JP7090365B1 - クランプ装置、固定治具、三次元測定機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような三次元測定機においては、回転テーブルを用いて測定を行なう場合、事前に回転テーブルの座標系の登録が必要である。
特許文献2における図16に示すように、回転テーブル50の座標系の登録には、通常、回転テーブル50の表面の外周近くの点(基準点)に固定したマスターボール9(基準球)が用いられる。マスターボール9は支持用の軸部をねじ孔に螺合させる等により回転テーブル50の表面に固定される。
特許文献2における図17に示すように、3つ以上の基準点(S1~S3)が測定できれば、これらの基準点によって1つの円が特定でき、この円の中心位置を回転テーブル50の座標の原点Otと設定し、この円を含む平面に沿ってX軸(Xt)およびY軸(Yt)を設定し、原点Otを通る同平面の法線をZ軸(Zt)として設定する。このような作業を行う場合回転テーブル上にはマスターボール以外の要素を排除し作業することが通例である。
また、マスターボール表面のポイント測定には、各々プロービング誤差(プローブの測定精度による誤差)が避けられず、このようなポイント測定を多点で行うマスターボール中心位置の測定においては多点である分の誤差の累積が避けられない。その結果、前述した回転テーブル座標系の登録の手順を利用した場合、個々のポイント測定におけるプロービング誤差が僅かでも、回転テーブル座標系としての精度が不十分になるという問題がある。
回転テーブルの回転軸線の校正をおこなうために、チャックを用いる場合、特許文献3に記載されるように、回転軸に対して径方向に荷重をかける必要があり、これにより、さらに回転テーブルの回転軸線がずれる可能性があるという問題があった。
円柱状の外周面に端部に向かって拡径する傾斜固定面を有する被係止端部を有する被係止部を位置決めして固定するクランプ装置であって、
前記傾斜固定面を直径方向両外側から挟持して前記被係止部を前記傾斜固定面が軸線回りに拡径する引張方向に引張して係止位置を規制する係止凸部を有する2つの係止片部と、
前記係止片部を互いに接近および離間させる駆動部と、
を有し、
前記係止片部が、
前記係止凸部が先端に設けられ前記引張方向に沿って延在する柱状部と、
前記柱状部の基端位置に設けられ前記直径方向となる移動方向へ前記係止片部の移動を可能とするとともに前記引張方向と前記移動方向と直交する厚さ方向への前記係止片部の移動を規制する移動規制部と、
を備え、
前記移動規制部には、
前記移動方向および前記厚さ方向に沿った第1規制面と、
対応する前記係止片部の前記第1規制面に対して摺動する第2規制面と、
前記移動方向に沿うとともに前記引張方向に交差し前記第1規制面に直交する第3規制面と、
が形成されて、
前記移動規制部が、前記厚さ方向に前記係止凸部の半分の厚さとして偏在し前記移動方向に延在する略直方体を有し、
前記移動規制部において、前記第3規制面がそれぞれの前記柱状部の基端位置における前記厚さ方向の中央位置に形成されて互いに対向し、
前記移動規制部において、前記第1規制面が一方の前記柱状部の基端位置から他方の前記柱状部の基端位置に向けて延在するとともに、前記第2規制面が他方の前記係止凸部の基端位置に前記引張方向で前記第1規制面に対向し、
2つの前記移動規制部において、それぞれの前記第3規制面が互いに摺動し、一方の前記第1規制面と他方の前記第2規制面とが互いに摺動する、
クランプ装置。
請求項2に記載した発明は、
請求項1に記載のクランプ装置であって、
前記駆動部が、
互いの前記柱状部の基端位置に前記移動方向に沿って延在し同軸に形成された雌ネジ部と、
逆ネジが両端に形成されて前記雌ネジ部にそれぞれ螺合される雄ネジ部と、
を有する。
請求項3に記載した発明は、
請求項1または2に記載のクランプ装置であって、
前記移動規制部が前記厚さ方向外側に突出して前記移動方向に延在する突出部を有し、前記突出部には、前記係止片部の前記引張方向への移動を規制する第4規制面が設けられる、
クランプ装置。
請求項4に記載した発明は、
請求項3記載のクランプ装置を備える固定治具であって、
前記係止凸部および前記柱状部が前記引張方向に突出するように前記クランプ装置を嵌め込み可能に前記移動方向に延在する規制溝を有するとともに回転テーブルに取り付けられる固定台部と、
前記固定台部に対して、前記係止片部が前記規制溝に沿って移動可能なように前記係止片部を覆った状態で、前記被係止端部が前記係止凸部によって固定可能な貫通孔を有する固定孔部と、
前記固定孔部に前記被係止端部を挿入した際に前記固定孔部に対して前記被係止部の回転規制可能とする回転規制部と、
を有し、
前記固定台部の前記規制溝が、前記クランプ装置を嵌め込んだ際に、前記突出部が前記移動方向に沿って移動可能とする拡幅部を前記引張方向の内部に有する、
固定治具。
請求項5に記載した発明は、
請求項4記載の固定治具を備える三次元測定機であって、
前記固定台部が取り付けられる回転テーブルを有し、
前記固定治具の前記固定孔部における貫通孔が前記回転テーブルの回転軸線と一致して設置される、
三次元測定機。
このとき、第1規制面と第2規制面とが互いに摺動することで、第1規制面と第2規制面とに沿った方向に2つの係止片部の移動する方向が規制される。同様に、第3規制面が互いに摺動することで、第3規制面に沿った方向に2つの係止片部の移動する方向が規制される。これにより、2つの係止片部の移動する方向が、円柱状の被係止端部の直径方向となる移動方向に規制される。
同時に、第1規制面が移動規制部の厚さ方向半分となる略直方体における引張方向の柱状部の延在する面に形成され、第2規制面が略直方体のない厚さ方向半分となる柱状部の基端位置に形成され、一方の係止片部における第1規制面が、他方の係止片部における第2規制面に当接して摺動可能であることで、2つの係止片部が、互いに厚さ方向を軸線として回転する姿勢の変化を起こすことがない。したがって、2つの係止片部の姿勢を維持した状態で、駆動部によって互いに離間する動作、および、互いに近接する動作をおこなうことができる。
この状態で、第3規制面がそれぞれの前記柱状部の基端位置における前記厚さ方向の中央位置に形成されて、2つの係止片部の第3規制面が互いに摺動することで、移動方向における2つの係止片部の移動が、移動方向に対して傾斜してしまうことを防止できる。
図1は、本実施形態における三次元測定機を示す斜視図であり、図において、符号1は、三次元測定機である。
回転テーブル5は、定盤11内に設置された図示しない回転駆動機構で支持され、定盤11上面に垂直な軸線まわりに任意の回転角度位置へと回転可能である。回転駆動機構は、定盤11に対する回転テーブル5の回転角度を検出する機能を有する。
コンピュータ本体は、図示しない演算処理装置および記憶装置などを備えるとともに、図示しないインターフェイスを介してプローブ17に接続されている。
コンピュータ2は、外部操作により起動され、記録されたプログラムを実行することで三次元測定機1の動作を制御し、プローブ17からの信号を処理して指定された測定結果を出力可能になっている。
図2は、本実施形態における固定治具20を示す斜視図である。図3は、本実施形態における被係止部W1を示す斜視図である。図4は、本実施形態における被係止部W1が固定治具20に挿入された状態を示す断面図である。
固定治具20は、図1に示すように、回転テーブル5上面に取り付け固定される。固定治具20は、回転テーブル5に対して、ワークWその他を着脱可能に取り付ける。
固定治具20は、図2に示すように、固定台部21と、固定孔部22と、クランプ装置50と、を有する。
台部21aは、後述するようにクランプ装置50を支持している。
台部21aの上縁には、凸条21dが周設される。
固定孔部22は、図2に示すように、貫通孔23の周囲に被係止部W1を回転規制可能とする回転規制部24を有する。回転規制部24は、固定孔部22の上面22aに突条として形成される。回転規制部24は、固定孔部22の上面22aに形成された溝に所定幅のキー部材を嵌め込んで形成される。
被係止部W1は、図3に示すように、ワークWその他を回転テーブル5上面に取り付けるために、ワークWその他の下側に形成される。被係止部W1は、フランジ部W2と、被係止端部W3と、を有する。
被係止端部W3の下端W3aに近接する外周面には、縮径された周溝W5aが周設される。周溝W5aの下端W3a側には、下端(端部)W3aに向かって拡径する傾斜固定面W5が周設される。
図5は、本実施形態における固定治具20を示す断面図である。図6は、本実施形態における固定孔部22を示す断面図である。
固定孔部22は、図4~図6に示すように、貫通孔23が上面22aに開口した径寸法よりも下側となる固定台部21に近接した位置が拡径された収納部26を有する。
収納部26は、貫通孔23と同軸とされ、固定台部21に対向して開口している。収納部26と貫通孔23との間には、段差となる天井部26aが形成される。天井部26aは上面22aと平行な面として形成される。収納部26には、後述するようにクランプ装置50が収納される。収納部26の径寸法は、後述するようにクランプ装置50が移動可能な寸法とされる。平面視した収納部26の輪郭形状は貫通孔23と同様円形とされるが、クランプ装置50が移動可能な空間が確保されていればこれに限定されない。
固定台部21には、図5,図7~図9に示すように、クランプ装置50を移動可能に支持する規制溝25が形成される。規制溝25は、台部21aの中心をとおり、径方向に直線状に延在している。規制溝25は、台部21aの中心に対して径方向の両側に延在している。規制溝25は、台部21aに対するクランプ装置50の移動方向を規制溝25に沿った方向に規制する。規制溝25は、規制溝25のT方向となる幅方向の中心と、台部21aの中心と、が一致していることが好ましい。
拡幅部25dは、台部21aの上面21eにおける規制溝25の開口幅よりもT方向の幅寸法が大きく形成されている。拡幅部25dは、P方向における規制溝25の全長に形成される。拡幅部25dは、P方向における全長で同じ幅寸法かつ同じ高さ寸法として形成される。
図10は、本実施形態におけるクランプ装置50を示す斜視図である。図11は、本実施形態におけるクランプ装置50を示す断面図である。図12は、本実施形態におけるクランプ装置50を示す分解斜視図である。
クランプ装置50は、傾斜固定面W5を有する被係止端部W3を有する被係止部W1を位置決めして固定治具20に固定する。
クランプ装置50は、図10~図12に示すように、2つの係止片部51Aおよび係止片部51Bと、これらを螺合する雄ネジ部52と、から構成される。
図13は、本実施形態における係止片部51Aを示す正面図である。図14は、本実施形態における係止片部51Aを示す側面図である。図15は、本実施形態における係止片部51Aを裏面から見た正断面図である。
雄ネジ部52と、雌ネジ部52Aと、雌ネジ部52Bとは、駆動部を構成する。
本実施形態におけるクランプ装置50は、図10~図21に示すように、2つの係止片部51Aおよび係止片部51Bと、これらを螺合する雄ネジ部52とが組み合わされて、係止片部51Aと係止片部51Bとが、P方向に互いに近接・離間する。
係止片部51Aと係止片部51Bとにおいては、係止凸部57Aと係止凸部57Bとが、互いに向かい合って対向するように組み立てられる。
同様に、係止片部51Bにおいて、T方向の一方で移動規制部55Bが基端部54Aの下側に位置し、T方向の他方で基端部54Bが移動規制部55Aの上側に位置していることで、係止片部51Aと係止片部51Bとが、ZP平面に沿った方向には相対回転することを規制できる。
雄ネジ部52の回転により係止片部51Aと係止片部51Bとが互いに近接・離間することで、係止凸部57Aと係止凸部57Bとが、互いに向かい合った状態を維持したまま、互いにP方向に近接・離間する。
このように、クランプ装置50は、第1規制面58Aaと、第2規制面58Abと、第3規制面58Acと、第4規制面58Adとによって移動方向および移動姿勢を規制された状態で、係止片部51Aと係止片部51Bとが、互いにP方向に近接・離間する。
ここで、上面21eにおける規制溝25のT方向の開口寸法と、基端部54A,54BのT方向幅寸法とは、等しい。
突出部56Aが移動規制部55Aから突出するT方向寸法と、上面21eにおける規制溝25に開口するT方向寸法よりも拡幅部25dの大きくなっているT方向寸法と、を比べると、これらは等しいか、拡幅部25dのほうが大きくなっている。同様に、突出部56Bが移動規制部55Bから突出するT方向寸法と、上面21eにおける規制溝25に開口するT方向寸法よりも拡幅部25dの大きくなっているT方向寸法と、を比べると、これらは等しいか、拡幅部25dのほうが大きくなっている。
また、突出部56A,56BのZ方向寸法と拡幅部25dのZ方向寸法は等しい。
これらにより、第4規制面58Ad,58Bdが拡幅部25dの上面と摺動することで、規制溝25に対してクランプ装置50がZ方向に移動することが規制される。
したがって、工具差し込み穴52dに所定の工具を差し込み、雄ネジ部52を回転させるだけで、クランプ装置50は、係止凸部57Aと係止凸部57BとがP方向に近接・離間する。
同時に、被係止端部W3の傾斜固定面W5の傾斜により、係止凸部57Aと係止凸部57Bとが規制溝25に対してPT方向において位置設定される。
このとき、固定治具20において、固定孔部22の貫通孔23に挿入された被係止端部W3に対して、係止凸部57Aと係止凸部57BとがP方向に近接・離間する。
同時に、フランジ部W2の下面W2bにおいて、規制溝部W4がそれぞれ対応する回転規制部24に嵌め合わされる。
これらにより、被係止端部W3の固定治具20に対するPT方向における姿勢および位置決めがおこなわれる。
同時に、回転テーブル5の回転軸に対してスラスト荷重あるいはラジアル荷重が印加されることを削減して、三次元測定における精度の維持を容易におこなうことができる。
これらにより、三次元測定機1における測定精度を維持しつつ、測定における作業性の向上を図ることができる。
図22は、本実施形態における回転軸線校正用治具を固定治具に取り付けた状態を示す斜視図である。図23は、本実施形態における回転軸線校正用治具を固定治具から取り外した状態を示す斜視図である。
本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、回転軸線校正用治具に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
回転軸線校正用治具70は、図22,図23に示すように、Z方向に沿って延在する測定円柱部71と、測定円柱部71の基端回りに径方向外向きに拡径されたフランジ部72と、を有する。
フランジ部72のZ方向下側には、フランジ部W2が取り付けられる。フランジ部72とフランジ部W2とは、同じ径寸法とされる。フランジ部72とフランジ部W2とは、一体として形成されてもよい。フランジ部W2の下面W2bの中央位置には、被係止端部W3が下方に突出して形成される。フランジ部W2の下面W2bには、回転規制部24に対応してそれぞれ嵌め合う規制溝部W4が形成される。
先端測定円柱面74は、測定円柱部71の先端外周面に形成される。先端測定円柱面74は、測定円柱部71の先端における全周面に形成される。先端測定円柱面74は、Z方向に軸線を有する円筒面とされる。
先端測定円柱面74の径寸法と、基端測定円柱面75の径寸法とは、等しい大きさに設定される。先端測定円柱面74と基端測定円柱面75とは、測定円柱部71の外周面において、Z方向に連続していてもよい。
まず、回転軸線校正用治具70の回転軸線を読み取る第1読み取り工程をおこなう。
第1読み取り工程においては、三次元測定機1の移動機構19によりプローブ17を定盤11に対して三次元移動して、プローブ17を回転軸線校正用治具70の表面に接触させる。このとき、プローブ17としては、水平方向に向いたスタイラスを用いることができる。特に、プローブ17を用いてキャリブレーションされた横向きのプローブ用いることができる。
なお、第1読み取り工程として、第1先端読み取り工程と第1基端読み取り工程とを同時におこなって上側の円弧形状と下側の円弧形状とを同時に測定し、測定円柱部71の軸線を算出することもできる。
第2読み取り工程においては、第1読み取り工程と同様に、三次元測定機1の移動機構19によりプローブ17を定盤11に対して三次元移動して、プローブ17を回転軸線校正用治具70の表面に接触させる。
なお、第2読み取り工程として、第2先端読み取り工程と第2基端読み取り工程とを同時におこなって上側の円弧形状と下側の円弧形状とを同時に測定し、測定円柱部71の軸線を算出することもできる。
また、回転軸線校正用治具70においては、二つの円要素間の高さ距離の差を190mm以上として測定することができる。これにより、読み取り工程における測定軸線長を大きくして、算出する軸線・座標系としての精度を向上することができる。したがって、補正精度をより一層向上することができる。
なお、概念的に、第1算出軸線と第2算出軸線とが1点で交差している場合には、この交点をとおり第1算出軸線と第2算出軸線とで為す角の二等分線が実回転軸線として算出されてもよい。第1算出軸線と第2算出軸線とが交差していない場合には、Z方向において、第1算出軸線と第2算出軸線とから等距離にある直線が実回転軸線として算出されてもよい。
図24は、本実施形態における固定治具のメンテナンス治具を示す斜視図である。図25は、本実施形態における固定治具のメンテナンス治具を示す上面図である。図26は、本実施形態における固定治具のメンテナンス治具を示す断面図である。図27は、本実施形態における固定治具のメンテナンス治具を示す断面図である。
本実施形態において上述した第1および第2実施形態と異なるのはメンテナンス治具に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
具体的には、固定孔部22は、下縁の切り欠き22dと固定台部21の凸条21dとが嵌め合わされている。このため、固定孔部22を傾けないで姿勢を維持したまま正確に固定台部21から鉛直方向に移動させないと、固定孔部22を固定台部21から外すことができない。
このため、固定孔部22を固定台部21から容易に外すための治具としてメンテナンス治具90を用いる。
円柱部91は、貫通孔23とほぼ等しい径寸法を有し、貫通孔23に挿入可能とされる。円柱部91は、貫通孔23に挿入した場合に、下端部91aが収納部26の内部構造に当接した状態で、上端部91bが貫通孔23からZ方向上側位置に突出する軸方向長さ寸法を有する。円柱部91は、軸方向の全長でほぼ等しい径寸法とされる。円柱部91には、軸方向の途中位置に段差91dが形成される。段差91dよりも上端部91bに近接する位置では、多少縮径されていてもよい。
引掛部93aは、収納凹部92aに設けられた回転軸94aによって回動可能として、収納凹部92aの内部に備えられる。回転軸94aは、収納凹部92aの下端部91aに近接する位置に円柱部91の軸線方向と直交する方向に延在する。引掛部93aは、Z方向の下端が回転軸94aによって支持され、引掛部93aの上端が回転軸94a回りに回転動作可能とされている。引掛部93aの下端よりも、円柱部91の径方向外側となる収納凹部92aには、引掛部93aの回動位置を規制する角度規制部92cが形成される。角度規制部92cにより、引掛部93aの上端が所定角以上開かないように角度規制されている。
貫通孔95aの一端は、収納状態の引掛部93aの上端付近に開口する。これにより、貫通孔95aに棒状の工具を差し込むことで、収納状態の引掛部93aの上端付近に当接して、回転軸94a回りに回転させることができる。つまり、貫通孔95aは、引掛部93aを収納状態からはみ出し状態へと移行させる工具を、円柱部91の外周面から収納凹部92aへと連通可能としている。
貫通孔95bの一端は、収納状態の引掛部93bの上端付近に開口する。これにより、貫通孔95bに棒状の工具を差し込むことで、収納状態の引掛部93bの上端付近に当接して、回転軸94b回りに回転させることができる。つまり、貫通孔95bは、引掛部93bを収納状態からはみ出し状態へと移行させる工具を、円柱部91の外周面から収納凹部92bへと連通可能としている。
本実施形態のメンテナンス治具90は、あらかじめ、引掛部93aを収納凹部92aに収納し、引掛部93bを収納凹部92bに収納して、両方の引掛部93a,93bが円柱部91の外周面よりも径方向外側にはみ出さない収納状態としておく。
同時に、メンテナンス治具90は、あらかじめ、押し出し部97が、貫通孔96内部に収納された状態としておく。このとき、押し出し部97は円柱部91の下端部91aから下方に突出していない。
さらに、円柱部91を下向きに移動して、円柱部91の外周面では収納凹部92a,92bが天井部26aよりも収納部26の内部に進入して天井部26aより下側になるZ方向位置まで挿入する。なお、少なくとも、引掛部93a,93bが回転軸94a,94b回りに回動可能な位置まで挿入する。つまり、天井部26aよりも引掛部93a,93bの上端がZ方向で下側位置とされることができる。
同時に、円柱部91の外周面では、段差91dが上面22aと同じ高さか上面22aよりも上側に位置していることが好ましい。なお、少なくとも、円柱部91の外周面における貫通孔95a,95bの開口が上面22aよりも上方に位置することが好ましい。
あるいは、下端部91aが収納部26内の部材に当接するまで挿入してもよい。
すると、下端部91aから突出した押し出し部97の下端が、クランプ装置50の駆動部52、基端部54A,54Bなど、貫通孔23の直下位置にある部材に当接する。さらに、押し出し部97を回転させると、押し出し部97が下端部91aから突出する寸法が増大し、押し出し部97の下端が当接している部材を押圧する。そして、押し出し部97の下端が当接している部材からの反力で、円柱部91がZ方向に上昇する。つまり、円柱部91がZ方向に固定台部21から上向きに離間する。
引掛部93aが角度規制部92cによる所定の角度で回転軸94aまわりの回動を規制されており、同様に、引掛部93bが角度規制部92dによる所定の角度で回転軸94bまわりの回動を規制されている。このため、引掛部93aおよび引掛部93bが当接した天井部26a、つまり、固定孔部22も円柱部91と一緒に、固定台部21からZ方向上向きに離間する。
このとき、固定孔部22は、固定台部21に対して傾くことなく、姿勢を維持したまま、上方に移動する。
さらに、押し出し部97を回転させると、引掛部93aおよび引掛部93bに天井部26aが押圧されて、凸条21dと切り欠き22dとの接触面に沿って、固定孔部22は、固定台部21に対して上昇する。そして、凸条21dと切り欠き22dとが離間することで、固定孔部22を、固定台部21から外すことができる。
5…回転テーブル
20…固定治具
21…固定台部
21a…台部
21b…固定フランジ
21c…穴
21d…凸条
21e…上面
22…固定孔部
22a…上面
23…貫通孔
24…回転規制部
25…規制溝
25a…開口部
25d…拡幅部
26…収納部
26a…天井部
26d…下溝
50…クランプ装置
51A,51B…係止片部
52…雄ネジ部(駆動部)
52d…工具差し込み穴
52A,52B…雌ネジ部
53A,53B…柱状部
54A,54B…基端部(基端)
55A,55B…移動規制部
56A,56B…突出部
57A,57B…係止凸部
58Aa,58Ba…第1規制面
58Ab,58Bb…第2規制面
58Ac,58Bc…第3規制面
58Ad,58Bd…第4規制面
70…回転軸線校正用治具
71…測定円柱部
72…フランジ部
74…先端測定円柱面
75…基端測定円柱面
90…メンテナンス治具
91…円柱部
91a…下端部
91b…上端部
91d…段差
92a,92b…収納凹部
92c,92d…角度規制部
93a,93b…引掛部
94a,94b…回転軸
95a,95b…貫通孔
96…貫通孔
97…押し出し部
97d…工具差し込み穴
W…ワーク
W1…被係止部
W2…フランジ部
W2a…下面
W2b…下面
W3…被係止端部
W3a…下端(端部)
W4…規制溝部
W5…傾斜固定面
W5a…周溝
Claims (5)
- 円柱状の外周面に端部に向かって拡径する傾斜固定面を有する被係止端部を有する被係止部を位置決めして固定するクランプ装置であって、
前記傾斜固定面を直径方向両外側から挟持して前記被係止部を前記傾斜固定面が軸線回りに拡径する引張方向に引張して係止位置を規制する係止凸部を有する2つの係止片部と、
前記係止片部を互いに接近および離間させる駆動部と、
を有し、
前記係止片部が、
前記係止凸部が先端に設けられ前記引張方向に沿って延在する柱状部と、
前記柱状部の基端位置に設けられ前記直径方向となる移動方向へ前記係止片部の移動を可能とするとともに前記引張方向と前記移動方向と直交する厚さ方向への前記係止片部の移動を規制する移動規制部と、
を備え、
前記移動規制部には、
前記移動方向および前記厚さ方向に沿った第1規制面と、
対応する前記係止片部の前記第1規制面に対して摺動する第2規制面と、
前記移動方向に沿うとともに前記引張方向に交差し前記第1規制面に直交する第3規制面と、
が形成されて、
前記移動規制部が、前記厚さ方向に前記係止凸部の半分の厚さとして偏在し前記移動方向に延在する略直方体を有し、
前記移動規制部において、前記第3規制面がそれぞれの前記柱状部の基端位置における前記厚さ方向の中央位置に形成されて互いに対向し、
前記移動規制部において、前記第1規制面が一方の前記柱状部の基端位置から他方の前記柱状部の基端位置に向けて延在するとともに、前記第2規制面が他方の前記係止凸部の基端位置に前記引張方向で前記第1規制面に対向し、
2つの前記移動規制部において、それぞれの前記第3規制面が互いに摺動し、一方の前記第1規制面と他方の前記第2規制面とが互いに摺動する、
クランプ装置。 - 前記駆動部が、
互いの前記柱状部の基端位置に前記移動方向に沿って延在し同軸に形成された雌ネジ部と、
逆ネジが両端に形成されて前記雌ネジ部にそれぞれ螺合される雄ネジ部と、
を有する、
請求項1記載のクランプ装置。 - 前記移動規制部が前記厚さ方向外側に突出して前記移動方向に延在する突出部を有し、前記突出部には、前記係止片部の前記引張方向への移動を規制する第4規制面が設けられる、
請求項1または2記載のクランプ装置。 - 請求項3記載のクランプ装置を備える固定治具であって、
前記係止凸部および前記柱状部が前記引張方向に突出するように前記クランプ装置を嵌め込み可能に前記移動方向に延在する規制溝を有するとともに回転テーブルに取り付けられる固定台部と、
前記固定台部に対して、前記係止片部が前記規制溝に沿って移動可能なように前記係止片部を覆った状態で、前記被係止端部が前記係止凸部によって固定可能な貫通孔を有する固定孔部と、
前記固定孔部に前記被係止端部を挿入した際に前記固定孔部に対して前記被係止部の回転規制可能とする回転規制部と、
を有し、
前記固定台部の前記規制溝が、前記クランプ装置を嵌め込んだ際に、前記突出部が前記移動方向に沿って移動可能とする拡幅部を前記引張方向の内部に有する
固定治具。 - 請求項4記載の固定治具を備える三次元測定機であって、
前記固定台部が取り付けられる回転テーブルを有し、
前記固定治具の前記固定孔部における貫通孔が前記回転テーブルの回転軸線と一致して設置される
三次元測定機。
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