部位１１６の上縁１１７とを、排出部６５Ａの配置領域を除いて結合させる結合部位７０Ａが、エアバッグ２５Ａの膨張完了時に、前後方向に略沿うように配設される構成である。そして、このエアバッグ２５Ａでは、排出部６５Ａは、図１４に示すように、突出膨張部３９Ａの下端側における突出状態の起点３９ｆと略同等の位置であって、突出膨張部３９Ａの頂点３９ｅよりも下方の領域に、配設されている。このエアバッグ２５Ａでは、排出部６５Ａの先端６５ｂ側から延びる連結部材９６Ａは、図１２に示すように、先端９６ｂ側を、流入用開口３４近傍において、突出膨張部３９Ａから離れた側となる右側に配置される挿通孔３６Ａに挿通させるもので、車両搭載時には、図示を省略するが、インフレーターの右側に配置される係止部材に、連結される構成である。

このような構成のエアバッグ２５Ａを使用したエアバッグ装置では、係止部材１６Ａと連結部材９６Ａとの連結状態を維持された状態でのエアバッグ２５Ａの膨張完了時に、排出部６５Ａが、本体膨張部２７の下側の領域において、前後方向に略沿うように配設されることとなるが（図１４参照）、連結部材９６Ａが、先端９６ｂ側を、突出膨張部３９Ａから離れた側、すなわち、排出部６５Ａから離れた側となる右側に配置される図示しない係止部材に連結させるようにして、排出部６５Ａの周囲の側壁部６６Ａ，６７Ａ相互の前後方向に沿う圧接部位に対して、平行状態ではなく、直交状態に近づくように、斜めに配置される（図１２参照）。そのため、係止部材との連結を維持された状態でのバッグ本体２６Ａの膨張時に、連結部材９６Ａによる引張力を、排出部６５Ａにおける排気孔６８Ａ周縁の前縁側と後縁側とにおいて同等に作用させやすく、排出部６５Ａの圧接される側壁部６６Ａ，６７Ａ相互を、前後の略全域にわたって、安定してバッグ本体２６Ａ内へ引き込むことができて、排出部６５Ａの閉塞状態を安定して維持させることができる。また、連結部材９６Ａと係止部材との連結を解除させた状態では、エアバッグ２５Ａは、図１４のＢに示すように、バッグ本体２６Ａから排出部６５Ａを突出させて、排気孔６８Ａを開口させ、排気孔６８Ａから余剰の膨張用ガスＧを排気させるようにして、膨張を完了させることとなる。このように、結合部位７０Ａを前後方向に略沿わせるようにして排出部６５Ａを構成する場合、排出部６５Ａは、前述のエアバッグ２５における排出部６５と比較して、上下方向側の大きさを小さくできることから、前述のエアバッグ２５と比較して、突出膨張部３９Ａの上下の幅寸法が大きく、本体膨張部２７における下端側の領域の小さなエアバッグ２５Ａに、好適である。

実施形態では、エアバッグ装置Ｍは、助手席用前方のインパネ１の上面２側に配置されるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置であり、排出部６５を備えている本体膨張部２７の下側部位２７ｂは、エアバッグ２５の膨張完了時に、突出膨張部３９より下側となる領域であって、前面側をインパネ１に支持されるような領域に配置されることから（図１１参照）、排出部６５を部分的に突出させつつエアバッグ２５が膨張する場合に、下側部位２７ｂが左右にぶれるように展開することとなっても、この下側部位２７ｂは、インパネ１に支持されて、リバウンドを抑制され、振動するようなぶれの連続した発生を抑制できる。そのため、容積の大きな（膜長の長い）助手席用のエアバッグ２５であっても、エアバッグ全体を、静止状態の膨張完了形状まで、迅速に膨張させることができて好ましく、インパネ１の上面側に収納部位（ケース１２）を配置させるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置に好適である。なお、実施形態では、トップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置を例に採り、説明しているが、本発明を適用可能なエアバッグ装置は、トップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置に限られるものではない。例えば、ミッドマウントタイプの助手席用エアバッグ装置や、乗員としての運転者の前方に配置されるステアリングホイール用のエアバッグ装置、後部座席に着座した乗員の前方に配置されるエアバッグ装置等にも、本発明は適用可能である。

１…インストルメントパネル（インパネ）、２…上面、１２…ケース（収納部位）、１６…係止部材（開閉制御装置）、２５，２５Ａ…エアバッグ、２６，２６Ａ…バッグ本体、２７，２７Ａ…本体膨張部、３１，３１Ａ…左壁部、３５…流入用開口、３９，３９Ａ…突出膨張部、６５，６５Ａ…排出部、６８，６８Ａ…排気孔、７０，７０Ａ…結合部位、７４…左パネル部、７５…前側部位（側壁構成パネル）、７６…後縁（側壁形成用縁部）、７７…排出部形成部位、８０…後側部位（側壁構成パネル）、８１…前縁（側壁形成用縁部）、８２…排出部形成部位、９６，９６Ａ…連結部材、１１０…左パネル部、１１１…上側部位（側壁構成パネル）、１１２…下縁（側壁形成用縁部）、１１３…排出部形成部位、１１６…下側部位（側壁構成パネル）、１１７…上縁（側壁形成用縁部）、１１８…排出部形成部位、ＭＰ…乗員、ＭＨ…頭部、ＰＳ…助手席、Ｖ…車両、Ｍ…助手席用エアバッグ装置（エアバッグ装置）。

Claims (3)

1. 収納部位内に折り畳まれて収納されて、内部に膨張用ガスを流入させて前記収納部位から突出するように膨張する構成とされるとともに、排気孔を有し、該排気孔の開口時に、内部に流入させた前記膨張用ガスの一部を排出可能に構成されるエアバッグと、
   前記収納部位側に配置されて、前記排気孔の開閉を制御可能な開閉制御装置と、
   を備える構成とされて、
   前記エアバッグが、
   可撓性を有した袋状として、前記膨張用ガスを内部に流入させるための流入用開口を有するとともに、該流入用開口の周縁を、前記収納部位側に連結される構成のバッグ本体と、
   前記排気孔を有する排出部と、
   前記バッグ本体内に配置されて元部側を前記排出部に連結されるとともに、先端側を前記流入用開口近傍に配置される前記開閉制御装置に連結される連結部材と、
   を備える構成のエアバッグ装置であって、
   前記バッグ本体が、
   膨張完了時の前端側を前記収納部位に取り付けられる本体膨張部と、
   膨張完了時の前記本体膨張部の後面側における上側の領域において左右方向の一端側から部分的に後方に突出するように配置されるとともに、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能な突出膨張部と、
   を備える構成とされて、
   前記排出部が、
   前記連結部材の前記開閉制御装置との連結を維持させた状態での前記バッグ本体の膨張時に、前記バッグ本体内へ引き込まれた状態で、前記排気孔の周囲の壁部相互を圧接されることにより、前記排気孔の閉塞状態を維持され、前記連結部材の前記開閉制御装置との連結を解除した状態での前記バッグ本体の膨張時に、前記バッグ本体への引き込みを解除されて前記バッグ本体から突出し、前記排気孔を開口させるように、構成されるとともに、
   膨張完了時の前記本体膨張部において、左右方向側で対向する側壁部のうち前記突出膨張部側に配置される一方の側壁部に、配設されて、膨張完了時の前記エアバッグを側方から見た状態において、前記突出膨張部の突出状態の起点よりも下側に、配設され、
   前記排出部を配設させている前記側壁部と、前記排出部と、が、膨張時の前記側壁部を構成する一対の可撓性を有したシート体からなる側壁構成パネルの周縁相互を結合させることにより、形成され、
   前記各側壁構成パネルが、前記排出部を構成する排出部形成部位を、部分的に突出させて構成されるとともに、それぞれ、側壁形成用縁部を、備えて、前記側壁形成用縁部相互を、結合させる構成とされ、
   前記側壁部形成用縁部相互を結合させて形成される結合部位が、前記エアバッグの膨張完了時に、上下方向に略沿うように配設されていることを特徴とするエアバッグ装置。
2. 収納部位内に折り畳まれて収納されて、内部に膨張用ガスを流入させて前記収納部位から突出するように膨張する構成とされるとともに、排気孔を有し、該排気孔の開口時に、内部に流入させた前記膨張用ガスの一部を排出可能に構成されるエアバッグと、
   前記収納部位側に配置されて、前記排気孔の開閉を制御可能な開閉制御装置と、
   を備える構成とされて、
   前記エアバッグが、
   可撓性を有した袋状として、前記膨張用ガスを内部に流入させるための流入用開口を有するとともに、該流入用開口の周縁を、前記収納部位側に連結される構成のバッグ本体と、
   前記排気孔を有する排出部と、
   前記バッグ本体内に配置されて元部側を前記排出部に連結されるとともに、先端側を前記流入用開口近傍に配置される前記開閉制御装置に連結される連結部材と、
   を備える構成のエアバッグ装置であって、
   前記バッグ本体が、
   膨張完了時の前端側を前記収納部位に取り付けられる本体膨張部と、
   膨張完了時の前記本体膨張部の後面側における上側の領域において左右方向の一端側から部分的に後方に突出するように配置されるとともに、車両の斜突時若しくはオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能な突出膨張部と、
   を備える構成とされて、
   前記排出部が、
   前記連結部材の前記開閉制御装置との連結を維持させた状態での前記バッグ本体の膨張時に、前記バッグ本体内へ引き込まれた状態で、前記排気孔の周囲の壁部相互を圧接されることにより、前記排気孔の閉塞状態を維持され、前記連結部材の前記開閉制御装置との連結を解除した状態での前記バッグ本体の膨張時に、前記バッグ本体への引き込みを解除されて前記バッグ本体から突出し、前記排気孔を開口させるように、構成されるとともに、
   膨張完了時の前記本体膨張部において、左右方向側で対向する側壁部のうち前記突出膨張部側に配置される一方の側壁部に、配設されて、膨張完了時の前記エアバッグを側方から見た状態において、前記突出膨張部の突出状態の起点よりも下側に、配設され、
   前記排出部を配設させている前記側壁部と、前記排出部と、が、膨張時の前記側壁部を構成する一対の可撓性を有したシート体からなる側壁構成パネルの周縁相互を結合させることにより、形成され、
   前記各側壁構成パネルが、前記排出部を構成する排出部形成部位を、部分的に突出させて構成されるとともに、それぞれ、側壁形成用縁部を、備えて、前記側壁形成用縁部相互を、結合させる構成とされ、
   前記側壁部形成用縁部相互を結合させて形成される結合部位が、前記エアバッグの膨張完了時に、水平方向に略沿うように配設され、
   前記連結部材が、先端側を、前記流入用開口近傍において、前記突出膨張部から離れた側に配置される前記開閉制御装置に連結される構成とされていることを特徴とするエアバッグ装置。
3. 前記エアバッグが、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置された収納部位内に折り畳まれて収納されていることを特徴とする請求項１または２に記載のエアバッグ装置。

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