JP7090859B1 - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
作業車両の下部走行体には、バケット等の作業機構により掘削作業を行った際、地面の整地、押土、埋め戻しを行うことを目的として、ブレード(排土板)を備えたドーザ機構が設けられている。
また、特許文献2の上部旋回体を有する建設機械用ドーザ装置は、下部走行体の前部に回動可能に支持された左右1対のアームと、これら1対のアームを上下方向に回動するアーム用油圧シリンダと、1対のアームの先端に回動自在に軸支されたブレードと、ブレードをアームの長手方向に伸縮するブレード用油圧シリンダとを備えている。
しかし、特許文献1,2の作業車両では、前提として平地での作業を想定しているため、標高が高く且つ起伏が激しい地形であって作業には適していない環境(以下、便宜上、作業不適環境という)下において土木建設作業を行う場合、作業車両が目的地である作業場所まで到達することができず、最終的に作業機構による作業を実行することができない虞がある。
即ち、急勾配等の作業不適環境を道造しながら進行することは容易ではない。
以下の説明は、本発明を油圧ショベルに適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
図1~図3に示すように、油圧ショベルをベース車両とした作業車両Vは、左右1対のクローラ3を有する下部走行体1と、この下部走行体1の上部に旋回自在に支持され且つ作業者が搭乗可能な上部旋回体2とを備えている。
以下、上部旋回体2に搭乗した作業者から視て、前側を前方とし、左側を左方とし、上側を上方として説明する。
下部走行体1は、前進、後退、旋回可能な1対のクローラ3と、フレーム21の左右後端部の下部に設けられた左右1対のアウトリガ4と、フレーム21の後端部の上部に設けられたウインチ5と、下部走行体1の前部に配設されたドーザ機構10等を備えている。
1対のアウトリガ4は、油圧シリンダ4aと、ロッド4bを有している。作業車両Vの自立安定化を図るとき、ロッド4bを伸長してロッド4bの先端に設けられた脚部4cを地面に接地させる。作業終了後において走行開始するとき、ロッド4bを短縮して脚部4cと地面との接地を解除する。ウインチ5は、山頂で伐採した木材等をワイヤを用いて麓に搬送する状況等で使用される。
図1、図2、図4に示すように、ドーザ機構10は、前後方向に延びる左右1対の下部アーム11と、これら1対の下部アーム11の先端部(前端部)に夫々設けられた左右1対のバケット12とを備えている。
更に、このドーザ機構10は、下部アーム11を前後方向に伸縮させる油圧伸縮シリンダ13(伸縮手段)と、下部アーム11の基端部(後端部)を回動中心として下部アーム11を上下方向に回動させる油圧回動シリンダ14(回動手段)と、下部アーム11の基端部を回動中心として下部アーム11を左右方向に揺動させる油圧揺動シリンダ15(揺動手段)と、下部アーム11の先端部を回動中心としてバケット12を上下方向に回動させる油圧バケットシリンダ16等を有している。
この支持ブラケット6は、上下に延びる支持軸6aを上下端部にて鉛直軸回りに回転自在に枢支している。
尚、作業不適環境とは、標高が高く且つ起伏が激しい地形であって作業には適していない地形環境と定義される。
図4に示すように、外筒部11aは、基端部が支持軸6aに対して水平ピンによりブラケットを介して軸支され、上下方向に回動自在に構成されている。この外筒部11aは、内部に伸縮シリンダ13が同軸上に収容されている。この伸縮シリンダ13は、その基端部が外筒部11aの基端側部分に上下方向に回動自在に軸支されている。
上部ブラケット11sには、回動シリンダ14の先端から延びるシリンダロッド14aの先端部が連結され、右側部ブラケット11tには、揺動シリンダ15の先端から延びるシリンダロッド15aの先端部が連結されている。
揺動シリンダ15のシリンダロッド15aが短縮したとき、支持軸6aが車幅方向内側に回動し、下部アーム11が車幅方向内側に揺動して下部アーム11を前後方向に対して略平行にすることができる。また、揺動シリンダ15のシリンダロッド15aが伸長したとき、支持軸6aが車幅方向外側に回動し、下部アーム11が車幅方向外側に揺動して下部アーム11の先端に装着されたバケット12を下部走行体1の車幅方向外側端部よりも更に車幅方向外側に移動させることができる。
これにより、下部走行体1の走行時、経路の左右方向領域を左右のバケット12を用いて確実に整地することができる。
図1~図3に示すように、上部旋回体2は、作業車両Vを操作するために作業者が乗り込んで着座可能な略箱状のキャビン7と、このキャビン7を支持する姿勢変更機構20(姿勢変更手段)と、伐採等の作業を実行可能な作業機構30等を備えている。
尚、上部旋回体2の後側部分には、油圧発生源として図示しない油圧ポンプ及び油圧ポンプを駆動するエンジン等が配置されている。
図1、図3、図6、図7に示すように、姿勢変更機構20は、下部走行体1の上部に固定された格子状のフレーム21と、このフレーム21の前端部に軸支部を介して上下方向に回動自在に軸支されたフレーム部材であるベース22と、キャビン7を含むベース22を軸支部を回動中心として上下方向に回動させる左右1対の油圧キャビンシリンダ23と、ベース22に対して作業者が乗り込んだキャビン7を鉛直軸回りに旋回作動させるモータ24を有している。
また、シリンダロッド23aが伸長したとき、ベース22の後部がフレーム21から離隔し、キャビン7を地面に対して傾斜状態にしている(図6、図7参照)。
尚、シリンダロッド23aは、キャビン7の姿勢調整時、キャビン7を地面に対して傾斜状態にする一方、絶対座標系において、作業者が略水平状態になるように制御される。
このモータ24は、左右何れの方向にも180°旋回可能に構成されている。
図8に示すように、モータ24は、作業者の略水平状態を確保するようにシリンダロッド23aが伸長作動した後、作業者の操作に基づきキャビン7を進行方向反対側に旋回させることができる。また、キャビン7を旋回状態にした後、作業機構30による作業を実行することも可能である。
図1に示すように、作業機構30は、上部旋回体2に揺動可能に支持されたブーム31と、このブーム31の先端に揺動可能に軸支されたアーム32と、このアーム32の先端に着脱自在に装着されたハーベスタ33等により構成されている。
ハーベスタ33は、伐倒、造材等の作業を実行可能な作業用アタッチメントである。
尚、実行する作業の種類に応じて、バケット、カッター、破砕機等から作業に適した作業用アタッチメントが選択され、選択された作業用アタッチメントがアーム32の先端に装着されている。
一端をアーム32に固定されたバケットシリンダ36の他端は、ハーベスタ33の前端他側部分に一端を揺動可能に軸支されたHリンクとアーム32の先端近傍に一端を揺動可能に軸支されたサイドリンクとの夫々の他端に連結されている。
バケットシリンダ36が伸長したとき、ハーベスタ33は反時計回りに揺動動作するよう構成されている。
また、作業車両Vは、作業完了直後の状態、具体的には、下部アーム11が最も短縮且つ下方回動状態、バケット12が下方回動して堀込状態、アウトリガ4が接地状態、姿勢変更機構20が未作動である状態を初期状態とする。
次に、S2にて、登坂制御を開始したか否かを判定する。
S2の判定の結果、登坂制御を開始した場合、作業者の搭乗姿勢が走行環境状態に適していないため、S3に移行する。S2の判定の結果、登坂制御を開始していない場合、作業車両Vは登坂していないため、終了する。
傾斜角度が30°以上の経路を進行する場合、クローラ3の駆動力だけで作業車両Vを登坂させることは技術的に難しい。そこで、傾斜角度が30°以上を、作業不適環境を判定する判定条件の1つとしている。
次に、バケットシリンダ16によってバケット12を堀戻操作し(S4)、回動シリンダ14によって下部アーム11を上昇移動させた後(S5)、伸縮シリンダ13によって下部アーム11を前方に延ばす(S6)(図7参照)。
左右のバケット12は、地形を含む作業環境により堀込状態が異なっていることから、左右のバケットシリンダ16は、左右のバケット12を夫々独立して動作制御する。同様に、左右の回動シリンダ14、及び左右の伸縮シリンダ13についても、夫々独立して動作制御されている。
道造処理を行う場合、周囲状況に基づき、左側下部アーム11又は右側下部アーム11又は左右両側の下部アーム11の揺動シリンダ15を用いてバケット12を下部走行体1の車幅方向外側端部よりも更に車幅方向外側に移動させる揺動動作を繰り返し実行する。
また、道造処理の際、左側バケットシリンダ16と右側バケットシリンダ16は、周囲状況に基づき異なる動作を行う。
次に、バケットシリンダ16によってバケット12を堀込操作し(S8)、ロッド4bの短縮作動によりアウトリガ4の脚部4cの接地を解除した後(S9)、作業車両Vの前進移動に同期して下部アーム11を短縮する(S10)。
S11では、下部アーム11の短縮が終了して最短寸法になったか否か判定する。
S11の判定の結果、下部アーム11の短縮が終了した場合、S12に移行する。
S11の判定の結果、下部アーム11の短縮が終了していない場合、S10にリターンして登坂を継続する。尚、上記最短寸法は、制御上、実行可能な値に調整されている。
S13の判定の結果、登坂制御が終了した場合、キャビンシリンダ23によりキャビン7をダウンさせて作業者の姿勢を初期状態に戻し(S14)、終了する。
S13の判定の結果、登坂制御が終了していない場合、S4にリターンする。
伐倒、造材作業を行う場合、S14の終了後に作業が行われる。
この作業車両Vによれば、下部走行体1の前端部に前方に延びる左右1対の下部アーム11を有し、1対の下部アーム11は、この下部アーム11の先端に装着されたバックホータイプのバケット12と、下部アーム11を前後方向に伸縮させる伸縮シリンダ13と、下部アーム11の基端部を回動中心として上下方向に回動させる回動シリンダ14と、下部アーム11の基端部を回動中心として車幅方向に揺動させる揺動シリンダ15とを夫々有するため、バケット12を上下左右前後に動作させることができ、道造に伴う整地、押土、埋め戻しを行うことができる。
一方の下部アーム11の先端に装着されたバケット12と他方の下部アーム11の先端に装着されたバケット12とが夫々独立して動作可能に構成されたため、各々の下部アーム11の先端に装着されたバケット12で地面を掘り込むことができ、作業不適環境であっても下部走行体1の駆動力と伸縮シリンダ13の駆動力によって作業車両Vを登坂させることができる。また、地形の起伏に拘らずバケット12が地面を掘り込むことができ、地面に掘り込んだバケット12をアウトリガとして用いることにより機体を安定化した状態で作業機構30による作業を実行することができる。
1〕前記実施形態においては、作業アタッチメントとして伐採等を行うハーベスタの例を説明したが、作業内容によってアーム32の先端に装着される作業アタッチメントは取り替え可能であり、バケット、カッター、破砕機等を取り付けることが可能である。
2 上部旋回体
4 アウトリガ
7 キャビン
11 下部アーム
12 バケット
13 伸縮シリンダ
14 回動シリンダ
15 揺動シリンダ
20 姿勢変更機構
30 作業機構
32 アーム
V 作業車両
Claims (4)
- 前進後退可能な下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に支持され且つ作業機構とキャビンが設けられた上部旋回体とを備えた作業車両において、
前記下部走行体の車体前端部に車両前後方向前方に延びる左右1対の下部アームを有し、
前記1対の下部アームは、このアーム先端に装着されたバックホータイプのバケットと、前記アームを車両前後方向に伸縮させる伸縮手段と、前記下部アームの基端部を回動中心として上下方向に回動させる回動手段と、前記下部アームの基端部を回動中心として車幅方向に揺動させる揺動手段とを夫々有し、
一方のアーム先端に装着された前記バケットと他方のアーム先端に装着された前記バケットとが夫々独立して動作可能に構成されたことを特徴とする作業車両。 - 前記下部走行体の車体後端部に左右1対のアウトリガを設け、
地面に掘り込んだ前記バケットと前記アウトリガが協働して前記作業車両を支持することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。 - 前記揺動手段は、車幅方向最大揺動時、前記バケットが前記下部走行体の車幅方向外側部分よりも車幅方向外側に位置するように作動することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 前記上部旋回体を前記下部走行体に対して車両前後方向端部を回動中心として姿勢変更させる姿勢変更手段を有することを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
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