JP7092056B2 - 成膜装置、及びそれを用いた金属膜の形成方法 - Google Patents

成膜装置、及びそれを用いた金属膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属膜を形成するための成膜装置、及びそれを用いた金属膜の形成方法に関する。
特許文献1において、金属膜の成膜装置として、陽極と、陰極と、陽極と陰極(基材)の間に配置される固体電解質膜と、陽極と固体電解質膜に金属溶液が接触するように金属溶液を収容する溶液室と、陽極と基材との間に電圧を印加する電源部とを備える装置が記載されている。この成膜装置では、固体電解質膜を基材に押圧した状態で、陽極と陰極の間に電圧を印加して金属溶液中の金属イオンを還元することにより、金属膜を基材の表面に形成することができる。
特開2017-088918号公報
特許文献1に記載されるような成膜装置を用いた成膜を、固相電析法と呼ぶ。固相電析法において、形成された金属膜に固体電解質膜が貼り付くことがある。この場合、成膜後の金属膜と固体電解質膜を離間させる操作により、固体電解質膜が破れて、金属溶液が溶液室から漏出することがある。固相電析法に用いられる金属溶液は、強酸及び/又は劇物を含むことがあるため、このような金属溶液の漏出は防止することが望まれる。
そこで本発明は、金属イオンを含む電解液(金属溶液)の漏出を防止することができる成膜装置、及びそれを用いた金属膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に従えば、金属膜を形成するための成膜装置であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極の間に設けられた固体電解質膜と、
前記陽極と前記固体電解質膜の間に溶液収容空間を画成する溶液収容部と、
前記陽極と前記陰極の間に電圧を印加する電源部とを有し、
前記固体電解質膜が、前記溶液収容空間に露出する第一表面と、前記陰極に対向する第二表面とを有し、
前記固体電解質膜が、前記第一表面及び前記第二表面のいずれとも共有点を持たない分割面に沿って分割可能である、成膜装置が提供される。
本発明の第二の態様に従えば、第一の態様の成膜装置において、金属イオンを含む電解液で溶液収容空間が満たされ且つ固体電解質膜と陰極が接触した状態で、陽極と陰極の間に電圧を印加することを含む、金属膜の形成方法が提供される。
本発明の成膜装置では、形成した金属膜に固体電解質膜が貼り付いた場合、金属膜と固体電解質膜を離間させる操作を行うと、固体電解質膜が分割面に沿って二つに分割される。分割面は、固体電解質膜の溶液収容空間に露出する第一表面とは共有点を持たないため、固体電解質膜が分割されても溶液収容空間の密閉状態が維持される。そのため、電解液の漏出が発生しない。
図1は、成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、固体電解質膜が分割された成膜装置の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、固体電解質膜が分割された成膜装置の別の例を模式的に示す断面図である。 図4は、固体電解質膜の層構成の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、実施例で形成された、固体電解質膜の一部が付着したニッケル膜の写真である。 図6は、図5のニッケル膜の形成に使用した後の固体電解質膜の写真である。 図7は、実施例で形成された、固体電解質膜が付着しなかったニッケル膜の写真である。 図8は、図7のニッケル膜の形成に使用した後の固体電解質膜の写真である。 図9は、比較例で、ニッケル溶液が溶液収容空間から漏れ出た場合に使用していた固体電解質膜の使用後の写真である。
<成膜装置>
図1に示すように、実施形態に係る成膜装置100は、陽極20と、陰極30と、固体電解質膜60と、溶液収容空間55を画成する溶液収容部50と、陽極20と陰極30の間に電圧を印加する電源部40とを有する。溶液収容空間55は、金属イオンを含む電解液Lを収容するための空間である。
(1)陽極20
陽極20は、電極として機能可能な導電率を有する。陽極20は、電解液L中の金属の標準酸化還元電位(標準電極電位)より高い標準酸化還元電位を有する金属(例えば、金)から構成され、電解液Lに不溶であってよい。あるいは、陽極20は、成膜装置100により形成する金属膜を構成する金属と同じ金属から構成され、電解液Lに可溶であってもよい。陽極20の形状及び面積は、陰極30の表面の金属成膜領域の形状及び面積に応じて適宜設計してよい。
(2)陰極30
陰極30は、金属イオンを含む電解液Lに対する耐食性、及び電極として機能可能な導電率を有する。成膜装置100により形成される金属膜は、陰極30の表面30aに形成される。例えば、アルミニウム、鉄等の金属から構成される基材を陰極30として用いてよい。また、エポキシ樹脂などの高分子樹脂、セラミックス等と、その表面を被覆する銅、ニッケル、銀、または鉄などの金属膜とから構成される基材を用いてもよく、その場合、導電性である金属膜が陰極30として機能する。基材の表面の一部分が導電性を有していてよく、導電性の部分が陰極30として機能する。
(3)固体電解質膜60
固体電解質膜60は、陽極20と陰極30の間に設けられ、溶液収容部50に固定されている。固体電解質膜60は、溶液収容空間55に露出する第一表面60aと、陰極30に対向する第二表面60bとを有する。第二表面60bは第一表面60aの反対面である。固体電解質膜60は、第一表面60a及び第二表面60bのいずれとも共有点を持たない分割面60cに沿って分割可能である。なお、固体電解質膜60は陰極30から離間する位置と陰極30に接触する位置の間を移動可能であってよい。
成膜装置100を用いて陰極30上に金属膜を形成した後に、陰極30と溶液収容部50が離れるように溶液収容部50及び/又は陰極30を動かすと、金属膜が固体電解質膜60の第二表面60bに強固に貼り付いて金属膜と固体電解質膜60を離間させることができないことがある。このような場合に、固体電解質膜60は、図2に示すように、分割面60cに沿って溶液収容部側部分68と金属膜側部分69とに分割される。溶液収容部側部分68は、溶液収容部50に固定され、溶液収容部50とともに金属膜70から離間する方向に移動する。金属膜側部分69は、金属膜70に付着して、陰極30とともに溶液収容部50から離れる方向に移動する。このように、金属膜70と固体電解質膜60が強固に貼り付いた場合に、分割面60cに沿って溶液収容部側部分68と金属膜側部分69とに分割される固体電解質膜を、本願において、「分割面に沿って分割可能」な固体電解質膜という。
図2において、固体電解質膜60は分割面60c全体に沿って分割されている。図3に示すように、固体電解質膜60は分割面60cの一部に沿って分割されてもよい。分割面60cは第一表面60aと共有点を持たないため、図2、3のいずれの場合においても、第一表面60aは全て溶液収容部側部分68に含まれる。そのため、固体電解質膜60の分割後も溶液収容部側部分68により溶液収容空間55の密閉状態が維持される。また、分割面60cは第二表面60bと共有点を持たないため、第二表面60bのいずれの部分が金属膜70に強固に付着しても、溶液収容部側部分68により溶液収容空間55の密閉状態を維持できる。
分割面60cと第二表面60bの間の距離は、成膜装置により形成する金属膜の厚さよりも大きくてよい。それにより、固体電解質膜60内で析出した金属が第二表面60bから分割面60cまで貫通することを防止できる。固体電解質膜60内で析出した金属が第二表面60bから分割面60cまで貫通すると、金属膜70と固体電解質膜60を引き離したときに、固体電解質膜60が分割面60cに沿って分割されず、固体電解質膜60に孔が開いて、溶液収容空間55から電解液Lが漏出するおそれがある。
なお、金属膜が固体電解質膜60の第二表面60bに強固に貼り付いていない場合は、陰極30と溶液収容部50の間の距離が大きくなるように溶液収容部50及び/又は陰極30を動かすと、固体電解質膜60は分離することなく、溶液収容部50とともに金属膜から離間する方向に移動する。
図4に、固体電解質膜60の層構成の一例を示す。図4の固体電解質膜60において、第一固体電解質層62、多孔質層66、及び第二固体電解質層64がこの順に重ね合わせられている。第一固体電解質層62は、溶液収容空間55に露出する第一表面60aを有し、第二固体電解質層64は、陰極30に対向する第二表面60bを有する。多孔質層66は、第一固体電解質層62及び第二固体電解質層64よりも破断強度が小さい。そのため、固体電解質膜60は、多孔質層66の内部を通る分割面60cに沿って、分割可能である。なお、分割面60cは、多孔質層66と第一固体電解質層62の界面及び/又は多孔質層66と第二固体電解質層64の界面を通ってもよい。
第一固体電解質層62及び第二固体電解質層64は、金属イオンを透過可能な高分子膜(イオン交換膜)から構成される。第一固体電解質層62と第二固体電解質層64は同じ種類のイオン交換膜から構成されていてもよいし、異なる種類のイオン交換膜から構成されていてもよい。
多孔質層66を構成する材料は特に限定されず、多孔質層66が金属イオンを透過可能であるとともに、第一固体電解質層62及び第二固体電解質層64よりも破断強度が小さければよい。
図4に記載されるような固体電解質膜60は、例えば多層共押出法により製造することができる。具体的には、第一固体電解質層62、多孔質層66、及び第二固体電解質層64の原料樹脂を加熱して溶融し、それぞれ押出機から押し出してTダイに供給し、Tダイから各溶融樹脂の層からなる多層溶融フィルムを吐出し、冷却ロールに接触させて冷却して固化することにより製造できる。
固体電解質膜60の層構成は上記例に限定されるものではない。例えば、固体電解質膜60は、さらなる別の層を有していてもよい。また、固体電解質膜60は、任意の表面処理により表面エネルギーを高めて接着性を付与したイオン交換膜に、別のイオン交換膜を貼り合せることによって製造することもできる。この場合、二枚のイオン交換膜の貼合面が分割面60cとなる。固体電解質膜60は、破断強度が小さく金属イオンを透過可能な中間層を介して二枚のイオン交換膜を接着することによって製造することもできる。
(4)溶液収容部50
溶液収容部50は、通常、上部及び下部に開口を有する筒状の形状を有する。溶液収容部50の下部の開口を覆うように固体電解質膜60が配置され、溶液収容部50の上部の開口を覆うように蓋部52が配置されている。固体電解質膜60と蓋部52の間に、固体電解質膜60と離間して陽極20が配置される。それにより陽極20と固体電解質膜60の間に溶液収容空間55が画成される。溶液収容部50には、金属イオンを含む電解液Lが収容される。なお、図1において、陽極20は蓋部52に接触して設けられているが、陽極20と蓋部52は離間していてもよい。この場合、陽極20と蓋部52の間にも電解液Lが存在してよい。
電解液Lは、成膜装置100により形成される金属膜を構成する金属を、イオンの状態で含有する。金属種として、例えば、銅、ニッケル、銀、鉄が挙げられる。
(5)電源部40
電源部40は、陽極20及び陰極30に電気的に接続される。電源部40は、陽極20と陰極30の間に電位差を発生させる。
<金属膜の形成方法>
次に、成膜装置100(図1参照)を用いた金属膜の形成方法を説明する。
成膜装置100の溶液収容空間55を、金属のイオンを含む電解液Lで満たす。また、固体電解質膜60と陰極30を接触させる。この状態で、電源部40により陽極20と陰極30の間に電圧を印加する。すると、電解液L中の金属イオンが、陽極20から陰極30の方向に固体電解質膜60を通って移動する。金属イオンは、固体電解質膜60と陰極30の界面(表面)30aに到達し、還元されて析出する。それにより陰極30上に金属膜が形成される。
電圧印加時には、溶液収容空間55の圧力を高めてよく、それにより溶液収容空間55中の電解液Lが固体電解質膜60に含浸しやすくなる。溶液収容空間55の圧力を高める場合、固体電解質膜60に破れが生じるとすぐに電解質Lが溶液収容空間55から漏出してしまうという問題がある。しかし、実施形態の成膜装置100では、固体電解質膜60の溶液収容部側部分68により確実に溶液収容空間55の密閉状態を維持できるため、このような問題を解消できる。溶液収容空間55の圧力は、例えば、溶液収容空間55に接続した高圧ポンプ(不図示)により高めることができる。
その後、形成された金属膜から固体電解質膜60を離間させる。成膜が正常に行われた場合は、金属膜と固体電解質膜60を問題なく離間させることができる。成膜に異常があった場合は、金属膜70(図2、3参照)と固体電解質膜60が強固に貼り付いていることがある。この場合、図2、3に示すように、固体電解質膜60が分割面60cに沿って、溶液収容部側部分68と金属膜側部分69とに分割される。溶液収容部側部分68により溶液収容空間55の密閉状態が維持されるため、電解液Lが溶液収容空間55から漏出することはない。その後、電解液Lを溶液収容空間から所定の方法で取り除き、固体電解質膜60の交換を行う。成膜が正常に行われた場合には、固体電解質膜60の交換は行わなくてもよい。
その他、印加電圧等の各種成膜条件は、成膜面積、目標とする膜厚等に応じて適宜設定してよい。成膜のスループット向上のためには高い電流密度で成膜を行うことが望まれる。本発明者らの検討によれば、高い電流密度で成膜を行うと金属膜70と固体電解質膜60の貼り付きが発生しやすい。実施形態の成膜装置では、金属膜70と固体電解質膜60が貼り付いて固体電解質膜が分割されても、溶液収容空間の密閉状態を維持できる。そのため実施形態の成膜装置により、高スループットでの金属成膜を安全に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例>
(1)固体電解質膜の作製
第一固体電解質層(厚さ5μm)、多孔質層、及び第二固体電解質層(厚さ25μm)がこの順に積層されて構成された固体電解質膜を、多層共押出法により作製した。具体的には、第一固体電解質層、多孔質層、及び第二固体電解質層の原料樹脂を加熱して溶融し、それぞれ押出機から押し出してTダイに供給した。Tダイから各溶融樹脂の層からなる多層溶融フィルムを吐出し、冷却ロールに接触させて冷却して固化した。
(2)ニッケル膜の形成
直径50mm、厚さ280μmのシリコンウエハ上に、厚さ80nmのチタン膜及び厚さ300nmの銅膜をこの順に形成した。これを基材(陰極)として用い、陽極として発泡ニッケル(ニラコ製)を用いて、基材と陽極が対向するように配置した。基材と陽極の間に固体電解質膜を配置した。このとき、固体電解質膜の第二固体電解質層を基材と接触させた。固体電解質膜と陽極の間の空間をニッケル溶液で満たした。ニッケル溶液としては、1mol/Lの塩化ニッケルと緩衝剤として0.05mol/Lの酢酸ニッケルを含有する水溶液(pH4.0)を用いた。それにより、図1に記載されるような成膜装置を構成した。
基材の温度を60℃とし、溶液収容空間の圧力を1MPaとして、陰極と陽極の間に90秒間電流を流した。それにより、基材上にニッケルが析出してニッケル膜が形成された。なお、成膜領域は15×15mmの大きさとした。また、成膜速度は2μm/分であった。成膜終了後、ニッケル膜から固体電解質膜を引き離した。
上述のようにして、複数枚の基材上にニッケル膜を形成した。いずれの場合においても、ニッケル膜から固体電解質膜を引き離したときに、ニッケル溶液が溶液収容空間から漏れ出ることはなかった。
(3)成膜後の固体電解質膜の観察
形成した複数のニッケル膜のうちのいくつかに、固体電解質膜の一部が付着していた。図5に固体電解質膜の一部が付着したニッケル膜の写真を示す。また、図6に、ニッケル膜に固体電解質膜の一部が付着した場合に使用していた固体電解質膜の使用後の写真を示す。使用後の固体電解質膜は厚さの小さい部分を有していたが、厚み方向に貫通する破れ(孔)は見られなかった。ニッケル膜から固体電解質膜を引き離したときに、固体電解質膜が部分的に多孔質層を境として第一固体電解質層と第二固体電解質層に分割され、分離した第二固体電解質層がニッケル膜に付着したと考えられる。第一固体電解質層には孔が生じず、それにより溶液収容空間の密閉状態が維持されたため、ニッケル溶液は漏出しなかった。なお、固体電解質膜が付着しなかったニッケル膜の写真と、このときに使用していた固体電解質膜の使用後の写真をそれぞれ図7、8に示す。使用後の固体電解質膜には厚さの小さい部分はなく、使用前の厚さを保っていた。
<比較例>
(1)ニッケル膜の形成
50mm×40mmのガラス基板上に、厚さ300nmの銅膜をスパッタにより形成した。これを基材(陰極)として用い、陽極として純ニッケル箔0.05mm(ニラコ製)を用いて、基材と陽極が対向するように配置した。基材と陽極の間に、市販の固体電解質膜(デュポン社製Nafion)を配置し、固体電解質膜を基材と接触させた。固体電解質膜と陽極の間の空間を、実施例1で用いたものと同じニッケル溶液で満たした。
基材の温度を80℃とし、溶液収容空間の圧力0.5MPaとして、陰極と陽極の間に電流を流した。それにより、基材上にニッケルが析出してニッケル膜が形成された。なお、成膜領域は5×5mmの大きさとした。また、成膜速度は2μm/分であった。成膜終了後、ニッケル膜から固体電解質膜を引き離した。
上述のようにして、複数の基材上にニッケル膜を形成した。いくつかの場合において、ニッケル膜から固体電解質膜を引き離したときに、ニッケル溶液が溶液収容空間から漏れ出た。
(2)成膜後の固体電解質膜の観察
ニッケル溶液が溶液収容空間から漏れ出た場合に使用していた固体電解質膜の使用後の写真を図9に示す。固体電解質膜には破れが生じていた。ニッケル膜から固体電解質膜を引き離したときに固体電解質膜が破れて厚み方向に貫通する孔が生じ、この孔を通って溶液収容空間からニッケル溶液が漏出したと考えられる。
20:陽極、30:陰極、40:電源部、50:溶液収容部、55:溶液収容空間、60:固体電解質膜、60a:第一表面、60b:第二表面、60c:分割面、62:第一固体電解質層、64:第二固体電解質層、66:多孔質層、100:成膜装置、L:電解液

Claims (2)

  1. 金属膜を形成するための成膜装置であって、
    陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極の間に設けられた、前記陰極に接触可能な固体電解質膜と、
    前記陽極と前記固体電解質膜の間に溶液収容空間を画成する溶液収容部と、
    前記陽極と前記陰極の間に電圧を印加する電源部とを有し、
    前記固体電解質膜が、第一固体電解質層、第二固体電解質層、及び前記第一固体電解質層と前記第二固体電解質層の間に設けられた多孔質層を有し、
    前記固体電解質膜が、前記溶液収容空間に露出する第一表面と、前記陰極に対向する第二表面とを有し、
    前記固体電解質膜が、前記第一表面及び前記第二表面のいずれとも共有点を持たない分割面に沿って分割可能である、成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置において、金属イオンを含む電解液で溶液収容空間が満たされ且つ固体電解質膜と陰極が接触した状態で、陽極と陰極の間に電圧を印加することを含む、金属膜の形成方法。
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