JP7091414B2 - 電池式インパクトレンチ - Google Patents

Description

本発明は一般にインパクトレンチに関し、より具体的には電池を電源とするインパクトレンチに関する。

インパクトレンチは、一般的に締結具の締め付けに使用するが他の用途もあり得る既知の電動工具である。インパクトレンチに使用し得る機構には多くの型があるが、工具は典型的にはアンビルと周期的に係合及び係合解除するハンマを有する。この結果ハンマからアンビルに打撃力が伝達され、様々な用途に役立つ。

多くのインパクトレンチは把手がピストル型構成でモータの下に延在する従来様式で構成されている。これらの場合、インパクトレンチが電池式であるときは、通常電池を把手の下部に配置する。この構成は一般的で便利であるが、より小さい打撃工具に最適である。より大きな打撃工具には、工具を適切に保持及び制御するための異なる構成を必要とすることがある。例えば大型打撃工具は大型トラックの車輪締結具を締めたり緩めたりするような高トルク用途に使用されることがある。

したがって本明細書に開示される発明は、非ピストル型インパクトレンチの改良された構成を対象とする。

大型トラックの車輪締結具に使用できるインパクトレンチについて記載する。好ましくは、インパクトレンチは１インチ（２．５４センチメートル）の出力駆動部を有する。インパクトレンチは電池式であり十分な携帯性がある。インパクトレンチの主把手を出力駆動部とモータの後方に配置する。電池をモータと把手の間に配置することができる。本発明はまた、明細書又は添付の図面及びそれらの任意の組み合わせにおいて以下に記載する任意の他の態様を含むことができる。

インパクトレンチの部分断面図である。 別のインパクトレンチの側面斜視図である。 別のインパクトレンチの側面図である。 図３のインパクトレンチの側面斜視図である。 図３のインパクトレンチの背面斜視図である。 電池の斜視図である。 二片工具収容部の分解図である。 図７の二片工具収容部の斜視図である。 打撃機構及び駆動モータの断面図である。

図面と併せて以下の説明を読むことで本発明をより十分に理解することができる。

図面、特に図１を参照すると、打撃工具１０の断面図が示されている。打撃工具は当該技術分野で知られており、工具ごとに構成要素の特定の構成が著しく異なることがある。したがって本明細書における本発明の理解には打撃工具１０の構成要素の一般的な説明のみが必要である。一般的に打撃工具１０は、工具１０を回転駆動させるモータ１２を構成要素に含む。モータ１２の出力軸１４は、様々な歯車構成及び／又はカム構成を介してハンマ１６に接続することができる。図１に示す実施形態では、ばね２０によってハンマ１６をアンビル１８に向かって前方に付勢する。作動中、ハンマ１６はモータ１２の駆動トルクに応答して軸線方向及び回転方向に往復運動する。

ハンマ１６は、アンビル１８の駆動部材と係合可能な駆動部材２２を有していてもよい。図１において、ハンマ１６の駆動部材２２はアンビル１８に向かって軸線方向に延在する１つ以上の前方突出部２２であり、アンビル１８の駆動部材は円周方向空間２４を挟んで半径方向に延在する翼部（紙面内外に延在しているので図１には図示せず）であり、ハンマ１６の突出部２２が内部に嵌合している。モータ１２がハンマ１６を駆動すると、ハンマ１６の突出部２２がアンビル１８の翼部と周期的に係合及び係合解除する。これにより打撃トルクをアンビル１８に加え、駆動部材２２が係合状態にあるときにハンマ１６がアンビル１８を回転駆動し、係合解除中にハンマ１６がアンビル１８に対して回転する。アンビル１８は工具収容部２６の前部に延在し、ソケットに接続されて締め付け又は緩められる締結具と係合することができる出力駆動部２８を提供する。図示及び記載の打撃機構は使用され得る打撃機構型の１つにすぎず、揺動重量機構、マウラ機構、ロッキングドッグ機構、スキージャンプ機構及びピンスタイル機構のような様々な打撃機構型も使用できることが理解される。

本明細書に記載の発明は様々な打撃工具及び電動工具に使用することができるが、記載の構成は一般的に大型トラックの車輪締結具を締め付け及び緩めるのに使用する１インチのインパクトレンチ１０に特に適している。工具１０の所望される構成の１つは、工具１０の長さは比較的長くてもよいが、工具１０の断面輪郭が狭いことである。この構成の理由は、工具１０が車輪ウェル内の深部に到達して締結具に到達する必要があり、締結具に接続している間に工具１０を車輪ウェル内に嵌合させる実質的な半径方向のクリアランスが存在しない場合があるからである。車輪ウェル内の締結具に到達するために必要な深さを考慮すると、出力駆動部２８は工具収容部２６の端部の先に少なくとも５インチ以上延在することが所望される場合がある。

従来のピストル型インパクトレンチは、大型トラックの車輪締結具に使用するのに好ましい工具型ではない。その代わりに、主把手３０を出力駆動部２８の背後に配置することが好ましい。これにより使用者は、出力駆動部２８と工具１０との間に回転運動又はトルクを生じさせることなく、出力駆動部２８に対して工具１０を直接押し引きできる。主把手３０はまたモータ１２をオン／オフするトリガスイッチ３２を含むので、これは典型的にはトリガスイッチ３２をモータ１２の底部より上方に、及び出力駆動部２８の底部より上方に配置することを意味する。また、好ましくは主把手３０を上下支持体３４Ａ、３４Ｂによって工具収容部２６に取り付け、主把手３０と、上下支持体３４Ａ、３４Ｂと、工具収容部２６とで全周する指開口部３６を形成する。したがって使用者は指開口部３６に指を挿入して主把手３０に手を巻き付け、指開口部３６の内側の１本の指でトリガスイッチ３２を係合させることができる。

本明細書に記載の工具１０では、モータ１２を工具１０自体と同じ軸線方向に向けることが好ましい。すなわちモータ１２及び出力駆動部２８の中心軸線は同じ方向に延びており、したがって互いに平行である。したがって工具１０の前部に延びる出力駆動部２８の回転軸線と同様に、モータ１２の出力軸１４も工具１０の前後部に向ける。最も好ましい構成では、工具１０の出力駆動部２８とモータ１２の出力軸１４とは互いに同軸である。

好ましくは、インパクトレンチ１０は１つ以上の電池３８を含み、モータ１２に電力を供給する。したがって大型トラックの車輪締結具に使用する多くの１インチインパクトレンチとは異なり、工具１０を動力用の電気延長コード又は空圧ホースに接続する必要はない。したがって工具１０は完全に携帯可能である。工具１０を所望の形状（すなわち、断面が狭く軸線方向に長い）とするために、電池３８を出力駆動部２８と主把手３０との間に配置することが好ましい。したがって出力駆動部２８と、モータ１２と、電池３８と、主把手３０とが工具１０の前後部の間で整列する。その結果、電池３８及び主把手３０がモータ１２及び出力駆動部２８の後方に配置される。図１に示すように、モータ１２の固定子４２と主把手３０との間に電池ドック４０があることが最も好ましい。

図２及び図４に示すように、この構成の利点は、モータ１２及び把手３０の間の電池３８を工具１０のより中心近くに向かって押し込み、工具の電池の周方向サイズを最小化できることである。すなわちモータ１２の固定子４２が実質的な周方向空間を必要とする。したがって把手３０をモータ１２のすぐ後ろに配置する場合、電池３８を代替的にモータ１２の固定子４２の外側に搭載することができる。しかしながら、この方法は電池３８を非常に広く配置することになり望ましくないであろう。代わりに好ましい実施形態では、図７～８に示すように、工具収容部２６が固定子４２を囲むモータ開口部４４を有する。開口部４４は固定子４２の外周を画定する。工具１０の幅を最小化するために、工具１０の横方向側部でモータ開口部４４の外側境界内に電池ドック４０を配置してもよい。したがって図４に示すように、電池３８の外面が固定子４２周りの工具収容部２６の外面を大きく越えて飛び出す必要がない。

図２及び図６に示すように、電池ドック４０は電池３８上の対応する電気コネクタ４８と係合する電気コネクタ４６を有する。電池ドック４０はまた、電池３８のガイドレール５２が摺動して電池３８を電池ドック４０に接続するガイドレール５０を有する。図６に示すように電池３８は係止部を係合解除する解除ボタン５４を有し、係止部は電池３８のガイドレール５２を電池ドック４０のガイドレール５０に完全に挿入したときに電池３８を電池ドック４０に係止する。電池３８はまた押しボタン５４間に充電レベル表示器５６を有し、この充電レベル表示器５６は工具１０の上部において露出し、電池３８を電池ドック４０に接続するときに内側を向く（図４）。前述の説明から理解されるように、電池３８のガイドレール５２が電池ドック４０のガイドレール５０の底部に当たるまで、電池３８を工具１０の上部からガイドレール５０内に摺動させて、電池３８を工具１０に接続し、その時点で係止部が電池３８と工具１０とを共に係止する。

図４に示すように、工具１０は好ましくは工具１０の両側に２つの電池３８を有する。図５に示すように、２つの電池ドック４０を互いに対してある角度で配向することが好ましい場合がある。したがって、２つの電池ドック４０のガイドレール５２は、ガイドレール５２同士の上部を互いに、ガイドレール５２同士の底部よりも遠くに離間して配置する、Ｖ字形状５８に配向してもよい。

図４～５に示すように、工具収容部２６が電池３８に隣接する１つ以上の保護面６０を有し、使用中に電池３８を保護することも所望される場合がある。すなわちガイドレール５０、５２と電気コネクタ４６、４８との接続は、工具１０の使用中に電池３８に加えられる実質的な力に耐えるように構成されていない場合がある。したがって電池３８に隣接して少なくとも電池３８の外面に外向きに延びる保護面６０は、工具１０の使用中に電池３８が様々な物体に接触し、電池３８、ガイドレール５０、５２又は電気コネクタ４６、４８に損傷を与えることを防止するのに有用であり得る。最も好ましくは、保護面６０は電池３８の外面を越えて外向きに延びている。図４に示すように、少なくとも２つの保護面６０を２つの側面の一部に沿って設けて、保護面６０が電池３８を部分的に取り囲むようにしてもよい。具体的には、保護面６０が電池３８の底部に沿って、及び電池３８の前側に沿って延びることが所望される場合がある。

保護面３８は工具１０の載置面６０として特に有用である。すなわち、工具１０は図３～４では直立位置で静止しているように示されているが、むしろ使用者が工具１０を横に倒すことは珍しくない。特に、補助把手６２が工具１０の周りで回転可能に調節可能であることに留意されたい。したがって使用者が補助把手６２を工具１０の一方の側に沿って９０°に向けることは一般的であり得る。この配向では使用者が工具１０を横に倒すことはより一般的であり得る。この場合保護面６０を載置面６０として使用し、電池３８が支持体表面に接触することなく工具１０を下向きに固定することができる。また、工具１０の前面に沿って第２の載置面６４を設けて、工具１０を第１の載置面６０及び第２の載置面６４の両方の側面上に載置できるようにすることも所望される場合がある。図４に示すように、所望の場合は第２の載置面６４は第１の載置面６０と同様に１つ以上の載置面６４であってもよい。図示のように、第１の載置面６０及び第２の載置面６４は共に平坦であり、共に載置面６０、６４を形成し、電池３８が支持体表面に接触することなく工具１０の横方向側面を静止させることができる。好ましくは第１の載置面６０及び第２の載置面６４は互いに同一平面上にある。工具１０の長さに沿ってバランスよく支持するために、好ましくは第１の載置面６０を工具１０の後半部に配置し、好ましくは第２の載置面６４を工具１０の前半部に配置する。

図７～図８に示すように、工具収容部１０の後部分６６（主把手３０、電池ドック４０の開口部及びモータ開口部４４を形成する）がプラスチック製の二片収容部６６Ａ、６６Ｂであることが所望される場合がある。打撃機構は著しい力及び振動を受けるため、単一の金属ケース６８で打撃機構を完全に取り囲む工具１０の前部において、ハンマ１６及びアンビル１８を金属ハンマケース６８で囲むことが好ましい場合がある。

図４及び図９に示すように、モータ１２に隣接する調節可能な電力調節器７０を設け、モータ１２の発電出力を調節することも所望される場合がある。図示のように、電力調節器７０を工具１０上部の工具収容部２６上に配置することができ、当該上部は使用者が届きやすい。工具収容部２６の二片プラスチック部分６６の内部において、モータ駆動回路基板７２を固定子４２の後方に配置してもよい。電力調節器７０の設定をモータ駆動回路基板７２に伝達するために、１つ以上のホール効果センサ７４をモータ駆動回路基板７２上に直接搭載している。また電力調節器７０内には１つ以上の磁石７６も搭載している。次に、ホール効果センサ７４は磁石７６の位置を感知して電力調節器７０の調節位置を決定することができ、その後回路基板７２が決定位置を直接使用してモータ１２を制御することができる。

本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はそのように限定されるものではなく、本明細書に記載の発明から逸脱することなく修正を行うことができることを理解されたい。本明細書に記載の各実施形態は特定の構成のみに言及しており、他の実施形態に関して記載する全ての構成に具体的に言及することはできないが、特定の構成に言及しない場合であっても、別段の記載がない限り、本明細書に記載の構成は交換可能であることを認識されたい。また上述の利点は必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、記載の利点の全てが必ずしも本発明の全ての実施形態によって達成されるとは限らないことも理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の意味に含まれる全ての装置及び方法を、文字通りに又は等価的に包含することを意図している。

Claims (17)

1. モータ（１２）と、
   前記モータ（１２）を備えるモータ収容部（２６）と、
   前記モータ（１２）によって回転可能に駆動する第１の駆動部材（２２）を含むハンマ（１６）と、
   第２の駆動部材を含むアンビル（１８）であって、前記ハンマ（１６）の前記第１の駆動部材（２２）が前記アンビル（１８）の前記第２の駆動部材と周期的に係合及び係合解除して、前記第１の駆動部材及び第前記２の駆動部材が互いに衝突する、前記アンビル（１８）と、
   前記アンビル（１８）によって回転可能に駆動する出力駆動部（２８）と、
   前記モータ（１２）に電力を供給する電池（３８）と、
   前記モータ（１２）をオン又はオフにするスイッチ（３２）を含む把手（３０）と、を備えるインパクトレンチであり、
   前記モータ（１２）の固定子（４２）と前記電池（３８）と前記把手（３０）とが前記出力駆動部（２８）の回転軸線方向で整列し、
   前記固定子（４２）を囲む前記モータ収容部（２６）のモータ開口部（４４）の外側境界内に、前記電池（３８）に対する電池ドック（４０）を外側に配置することを特徴とする、インパクトレンチ。
2. 前記電池及び前記把手を前記モータ及び前記出力駆動部の後方に配置する、請求項１に記載のインパクトレンチ。
3. 前記スイッチが、使用者が前記把手を手で把持したときに、前記使用者の前記手の指が接触する位置に配置される、請求項１に記載のインパクトレンチ。
4. 前記把手が、全周する指開口部を含む、請求項１に記載のインパクトレンチ。
5. 前記出力駆動部が１インチの正方形駆動部である、請求項１に記載のインパクトレンチ。
6. 前記出力駆動部及び前記モータの中心軸線が互いに平行であり、前記出力駆動部の回転軸線が前記インパクトレンチの前部に延びる、請求項１に記載のインパクトレンチ。
7. 前記出力駆動部及び前記モータが同軸である、請求項６に記載のインパクトレンチ。
8. 前記モータ収容部に含まれ、前記モータの両側を囲み、前記把手を画定する二片収容部をさらに備える、請求項１に記載のインパクトレンチ。
9. 前記ハンマ及び前記アンビルを囲み、前記二片収容部の前端部に取り付けられる金属ハンマケースをさらに備える、請求項８に記載のインパクトレンチ。
10. 前記電池ドックが電気コネクタ及びガイドレールを備え、前記電池を電池ドック内に摺動させて前記電池を前記インパクトレンチに連結する、請求項１に記載のインパクトレンチ。
11. 前記電池のうち２つの各電池が前記インパクトレンチの外側に配置される、請求項１に記載のインパクトレンチ。
12. 前記電池の各々を前記インパクトレンチに連結する２つの電池ドックをさらに備え、前記電池ドックの各々はガイドレールを含み、前記電池を前記電池ドックに摺動させて前記電池を前記インパクトレンチに連結し、
    前記２つの電池ドックの前記ガイドレールが互いに対してＶ字形状に配向する、請求項１に記載のインパクトレンチ。
13. 前記電池に隣接し、少なくとも前記電池の外面に外側に延びる第１の載置面をさらに含む、請求項１に記載のインパクトレンチ。
14. 前記第１の載置面は、前記電池の少なくとも２つの端面の一部を取り囲む、請求項１３に記載のインパクトレンチ。
15. 前記インパクトレンチの前半部の外側に配置される第２の載置面をさらに備え、前記第１の載置面を前記インパクトレンチの後半部の前記外側に配置し、
    前記電池が接触することなく、前記インパクトレンチを外側に倒し、前記第１の載置及び第２の載置面によって支持することができる、請求項１３に記載のインパクトレンチ。
16. 前記第１の載置面及び第２の載置面が同一平面上にある、請求項１５に記載のインパクトレンチ。
17. 前記モータの後方に配置されるモータ駆動回路基板と、前記モータ駆動回路基板に隣接して配置される調節可能な電力調節器とをさらに備え、
    前記調節可能な電力調節器が永久磁石を備え、
    前記モータ駆動回路基板が前記モータ駆動回路基板上にホール効果センサを備え、
    前記ホール効果センサが前記調節可能な電力調節器の位置を感知して前記位置に基づいて前記モータを制御する、請求項１に記載のインパクトレンチ。

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