以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る超音波診断装置1を図1のブロック図を参照して説明する。
図1に示されるように、超音波診断装置1は、装置本体10、超音波プローブ70、表示機器50、及び入力装置60を備える。装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置40と接続される。また、装置本体10は、位置センサシステム30、表示機器50、及び入力装置60と接続される。
位置センサシステム30は、超音波プローブ70及び超音波画像の3次元の位置情報を取得するためのシステムである。位置センサシステム30は、位置センサ31と位置検出装置32とを備える。
位置センサシステム30は、例えば、磁気センサ、赤外線センサまたは赤外線カメラ用のターゲット等を位置センサ31として超音波プローブ70に装着させることで、超音波プローブ70の3次元の位置情報を取得する。なお、超音波プローブ70にジャイロセンサ(角速度センサ)を内蔵させ、このジャイロセンサにより超音波プローブ70の3次元の位置情報を取得してもよい。また、位置センサシステム30は、超音波プローブ70をカメラで撮影し、撮影した画像を画像認識処理することにより超音波プローブ70の3次元の位置情報を取得してもよい。また、位置センサシステム30は、超音波プローブ70をロボットアームで保持し、ロボットアームの3次元空間の位置を超音波プローブ70の位置情報として取得してもよい。
以下では、位置センサシステム30が磁気センサを用いて超音波プローブ70の位置に関する位置情報を取得する場合を例に説明する。具体的には、位置センサシステム30は、例えば磁気発生コイルなどを有する磁気発生器(図示せず)をさらに含む。磁気発生器は、磁気発生器自身を中心として、外側に向かって磁場を形成する。形成された磁場には、位置精度が保証される磁場空間が定義される。よって、磁気発生器の配置は、検査の対象となる生体が、位置精度が保証される磁場空間内に包含されるように配置されればよい。超音波プローブ70に装着される位置センサ31は、磁気発生器によって形成される3次元の磁場の強度及び傾きを検出する。これにより、超音波プローブ70の位置と方向とを取得することができる。位置センサ31は、検出した磁場の強度及び傾きを位置検出装置32へ出力する。
位置検出装置32は、位置センサ31で検出された磁場の強度及び傾きに基づき、例えば、所定の位置を原点とした3次元空間における超音波プローブ70の位置(スキャン面の位置(x,y,z)及び回転角度(θx,θy,θz))を算出する。このとき、所定の位置は、例えば、磁気発生器が配置される位置とする。位置検出装置32は、算出した位置(x,y,z,θx,θy,θz)に関する位置情報を装置本体10へ送信する。
なお、上述のように取得した位置情報と超音波プローブ70から送受信された超音波の超音波画像データとを時刻同期などで対応付けることにより、超音波画像データに位置情報を付与することができる。
超音波プローブ70は、複数の圧電振動子、圧電振動子に設けられる整合層、及び圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ70は、装置本体10と着脱自在に接続される。複数の圧電振動子は、装置本体10が有する超音波送信回路11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ70には、後述するオフセット処理や、超音波画像のフリーズなどの際に押下されるボタンが配置されてもよい。
超音波プローブ70から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号(エコー信号)として超音波プローブ70が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して周波数偏移を受ける。超音波プローブ70は、被検体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。本実施形態においては、超音波プローブ70は、例えば、複数の圧電振動子が所定の方向に沿って配列された1Dアレイプローブ、複数の圧電振動子が二次元マトリックス状に配列された2Dアレイプローブ、又は圧電振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なメカニカル4Dプローブ等である。
図1に示される装置本体10は、超音波プローブ70が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、画像生成回路15、内部記録回路17、画像メモリ18(シネメモリ)、画像データベース19、入力インタフェース20、通信インタフェース21及び制御回路22を含む。
超音波送信回路11は、超音波プローブ70に駆動信号を供給するプロセッサである。超音波送信回路11は、例えば、トリガ発生回路、遅延回路、及びパルサ回路等により実現される。トリガ発生回路は、制御回路22の制御の下、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。遅延回路は、超音波プローブ70から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、トリガ発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。パルサ回路は、制御回路22の制御の下、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ70に駆動信号(駆動パルス)を印加する。遅延回路により各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向が任意に調整可能となる。
超音波受信回路12は、超音波プローブ70が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成するプロセッサである。超音波受信回路12は、例えば、アンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、及び加算器等により実現される。アンプ回路は、超音波プローブ70が受信した反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた複数のデジタル信号を加算する。加算器の加算処理により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調された受信信号が発生する。
Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、Bモードデータを生成するプロセッサである。Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に対して包絡線検波処理、及び対数増幅処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記録される。
ドプラ処理回路14は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、ドプラ波形、及びドプラデータを生成するプロセッサである。ドプラ処理回路14は、受信信号から血流信号を抽出し、抽出した血流信号からドプラ波形を生成すると共に、血流信号から平均速度、分散、及びパワー等の情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。生成されたドプラデータは、2次元的な超音波走査線上のドプラRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記録される。
画像生成回路15は、Bモード処理回路13、及びドプラ処理回路14により生成されたデータに基づき、各種超音波画像データを生成可能なプロセッサである。画像生成回路15は、不図示の内部メモリを備える。内部メモリは、特許請求の範囲に記載のメモリの一例である。位置センサ31が装着されている超音波プローブ70が1次元アレイプローブである場合、画像生成回路15は、例えばRAWデータメモリに記録されているBモードRAWデータ、又はドプラRAWデータに対し、位置検出装置32で算出された超音波プローブ70の位置情報を対応付ける。また、画像生成回路15は、RAW-ピクセル変換を実行することで、ピクセルから構成される2次元画像データ(以下、フレームデータと称する)を生成する。フレームデータは、予め設定されたフレームレートに従い、フレーム単位で生成される。フレームデータには、位置検出装置32で算出された超音波プローブ70の位置情報が対応付けられる。生成されたフレームデータは、フレーム単位で内部メモリに記録される。
また、画像生成回路15は、生成したフレームデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理等を実行することで、所望の範囲のボクセルから構成される3次元画像データ(以下、ボリュームデータと称する。)を生成する。なお、画像生成回路15は、RAWデータメモリに記録されているBモードRAWデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW-ボクセル変換を実行することで、ボリュームデータを生成してもよい。
位置センサ31が装着されている超音波プローブ70がメカニカル4次元プローブ(機械揺動方式の3次元プローブ)、又は2次元アレイプローブの場合も同様に、2次元のRAWデータ、2次元画像データ、及び3次元画像データに位置情報が対応付けられる。
また、画像生成回路15は、所望の走査位置で収集されるMモード画像、およびスペクトラムドプラ画像に、位置検出装置32で算出された超音波プローブ70の位置情報を対応付ける。また、画像生成回路15は、走査時の画質条件(画角、視野深度、視野角、preset、周波数、及び画像処理条件等)及び走査モード情報、計測画像及び計測結果、並びに、アプリケーション情報及び画像に、位置検出装置32で算出された超音波プローブ70の位置情報を対応付ける。
また、画像生成回路15は、例えば各種ボリュームデータに対してレンダリング処理を施し、レンダリング画像データを生成する。また、画像生成回路15は、各種ボリュームデータに対してMPR(Multi Planar Reconstruction)処理を施し、ボリュームデータにおける所定の断面画像(MPR画像)を表すMPR画像データを生成する。また、画像生成回路15は、発生した各種ボリュームデータに対してCurved MPR(Multi Planar Reconstruction)処理を施し、ボリュームデータにおける所定の曲断面画像を表す曲断面画像データを生成する。
また、画像生成回路15は、生成した各種超音波画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正及びRGB変換等の各種処理を実行してもよい。
なお、画像生成回路15は、操作者(例えば、術者)が入力インタフェース20により各種指示を入力するためのユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を生成し、GUIを表示機器50に表示させてもよい。表示機器50としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。表示機器50は、例えば報知部の機能を有する。
内部記録回路17は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。内部記録回路17は、超音波送受信を実現するための制御プログラム、画像処理を行うための制御プログラム、及び表示処理を行なうための制御プログラム等を記録している。また、内部記録回路17は、本実施形態に係る各種機能を実現するための制御プログラムを記録している。また、内部記録回路17は、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、ボディマーク生成プログラム、及び映像化に用いるカラーデータの範囲を診断部位ごとに予め設定する変換テーブルなどのデータ群を記録している。また、内部記録回路17は、生体内の臓器の構造に関する解剖学図譜、例えば、アトラスを記録してもよい。
また、内部記録回路17は、入力インタフェース20を介して入力される記録操作に従い、画像生成回路15で生成されたボリュームデータ、及びレンダリング画像データを記録する。なお、内部記録回路17は、入力インタフェース20を介して入力される記録操作に従い、画像生成回路15で生成したボリュームデータ、及びレンダリング画像データを、操作順番及び操作時間を含めて記録してもよい。内部記録回路17は、記録しているデータを、通信インタフェース21を介して外部装置へ転送することも可能である。
画像メモリ18は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。画像メモリ18は、入力インタフェース20を介して入力されるフリーズ操作直前の複数フレームに対応する画像データを保存する。画像メモリ18に記録されている画像データは、例えば、連続表示(シネ表示)される。
画像データベース19は、外部装置40から転送される画像データを記録する。例えば、画像データベース19は、過去の診察において取得された同一患者に関する過去画像データを、外部装置40から取得して記録する。過去画像データには、超音波画像データ、CT(Computed Tomography)画像データ、MR(Magnetic Resonance)画像データ、PET(Positron Emission Tomography)-CT画像データ、PET-MR画像データ及びX線画像データが含まれる。また、過去画像データは、例えば3次元ボリュームデータ、及びレンダリング画像データとして記録されている。
なお、画像データベース19は、MO、CD-R、DVDなどの記録媒体(メディア)に記録されている画像データを読み込むことで、所望の画像データを格納してもよい。
入力インタフェース20は、入力装置60を介して、操作者からの各種指示を受け付ける。入力装置60には、例えば、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、ダイヤルスイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、ロータリースイッチ、レバー、操作パネル及びタッチコマンドスクリーン(TCS)等が含まれる。
入力インタフェース20は、例えばバスを介して制御回路22に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御回路22へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース20は、マウス及びキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を無線信号として受け取り、この電気信号を制御回路22へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース20の例に含まれる。
通信インタフェース21は、位置センサシステム30と例えば無線により接続し、位置検出装置32から送信される位置情報を受信する。また、通信インタフェース21は、ネットワーク500等を介して外部装置40と接続され、外部装置40との間でデータ通信を行う。外部装置40は、例えば、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベース、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベース等である。また、外部装置40は、例えば、X線CT装置、及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、核医学診断装置、及びX線診断装置等、本実施形態に係る超音波診断装置1以外の各種医用画像診断装置である。なお、外部装置40との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、DICOMが挙げられる。
制御回路22は、例えば、超音波診断装置1の中枢として機能するプロセッサである。制御回路22は、内部記録回路17に記録されている動作プログラムを実行することで、この動作プログラムに対応する機能を実現する。具体的には、制御回路22は、記録制御機能221、画像処理機能223、表示制御機能225、及びシステム制御機能227を有する。
記録制御機能221は、画像生成回路15が備える内部メモリに記録される超音波画像データを管理する機能である。記録制御機能221が実行されると、制御回路22は、内部メモリを参照し、例えば内部メモリに記録されている超音波画像データの総量、又は内部メモリに記録されている最も古い超音波画像データが当該メモリに記録されている時間が所定の条件を満たしたか否か判定する。超音波画像データの総量は、例えば、超音波画像データのデータ容量で表される。また、超音波画像データの総量は、例えば超音波画像データの所定の生成レートを前提とした時間で表される。具体的には、超音波画像データの総量は、例えば「10フレーム/秒で生成された10秒分の超音波画像データ」のように表される。また、超音波画像データの総量は、二次元超音波画像データを構成する単位であるフレームの数(以下、フレーム数と称する)、及び三次元超音波画像データを構成する単位であるボリュームの数(以下、ボリューム数と称する)等で表される。
具体的には、制御回路22は、例えば内部メモリに記録されている超音波画像データの総量が所定の上限に達したか否か、又は内部メモリに記録されている超音波画像データのうち最も古い超音波画像データが当該内部メモリに記録されている時間が所定の上限に達したか否かを判定する。
制御回路22は、内部メモリに記録されている超音波画像データの総量、又は内部メモリに記録されている最も古い超音波画像データが当該メモリに記録されている時間が所定の条件を満たしていると判定した場合には、例えば内部メモリに記録されている超音波画像データを内部メモリに記録された時点が古い順に削除する。
画像処理機能223は、画像生成回路15が備える内部メモリに記録されている所定数の時相に対応する超音波画像データを用いてボリュームデータを生成する機能である。画像処理機能223が実行されると、制御回路22は、例えば、第1の数の時相に対応する超音波画像データが生成される度に、画像生成回路15を制御し、内部メモリを参照して第2の数の時相に対応する超音波画像データを取得する。内部メモリから取得される第2の数の時相に対応する超音波画像データには、最も新しく内部メモリに記録された超音波画像データが含まれることが好ましい。また、内部メモリから取得される第2の数の時相に対応する超音波画像データは、連続した第2の数の時相に対応する超音波画像データであることが好ましい。第1の数は、例えば1以上であり、第2の数は、例えば2以上(複数)である。1時相に対応する超音波画像データとは、例えば1のフレームに対応する超音波画像データであり、n(n=2以上の整数)時相に対応する超音波画像データとは、例えばnのフレームに対応する超音波画像データである。制御回路22は、取得した第2の数の時相に対応する超音波画像データ、及び当該各超音波画像データに対応付けられた超音波プローブ70の位置情報に基づいてボリュームデータを生成する。制御回路22は、生成したボリュームデータに対して所定のレンダリング処理を施し、レンダリング画像データを生成する。
表示制御機能225は、画像処理機能223により生成されたレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を表示する機能である。表示制御機能225が実行されると、制御回路22は、画像処理機能223により生成されたレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を表示機器50に表示する。
システム制御機能227は、超音波診断装置1の入出力等の基本動作を制御する機能である。システム制御機能227が実行されると、制御回路22は、例えば入力インタフェース20を介し、各種スキャンモードの入力を受け付ける。制御回路22は、受け付けたスキャンモードに応じ、各種超音波スキャンを実行し、各種超音波画像データを生成する。具体的には、制御回路22は、例えば、スキャンモードがBモードの場合、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、及び画像生成回路15を制御し、フレーム単位でBモード画像データを生成する。具体的には、制御回路22は、例えば、受け付けたスキャンモードがドプラモードの場合、超音波送信回路11、超音波受信回路12、ドプラ処理回路14、及び画像生成回路15を制御し、フレーム単位でドプラ画像データを生成する。
記録制御機能221、画像処理機能223、表示制御機能225、及びシステム制御機能227は、制御プログラムとして組み込まれていてもよいし、制御回路22自体または装置本体10に制御回路22が参照可能な回路として、各機能を実行可能な専用のハードウェア回路が組み込まれていてもよい。
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の動作について、図2、及び図3のフローチャートを参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る超音波診断装置1が内部メモリに対して入出力を行う際の制御回路22の動作の例を示すフローチャートである。図3は、本実施形態に係る超音波診断装置1が内部メモリに記録されている超音波画像データを参照し、ボリュームデータを生成する際の制御回路22の動作の例を示すフローチャートである。
まず、図2を参照し、実施形態に係る超音波診断装置1が内部メモリに対して入出力を行う際の制御回路22の動作について説明する。以下の説明では、超音波スキャンは、Bモードで行われるものとする。また、超音波プローブ70を用いて2次元走査範囲を1回Bモードスキャンすることにより得られる反射波信号から生成される超音波画像データを1のフレームに対応する超音波画像データ(Bモード画像データ)として取扱うものとする。また、超音波スキャンは、超音波プローブ70を被検体Pに当接させた状態で、一定の速度で所定の方向に向かって移動させる、すなわち掃引させることにより行われるものとする。このとき、各Bモード画像データに対応付けられる超音波プローブ70の位置情報は、それぞれ異なる位置を表す。なお、超音波プローブ70は、一定の速度で所定の方向に向かって移動されるのであれば、どのような方法で移動されてもよい。例えば、超音波プローブ70は、操作者により直接把持された状態で、手動で移動される。また、超音波プローブ70は、例えば機械的なアームに固定された状態で、入力インタフェース20に含まれるレバー等を介して超音波プローブ70を移動する移動指示が操作者から入力されることにより自動で移動されてもよい。また、超音波スキャン中に生成されるBモード画像データは、予め設定されたフレームレートに応じてフレーム単位で繰り返し生成され、画像生成回路15が備える内部メモリに記録されるものとする。また、予め設定される第1の数は1、第2の数は4であるものとする。また、所定の条件は、内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が所定の上限に達することであるものとする。なお、第1の数は、2以上であってもよい。また、第2の数は、1以上であれば任意の値を設定することが可能である。
図2において、制御回路22は、入力インタフェース20を介し、Bモードを開始する開始指示の入力がされると、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、及び画像生成回路15を制御し、超音波スキャンを開始する(ステップSA1)。
制御回路22は、超音波受信回路12において受信された反射波に基づき、超音波プローブ70の位置情報が対応付けられた1のフレームに対応するBモード画像データを生成する(ステップSA2)。
制御回路22は、生成した1のフレームに対応するBモード画像データを内部メモリに記録する(ステップSA3)。
制御回路22は、超音波スキャンを停止する停止指示が入力されたか否か判定する(ステップSA4)。
制御回路22は、超音波スキャンを停止する停止指示が入力されていないと判定した場合(ステップSA4のNo)、例えば内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が所定の上限値に達したか否か判定する(ステップSA5)。
制御回路22は、内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が所定の上限値に達したと判定した場合(ステップSA5のYes)、内部メモリから最も古いBモード画像データを削除する(ステップSA6)。最も古いBモード画像データは、例えば内部メモリに記録された時点が最も古い超音波画像データである。
制御回路22は、内部メモリから最も古いBモード画像データを削除した後、ステップSA2からステップSA4までの処理を実行する。
また、制御回路22は、内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が所定の上限値に達していないと判定した場合(ステップSA5のNo)、ステップSA2からステップSA4までの処理を実行する。
このように、制御回路22は、Bモードスキャン中の間、Bモード画像データを1フレーム生成する毎に、内部メモリに記録されるBモード画像データのフレーム数を所定の上限値以下に保つ。
次に、図3を参照し、超音波診断装置1が内部メモリに記録されている超音波画像データ(Bモード画像データ)を参照し、ボリュームデータを生成する際の制御回路22の動作について説明する。以下の説明では、超音波スキャンが開始される前に内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数はゼロであるものとする。
制御回路22は、超音波スキャンが開始されると、画像処理機能223を実行する。画像処理機能223の実行により制御回路22は、内部メモリを参照し、内部メモリに第1の数の時相に対応するBモード画像データ、1時相に対応するBモード画像データが追加記録されたか否か判定する(ステップSB1)。
制御回路22は、内部メモリに第1の数の時相に対応するBモード画像データが追加記録されたと判定した場合(ステップSA1のYes)、内部メモリに記録されている最新の第2の数の時相に対応するBモード画像データ、すなわち4時相に対応するBモード画像データを用いてボリュームデータを生成する(ステップSB2)。
図4は、本実施形態における制御回路22が内部メモリに記録されている超音波画像データ(Bモード画像データ)を用いてボリュームデータを生成する方法の例を説明するための図である。図4に示されるように、制御回路22は、記録制御機能221、及びシステム制御機能227を実行し、フレーム単位で、例えば、フレームデータF1、F2、F3、F4、F5、F6、及びF7の順で生成する。制御回路22は、生成したフレーム単位のBモード画像データを1フレーム生成する毎に内部メモリへ記録する。
一方、制御回路22は、画像処理機能223を実行し、第1の数の時相に対応するBモード画像データ、すなわち1のフレームに対応するBモード画像データが内部メモリに記録される毎に、内部メモリに記録されている最新の第2の数の時相に対応するBモード画像データ、すなわち4時相に対応するBモード画像データを用いてボリュームデータを生成する。例えば、制御回路22は、図4に示されるように、超音波画像データがフレームデータF4、F5、F6、及びF7の順で生成される毎に、ボリュームデータをボリュームデータV1、V2、V3、及びV4の順で順次生成する。具体的には、制御回路22は、フレームデータF4が内部メモリに記録されると、フレームデータF1、F2、F3、及びF4を用いてボリュームデータV1を生成する。制御回路22は、フレームデータF5が内部メモリに記録されると、フレームデータF2、F3、F4、及びF5を用いてボリュームデータV2を生成する。制御回路22は、フレームデータF6が内部メモリに記録されると、フレームデータF3、F4、F5、及びF6を用いてボリュームデータV3を生成する。制御回路22は、フレームデータF7が内部メモリに記録されると、フレームデータF4、F5、F6、及びF7を用いてボリュームデータV4を生成する。
なお、制御回路22は、内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が第2の数に満たない場合は、内部メモリに記録されている全てのBモード画像データを用いてボリュームデータを生成してもよい。また、制御回路22は、第1の数を超える数の時相に対応するBモード画像データが内部メモリに追加記録されている場合には、内部メモリに記録されているBモード画像データのうち、最新のBモード画像データから第2の数の時相に対応するBモード画像データを用いてボリュームデータを生成する。このとき、制御回路22は、少なくとも第1の数を超える超過数分の時相に対応するフレームデータについては、ボリュームデータの生成処理をスキップする。すなわち、制御回路22は、ボリュームデータに最新のフレームデータが含まれるように、少なくとも2時相に対応するフレームデータが生成される度にボリュームデータを生成する。具体的には、第1の数が1であるため、例えば3つの時相に対応するフレームデータが追加記録されていた場合、制御回路22は、2つの時相に対応するフレームデータについて、ボリュームデータの生成処理をスキップする。すなわち、制御回路22は、例えば、図4に示されるボリュームデータV1を生成した後、初めて内部メモリを参照した際に、内部メモリに3つの時相に対応するフレームデータF5、F6、及びF7が追加記録されていた場合、最新の4つの時相に対応するフレームデータF4、F5、F6、及びF7が含まれるように、ボリュームデータV4を生成する。このとき、制御回路22は、図4に示されるボリュームデータV2、及びボリュームデータV3を生成しない。また、制御回路22は、ボリュームデータV4の生成に、フレームデータF2、及びF3を用いない。このような処理は、例えばフレームデータの生成速度がボリュームデータの生成速度を上回る場合において、特に有効的である。
制御回路22は、ボリュームデータを生成した後、生成したボリュームデータに所定のレンダリング処理を施し、レンダリング画像データを生成する(ステップSB3)。
制御回路22は、生成したレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を表示機器50に表示する(ステップSB4)。
制御回路22は、超音波スキャンを停止する停止指示が入力されたか否か判定する(ステップSB5)。
制御回路22は、超音波スキャンを停止する停止指示が入力されていないと判定した場合(ステップSB5のNo)、再びステップSB1からステップSB5までの処理を実行する。
このように、制御回路22は、少なくとも第1の数の時相に対応するBモード画像データ、すなわち1のフレームに対応するBモード画像データが生成される毎に、ボリュームデータを生成する。さらに、制御回路22は、生成したボリュームデータに所定のレンダリング処理を施し、レンダリング画像データを生成し、生成したレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を表示機器50に表示する。
図5は、本実施形態に係る表示機器50に表示されるレンダリング画像の表示態様の例を表す図である。図5に示される矢印A1は、超音波プローブ70が掃引される方向を表している。図5によれば、レンダリング画像は、超音波プローブ70がA1の方向に掃引されるのに同期して、レンダリング画像VR11(時点t=t1)、VR12(時点t=t2)、VR13(時点t=t3)、VR14(時点t=t4)、VR15(時点t=t5)、及びVR16(時点t=t6)の順で表示機器50に順次表示される。例えば、時点t=t3までは、ボリュームデータの生成に用いられる超音波画像データのフレーム数は第2の数以下のため、表示されるレンダリング画像のA1の方向の幅は単調増加する。これにより、操作者は、超音波プローブの掃引が完了しなくても、掃引中にレンダリング画像を視認することができる。
一方、時点t=t4から時点t=t6までの間では、内部メモリに記録されているBモード画像データのフレーム数が第2の数を超えるために、表示されるレンダリング画像のA1の方向の幅は一定となる。すなわち、レンダリング画像のうち、最も新しい時点で内部メモリに記録されたBモード画像データに対応する領域が表示されるのと同時に、最も古い時点で記録されたBモード画像データに対応する領域が非表示となる。これにより、ボリュームデータ生成に用いられるBモード画像データのフレーム数を制限することができ、超音波スキャン中におけるボリュームデータの生成時間を短縮することができる。
なお、制御回路22は、表示されるレンダリング画像の輝度を古いBモード画像データに対応する領域から徐々に下げていき、最終的には消えるようにしてもよい。このとき、例えば、制御回路22は、生成したボリュームデータの一部であって、当該ボリュームデータの生成に用いられたフレームデータのうち古い時相に対応するフレームデータに対応する一部の輝度を下げ、当該一部の輝度が下げられたボリュームデータに対してレンダリング処理を施してレンダリング画像データを生成する。制御回路22は、生成したレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を表示機器50に表示する。図6は、本実施形態に係る表示機器50に表示されるレンダリング画像の表示態様の例を表す図である。図6に示される矢印A1は、超音波プローブ70が掃引される方向を表している。図6によれば、レンダリング画像は、超音波プローブ70がA1の方向に掃引されるのと同期して、レンダリング画像VR21(t=t1)、VR22(t=t2)、VR23(t=t3)、VR24(t=t4)、VR25(t=t5)、及びVR26(t=t6)の順で表示機器50に順次表示される。例えば、時点t=t3までは、所定の第1の輝度で表示されるレンダリング画像のA1の方向の幅は単調増加する。
一方、時点t=t4から時点t=t6までの間、制御回路22は、表示機器50に表示されるレンダリング画像の輝度を徐々に下げていく。例えば、制御回路22は、図6に示される時点t=t4では、例えば、ボリュームデータ生成時に、予め設定された第2の数を超える部分となったフレームデータに対応する領域R1に、第1の輝度より低い所定の第2の輝度を割り当てることによりレンダリング画像を表示する。すなわち、生成されたボリュームデータにおいて、時間的に古い、すなわち内部メモリに記録された時点が相対的に早いフレームデータに対応する一部の領域に割り当てる輝度を下げる。そして、制御回路22は、時点t=t4から時点t=t6までの間、領域R1に割り当てるレンダリング画像の輝度を徐々に下げていき、時点t=t6では、その輝度をゼロとする。さらに、制御回路22は、領域R2、及びR3についても、領域R1と同様に、領域R2、及びR3に割り当てる輝度を、対応するフレームデータが内部メモリに記録された順に徐々に下げていく。これにより、表示機器50を視認する操作者に対し、表示されるレンダリング画像のうち消える領域を予め報知することが可能となる。
また、制御回路22は、レンダリング画像とともに、表示されているレンダリング画像を説明するための付加情報を表示してもよい。付加情報には、例えば超音波による受信データが収集されている時間(期間)であって、基準時点からの経過時間が含まれる。基準時点は、例えば、超音波による受信データの収集が開始される時点である。また、付加情報には、レンダリング画像の表示に関するタイムウィンドウが含まれる。制御回路22は、基準時点からの経過時間を、例えば超音波診断装置1にインストールされているOS(Operating System)のシステムクロックにより計測して取得する。なお、制御回路22は、基準時点からの経過時間を、内部メモリに記録されているフレーム数、及び、フレームレートに基づいて算出して取得してもよい。なお、制御回路22は、超音波による受信データの収集が終了する予定の時点からの残り時間を、基準時点からの経過時間に代えて、又は当該基準時点からの経過時間と共に表示機器50に表示してもよい。図7は、本実施形態に係る表示機器50に表示されるレンダリング画像の表示態様の例を表す図である。図7に示される矢印A1は、超音波プローブ70が掃引される方向を表している。図7によれば、レンダリング画像は、超音波プローブ70がA1の方向に掃引されるのと同期して、レンダリング画像VR31(t=t1)、VR32(t=t2)、VR33(t=t3)、VR34(t=t4)、VR35(t=t5)、及びVR36(t=t6)の順で表示機器50に順次表示される。また、図7によれば、制御回路22は、レンダリング画像に加えて、付加情報を表示している。
具体的には、図7において、制御回路22は、レンダリング画像の表示に関するタイムウィンドウが「20sec(秒)」である旨を表示している。このとき、制御回路22は、図7に示されるように、表示機器50に表示されるレンダリング画像のA1の方向の幅が最大「20sec」に対応する幅になるように、レンダリング画像データに基づくレンダリング画像の表示を制御する。制御回路22は、例えば、少なくとも時点t=t3から時点t=t5までの間、「20sec」に対応するA1の方向の幅を有するレンダリング画像を表示機器50に表示する。また、図7に示されるように、制御回路22は、超音波による受信データが収集されている時間であって、超音波による受信データの収集が開始された時点からの経過時間を、2sec(t=t1)、10sec(t=t2)、20sec(t=t3)、30sec(t=t4)、40sec(t=t5)、及び50sec(t=t6)の順に表示している。これにより、操作者は、超音波による受信データの収集状況、及び表示されるレンダリング画像のA1の方向の幅等について、より詳しく把握することが可能となる。
本実施形態によれば、制御回路22は、システム制御機能227を実行し、超音波プローブ70介して超音波を受信することで収集された受信データに基づいて、Bモード画像データを繰り返し生成する。制御回路22は、順次生成されたBモード画像データを画像生成回路15が備える内部メモリに記録し、内部メモリに記録されているBモード画像データの総量、又は内部メモリに記録されている最も古いBモード画像データが内部メモリに記録されている時間が所定の条件を満たす度に、内部メモリに記録されているBモード画像データを古い順に削除する。制御回路22は、1フレームのBモード画像データが内部メモリに追加記録される度に、内部メモリに記録されている複数の時相に対応するBモード画像データを用いて、ボリュームデータを生成する。制御回路22は、生成したボリュームデータに対して、順次、レンダリング処理を施すことで、レンダリング画像データを生成する。制御回路22は、表示制御機能225を実行し、生成したレンダリング画像データに基づくレンダリング画像を、順次、表示機器50に表示する。
これにより、操作者は、超音波プローブの掃引が完了しなくても、掃引中にレンダリング画像を視認することができ、期待通りのレンダリング画像が表示されていなければ即座に超音波スキャンのやり直しをすることができる。
したがって、ボリュームデータを用いた超音波画像診断を効率化することが可能となる。
[その他の変形例]
上記実施形態では、制御回路22は、表示機器50にレンダリング画像を単独で表示していたがこれに限られない。すなわち、制御回路22は、他に当該レンダリング画像に関連する画像データに基づく画像を合わせて表示してもよい。図8は、その他の実施例に係る表示機器50に表示されるレンダリング画像の表示態様の例を表す図である。図8によれば、表示領域R41には、超音波スキャン中にリアルタイムにライブ画像として表示される超音波画像が表示されている。表示領域R42には、例えば、表示されるレンダリング画像を構成するボリュームデータから生成されたMPR画像のうち、B面に対応するMPR画像が表示されている。表示領域R43には、例えば、表示されるレンダリング画像を構成するボリュームデータから生成されたMPR画像のうち、C面に対応するMPR画像が表示されている。表示領域R44には、レンダリング画像がライブ画像表示されている。表示領域R44に表示されるレンダリング画像は、画面奥側から手前側に向けて徐々に更新される。これにより、操作者は、期待通りのレンダリング画像が表示されているか否かをより確実に判断することが可能となる。
また、上記実施形態では、制御回路22は、Bモード画像データを用いてボリュームデータを生成していたがこれに限定されない。制御回路22は、例えば、Bモード画像データ、及び、カラードプラ画像データを用いてボリュームデータを生成してもよい。カラードプラ画像データは、カラードプラモードにおいてパルス波を用いて収集された血流情報に色が割り当てられた画像データである。また、制御回路22は、カラードプラ画像データのみを用いてボリュームデータを生成してもよい。さらに、制御回路22は、例えば組織性状イメージングモード(弾性イメージングモード、粘性イメージングモード、減衰イメージングモード)、CHI(Contrast Harmonic Imaging)モード、及びTHI(Tissue Harmonic Imaging)モード等の他のイメージングモードにより取得される各種超音波画像データを用いてボリュームデータを生成してもよい。
また、上記実施形態では、制御回路22は、生成したボリュームデータの一部であって、当該ボリュームデータの生成に用いられたフレームデータのうち古い時相に対応するフレームデータに対応する一部の輝度を下げ、当該一部の輝度が下げられたボリュームデータに対してレンダリング処理を施すようにしていた。しかしながら、輝度を下げるタイミングはこれに限定されない。例えば、制御回路22は、ボリュームデータを生成する前に、複数の時相に対応する画像データのうち古い時相に対応する画像データの輝度を下げてもよい。また、制御回路22は、生成したレンダリング画像の一部であって、ボリュームデータの生成に用いられたフレームデータのうち古い時相に対応するフレームデータに対応する一部の輝度を下げて、当該一部の輝度が下げられたレンダリング画像を表示してもよい。
また、上記実施形態において、制御回路22は、入力インタフェース20を介して超音波画像のフリーズを指示するフリーズ指示が入力された場合等、断面の連続性が失われたと判断可能な場合に、ボリュームデータの生成を中止し、表示機器50に表示されるレンダリング画像をリセットしてもよい。このとき、制御回路22は、連続性が失われた時点より後に生成された超音波画像データを用いてボリュームデータの生成を再開する。
また、上記実施形態では、制御回路22は、予め設定された第2の数に基づいて、ボリュームデータの生成及び表示をしていたがこれに限定されない。例えば、制御回路22は、入力インタフェース20に含まれるロータリースイッチ等を介し、第2の数を変更する変更指示を受け付けてもよい。すなわち、制御回路22は、ボリュームデータの生成に用いる超音波画像データの総量を変更する変更指示を受け付ける。なお、制御回路22は、レンダリング画像の表示に関するタイムウィンドウを変更する変更指示を受け付けてもよい。
また、上記実施形態では、制御回路22は、Bモード画像データ、又はドプラ画像データ等のRAW-ピクセル変換後の超音波画像データを用いて、ボリュームデータを生成していたがこれに限定されない。制御回路22は、例えば、BモードRAWデータ、又はドプラRAWデータ等のRAW-ピクセル変換前の2次元のRAWデータを用いて、ボリュームデータを生成してもよい。このとき、制御回路22は、RAWデータメモリに記録された2次元のRAWデータ1つを1フレームとしてフレーム単位で管理する。制御回路22は、RAWデータメモリに記録された2次元のRAWデータが所定の条件を満たす場合に古いものから順にデータの削除等を行う。また、制御回路22は、RAWデータメモリに記録されている2次元のRAWデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW-ボクセル変換を実行することにより、ボリュームデータを生成する。
また、上記実施形態では、制御回路22は、位置センサシステム30により取得された超音波プローブ70の位置情報をフレーム単位で生成される超音波画像データに対応付けして、位置情報が対応付けられた超音波画像データを用いてボリュームデータを生成していたがこれに限定されない。制御回路22は、例えば、入力インタフェース20を介し、超音波プローブ70の動作、例えば初期位置、掃引(移動)方向、及び移動速度を予め把握する。制御回路22は、把握した超音波プローブ70の初期位置、掃引方向、及び移動速度に基づいてフレーム単位で生成される超音波画像データそれぞれの位置情報を算出する。制御回路22は、算出した位置情報を対応する超音波画像データにそれぞれ対応付ける。制御回路22は、位置情報が対応付けられた第2の数の時相に対応する超音波画像データを用いてボリュームデータを生成する。これにより、位置センサシステム30から超音波プローブ70の位置情報を取得しなくても、超音波スキャン中に、リアルタイムにボリュームデータを生成することが可能となる。
また、上記実施形態では、フレーム単位の超音波画像データを用いてボリュームデータを生成していたがこれに限定されない。例えば、制御回路22は、システム制御機能227を実行し、生成時の時刻を表す時間情報が付加された3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)をボリューム単位で生成する。制御回路22は、記録制御機能221を実行し、生成されたボリュームデータを画像生成回路15が備える内部メモリに記録する。制御回路22は、内部メモリに記録したボリュームデータを内部メモリに記録されているボリューム数、又は、内部メモリに記録されてからの経過時間等に基づいて管理する。一方、制御回路22は、画像処理機能223を実行し、内部メモリに記録されている複数のボリュームデータに対し、時間情報を加味した補間処理等を実行することで、4次元の超音波画像データを生成する。4次元の超音波画像データは、例えば3次元の超音波画像データに基づく画像が時系列に配列された画像データであり、動画として参照可能な画像データである。このとき、超音波プローブ70としては、3次元走査が可能な2Dアレイプローブ、又はメカニカル4Dプローブ等が用いられる。
また、上記実施形態では、制御回路22が備える各機能について超音波診断装置を前提として説明したがこれに限定されない。例えば、光超音波診断装置に制御回路22が備える各機能が実装されてもよい。光超音波診断装置は、被検体の体内の所定の部分に対して外部からパルス状の赤外光をあて、当該部分において超音波の発信を促し、超音波プローブを介して、当該発信された超音波を受信することで受信データを収集し、当該受信データに基づいて、光超音波画像データを生成する装置である。
また、上記実施形態において、制御回路22は、超音波による受信データを収集している間、超音波による受信データを収集していない場合と比して、ボリュームデータを生成する過程において施される画像処理の一部を省略するようにしてもよい。例えば、制御回路22は、超音波プローブ70の掃引に合わせて超音波スキャンが実行されている間、図3に示されるステップSB2において、ボリュームデータ生成に必要な画像処理の一部、例えば補間処理等の一部を省略する。これにより、ボリュームデータ生成の処理負荷を下げることができ、超音波スキャン中にボリュームデータをリアルタイムに生成することが可能となる。なお、制御回路22は、例えば超音波スキャン終了後に、画像生成回路15が備える内部メモリに記録されている第2の数の時相に対応するフレームデータに対し、ボリュームデータの生成に必要な全ての画像処理を施してボリュームデータを生成してもよい。このとき、制御回路22は、生成されたボリュームデータにより高画質なレンダリング画像を表示し直すことができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記録回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。