JP7093968B2 - 接続部のシール構造 - Google Patents
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Description
特許文献1では、気密用Oリングと耐火用Oリングとはそれぞれ異なる凹溝に別個に収容されており、特許文献2では、同じ一つの凹溝に一緒に収容されている。
接続状態にて対向する対向面相互を外周気密状態に保持する接続部のシール構造において、
一方の対向面に、他方の対向面に向かって開放する環状溝部が周方向全域に沿って形成され、
同じ一つの環状溝部内に、環状の気密用シール部材と、熱膨張性素材からなる環状の耐火用シール部材とが収容され、
前記気密用シール部材は、前記接続部相互を接続させたとき、前記環状溝部に収容された状態で前記他方の対向面によって押圧変形され、
前記耐火用シール部材は、前記環状溝部の開放端よりも奥まった位置に収容されるように、
前記気密用シール部材と前記耐火用シール部材は、各々、前記環状溝部の底面に密着する態様で保持させることを特徴とする。
前記環状溝部に気密用シール部材と耐火用シール部材とを収容させた状態で、前記接続部相互を接続させる。前記環状溝部は、他方の対向面に向かって開放していると共に、これに収容させた気密用シール部材は前記他方の対向面によって押圧変形されるように設定されているから、両対向面間は、気密用シール部材によって外周気密状態に保持される。
また、耐火用シール部材を環状溝部の奥まった個所に収容させることにより、他方の対向面によって押圧変形させられて外周気密状態を保持するのは気密用シール部材のみとなる。これにより、気密用シール部材にシール性を損なうような疵や異物の付着や脱落等の問題があれば、初期検査によってシール性なしと判定され、気密用シール部材の不備を確実に発見することが出来る。
また、気密用シール部材のみが前記環状溝部の開放端から露出し、耐火用シール部材は奥に押し込まれた状態で収容されるように、気密用シール部材と耐火用シール部材とを、各々、前記環状溝部の底面に密着する態様で、一つの環状溝部内に一緒に収容させる。このものでは、接続部を構成する一方の対向面に、一つの環状溝部を設け、それに、気密用シール部材と耐火用シール部材を同時に収容するだけであるから、接続部の製造及びシール部材の組み付けが容易である上に、シール構造に要するスペースもより一層小さく出来る。
また、耐火用シール部材の内径、外径、または線径のいずれかが、気密用シール部材と異なるようにした場合には、気密用シール部材と耐火用シール部材を混同することがなく、また両者の取付位置を間違うこともない。
耐火用シール部材を気密用シール部材よりも細い環状体とすることで、両者を間違うことなく環状溝部に収容することが出来ると共に、線径が細い分、耐火用シール部材側の環状溝部の幅をより小さくすることが出来るから、省スペース化を実現出来る。
浅く形成された第1溝部内に前記気密用シール部材が収容され、
深く形成された第2溝部内に前記耐火用シール部材が収容されている。
環状溝部を深さの異なる第1、第2溝部から構成されるようにすると共に、深い方の第2溝部に耐火用シール部を収容することで、耐火用シール部を、気密用シール部材よりも確実に奥まって位置させることが出来る。よって、初期検査時に、耐火用シール部が他方の対向面に干渉して不安定なシール状態となる不都合を一層確実に防止することが出来る。
この場合も、耐火用シール部材は内径、外径、または線径のいずれかが、気密用シール部材と異なるので、気密用シール部材と耐火用シール部材を混同することがなく、また両者の取付位置を間違うこともない。
前記一方の対向側壁寄りに前記耐火用シール部材を、他方の対向側壁寄りに前記気密用シール部材をそれぞれ収容させたことである。
一方の対向側壁を他方の対向側壁側へ傾斜させることにより、前記一方の対向側壁と底面とは鋭角を成し、前記環状溝部は、主に、前記他方の対向側壁寄りにて開放する態様となる。これにより、前記一方の対向側壁寄りに収容された耐火用シール部材は、傾斜する前記一方の対向側壁で開放部側が抜け止め状態に押さえられることとなる。
前記対向面は、外筒の内周面と内筒の外周面とし、
前記環状溝部は、これら外筒の内周面又は内筒の外周面のどちらか一方に周方向に沿って形成されている。
前記環状溝部に気密用シール部材と耐火用シール部材を収容させた状態で、内筒を外筒に差し込むとき、外筒の内周面と内筒の外周面のどちらか他方の周壁に干渉するのは、気密用シール部材のみであり、耐火用シール部材は干渉しない。よって、内筒を外筒に比較的スムーズに差し込むことが出来るから、差込式の接続部のシール構造の組み付けが容易となる。
前記環状溝部は、どちらか一方のフランジ部の対向端面に、前記筒部材と同心状に形成されている。
前記環状溝部に気密用シール部材と耐火用シール部材を収容させた状態で、前記フランジ部の対向端面相互を押圧状態に接続する際、気密用シール部材のみを押圧した状態でフランジ部相互がネジ止め等により締結されることとなるから、ネジ等の押圧力を小さく出来る。
耐火用シール部材は環状溝部の奥まった個所に収容され、対向面相互を接続させたとき、他方の対向面によって押圧変形させられるのは気密用シール部材のみとしたから、気密用シール部材に疵が付いていたり、異物が付着していたり、さらには、気密用シール部材がセットされていない場合等では、初期の気密検査で確実にシール性なしと判定される。このように、気密用シール部材に不備があることを確実に発見することが出来る。
また、耐火用シール部材の線径を、気密用シール部材のそれよりも小さくしたものや、気密用シール部材と耐火用シール部材を同じ一つの環状溝部に収容ものでは、気密用シール部材と耐火用シール部材の形状寸法が異なるため、両者を誤認することがなく、取付位置を間違うこともない。
図1に示すものは、第1番目の実施の形態の接続部のシール構造を、ガス栓(G)のガス流出筒部(1a)と、ガス器具(31)のガス取入筒部(3)に接続雌ネジ部(23)で螺合接続される器具接続継手(2)とからなる接続部に実施したものである。
なお、ガス栓(G)のせん収容部(24)よりも上流側には、ガス流入筒部(1b)が設けられており、ガス流入筒部(1b)には、同図の二点鎖線に示すように、配管継手(20)を介して、可撓管(30)が接続されている。ガス流入筒部(1b)の上流端(図面の右端)から、ガス流出筒部(1a)の下流端まで、ガス流路(4)が同軸上に形成されている。
図2(A)に示すように、気密用Oリング(21)及び耐火用Oリング(22)は、共に、環状溝部(10)の底面(10a)で構成される最小径に略一致する内径を有する環状体とし、各々、底面(10a)に密着する態様で保持させる。気密用Oリング(21)の線径は、環状溝部(10)の深さ以上に設定されていると共に、耐火用Oリング(22)は、気密用Oリング(21)よりも線径の小さい細い環状体とする。これにより、環状溝部(10)内に嵌入させると、同図に示すように、気密用Oリング(21)は環状溝部(10)の開放端よりわずかに突出しているのに対し、耐火用Oリング(22)は、環状溝部(10)内に奥まって位置する態様となる。
なお、耐火用Oリング(22)は気密用Oリング(21)よりも上流側に位置させている。
すると、図2(B)に示すように、気密用Oリング(21)は、器具接続継手(2)の内周面(2a)で押圧変形されて、器具接続継手(2)の内周面(2a)に密着することとなり、器具接続継手(2)とガス流出筒部(1a)間の気密が確保される。これに対し、気密用Oリング(21)よりも線径の小さな耐火用Oリング(22)は、環状溝部(10)内にて奥まって収容された態様となっており、通常時においては、器具接続継手(2)の内周面(2a)に接触することはない。
この実施の形態では、環状溝部(10)を構成している一対の対向側壁(10b)(10c)のうち、上流側に位置する一方の対向側壁(10c)を、下流側に位置する他方の対向側壁(10b)側へ傾斜させることにより、一方の対向側壁(10c)と底面(10a)との間に鋭角部を形成したものである。
耐火用Oリング(22)はこの鋭角部側に収容させることにより、収容状態にて、耐火用Oリング(22)は、一方の対向側壁(10c)で抜け止め状態に押さえられ、ガス流出筒部(1a)が器具接続継手(2)内に差し込まれる際に、耐火用Oリング(22)が器具接続継手(2)の内周面(2a)に干渉する不都合を防止することが出来る。
このものでは、第2環状溝部(14)を第1環状溝部(13)と同じ深さに設けることにより、線径の小さな耐火用Oリング(22)は、第2環状溝部(14)内に深く奥まって位置させることが出来る。また、2つの第1、第2環状溝部(13)(14)にそれぞれ気密用Oリング(21)、耐火用Oリング(22)が収容されているかどうかを目で容易に確認することが出来るから、気密用Oリング(21)及び耐火用Oリング(22)の装着し忘れを確実に防止することが出来る。
また、図6~図8に示す第5~第7番目の実施の形態のものでは、ガス栓(G)のフランジ部(15)の対向端面(15a)に、1つの環状溝部(10)が、ガス栓(G)のガス流路(40)と同心状に下方に開放するように形成され、この環状溝部(10)の内側壁(41)寄りに気密用Oリング(21)を、外側壁(42)寄りに耐火用Oリング(22)を収容させる。
また、気密用Oリング(21)の線径を環状溝部(10)の深さ以上に、耐火用Oリング(22)の線径をそれよりも小さく設定しておくことで、両者を間違って環状溝部(10)内に収容することはなく、また、フランジ部(15)の対向端面(15a)とフランジ部(33)の対向端面(33a)とを対接させてネジで締結させたとき、フランジ部(15)(33)の対向端面(15a)(33a)相互間の内方に位置するガス流路(40)は、気密用Oリング(21)のみによって気密状態に保持される。
また、フランジ部(15)(33)の対向端面(15a)(33a)相互を押圧状態に接続する際、押圧変形させるのは気密用Oリング(21)のみであるから、ネジ等の締結力を小さく出来る。
このものでは、内側溝(16)に気密用Oリング(21)が略突出状態に収容されていると共に、外側溝(17)の奥底に耐火用Oリング(22)が収容されていることを目で容易に確認することが出来るから、気密用Oリング(21)又は耐火用Oリング(22)を装着し忘れることはない。
ガス流出筒部(1a)の外周面に、一つの環状溝部(10)が外方に開放するように形成されており、環状溝部(10)の底面(10a)は、第1溝部(11)とこれよりも深く形成された第2溝部(12)とからなる二段構造となっている。そして、第1溝部(11)に気密用Oリング(21)を、第2溝部(12)に耐火用Oリング(22)をそれぞれ収容する。
この実施の形態の気密用Oリング(21)と耐火用Oリング(22)とは、内径、外径、線径が同じ2つのリング体を採用しており、内径は、第1溝部(11)の径より小さく且つ第2溝部(12)の径より大きく設定されている。また、線径は、第1溝部(11)の深さよりも大きく設定されている。
気密用Oリング(21)と耐火用Oリング(22)の内径は第1環状溝部(18)の径より小さく且つ第2環状溝部(19)の径より大きく設定されており、線径は、第1環状溝部(18)の深さよりも大きく設定されている。これにより、気密用Oリング(21)は、第1環状溝部(18)の底部に密着し且つその開放端から突出する収容態様となり、耐火用Oリング(22)は、第2環状溝部(19)内の奥に遊嵌状態で位置する収容態様となる。
(21)・・・・・・気密用Oリング(気密用シール部材)
(22)・・・・・・耐火用Oリング(耐火用シール部材)
Claims (6)
- 接続状態にて対向する対向面相互を外周気密状態に保持する接続部のシール構造において、
一方の対向面に、他方の対向面に向かって開放する環状溝部が周方向全域に沿って形成され、
同じ一つの環状溝部内に、環状の気密用シール部材と、熱膨張性素材からなる環状の耐火用シール部材とが収容され、
前記気密用シール部材は、前記接続部相互を接続させたとき、前記環状溝部に収容された状態で前記他方の対向面によって押圧変形され、
前記耐火用シール部材は、前記環状溝部の開放端よりも奥まった位置に収容されるように、
前記気密用シール部材と前記耐火用シール部材は、各々、前記環状溝部の底面に密着する態様で保持させることを特徴とする接続部のシール構造。 - 請求項1に記載の接続部のシール構造において、
前記耐火用シール部材の線径は、前記気密用シール部材のそれよりも小さく設定されていることを特徴とする接続部のシール構造。 - 請求項1または2に記載の接続部のシール構造において、
前記環状溝部は、深さの異なる第1溝部と第2溝部の二段構造とし、
浅く形成された第1溝部内に前記気密用シール部材が収容され、
深く形成された第2溝部内に前記耐火用シール部材が収容されていることを特徴とする接続部のシール構造。 - 請求項1または2に記載の接続部のシール構造において、
前記環状溝部を構成している一対の対向側壁のうち、一方の対向側壁を、その開放端が他方の対向側壁に近づくように傾斜させ、
前記一方の対向側壁寄りに前記耐火用シール部材を、他方の対向側壁寄りに前記気密用シール部材をそれぞれ収容させたことを特徴とする接続部のシール構造。 - 請求項1から4のいずれかに記載の接続部のシール構造において、
前記接続部は、外筒内に内筒を抜け止め状態に差し込む差込式の接続部とし、
前記対向面は、外筒の内周面と内筒の外周面とし、
前記環状溝部は、これら外筒の内周面又は内筒の外周面のどちらか一方に周方向に沿って形成されていることを特徴とする接続部のシール構造。 - 請求項1から4のいずれかに記載の接続部のシール構造において、
前記接続部は、筒部材の接続端部から外方に張り出されたフランジ部相互を対向させると共に、その対向端面相互を押圧固定させる押圧式の接続部とし、
前記環状溝部は、どちらか一方のフランジ部の対向端面に、前記筒部材と同心状に形成されていることを特徴とする接続部のシール構造。
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JP2018238973A JP7093968B2 (ja) | 2018-12-21 | 2018-12-21 | 接続部のシール構造 |
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JP2020101220A JP2020101220A (ja) | 2020-07-02 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20020030326A1 (en) | 1997-12-05 | 2002-03-14 | Alan C. Bettencourt | "flame resistant pipe flange gasket" |
US20150136238A1 (en) | 2012-04-10 | 2015-05-21 | Hatch Ltd. | Conduit connection apparatus with purge gas |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5427386A (en) * | 1992-10-14 | 1995-06-27 | Corrosion Control Corp. | Protective seal for use in fluid flow lines and method therefor |
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Patent Citations (2)
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US20020030326A1 (en) | 1997-12-05 | 2002-03-14 | Alan C. Bettencourt | "flame resistant pipe flange gasket" |
US20150136238A1 (en) | 2012-04-10 | 2015-05-21 | Hatch Ltd. | Conduit connection apparatus with purge gas |
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