JP7088642B2 - ブレーキ制御システム - Google Patents
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Description
[1.実施形態]
(1-1)列車の全体構成
図1に示すように、本実施形態の列車1は、複数の鉄道車両(以下、車両と略称する)100を備える。複数の車両100は、進行方向に沿って連結されている。本実施形態の列車1は、計N両の複数の車両100を備えている。図1には、N両の車両100のうち1両目の車両100-1とn両目の車両100-nとが図示されており、他の各車両100は図示が省略されている。なお、N及びnは自然数である。
ブレーキ制御システム5は、図1に示すように、集約装置10と、複数のブレーキ制御装置20とを備える。複数のブレーキ制御装置20は、車両100毎に1つずつ設けられている。各ブレーキ制御装置20は、それぞれ、当該ブレーキ制御装置20が設けられた車両100に搭載されているブレーキ装置15の作動を制御する。
(1-2-1)粘着状態検知部の構成
粘着状態検知部22は、車両100-1の複数の車輪110の、軌道200に対する粘着状態を示す粘着関連情報を取得する。粘着関連情報は、本実施形態では、滑走関連情報D01と空転関連情報D02とを含む。
ブレーキ制御部21は、本実施形態では、CPU21a及びメモリ21bを含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ21bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。
滑走レベルは、滑走関連情報D01に基づいて種々の方法で算出できる。例えば、回転軸減速度に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と回転軸減速度との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。回転軸減速度が大きいほど滑走レベルが高いと言える。
集約装置10は、例えば1両目の車両100-1に設けられている。集約装置10は、本実施形態では、CPU10a及びメモリ10bを含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ10bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。
線形取得機能は、軌道200における列車1の現在位置の線形を示す線形情報を取得する機能である。集約装置10のメモリ10bには、列車1が走行する軌道200の全線の線形を示す線形情報が記憶されている。線形情報は、具体的には、曲率情報と、勾配情報とが含まれる。
線形取得機能は、メモリ10bに記憶されている軌道200全線の線形情報と、位置検知装置により検知された現在位置とを照合して、現在位置の線形を示す線形情報を取得する機能である。
指令出力機能は、非常用の制動力を発生させるべき特定の制動条件が成立した場合に、後述の図4のブレーキ指令出力処理に従って、車両100毎にブレーキ指令EBを決定して、各車両100へそれぞれ対応するブレーキ指令EBを出力する機能である。
また、空転情報D2が示す空転レベルが高いほど、即ち空転の度合いが大きいほど、発生させるべき制動力が小さくなるようにブレーキ指令EBが決定される。
次に、各車両100に設けられた各ブレーキ制御部21が実行する粘着情報出力処理について、図3を用いて説明する。ブレーキ制御部21は、起動後、図3の粘着情報出力処理を周期的に繰り返し実行する。
次に、集約装置10が実行するブレーキ指令出力処理について、図4を用いて説明する。集約装置10は、起動後、図4のブレーキ指令出力処理を周期的に繰り返し実行する。
S240では、各車両100毎のブレーキ指令EBを決定する。具体的には次のように行う。曲率情報に基づいて、曲率の大きさを示す曲率因子a1を算出する。本実施形態では、曲率因子a1として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。
例えば、勾配の絶対値に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と勾配の絶対値との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。勾配の絶対値が大きいほど勾配因子a2は大きな値をとる。逆に、勾配の絶対値が0、即ち水平面と平行である場合は、勾配因子a2は0となる。
Ts=K1・a1+K2・a2+K3・a3+(K4・b4+K5・b5)・・・(1)
なお、上記式(1)において、K1~K5はそれぞれ、各因子及び各指標の重みを示す係数である。即ち、各因子及び各指標毎に、相対的に重み付けが行われ、その重み付けに応じた値の係数K1~K5が予め設定されている。
次に、各車両100に設けられた各ブレーキ制御部21が実行するブレーキ制御処理について、図5を用いて説明する。ブレーキ制御部21は、起動後、図5のブレーキ制御処理を周期的に繰り返し実行する。
S330では、粘着状態検知部22からの滑走関連情報D01に基づいて、滑走の度合いを判定する。ここでは、例えば、前述の滑走レベルに基づいて滑走の度合いを判定してもよい。例えば、滑走レベルが0である場合は滑走の度合いが低いと判定し、滑走レベルが1である場合は滑走の度合いが中程度であると判定し、滑走レベルが2である場合は滑走の度合いが高いと判定してもよい。
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)~(1e)の効果を奏する。
(1a)集約装置10は、特定の制動条件が成立した場合、軌道200における列車1の現在位置の線形に応じた制動力を示すブレーキ指令EBを出力する。これにより、各車両100のブレーキ制御部21は、ブレーキ装置15に対し、集約装置10からのブレーキ指令EBに基づき、列車1の現在位置の線形に応じた制動力を発生させる。そのため、走行中の列車1を減速又は停止させるべき状況が発生した場合により短い制動距離にて列車1を減速又は停止させることが可能となる。
なお、集約装置10は、本開示における指令出力部の一例に相当する。また、集約装置10及び各車両100の各粘着状態検知部22は、は本開示における線形取得部及び粘着情報取得部の一例に相当する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (8)
- 軌道上を複数の車輪により走行するように構成された列車に搭載されるブレーキ制御システムであって、
前記列車は、少なくとも1つの前記車輪に対して前記軌道との粘着に基づく制動力を発生させるように構成された、少なくとも1つのブレーキ装置を備え、
当該ブレーキ制御システムは、
前記軌道における前記列車の現在位置の線形を示す線形情報を取得するように構成された線形取得部と、
特定の制動条件が成立した場合に、当該特定の制動条件が成立した後における、前記複数の車輪のうち少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する実際の粘着状態を示す粘着情報を取得するように構成された粘着情報取得部であって、前記特定の制動条件は、前記列車の走行中に、前記列車に非常ブレーキをかけて停止させるべき事象が生じたことに応じて成立し、前記事象は地震を含む、粘着情報取得部と、
前記特定の制動条件が成立した場合に、前記線形取得部により取得された前記線形情報及び前記粘着情報取得部により取得された前記粘着情報に応じた非常用の制動力を示すブレーキ指令を出力するように構成された指令出力部と、
前記少なくとも1つのブレーキ装置の作動を制御するように構成された少なくとも1つのブレーキ制御部であって、前記指令出力部から出力された前記ブレーキ指令が示す前記制動力を前記少なくとも1つのブレーキ装置に発生させるように構成された少なくとも1つのブレーキ制御部と、
を備えるブレーキ制御システム。 - 請求項1に記載のブレーキ制御システムであって、
さらに、周期的に到来する実行タイミング毎に、当該実行タイミングにおける実際の前記粘着状態を示す前記粘着情報を出力するように構成された粘着情報出力部を備え、
前記粘着情報取得部は、前記特定の制動条件が成立した場合、当該特定の制動条件が成立した後に前記粘着情報出力部から出力された前記粘着情報を取得するように構成されている、
ブレーキ制御システム。 - 請求項1または請求項2に記載のブレーキ制御システムであって、
前記指令出力部は、前記線形情報が示す前記線形の曲率が大きいほど前記制動力が低くなるように前記ブレーキ指令を出力するように構成されている、
ブレーキ制御システム。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ制御システムであって、
前記粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する滑走状態を示す滑走情報を含む、ブレーキ制御システム。 - 請求項4に記載のブレーキ制御システムであって、
前記滑走情報は、前記軌道に対する滑走の度合いを段階的に示す滑走レベルを示す情報を含む、ブレーキ制御システム。 - 請求項4又は請求項5に記載のブレーキ制御システムであって、
前記指令出力部は、前記滑走情報が示す前記滑走状態に基づき、前記軌道に対する滑走の度合いが大きいほど前記制動力が低くなるように前記ブレーキ指令を出力するように構成されている、ブレーキ制御システム。 - 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のブレーキ制御システムであって、
前記粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する空転状態を示す空転情報を含む、ブレーキ制御システム。 - 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ制御システムであって、
前記列車は、複数の車両を備え、
前記複数の車両には、それぞれ、前記ブレーキ装置が搭載されており、
前記ブレーキ制御部は、前記複数の車両のそれぞれに設けられ、当該ブレーキ制御部が設けられている前記車両に搭載されている前記ブレーキ装置の作動を制御するように構成されており、
前記粘着情報取得部は、前記複数の車両毎に前記粘着情報を取得するように構成されており、
前記指令出力部は、前記複数の車両毎に、前記粘着情報取得部により取得された当該車両の前記粘着情報に応じた前記制動力を示す前記ブレーキ指令を出力するように構成されており、
前記複数の車両のそれぞれに設けられた前記ブレーキ制御部は、前記指令出力部から出力された、当該ブレーキ制御部が設けられている前記車両に対する前記ブレーキ指令に基づき、そのブレーキ指令が示す前記制動力を前記ブレーキ装置に発生させるように構成されている、
ブレーキ制御システム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8621769B2 (en) | 2005-11-03 | 2014-01-07 | Pro-Tech Manufacturing And Distribution, Inc. | Snow pusher for ice and snow removal |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010004662A (ja) | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Toshiba Corp | 列車制御装置 |
JP2017043308A (ja) | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 東海旅客鉄道株式会社 | 鉄道車両用滑走再粘着制御装置 |
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- 2017-08-29 JP JP2017164271A patent/JP7088642B2/ja active Active
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