JP7095380B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

ステアリング制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7095380B2
JP7095380B2 JP2018085103A JP2018085103A JP7095380B2 JP 7095380 B2 JP7095380 B2 JP 7095380B2 JP 2018085103 A JP2018085103 A JP 2018085103A JP 2018085103 A JP2018085103 A JP 2018085103A JP 7095380 B2 JP7095380 B2 JP 7095380B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
steering
value
control unit
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018085103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019193464A (ja
Inventor
崇 青木
喜隆 林
修司 倉光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018085103A priority Critical patent/JP7095380B2/ja
Publication of JP2019193464A publication Critical patent/JP2019193464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7095380B2 publication Critical patent/JP7095380B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、ステアリング制御装置に関する。
従来、ステアリングエンドでのエンドショックをなくして、ドライバに良好な操舵フィーリングを提供する技術が知られている。例えば特許文献1に開示されたパワーステアリング装置は、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクとは逆方向の補助トルクを発生させるように補助トルク発生手段を制御する。
特開2001-260926号公報
特許文献1の従来技術により補助トルクを発生させたとしても、アシスト特性を急変させ、操舵を急停止させることはできない。そのため、エンド当ての衝撃力を十分に抑制することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、エンド当ての衝撃力を抑制しつつ、操舵を急停止させることが可能なステアリング制御装置を提供することにある。
本発明のステアリング制御装置は、ドライバの操舵トルク(Ts)に応じたアシストトルク指令値(Ta)を演算するアシスト制御部(15)と、アシストトルク指令値に従って3相交流式のモータ(80)の駆動を、モータの電気角(θm)を用いて電流フィードバック制御するモータ制御部(50)と、を備える。
モータ制御部は、アシスト制御部によるアシストトルク指令値の演算周期以下の演算周期で、モータ制御演算を実行する。
モータ制御部は、操舵角の絶対値(|θs|)が所定の角度閾値を上回っているとき、dq軸電流指令値の演算に用いるモータの電気角をモータ制御演算における前回値と同じ値に固定することで、モータを、電気角の変化に対して3相電流が固定される「電気的なロック状態」とする。
モータ制御部は、操舵角の絶対値が角度閾値以下の状態から角度閾値を上回る状態に移行したとき、モータの電気角を前回値と同じ値に固定してロック状態を開始し、モータがロック状態になってから所定時間が経過したとき、ロック状態を解除する。
本発明では、ステアリングエンドでモータを電気的なロック状態とすることで、エンド当ての衝撃力を抑制しつつ、操舵を急停止させることができる。また、本発明では、電気的なロックにより、短い区間で大きな反力を演算することができる。さらに本発明では、既存のモータ制御ロジックを利用してエンド保護を実施することができる。
好ましくは、モータ制御部は、アシスト制御部からの要求を実現するために、アシスト制御部によるアシストトルク指令値の演算周期以下の演算周期で、モータ制御演算を実行する。モータ制御の演算周期を短くすることで、モータ制御部は、短い区間で大きな反力を滑らかに出力することができ、ハンドルを振動無く停止させることができる。
電動パワーステアリングシステムの概略構成図。 アシスト制御部及びモータ制御部の演算周期を示すタイムチャート。 第1実施形態のモータ制御部の構成図。 第1実施形態によるモータロック処理のフローチャート。 電気角固定時の3相電流波形図。 電気角固定時のdq軸電流を説明する図。 第2実施形態のモータ制御部の構成図。 図7のdq軸変換部の構成図。
以下、ステアリング制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、第1及び第2実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態では、「ステアリング制御装置」としてのECUは、車両の電動パワーステアリングシステムに適用され、操舵アシストモータが出力するアシストトルクを制御する。
[電動パワーステアリングシステムの構成]
図1に示すように、電動パワーステアリングシステム1は、操舵アシストモータ(以下、単に「モータ」)80の駆動トルクにより、ドライバによるハンドル91の操作をアシストするシステムである。ステアリングシャフト92の一端にはハンドル91が固定されており、ステアリングシャフト92の他端側にはインターミディエイトシャフト93が設けられている。ステアリングシャフト92とインターミディエイトシャフト93とは、トルクセンサ94のトーションバーにより接続されており、これらにより操舵軸95が構成される。トルクセンサ94は、トーションバーの捩れ角に基づいて操舵トルクTsを検出する。
インターミディエイトシャフト93のトルクセンサ94と反対側の端部には、ピニオンギア961及びラック962を含むギアボックス96が設けられている。ドライバがハンドル91を回すと、インターミディエイトシャフト93とともにピニオンギア961が回転し、ピニオンギア961の回転に伴って、ラック962が左右に移動する。ラック962の両端に設けられたタイロッド97は、ナックルアーム98を介してタイヤ99と接続されている。タイロッド97が左右に往復運動し、ナックルアーム98を引っ張ったり押したりすることで、タイヤ99の向きが変わる。
モータ80は、3相交流式のブラシレスモータであり、ECU10から出力された駆動電圧Vdriveに応じて、ハンドル91の操舵力をアシストするアシストトルクを出力する。3相交流モータの場合、駆動電圧Vdriveは、U相、V相、W相の各相電圧を意味する。モータ80の回転は、ウォームギア86及びウォームホイール87等により構成される減速機構85を経由して、インターミディエイトシャフト93に伝達される。また、ハンドル91の操舵や、路面からの反力によるインターミディエイトシャフト93の回転は、減速機構85を経由してモータ80に伝達される。
なお、図1に示す電動パワーステアリングシステム1は、モータ80の回転が操舵軸95に伝達されるコラムアシスト式であるが、本実施形態のECU10は、ラックアシスト式の電動パワーステアリングシステム、或いは、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離されたステアバイワイヤシステムにも同様に適用可能である。
ここで、ハンドル91からタイヤ99に至る、ハンドル91の操舵力が伝達される機構全体を「操舵系メカ100」という。ECU10は、モータ80が操舵系メカ100に出力する駆動トルクを制御することにより、操舵系メカ100が発生する操舵トルクTsを制御する。また、ECU10は、操舵系メカ100から、トルクセンサ94により検出された操舵トルクTsや操舵角θsを取得する。
ECU10は、アシスト制御部15及びモータ制御部50を備え、図示しない車載バッテリからの電力によって動作する。ECU10における各種演算処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
アシスト制御部15は、ドライバの操舵トルクTsに応じたアシストトルク指令値Taを演算する。アシスト制御部15は、周知のステアリング制御装置におけるアシスト制御の各種構成を適宜採用してよい。例えばアシスト制御部15は、破線で示すように、操舵角θs、操舵角速度ω、車速V等の情報を取得し、それらの情報に基づいてアシストトルク指令値Taを演算してもよい。
モータ制御部50は、アシスト制御部15が演算したアシストトルク指令値Taに従ってモータ80の駆動を制御する。具体的にモータ制御部50は、モータ80に流れる3相電流Iu、Iv、Iw及びモータ電気角θmを取得し、3相電流から座標変換されたdq軸実電流を、アシストトルク指令値Taに基づくdq軸電流指令値に対してフィードバック制御する。そして、モータ制御部50は、フィードバック制御により演算された駆動電圧Vdriveをモータ80へ印加することにより、制御対象である操舵系メカ100に操舵トルクTsを発生させる。
また、モータ制御部50は、操舵系メカ100から操舵角θsを取得し、操舵角の絶対値|θs|が所定の角度閾値θsthを上回っているとき、モータ80を電気的なロック状態とする。ここで、「電気的なロック状態」とは、モータ電気角θmの変化に対して3相電流Iu、Iv、Iwが固定される状態をいい、詳しくは後述する。
図2に示すように、アシスト制御部15によるアシストトルク指令値Taの演算周期は例えば1msであり、モータ制御部50による駆動電圧Vdriveの演算周期は例えば200μsである。つまり、モータ制御部50は、アシスト制御部15からの要求を実現するために、アシスト制御部15によるアシストトルク指令値Taの演算周期以下の演算周期でモータ制御演算を実行する。好ましくは、モータ制御部50は、アシストトルク指令値Taの演算周期より短い演算周期でモータ制御演算を実行する。
[モータ制御部の構成]
続いて、モータ制御部の詳細な構成について、実施形態毎に詳しく説明する。各実施形態のモータ制御部の符号として、「50」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図3~図6を参照して説明する。図3に示すように、第1実施形態のモータ制御部501は、基本的にベクトル制御及び電流フィードバック制御によりインバータ60をスイッチング動作させてモータ80に駆動電圧Vdriveを供給し、アシストトルク指令値Taに応じたモータトルクを出力させる。回転角センサ85は、モータ電気角θmを検出する。以下、モータ電気角θmについて特にセンサ値であることを強調する場合、「θm_sns」と記す。
本実施形態では、モータ制御部501内にインバータ60及び電流センサ65が設けられる。インバータ60は、3相上下アームの複数のスイッチング素子がブリッジ接続されている。インバータ60は、複数のスイッチング素子の動作により、バッテリから入力される直流電圧Vdcを3相交流電圧Vu、Vv、Vdに変換し、駆動電圧Vdriveとしてモータ80に出力する。
電流センサ65は、インバータ60内部、又は、インバータ60とモータ80との間の電流経路に流れる相電流を検出する。電流センサ65は、3相の電流Iu、Iv、Iwを検出してもよく、或いは、いずれか2相の電流を検出し、残り1相の電流をキルヒホッフの法則により算出してもよい。なお、他の実施形態では、インバータ60及び電流センサ65はモータ制御部501とは別に設けられてもよい。
モータ制御部501は、一般的なベクトル制御及び電流フィードバック制御の構成として、dq軸変換部401、電流偏差算出器521、522、PI制御器531、532、2相3相変換部54、PWM変調部55、3相2相変換部56等を備える。dq軸変換部401は、アシストトルク指令値Taに基づき、数式又はマップを用いてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算する。
3相2相変換部56は、電気角θmを用いて3相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Id、Iqに座標変換し、電流偏差算出器521、522にフィードバックする。電流偏差算出器521、522は、それぞれdq軸電流指令値Id*、Iq*と、フィードバックされたdq軸電流Id、Iqとの電流偏差を算出する。PI制御器531、532は、それぞれd軸及びq軸の電流偏差を0に近づけるように、PI制御によりdq軸電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
2相3相変換部54は、電気角θmを用いてdq軸電圧指令値Vd*、Vq*を3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に座標変換する。PWM変調部55は、3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*をPWM変調し、パルス状のスイッチング信号(図中「SW信号」)を生成する。スイッチング信号は、インバータ60の各スイッチング素子のゲートに入力される。
ここで、モータ制御演算の一部である座標変換演算に用いられる電気角θmとして、通常制御時には回転角センサ85が検出したセンサ値θm_snsがそのまま入力される。一方、モータ制御部501は、ステアリングエンドで電気角θmを固定するための構成として、モータロックフラグ演算部57及び電気角固定部58を備える。
モータロックフラグ演算部57は、操舵角θsを取得し、操舵角の絶対値|θs|を角度閾値θsthと比較する。ここで、操舵角θsの符号は、中立位置に対する現在のハンドル91の位置により定義される。例えば、中立位置に対し左側の操舵角θsが正、中立位置に対し右側の操舵角θsが負と定義される。なお、他の実施形態では上記とは逆に、中立位置に対し右側の操舵角θsが正と定義されてもよい。
以下、操舵角の絶対値|θs|の上限値、すなわちハンドル91の回転限界位置を「エンド」という。エンドは、例えばラック962の端部が相手部品に機械的に衝突する位置に対応する。また、ハンドル91が中立位置からエンドに向かう回転方向の動作を「切り込み」といい。エンドから中立位置に向かう回転方向の動作を「切り戻し」という。上記の角度閾値θsthは、エンド直前の値である例えば477[deg]に設定される。
モータロックフラグ演算部57は、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsthを上回っているときモータロックフラグをONする。すなわち、典型的には、切り込み時にエンドに近づいたとき、モータロックフラグがONされる。一方、モータロックフラグ演算部57は、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsth以下であるとき、或いは、フラグをONした後、所定時間TONが経過したとき、モータロックフラグをOFFする。
電気角固定部58は、モータロックフラグがONのとき、モータ電気角θmを前回値と同じ値に固定して、2相3相変換部54及び3相2相変換部56に出力する。その結果、モータ80は、電気角θmの変化に対して3相電流Iu、Iv、Iwが固定され、電気的なロック状態となる。すなわち、モータ制御部501は、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsth以下の状態から角度閾値θsthを上回る状態に移行したとき、ロック状態を開始することで、操舵を急停止し、エンドへの衝突を回避する。
一方、モータロックフラグがOFFのとき、電気角固定部58は、回転角センサ85から取得した電気角センサ値θm_snsをそのまま2相3相変換部54及び3相2相変換部56に出力することで、モータ制御部501はモータ80を通常制御する。すなわち、ロック状態から、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsth以下となったとき、エンドへ衝突するおそれがなくなったと判断され、ロック状態が解除される。また、ロック状態の開始後、所定時間TONが経過したときには、操舵角速度が十分に減速しており、エンド当ての衝撃力が軽減されるため、ロック状態が解除される。
次に図4のフローチャートを参照し、本実施形態によるモータロック処理を説明する。記号「S」はステップを意味する。初期のS1では、モータ制御部501は、通常制御によりモータ80を駆動する。S2では、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsthを上回っているか判断される。S2でYESの場合、S3に移行する。S2でNOの場合、通常制御が継続される。
S3でモータロックフラグ演算部57は、モータロックフラグをONする。続いてS4で電気角固定部58は、モータ電気角θmを固定する。つまり、今回の演算周期の演算に用いられるモータ電気角θm(n)として前回値θm(n-1)が用いられる。固定されたモータ電気角を、「fix」の「f」を付してθmfと記す。
S5では、モータ電気角θmの固定後、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsth以下となったか判断される。S5でNOの場合、S6では、ロック状態の開始後、所定時間TONが経過したか判断される。S5又はS6でYESの場合、S7に移行する。S5及びS6でいずれもNOの場合、S5の前に戻り、判断が繰り返される。
S7で、モータロックフラグ演算部57はモータロックフラグをOFFする。そして、S8でモータ制御部501は通常制御に復帰する。なお、S5及びS6の判断ステップはいずれか一方のみが実行されてもよい。つまり、モータロックフラグ演算部57は、操舵角の絶対値|θs|又は所定時間TONの一方に基づいて、モータロックフラグをOFFするように判断してもよい。
次に、電気角固定時における3相電流及びトルク値のシミュレーション結果を図5、図6に示す。図5に、電気角実値θmが-360[deg]の状態から操舵し、電気角実値θmが0[deg]に達したとき、電流演算に用いる電気角θmを0[deg]に固定する状況でのシミュレーション結果を示す。3相電流Iu、Iv、Iwは、dq軸電流指令値Id*、Iq*及び電気角θmを用いて式(1.1)-(1.3)で表される。
Figure 0007095380000001
d軸電流指令値Id*が0で一定、q軸電流指令値Iq*が所定値で一定であり、電気角θmが0[deg]に固定されたとき、式(1.1)-(1.3)より、Iu=0、Iv=(1/√2)×Iq*、Iw=-Ivとなる。つまり、dq軸電流指令値Id*、Iq*が一定の前提の下、3相電流Iu、Iv、Iwは、実際の電気角θmによらず一定となる。
図6に、q軸電流指令値Iq*=-100[A]、d軸電流指令値Id*=0[A]で電気角θmを0[deg]に固定した状況で実際に出力されるq軸電流(実値)Iq及びd軸電流(実値)Idのシミュレーション結果を示す。ここで、モータ制御部501が電流演算に使用する電気角θmとして認識する「固定された電気角」を電気角認識値θmfと表す。
電気角固定時のdq軸電流(実値)Id、Iqは、dq軸電流指令値Id*、Iq*、実際のモータ電気角θm、及び電気角認識値θmfを用いて式(2.1)、(2.2)で表される。ここで、Id*=0[A]、θmf=0[deg]のとき、式(2.1)、(2.2)は、それぞれ式(2.3)、(2.4)に簡略化される。q軸電流Iqは偶関数、d軸電流Idは奇関数であるため、図6では、電気角θmが負の領域でのdq軸電流の図示を省略する。
Figure 0007095380000002
電気角実値θmが0[deg]のとき、q軸電流(実値)Iqはq軸電流指令値Iq*に一致している。電気角実値θmが0[deg]から離れるほど、電気角実値θmと電気角認識値θmfとのずれが大きくなり、このずれが大きくなるほどq軸電流(実値)Iqはq軸電流指令値Iq*から減少し、θm=±90[deg]のとき、Iq=0となる。
さらに、θm=±180[deg]のとき、Iq=-Iq*=-100[A]となる。すなわち、q軸電流(実値)Iqは、q軸電流指令値Iq*と絶対値が等しく逆符号の出力となる。これにより、指定した操舵角(この例では電気角0[deg])以上に操舵角が進むことを阻害する「反力」としてモータトルクが作用する。
また、急操舵時の電気角速度は約105[deg/s]であり、電気角固定を開始した0[deg]の位置から最大反力が出力される180[deg]の位置までの到達時間は約1.8[ms]となる。電気角固定開始から最大反力出力までのq軸電流(実値)Iqを滑らかにつなぐように8回演算すると仮定すると、演算周期を225[μs]以下とする必要がある。本実施形態では、モータ制御部501の演算周期は200[μs]であるため、この要求を満たす。このように、モータ制御部501の演算周期が短く設定されることで、特性を急に変化しても滑らかな出力を演算することができる。
このように本実施形態では、ステアリングエンドでモータ80を電気的なロック状態とすることで、エンド当ての衝撃力を抑制しつつ、操舵を急停止させることができる。また、本実施形態では、電気的なロックにより、短い区間で大きな反力を演算することができる。さらに本実施形態では、既存のモータ制御ロジックを利用して、エンド保護を実施することができる。
また、モータ制御の演算周期を短くすることで、モータ制御部501は、短い区間で大きな反力を滑らかに出力することができ、ハンドル91を振動無く停止させることができる。
ところで、モータロック状態においてタイヤ99に外力が加わると、モータ80が発生する逆起電力によりインバータ60に過電流が流れるおそれがある。そこで、モータ制御部501は、ロック時には定格電力まで出力しないように、電流指令値Id*、Iq*等を制限することが好ましい。また、ロック状態では特定の相に電流が集中する可能性があるため、電流集中による過電流を回避する観点からも、通常制御時に比べ電流制限することが好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図7、図8を参照して説明する。図7に示すように、第2実施形態のモータ制御部502は、dq軸変換部402に操舵角θs及びモータ電気角θmが入力される点、並びに、2相3相変換部54及び3相2相変換部56に入力される電気角θmが固定されない点が図3に示す第1実施形態と異なる。それ以外の構成は第1実施形態のモータ制御部501と同様であるため説明を省略する。
図8に示すように、dq軸変換部402は、dq軸電流指令一時値演算部41、dq軸電流指令値演算部42、モータロックフラグ演算部57及び電気角固定部58を有する。dq軸電流指令一時値演算部41は、アシストトルク指令値Taに基づき、数式又はマップを用いてdq軸電流指令一時値Id*o、Iq*oを演算する。dq軸電流指令一時値Id*o、Iq*oは、第1実施形態のdq軸電流指令値Id*、Iq*に相当する。
第1実施形態と同様に、モータロックフラグ演算部57は、操舵角の絶対値|θs|が角度閾値θsthを上回っているときモータロックフラグをONする。電気角固定部58は、モータロックフラグがONのとき、電気角θmをθmfに固定する。dq軸電流指令値演算部42は、dq軸電流指令一時値Id*o、Iq*o、モータ電気角θm、及び、固定された電気角θmfを取得し、式(3.1)、(3.2)を用いてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算する。
Figure 0007095380000003
このように第2実施形態のモータ制御部502は、dq軸電流指令値Id*、Iq*の演算に用いる電気角θmを固定する。この構成により第2実施形態では、電気角θmの変化に対し3相電流を固定し、モータ80を電気的なロック状態とすることができる。よって、第1実施形態と同様に、エンド当ての衝撃力を抑制しつつ、操舵を急停止させることができる。
(その他の実施形態)
(a)アシスト制御の演算周期及びモータ制御の演算周期は、上記実施形態に例示した1ms及び200μsに限らない。モータ制御の演算周期はアシスト制御の演算周期以下であればよく、同一周期であってもよい。
(b)上記実施形態では、アシスト制御部15はモータ電気角θmの情報を用いない。ただし他の実施形態では、アシスト制御部15がモータ電気角θmに基づき、エンド付近でのアシスト制限や反力の演算を行うようにしてもよい。
(c)図4のS06における所定時間TON経過の判断は、時間を直接計測する構成に限らず、例えば「現在ロック状態か?」の判断が所定の判定周期でN回連続してYESと判定されたときに、所定時間TONが経過したと判断するようにしてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・ECU(ステアリング制御装置)、
15・・・アシスト制御部、
50(501、502)・・・モータ制御部、
80・・・(操舵アシスト)モータ。

Claims (2)

  1. ドライバの操舵トルク(Ts)に応じたアシストトルク指令値(Ta)を演算するアシスト制御部(15)と、
    前記アシストトルク指令値に従って3相交流式のモータ(80)の駆動を、前記モータの電気角(θm)を用いて電流フィードバック制御するモータ制御部(50)と、
    を備え、
    前記モータ制御部は、前記アシスト制御部によるアシストトルク指令値の演算周期以下の演算周期で、モータ制御演算を実行し、
    前記モータ制御部は、操舵角の絶対値(|θs|)が所定の角度閾値を上回っているとき、dq軸電流指令値の演算に用いる前記モータの電気角をモータ制御演算における前回値と同じ値に固定することで、前記モータを、電気角の変化に対して3相電流が固定される電気的なロック状態とし、
    前記モータ制御部は、操舵角の絶対値が前記角度閾値以下の状態から前記角度閾値を上回る状態に移行したとき、前記モータの電気角を前回値と同じ値に固定して前記ロック状態を開始し、前記モータが前記ロック状態になってから所定時間が経過したとき、前記ロック状態を解除するステアリング制御装置。
  2. 前記モータ制御部は、操舵角の絶対値が前記角度閾値以下となったとき、前記ロック状態を解除する請求項1に記載のステアリング制御装置。
JP2018085103A 2018-04-26 2018-04-26 ステアリング制御装置 Active JP7095380B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085103A JP7095380B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ステアリング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085103A JP7095380B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ステアリング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019193464A JP2019193464A (ja) 2019-10-31
JP7095380B2 true JP7095380B2 (ja) 2022-07-05

Family

ID=68391187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018085103A Active JP7095380B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ステアリング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7095380B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049914A (ja) 2006-08-25 2008-03-06 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2015020506A (ja) 2013-07-17 2015-02-02 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
WO2017195883A1 (ja) 2016-05-12 2017-11-16 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2018046593A (ja) 2016-09-12 2018-03-22 コニカミノルタ株式会社 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0538183A (ja) * 1991-08-02 1993-02-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータの位置制御システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049914A (ja) 2006-08-25 2008-03-06 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2015020506A (ja) 2013-07-17 2015-02-02 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
WO2017195883A1 (ja) 2016-05-12 2017-11-16 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2018046593A (ja) 2016-09-12 2018-03-22 コニカミノルタ株式会社 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019193464A (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4710528B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US8272474B2 (en) Electric power steering system
JP5470697B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5396948B2 (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP5056175B2 (ja) モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
EP2062802B1 (en) Electric power steering device
EP1961644A2 (en) Motor controller and electric power steering apparatus
JP5262931B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008105652A (ja) 電動パワーステアリング装置
EP3480080B1 (en) Steering control apparatus
JP2010167881A (ja) 車両のステアリング装置
JP6764564B2 (ja) モータ制御装置
EP3254929B1 (en) Vehicle steering system
JP7095380B2 (ja) ステアリング制御装置
JP2010167878A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5266793B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2003072581A (ja) 電気式動力舵取装置の制御方法および電気式動力舵取装置
JP2008307913A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010137627A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2009208672A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6757494B2 (ja) モータ制御装置
JP7415891B2 (ja) モータ制御装置
JP2019189149A (ja) ステアリング制御装置
JP2018144628A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010167880A (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220606

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7095380

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151