本実施の形態に係る表示管理サーバは、車体の外壁等に外装(外観)を構成するためのディスプレイを有し、自律走行が可能な多目的に機能する複数の移動体に対して外観を構成する映像データを管理するシステムの情報処理装置である。移動体として、例えば、営業のための施設・設備等を備え、商品の販売や役務サービスを提供する店舗車両が例示される。店舗車両のユーザは、当該店舗車両が提供するサービスの利用者、あるいは、当該店舗車両で販売される商品等の消費者ということもできる。
本実施の形態に係る表示管理サーバは、外観を構成する映像を表示させる表示部を備える複数の移動体が展開された場所周辺の環境を示す情報を取得する構成とした。環境を示す情報には、複数の移動体が展開された場所の山間部や都市部といった種類、場所周辺の雰囲気を表す景色、天候や気温、湿度等の気象状態、明るさ等を示す情報が含まれる。
そして、表示管理サーバは、場所周辺の環境を示す情報に応じて、複数の移動体が備え
る表示部に表示させる映像の表示内容を決定し、場所周辺に展開された複数の移動体に対し、決定された表示内容の映像をそれぞれの表示部に表示させる指示を行う構成とした。
複数の移動体が展開された場所周辺の環境は、各移動体に搭載されたカメラ、温湿度センサ、照度センサ等のセンサ群を介して検出されたセンサ情報から取得できる。また、各移動体の位置する位置情報から、当該各移動体が展開された場所を特定し、特定された場所に基づいて場所周辺の環境を示す情報を取得することもできる。そして、表示内容には、映像によって表示される内容の指定、色合いの指定、表示構成の指定、映像を表示する際の明るさの指定等が含まれる。
このような構成を備えることにより、表示管理サーバは、複数の移動体が展開された場所周辺の環境に対応した表示内容の映像データに基づいて、集合化された複数の移動体が統一された外観を保つように制御できる。
以下、図面を参照して、一実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、発明を実施するための態様は、以下に説明する実施形態の構成には限定されない。
<第1実施形態>
(システム概要)
図1は、第1実施形態に係る表示管理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1の表示管理システム1は、自律走行が可能な車両等の移動体を多目的に機能させてサービスを提供する移動体システムの一部、あるいは、移動体システムと連携する補完システムとして機能する。
先ず、移動体システムの概要について説明する。移動体システムは、例えば、与えられた指令に基づいて道路上を自律走行が可能な車両等の複数の移動体(V#1~V#n)と、当該指令を発行するセンタサーバ10と、を含んで構成される。各移動体は、利用者(以下、「ユーザ」とも称す)の多様なニーズに応じて、当該ユーザの移動や荷物の運搬、商品販売や役務サービス等のモビリティサービスを提供する。各移動体と、センタサーバ10とは、ネットワークN1を通じて相互に接続される。以下では、自律走行が可能な車両等の移動体を単に「車両」とも称し、複数の移動体(V#1~V#n)を総称して「車両V」とも称す。
車両Vとして、例えば、Electric Vehicle(EV)パレットと呼ばれる自走式の電動車両が例示される。但し、車両Vは、ガソリン車やディーゼル車、水素等を用いた燃料電池から供給された電力で動作する車両であってもよい。車両Vは、提供するモビリティサービスの用途や目的に応じて、自車両の外装や内装を変更し、車両サイズを任意に選択することが可能な多目的移動体である。センタサーバ10は、移動体システムを構成する複数台の車両Vを管理する装置であり、各車両に対する運行指令を行う。
ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆ネットワークである。但し、ネットワークN1は、WiFi(登録商標)等の無線通信、LTE、LTE-Advanced、3G等の携帯電話網の無線ネットワーク、VPN(Virtual Private Network)等
の専用ネットワーク、LAN(Local Area Network)等のネットワークを含んでよい。ネットワークN1には、本実施形態に係る表示管理システム1を構成する表示管理サーバ30(以下、単に「管理サーバ30」とも言う)が接続される。なお、図1では、1台のセンタサーバ10と、管理サーバ30と、複数の車両(V#1~V#n)とが代表的に例示されている。ネットワークN1には、複数のセンタサーバ10、管理サーバ30が接続され得る。
本実施形態に係る表示管理システム1が適用される移動体システムにおいては、車両Vは、商品の販売や役務サービスを提供する店舗車両(以下、店舗として機能する車両Vを「店舗車両20」ともいう)として機能する。店舗車両20は、例えば、車両内に店舗営業のための施設・設備等を有する。店舗車両20は、図1の破線の矩形枠に示すように、都市部や所定地域の予め定められた経路上を定期的に運行し、あるいは、予め許可を受けた場所等に定期的に集合することで、日用品や雑貨品、食料品等を商う移動型のマーケットを構成する。移動型のマーケットでは、例えば、種別の異なるサービスを複合して提供することが可能になり、ユーザの移動負担に配慮した買い物支援サービスの提供が可能になる。
なお、店舗車両20が集合する目的地には路上が含まれてもよく、店舗車両20以外の店舗(車両V以外の移動型店舗や固定店舗)が含まれてもよい。また、店舗車両20は、必ずしも無人である必要はなく、例えば、店舗車両20の取り扱う商品販売や役務サービスを利用するユーザに対して当該サービスを提供する営業要員や接客要員、保安要員等が乗車していてもよい。また、店舗車両20は、必ずしも常時自律走行を行う車両でなくてもよい。例えば、状況に応じて上記要員が運転ないし運転の補助を行う車両であってもよい。
店舗車両20は、車体の外壁等に外装(外観)を構成するためのディスプレイを有する。そして、本実施形態に係る表示管理システム1は、店舗車両20の外壁等に設けられたディスプレイに表示させる映像データを管理し、当該映像データを、移動型のマーケットを構成する複数台の移動体が統一された外観を保つように表示させる。
図2は、本実施形態に係る店舗車両20の外観の一例を示す図である。図2のAからEに示すように、店舗車両20を構成する車体の外壁には、外観を構成するための任意の映像が出力可能な車外ディスプレイが備えられる。なお、図2では、白抜き矢印Z1に示すように、車両後方に設けられた車外ディスプレイAに対向する方向が店舗車両20の向きを表す車両方位である。
車外ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶ディスプレイでもよく、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイでもよい。また、車外ディスプレイは、LED(Light Emitting Diode)マトリックス、店舗車両20の窓ガラスに映像を投影するプロジェクタ等を用いて構成されてもよい。車外ディスプレイを外壁に備える店舗車両20は、例えば、当該ディスプレイに表示される映像や、色合い、雰囲気、明るさ等の表示内容を切替えることで、自車両の外観を変更することができる。以下では、店舗車両20に設けられた車外ディスプレイを「表示部」とも称す。
本実施形態に係る表示管理システム1は、店舗車両20の外壁等に設けられた車外ディスプレイに表示させる映像データを管理する管理サーバ30を備える。映像データは、当該データを一意に識別する識別情報(映像ID)が付与されてデータベースに保持される。本実施形態に係る管理サーバ30は、移動型のマーケットによる種別の異なる複合的なサービスを提供するために複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境に関する環境情報を取得する。
ここで、環境情報として、複数の店舗車両20の位置する場所の種類(都市部、住宅街、山間部、海浜部等)を示す情報が例示される。また、環境情報は、複数の店舗車両20が展開された場所の景色(風景)、気象状態、明るさ等を含んでもよい。
そして、管理サーバ30は、データベースに保持された映像データを参照し、移動型のマーケットによる複合的なサービスを提供するために展開された場所周辺の環境情報に応
じた表示内容の映像データを特定する。
特定される映像データは、複数の店舗車両20に共通して表示させるための同一の映像データであってもよく、複数の店舗車両20が統一感を保持するように、それぞれの店舗車両20に表示させる関連性を有する複数種類の映像データであってもよい。このような関連性を有する映像データとして、例えば、花見をテーマとして「桜の木」、「桜の花びら」、「桜の花びらが舞い散るお重」といった3種一連の映像データが例示できる。また、複数の部分データに切り分けられた絵物語(例えば、平安絵巻等)の映像データが例示できる。各部分データを表示する店舗車両20を、切り分け順に整列させることで、複数の店舗車両20による外観が全体として一枚の絵巻物語を構成するように制御できる。
管理サーバ30は、移動型のマーケットが形成される場所に展開された複数の店舗車両20に対し、場所周辺の環境に応じて特定された表示内容の映像データを表示させるように指示する。各店舗車両は、管理サーバ30から指示された表示内容の映像データをそれぞれの表示部(車外ディスプレイ)に表示させることで、移動型のマーケットが展開された場所周辺の環境に応じた外観に統一することが可能になる。本実施形態に係る表示管理システム1においては、複数台の店舗車両20が展開された場所において、外観の統一を保つ技術が提供できる。
図3は、映像データの選定を説明する図である。図3において、複数の店舗車両20は、例えば、破線矢印で示される経路R1、R2を定期的に運行する。経路R1、R2に沿って位置する場所a1、a2、a3、a4は、例えば、移動型のマーケットが展開可能なように予め許可を受けた領域である。複数の店舗車両20は、例えば、経路R1、R2を隊列を成して巡回し、各領域間を移動する。各領域においては、破線吹き出しの枠内に示すように、日用品や雑貨品、食料品等の商品を販売する複数の店舗車両20が展開され、種別の異なるサービスを複合してユーザに提供する移動型のマーケットを構成する。なお、図3の破線吹き出しに示す形態は、5台の店舗車両(20a~20e)がコの字型に展開・配置される形態の一例である。コの字型に展開された各店舗車両においては、例えば、店舗車両20aは果物類の商品を販売し、店舗車両20eは野菜類を販売する。また、例えば、店舗車両20b、20dは冷蔵設備を備え、それぞれ肉類、魚介類を販売する。店舗車両20cは、例えば、衛生用品や家庭日用品等の日用雑貨品を販売する。
管理サーバ30は、例えば、経路R1、R2を運行中、あるいは、複数の店舗車両20が展開された場所(a1~a4)周辺の環境に関する環境情報を取得する。例えば、複数の店舗車両20が運行する領域や展開された領域の、都市部や住宅街、山間部や海浜部といった場所の種類を示す情報を環境情報として取得する。また、複数の店舗車両20が運行する領域や展開された領域の景色、気象状態、明るさ等を示す情報を環境情報として取得する。なお、複数の店舗車両20が展開された領域における展開形態(店舗車両間の相対的な配置関係)を示す情報を環境情報として取得してもよい。
環境情報は、例えば、後述するように、店舗車両20に搭載されたカメラ等のセンサを介して撮像されたカメラ映像や他の物理量を検出するセンサで検出されたセンサ情報として取得される。但し、管理サーバ30は、各店舗車両から定期的、あるいは、管理サーバ30の求めに応じて送信された緯度、経度等の位置情報に基づいて、複数の店舗車両20が運行する領域や展開された領域を特定し、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境を示す環境情報を取得してもよい。管理サーバ30は、例えば、地図データ等を参照し、複数の店舗車両20が運行する領域や展開された領域の位置情報から、場所の種類を示す環境情報を特定できる。なお、位置情報は、例えば、店舗車両20が走行予定の道路の識別情報(例えば、リンク番号)や交差点等の識別情報(例えば、ノード番号)、住所等を含んでもよい。
また、管理サーバ30は、例えば、カメラ映像を提供するネットワークN1上のサービスサイト等から、位置情報に基づいて特定される場所周辺を撮影したカメラ映像を取得してもよい。カメラ映像に基づいて、複数の店舗車両20が運行する領域や展開された領域の、都市部や住宅街、山間部や海浜部といった場所の種類、景色や天候状態等の環境情報が推定できる。さらに、管理サーバ30は、気象情報を提供するネットワークN1上のサービスサイト等から、位置情報で特定される場所周辺の天候や気温、湿度、風向、風速等の気象状態を示す環境情報を取得することもできる。そして、管理サーバ30は、取得された環境情報に基づいて、複数の店舗車両20の統一された外観を構成するための、当該環境情報に対応する表示内容の映像データを選定する。
図3において、場所a1、a2、a3、a4における場所の種類は、それぞれ住宅街、都市部、山間部、海浜部であると想定する。管理サーバ30は、場所a1に展開された複数の店舗車両20の外観を構成する映像データとして、例えば、公園に設けられた遊具や、パーティの飾り付け等をモチーフとした表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データを選定できる。都市部である場所a2においては、例えば、樹木や噴水等をモチーフとしたオアシス等の癒しを想起させる表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データが選定される。また、山間部である場所a3においては、例えば、環境情報として取得した風景の色合いを基調とした表示内容の映像データ、季節に応じたお祭りや絵物語等をモチーフとした表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データが選定される。海浜部である場所a4においては、例えば、海や砂浜、快晴の空に漂う雲、海鳥等をモチーフとして爽やかさを想起させる表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データが選定される。
上記映像データは、例えば、気象状態や明るさ(照度)等に応じて、色合い(色調)や雰囲気(配色)、表示させる明るさ(輝度等)といった表示要素の度合いを加減するように制御してもよい。例えば、市松模様の映像データにおいて、夏季においては、青色や白色等の寒色系の組合せを配色して強調するように制御し、冬季においては、橙色や茶色等の暖色系の組合せを配色して強調するように制御できる。さらに、周辺環境として取得された照度に応じて、映像データを表示する際の明るさ(輝度)を増減させるように制御することもできる。例えば、晴天時には明るさを高めて映像データを表示させ、曇天や雨天時には明るさを弱めて(減少させて)映像データを表示させてもよい。
複数の店舗車両20が経路R1、R2に沿って各場所の間を移動する場合も同様である。管理サーバ30は、各店舗車両に搭載されたカメラ等のセンサを介して取得された環境情報、あるいは、位置情報に基づいて特定された環境情報に基づいて、走行中の各店舗車両の外観を統一する表示内容の映像データを選定する。例えば、都市部を走行する際には、藍色を背景色として銀色や灰色、白色等の鳥の羽等をモチーフとしたスタイリッシュな表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データが選定される。また、山間部を走行する際には、風景の色合いを基調として、曲線で囲まれた領域を連続的に変化させて彩色するグラディエーション画像等の穏やかな表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データが選定される。
映像データには、例えば、「移動マーケット」といった文字をモチーフとした表示内容の映像データが含まれてもよい。例えば、所定の背景色に対して彩色された「移動マーケット」を表示する映像データが例示される。複数の店舗車両20が隊列を成して巡回する際には、上記の文字をモチーフとした表示内容の映像データを、背景色や文字の彩色を先頭から順に連続的に変化させて表示させるようにしてもよい。また、「移動マーケット」の文字列を複数の部分、例えば、「移動」、「マー」、「ケット」の部分データに切り分け、隊列を成して巡回する複数の店舗車両20の、先頭から順に表示させるようにしても
よい。この表示形態においても、背景色や文字の彩色を先頭から順に連続的に変化させて表示させるようにしてもよい。
さらに、管理サーバ30は、映像データの表示内容の選定の際に、走行中、あるいは、所定の場所(a1~a4)に展開された複数の店舗車両20の周囲に存在するユーザの属性を考慮してもよい。例えば、管理サーバ30は、店舗車両20に搭載されたカメラを介して撮影された画像から、パターンマッチング等によって、当該車両の周囲に存在するユーザの顔画像を抽出する。そして、管理サーバ30は、抽出された顔画像の数、すなわち人数を求めるとともに、抽出された顔画像を解析して年齢や性別を推定する。そして、管理サーバ30は、店舗車両20の周囲に存在するユーザの人数、年齢、性別等に対応する表示内容の映像データを選定することができる。一例として、女性ユーザの占める割合が相対的に高い場合には、猫や犬等の小動物をモチーフとした表示内容の、同一、あるいは、関連する映像データの選定が例示できる。なお、上記店舗車両20の周囲に存在するユーザの年齢や性別等の属性に関する情報の推定は、各店舗車両で推定してもよい。
(機能構成)
次に、図4から図11を参照して、本実施形態に係る表示管理システム1のセンタサーバ10、店舗車両20、管理サーバ30の機能構成を説明する。なお、既述したように、センタサーバ10は、移動体システムを構成する複数台の車両Vを管理し、各車両に対する運行指令を行うサーバ装置であるが、以下では、センタサーバ10の管理対象を店舗車両20に絞って説明する。
図4は、センタサーバ10の機能構成の一例を示す図である。センタサーバ10は、機能構成要素として、制御部11、記憶部12、通信部13を含んで構成される。通信部13は、ネットワークN1との通信インタフェースである。通信部13は、例えば、LANインターフェースボード、無線通信のための無線通信回路を含む。
センタサーバ10は、表示管理システム1において、複数の店舗車両20の自律走行を管理し、各店舗車両への運行指令を生成するサーバ装置である。センタサーバ10は、例えば、プロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置を有する汎用的なコンピュータである。プロセッサには、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等が含まれる。主記憶装置には、フラッシュ
メモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が含まれる。補助記憶装置は、OS(Operating System)を含む各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する不揮発性の記憶装置である。OSには、通信部13を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インタフェースプログラムが含まれる。補助記憶装置には、例えば、可搬記録媒体、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が含まれる。可搬記録媒体は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu-ray(登録商標)ディスクのようなディスク記録媒体である。プロセッサは、主記憶装置の作業領域に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、センタサーバ10全体の制御を行う。プロセッサは、コンピュータプログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことで、後述するような、所定の目的に合致した機能を提供する。但し、一部の機能がASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、画像処理プロセッサ等のハードウェア回路で提供されてもよい。また、センタサーバ10は、単一のコンピュータで構成されてもよく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
制御部11は、上記プロセッサのコンピュータプログラムの実行により提供される情報
処理機能である。制御部11により、複数の店舗車両20の自律走行を管理し、各店舗車両に送信される運行指令を生成する情報処理機能が提供される。制御部11は、少なくとも位置情報管理部111、運行指令生成部112を含む。なお、センタサーバ10で実行される一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
位置情報管理部111は、センタサーバ10の管理下にある複数の店舗車両20から位置情報(例えば、緯度、経度)を収集し、管理する。位置情報管理部111は、定期的、あるいは、センタサーバ10の要求に応じて店舗車両20から送信された現在の位置情報を受信し、記憶部12に構築された車両管理DB121に記憶する。
運行指令生成部112は、移動型のマーケットを提供する複数の店舗車両20に関する運行指令を生成する。図3で説明したように、移動型のマーケットが提供される所定地域での、予め定められた経路上の運行や、移動型のマーケットが展開される場所への定期的な集合に関する運行指令が生成される。運行指令生成部112は、移動型のマーケットを提供する複数の店舗車両20の位置情報を取得する。そして、運行指令生成部112は、例えば、補助記憶装置等に記憶された地図データを参照し、複数の店舗車両20に対して、現在位置を出発地点として、予め定められた経路上を運行し、移動型のマーケットが展開される各場所を経由する運行指令を生成する。なお、運行指令には、移動型のマーケットが展開される場所への一時的な立寄り、当該場所における展開位置の指示等が含まれる。
記憶部12は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。記憶部12には、移動型のマーケットを提供する複数の店舗車両20に関する車両情報を管理する車両管理データベース(DB)121が構築される。車両管理DB121は、例えば、プロセッサによって実行されるデータベース管理システム(DBMS)のプログラムが、補助記憶装置等に記憶されるデータを管理することで構築されるリレーショナルデータベースである。
図5は、車両管理DB121に格納される車両情報の一例を示す図である。車両情報は、図5に例示のように、車両情報テーブルとして管理される。車両情報テーブルに登録される情報は、適宜にフィールドの追加、変更、削除が可能である。図5において、車両情報テーブルは、地域ID、グループID、集合領域ID、車両ID、拠点ID、現在位置、運行状況、集合形態の各フィールドを有する。地域IDには、各店舗車両がサービスを提供する地域を示す情報(地域ID)が格納される。地域IDは、例えば、地域メッシュ情報(標準地域メッシュコード、分割地域メッシュコード等)である。但し、地域IDに格納される情報は、市区町村等を示す情報でもよく、各店舗車両がサービスを提供する地域を特定する緯度・経度で区切られた情報でもよい。
グループIDには、移動型のマーケットを構成する複数の店舗車両20が属するグループを識別する識別情報(グループID)が格納される。集合領域IDには、移動型のマーケットが展開される場所(領域)を特定する情報(集合領域ID)が格納される。集合領域IDは、地域IDと同様に地域メッシュ情報でもよく、場所を示す住所や、展開される領域を特定する緯度・経度で区切られた情報でもよい。なお、集合領域IDには、移動型のマーケットが展開される場所を示す情報が複数に格納される。例えば、図5の例では、グループID「G001」に属する複数の店舗車両20によるマーケットサービスが地域ID「D000A」の集合領域ID「A01、A02、A03、A04」において提供される。また、地域ID「D000A」の集合領域ID「A05、A06、A07」においては、グループID「G001」で識別される複数の店舗車両20によるマーケットサービスが提供される。
車両IDには、センタサーバ10によって管理される店舗車両20を一意に識別するための識別情報(車両ID)が格納される。車両IDは、例えば、自動車登録番号(ナンバープレートに標記された番号)である。業者IDには、店舗車両20による商品販売や役務サービスを提供する業者を一意に識別する識別情報(業者ID)が格納される。業者IDは、例えば、業者に割当てられた事業者コードである。拠点IDには、店舗車両20の拠点となる場所を示す情報(住所、緯度・経度等)が格納される。店舗車両20は、拠点IDで特定される拠点場所から出発し、地域IDで指定される地域内での商品販売や役務サービス提供の終了後、当該拠点場所に帰還する。
現在位置には、店舗車両20の現在の位置を示す位置情報(緯度、経度等)が格納される。但し、位置情報は、店舗車両20が位置する道路の識別情報(例えば、リンク番号)や交差点等の識別情報(例えば、ノード番号)や、住所等を含むことができる。運行状況には、店舗車両20の状況を示すステータス情報が格納される。例えば、店舗車両20が経路上を移動している場合には「運行中」、マーケットサービスが提供される場所に展開されて商品販売や役務サービスを提供中の場合には「サービス提供中」といったステータスが格納される。なお、店舗車両20が提供するサービスを中止している場合には「休止」等のステータスが格納される。集合形態には、複数の店舗車両20によるサービス提供時の集合形態を示す情報が格納される。集合形態に格納される情報として、例えば、「コの字型」、「ワ字型」、「二字型」、「円形」、「三角形」、「矩形」等が例示される。
次に、図6を参照し、店舗車両20を説明する。図6は、店舗車両20の機能構成の一例を示す図である。店舗車両20は、機能構成要素として、センサ21、位置情報取得部22、駆動部23、制御部24、通信部25、記憶部26、映像出力部27を含む。店舗車両20は、センタサーバ10から取得した運行指令にしたがって走行経路を生成し、当該経路を自車両の周囲をセンシングしながら自律走行として適切な方法で道路上を走行する。
センサ21は、店舗車両20に搭載されたセンサの集合であり、自律走行に必要な情報を取得するために店舗車両20の状態や車両周囲の環境をセンシングする手段である。店舗車両20の状態をセンシングするセンサ21として、例えば、加速度センサ、速度センサ、地磁気センサ等が例示される。また、店舗車両20の周囲をセンシングするためのセンサ21として、例えば、カメラ(ステレオカメラ、可視光カメラ、赤外線カメラ等)、レーザスキャナ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection
and Ranging)、レーダ等が例示される。さらに、店舗車両20の周囲の環境をセンシングするセンサ21として、例えば、温湿度センサ、明るさを検出する照度センサ、マイクロフォン、騒音レベルを検出する音圧センサ等が例示される。センサ21で取得された情報は、例えば、制御部24に通知され、店舗車両20の周囲に存在する障害物や走行レーンの認識等のために利用される。なお、センサ21によって検出される情報には、例えば、路車間通信や車車間通信を通じて取得された、店舗車両近傍の混雑度や周辺車両の速度等に関するデータが含まれてもよい。
位置情報取得部22は、店舗車両20の現在位置を取得する手段であり、例えば、GPS(Global Positioning System)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)等の受信器などを含んで構成される。位置情報取得部22が取得した情報(例えば
、緯度、経度等)は、制御部24に通知され、例えば、当該店舗車両が走行する経路の算出や、目的地に到達するための誘導処理に利用される。なお、位置情報取得部22は、速度センサ、加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ等により、自車両の進行方向と車速を検出し、自律的に自車の位置情報を求めてもよい。位置情報取得部22が取得した情報は通信部25を介して、ネットワークN1に接続されるセンタサーバ10、管理サーバ30に定期的、あるいは、各サーバの要求に応じて送信される。
駆動部23は、走行制御部243が生成した制御指令に基づいて、店舗車両20を走行させる手段である。駆動部23は、例えば、車輪を駆動するためのモータやインバータ、ブレーキ、ステアリング機構等を含んで構成される。駆動部23は、制御指令にしたがって上記モータやインバータ、ブレーキ、ステアリング等の制御量を適切に加減することで、店舗車両20の自律走行を行う。
制御部24は、センサ21や位置情報取得部22から取得した情報に基づいて、店舗車両20の制御を行うコンピュータである。制御部24は、例えば、CPU等のプロセッサを含むマイクロコンピュータで構成される。制御部24は、プロセッサが記憶部26に格納された各種プログラムや各種データを読み出して実行させることで、所定の目的に合致した各種の処理機能を提供する。制御部24は、少なくとも、運行計画生成部241、状態検出部242、走行制御部243、周辺環境検出部244、車両情報送信部245、映像データ取得部246の機能モジュールを提供する。但し、制御部24が提供する機能モジュールはハードウェアによって実現されてもよく、互いに連携する複数のコンピュータで実現されてもよい。
運行計画生成部241は、センタサーバ10から運行指令を取得し、自車両の運行計画を生成する。当該運行指令には、店舗車両20に指示される出発地、目的地、目的地を経由する経路等に関する情報が含まれる。したがって、運行計画生成部241は、センタサーバ10から与えられた目的地および目的地に至る経路と、位置情報取得部22により得られた自車両の位置とに基づいて、上記の運行計画を生成する。運行計画には、このように生成された店舗車両20が走行する経路に関するデータと、経路の一部または全部において当該車両が行うべき処理を規定したデータとを含む。運行計画に含まれるデータの例として、例えば、以下の(1)、(2)のようなものが挙げられる。
(1)自車両が走行する経路を道路リンクの集合によって表したデータ
自車両が走行する経路は、例えば、記憶部26に記憶された地図データを参照し、指示された出発地、目的地、目的地を経由する経路に基づいて自動的に生成してもよい。但し、自車両が走行する目的地を経由する経路ルートは、店舗車両20内ではなく、センタサーバ10等の外部装置を介して特定することもできる。センタサーバ10等の外部装置は、店舗車両20から位置情報を取得し、運行予定の経路にしたがって当該店舗車両が走行すべきルートを特定するとともに、当該ルートのデータを運行指令に含めてもよい。
(2)経路上の地点において自車両が行うべき処理を表したデータ
自車両が行うべき処理には、例えば、移動型のマーケットが展開される場所への一時的な立寄り、当該場所における展開位置への移動指示といったものがあるが、これらに限られない。運行計画生成部241が生成した運行計画は、後述する走行制御部243へ出力される。
状態検出部242は、センサ21が取得したデータに基づいて、自律走行に必要な周囲の状況を検出する。検出の対象は、例えば、車線の数や位置、自車両の周囲に存在する車両の数や位置、自車両の周囲に存在する障害物(例えば歩行者、自転車、構造物、建築物など)の数や位置、道路の構造、道路標識などであるが、これらに限られない。自律的な走行を行うために必要なものであれば、検出の対象はどのようなものでもよい。例えば、センサ21がカメラ(ステレオカメラ、可視光カメラ、赤外線カメラ)等である場合には、それにより撮像された画像データを画像処理することで店舗車両20の周囲の物体検出が行われる。
なお、状態検出部242は、単に店舗車両20の周囲の物体を検出するだけではなく、検出した物体をトラッキング(検出した対象物を継続して検出し続けること)してもよい。例えば、1ステップ前に検出した物体の座標と、現在の物体の座標との差分から、当該
物体の相対速度を求めることができる。状態検出部242が検出した周囲の状況に関するデータは、後述する走行制御部243へ出力される。なお、センサ21を介して取得された自車両の方位を示す方位情報は通信部25を介してネットワークN1に接続されるセンタサーバ10、管理サーバ30に定期的、あるいは、各サーバの要求に応じて送信される。
走行制御部243は、運行計画生成部241が生成した運行計画と、状態検出部242が検出した周囲の状況に関するデータ、ならびに、位置情報取得部22が取得した自車両の位置情報に基づいて、自律的な走行を制御するための制御指令を生成する。例えば、走行制御部243は、所定の経路に沿って走行し、かつ、自車両を中心とする所定の安全領域内に障害物が進入しないように自車両を走行させるべく制御指令を生成する。生成された制御指令は、駆動部23へ出力される。なお、自律走行させるための制御指令の生成方法については、公知の方法を採用することができる。
周辺環境検出部244は、センサ21や位置情報取得部22から取得した情報に基づいて、自車両の位置する周辺の環境を検出する。例えば、周辺環境検出部244は、記憶部26に記憶された地図データを参照し、自車両が位置する場所の、都市部や住宅街、山間部や海浜部、田園部といった場所の種類を示す情報を特定する。センサ21がカメラを含む場合には、それにより撮影された画像データを画像処理することで、パターンマッチング等により認識された住宅等の建物、樹木等の画像内の占める割合から、自車両の位置する場所の種類が推定される。
センサ21がマイクロフォン、音圧センサを含む場合には、計測された音圧レベルから自車両周囲の静寂さの度合いが推定され、音の周波数特性からは、風音、波音、鳥や犬、猫といった動物の鳴き声等の存在が推定される。周辺環境検出部244は、例えば、自車両周囲の静寂さの度合いが相対的に低い場合には、自車両の位置する場所は都市部と推定でき、静寂さの度合いが相対的に高い場合には、自車両の位置する場所は住宅街や山間部、海浜部であると推定できる。また、波音や海鳥の鳴き声等の存在から自車両の位置する場所は海浜部と推定でき、犬や猫等の鳴き声の存在から自車両の位置する場所は住宅街と推定できる。
また、周辺環境検出部244は、カメラで撮影された画像内の交通量(人、2輪車、他の車両等)の多少に応じて、当該店舗車両周辺の「賑わい」、「静か」、「寂しい」、「のどか」、「穏やか」、「爽やか」といった雰囲気を推定してもよい。交通量の多少による雰囲気は、例えば、上記の場所の種類、音圧レベルや音特性ごとに予め定められた条件に応じて推定される。例えば、店舗車両周辺に一定数(10人)以上の人数が存在し、静寂さの度合いが相対的に低く、笑い声等が存在する場合には「賑わい」といった雰囲気が推定される。
さらに、画像処理が施された画像データの、色合い、明るさから晴天や曇天、雨天等の天候状況が推定でき、音圧レベルや、音の周波数特性からは、走行時の路面状況が推定できる。加えて、センサ21が温湿度センサ、照度センサを含む場合には、自車両の周囲の気温、湿度、照度から日射の有無等の天候状況が特定される。周辺環境検出部244は、例えば、「晴れ;**度(気温);**%(湿度)」といった気象状態を、店舗車両周辺の環境を示す情報として推定する。また、周辺環境検出部244は、例えば、照度センサの最大検出レベルを100パーセントとする相対的な明るさの度合い(例えば、「**%」)を、店舗車両周辺の環境を示す情報として推定する。なお、周辺環境検出部244は、上記度合いに基づいて、例えば、70パーセント以上は「明るい」、70から50パーセントは「やや明るい」、50から30パーセントは「やや暗い」、30パーセント以下は「暗い」といった複数段階の、相対的な明るさを示す情報で表してもよい。
周辺環境検出部244によって検出された周辺環境を示す情報(場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等)は、通信部25を介してネットワークN1に接続された管理サーバ30に定期的、あるいは、当該サーバの要求に応じて送信される。
なお、周辺環境検出部244は、店舗車両20の周囲に存在するユーザの年齢や性別といった属性に関する情報をカメラ映像から推定し、ユーザ傾向情報として管理サーバ30に送信してもよい。例えば、周辺環境検出部244は、カメラ映像から抽出されたユーザの中で、占める割合が高い性別や年代をユーザ傾向情報として送信できる。
但し、周辺環境検出部244は、センサ21を通じて取得されたセンサ情報(カメラ画像、温湿度データ、照度データ、録音データ、騒音レベル等)を時刻情報、自車両の車両ID、自車両の属するグループIDに対応付けて管理サーバ30に通知してもよい。管理サーバ30は、店舗車両20からセンサ情報を取得し、当該センサ情報に基づいて、グループIDで指定される複数の店舗車両20が展開する場所周辺の環境が特定できる。
車両情報送信部245は、記憶部26に格納された自車両の店舗情報を通信部25を介してネットワークN1に接続される管理サーバ30に定期的、あるいは、管理サーバ30の要求に応じて送信する。車両情報送信部245は、自車両を一意に識別する車両ID、自車両の属するグループIDを店舗情報に付加し、管理サーバ30に送信する。店舗情報には、後述するように、店舗名称、取扱商品、業者ID、運営時間、車両サイズ、搭乗可能人数、外観を構成するために表示中の映像データを示す情報等が含まれる。
映像データ取得部246は、管理サーバ30から送信された映像データを通信部25を介して取得し、当該映像データを記憶部26に格納する。管理サーバ30から送信される映像データには、動画や静止画、文字列等が含まれる。また、映像データには、当該データを表示する際の、色合い(色調)や雰囲気(配色)、表示させる明るさ(輝度等)等を指示する指示情報が含まれる。
通信部25は、店舗車両20をネットワークN1に接続させるための通信手段である。通信部25は、例えば、LANインターフェースボード、無線通信のための無線通信回路を含む。記憶部26は、主記憶装置と補助記憶装置を含み、自車両に付与された車両ID、自車両の属するグループID、店舗情報、地図データ等の店舗車両として機能するための情報が格納される。
映像出力部27は、例えば、車体の外壁に設けられた車外ディスプレイ(図2、AからEに例示)に映像を出力する手段である。本実施形態においては、記憶部26に格納された映像データが車外ディスプレイに表示されて外観を構成する。店舗車両20は、管理サーバ30から送信された映像データを指示情報にしたがって車外ディスプレイに表示させることで、自車両の外観を周辺の環境に対応した表示内容にすることが可能になる。
次に、図7を参照し、管理サーバ30を説明する。図7は、管理サーバ30の機能構成の一例を示す図である。管理サーバ30は、機能構成要素として制御部31、記憶部32、通信部33を含んで構成される。通信部33は、センタサーバ10の通信部13と同様であるため説明は省略される。
管理サーバ30は、センタサーバ10と同様にして、プロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置を有する汎用的なコンピュータである。管理サーバ30の有する上記構成要素は、センタサーバ10と同様であるため、説明は省略される。また、管理サーバ30においても、単一のコンピュータで構成されてもよく、クラウドといった複数のコンピュータの集
まりから構成されるシステムであってもよい。管理サーバ30は、例えば、補助記憶装置に格納されたOS、各種プログラム、各種テーブル等を主記憶装置の作業領域に読み出して実行し、当該プログラムの実行を通じて以下の各構成部等を制御することで、所定の目的に合致した機能を提供する。
なお、管理サーバ30の有する主記憶装置と補助記憶装置は記憶部32を構成する。記憶部32には、店舗車両管理DB321、環境情報DB322、表示データ管理DB323が構築される。これらのDBは、例えば、管理サーバ30のプロセッサによって実行されるデータベース管理システム(DBMS)のプログラムが、補助記憶装置等に記憶されるデータを管理することで構築されるリレーショナルデータベースである。
制御部31は、管理サーバ30が有するプロセッサのコンピュータプログラムの実行により提供される情報処理機能である。制御部31は、少なくとも車両情報管理部311、表示データ指示部312の各構成部を含む。制御部31により、例えば、複数の店舗車両20が、移動型のマーケットによるサービス提供といった所定の目的にしたがって展開された場所周辺の環境に応じて外観を統一するように映像データの表示内容が決定される情報処理機能が提供される。但し、管理サーバ30で実行される一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。以下では、複数の店舗車両20が展開される場所周辺には、各店舗車両が所定の目的のために展開された場所のみならず、当該展開場所への移動経路周辺も含むものとして説明する。
車両情報管理部311は、複数の店舗車両20の位置情報、店舗情報を収集し管理する。各店舗車両の位置情報、店舗情報は、定期的、あるいは、管理サーバ30の要求に応じて取得される。車両情報管理部311は、グループID毎に、取得した各店舗車両の位置情報、店舗情報をそれぞれの車両IDに関連付けて記憶部32に構築された店舗車両管理DB321に格納する。
また、車両情報管理部311は、複数の店舗車両20の位置する周辺の環境に関する環境情報を収集し、管理する。車両情報管理部311は、例えば、各店舗車両の周辺環境検出部244で検出された環境情報(場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等)を取得する。各店舗車両からの環境情報の取得は、定期的、あるいは、管理サーバ30の要求に応じて取得される。環境情報は、例えば、当該環境情報が検出された時刻情報、当該環境情報を検出した店舗車両20の車両ID、グループIDとともに取得される。
車両情報管理部311は、例えば、同一のグループIDに属する複数の店舗車両20の環境情報を収集する。そして、車両情報管理部311は、収集された各店舗車両の環境情報に基づいて、グループID毎の環境情報を特定する。なお、車両情報管理部311は、センタサーバ10を介して、同一のグループIDに属する店舗車両20の車両IDを予め取得してもよい。
車両情報管理部311は、例えば、複数の店舗車両20から取得された環境情報の中で、頻度の高い状態を当該グループIDの環境情報として特定する。なお、環境情報の中で異なる状態の示す頻度が同一のときには、当該異なる状態をグループIDの環境情報として特定する。車両情報管理部311は、特定した店舗車両毎の環境情報をグループIDに関連付けて記憶部32の環境情報DB322に格納する。なお、車両情報管理部311は、複数の店舗車両20から周囲に存在するユーザの年齢や性別といった属性に関する情報(ユーザ傾向情報)が取得できる場合には、上記と同様にして、グループID毎のユーザ傾向情報を特定し、当該情報を環境情報DB322に格納する。
なお、車両情報管理部311は、各店舗車両のセンサ21を介して取得されたセンサ情
報(カメラ画像、温湿度データ、照度データ、録音データ、騒音レベル等)を取得してもよい。各店舗車両からのセンサ情報は、当該店舗車両においてセンサ情報が取得された時刻情報、当該店舗車両の車両IDとともに取得される。車両情報管理部311は、店舗車両20の周辺環境検出部244と同様の処理を行うことで、センサ情報が取得された当該店舗車両の位置する周辺の環境についての環境情報(場所の種類、気象状態、明るさ等)が特定される。車両情報管理部311は、センサ情報に基づいて特定された環境情報を、当該センサ情報が取得された時刻情報、当該店舗車両の車両IDとともに環境情報DB322に格納すればよい。
また、車両情報管理部311は、記憶部32に格納された地図データを参照し、各店舗車両から取得した位置情報(緯度、経度等)に基づいて、各店舗車両が位置する場所周辺の、都市部や山間部等の場所の種類を示す環境情報を特定することもできる。地図データは、ネットワークN1に接続される他のシステム、例えば、GIS(Geographic Information System)から提供されてもよい。
さらに、車両情報管理部311は、各店舗車両から取得した位置情報に基づいて、各店舗車両が展開された場所周辺を撮影したカメラ映像をネットワークN1を介して取得することもできる。車両情報管理部311は、取得したカメラ映像から、複数の店舗車両20が運行する場所や展開された場所の、都市部や住宅街、山間部や海浜部といった場所の種類、景色や天候状態等の環境情報を推定できる。同様にして、位置情報からは、位置情報で特定される場所周辺の天候や気温、湿度等の気象状態も特定できる。
表示データ指示部312は、表示データ管理DB323を参照し、取得された環境情報に対応する表示内容の映像データを選定する。当該映像データは、環境情報が取得された場所周辺に展開された複数の店舗車両20に対して、通信部33を通じて送信される。当該複数の店舗車両20は、管理サーバ30から送信された映像データを受信し、それぞれの店舗車両20に設けられた車外ディスプレイに表示させることで、環境情報に対応した表示内容に統一された外観を構成することが可能になる。
なお、表示データ指示部312は、環境情報以外に複数の店舗車両20の周囲に存在するユーザの属性傾向を示す情報(ユーザ傾向情報)が取得されるときには、当該ユーザ傾向情報に対応する表示内容の映像データを選定してもよい。複数の店舗車両20は、周囲に存在するユーザの属性傾向に対応した表示内容に統一された外観を構成することが可能になる。表示データ指示部312の処理の詳細は後述される。
次に、記憶部32に構築される、店舗車両管理DB321、環境情報DB322、表示データ管理DB323を説明する。図8は、店舗車両管理DB321に格納される店舗車両情報の一例を示す図である。店舗車両情報は、図8に例示のように、グループID毎の店舗車両情報テーブルとして管理される。店舗車両情報テーブルに登録される情報は、適宜にフィールドの追加、変更、削除が可能である。
図8において、店舗車両情報テーブルは、車両ID、店舗名称、取扱商品、業者ID、運営時間、車両サイズ、搭乗可能人数、現在位置、外観、集合形態の各フィールドを有する。車両ID、業者ID、現在位置、集合形態の各フィールドに格納される情報は、図5と同様であるため、説明が省略される。店舗名称には、マーケットサービスを提供する際の店舗名称を示す情報が格納される。取扱商品には、「肉類」、「日用雑貨」、「魚介類」といった当該店舗車両が販売サービスとして取り扱う商品の属するカテゴリを示す情報が格納される。なお、取扱商品には、当該店舗車両が提供するサービスの種類(例えば、飲食サービス、喫茶サービス、娯楽等)に応じた情報(例えば、取扱商品の細目を示すテーブル番号等)が含まれる。運営時間は、当該店舗車両で提供される商品販売や役務サー
ビスの営業開始時間および営業終了時間を示す情報が格納される。車両サイズには、当該店舗車両の大きさ(幅(W)、高さ(H)、奥行き(D))を示す情報が格納される。搭乗可能人数には、当該店舗車両に搭乗可能な人数を示す情報が格納される。外観には、当該店舗車両の外観を構成するために表示中の映像データを示す情報が格納される。
図8において、各店舗車両は、例えば、図3に示すコの字型に展開・配置されるものとすると、車両ID「S101」から「S105」は、それぞれ図3に示す店舗車両20aから20eに対応する。コの字型に展開・配置される複数の店舗車両20の外観を構成する映像データとして、図9に示すように、例えば、パーティの飾りつけをモチーフとした表示内容の5種一連の映像データ(外観「BBB-1」から「BBB-5」)が例示される。各店舗車両の車外ディスプレイに表示された、5種の部分データに切り分けられた映像データを閲覧するユーザは、パーティの飾りつけをモチーフとした表示内容の一体的な映像データ(BBB)が想起することができる。
図10は、環境情報DB322に格納される環境情報の一例を示す図である。環境情報は、図10に例示のように、グループID毎の環境情報テーブルとして管理される。環境情報テーブルは、環境情報が取得された時刻情報毎のレコードを有し、当該テーブルの先頭には最新の時刻で取得された環境情報に関するレコードが格納される。環境情報においても、登録される情報は適宜にフィールドの追加、変更、削除が可能である。
図10において、環境情報テーブルは、時刻、周辺環境、ユーザ傾向、運行状況の各フィールドを有する。運行状況フィールドに格納される情報は、図5と同様であるため説明は省略される。時刻には、環境情報が取得された時刻情報(日付、時刻)が格納される。図10は、10分といった所定の周期間隔で環境情報等が取得される形態の一例である。
周辺環境には、当該グループIDに属する複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境を示す情報が格納される。当該環境を示す情報はサブフィールドを構成し、図10は、位置、種別、気象状態、雰囲気、明るさといった環境情報が格納される一例である。位置には、複数の店舗車両20が展開された場所を示す情報が格納される。図10の例では、当該グループIDに属する複数の店舗車両20が提供する移動型のマーケットの展開される場所(領域)を示す集合領域IDを格納する。但し、位置に格納される情報は、地域メッシュ情報でもよく、場所を示す住所や、複数の店舗車両20が展開された範囲を特定する緯度・経度で区切られた情報、あるいは、複数の店舗車両20から取得された位置情報(緯度、経度)の平均値でもよい。
種別には、当該グループIDに属する複数の店舗車両20が展開された場所(領域)周辺の種類を示す情報(都市部、住宅街、山間部、田園部、海浜部等)が格納される。同様にして、気象状態には、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の気象状態を示す情報(天候、気温、湿度等)が格納される。雰囲気には、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の雰囲気(賑わい、静か、寂しい、のどか、穏やか、爽やか等)を示す情報が格納される。明るさには、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の明るさを示す情報が格納される。図10の例では、「明るい」、「やや明るい」、「やや暗い」、「暗い」といった4段階で表された相対的な明るさを示す情報が格納されている。
ユーザ傾向には、当該グループIDに属する複数の店舗車両20の周囲に存在するユーザの属性傾向を示す情報が格納される。図10は、複数の店舗車両20の周囲に存在するユーザの中で、占める割合の高い年代、性別等の属性情報がサブフィールドに格納される一例である。図10においては、移動型のマーケットが展開された場所である位置「A01」では、当該グループIDで指定される複数の店舗車両20の周囲のユーザ傾向として「60」代の「女性」の占める割合が高いことが例示される。
なお、環境情報テーブルに格納される周辺環境、ユーザ傾向の各フィールドにおいて、対応する情報が取得されない場合には、当該情報が存在しないことを示す情報(例えば、「---」や空欄等)が格納される。
図11は、表示データ管理DB323に格納される映像情報の一例を示す図である。映像情報は、図11に例示のように、映像情報テーブルとして管理される。映像情報においても、登録される情報は適宜にフィールドの追加、変更、削除が可能である。
図11において、映像情報テーブルは、映像ID、表示内容、配色傾向、映像データ、部分データ、関連データの各フィールドを有する。映像IDには、店舗車両20の外観を構成するために表示される映像データを一意に識別する識別情報(映像ID)が格納される。表示内容には、映像IDで指定される映像データの表示内容を示す情報が格納される。表示内容は、映像データによって構成される外観の表示テーマを分類するための任意の基準情報である。配色傾向には、映像IDで指定される映像データの表示の際における色合い(色調)や雰囲気(配色傾向)の分類を示す情報が格納される。映像データには、映像IDで指定される映像データを示す情報(例えば、データ番号等)が格納される。部分データには、映像IDで指定される映像データを複数の店舗車両20によって一体的に表示させるための部分データを示す情報が格納される。関連データには、映像IDで指定される映像データの表示内容と関連する映像データを示す情報(映像ID等)が格納される。なお、部分データ、関連データには、複数の情報が格納される。また、映像情報テーブルの各フィールドにおいて、対応する情報が存在しない場合には、当該情報が存在しないことを示す情報(例えば、「---」や空欄等)が格納される。
図11の例では、表示内容「パーティ飾り付け(リボン)」をテーマとして、配色傾向「寒色系」、「中間色系」、「暖色系」に分類された3種の映像ID「VA10001A」、「VA10001B」、「VA10001C」が例示される。各映像IDで指定される映像データ「BBA」、「BBB」、「BBC」は、それぞれ5分割された部分データ「BBA-1~BBA-5」、「BBB-1~BBB-5」、「BBC-1~BBC-5」を有する。図9を用いて説明した映像データは、上記「BBB-1~BBB-5」で示される形態の部分データの一例である。なお、映像情報テーブルは、場所の種類を示す情報(「都市部」、住宅街、田園部、山間部、海浜部等)に応じて映像情報を分類し、分類されたそれぞれに対応する表示内容のフィールドを有するとしてもよい。
(処理の流れ)
次に、図12から図17を参照して、本実施形態に係る表示管理システム1の処理を説明する。図12から図17の処理は、表示管理システム1を構成する各店舗車両、管理サーバ30によって定期的に実行される。図12、13は、店舗車両20で実行される処理を表す。また、図14から図17は、管理サーバ30で実行される処理を表す。図12は、移動型のマーケットによるサービス提供といった所定の目的にしたがって展開された複数の店舗車両20のそれぞれの制御部24が実行する環境情報、ユーザ傾向情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。
(店舗車両)
図12において、店舗車両20は、位置情報取得部22を通じて取得された自車両の現在位置を示す位置情報(緯度、経度等)を取得する(S1)。また、店舗車両20は、センサ21で検知されたセンサ情報を取得する(S2)。店舗車両20は、自車両の周辺環境を推定するためのセンサ情報、例えば、カメラを介して撮影された自車両周辺のカメラ画像(撮影画像)、自車両周辺の温湿度データ、明るさを表す照度データ、音特性や騒音レベルを特定するための録音データ、音圧データ等を取得する。店舗車両20は、S1-
S2で取得された位置情報、センサ情報を時刻情報、自車両の車両IDと対応付けて主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S3の処理に引き渡す。なお、店舗車両20は、地磁気センサ等を介して自車両の向きを表す方位方向(方位情報)を取得してもよい。
店舗車両20は、位置情報、センサ情報に基づいて、自車両の位置する場所周辺の環境情報(場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等)を検出する(S3)。店舗車両20は、例えば、地図データを参照し、自車両が位置する場所の、都市部や住宅街、山間部や海浜部、田園部といった場所の種類を示す情報を特定する。あるいは、カメラで撮影された画像データの画像処理の結果、例えば、パターンマッチング等により認識された住宅等の建物、樹木等の画像内の占める割合から、自車両の位置する場所の種類を推定する。店舗車両20は、記録された音の周波数特性や音圧レベル等を、自車両の位置する場所の種類の推定に反映することもできる。
また、店舗車両20は、例えば、カメラで撮影された画像内の交通量(人、2輪車、他の車両等)の多少に応じて、当該店舗車両周辺の「賑わい」、「静か」、「寂しい」、「のどか」、「穏やか」、「爽やか」といった雰囲気を推定する。店舗車両20は、記録された音の周波数特性(例えば、笑い声等)や音圧レベル(静寂さの度合い)等を、自車両周辺の雰囲気の推定に反映することもできる。
さらに、例えば、画像処理が施された画像データの、色合い、明るさから晴天や曇天、雨天等の天候状況、計測された音圧レベルや、音の周波数特性からは、走行時の路面状況等の天候状況が推定される。自車両周辺の気象状態の推定には、検出された気温、湿度、照度等が反映できる。店舗車両20は、例えば、「晴れ;**度(気温);**%(湿度)」等の形式で表される店舗車両周辺の気象状態を検出する。また、店舗車両20は、例えば、「明るい」、「やや明るい」、「やや暗い」、「暗い」等の4段階で表された自車両周辺の相対的な明るさを示す情報を特定する。店舗車両20は、検出された自車両周辺の環境を示す環境情報を時刻情報、自車両の車両IDと対応付けて主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S5の処理に引き渡す。
店舗車両20は、周囲に存在するユーザの属性(年代、性別)の傾向を示す情報(ユーザ傾向情報)を検出する(S4)。店舗車両20は、例えば、カメラで撮影された映像から、自車両の周囲に存在するユーザの年齢や性別といった属性に関する情報を検出する。店舗車両20は、検出された自車両周囲に存在するユーザ傾向情報を時刻情報、自車両の車両IDと対応付けて主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S5の処理に引き渡す。なお、店舗車両20の周囲にユーザが存在しないときには、当該ユーザが存在しないことを示す情報がS5の処理に引き渡される。
店舗車両20は、検出された自車両周辺の環境情報(場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等)、自車両周囲に存在するユーザの年代や性別といった属性に関するユーザ傾向情報を管理サーバ30に送信する(S5)。環境情報とユーザ傾向情報とは、当該店舗車両の車両ID、グループID、時刻情報、位置情報に対応付けられて、通信部25を通じてネットワークN1に接続された管理サーバ30に送信される。S5の処理後、図12の処理が終了される。
以上の処理により、本実施形態に係る表示管理システム1では、管理サーバ30は、各店舗車両で検出された自車両周辺の環境に関する環境情報、自車両周囲に存在するユーザの属性に関するユーザ傾向情報が取得できる。環境情報には、各店舗車両が位置する場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等が含まれる。ユーザ傾向情報には、ユーザの年齢や性別等の属性に関する情報が含まれる。管理サーバ30は、例えば、グループID、車両IDに基づいて、グループIDで指定された複数の店舗車両20が展開する場所周辺の環
境や周囲に存在するユーザの属性の傾向を特定することが可能になる。
次に、図13を参照して、本実施形態に係る店舗車両20が実行する映像表示処理を説明する。図13は、複数の店舗車両20のそれぞれの制御部24が実行する映像表示処理の一例を示すフローチャートである。図13において、店舗車両20は、管理サーバ30から自車両宛に送信された映像データ、当該映像データを表示させる際の指示情報(例えば、明るさの指示)を取得する(S11)。映像データと指示情報は、通信部25を通じて、車両IDおよび自車両の属するグループのグループIDとともに取得される。映像データには、当該データを一意に識別する識別番号が付加される。
後述するように、映像データは、例えば、グループIDに属する複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境情報に対応して選定された表示内容の映像データである。上記複数の店舗車両20が、当該映像データをそれぞれの車外ディスプレイに表示させることで、展開された場所周辺の環境に応じて統一された外観を構成することが可能になる。
店舗車両20は、取得した映像データ、識別番号、指示情報、グループIDを対応付けて主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶する。店舗車両20は、映像データの識別番号を、表示中の外観を構成する映像データを示す情報として、記憶部26の所定の領域に記録する(S12)。店舗車両20は、取得した映像データ、指示情報をS13の処理に引き渡す。
店舗車両20は、取得した指示情報にしたがって、映像データを映像出力部27を介して車体の外壁等に設けられた車外ディスプレイ(図2、AからEに例示)に表示させる(S13)。店舗車両20の車外ディスプレイでは、例えば、指示情報で指定された明るさ(輝度)にしたがって、管理サーバ30から自車両宛に送信された映像データが表示される。S13の処理後、図13の処理が終了される。
以上の処理により、本実施形態に係る表示管理システム1では、各店舗車両は、自車両宛に管理サーバ30から送信された映像データを、当該映像データを表示させる際の明るさ等を指定する指示情報とともに取得できる。各店舗車両は、自車両の有する車外ディスプレイに対し、指示情報で指定された明るさ(輝度)にしたがって映像データを表示させることができる。本実施形態に係る表示管理システム1では、例えば、移動型のマーケットによるサービス提供といった所定の目的にしたがって所定の場所周辺に展開された複数の店舗車両20に対して、統一された外観を構成するように選定された表示内容の映像データが表示可能になる。
(管理サーバ)
次に、本実施形態に係る管理サーバ30で実行される処理を説明する。図14は、管理サーバ30で実行される環境情報、ユーザ傾向情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。図14の処理により、図10を用いて説明した、グループID毎の複数の店舗車両20が展開する場所周辺の環境情報、ユーザ傾向情報が収集される。
図14において、管理サーバ30は、同一のグループIDに属する複数の店舗車両20から環境情報(場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ等)を取得する(S21)。同様にして、管理サーバ30は、同一のグループIDに属する複数の店舗車両20からユーザ傾向情報(年代、性別等)を取得する(S22)。取得された環境情報、ユーザ傾向情報は、例えば、それぞれの車両IDおよびグループIDに対応付けられて、記憶部32を構成する主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶される。管理サーバ30は、車両ID毎の環境情報、ユーザ傾向情報をS23、S24の処理に引き渡す。なお、管理サーバ30は、S22の処理において、当該店舗車両の周囲にユーザが存在しない場合には、当該店舗
車両の車両IDに対応付けて当該ユーザが存在しないことを示す情報をS24の処理に引き渡す。
管理サーバ30は、グループID毎の環境情報を特定する(S23)。管理サーバ30は、例えば、同一のグループIDに属する複数の店舗車両20から取得された環境情報の中で、相対的に頻度の高い状態を当該グループIDの環境情報として特定する。なお、頻度の高い状態が複数に存在するときには、当該複数の異なる状態をグループIDの環境情報として特定する。管理サーバ30は、特定されたグループID毎の環境情報をグループIDとともにS26の処理に引き渡す。
管理サーバ30は、S23の処理と同様にして、グループID毎のユーザ傾向情報を特定する(S24)なお、S24の処理では、管理サーバ30は、周囲にユーザが存在する店舗車両20を対象として、グループID毎のユーザ傾向情報を特定する。管理サーバ30は、特定されたグループID毎のユーザ傾向情報をグループIDとともにS26の処理に引き渡す。
管理サーバ30は、処理対象のグループIDに対応する運行状況を取得する(S25)。管理サーバ30は、例えば、ネットワークN1に接続されたセンタサーバ10にアクセスし、グループIDに属する各店舗車両の運行状況を取得する。管理サーバ30は、取得したグループIDの運行状況をS26の処理に引き渡す。
管理サーバ30は、グループID毎の環境情報、ユーザ傾向情報、運行状況を記憶部32に構築された環境情報DB322に記録する(S26)。環境情報DB322には、グループID毎の環境情報テーブルが格納される。S26の処理後、図14の処理が終了される。
以上の処理により、本実施形態に係る表示管理システム1では、管理サーバ30は、グループIDで指定される各店舗車両から取得した環境情報、ユーザ傾向情報を収集し、当該グループIDに対応した環境情報テーブルが生成できる。生成された環境情報テーブルは、当該グループIDで指定される各店舗車両の運行状況(移動中、サービス提供中等)とともに環境情報DB322に格納される。管理サーバ30は、グループID別の各店舗車両が展開する場所周辺の環境情報、車両周囲に存在するユーザの属性傾向、運行状況といった情報を環境情報DB322で管理できる。
次に、図15を説明する。図15は、管理サーバ30で実行される映像データの表示内容の選定処理の一例を示すフローチャートである。図15の処理は、グループID毎に実行される。図15の処理により、グループIDに属する複数の店舗車両20について、各店舗車両が展開する場所周辺の環境に対応した表示内容の映像データが選定される。
図15において、管理サーバ30は、処理対象のグループIDに関する環境情報を取得する(S31)。管理サーバ30は、例えば、環境情報DB322を参照し、処理対象のグループIDに対応する環境情報テーブルを特定し、取得する。管理サーバ30は、取得したグループIDの環境情報テーブルを主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S32の処理に移行する。
管理サーバ30は、表示データ管理DB323を参照し、当該DBに格納された映像情報について未処理の映像情報が存在するかを判断する(S32)。管理サーバ30は、未処理の映像情報が存在しない場合には(S32、“No”)、選定処理の対象になる映像情報は表示データ管理DB323内に存在しないと判断し、図15の処理を終了させる。一方、管理サーバ30は、未処理の映像情報が存在する場合には(S32、“Yes”)
、S33の処理に移行する。
管理サーバ30は、表示データ管理DB323を参照し、処理対象の映像情報を取得する(S33)。映像IDで指定された処理対象になる映像情報が表示データ管理DB323から抽出される。管理サーバ30は、抽出された映像情報を主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S34の処理に移行する。
S34の処理では、管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、当該グループIDの各店舗車両が展開する場所周辺の環境に対応しているかを判断する。管理サーバ30は、例えば、当該グループIDに属する各店舗車両が展開された場所の種類を示す情報(都市部、住宅街、田園部、山間部、海浜部等)を特定する。そして、当該場所の種類と映像情報の表示内容フィールドに格納されたテーマが関連するかを判断する。例えば、場所の種類が「住宅街」の場合には、公園に設けられた遊具や、パーティの飾り付け等をモチーフとした表示内容の映像情報が関連すると判断される。また、例えば、都市部においては、樹木や噴水等をモチーフとしたオアシス等の癒しを想起させる表示内容が関連すると判断される。また、例えば、山間部においては取得した風景の色合いを基調とした表示内容、季節に応じたお祭りや絵物語等をモチーフとした表示内容等が関連すると判断される。同様にして海浜部においては、例えば、海や砂浜、快晴の空に漂う雲、海鳥等をモチーフとして爽やかさを想起させる表示内容の映像情報が関連すると判断される。管理サーバ30は、上記判断において、環境情報が取得された時点の時刻情報(日付、時刻等)を考慮してもよい。
さらに、管理サーバ30は、環境情報として取得された雰囲気、気象状態、明るさ等から、配色傾向を絞り込むとしてもよい。例えば、雰囲気が「静か」や「寂しい」であって、「雨天」や「曇天」時の明るさが「やや暗い」といった環境では、銀色や灰色等を基調とした「中間色」や青色や白色等を基調とした「寒色系」の映像情報がさらに絞り込まれる。また、雰囲気が「静か」や「穏やか」であり、「晴れ」の際の明るさが「明るい」や「やや明るい」といった環境では、オレンジや茶色を基調とした「暖色系」の映像情報がさらに絞り込まれる。このような配色傾向は、指示情報に含めてもよい。例えば、図11の例では、暖色系の映像データ「BBB」が外観を構成する映像データとして表示されている場合には、寒色系や中間色系の配色傾向の指定を指示情報に含めることで、表示中の外観を構成する色合い(色調)や雰囲気(配色)の切替えが可能になる。映像データが表示される各店舗車両は、環境情報の変化に対応した色合いや雰囲気に外観を切替えることができる。
さらに、管理サーバ30は、取得された環境情報を機械学習し、当該機械学習の結果として得られる識別器を関連する映像情報を選定するための基準としてもよい。例えば、場所の種類が「都市部」であれば、映像情報の表示内容や配色傾向が、「都市部」らしさの度合いを算出する識別器を利用して、識別器の出力が閾値(例えば、0.9)以上であれば環境情報に対応すると判断してもよい。
S34の処理においては、管理サーバ30は、グループIDで指定される複数の店舗車両20の運行状況を反映してもよい。管理サーバ30は、例えば、当該グループIDの運行状況が「運行中」の場合には、複数の店舗車両20は図3で説明したように所定の経路上を走行中と判断できる。管理サーバ30は、例えば、処理対象の映像情報が市松模様といった特定の模様(パターン)で構成された表示内容の場合には、当該映像情報は走行中の複数の店舗車両20の外観を構成可能な映像情報であると判断する。そして、管理サーバ30は、カメラ等を介して撮影された映像において、画像内の占める割合が高い色要素を特定し、当該色要素に対応する色種別で上記表示内容の模様を配色してもよい。例えば、秋季の山間部や田園部においては、周囲の紅葉に対応して配色された橙色や茶色等の暖
色系の色合いを有する映像データを表示することが可能になる。
また、管理サーバ30は、例えば、運行状況が「サービス提供中」の場合には、当該グループIDに属する複数の店舗車両20は、例えば、予め許可を受けた領域に展開された状態であると判断できる。管理サーバ30は、例えば、処理対象の映像情報が部分データや関連データに関する情報を有する表示内容の場合には、当該部分データや関連データを複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境情報に対応する映像情報として判断することもできる。管理サーバ30は、例えば、図5を用いて説明した車両情報テーブルから、車両サイズや搭乗可能人数、集合形態に格納された情報(展開された複数の店舗車両20の配置形態等)を取得する。そして、管理サーバ30は、当該車両サイズや搭乗可能人数、配置形態や店舗車両20の構成台数に応じて、一体化された外観、あるいは、関連する一連の外観を構成するように、当該表示内容の部分データや関連データが選定できる。なお、部分データや関連データが選定される場合には、各データを表示すべき店舗車両20の車両IDが指定される。
管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、当該グループIDの各店舗車両が展開する場所周辺の環境に対応しているものと判断する場合には(S34、“Yes”)、S35の処理に移行する。一方、管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、当該グループIDの各店舗車両が展開する場所周辺の環境に対応してないと判断する場合には(S34、“No”)、S32の処理に移行する。
S35の処理では、管理サーバ30は、処理対象の映像情報を記録する。管理サーバ30は、処理対象の映像情報(映像ID、映像データの識別番号)、グループID、環境情報が取得された時刻情報を対応付けて主記憶装置の所定の領域に記録する。なお、部分データや関連データを含む場合には、当該データを表示すべき店舗車両20の車両IDが部分データや関連データを示す識別番号に対応付けられて記録される。
S36の処理では、管理サーバ30は、再び未処理の映像情報の存在を判断する。管理サーバ30は、表示データ管理DB323を参照し、未処理の映像情報が存在する場合には(S36、“Yes”)S33の処理に移行し、未処理の映像情報が存在しない場合には(S36、“No”)、図15の処理を終了する。
以上の処理により、本実施形態に係る管理サーバ30は、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境に対応した表示内容の映像情報(映像ID、映像データの識別番号等)を選定することができる。管理サーバ30は、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の場所の種類、雰囲気、気象状態、明るさ、環境情報が取得された時刻情報(日付、時刻等)等に応じて、外観を構成する映像情報の表示内容が決定できる。また、管理サーバ30は、複数の店舗車両20の運行状況(「運行中」、「サービス提供中」)を映像情報の表示内容の決定に反映できる。
表示対象の映像情報は、複数の店舗車両20のそれぞれの外観を構成する単一の映像データであってもよく、複数の店舗車両20の外観が一体化された外観を保つように構成された映像データであってもよい。また、複数の店舗車両20のそれぞれが、一定のテーマに沿って関連する映像データを個々に表示させ、当該複数の店舗車両20が全体的に統一されたテーマの外観を保つように構成された映像データであってもよい。部分データや関連する映像データが表示対象の映像情報として選定された場合には、当該データを表示させる店舗車両20の車両IDが指定される。本実施形態に係る管理サーバ30によれば、所定の場所周辺に展開された複数台の店舗車両20の外観の統一を保つように構成される表示内容の映像情報が決定できる。
次に、図16を説明する。図16は、ユーザ傾向情報に対応した映像データの表示内容の選定処理の一例を示すフローチャートである。図16の処理は、グループID毎に実行される。図16の処理により、グループIDに属する複数の店舗車両20について、各店舗車両が展開する場所の周囲に存在するユーザの周辺の属性(年齢、性別)傾向に応じた表示内容の映像データが選定される。
図16において、管理サーバ30は、処理対象のグループIDについて、ユーザ傾向情報の有無を判断する(S41)。管理サーバ30は、環境情報DB322を参照し、処理対象のグループIDに対応する環境情報テーブルにおいて、ユーザ傾向フィールドに格納されたユーザ属性を示す情報の有無を判断する。管理サーバ30は、ユーザ傾向フィールドにユーザ属性を示す情報が有る場合には(S41、“Yes”)、当該フィールドに格納されたユーザ属性を示す情報を取得する(S42)。管理サーバ30は、取得したユーザ属性を示す情報をグループIDに対応付けて主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S43の処理に移行する。一方、管理サーバ30は、ユーザ傾向フィールドにユーザ属性を示す情報が存在しない場合には(S41、“No”)、図16の処理を終了させる。
S43の処理では、表示データ管理DB323に未処理の映像情報が存在するかが判断される。S43の処理は、図15のS32の処理と同様であるため説明が省略される。未処理の映像情報が存在しない場合には(S43、“No”)、図15の処理が終了され、未処理の映像情報が存在する場合には(S43、“Yes”)、S44の処理に移行される。
なお、S43の処理において、管理サーバ30は、図15の処理で選定された、複数の店舗車両20が展開する場所周辺の環境に対応した表示内容の映像情報に対して、処理判断を行ってもよい。図15の処理で選定された表示内容の映像情報を判断対象にすることで、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境に加え、当該店舗車両の周囲に存在するユーザの属性傾向を表示内容に反映できる。
管理サーバ30は、処理対象の映像情報を取得する(S44)。表示データ管理DB323、あるいは、図15の処理で選定された映像情報の中から、処理対象の映像情報が抽出される。管理サーバ30は、抽出された映像情報を主記憶装置の所定の領域に一時的に記憶し、S45の処理に移行する。
S45の処理では、管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、複数の店舗車両20の周囲に存在するユーザの属性傾向(占める割合の高い年代、性別等)に対応しているかを判断する。例えば、ユーザの属性傾向として、60-70代の女性の占める割合が高い場合には、季節に応じたお祭りや、猫や犬等の小動物をモチーフとした、賑わいや癒しを想起させる表示内容の映像情報がユーザ属性に対応する映像情報として判断される。なお、管理サーバ30は、ユーザ傾向を示す情報を機械学習し、当該機械学習の結果として得られる識別器を当該ユーザ傾向に関連する映像情報を選定するための基準としてもよい。例えば、30-50代の女性の占める割合が高い場合を想定する。管理サーバ30は、「30-50代の女性」に関連する度合いを算出する識別器を利用し、当該識別器の出力が閾値(例えば、0.9)以上のときには、映像情報に関する表示内容や配色傾向はユーザ傾向を示す情報に対応すると判断してもよい。
管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、展開された各店舗車両の周囲に存在するユーザの属性傾向に対応していると判断する場合には(S45、“Yes”)、S46の処理に移行する。一方、管理サーバ30は、処理対象の映像情報が、展開された各店舗車両の周囲に存在するユーザの属性傾向に対応してないと判断する場合には(S45、“No”)、S43の処理に移行する。
S46の処理では、管理サーバ30は、処理対象の映像情報を記録する。管理サーバ30は、処理対象の映像情報(映像ID、映像データの識別番号)、グループID、環境情報が取得された時刻情報を対応付けて主記憶装置の所定の領域に記録する。そして、管理サーバ30は、S47の処理に移行し、表示データ管理DB323、あるいは、図15の処理で選定された映像情報の中に、未処理の映像情報が存在するかを判断する。管理サーバ30は、上記DB323、あるいは、選定された映像情報の中に未処理の映像情報が存在する場合には(S47、“Yes”)S44の処理に移行し、未処理の映像情報が存在しない場合には(S47、“No”)、図16の処理を終了する。
以上の処理により、本実施形態に係る管理サーバ30は、グループIDに属する複数の店舗車両20について、各店舗車両が展開する領域の周囲に存在するユーザの周辺の属性(年齢、性別)傾向に応じた表示内容の映像情報(映像ID、映像データの識別番号等)を選定できる。また、管理サーバ30は、図15の処理で選定された、表示内容の映像情報を判断対象にすることで、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境に加え、当該店舗車両の周囲に存在するユーザの属性傾向を表示内容に反映できる。
次に、図17を説明する。図17は、選定された表示内容の映像データの送信処理の一例を示すフローチャートである。図17の処理は、グループID毎に実行される。図17の処理により、グループIDに属する複数の店舗車両20に対し、各店舗車両が展開する場所周辺の環境、周囲に存在するユーザの周辺の属性(年齢、性別)傾向に応じた表示内容の映像データが送信される。
図17において、管理サーバ30は、図15、図16の処理で選定された映像情報の映像データ、識別番号を取得する(S51)。また、管理サーバ30は、環境情報DB322を参照し、処理対象のグループIDに対応する環境情報テーブルにおいて、周辺環境の明るさを示す情報を取得する(S52)。そして、管理サーバ30は、取得した周辺環境の明るさに応じた、映像データを表示する際の明るさ(輝度)を設定する(S53)。
管理サーバ30は、例えば、各店舗車両の有する車外ディスプレイの最大輝度を100パーセントとする相対的な明るさの度合い(例えば、「**%」)を設定する。例えば、周辺環境の明るさが「やや暗い」の場合には「50%」、「やや明るい」や「明るい」の場合には「70%」等の設定が例示できる。なお、輝度の指示においては、場所の種類、気象状態、雰囲気、ユーザ傾向情報を反映してもよい。管理サーバ30は、設定された映像データの輝度の指示情報をS54の処理に引き渡す。
S54の処理では、管理サーバ30は、グループIDに属する複数の店舗車両20に対し、周辺環境やユーザの属性傾向等に応じて選定された映像データを、表示する際の明るさ(輝度)を指定する指示情報とともに送信する。なお、映像データには、当該映像情報の映像ID、映像データに付与された識別番号が含まれる。但し、映像データには、当該データのデータソース(例えば、URL(Universal Resource Locator))が含まれてもよい。S54の処理後、図17の処理は終了される。
以上の処理により、本実施形態に係る管理サーバ30は、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境に応じた輝度を指定(指示情報)して、選定された表示内容の映像情報(映像ID、映像データの識別番号等)を各店舗車両に送信することができる。グループIDに属する各店舗車両は、管理サーバ30から送信された映像データを指示情報とともに取得し、当該指示情報にしたがって映像データを表示することが可能になる。
(変形例1)
第1実施形態では、管理サーバ30が所定の場所周辺に展開された複数の店舗車両20から、環境情報、ユーザの属性傾向に関する情報等を取得する構成とした。変形例1の形態では、管理サーバ30は、例えば、グループIDで指定される複数の店舗車両20の中からリーダとなる店舗車両20(以下、リーダ車両とも言う)を選定する。
例えば、図3の破線吹き出しに示すように、所定場所に展開された複数の店舗車両(20aから20e)がコの字型に配置される場合には、中央に配置される店舗車両20cをリーダ車両に選定できる。また、経路上を隊列を成して走行している場合には先頭の店舗車両20をリーダ車両とすることもできる。また、所定場所に展開された店舗車両20の総台数やサイズ(例えば、相対的にサイズが大きい店舗車両20)、取扱商品の種別等を反映してリーダ車両を指定してもよい。このように、リーダ車両は、サービス提供時の配置形態や走行時の走行形態、所定の領域内に展開された店舗車両20の総台数やサイズ、取扱商品等を考慮して予め選定できる。
そして、管理サーバ30は、当該リーダ車両を介して取得された環境情報、ユーザの属性傾向に関する情報等に基づいて複数の店舗車両20の統一された外観を構成する表示内容の映像データを選定する。変形例1の形態では、リーダ車両の位置する場所周辺の環境、リーダ車両の周囲に存在するユーザ属性に対応した表示内容の映像データに基づいて、グループIDに属する各店舗車両に対して統一された外観を保つように制御することが可能になる。変形例1の形態においては、管理サーバ30と各店舗車両との間の通信に係る処理負担が軽減できる。
(変形例2)
複数の店舗車両20の中のリーダ車両に対して管理サーバ30の機能を持たせるように構成することもできる。図18は、変形例2の形態に係る表示管理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図18に示すように、変形例2の表示管理システム1は、ネットワークN1を介して相互に接続されるセンタサーバ10、リーダ車両(例えば、店舗車両20a)を含む複数の店舗車両(20a~20n)によって構成される。センタサーバ10、リーダ車両以外の店舗車両20の機能構成は第1実施形態と同様である。変形例2の形態では、複数の店舗車両(20a~20n)の中にリーダ車両を含む点、管理サーバ30を含まない点で第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。なお、リーダ車両は、変形例1の形態と同様にして、配置形態や走行形態、展開された店舗車両20の台数等の情報に基づいて予め指定される。
変形例2の形態においては、リーダ車両として機能する店舗車両20が、複数の店舗車両20に対して、外観の統一を保つために車外ディスプレイに表示させる表示内容の映像データを管理する。そして、当該リーダ車両が、第1実施形態の管理サーバ30と同様にして、複数の店舗車両20が展開された場所の周辺の環境に関する環境情報、周囲に存在するユーザの属性に関する情報(ユーザ傾向情報)を取得する。リーダ車両として機能する店舗車両20は、第1実施形態の管理サーバ30と同様にして、上記環境情報、ユーザ傾向情報に対応した表示内容の映像データを選定し、当該データを各店舗車両の車外ディスプレイに表示させるように指示する。
図19は、変形例2のリーダ車両として機能する店舗車両20の機能構成の一例を示す図である。図19に例示のように、リーダ車両として機能する店舗車両20は、機能構成要素として、センサ21、位置情報取得部22、駆動部23、制御部24、通信部25、記憶部26、映像出力部27を含む。そして、変形例2のリーダ車両として機能する店舗車両20は、第1実施形態に示す機能モジュールに加え、制御部24に車両情報管理部247、表示データ指示部248の各機能モジュールを有する。また、変形例2のリーダ車両は、記憶部26に、店舗車両管理DB261、環境情報DB262、表示データ管理D
B263を有する。
車両情報管理部247、表示データ指示部248の各機能モジュールは、それぞれ、第1実施形態の管理サーバ30の車両情報管理部311、表示データ指示部312に相当する。また、記憶部26に構築された店舗車両管理DB261、環境情報DB262、表示データ管理DB263は、それぞれ第1実施形態の管理サーバ30の記憶部32に構築された店舗車両管理DB321、環境情報DB322、表示データ管理DB323に相当する。
そして、変形例2のリーダ車両として機能する店舗車両20は、図12から図18で説明した処理を実行する。この結果、変形例2の形態では、リーダ車両を介して取得された、各店舗車両が展開する場所周辺の環境や、周囲に存在するユーザの属性情報に対応した表示内容の映像情報(映像ID、映像データの識別番号等)が選定される。そして、変形例2のリーダ車両は、ネットワークN1、あるいは、車車間通信を通じて各店舗車両に対して選定された映像データを、表示させる際の明るさ等を指定する指示情報とともに送信する。各店舗車両は、リーダ車両から送信された上記情報に基づいて、自車両の有する車外ディスプレイに対して指示情報で指定された明るさ(輝度)にしたがった映像データを表示させる。変形例2の形態においても、複数の店舗車両20が展開された場所周辺の環境や周囲のユーザ属性傾向に対応した表示内容の映像データに基づいて、統一された外観を構成することが可能になる。
変形例2の形態に係る表示管理システム1は、第1実施形態の管理サーバ30を含まない構成で、所定の場所周辺に展開された複数の店舗車両20の外観の統一を保つ技術が提供できる。
(変形例3)
第1実施形態、変形例1、変形例2においては、商品販売や役務サービスを提供する複数の店舗車両20について、展開された場所周辺の環境やユーザの属性傾向に対応する表示内容の映像データに基づいて外観の統一を保つための技術を説明した。本開示の技術は、外観を構成するための映像データが表示可能な表示部(車外ディスプレイ)を有する他の移動体についても適用可能である。例えば、物流サービスの提供を目的とした自律走行が可能な複数の移動体が所定の経路上を隊列を成して走行する場合や集配センタ等に集合する場合に適用が可能である。同様にして、利用者に対して移動サービスの提供を目的とした複数の移動体による観光ツアーといったような場合にも適用が可能である。上記サービスを提供する複数の移動体は、走行する領域周辺や集合する領域周辺の環境情報やユーザ属性の傾向に応じた表示内容の映像データに基づいて、各車両の外観を統一することが可能になる。
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本実施の形態の開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる
。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。