JP7095462B2 - ゲート駆動回路および電力変換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ゲート駆動回路および電力変換装置に関する。
従来、スイッチング部のゲート端子に接続されたゲート配線を含むゲート駆動回路および電力変換装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、スイッチング素子に接続された信号線を備える電力変換装置が開示されている。この電力変換装置は、ブリッジ回路と、駆動回路と、ブリッジ回路と駆動回路とを接続する信号線とを備える。ブリッジ回路の各相には、電力出力端子(接続点)において互いに直列接続された2つのスイッチング素子からなる直列回路が、2つ設けられている。この2つの直列回路は、電力出力端子同士が互いに接続されていることにより、並列接続されている。そして、駆動回路は、2つの直列回路のうちの一方の直列回路の上アーム側のスイッチング素子(以下、「第1の素子」とする)と、他方の直列回路の上アーム側のスイッチング素子(以下、「第2の素子」とする)とに対して、同一の駆動信号を出力するように構成されている。そして、信号線は、駆動回路と第1の素子とを接続する信号線(以下、「第1の信号線」とする)と、駆動回路と第2の素子とを接続する信号線(以下、「第2の信号線」とする)とを含む。第1の信号線および第2の信号線は、配線長さおよび配線の断面積を同一にするか、または、第1の信号線または第2の信号線のいずれかの途中にインダクタが配置されている。これにより、この電力変換装置では、第1の信号線と第2の信号線とが同一のインダクタンスを有することによって、信号線における電圧振動の発生に起因するスイッチング素子の誤動作およびスイッチング素子の破損が抑制されている。
特許第5559265号公報
上記特許文献1の電力変換装置では、信号線における電圧振動の発生に起因するスイッチング素子の誤動作を抑制するために、第1の信号線の配線長さと第2の信号線の配線長さとを同一にするとともに第1の信号線の配線の断面積と第2の信号線の配線の断面積とを同一にするか、または、第1の信号線または第2の信号線のいずれかの途中にインダクタが配置されている。
ここで、上記特許文献1のような電力変換装置を、より小型化して構成することが考えられる。しかしながら、この小型化された電力変換装置では、電力変換装置の内部スペースが小さくなることによって、第1の信号線および第2の信号線が引き回される位置が限られる場合があること、および、比較的大きなインダクタを配置することが困難な場合があると考えられる。このような場合、第1の信号線と第2の信号線との配線長さまたは断面積を同一にすることが困難で、かつ、第1の信号線または第2の信号線の途中に第1の信号線のインダクタンスと第2の信号線のインダクタンスとを同一するような比較的大きなインダクタを配置することが困難な場合があると考えられる。すなわち、ゲート駆動回路では、電力変換装置の構造上、第1の信号線のインダクタンスと第2の信号線のインダクタンスとを同一にすることができない場合がある。この場合、第1の信号線のインダクタンスと第2の信号線のインダクタンスとが異なることに起因して、第1の信号線が接続されたスイッチング素子の動作タイミングと、第2の信号線が接続されたスイッチング素子の動作タイミングとがずれるという不都合がある。これにより、先にターンオンするスイッチング素子、または、後にターンオフするスイッチング素子に流れる電流が集中し、電流が集中したスイッチング素子において、電力損失が多くなって発熱が大きくなること、または、大電流遮断によるサージ電圧が発生することによって、スイッチング素子が破損しやすくなると考えられる。
したがって、上記のような従来の電力変換装置(ゲート駆動回路)では、互いに並列接続(または直接接続)された複数のスイッチング素子(スイッチング部)に接続された第1の信号線(ゲート配線)のインダクタンスと、第2の信号線(ゲート配線)のインダクタンスとを同一にすることができない場合に、スイッチング素子が破損しやすくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部に接続された複数のゲート配線同士のインダクタンスを同一にすることができない場合にも、スイッチング部が破損することを抑制することが可能なゲート駆動回路および電力変換装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者は、ゲート駆動回路内(ゲート配線を含む駆動信号伝達部)を、抵抗値R、インダクタンスL、および、キャパシタンス(電気容量)CからなるRLC直列回路として捉え、ゲート駆動信号の駆動を、このRLC直列回路のパルス電圧駆動として捉えることにより、以下の構成を見出した。すなわち、この発明の第1の局面によるゲート駆動回路は、ゲート端子に入力されるゲート駆動信号に基づいてオンオフするとともに、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部のゲート端子に接続され、インダクタンスが互いに異なる複数のゲート配線を含む、複数の駆動信号伝達部と、複数のゲート配線の各々に、入力パルス信号を入力する信号入力部とを備え、複数の駆動信号伝達部は、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部の抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。本願明細書では、「共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなる」とは、共振周波数が互いに等しくなること、および、減衰係数が互いに等しくなることに加えて、共振周波数が互いに近傍値(たとえば、誤差率が20%以下の値)であること、および、減衰係数が互いに近傍値(たとえば、誤差率が30%以下の値)であることも含むものとして記載している。なお、「誤差率」とは、一の共振周波数(減衰係数)と他の共振周波数(減衰係数)との差分値を、一の共振周波数(減衰係数)と他の共振周波数(減衰係数)との和算値によって、除算した値を意味するものとして記載している。
この発明の第1の局面によるゲート駆動回路では、上記のように、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部の抵抗値R、キャパシタンスC、および、インダクタンスLのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数ωが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξが互いに略等しくなるように、複数の駆動信号伝達部を構成する。これにより、共振周波数ωおよび減衰係数ξにより決定される、複数のスイッチング部のゲート端子に入力される電圧vo(t)同士が略一致するので、複数のスイッチング部の動作タイミングを略同一にすることができる。このため、複数のスイッチング部のうちの一部のスイッチング部に電流が集中するのを抑制することができる。この結果、電流が集中したスイッチング部において、発熱が大きくなることを抑制することができるとともに、大電流遮断によるサージ電圧が発生することを抑制することができるので、スイッチング部が破損するのを抑制することができる。したがって、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部に接続された複数のゲート配線同士のインダクタンスを同一にすることができない場合にも、スイッチング部が破損することを抑制することができる。なお、本願明細書では、「動作タイミングが略同一」とは、ゲート駆動信号の電圧値の変化開始時点が同一であることのみならず、立下り波形または立下り波形が略同一の波形となることを意味するものとして記載している。
上記第1の局面によるゲート駆動回路において、好ましくは、複数のゲート配線は、複数のゲート配線の配線長さが互いに異なることにより、複数のゲート配線のインダクタンスが互いに異なるように構成されており、複数の駆動信号伝達部は、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部のキャパシタンスが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。このように構成すれば、共振周波数ω(={1/(√LC)})および減衰係数ξ(=R/2×√C/√L)には、キャパシタンスCの成分が含まれているので、キャパシタンスCを調整することにより、複数の駆動信号伝達部の共振周波数ω同士および減衰係数ξ同士が略等しくなるように、ゲート駆動回路を容易に構成することができる。この結果、複数のゲート配線の配線長さが互いに異なりインダクタンスLが互いに異なる場合にも、スイッチング部が破損することを容易に抑制することができる。
この場合、好ましくは、複数の駆動信号伝達部は、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部の抵抗値およびキャパシタンスが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。このように構成すれば、キャパシタンスCを調整することによって共振周波数ωを調整した後に、共振周波数ωには含まれず減衰係数ξに含まれる抵抗値Rの成分を調整することにより、複数の駆動信号伝達部の共振周波数ω同士および減衰係数ξ同士を略等しくなるように、ゲート駆動回路をより一層容易に構成することができる。
上記キャパシタンスが調整されているゲート駆動回路において、好ましくは、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部には、スイッチング部の入力側寄生キャパシタと、入力側寄生キャパシタとは別個に構成された付加キャパシタとが設けられており、複数の駆動信号伝達部は、入力側寄生キャパシタと付加キャパシタとにより合成されたキャパシタンスが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。このように構成すれば、駆動信号伝達部に、入力側寄生キャパシタのキャパシタンスを調整するためにスイッチング部に含まれる半導体デバイス自体を構成(設計)し直す場合に比べて、付加キャパシタのキャパシタンスを調整することにより、駆動信号伝達部のキャパシタンス(合成されたキャパシタンス)を容易に調整することができる。
上記キャパシタンスが調整されているゲート駆動回路において、好ましくは、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部は、複数の半導体素子が設けられている複数のスイッチング部の複数の半導体素子の入力側寄生キャパシタを含み、複数の駆動信号伝達部は、複数の半導体素子の入力側寄生キャパシタ同士の合成されたキャパシタンスが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。このように構成すれば、複数の半導体素子(半導体チップ)の数を調整することにより、駆動信号伝達部のキャパシタンス(合成されたキャパシタンス)を容易に調整することができる。
上記第1の局面によるゲート駆動回路において、好ましくは、複数の駆動信号伝達部は、複数の駆動信号伝達部の共振周波数が互いに略等しくなるとともに、複数の駆動信号伝達部の減衰係数が互いに略等しくなるように構成されていることにより、複数のスイッチング部の各々に、略同一の電圧立上り波形または略同一の電圧立下り波形を有するゲート駆動信号を伝達するように構成されている。このように構成すれば、複数のスイッチング部の各々に、略同一の電圧立上り波形または略同一の電圧立下り波形を有するゲート駆動信号が伝達されるので、複数のスイッチング部の動作タイミングを容易に揃えることができる。この結果、スイッチング部が破損することをより一層抑制することができる。
この発明の第2の局面による電力変換装置は、ゲート端子に入力されるゲート駆動信号に基づいてオンオフするとともに、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部と、スイッチング部のゲート端子に接続され、インダクタンスが互いに異なる複数のゲート配線を含む、複数の駆動信号伝達部と、複数のゲート配線の各々に、入力パルス信号を入力する信号入力部とを備え、複数の駆動信号伝達部は、複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの駆動信号伝達部の抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている。
この発明の第2の局面による電力変換装置では、上記のように構成することにより、第1の局面によるゲート駆動回路と同様に、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部に接続された複数のゲート配線同士のインダクタンスを同一にすることができない場合にも、スイッチング部が破損することを抑制することが可能な電力変換装置を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部に接続された複数のゲート配線同士のインダクタンスを同一にすることができない場合にも、スイッチング部が破損することを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による電力変換装置(ゲート駆動回路)の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による電力変換装置(ゲート駆動回路)の構成を説明するための回路図である。 本発明の第1実施形態による第1駆動信号伝達部、第2駆動信号伝達部、第1スイッチング部および第2スイッチング部の構成を説明するための回路図である。 本発明の第1実施形態による(a)第1駆動信号伝達部および(b)第2駆動信号伝達部の等価回路図である。 本発明の第1実施形態によるゲート駆動回路の抵抗値およびキャパシタンスの(a)調整前および(b)調整後の例を説明するための図である。 本発明の第1実施形態によるゲート駆動回路のゲート駆動信号の電圧立上り波形(ターンオン時波形)および電圧立下り波形(ターンオフ時波形)を説明するための図である。 比較例によるゲート駆動回路のゲート駆動信号の電圧立上り波形(ターンオン時波形)および電圧立下り波形(ターンオフ時波形)を説明するための図である。 本発明の第2実施形態のゲート駆動回路の構成を示す回路図である。 本発明の第2実施形態による(a)第1駆動信号伝達部および(b)第2駆動信号伝達部の等価回路図である。 本発明の第2実施形態によるゲート駆動回路の抵抗値およびキャパシタンスの(a)調整前および(b)調整後の例を説明するための図である。 本発明の第1および第2実施形態の変形例による電力変換装置の構成を示す図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(電力変換装置の構成)
図1~図4を参照して、第1実施形態による電力変換装置100(ゲート駆動回路1)の構成について説明する。
図1に示すように、電力変換装置100は、ゲート駆動回路1とブリッジ回路2とを備える。第1実施形態では、電力変換装置100は、たとえば、無停電電源装置用、系統連系用、および、鉄道車両用等の電力変換装置(電源装置)として構成されている。ゲート駆動回路1は、ブリッジ回路2に設けられた複数のスイッチング部30の各々に、ゲート駆動信号Gs(図2参照)を入力するように構成されている。ゲート駆動回路1は、複数の駆動信号伝達部10(以下、「伝達部10」とする)とゲートドライブユニット20(以下、「GDU20」とする)とを含む。なお、GDU20は、特許請求の範囲の「信号入力部」の一例である。
図2に示すように、ブリッジ回路2は、たとえば、3相(U相、V相、および、W相)のブリッジ回路2U、2Vおよび2Wとして構成されている。ここで、ブリッジ回路2U、2Vおよび2Wは、互いに同様に構成されているため、以下の記載では、ブリッジ回路2Uについて説明し、ブリッジ回路2Vおよび2Wの説明を省略する。
ブリッジ回路2Uには、上アーム部2aと下アーム部2bとが設けられている。上アーム部2aには、正極端子Tpに接続されているとともに、電力出力側端子To同士が接続されており、互いに並列接続された複数(たとえば、2つ)のスイッチング部30が設けられている。下アーム部2bには、負極端子Tnに接続されているとともに、電力出力側端子To同士が接続されており、互いに並列接続された複数(たとえば、2つ)のスイッチング部30が設けられている。そして、上アーム部2aと下アーム部2bとは、正極端子Tpと負極端子Tnとの間において、電力出力側端子Toを介して互いに接続(直列接続)されている。また、下記の説明では、上アーム部2aおよび下アーム部2bは、互いに同様に構成されているため、上アーム部2aのみについて説明し、下アーム部2bの説明を省略する。
図3に示すように、第1実施形態では、上アーム部2aは、それぞれ半導体モジュールとして構成されている2つのスイッチング部30を含む。スイッチング部30は、たとえば、電界効果型トランジスタ(FET)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等の半導体デバイス31を含む。好ましくは、半導体デバイス31は、炭化珪素(SiC)を含む半導体素子(SiC-MOSFET)として構成されている。ここで、2つのスイッチング部30のうちの一方を、第1スイッチング部30aとし、他方を第2スイッチング部30bとする。
また、第1スイッチング部30aのゲート端子Gaは、後述する第1駆動信号伝達部10a(以下、「第1伝達部10a」とする)を介して、GDU20に接続されている。また、第2スイッチング部30bのゲート端子Gbは、後述する第2駆動信号伝達部10b(以下、「第2伝達部10b」とする)を介して、GDU20に接続されている。第1スイッチング部30aは、正極端子Tpに接続されているドレイン端子Daと、電力出力側端子Toに接続されているソース端子Saとを含む。第2スイッチング部30bは、正極端子Tpに接続されているドレイン端子Dbと、電力出力側端子Toに接続されているソース端子Sbとを含む。そして、第1スイッチング部30aは、ゲート端子Gaに入力されるゲート駆動信号Gsに基づいてオンオフするように構成されている。また、第2スイッチング部30bは、ゲート端子Gbに入力されるゲート駆動信号Gsに基づいてオンオフするように構成されている。なお、「オンオフ」とは、ドレイン端子Da(またはDb)とソース端子Sa(またはSb)との間を導通する状態と切断する状態とを切り替える動作を意味するものとして記載している。
(ゲート駆動回路の構成)
図1に示すように、ゲート駆動回路1の各伝達部10は、GDU20からのゲート駆動信号Gsを各スイッチング部30に伝達する機能を有する。GDU20は、複数の伝達部10の各々のゲート配線11aおよび11bに、入力パルス信号vi(図2参照)を入力するように構成されている。
複数の伝達部10は、複数のスイッチング部30と同じ数、ゲート駆動回路1に設けられている。図3に示すように、複数の伝達部10のうち、第1スイッチング部30aに接続される伝達部10を第1伝達部10aとし、第2スイッチング部30bに接続される伝達部10を第2伝達部10bとする。第1伝達部10aは、ゲート端子Gaに接続され、インダクタンスL1を有するゲート配線11aを含む。また、第2伝達部10bは、ゲート端子Gbに接続され、インダクタンスL2を有するゲート配線11bを含む。
また、第1実施形態では、ゲート配線11aとゲート配線11bとは、ゲート配線11aの配線長さA1とゲート配線11bの配線長さA2とが互いに異なることにより、ゲート配線11aのインダクタンスL1とゲート配線11bのインダクタンスL2との大きさが互いに異なるように構成されている。また、第1伝達部10aには、ソース端子SaとGDU20の端子22とを接続する信号線11cが設けられている。第2伝達部10bには、ソース端子SbとGDU20の端子22とを接続する信号線11dが設けられている。
図4(a)には、第1伝達部10aの等価回路が示されており、図4(b)には、第2伝達部10bの等価回路が示されている。ここで、第1実施形態では、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bは、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bのうちの少なくとも一方の抵抗値R1またはR2、キャパシタンスC1またはC2、および、インダクタンスL1またはL2のうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数ω1とω2とが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ1とξ2とが互いに略等しくなるように構成されている。
具体的には、図3および図4(a)に示すように、第1伝達部10aは、ゲート配線11aと、ゲート抵抗12aと、第1スイッチング部30a(半導体デバイス31)の入力側寄生キャパシタ31aとを含む。すなわち、第1伝達部10aは、抵抗値R1、インダクタンスL1、および、キャパシタンスC1のRLC直列回路の等価回路として表すことができる。ここで、抵抗値R1は、ゲート抵抗12aの抵抗値およびゲート配線11aの抵抗値を含む第1伝達部10a全体の抵抗値である。インダクタンスL1は、ゲート配線11aのインダクタンスを含む第1伝達部10a全体のインダクタンスである。キャパシタンスC1は、第1スイッチング部30aの入力側寄生キャパシタ31aのキャパシタンスC11を含む第1伝達部10a全体のキャパシタンスである。
ここで、伝達部10におけるゲート駆動信号Gsの電圧波形vo(t)は、抵抗値R、インダクタンスL、および、キャパシタンスCからなるRLC直列回路において、以下の式(1)が成立する。なお、入力パルス信号viの電圧をvi(t)(ラプラス変換後Vi(s))、スイッチング部30のゲート端子-ソース端子間の電圧をvo(t)(ラプラス変換後Vo(s))および伝達関数をG(s)とする。
Figure 0007095462000001
ここで、伝達関数G(s)を2次振動系の伝達関数とし、伝達部10の共振周波数をωとし、減衰係数(ダンピングファクタ)をξとすると、以下の式(2)および(3)が成立する。
Figure 0007095462000002
これにより、ゲート駆動信号Gsの立上り波形としての電圧vo(t)は、オン時のゲート電圧をVgsonとし、オフ時のゲート電圧をVgsoffとした場合、以下の式(4)および(5)として表すことができる。
Figure 0007095462000003
したがって、上記式(3)のRにR1、CにC1、および、LにL1を代入すると、共振周波数ω1および減衰係数ξ1は、以下の式(6)となる。
Figure 0007095462000004
ここで、図3に示すように、第1実施形態では、第2伝達部10bは、ゲート配線11bと、ゲート抵抗12bと、第2スイッチング部30b(半導体デバイス31)の入力側寄生キャパシタ31aと、入力側寄生キャパシタ31aとは別個に構成された付加キャパシタ13とを含む。たとえば、付加キャパシタ13は、入力側寄生キャパシタ31aに並列接続されている。ここで、図4(b)に示すように、第2伝達部10bは、第1伝達部10aと同様に、抵抗値R2、インダクタンスL2、および、キャパシタンスC2のRLC直列回路の等価回路として表すことができる。すなわち、上記式(3)のRにR2、CにC2、および、LにL2を代入すると、共振周波数ω2および減衰係数ξ2は、以下の式(7)となる。
Figure 0007095462000005
ここで、第1実施形態では、ゲート駆動回路1は、第2伝達部10bのキャパシタンスC2が調整されていることにより(好ましくは、第2伝達部10bの抵抗値R2およびキャパシタンスC2の両方が調整されていることにより)、共振周波数ω1とω2とが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ1とξ2が互いに略等しくなるように構成されている。「共振周波数ω1とω2とが互いに略等しい」とは、たとえば、共振周波数ω1およびω2が、以下の式(8)に示す範囲内であることを意味するものとし、「減衰係数ξ1とξ2とが互いに略等しい」とは、たとえば、減衰係数ξ1およびξ2が、以下の式(9)に示す範囲内であることを意味するものとする。すなわち、共振周波数ω1およびω2が、以下の式(8)に示す範囲内であるとともに、減衰係数ξ1およびξ2が、以下の式(9)に示す範囲内であれば、第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bのうちの一方に、電流が集中するのが抑制される。
Figure 0007095462000006
具体的には、図4に示すように、ゲート駆動回路1では、共振周波数ω1とω2とが略等しくなるように、インダクタンスL1とインダクタンスL2との差異に基づいて、キャパシタンスC2が調整(設定)されている。第1実施形態では、キャパシタンスC2は、入力側寄生キャパシタ31aのキャパシタンスC21と付加キャパシタ13のキャパシタンスC22とが合成されたキャパシタンス(C21+C22)である。また、第1実施形態のゲート駆動回路1では、共振周波数ω1およびω2が互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ1およびξ2が互いに略等しくなるように、入力側寄生キャパシタ31aと付加キャパシタ13とにより合成されたキャパシタンスC2が調整されている。なお、付加キャパシタ13は、キャパシタンスC22(合成されたキャパシタンスC2)を調整するために、キャパシタンスが固定値となるコンデンサにより構成されていてもよいし、容量可変のコンデンサとして構成されていてもよい。
また、ゲート駆動回路1では、減衰係数ξ1とξ2とが略等しくなるように、抵抗値R2の値が調整(設定)されている。たとえば、ゲート駆動回路1では、抵抗値R1(たとえば、ゲート抵抗12aの抵抗値)と抵抗値R2(たとえば、ゲート抵抗12bの抵抗値)とが異なる値に設定されている。なお、ゲート抵抗12aおよび12bは、抵抗値が固定値となる抵抗器として構成されていることに限られず、ゲート抵抗12aの抵抗値とゲート抵抗12bの抵抗値とが互いに異なる値に設定可能に可変抵抗器により構成されていてもよいし、抵抗器の数が変更されていてもよい。
GDU20は、たとえば、発振器、CPU(中央演算処理装置)等を含む。そして、図2に示すように、GDU20のパルス出力部21には、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bが接続されている。そして、図4に示すように、GDU20は、パルス出力部21から第1伝達部10aおよび第2伝達部10bの各々に同一の入力パルス信号vi(矩形信号)を入力するように構成されている。
これにより、図6に示すように、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bは、共振周波数ω1とω2とが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ1およびξ2が互いに略等しくなるように構成されていることにより、第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bの各々に、略同一の電圧立上り波形(ターンオン時波形)、および、略同一の電圧立下り波形(ターンオフ時波形)を有するゲート駆動信号Gsを伝達するように構成されている。すなわち、第1スイッチング部30aの動作タイミングと、第2スイッチング部30bの動作タイミングとが、略一致するように、ゲート駆動回路1が構成されている。
(第1実施形態によるゲート駆動回路と比較例によるゲート駆動回路との比較結果)
次に、図5~図7を参照して、第1実施形態(調整後の例)によるゲート駆動回路1と比較例(調整前の例)によるゲート駆動回路との比較結果について、具体的に数値例を示して説明する。なお、比較例によるゲート駆動回路の構成とは、従来技術を意味するものではなく、第1実施形態によるゲート駆動回路1の抵抗値R2およびキャパシタンスC2が調整される前の状態を示す構成である。
図5(a)に示すように、比較例によるゲート駆動回路(調整前のゲート駆動回路)の第1駆動信号伝達部において、抵抗値R1cが5Ω、インダクタンスL1cが0.5μH、キャパシタンスC1cが15nF、共振周波数ω1cが11.5MHz、および、減衰係数ξ1cが0.43であるとする。また、比較例によるゲート駆動回路(調整前のゲート駆動回路)の第2駆動信号伝達部において、抵抗値R2cが5Ω、インダクタンスL2cが0.25μH、キャパシタンスC2cが15nF、共振周波数ω2cが16.3MHz、および、減衰係数ξ2cが0.61であるとする。すなわち、比較例によるゲート駆動回路では、第1駆動信号伝達部と第2駆動信号伝達部とにおいて、インダクタンス、共振周波数および減衰係数の大きさがそれぞれ異なる。
図5(b)に示すように、第1実施形態によるゲート駆動回路1の第1伝達部10aにおいて、抵抗値R1が5Ω、インダクタンスL1が0.5μH、キャパシタンスC1が15nF、共振周波数ω1が11.5MHz、および、減衰係数ξ1が0.43であるとする。ここで、第2伝達部10bでは、抵抗値R2は、5ΩであるR2cから調整分Ra(2.5Ω)調整(減少)されて2.5Ωであり、インダクタンスL2は0.25μHであり、キャパシタンスC2は、15nFであるC21(C2c)から調整分C22(付加キャパシタ13のキャパシタンスC22分)、調整(増加)されて30nFであり、共振周波数ω2は11.5MHzであり、減衰係数ξ2は、0.43である。すなわち、第1実施形態によるゲート駆動回路1では、ω1=ω2となり、ξ1=ξ2となっている。
図6には第1実施形態によるゲート駆動回路1におけるゲート端子GaおよびG2におけるゲート電圧vo(t)を示す波形(ターンオン時波形およびターンオフ時波形)を示し、図7には比較例によるゲート駆動回路におけるゲート端子におけるゲート電圧vo(t)を示す波形(ターンオン時波形およびターンオフ時波形)を示す。
比較例によるゲート駆動回路では、第1駆動信号伝達部を介したゲート電圧vo(t)(実線)と、第2駆動信号伝達部を介したゲート電圧vo(t)(点線)とは、一致せず、第1駆動信号伝達部に接続された第1スイッチング部の動作タイミングと、第2駆動信号伝達部に接続された第2スイッチング部の動作タイミングとがずれることが判明した。たとえば、図7に示す例では、所定の電圧値Vtに至るまでにΔtの期間、第1スイッチング部の動作タイミングと第2スイッチング部の動作タイミングとがずれている。
第1実施形態によるゲート駆動回路1では、第1伝達部10aを介したゲート電圧vo(t)と、第2伝達部10bを介したゲート電圧vo(t)とが、一致し、第1伝達部10aに接続された第1スイッチング部30aの動作タイミングと、第2伝達部10bに接続された第2スイッチング部30bの動作タイミングとが一致することが判明した。図6では、ターンオン時波形およびターンオフ時波形のそれぞれに、1つの実線に示す波形を示しているが、第1伝達部10aを介したゲート電圧vo(t)の波形と第2伝達部10bを介したゲート電圧vo(t)の波形とが、一致していることを示している。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、第2伝達部10bの抵抗値R、キャパシタンスC、および、インダクタンスLのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数ωが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξが互いに略等しくなるように、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bを構成する。これにより、共振周波数ω1およびω2および減衰係数ξ1およびξ2により決定される、第1スイッチング部30aのゲート端子Gaおよび第2スイッチング部30bのゲート端子Gbに入力される電圧vo(t)同士(図7参照)が略一致するので、第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bの動作タイミングを略同一にすることができる。このため、第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bのうちの一方に電流が集中するのを抑制することができる。この結果、電流が集中したスイッチング部30において、発熱が大きくなることを抑制することができるとともに、大電流遮断によるサージ電圧が発生することを抑制することができるので、スイッチング部30が破損するのを抑制することができる。したがって、互いに並列接続または直列接続された第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bに接続された複数のゲート配線11aおよび11b同士のインダクタンスL1とL12とを同一にすることができない場合にも、スイッチング部30が破損することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ゲート配線11aと11bとが、配線長さA1とA2とが互いに異なることにより、インダクタンスL1とL2とが互いに異なるように構成されている。第2伝達部10bのキャパシタンスC2を調整することにより、共振周波数ω1とω2とを互いに略等しくするとともに、減衰係数ξ1とξ2とを互いに略等しくするようにゲート駆動回路1を構成する。これにより、上記式(6)および(7)のように、共振周波数ω2と、減衰係数ξ2には、キャパシタンスC2の成分が含まれているので、キャパシタンスC2を調整することにより、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bの共振周波数ω1およびω2、および、減衰係数ξ1およびξ2が略等しくなるように、ゲート駆動回路1を容易に構成することができる。この結果、ゲート配線11aの配線長さA1とゲート配線11bの配線長さA2とが互いに異なりインダクタンスL1とL2とで互いに異なる場合にも、スイッチング部30が破損することを容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2伝達部10bの抵抗値R2およびキャパシタンスC2を調整することにより、共振周波数ω1とω2とを互いに略等しくするとともに、減衰係数ξ1とξ2とを互いに略等しくするようにゲート駆動回路1を構成する。これにより、上記式(6)および(7)のように、キャパシタンスC2を調整することによって共振周波数ω1とω2とを調整した後に、共振周波数ω2には含まれず減衰係数ξ2に含まれる抵抗値R2の成分を調整することにより、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bの共振周波数ω1およびω2、および、減衰係数ξ1およびξ2を略等しくなるように、ゲート駆動回路1をより一層容易に構成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第2伝達部10bには、第2スイッチング部30bの入力側寄生キャパシタ31aと、入力側寄生キャパシタ31aとは別個に構成された付加キャパシタ13とが設けられている。そして、第2伝達部10bを、入力側寄生キャパシタ31aと付加キャパシタ13とにより合成されたキャパシタンスC2が調整されていることにより、共振周波数ω1およびω2、および、減衰係数ξ1およびξ2を略等しくなるように、構成する。これにより、第1伝達部10aまたは第2伝達部10bに、入力側寄生キャパシタ31aのキャパシタンスC2を調整するためにスイッチング部30に含まれる半導体デバイス31自体を構成(設計)し直す場合に比べて、付加キャパシタ13のキャパシタンスC22を調整することにより、伝達部10のキャパシタンスC2(合成されたキャパシタンス)を容易に調整することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1伝達部10aおよび第2伝達部10bを、共振周波数ω1およびω2、および、減衰係数ξ1およびξ2が略等しくなるように、構成する。第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bの各々に、略同一の電圧立上り波形または略同一の電圧立下り波形を有するゲート駆動信号Gsを伝達するように構成されている。このように構成すれば、第1スイッチング部30aおよび第2スイッチング部30bの各々に、略同一の電圧立上り波形または略同一の電圧立下り波形を有するゲート駆動信号Gsが伝達されるので、複数のスイッチング部30の動作タイミングを容易に揃えることができる。この結果、スイッチング部30が破損することをより一層抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図1、図8および図9を参照して、第2実施形態の電力変換装置200の構成について説明する。第2実施形態による電力変換装置200では、付加キャパシタ13を第2伝達部10bに設けることにより、キャパシタンスC2が調整されていた第1実施形態と異なり、半導体素子231の数(半導体チップの数)を調整することにより、キャパシタンスC102aおよびC102bが調整されている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
図1に示すように、第2実施形態では、電力変換装置200は、ゲート駆動回路201とブリッジ回路202とを含む。また、ゲート駆動回路201は、第1駆動信号伝達部210a(以下、「第1伝達部210a」とする)と第2駆動信号伝達部210b(以下、「第2伝達部210b」とする)とを含む。図8に示すように、ブリッジ回路202は、第1スイッチング部230aと、第2スイッチング部230bとを含む、1つの半導体モジュールとして構成されている。第1スイッチング部230aおよび第2スイッチング部230bは、それぞれ、複数の半導体素子231(半導体チップ)が設けられた半導体チップ群として構成されている。半導体素子231は、それぞれ、スイッチング素子(たとえば、MOSFET等)により構成されている。
そして、第1スイッチング部230aを構成する複数の半導体素子231は、第1伝達部210aのゲート配線211aに接続されている。第2スイッチング部230bを構成する複数の半導体素子231は、第2伝達部210bのゲート配線211bに接続されている。すなわち、第1スイッチング部230aを構成する複数の半導体素子231には、略同一の動作タイミングでゲート駆動信号Gsが入力される。また、第2スイッチング部230bを構成する複数の半導体素子231には、略同一の動作タイミングでゲート駆動信号Gsが入力される。
ここで、第2実施形態では、第1伝達部210aは、複数の半導体素子231が設けられている第1スイッチング部230aのN1個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231aを含み、第2伝達部210bは、複数の半導体素子231が設けられている第2スイッチング部230bのN2個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231aを含む。第1伝達部210aおよび第2伝達部210bは、複数の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231a同士の合成されたキャパシタンスC102aおよびC102bが調整されていることにより、共振周波数ω11とω12とが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ1とξ2とが互いに略等しくなるように構成されている。
具体的には、第1スイッチング部230aに含まれる半導体素子231の数N1と、第2スイッチング部230bに含まれる半導体素子231の数N2とは、互いに異なる。また、半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231aのキャパシタンスはC102である。これにより、図9に示すように、第1伝達部210aのN1個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231a同士の合成されたキャパシタンスC102aは、第2伝達部210bのN2個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231a同士の合成されたキャパシタンスC102bとは、異なる値となる。
ここで、第2実施形態では、数N1と数N2とのうちの少なくとも一方(たとえば、数N1およびN2の両方)が調整されることにより、第1伝達部210aのキャパシタンスC102aと第2伝達部210bのキャパシタンスC102bとのうちの少なくとも一方(たとえば、キャパシタンスC102aおよびC102bの両方)が調整されている。
また、図9に示すように、第1伝達部210aは、抵抗値R11と、インダクタンスL11と、キャパシタンスC102aとにより構成されたRLC直列回路である。第2伝達部210bは、抵抗値R12と、インダクタンスL12と、キャパシタンスC102bとにより構成されたRLC直列回路である。
そして、ゲート駆動回路201は、抵抗値R11およびR12の少なくとも一方と、キャパシタンスC102aおよびC102bの少なくとも一方とが調整されていることにより、第1伝達部210aの共振周波数ω11と第2伝達部210bの共振周波数ω12とが互いに略等しくなるとともに、第1伝達部210aの減衰係数ξ11と第2伝達部210bの減衰係数ξ12とが互いに略等しくなるように構成されている。また、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
(第2実施形態によるゲート駆動回路の抵抗値およびキャパシタンスの調整の例)
次に、図10を参照して、第2実施形態によるゲート駆動回路201の抵抗値R11、および、キャパシタンスC102aおよびC102bの調整の例について説明する。
図10(a)には、調整前のゲート駆動回路201の抵抗値等の数値例を示し、図10(b)には、調整後(第2実施形態)のゲート駆動回路201の抵抗値等の数値例を示している。たとえば、調整前の第1伝達部210aの抵抗値R11cおよび調整前の第2伝達部210bの抵抗値R12cは、3Ωとする。また、調整前の第1伝達部210aのインダクタンスL11cは、0.04μHとし、調整前の第2伝達部210bのインダクタンスL12cは、0.02μHとする。調整前の第1伝達部210aのキャパシタンスC11cおよび調整前の第2伝達部210bのキャパシタンスC12cは、9nFとする。この場合、調整前の第1伝達部210aの共振周波数ω11cは52.7MHzとなり、調整前の第2伝達部210bの共振周波数ω12cは74.5MHz(互いに異なる値)となる。また、調整前の第1伝達部210aの減衰係数ξ11cは0.71となり、調整前の第2伝達部210bの減衰係数ξ12cは1.01(互いに異なる値)となる。
そして、たとえば、抵抗値R11cからR11に、キャパシタンスC11cからC102aに、キャパシタンスC12cからC102bに、それぞれ、調整されることにより、第1伝達部210aの共振周波数ω11と第2伝達部210bの共振周波数ω12とが互いに略等しくなるとともに、第1伝達部210aの減衰係数ξ11と第2伝達部210bの減衰係数ξ12とが互いに略等しくなる。
具体的には、調整後の第1伝達部210aの抵抗値R11は、6Ωである。調整後の第2伝達部210bの抵抗値R12は、3Ωである。調整後の第1伝達部210aのインダクタンスL11は、0.04μHであり、調整後の第2伝達部210bのインダクタンスL12は、0.02μHである。調整後の第1駆動信号伝達部210aのキャパシタンスC102aは、半導体素子231の数をN1とすることにより、6nFとなる。調整後の第2伝達部210bのキャパシタンスC102bは、半導体素子231の数をN2とすることにより、12nFとなる。これにより、調整後の第1伝達部210aの共振周波数ω11および調整後の第2伝達部210bの共振周波数ω12は共に、64.5MHzとなり、調整後の第1伝達部210aの減衰係数ξ11および調整後の第2伝達部210bの減衰係数ξ12は共に、1.16となる。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、第1伝達部210aは、第1スイッチング部230a内のN1個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231aを含む。第2伝達部210bは、第2スイッチング部230b内のN2個の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231aを含む。第1伝達部210aおよび第2伝達部210bを、複数の半導体素子231の入力側寄生キャパシタ231a同士の合成されたキャパシタンスC102aおよびC102bが調整されていることにより、共振周波数ω11とω12とが互いに略等しくなるとともに、減衰係数ξ11とξ12とが互いに略等しくなるように構成する。これにより、複数の半導体素子231(半導体チップ)の数N11および数N12を調整することにより、キャパシタンスC102aおよびC102bを容易に調整することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、動作タイミングが揃えられる第1スイッチング部と第2スイッチング部とを互いに並列接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、図11に示す変形例の電力変換装置300のように、第1伝達部10aのゲート配線11aに接続された第1スイッチング部330aと、第2伝達部10bのゲート配線11bに接続された第2スイッチング部330bとが、正極端子Tpと電力出力側端子Toとの間において、互いに直列接続されていてもよい。このような電力変換装置300は、たとえば、発電設備用、および、変電設備用等の高電圧の電力系統に接続される電力変換装置に適用することができる。このため、たとえば、直列接続される複数のスイッチング部(第1スイッチング部330aおよび第2スイッチング部330b)の数を増やしても、スイッチング部の動作タイミングを容易に揃えることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの抵抗値およびキャパシタンスを調整することにより、第1駆動信号伝達部の共振周波数と第2駆動信号伝達部の共振周波数とを略等しくするとともに、第1駆動信号伝達部の減衰係数と第2駆動信号伝達部の減衰係数とを略等しくする例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの少なくとも1つ(たとえば、キャパシタンスのみ、インダクタンスのみ、抵抗値とキャパシタンスとインダクタンスとの全て)を調整することにより、第1駆動信号伝達部の共振周波数と第2駆動信号伝達部の共振周波数とを略等しくするとともに、第1駆動信号伝達部の減衰係数と第2駆動信号伝達部の減衰係数とを略等しくしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、複数のゲート配線の配線長さが互いに異なることにより、複数のゲート配線のインダクタンスが互いに異なるように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、複数のゲート配線の横断面積が互いに異なることにより、複数のゲート配線のインダクタンスが互いに異なる場合にも、本発明を適用してもよい。
また、上記第1実施形態では、図4に示すように、付加キャパシタを入力側寄生キャパシタに並列接続するように第2駆動信号伝達部に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、付加キャパシタを入力側寄生キャパシタに直列接続するように第1駆動信号伝達部または第2駆動信号伝達部に設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、第1駆動信号伝達部の入力側寄生キャパシタの数(N1)と、第2駆動信号伝達部の入力側寄生キャパシタの数(N2)との両方を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、N1またはN2のいずれか一方のみが調整されていてもよい。
また、上記実施形態では、スイッチング部(半導体デバイス)を、SiC-MOSFETまたはIGBTから構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、SiC-MOSFETおよびIGBT以外の半導体素子(たとえば、Si-MOSFET)を用いてもよい。
1、201 ゲート駆動回路
10 駆動信号伝達部
10a、210a 第1駆動信号伝達部
10b、210b 第2駆動信号伝達部
11a、11b、211a、211b ゲート配線
13 付加キャパシタ
20 GDU(信号入力部)
30 スイッチング部
31a、231a 入力側寄生キャパシタ
30a、230a 第1スイッチング部
30b、230b 第2スイッチング部
100、200、300 電力変換装置
231 半導体素子
Ga、Gb ゲート端子

Claims (7)

  1. ゲート端子に入力されるゲート駆動信号に基づいてオンオフするとともに、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部の前記ゲート端子に接続され、インダクタンスが互いに異なる複数のゲート配線を含む、複数の駆動信号伝達部と、
    前記複数のゲート配線の各々に、入力パルス信号を入力する信号入力部とを備え、
    前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部の抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、ゲート駆動回路。
  2. 前記複数のゲート配線は、前記複数のゲート配線の配線長さが互いに異なることにより、前記複数のゲート配線の前記インダクタンスが互いに異なるように構成されており、
    前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部の前記キャパシタンスが調整されていることにより、前記共振周波数が互いに略等しくなるとともに、前記減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部の前記抵抗値および前記キャパシタンスが調整されていることにより、前記共振周波数が互いに略等しくなるとともに、前記減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、請求項2に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部には、前記スイッチング部の入力側寄生キャパシタと、前記入力側寄生キャパシタとは別個に構成された付加キャパシタとが設けられており、
    前記複数の駆動信号伝達部は、前記入力側寄生キャパシタと前記付加キャパシタとにより合成された前記キャパシタンスが調整されていることにより、前記共振周波数が互いに略等しくなるとともに、前記減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、請求項2または3に記載のゲート駆動回路。
  5. 前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部は、複数の半導体素子が設けられている前記複数のスイッチング部の前記複数の半導体素子の入力側寄生キャパシタを含み、
    前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の半導体素子の前記入力側寄生キャパシタ同士の合成された前記キャパシタンスが調整されていることにより、前記共振周波数が互いに略等しくなるとともに、前記減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、請求項2または3に記載のゲート駆動回路。
  6. 前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の駆動信号伝達部の前記共振周波数が互いに略等しくなるとともに、前記複数の駆動信号伝達部の前記減衰係数が互いに略等しくなるように構成されていることにより、前記複数のスイッチング部の各々に、略同一の電圧立上り波形または略同一の電圧立下り波形を有する前記ゲート駆動信号を伝達するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のゲート駆動回路。
  7. ゲート端子に入力されるゲート駆動信号に基づいてオンオフするとともに、互いに並列接続または直列接続された複数のスイッチング部と、
    前記スイッチング部の前記ゲート端子に接続され、インダクタンスが互いに異なる複数のゲート配線を含む、複数の駆動信号伝達部と、
    前記複数のゲート配線の各々に、入力パルス信号を入力する信号入力部とを備え、
    前記複数の駆動信号伝達部は、前記複数の駆動信号伝達部のうちの少なくとも1つの前記駆動信号伝達部の抵抗値、キャパシタンス、および、インダクタンスのうちの少なくとも1つが調整されていることにより、共振周波数が互いに略等しくなるとともに、減衰係数が互いに略等しくなるように構成されている、電力変換装置。
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