JP7088860B2 - 交流電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単相交流を三相交流に変換する交流電力変換装置に関する。
三相交流から単相交流を取り出すことは容易である。一方、その逆に単相交流から三相交流を生成するには、一般的に、いったん第1の変換器(コンバータ)で単相交流を直流に整流した後に、その直流を第2の変換器(インバータ)で三相交流に変換する手法が用いられる(例えば特許文献1参照)。
特開2012-213298号公報
しかし、単相交流から三相交流を生成するには、多くの機器を介在させなければならない。
例えば特許文献1に記載された交流電力変換装置は、スコット変圧器、コンバータ、インバータを必要としている。すなわち、図8に示すように、単相電源1に電気的に接続される第1の単相交流端子と後述するインバータ13に接続される第2の単相交流端子と三相交流を出力するための三相交流端子とを有するスコット変圧器11と、単相電源1と並列にスコット変圧器11の前記第1の単相交流端子に電気的に接続されて単相電源1からの単相交流を直流電力に変換するコンバータ12と、コンバータ12からの直流電力をスコット変圧器11の前記第2の単相交流端子に供給される単相交流へと変換するインバータ13とを備えて構成されている。
しかしながら、このような構成では、サイズ的、コスト的に大きなものとなるだけでなく、変換効率が悪化する問題も有している。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、単相交流を三相交流に変換する交流電力変換装置に関して、トランスを用いることなく、しかも三相インバータを1つ用いるだけの簡単な構成で、単相交流を三相交流に高効率に変換できるようにすることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明による交流電力変換装置は、
入力側の単相交流系統と出力側の三相交流系統との間に三相インバータが配され、
前記三相インバータは第1ないし第3のスイッチングアームと直流側コンデンサとが並列接続されて構成され、
前記三相交流系統の3つの三相側母線のうちの2つはそれぞれ、前記単相交流系統の第1、第2の2つの単相側母線に対して個別的に直結された第1および第2の三相側母線に構成され、
前記3つの三相側母線のうちの残りの1つは、前記2つの単相側母線とは直結されない非直結の第3の三相側母線に構成され、
前記第1の単相側母線および前記直結の第1の三相側母線は、前記第1のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
前記第2の単相側母線および前記直結の第2の三相側母線は、前記第2のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
前記非直結の第3の三相側母線は、前記第3のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御の制御部は、前記第1および第2のスイッチングアームに対して電流制御を行うとともに、前記第3のスイッチングアームに対して電圧制御を行うことを特徴とする。
上記構成の本発明の交流電力変換装置には、次のようないくつかの好ましい態様がある。理解を容易にするため、数量関係については後述する実施例で用いた符号を併記して記述する。なお、この符号併記をもって本発明を限定的に解釈してはならない。
(1)前記制御部は、位相検出部と電圧制御演算部と電流制御演算部とスイッチング制御信号生成部とを備え、
前記位相検出部は、前記第1の単相側母線と前記第2の単相側母線との間の線間電圧(V12)の位相(θ12)を検出する機能を有し
前記電圧制御演算部は、前記非直結の第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトル(Vα)を求める機能を有し、
前記電流制御演算部は、前記直結の第1と第2の三相側母線間の線間電圧(V12)に対する指令ベクトル(Vβ)を求める機能を有し、
前記スイッチング制御信号生成部は、前記第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトル(Vα)と前記第1と第2の三相側母線間の線間電圧に対する指令ベクトル(Vβ)とに基づいて、前記第1、第2および第3の3つの三相側母線それぞれの出力電圧ベクトル(VinvV,VinvW,VinvU)が所定の大きさと位相をもつように、前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している、という態様がある。
(2)また、前記位相検出部は、前記第1の単相側母線と前記第2の単相側母線との間の線間電圧(V12)の位相(θ12)を検出するとともに、この線間電圧(V12)の位相(θ12)から演算によって前記非直結の第3の三相側母線の電圧(V3 )の位相(θ3 )を求める機能を有し、
前記電圧制御演算部は、前記非直結の第3の三相側母線の検出電圧値(V3 )と所定の目標電圧値との偏差を限りなく最小化するフィードバック制御によって前記非直結の第3の三相側母線に対する電圧ピーク指令値(V3ref)を求め、この電圧ピーク指令値(V3ref)と前記非直結の第3の三相側母線の電圧(V3 )の位相(θ3 )から前記非直結の第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトル(Vα)を求める機能を有し、
前記電流制御演算部は、前記直流側コンデンサの両端電圧(E)を所定値に安定化させるフィードバック制御によって前記第1の単相側母線に対する単相電流ピーク指令値(Iref )を求め、この単相電流ピーク指令値(Iref )と前記線間電圧(V12)の位相(θ12)から単相電流指令ベクトル(IKref)を求め、前記第1または第2の単相側母線における単相電流検出ベクトル(IK )と前記単相電流指令ベクトル(IKref)との偏差を限りなく最小化するフィードバック制御を行って、前記直結の第1と第2の三相側母線間の線間電圧(V12)に対する指令ベクトル(Vβ)を求める機能を有している、という態様がある。
本発明の上記の構成によれば、単相交流を三相交流に変換する交流電力変換装置に関して、トランスを用いることなく、しかも三相インバータを1つ用いるだけの簡単な構成で、単相交流を三相交流に高効率に変換することが可能となる。
本発明によれば、単相交流を三相交流に変換する交流電力変換装置に関して小型化・低コスト化および高効率化を図ることができる。
本発明の実施例における交流電力変換装置の構成を示す回路図 本発明の実施例における交流電力変換装置のLC等フィルタの内部構成を示す回路図 本発明の実施例における交流電力変換装置の電圧制御演算部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置の電流制御演算部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置のスイッチング制御信号生成部の内部構成を示すブロック図 本発明の実施例における交流電力変換装置の動作を説明するためのベクトル図 本発明の実施例における交流電力変換装置の動作を説明するための波形図 従来例の交流電力変換装置の構成を示す回路図
以下、上記構成の本発明の交流電力変換装置につき、その実施の形態を具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
図1は本発明の実施例における交流電力変換装置の構成を示す回路図である。図1において、30は入力側の単相交流系統、40は出力側の三相交流系統、50は三相インバータ、60はPWM制御の制御部である。31は単相交流系統30における第1の単相側母線、32は第2の単相側母線、41は三相交流系統40における直結の第1の三相側母線、42は直結の第2の三相側母線、43は非直結の第3の三相側母線である。ここで、「直結」とは単相交流系統30における第1の単相側母線31または第2の単相側母線32に対して直接的に接続されているということを意味し、「非直結」とはそのような直接的な接続関係がないということを意味している。
51は三相インバータ50における第1のスイッチングアーム、52は第2のスイッチングアーム、53は第3のスイッチングアーム、54は直流側コンデンサである。61は制御部60における位相検出部、62は電圧制御演算部、63は電流制御演算部、64はスイッチング制御信号生成部である。
入力側の単相交流系統30と出力側の三相交流系統40との間に接続された三相インバータ50は、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53と直流側コンデンサ54とが並列接続されて構成されている。これは、一般的な三相インバータと変わるところがない。
三相交流系統40は3つの三相側母線41,42,43を有しているが、そのうちの2つはそれぞれ、単相交流系統30の第1、第2の2つの単相側母線31,32に対して個別的に直結された第1および第2の三相側母線41,42(V相、W相)に構成され、残りの1つは、2つの単相側母線31,32とは直結されない非直結の第3の三相側母線43(U相)に構成されている。
本実施例にあっては、三相交流における3つの相(U相・V相・W相)と第1ないし第3の三相側母線41,42,43との対応関係につき、一例として、V相を直結の第1の三相側母線41に対応させ、W相を直結の第2の三相側母線42に対応させ、U相を非直結の第3の三相側母線43に対応させることにする。
三相インバータ50の構成について、第1のスイッチングアーム51はハイサイドのスイッチング素子Q1aとローサイドのスイッチング素子Q1bとが交流入出力端子N1を介して直列に接続され、第2のスイッチングアーム52はハイサイドのスイッチング素子Q2aとローサイドのスイッチング素子Q2bとが交流入出力端子N2を介して直列に接続され、第3のスイッチングアーム53はハイサイドのスイッチング素子Q3aとローサイドのスイッチング素子Q3bとが交流入出力端子N3を介して直列に接続され、さらにこれら第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53が互いに並列に接続され、加えて直流側コンデンサ54も並列に接続されている。
単相交流系統30と三相インバータ50の関係について、第1の単相側母線31は第1のスイッチングアーム51の交流入出力端子N1に接続され、第2の単相側母線32は第2のスイッチングアーム52の交流入出力端子N2に接続されている。
三相交流系統40と三相インバータ50の関係について、第1の単相側母線31に直結の第1の三相側母線41(V相)は第1のスイッチングアーム51の交流入出力端子N1に接続され、第2の単相側母線32に直結の第2の三相側母線42(W相)は第2のスイッチングアーム52の交流入出力端子N2に接続され、第1の単相側母線31に対しても第2の単相側母線32に対しても非直結の関係をなす第3の三相側母線43(U相)は第3のスイッチングアーム53の交流入出力端子N3に接続されている。
交流入出力端子N1,N2,N3の直近で第1ないし第3の三相側母線41(V相),42(W相),43(U相)の相互間にLC等のフィルタ44が接続されている。このフィルタ44は、三相インバータ50のスイッチング動作によって生成される三相交流の電圧波形を高精度な正弦波に成形するためのものである。
フィルタ44の詳しい回路構成の例を図2に示している。第1の三相側母線41にはコイルL1a,L1bが挿入され、第2の三相側母線42にはコイルL2a,L2bが挿入され、第3の三相側母線43にはコイルL3a,L3bが挿入されている。また、第1・第2の三相側母線41,42間にはコンデンサC12が接続され、第2・第3の三相側母線42,43間にはコンデンサC23が接続され、第3・第1の三相側母線43,41間にはコンデンサC31が接続されている。
上記のように単相交流を三相交流に電力変換するのに、変換器として三相インバータ50を1つのみで行い、トランスも用いない方式を採用しているが、そのような方式を実現するための三相インバータ50における第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53に対するPWM制御の制御部60を次のように構成している。
すなわち、制御部60は、位相検出部61と電圧制御演算部62と電流制御演算部63とスイッチング制御信号生成部64とを備えているが、これらの各構成要素はそれぞれ次のように構成されている。
位相検出部61は、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)回路における前段部分の位相比較器(PFD)で処理される検出位相として、第1の単相側母線31と第2の単相側母線32との間の線間電圧V12(VVW)の位相θ12(θVW)を検出するとともに、この線間電圧V12(VVW)の位相θ12(θVW)から演算によって非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )の位相θ3 U )を求める機能を有している。
位相検出部61は、例えば、
θ3 =θ12+90° つまり θU =θVW+90°
の演算に従って、直結の第1の三相側母線41(V相)と直結の第2の三相側母線42(W相)との間(V相W相間)の線間電圧V12(VVW)の位相θ12(θVW)から非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )の位相θ3 U )を求める機能を有している。位相θ12(θVW)は電流制御演算部63に送られ、位相θ3 U )は電圧制御演算部62に送られる。
上記の位相の演算において、本実施例では時計方向を位相の正方向としている。
電圧制御演算部62は、非直結の第3の三相側母線43(U相)について、検出電圧値V3 (VU )を所定の大きさに維持するフィードバック制御部62aと、非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )に対する指令ベクトルVα(第1の指令ベクトルVαとする)を求めるための指令ベクトル演算部62bとを備えている。
前記構成要素としてのフィードバック制御部62aは、図3に詳しく示すように、非直結の第3の三相側母線43(U相)の検出電圧値V3 (VU )について実効値演算を行い、これと所定の目標電圧値との偏差をとり、その偏差が限りなく最小化するようにフィードバック制御を行い、その結果得られた情報を非直結の第3の三相側母線43(U相)に対する電圧ピーク指令値V3ref(VUref)として後段の指令ベクトル演算部62bへと送出する。
前記構成要素としての指令ベクトル演算部62bは、位相検出部61から非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )の位相θ3 U )を受け取り、これに対して余弦関数演算(cos演算)を作用させて余弦関数cosθ3 (cosθU )を生成するとともに、前段のフィードバック制御部62aから電圧ピーク指令値V3ref(VUref)を受け取って、これに前記の余弦関数cosθ3 (cosθU )を乗算して、非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )に対する指令ベクトルVα(第1の指令ベクトル)つまり、
α=V3ref・cosθ3 つまり Vα=VUref・cosθU
を求める機能を有するものとして構成されている。第1の指令ベクトルVαはスイッチング制御信号生成部64に送られる。
電流制御演算部63は、第1の単相側母線31の単相電流ピーク指令値Iref を求めるための前段のフィードバック制御部63aと、単相電流指令ベクトルIKrefを求めるための単相電流指令ベクトル演算部63bと、直結の第1の三相側母線41(V相)と第2の三相側母線42(W相)との間の線間電圧V12(VVW)に対する指令ベクトルVβ(第2の指令ベクトルVβとする)を求めるための後段のフィードバック制御部63cとを備えている。
前記構成要素としての前段のフィードバック制御部63aは、図4に詳しく示すように、三相インバータ50における直流側コンデンサ54の両端電圧Eと所定の直流電圧指令値Eref との偏差をとり、その偏差が限りなく最小化するようにフィードバック制御を行い、その結果得られた情報を単相電流ピーク指令値Iref とする。
前記構成要素としての単相電流指令ベクトル演算部63bは、位相検出部61から第1の単相側母線31と第2の単相側母線32との間の線間電圧V12(VVW)の位相θ12(θVW)を受け取り、これに対して余弦関数演算(cos演算)を作用させて余弦関数cosθ12(cosθVW)を生成するとともに、前段のフィードバック制御部63aから単相電流ピーク指令値Iref を受け取って、これに前記の余弦関数cosθ12(cosθVW)を乗算して、単相電流指令ベクトルIKrefを、
Kref=Iref ・cosθ12 つまり IKref=Iref ・cosθVW
のように求め、後段のフィードバック制御部63cへと送出する。
前記構成要素としての後段のフィードバック制御部63cは、第1の単相側母線31における単相電流検出ベクトルIK と単相電流指令ベクトル演算部63bから受け取った単相電流指令ベクトルIKrefとの偏差をとり、その偏差が限りなく最小化するようにフィードバック制御を行い、その結果として、直結の第1の三相側母線41(V相)と第2の三相側母線42(W相)間の線間電圧V12(VVW)に対する指令ベクトルVβ(第2の指令ベクトル)を求める機能を有している。第2の指令ベクトルVβは、
β=V12・cosθ12 つまり Vβ=VVW・cosθVW
となる。第2の指令ベクトルVβはスイッチング制御信号生成部64に送られる。
この電流制御演算部63での演算によって、結果的に、位相θ12(θVW)の基礎である第1の単相側母線31と第2の単相側母線32との間の線間電圧V12(VVW)に対して、第1の単相側母線31(あるいは第2の単相側母線32でも同じ)における単相電流検出ベクトルIK を同相とし、力率を1に調整することになる。力率を1に調整すると、単相側母線間の線間電圧ベクトルの位相と単相電流ベクトルの位相とが同相に保たれるとともに、これら双方のベクトルの大きさの比が位相の変化にかかわらず常に一定値に保たれる。
したがって、第1の指令ベクトルVαの位相に対する第2の指令ベクトルVβの位相の相対的な関係は、非直結の第3の三相側母線43(U相)の電圧V3 (VU )の位相θ3 U )に対する直結の第1および第2の三相側母線41,42間(V相W相間)の線間電圧V12(VVW)の位相θ12(θVW)の相対的な関係と等価なものになる。
スイッチング制御信号生成部64は、上記で求めた第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとに基づいて、第1、第2および第3の3つの三相側母線41,42,43それぞれの出力電圧ベクトルが所定の大きさと位相をもつように、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53に対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している。
すなわち、三相インバータ50における第3のスイッチングアーム53(U相)の交流入出力端子N3からの出力電圧ベクトルVinvUについて指令ベクトルVαに一致するように制御し、併せて第1のスイッチングアーム51(V相)の交流入出力端子N1からの出力電圧ベクトルVinvVおよび第2のスイッチングアーム52(W相)の交流入出力端子N2からの出力電圧ベクトルVinvWについてそれぞれ第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとから次の演算に従うように制御を行う(図5)。
invU=Vα
invV=-(1/2)Vα+(√3/2)Vβ
invW=-(1/2)Vα-(√3/2)Vβ
これらの3つのベクトル演算が同時的に成立するように、スイッチング制御信号生成部64は、第1ないし第3のスイッチングアーム51,52,53におけるハイサイドおよびローサイドのスイッチング素子Q1a,Q1b,Q2a,Q2b,Q3a,Q3bに対するPWM制御信号を生成して出力する機能を有している。なお、上記の数式において、「√3」の表記は「3の平方根」(square root 3)を意味している。
第1の指令ベクトルVαは、
α=V3ref・cosθ3 つまり Vα=VUref・cosθU
となっている。第2の指令ベクトルVβは、
β=V12・cosθ12 つまり Vβ=VVW・cosθVW
となっている。位相θ3 (θU )と位相θ12(θVW)の関係は、前述の通り、
θ3 =θ12+90° つまり θU =θVW+90°
となっている。
ベクトル図(複素数表示)を用いて第1の指令ベクトルVαと第2の指令ベクトルVβとの相対関係を表すと、図6(a)のようになる。横軸は実軸であり、縦軸は虚軸である。第2の指令ベクトルVβの位相θβは第1の指令ベクトルVαの位相θαよりも負方向(反時計方向)にずれている。そのずれ位相は90°となる。
第1の指令ベクトルVαを実軸に沿わせる正規化を行うと、図6(b)のようになり、第2の指令ベクトルVβは虚軸(上側)に沿う状態となる。
この状態において、上記の式、
invV=-(1/2)Vα+(√3/2)Vβ
invW=-(1/2)Vα-(√3/2)Vβ
に従う第1のスイッチングアーム51(V相)からの出力電圧ベクトルVinvVと第2のスイッチングアーム52(W相)からの出力電圧ベクトルVinvWを描くと、図6(c)のようになる。第3のスイッチングアーム53(U相)からの出力電圧ベクトルはVinvU=Vαである。
V相の出力電圧ベクトルVinvVもW相の出力電圧ベクトルVinvWもその大きさはU相の出力電圧ベクトルVinvUの大きさと同じになっている。V相の出力電圧ベクトルVinvVの位相θinvVはU相の出力電圧ベクトルVinvUの位相θinvUから120°の遅れをもち、W相の出力電圧ベクトルVinvWの位相θinvWはV相の出力電圧ベクトルVinvVの位相θinvVから120°の遅れをもっている(時計方向が位相の正方向)。
W相の出力電圧ベクトルVinvWのベクトル先端からV相の出力電圧ベクトルVinvVのベクトル先端を結ぶ線間電圧VinvVWのベクトルは虚軸に沿う第2の指令ベクトルVβと平行であり、U相の出力電圧ベクトルVinvUのベクトルに対して垂直の関係となっている。線間電圧VinvVWのベクトルの大きさは第2の指令ベクトルVβの√3倍である。
本実施例の方式を実験したシミュレーション結果を図7の波形図に示す。波形#1は単相電圧(VVW)の正弦波波形、波形#2は単相電流(IK )の正弦波波形、波形#3はU相の出力電圧(VinvU)の正弦波波形、波形#4はV相の出力電圧(VinvV)の正弦波波形、波形#5はW相の出力電圧(VinvW)の正弦波波形である。
単相電圧(VVW)の正弦波波形#1と単相電流(IK )の正弦波波形#2とは力率1の同相となっている。U相の出力電圧(VinvU)の正弦波波形#3、V相の出力電圧(VinvV)の正弦波波形#4およびW相の出力電圧(VinvW)の正弦波波形#5は互いに振幅が等しくかつ120°ずつの位相差を伴っている。
以上のように、本実施例によれば、三相インバータの必要個数を1つのみとしかつトランスは用いない簡単な構成で、単相交流を三相交流に高効率に変換することが可能となり、交流電力変換装置の小型化・低コスト化および高効率化を実現することができる。
本発明は、単相交流を三相交流に変換する交流電力変換装置に関して、小型化・低コスト化および高効率化を図る技術として有用である。
30 単相交流系統
31 第1の単相側母線
32 第2の単相側母線
40 三相交流系統
41 直結の第1の三相側母線(V相)
42 直結の第2の三相側母線〈W相〉
43 非直結の第3の三相側母線(U相)
50 三相インバータ
51 第1のスイッチングアーム
52 第2のスイッチングアーム
53 第3のスイッチングアーム
54 直流側コンデンサ
60 制御部
61 位相検出部
62 電圧制御演算部
63 電流制御演算部
64 スイッチング制御信号生成部
N1,N2,N3 交流入出力端子

Claims (3)

  1. 入力側の単相交流系統と出力側の三相交流系統との間に三相インバータが配され、
    前記三相インバータは第1ないし第3のスイッチングアームと直流側コンデンサとが並列接続されて構成され、
    前記三相交流系統の3つの三相側母線のうちの2つはそれぞれ、前記単相交流系統の第1、第2の2つの単相側母線に対して個別的に直結された第1および第2の三相側母線に構成され、
    前記3つの三相側母線のうちの残りの1つは、前記2つの単相側母線とは直結されない非直結の第3の三相側母線に構成され、
    前記第1の単相側母線および前記直結の第1の三相側母線は、前記第1のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
    前記第2の単相側母線および前記直結の第2の三相側母線は、前記第2のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
    前記非直結の第3の三相側母線は、前記第3のスイッチングアームの交流入出力端子に接続され、
    前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御の制御部は、前記第1および第2のスイッチングアームに対して電流制御を行うとともに、前記第3のスイッチングアームに対して電圧制御を行うことを特徴とする交流電力変換装置。
  2. 前記制御部は、位相検出部と電圧制御演算部と電流制御演算部とスイッチング制御信号生成部とを備え、
    前記位相検出部は、前記第1の単相側母線と前記第2の単相側母線との間の線間電圧の位相を検出する機能を有し、
    前記電圧制御演算部は、前記非直結の第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記電流制御演算部は、前記直結の第1と第2の三相側母線間の線間電圧に対する指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記スイッチング制御信号生成部は、前記第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトルと前記第1と第2の三相側母線間の線間電圧に対する指令ベクトルとに基づいて、前記第1、第2および第3の3つの三相側母線それぞれの出力電圧ベクトルが所定の大きさと位相をもつように、前記第1ないし第3のスイッチングアームに対するスイッチング制御信号を生成出力する機能を有している請求項1に記載の交流電力変換装置。
  3. 前記位相検出部は、前記第1の単相側母線と前記第2の単相側母線との間の線間電圧の位相から演算によって前記非直結の第3の三相側母線の電圧の位相を求め、
    前記電圧制御演算部は、前記非直結の第3の三相側母線の検出電圧値と所定の目標電圧値との偏差を限りなく最小化するフィードバック制御によって前記非直結の第3の三相側母線に対する電圧ピーク指令値を求め、この電圧ピーク指令値と前記非直結の第3の三相側母線の電圧の位相から前記非直結の第3の三相側母線の電圧に対する指令ベクトルを求める機能を有し、
    前記電流制御演算部は、前記直流側コンデンサの両端電圧を所定値に安定化させるフィードバック制御によって前記第1の単相側母線に対する単相電流ピーク指令値を求め、この単相電流ピーク指令値と前記線間電圧の位相から単相電流指令ベクトルを求め、前記第1または第2の単相側母線における単相電流検出ベクトルと前記単相電流指令ベクトルとの偏差を限りなく最小化するフィードバック制御を行って、前記直結の第1と第2の三相側母線間の線間電圧に対する指令ベクトルを求める機能を有している請求項2に記載の交流電力変換装置。
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