JP7086529B2 - 分散体、好ましくはエマルション、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物 - Google Patents

分散体、好ましくはエマルション、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物 Download PDF

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Description

本発明は、分散体の形態、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物に関する。
エマルションの形態の組成物は、W/O、O/W、W/O/W及びO/W/O等の種々の形態をとることができる。大抵の場合、エマルション形態を安定化するために乳化剤又は界面活性剤が必須である。しかしながら、乳化剤には皮膚への刺激等の潜在的な問題がある。
Pickeringは、粉末粒子で安定化したエマルションについて報告した(J. Chem. Soc. 1907年、第91巻、2001頁)。これ以来、粉末粒子によって安定化され、界面活性剤を全く含有しない、又は界面活性剤を少量のみしか含有しないピッカリングエマルションと呼ばれるエマルションが幾つか提案されている。例えば、WO 98/42300は粒子径が200nm未満で、シリコーン等で被覆されている微粒子を含むピッカリングエマルションを開示している。
しかしながら、このようなピッカリングエマルションは安定性が損なわれている場合があり、したがって、ピッカリングエマルションを安定化させる新規な設計が所望されている。加えて、このようなピッカリングエマルションの化粧料用途には、特に、エマルションが、べとつきがちな有機UVフィルターを含む場合、皮膚等のケラチン物質に塗布されているときに良好な触感が必要である。更に、ピッカリングエマルションが有機UVフィルターを含む場合、有機UVフィルターによる有効なUV遮蔽効果をもたらし得ることが望ましい。
WO 98/42300 FR 0 853 634 EP-A-0 955 039 US 2004-175 338 米国特許第5,246,694号 US 2004/0180011 米国特許第7,470,725号 USP 5240975 EP-669,323 米国特許第2,463,264号 米国特許第5,237,071号 米国特許第5,166,355号 GB-2,303,549 DE-197,26,184 EP-893,119 WO 93/04665 DE-19855649 EP 669 323 US 2,463,264 US 4 077 441 US 4 850 517
J. Chem. Soc. 1907年、第91巻、2001頁 C.M. Hansen、「The three dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol、39巻、105頁(1967年) Brinker C. J.及びScherer G. W.、Sol-Gel Science、New York、Academic Press、1990年 The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月 国際規格ISO 5794/1(附属書D) Van de Hulst、H. C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、New York、1957年 Standard NF T 30-022 B.L. Diffey、J. Soc. Cosmet. Chem. 第40巻、127~133頁、(1989年)
本発明の目的は、少なくとも1種の有機UVフィルターを含む、分散体の形態、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物であって、界面活性剤を全く含まない又は界面活性剤を極めて少量しか含まない場合でも、安定していることが可能であり、良好な触感を付与することができ、高いUV遮蔽効果を有し得る組成物を提供することである。
上記の本発明の目的は、分散体の形態、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物であって、
(a)連続相、
(b)成分(c)とも(d)とも異なる、(a)連続相中の少なくとも1つの分散相、
(c)少なくとも1つの式(R)SiO3/2[式中、Rは、三官能性単位によって独立に、炭化水素系基及びヒドロキシル基から選ばれるが、但し、少なくとも1つのRは炭化水素系基である] の三官能性単位を含む、少なくとも1種のシリコーン樹脂を含む、少なくとも1種の第1の水不溶性粒子、並びに
(d)疎水性シリカを含む少なくとも1種の第2の水不溶性粒子
を含み、
(e)少なくとも1種の有機UVフィルターを更に含み、
任意選択により、少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して1質量%以下の量で含む、
組成物によって実現することができる。
本発明による組成物の(a)連続相は、少なくとも1種の脂肪物質を含んでもよく、本発明による組成物の(b)分散相は、水を含んでもよい。
脂肪物質は室温及び大気圧下で液体の形態であってもよい。
脂肪物質は極性油から選択することができる。
極性油は、C12~C15アルコールベンゾエート、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸2-フェニルエチル、サリチル酸ブチルオクチル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ジカプリリルエーテル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、トリメリト酸トリデシル、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上とすることができる。
シリコーン樹脂は、少なくとも1種のポリアルキルシルセスキオキサン、好ましくは少なくとも1種のポリメチルシルセスキオキサンを含んでもよい。
本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01~20質量%、好ましくは0.05~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%とすることができる。
疎水性シリカはシリル化シリカとすることができる。
本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01~20質量%、好ましくは0.05~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%とすることができる。
本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下とすることができる。
(e)有機UVフィルターは、親油性又は油溶性の有機UVフィルターとすることができる。
(e)有機UVフィルターは、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ベンゾフェノン-3、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、4-メチルベンジリデンカンファー、ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[4-[5-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルイミノ]-6-[(2-エチルヘキシル)イミノ]-1,3,5-トリアジン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(e)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下とすることができる。
本発明はまた、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、ケラチン物質の美容方法にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、分散体の形態、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の組成物であって、当該組成物が界面活性剤を全く含まない又は界面活性剤を極めて少量しか含まない場合でも、安定していることが可能であり、良好な触感を付与することができ、高いUV遮蔽効果を有し得る組成物を提供することが可能であることを発見した。
したがって、本発明による組成物は、分散体の形態、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態であって、
(a)連続相、
(b)成分(c)とも(d)とも異なる、(a)連続相中の少なくとも1つの分散相、
(c)少なくとも1つの式(R)SiO3/2[式中、Rは、三官能性単位によって独立に、炭化水素系基及びヒドロキシル基から選ばれるが、但し、少なくとも1つのRは炭化水素系基である] の三官能性単位を含む、少なくとも1種のシリコーン樹脂を含む、少なくとも1種の第1の水不溶性粒子、並びに
(d)疎水性シリカを含む少なくとも1種の第2の水不溶性粒子
を含み、
当該組成物は、(e)少なくとも1種の有機UVフィルターを更に含み、
当該組成物は、任意選択により、少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して1質量%以下の量で含む。
本発明は、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態、更により好ましくはW/Oピッカリングエマルションの形態の分散体を調製するための、(c)第1の水不溶性粒子及び(d)第2の水不溶性粒子の使用を特徴とすることができる。
(c)第1の水不溶性粒子及び(d)第2の水不溶性粒子は、(a)連続相と(b)分散相との間の界面に存在することができる。
本発明による組成物は、界面活性剤を全く含まない又は界面活性剤を極めて少量しか含まない場合でも、優れた効果を有し得る。
例えば、本発明による組成物は、調製直後だけでなく、長期間にわたり様々な温度条件下においてさえも、安定していることが可能である。
更に、本発明による組成物は、べとつかない皮膚感触等の良好な触感を付与することができる。
更に、本発明による組成物は高いUV遮蔽効果を有し得る。
加えて、本発明による組成物は、界面活性剤を全く含まない又は界面活性剤を少量のみしか含まないため、皮膚を刺激する等の任意の不利点を回避又は低減することができる。
通常、ピッカリングエマルションには、少なくとも1種の両親媒性物質で表面処理されている水不溶性粒子が必要である。しかしながら、本発明は、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態の分散体を形成するためにそのような粒子を使用する必要はない。
以下に、本発明による組成物を更に詳しく説明することにする。
[組成物]
(分散体の形態)
本発明による組成物は、(a)連続相及び(b)少なくとも1つの分散相を含む。(b)分散相は(a)連続相の中に存在する。(b)分散相は、(c)第1の水不溶性粒子とも(d)第2の水不溶性粒子とも異なり、この両者については後で説明することにする。
(a)連続相が油性相であり、(b)分散相が水性相である場合、これはW/Oエマルションの形態である。一方、(a)連続相が水性相であり、(b)分散相が油性相である場合、これはO/Wエマルションの形態である。
本発明による組成物はW/Oエマルションの形態であることが好ましい。この好ましい実施形態では、通常、(a)連続相は少なくとも1種の脂肪物質を含み、(b)分散相は水を含む。
「W/Oエマルション」又は「油中水エマルション」という用語は、連続油性相(少なくとも1種の脂肪物質が含まれる)と、前記油性相中に分散された液滴の形態の水性相とを含む、肉眼で見て均質な、任意の組成物を意味する。
本発明による組成物はピッカリングエマルションの形態であることが一層好ましい。本発明による組成物はW/Oピッカリングエマルションの形態であることが更に一層好ましい。
(脂肪物質)
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で水に不溶性(溶解度が5質量%未満、好ましくは1質量%未満、更により好ましくは0.1質量%未満)である有機化合物を意味する。脂肪物質は、その構造の中に、連続した少なくとも2つのシロキサン基、又は少なくとも6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの炭化水素系鎖を含有することができる。加えて、脂肪物質は、同じ温度及び圧力条件下で、有機溶媒、例えば、クロロホルム、エタノール、ベンゼン又はデカメチルシクロペンタシロキサンに可溶性であってもよい。
本発明によれば、2種以上の脂肪物質を組み合わせて使用することができる。このため、単一の種類の脂肪物質、又は異なる種類の脂肪物質の組合せを使用することができる。脂肪物質は、後で説明する親油性又は油溶性のUVフィルターから選択することができる。
脂肪物質は、液体の形態でも固体の形態でもよい。ここで、「液体」及び「固体」とは、それぞれ、室温(25℃)、大気圧(760mmHg又は105Pa)下で、脂肪物質が液体若しくはペースト(非固体)又は固体の形態であることを意味する。脂肪物質は、室温及び大気圧下で、液体若しくはペーストの形態、より好ましくは液体の形態であることが好ましい。
脂肪物質は、動物起源又は植物起源の油、鉱油、合成グリセリド、動物油又は植物油及び合成グリセリド以外の脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸、シリコーン油、及び脂肪族炭化水素からなる群から選択することができる。これらの脂肪物質は、揮発性でも不揮発性でもよい。好ましくは、脂肪物質は、脂肪族炭化水素、植物油、脂肪族アルコール、動物油若しくは植物油及び合成グリセリド以外の脂肪酸エステル、又はこれらの混合物から、より好ましくは脂肪族炭化水素から選択することができる。
脂肪族炭化水素の例としては、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば鉱油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム及びナフタレン等;イソエイコサン、ポリデセン、水添ポリイソブテン類、例えばParleam、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
他の脂肪族炭化水素の例としては、直鎖状若しくは分枝状、又は場合により環状のC6~C16低級アルカンも挙げることができる。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、並びにイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカンが含まれる。
合成グリセリドの例としては、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearinerie Dubois社により販売されているもの、又はDynamit Nobel社によりMiglyol(登録商標)810、812及び818の名称で販売されているものを挙げることができる。
シリコーン油の例としては、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
植物油の例としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アプリコット油、ダイズ油、アララ(arara)油、ヘーゼルナッツ油、コーン油、ミンク油(mink oil)、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ブドウ種子油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例としては、例えば、スクワレン、ペルヒドロスクワレン及びスクワランを挙げることができる。
上記の動物油又は植物油及び合成グリセリドとは異なるのが有利である、脂肪酸及び/又は脂肪族アルコールのエステルの例としては、とりわけ、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族一酸又はポリ酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族一価又は多価アルコールとのエステルを挙げることができ、エステルの総炭素数は、10以上である。
モノエステルの中では、ベヘン酸ジヒドロアビエチル、ベヘン酸オクチルドデシル、ベヘン酸イソセチル、乳酸セチル、乳酸C12~C15アルキル、乳酸イソステアリル、乳酸ラウリル、乳酸リノレイル、乳酸オレイル、オクタン酸(イソ)ステアリル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、オクタン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソステアリル、アセチルリシノール酸メチル、ステアリン酸ミリスチル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、エルカ酸オクチルドデシル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸エチル及びパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル又はミリスチン酸ステアリル等、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、並びにラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
更に、これの変形形態と関連して、C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1~C22アルコールとのエステル、及びモノ-、ジ-又はトリカルボン酸とC2~C26のジ-、トリ-、テトラ-又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用することができる。
特に以下を挙げることができる:セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオクチル、ウンデシレン酸グリセリル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、モノリシノール酸ペンタエリスリチル、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル、テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、エルカ酸トリデシル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール、及びジステアリン酸ポリエチレングリコール。
上記のエステルの中では、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル又はパルミチン酸ステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル若しくはミリスチン酸2-オクチルドデシル等、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル若しくはステアリン酸イソブチル、リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル又はオクタン酸セチルを使用することが好ましい場合がある。
本発明による組成物はまた、脂肪酸エステルとして、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを含むこともできる。「糖」という用語は、幾つかのアルコール官能基を含有し、アルデヒド官能基又はケトン官能基を含み、又は含まず、少なくとも4個の炭素原子を含有する、酸素を担持する炭化水素系化合物を意味することを想起されたい。これらの糖は、単糖でもオリゴ糖でも多糖でもよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにこれらの誘導体、特に、メチル誘導体等のアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、前述の糖と、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸とのエステル又はエステル混合物を含む群から選ぶことができる。脂肪酸が不飽和の場合、これらの化合物は1~3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
この変形形態によるエステルはまた、モノ-、ジ-、トリ-、テトラエステル及びポリエステル、並びにこれらの混合物から選ぶこともできる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えば、特に、オレオ-パルミチン酸混合エステル、オレオ-ステアリン酸混合エステル及びパルミト-ステアリン酸混合エステルから選ぶことができる。
モノエステル及びジエステル、特に、スクロース、グルコース又はメチルグルコースの、モノ-又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルを使用することが一層好ましい場合がある。
挙げることができる例は、Amerchol社によりGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
やはり挙げることができる糖と脂肪酸とのエステル又はエステル混合物の例には、以下のものが含まれる。即ち、
- Croda, Inc.社によりCrodesta F160、F140、F110、F90、F70及びSL40の名称で販売されている製品で、それぞれ、モノエステル73%並びにジエステル及びトリエステル27%から、モノエステル61%並びにジエステル、トリエステル及びテトラエステル39%から、モノエステル52%並びにジエステル、トリエステル及びテトラエステル48%から、モノエステル45%並びにジエステル、トリエステル及びテトラエステル55%から、モノエステル39%並びにジエステル、トリエステル及びテトラエステル61%から形成された、各パルミトステアリン酸スクロース、並びにモノラウリン酸スクロースを示すもの、
- Ryoto Sugar Esterの名称で販売されている製品で、例えば、参照番号B370の、モノエステル20%及びジ-、トリ-、ポリエステル80%から形成されたベヘン酸スクロースに相当するもの、
- Goldschmidt社によりTegosoft(登録商標)PSEの名称で販売されているモノ-ジパルミト-ステアリン酸スクロース。
脂肪物質は少なくとも1種の脂肪酸とすることができ、2種以上の脂肪酸を使用することができる。脂肪酸は、酸性形態(即ち、石けんになるのを回避するため、塩の形態でない)とするべきであり、飽和でも不飽和でもよく、6~30個の炭素原子、特に9~30個の炭素原子を含有していてもよく、任意選択により、特に1つ又は複数のヒドロキシル基(特に1~4つ)で置換されている。脂肪酸が不飽和の場合、これらの化合物は1~3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。脂肪酸は、より特定すると、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びイソステアリン酸から選ばれる。好ましくは、脂肪物質は脂肪酸ではない。
脂肪物質は、少なくとも1種の脂肪族アルコールとすることができ、2種以上の脂肪族アルコールを使用することができる。
「脂肪族アルコール」という用語は、本明細書において、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、任意のC8~C30脂肪族アルコールを意味し、これは、特に1つ又は複数のヒドロキシル基(特に1~4つ)で任意選択により置換されている。脂肪族アルコールが不飽和の場合、これらの化合物は1~3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を含むことができる。
C8~C30脂肪族アルコールの中で、例えば、C12~C22脂肪族アルコールを使用することができる。これらの中で、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、リノレニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキドニルアルコール及びエルシルアルコール、並びにこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、又はこれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)、及びミリスチルアルコールを、固体状の脂肪物質として使用することができる。別の実施形態では、イソステアリルアルコールを、液状の脂肪物質として使用することができる。
脂肪物質はワックスとすることができる。本明細書において「ワックス」とは、脂肪物質が室温(25℃)で大気圧(760mmHg)下にて実質的に固体の形態であり、一般に35℃以上の融点を有するものを意味する。ワックス状脂肪物質として、一般に化粧品に使用されるワックスを、単独で、又は組み合わせて使用することができる。
例えば、ワックスは、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ホホバ油、ポリエチレンワックス、例えばNew Phase Technologies社により「Performalene 400 Polyethylene」の名称で販売されているワックス、シリコーンワックス、例えばGoldschmidt社により「Abil Wax 9810」の名称で販売されている製品等のポリ(C24~C28)アルキルメチルジメチルシロキサン、パーム脂、Koster Keunen社により「Kester Wax K82H」の名称で販売されているステアリン酸C20~C40アルキル、安息香酸ステアリル、セラックワックス、及びこれらの混合物から選ぶことができる。例えば、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オゾケライト、水添ホホバ油及びポリエチレンワックスから選ばれるワックスを使用することができる。少なくとも一実施形態では、ワックスは、キャンデリラワックス及びオゾケライト、並びにこれらの混合物から選ばれるのが好ましい。
脂肪物質は極性油から選択されることが好ましい。
「極性油」という用語は、25℃で、分散相互作用に特徴的な溶解度パラメーターδdが16を超え、極性相互作用に特徴的な溶解度パラメーターδpが厳密に0を超える、任意の親油性化合物を意味する。溶解度パラメーターδd及びδpは、ハンセン分類に従って定義される。例えば、これらの極性油は、エステル、トリグリセリド及びエーテルから選ぶことができる。
ハンセン3次元溶解度空間の溶解度パラメーターの定義及び計算は、論文C.M. Hansen、「The three dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol、39巻、105頁(1967年)に記載されている。
このハンセン空間によれば、
- δdは、分子的影響中に誘起される双極子の形成から生じるロンドン分散力を特徴づけ、
- δpは、永久双極子間のデバイ相互作用力、更に誘起双極子と永久双極子との間のケーソム相互作用力を特徴づけ、
- δhは、特定の相互作用力(例えば水素結合、酸/塩基、ドナー/アクセプター等)を特徴づけ、
- δaは、式:δa=(δp 2h 2)1/2によって求められる。パラメーターδp、δh、δd及びδaは、(J/cm3)1/2で表される。
極性油は、揮発性又は不揮発性の炭化水素系油とすることができる。
これらの油は、植物起源でも鉱物起源でも合成起源でもよい。
「極性炭化水素系油」という用語は、炭素原子及び水素原子、並びに任意選択により酸素原子及び窒素原子から実質的に形成されている、又はこれらによって構成されてさえいるが、ケイ素原子もフッ素原子も一切含有しない油を意味する。極性炭化水素系油は、アルコール基、エステル基、エーテル基、カルボン酸基、アミン基、及び/又はアミド基を含有していてもよい。
優先的には、本発明による極性油は、25℃及び大気圧で、10mN/mを超える表面張力を有する。
表面活性は、デュヌイリング法を使用して、静的な張力測定法によって測定される。
測定の原理は以下の通りである(25℃及び大気圧で実施される測定)。
リングの質量を風袋によって中立化する。リングを評価前の液体に完全に浸漬させ、次いで力が最大になるまで極めてゆっくり引き出す。この最大力Fmaxから、表面張力を式:
σ = Fmax / 4πR fcorr (r、R,ρ)
(式中、fcorrは、リングのジオメトリー及び密度ρに依存するリングの補正係数である)に従って計算する。
パラメーターr及びRは、それぞれリングの内半径及び外半径を表す。
第1の実施形態によれば、極性油は不揮発性油とすることができる。特に、不揮発性極性油は以下の油の列挙、及びそれらの混合物から選ぶことができる:
- 炭化水素系極性油、例えばフィトステリルエステル、例えば、オレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル及びラウロイルグルタミン酸フィトステリル/オクチルドデシル(味の素株式会社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、特にC4~C36、特にC18~C36の範囲の鎖長を有し得る脂肪酸のトリグリセリド、これらの油は場合により直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和である;これらの油は、特に、ヘプタン酸トリグリセリド又はオクタン酸トリグリセリド、コムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油(820.6g/mol)、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア脂油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、アブラナ種子油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ペポカボチャ油、クロフサスグリ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイ油、トケイソウ油又はマスクローズ油;シア脂;又は代わりにカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearinerie Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)の名称で販売されているものとすることができる、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、例えばジカプリリルエーテル、
- 式RCOOR'(式中、RCOOは2~40個の炭素原子を含むカルボン酸残基を表し、R'は1~40個の炭素原子を含有する炭化水素系鎖を表す)の炭化水素系エステル、例えば、オクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル又はイソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタン酸エステル、特にヘプタン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸若しくはリシノール酸アルコール若しくは多価アルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、4-ジヘプタン酸及びパルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、2-ジエチルヘキサン酸プロピレングリコール、並びにこれらの混合物、C12~C15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル及びイソノナン酸オクチル、エルカ酸オレイル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、ベヘン酸イソステアリル、並びにミリスチン酸ミリスチル、
- 不飽和脂肪酸ダイマー及び/又はトリマーとジオールとの縮合により得られるポリエステル、例えば特許出願FR 0 853 634に記載されているもの、特に、例えばジリノール酸と1,4-ブタンジオールとの縮合により得られるポリエステル。この点に関して、Biosynthis社によりViscoplast 14436H[INCI名:(ジリノール酸/ブタンジオール)コポリマー]の名称で販売されているポリマー、又はポリオールとダイマー化二酸とのコポリマー及びそのエステル、例えばHailuscent ISDAを特に挙げることができる、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えばテトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、
- 12~26個の炭素原子を含有する脂肪族アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール、
- C12~C22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、並びにこれらの混合物、
- 任意選択により一部が炭化水素系及び/又はシリコーン系のフッ素化油、
- 12~26個の炭素原子を含有する脂肪酸、例えばオレイン酸、
- 2つのアルキル鎖が場合により同一である又は異なっている炭酸ジアルキル、例えばCognis社によりCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、並びに
- 高分子量、例えば400から10,000g/molの間、特に650から10,000g/molの間の不揮発性油、例えば:
i)ビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/1-ヘキサデセンコポリマー、アイエスピー・ジャパン株式会社により販売又は製造されているAntaron V-216(MW = 7300g/mol)、
ii)エステル、例えば:
a)総炭素数の範囲が35~70個である直鎖状脂肪酸エステル、例えばテトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル(MW = 697.05g/mol)、
b)ヒドロキシル化エステル、例えばトリイソステアリン酸ポリグリセロール-2(MW = 965.58g/mol)、
c)芳香族エステル、例えばトリメリト酸トリデシル(MW = 757.19g/mol)、C12~C15アルコールベンゾエート、安息香酸2-フェニルエチル及びサリチル酸ブチルオクチル、
d)C24~C28分枝状脂肪酸又は脂肪族アルコールのエステル、例えば、特許出願EP-A-0 955 039に記載されているもの、特に、クエン酸トリイソアラキジル(MW = 1033.76g/mol)、テトライソノナン酸ペンタエリスリチル(MW = 697.05g/mol)、トリイソステアリン酸グリセリル(MW = 891.51g/mol)、トリス(2-デシル)テトラデカン酸グリセリル(MW = 1143.98g/mol)、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(MW = 1202.02g/mol)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2(MW = 1232.04g/mol)又はテトラキス(2-デシル)テトラデカン酸ペンタエリスリチル(MW = 1538.66g/mol)、
e)ダイマージオールとモノカルボン酸又はジカルボン酸とのエステル及びポリエステル、例えば、ダイマージオールと脂肪酸とのエステル及びダイマージオールとダイマージカルボン酸とのエステル、例えば、日本精化株式会社により販売されており、特許出願US 2004-175 338に記載されている(その内容は参照により本出願に組み込まれる)Lusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、
並びに
- これらの混合物。
極性油は、C12~C15アルコールベンゾエート、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸2-フェニルエチル、サリチル酸ブチルオクチル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ジカプリリルエーテル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、トリメリト酸トリデシル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが一層好ましい。
本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して55質量%以下であることが更に一層好ましい場合がある。
本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して48質量%以上であることが更に一層好ましい場合がある。
したがって、本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して、30質量%~80質量%、好ましくは40質量%~70質量%、より好ましくは45質量%~60質量%の範囲とすることができる。本発明による組成物中の脂肪物質の量は、組成物の総質量に対して48質量%~55質量%であることが更に一層好ましい場合がある。
(第1の水不溶性粒子)
本発明による組成物は、上に述べた通り、成分(b)とは異なる(c)少なくとも1種の第1の水不溶性粒子を含む。本発明の目的では、「水不溶性粒子」という用語は、25℃での水溶解度が、粒子の総質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満の粒子であり、最も好ましくは溶解度がない粒子を意味する。
本発明によれば、2種以上の第1の水不溶性粒子を組み合わせて使用することができる。このため、単一の種類の第1の水不溶性粒子、又は異なる種類の第1の水不溶性粒子の組合せを使用することができる。
(c)第1の水不溶性粒子は固体の形態であることが好ましい。より好ましくは、(c)第1の水不溶性粒子は粉末とすることができる。
(c)第1の水不溶性粒子の粒径は限定されない。
一般に、本発明において使用することができる(c)第1の水不溶性粒子は、その最大寸法を0.1~100μm、好ましくは0.2~50μm、より好ましくは0.5~20μmの範囲とすることができる。
(c)第1の水不溶性粒子の平均粒径(最大寸法の平均)は500nm以上であることが好ましい場合がある。(c)第1の水不溶性粒子の平均粒径は、好ましくは750nm以上、より好ましくは1μm以上、更により好ましくは2μm以上とすることができ、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更により好ましくは10μm以下とすることができる。平均粒径は、動的光散乱法により、例えばNicomp Z380で測定することができる。
(c)第1の水不溶性粒子は、少なくとも1つの式(R)SiO3/2[式中、Rは、三官能性単位によって独立に、炭化水素系基及びヒドロキシル基から選ばれるが、但し、少なくとも1つのRは炭化水素系基である]の三官能性単位を含む、少なくとも1種のシリコーン樹脂を含む。
換言すると、(c)第1の水不溶性粒子は、少なくとも1つのいわゆるT単位を含む少なくとも1種のシリコーン樹脂を含む。
本明細書で使用する場合、「樹脂」という用語は、架橋又は非架橋の3次元構造を意味する。挙げることができるポリシロキサンT樹脂の例には、シルセスキオキサン及びシロキシシリケートが含まれる。
シリコーン樹脂の名称はMDTQの呼称で知られており、樹脂はそれが含む多様なシロキサンモノマー単位に応じて記載され、MDTQの文字の各々は、単位の種類を特徴づける。
Mという文字は、例えば式(CH3)3SiO1/2の単官能性単位を表し、このケイ素原子は、この単位を含むポリマー中で、1個の酸素原子のみに結合している。
Dという文字は二官能性単位、例えばケイ素原子が2個の酸素原子に結合している(CH3)2SiO2/2を意味する。
Tという文字は、例えば式(CH3)SiO3/2の三官能性単位を表す。
シリコーン樹脂は、少なくとも1種のポリアルキルシルセスキオキサン、より好ましくは少なくとも1種のポリメチルシルセスキオキサンを含むことが好ましい。シリコーン樹脂は、少なくとも1種のポリアルキルシルセスキオキサン、更により好ましくは少なくとも1種のポリメチルシルセスキオキサンからなることが一層好ましい。
上に例として挙げたM、D及びTの各単位の中で、メチル基のうち少なくとも1つは置換されていてもよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの式(R)SiO3/2の三官能性単位を含む少なくとも1種のシリコーン樹脂は、式:((R')SiO3/2)x[式中、xは100~500の範囲であり、R'は、三官能性単位によって独立に、1~10個の炭素原子を含有する炭化水素系基又はヒドロキシル基から選ばれるが、但し、少なくとも1つのR'は炭化水素系基である]のシルセスキオキサンから選ばれる。一部の実施形態では、1~10個の炭素原子を含有する炭化水素系基はメチル基である。一部の実施形態では、少なくとも1つの式(R)SiO3/2の三官能性単位を含む少なくとも1種のシリコーン樹脂は、式:((R')SiO3/2)x[式中、xは100~500の範囲であり、R'は、単位によって独立に、CH3、2~10個の炭素原子を含有する炭化水素系基、又はヒドロキシル基から選ばれるが、但し、少なくとも1つのR'は炭化水素系基である]のシルセスキオキサンから選ばれる。
最後に、Qという文字は、四官能性単位SiO4/2(この場合、ケイ素原子が4個の酸素原子に結合しており、これら自体がポリマーの残部に結合している)を意味する。
性質の異なる様々な樹脂を、これらの異なる単位から得ることができ、これらのポリマーの性質は、モノマー(又は単位)の種類、置換基の種類及び数、ポリマー鎖の長さ、分枝度、並びに側鎖の大きさに応じて変化する。
シリコーン樹脂は少なくとも1つのT単位を含有する。したがって、例えば、T樹脂、MT樹脂、MTQ樹脂又はMDTQ樹脂であり得る。
一部の実施形態では、シリコーン樹脂の単位組成物は、少なくとも50%がT単位、又は少なくとも80%がT単位である。
一部の実施形態では、T樹脂は、シリコーンの総量に対して少なくとも80mol%又は少なくとも90mol%がT単位となるように、M、D及びQの各単位を含有することができる。T樹脂はまた、ヒドロキシル基及び/又はアルコキシ基を含有することもできる。T樹脂の、ヒドロキシル官能基の総質量は2%~10%の範囲とすることができ、アルコキシ官能基の総質量は20%までとすることができ、一部の実施形態では、ヒドロキシル官能基の総質量は4%~8%の範囲であり、アルコキシ官能基の総質量は10%までとすることができる。
シリコーン樹脂は、T単位の定義において既に記載した通り、次式:((CH3)SiO3/2)x[式中、xは数千までとすることができ、CH3基はR基で置換されていてもよい]で表されるシルセスキオキサンから選ぶことができる。シルセスキオキサンのT単位の数xは、500以下としてもよく、又は50~500の範囲としてもよい。シリコーン樹脂の分子量は、500~50,000g/mol、500~20,000g/mol、又は500~10,000g/molの範囲としてもよい。
シリコーン樹脂は皮膜形成をすることができる。詳細に見ていくと、全てのシルセスキオキサンが皮膜形成をするわけではなく、例えば、高度に重合したポリメチルシルセスキオキサン、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製Tospearl(商標)145A(平均粒径が4.5μm)及びTospearl(商標)2000B(平均粒径が6μm)又は信越化学工業株式会社製KMP590等は、不溶性であり、皮膜形成をしない。これらのポリメチルシルセスキオキサンの分子量は測定が困難であるが、一般に、1000を超えるT単位がある。
これらの少なくとも1つのT単位を含有するシリコーン樹脂の例として、以下を挙げることができる。式((R)SiO3/2)x(T単位)[式中、xは100を超え、R基は独立に、メチル又は上に定義した他の置換基とすることができる]のポリシルセスキオキサン;Rがメチル基であるポリシルセスキオキサンであるポリメチルシルセスキオキサン、このようなポリメチルシルセスキオキサンは、例えば米国特許第5,246,694号に記載されている;Rがフェニル基であるポリフェニルシルセスキオキサン、この化合物及びその合成は、例えば、特許出願US 2004/0180011に記載されている。
挙げることができる市販のポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例には、以下のものが含まれる:
Wacker社によりResin MKの参照名で販売されているもの、例えば、Belsil PMS MK、即ちCH3SiO3/2繰り返し単位(T単位)を含むポリマーであって、1質量%までの(CH3)2SiO2/2単位(D単位)を含むこともでき、約10,000g/molの平均分子量を有するポリマー。ポリマーは、下の図に示すような「かご」型及び「はしご」型であると考えられている。「かご」型の各単位の平均分子量は、536g/molと計算されている。ポリマーの大多数は末端にエトキシ基を有する「はしご」型である。このエトキシ基はポリマーの4.5質量%を占める。この末端基は水と反応することができるため、少量の種々の量のSiOH基も存在し得る。
Figure 0007086529000001
信越化学工業株式会社により、KR-220Lの参照名で販売されているもの[式CH3SiO3/2のT単位から構成され、Si-OH(シラノール)末端基を有する]、KR-242Aの参照名で販売されているもの[T単位98%及びジメチルD単位2%を含み、Si-OH末端基を有する]、或いはKR-251の参照名で販売されているもの[T単位88%及びジメチルD単位12%を含み、Si-OH末端基を有する]。
挙げることができる市販のポリプロピルシルセスキオキサン樹脂の例には、
Dow Corning社によりDow Corning 670 Fluidの参照名で販売されているもの[D5で希釈したポリプロピルシルセスキオキサンである]
が含まれる。
挙げることができる市販のポリフェニルシルセスキオキサン樹脂の例には、
Dow Corning社によりDow Corning 217 Flake Resinの参照名で販売されているもの[シラノール末端基を有するポリフェニルシルセスキオキサンである]、
Wacker社によりBelsil SPR 45 VPの参照名で販売されているもの
が含まれる。
一部の実施形態では、シリコーン樹脂は組成物中に可溶性又は分散性である。シリコーン樹脂は、揮発性シリコーン及び有機溶媒に可溶性とすることができる。一部の実施形態では、シリコーン樹脂は25℃で固体状である。
組成物は、少なくとも1つのT単位を含む複数の種類のシリコーン樹脂を含んでいてもよい。少なくとも1つのT単位を含む少なくとも1種のシリコーン樹脂は、組成物中に、0.1%~20%、0.2%~15%、又は0.5%~10%の範囲の濃度で存在することができる。
一部の実施形態では、(1)少なくとも1つの式(R)SiO3/2の三官能性単位を含む少なくとも1種のシリコーン樹脂の、(2)少なくとも1種の揮発性溶媒に対する質量比は、1/200~1/10の範囲である。
本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して3質量%以下であることが更に一層好ましい場合がある。
本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%以上であることが更に一層好ましい場合がある。
したがって、本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲とすることができる。本発明による組成物中の(c)第1の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%~3質量%であることが更に一層好ましい場合がある。
(第2の水不溶性粒子)
本発明による組成物は、上に述べた通り、成分(b)とも(c)とも異なる(d)少なくとも1種の第2の水不溶性粒子を含む。本発明の目的では、「水不溶性粒子」という用語は、25℃での水溶解度が、粒子の総質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満の粒子であり、最も好ましくは溶解度がない粒子を意味する。
本発明によれば、2種以上の第2の水不溶性粒子を組み合わせて使用することができる。このため、単一の種類の第2の水不溶性粒子、又は異なる種類の第2の水不溶性粒子の組合せを使用することができる。
(d)第2の水不溶性粒子は固体の形態であることが好ましい。より好ましくは、(d)第2の水不溶性粒子は粉末とすることができる。
(d)第2の水不溶性粒子の粒径は限定されない。
一般に、本発明において使用することができる(d)第2の水不溶性粒子は、その最大寸法を0.1~100μm、好ましくは0.2~50μm、より好ましくは0.5~20μmの範囲とすることができる。
(d)第2の水不溶性粒子の平均粒径(最大寸法の平均)は500nm以上であることが好ましい場合がある。(d)第2の水不溶性粒子の平均粒径は、好ましくは750nm以上、より好ましくは1μm以上、更により好ましくは2μm以上とすることができ、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更により好ましくは10μm以下とすることができる。平均粒径は、動的光散乱法により、例えばNicomp Z380で測定することができる。
(d)第2の水不溶性粒子は疎水性シリカを含む。(d)第2の水不溶性粒子は疎水性シリカからなることが好ましい。
「疎水性シリカ」という用語は、本発明の関連では、純粋な疎水性シリカ、及び疎水性シリカで被膜された粒子の両方を意味するものと理解される。
特定の実施形態によれば、本発明の組成物中に使用することができる疎水性シリカは、非晶質であり、ヒューム起源のものである。それは粉末形態で供与されることが好ましい。
ヒューム起源の非晶質疎水性シリカは親水性シリカから得られる。親水性シリカは、水素及び酸素の存在下で、1000℃の連続火炎中で四塩化ケイ素(SiCl4)を熱分解することによって得られる。次いでそれらをハロゲン化シラン、アルコキシシラン又はシラザンで処理することによって疎水性にする。疎水性シリカは、とりわけ、シラノール基の密度が低く、水蒸気の吸着が少ない点で、出発の親水性シリカと異なる。
この実施形態によれば、疎水性シリカは、比表面積が50~500m2/gで、数平均粒径が3~50nmの範囲のシリカから選ばれることが好ましい。これらは、より特定すると、次表に記載の疎水性シリカ、及びそれらの混合物である。
Figure 0007086529000002
この実施形態によれば、本発明の組成物中に使用される疎水性シリカはまた、完全に又は部分的にシリカで被覆されている粒子、特に、完全に又は部分的に疎水性シリカで被覆されている無機粒子、例えば疎水性シリカで被覆されている顔料及び金属酸化物からなるものとすることもできる。これらの粒子はまた、製品中及び皮膚上で光学的性質を有することもでき、例えば、これらはマット感付与効果又はわずかな美白効果を有し得る。
疎水性シリカとして、ジメチルシロキサンで表面処理されている疎水性ヒュームドシリカ、例えばEvonik Degussa社によりAerosil R972(INCI名:ジメチルシリル化シリカ)の名称で販売されているものを使用することが好ましい。
別の特定の実施形態によれば、本発明の組成物中に使用することができる疎水性シリカは、質量単位当たりの比表面積(SW)が500~1500m2/gの範囲であり、体積平均径(D[0.5]、体積メジアン径Dv50としても知られている)として表されるサイズが1~1500μmの範囲である、疎水性シリカのエアロゲル粒子である。
シリカエアロゲルは、シリカゲルの液体成分を空気と置き換えることによって(乾燥することによって)得られる多孔性材料である。
シリカエアロゲルは、一般に、ゾル-ゲル法により液状媒体中で合成され、次いで、通常、超臨界流体(最もよく使用されているものは超臨界CO2である)の抽出により乾燥させる。このタイプの乾燥により、孔及び材料の収縮を回避することが可能になる。ゾル-ゲル法及び種々の乾燥操作は、Brinker C. J.及びScherer G. W.、Sol-Gel Science、New York、Academic Press、1990年に詳細に記載されている。
本発明において使用される疎水性シリカのエアロゲル粒子は、質量単位当たりの比表面積(SW)が、500~1500m2/g、好ましくは600~1200m2/g、更によいのは600~800m2/gの範囲であり、体積平均径(D[0.5]、体積メジアン径Dv50としても知られている)として表されるサイズが、1~1500μm、更によいのは1~1000μm、好ましくは1~100μm、特に1~30μm、より好ましくは5~25μm、更によいのは5~20μm、更に一層よいのは5~15μmの範囲である。
一実施形態によれば、本発明において使用される疎水性シリカのエアロゲル粒子は、体積平均径(D[0.5]、体積メジアン径Dv50としても知られている)として表されるサイズが、1~30μm、好ましくは5~25μm、更によいのは5~20μm、更に一層よいのは5~15μmの範囲である。
質量単位当たりの比表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法として知られる窒素吸収法によって決定することができ、これは、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載されており、国際規格ISO 5794/1(附属書D)に対応している。BET比表面積は、検討中の粒子の総比表面積に相当する。エアロゲルシリカ粒子のサイズは、市販の粒径分析装置であるMalvern社製MasterSizer 2000型を使用して、静的光散乱によって測定することができる。データはミー散乱理論に基づいて処理される。この理論は、等方性粒子について正確であり、非球状粒子の場合は、「有効」粒子径を決定することが可能になる。この理論は、特に、Van de Hulst、H.C.、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、New York、1957年の刊行物に記載されている。
有利な実施形態によれば、本発明において使用される疎水性シリカのエアロゲル粒子は、質量単位当たりの比表面積(SW)が600~800m2/gの範囲であり、体積平均径(D[0.5]、体積メジアン径Dv50としても知られている)として表されるサイズが5~20μm、更に一層よいのは5~15μmの範囲である。
本発明において使用されるエアロゲルシリカ粒子は、充填密度(ρ)が0.04g/cm3~0.10g/cm3、好ましくは0.05g/cm3~0.08g/cm3の範囲であることが有利であり得る。
本発明の関連では、充填密度として知られるこの密度は、次のプロトコルに従って評価することができる。
粉末40gをメスシリンダーに注ぎ入れ、次いで、メスシリンダーをStampf Volumeter社製のStav 2003装置に載せ、次にメスシリンダーを2500回の連続充填動作に供し(連続する2回の試験間の体積差が2%未満になるまでこの操作を繰り返す)、次いで、充填された粉末の最終体積Vfを直接メスシリンダーで測定する。充填密度を、比w/Vf、この例では40/Vf(Vfはcm3で表され、wはgで表される)によって決定する。
一実施形態によれば、本発明において使用される疎水性シリカのエアロゲル粒子は、体積単位当たりの比表面積SVが、5~60m2/cm3、好ましくは10~50m2/cm3、更によいのは15~40m2/cm3の範囲である。
体積単位当たりの比表面積は、関係式:SV=SW×p(式中、pはg/cm3で表される充填密度であり、SWは上に定義した通り、m2/gで表される質量単位当たりの比表面積である)によって得られる。
好ましくは、本発明による疎水性シリカのエアロゲル粒子は、湿潤点で測定した油吸収能が、5~18ml/g、好ましくは6~15ml/g、更によいのは8~12ml/gの範囲である。
Wpと示される、湿潤点で測定した吸収能は、均質なペーストを得るために粒子100gに添加する必要のある油の量に相当する。
それは、「湿潤点」法又はStandard NF T 30-022に記載されている粉末の油取込み量を決定する方法に従って測定される。それは、下記の、湿潤点の測定による、粉末の利用可能な表面に吸着した、及び/又は粉末に吸収された油の量に相当する。
粉末w=2g量をガラスプレートに載せ、次いで油(イソノナン酸イソノニル)を滴加する。4~5滴の油を粉末に添加してから、スパチュラを使用して混合し、油と粉末との集合体が形成されるまで油の添加を継続する。形成の時点から、油を1回に1滴の割合で添加し、続いて混合物をスパチュラで磨りつぶす。堅く滑らかなペーストが得られたら油の添加を中止する。このペーストは、割れたり塊を形成したりせずにガラスプレート上にのばすことができなければならない。次いで、使用された油の体積Vs(mlで表される)を記録する。
油取込み量は、比Vs/wに相当する。
本発明によって使用されるエアロゲルは、好ましくはシリル化されたシリカ(INCI名:シリル化シリカ)の疎水性シリカエアロゲルである。
「疎水性シリカ」という用語は、OH基をシリル基Si-Rn、例えばトリメチルシリル基で官能化させるように、その表面をシリル化剤、例えばハロゲン化シラン、例えば、アルキルクロロシラン、シロキサン、特にジメチルシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン、又はシラザンで処理されている、任意のシリカを意味するものと理解される。
表面がシリル化によって修飾されている疎水性シリカのエアロゲル粒子の調製に関しては、文献、米国特許第7,470,725号を参照することができる。
表面がトリメチルシリル基で修飾されている疎水性シリカ(トリメチルシロキシル化シリカ)のエアロゲル粒子を特に使用することになる。
本発明において使用することができる疎水性シリカエアロゲルとして、例えば、Dow Corning社によりVM-2260(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されているエアロゲルを挙げることができ、その粒子は、平均径がおよそ1000ミクロンであり、質量単位当たりの比表面積が600~800m2/gの範囲である。
Cabot社によりAerogel TLD 201、Aerogel OGD 201及びAerogel TLD 203の参照名で販売されているエアロゲルも挙げることができる。
より特定すると、Dow Corning社によりAerogel Fine Particles VM-2270(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されているエアロゲルを使用することになり、その粒子は、平均径が5~15ミクロンの範囲であり、質量単位当たりの比表面積が600~800m2/gの範囲である。
本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることができる。本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して3質量%以下であることが更に一層好ましい場合がある。
本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%以上であることが更に一層好ましい場合がある。
したがって、本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲とすることができる。本発明による組成物中の(d)第2の水不溶性粒子の量は、組成物の総質量に対して0.2質量%~3質量%であることが更に一層好ましい場合がある。
(水)
本発明による組成物は水を含んでもよい。
本発明による組成物はエマルションの形態とすることができる。
本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上とすることができる。本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下とすることができる。したがって、本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、1~50質量%、好ましくは5~45質量%、より好ましくは10~40質量%とすることができる。
(有機UVフィルター)
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の有機UVフィルターを含む。2種以上の有機UVフィルターを使用する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。有機UVフィルターは、親油性又は油溶性の有機UVフィルター、親水性又は水溶性の有機UVフィルター、及びそれらの混合物から選択することができる。
(e)有機UVフィルターは、本発明による組成物の(a)連続相中に存在することができる。
本発明による組成物中の(e)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上とすることができる。
本発明による組成物中の(e)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下とすることができる。
したがって、本発明による組成物中の(e)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~50質量%、好ましくは0.1質量%~40質量%、より好ましくは1質量%~30質量%の範囲とすることができる。
(親油性又は油溶性の有機UVフィルター)
本発明による組成物には、(e)有機UVフィルターとして、少なくとも1種の親油性又は油溶性の有機UVフィルターを含めることができる。2種以上の親油性又は油溶性の有機UVフィルターを使用する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本明細書で使用する「親油性又は油溶性の有機UVフィルター」という用語は、UV照射を遮蔽し、油相中に分子状態で完全に溶解することができる、又は油相中にコロイド形態で(例えばミセル形態で)分散することができる、任意の作用物質を意味すると理解される。「親油性又は油溶性の有機UVフィルター」は、イソドデカン100ml当たり0.5g以上の油溶性を有する。本発明に使用される親油性又は油溶性の有機UVフィルターは、UV-A及び/又はUV-B領域で活性なものとすることができる。親油性又は油溶性の有機UVフィルターは、疎水性又は水不溶性でもよい。
親油性又は油溶性の有機UVフィルターは、固体でも液体でもよい。「固体」及び「液体」という用語は、25℃、1atmで、それぞれ固体状及び液体状を意味する。
全ての種類の親油性又は油溶性の有機UVフィルターを、本発明による組成物中に使用することができる。好ましくは、親油性又は油溶性の有機UVフィルターは、アントラニル化合物;ジベンゾイルメタン化合物;ケイ皮酸化合物;サリチル酸化合物;カンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β-ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物;ベンゾイミダゾール化合物;イミダゾリン化合物;ビス-ベンゾアゾリル化合物;p-アミノ安息香酸(PABA)化合物;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物;ベンゾオキサゾール化合物;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン;α-アルキルスチレン由来のダイマー;4,4-ジアリールブタジエン化合物;グアイアズレン及びその誘導体;ルチン及びその誘導体;並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
親油性又は油溶性の有機UVフィルターの例として、下記にそのINCI名で示すもの、及びそれらの混合物を挙げることができる。
- アントラニル化合物:Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan MA」の商品名で市販されているアントラニル酸メンチル。
- ジベンゾイルメタン化合物:特に、Hoffmann-La Roche社により「Parsol 1789」の商品名で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
- ケイ皮酸化合物:特に、BASF社により「Parsol MCX」の商品名で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;イソプロポキシメトキシシンナメート;Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan E 1000」の商品名で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキセート(2-エトキシエチル-4-メトキシシンナメート);メトキシケイ皮酸DEA;ジイソプロピルケイ皮酸メチル;及びエチルヘキサン酸ジメトキシケイ皮酸グリセリル。
- サリチル酸化合物:Rona/EM Industries社により「Eusolex HMS」の商品名で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan OS」の商品名で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;サリチル酸グリコール;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scher社により「Dipsal」の商品名で市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール;及びHaarmann and Reimer社により「Neo Heliopan TS」の商品名で市販されているサリチル酸TEA。
- カンファー化合物、特に、ベンジリデンカンファー誘導体:Chimex社により「Mexoryl SD」の商品名で製造されている3-ベンジリデンカンファー;Merck社により「Eusolex 6300」の商品名で市販されている4-メチルベンジリデンカンファー;Chimex社により「Mexoryl SL」の商品名で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、;Chimex社により「Mexoryl SO」の商品名で製造されているカンファーベンザルコニウムメトスルフェート;及びChimex社により「Mexoryl SW」の商品名で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
- ベンゾフェノン化合物:BASF社により「Uvinul 400」の商品名で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により「Uvinul D50」の商品名で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により「Uvinul M40」の商品名で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASF社により「Uvinul MS40」の商品名で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート);Norquay社により「Helisorb 11」の商品名で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamid社により「Spectra-Sorb UV-24」の商品名で市販されているベンゾフェノン-8;BASF社により「Uvinul DS-49」の商品名で市販されているベンゾフェノン-9(二ナトリウムジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホネート);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(BASF社によるUVINUL A+)。
- β,β-ジフェニルアクリレート化合物:特に、BASF社により「Uvinul N539」の商品名で市販されているオクトクリレン;及び特に、BASF社により「Uvinul N35」の商品名で市販されているエトクリレン。
- トリアジン化合物:Sigma 3V社により「Uvasorb HEB」の商品名で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、CIBA GEIGY社により<<TINOSORB S>>の商品名で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びBASF社により<<UVINUL T150>>の商品名で市販されているエチルヘキシルトリアゾン。
- ベンゾトリアゾール化合物、特に、フェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝状及び直鎖状の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ、及びUSP 5240975に記載されているもの。
- ベンザルマロネート化合物:ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、及びベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えばHoffmann-LaRoche社により「Parsol SLX」の商品名で市販されているポリシリコーン-15。
- ベンゾイミダゾール化合物、特に、フェニルベンゾイミダゾール誘導体。
- イミダゾリン化合物:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
- ビス-ベンゾアゾリル化合物:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載されている誘導体。
- パラ-アミノ安息香酸化合物:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ペンチルジメチルPABA、特に、アイエスピー・ジャパン株式会社により「Escalol 507」の商品名で市販されているジメチルPABAエチルヘキシル、グリセリルPABA、及び、BASF社により「Uvinul P25」の商品名で市販されているPEG-25 PABA。
- メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えばFairmount Chemical社により「Mixxim BB/200」の商品名で、固体形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-フェノール]、BASF社により「Tinosorb M」の商品名で、又はFairmount Chemical社により「MixximBB/100」の商品名で、水性分散体の微粉化形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、及び米国特許第5,237,071号、同第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184及びEP-893,119に記載されている誘導体、並びに
Rhodia Chimie社により「Silatrizole」の商品名で、又はL'Oreal社により「Mexoryl XL」の商品名で市販されている、下記に示すようなドロメトリゾールトリシロキサン。
Figure 0007086529000003
- ベンゾオキサゾール化合物:Sigma 3V社によりUvasorb K2Aの商品名で市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
- 遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン:WO 93/04665に記載されているシリコーン。
- α-アルキルスチレン由来のダイマー:DE-19855649に記載されているダイマー。
- 4,4-ジアリールブタジエン化合物:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
親油性又は油溶性の有機UVフィルターは、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジ-フェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(テル-フェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明による組成物中の親油性又は油溶性の有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、1~50質量%、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~30質量%とすることができる。
(親水性又は水溶性の有機UVフィルター)
本発明による組成物には、(e)有機UVフィルターとして、少なくとも1種の親水性又は水溶性の有機UVフィルターを含めることができる。2種以上の親水性又は水溶性の有機UVフィルターを使用する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
本明細書で使用する「親水性又は水溶性の有機UVフィルター」という用語は、UV照射を遮蔽し、水性相に分子状態で完全に溶解することができる、又は水性相にコロイド形態で(例えばミセル形態で)分散することができる、任意の作用物質を意味すると理解される。「親水性又は水溶性の有機UVフィルター」は、水100ml当たり0.5g以上の水溶性を有する。本発明に使用される親水性又は水溶性の有機UVフィルターは、UV-A及び/又はUV-B領域で活性なものとすることができる。
親水性又は水溶性の有機UVフィルターは、固体でも液体でもよい。「固体」及び「液体」という用語は、25℃、1atmで、それぞれ固体状及び液体状を意味する。
親水性又は水溶性の有機UVフィルターの種類に限定はない。全ての種類の親水性又は水溶性の有機UVフィルターを、組成物中に使用することができる。2種以上の異なる種類の親水性又は水溶性の有機UVフィルターを組み合わせて使用することができる。したがって、単一の種類の親水性又は水溶性の有機UVフィルター、又は異なる種類の親水性又は水溶性の有機UVフィルターの組合せを使用することができる。
親水性又は水溶性の有機UVフィルターには、以下に限定されるものではないが、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩、例えばChimex社により「Mexoryl SX」の名称で製造されているもの、
ビスベンゾオキサゾリル誘導体、例えば特許EP 669 323及びUS2,463,264に記載されているもの、より特定すると、Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan AP」の商品名で販売されている化合物フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム及びその塩、
p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、例えば、PABA、グリセリルPABA及びPEG-25 PABA、並びにそれらの塩、例えばBASF社により「Uvinul P25」の名称で販売されているもの、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及びその塩、例えば特にMerck社により「Eusolex 232」の商品名で販売されているもの、
フェルラ酸及びその塩、
サリチル酸及びその塩、
メトキシケイ皮酸DEA及びその塩、
ベンジリデンカンファースルホン酸及びその塩、例えばChimex社により「Mexoryl SL」の名称で製造されているもの、
カンファーベンザルコニウムメトスルフェート及びその塩、例えばChimex社により「Mexoryl SO」の名称で製造されているもの、
ベンゾフェノン-4及びその塩、例えばBASF社により「Uvinul MS40」の商品名で販売されているもの、
ベンゾフェノン-5及びその塩、
ベンゾフェノン-9及びその塩、
(+)-10-カンファースルホン酸及びその塩、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、並びに
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム及びその塩
が含まれる。
親水性又は水溶性の有機UVフィルターは、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及びその塩、(+)-10-カンファースルホン酸及びその塩、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム及びその塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の親水性又は水溶性の有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは1~5質量%とすることができる。
(界面活性剤)
本発明による組成物はピッカリングエマルションの形態であることが好ましい。
本発明による組成物は、任意選択により、少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下の量で含んでもよいが、最も好ましくは界面活性剤を含まない。
一実施形態では、本発明による組成物は界面活性剤を実質的に含まない。「界面活性剤を実質的に含まない」という表現は、本発明による組成物が、界面活性剤を全く含まない又は少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下の量でしか含まないことを意味する。
界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することができる。このため、単一の種類の界面活性剤、又は異なる種類の界面活性剤の組合せを使用することができる。好ましくは、本発明によれば、「界面活性剤」は、添加剤なしに、水で泡沫を形成することが可能である。
(任意選択の成分)
本発明による組成物はまた、以前から別のところで美白用組成物又は着色用組成物において知られている他の有効量の作用物質も含むことができ、例えば(c)第1の水不溶性粒子及び(d)第2の水不溶性粒子以外の充填剤及び顔料、pH調整剤、例えば酸及び塩基、金属イオン封鎖剤、例えばEDTA及びエチドロン酸、無機UV遮蔽剤、前述のもの以外のシリコーン、例えばシリコーン油、防腐剤、ビタミン又はプロビタミン、例えば、パンテノール、乳白剤、香料、植物エキス、陽イオン性ポリマー等がある。
本発明による組成物は、水性媒体を含んでもよい。本発明による組成物中の水性媒体は水を含む。水性相は少なくとも1種の有機溶媒を更に含んでもよい。したがって、有機溶媒は好ましくは水混和性である。有機溶媒として、例えば、C1~C4アルカノール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ポリオール及びポリオールエーテル、例えば、グリセロール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールのモノメチルエーテル、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル;並びに芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール及びフェノキシエタノール;類似の生成物;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
有機水溶性溶媒は、組成物の総質量に対して、1~40質量%、好ましくは1~30質量%、より好ましくは5~20質量%の範囲の量で存在することができる。
本発明による組成物のpHは、一般に、例えば4~12とすることができる。pHは、5~11、好ましくは6~10の範囲とすることができ、従来技術において周知のpH調整剤を使用して所望の値に調整してもよい。
本発明による組成物の粘度は特に限定されない。粘度は、25℃にて、粘度計又はレオメーターで、好ましくは円錐平板型ジオメトリーで測定することができる。好ましくは、本発明による組成物の粘度は、例えば25℃及び1s-1で、1~2000Pa.s、好ましくは1~1000Pa.sの範囲とすることができる。
[調製]
本発明による組成物は、上記の必須成分及び任意選択の成分を、従来のように混合することによって調製することができる。
例えば、本発明による組成物は、
(a)連続相用の成分、
(b)分散相用の成分、
(c)上記で説明した通りの少なくとも1種の第1の水不溶性粒子、
(d)上記で説明した通りの少なくとも1種の第2の水不溶性粒子、
(e)少なくとも1種の有機UVフィルター、及び
任意選択により、少なくとも1種の界面活性剤(但し界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して1質量%以下である)
を混合する工程を含む方法によって調製することができる。
界面活性剤以外の任意選択の成分のうちいずれかを更に混合することが可能である。
上記で説明した通り、(a)連続相用の成分は少なくとも1種の脂肪物質を含むことが好ましい場合がある。
上記で説明した通り、(b)分散相用の成分は水を含むことが好ましい場合がある。
(a)連続相用の成分と(e)有機UVフィルターとを混合してプレミックスを調製し、次いでこのプレミックスを(c)第1の水不溶性粒子及び(d)第2の水不溶性粒子と混合して混合物を調製し、この混合物を(b)分散相用の成分と更に混合することが好ましい場合がある。
混合は、任意の温度で、好ましくは55℃以上、好ましくは65℃以上、より好ましくは75℃以上の温度で実施することができる。上記の任意選択の成分のうちいずれかを更に混合することが可能である。
本発明による組成物は、液体、好ましくはエマルション、より好ましくは油中水エマルション、更により好ましくはW/Oピッカリングエマルションの形態であることが好ましい。
[化粧料用途及び美容方法]
本発明による組成物は、ケラチン物質の美容処置法に使用される化粧用組成物とすることができる。
したがって、本発明はまた、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程を含むケラチン物質の美容方法にも関する。
ケラチン物質は、皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛、眉毛及び/又は頭皮、好ましくは皮膚とすることができる。
本発明による組成物は、例えば、メイクアップ製品として使用することができる。
本発明による組成物はまた、例えば、顔及び/又は身体用の、液体から半液体の稠度の、例えばミルク、幾分リッチなクリーム、クリームゲル及びペースト状のケア製品及び/又は日焼け保護製品として使用することもできる。これらは任意選択により、エアロゾル形態でパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態としてもよい。
本発明によれば、蒸発性流体ローションの形態の本発明による組成物は、加圧装置を用いて微粒子の形態で皮膚又は毛髪に塗布される。本発明によれば、装置は当業者に周知であり、非エアロゾルポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアロゾル容器、及び噴射剤として圧縮空気を使用するエアロゾルポンプを含む。これらの装置は特許US 4 077 441及びUS 4 850 517に記載されている。
エアロゾルとしてパッケージ化される組成物は、一般に、従来の噴射剤、例えば、フッ化水素処理した化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタン等を含む。これらは組成物の総質量に対して15質量%~50質量%の範囲の量で存在するのが好ましい。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の有機UVフィルターを含むため、本発明による組成物及び美容方法は、有機UVフィルターによってもたらされるUV遮蔽効果によって、皮膚、特に顔の皮膚等のケラチン物質に美容効果を付与することができる。
UV遮蔽効果は、皮膚等のケラチン物質のケア及び/又はメイクアップの基礎となり得る。ケラチン物質上に実質的にむらのない又は均質な膜を形成することにより、むらのない又は均一なUV遮蔽効果を得ることができる。美容効果には、皮膚の黒ずみの抑制、顔肌の色及び均一性の改善、及び/又は皮膚の加齢の処置が含まれ得る。
本発明の別の主題は、好ましくはエマルションの形態、より好ましくはピッカリングエマルションの形態、更により好ましくはW/Oピッカリングエマルションの、分散体を調製するための(c)第1の水不溶性粒子及び(d)第2の水不溶性粒子の使用であって、当該分散体が、
(a)連続相、及び
(b)成分(c)とは異なる、当該連続相中の少なくとも1つの分散相
を含み、
当該組成物が、(e)少なくとも1種の有機UVフィルターを更に含み、
当該組成物が、任意選択により、少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して1質量%以下の量で含む、
使用とすることができる。
本発明を、実施例によって更に詳細に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1~2及び比較例1~3)
表1に示す配合の組成物を、表1に示す成分を混合することによって調製した。表1に示す成分の量の数値は、全て活性原料として「質量%」に基づいている。
表1のA相の成分を均一に混合し、75~80℃で溶解させ、室温まで冷却してA相を調製した。表1のE相の成分をA相に室温で添加し、均一に混合してA相+E相の混合物を調製した。表1のB相の成分を均一に混合し、75~80℃で溶解させ、室温まで冷却してB相を調製した。表1のC相の成分をB相に室温で添加し、均一に混合してB相+C相の混合物を調製した。表1のD相の成分をB相+C相の混合物に添加し、室温で混合してB相+C相+D相の混合物を調製した。A相+E相をB相+C相+D相の混合物に添加し、混合してピッカリングエマルションを調製した。
Figure 0007086529000004
Figure 0007086529000005
[評価]
実施例1~2及び比較例1~3の組成物について、安定性及び触感を次のように評価した。
1.in vitroでのSPF
実施例1~2及び比較例1~3の組成物の各々について、太陽光線保護指数(SPF)を、B.L. Diffey、J. Soc. Cosmet. Chem. 第40巻、127~133頁、(1989年)に記載されている「in vitro」法に従って測定した。
SPF測定は、Labsphere社製UV-2000 SPFアナライザーを使用して行った。実施例1~2及び比較例1~3の組成物の各々をPMMAプレートに0.8mg/cm2の量で塗布し、in vitroでのSPF値をUV-2000 SPFアナライザーによって測定した。
結果を表1に示す。
2.べとつかない皮膚感触
専門家の官能試験員が、実施例1~2及び比較例1~3の組成物の各々を塗布して触感を評価した。各官能試験員は各組成物を指にとり、次いで2mg/cm2の割合で前腕にそれを塗布してべとつく感触を評価し、それに1(べとつく感触)から5(べとつかない感触)までの評点をつけ、次いで評点の平均に基づいて次の3つのカテゴリーに分類した。
○○:優良(5.0~3.5)
×:幾分不良(3.5~2.0)
××:不良(1.9~1.0)
結果を表1に示す。
3.安定性
実施例1~2及び比較例1~3の組成物の各々を透明なガラスびんに充填し、60℃の条件下で1カ月保持した。1カ月後、各試料を次の基準で目視評価した。
○○:優良(外観は調製直後と同等であった。分離も凝集も全く観察されなかった。)
○:良好(外観は調製直後とほぼ同等であった。分離も凝集もほとんど観察されなかった。)
×:並(幾分、分離又は凝集が観察された。)
××:不良(W/Oピッカリングエマルションが全く観察されなかった。)
結果を表1に示す。
4.まとめ
実施例1は比較例1及び2と比較可能である。
実施例1の組成物はポリメチルシルセスキオキサン及びシリル化シリカを両方含み、ピッカリングエマルションの形態であった。実施例1の組成物は60℃で1カ月間安定していた。実施例1の組成物はまた、べとつかない皮膚感触等の良好な触感も示した。更に、実施例1の組成物はSPF値が高かった。
比較例1の組成物には、実施例1の組成物と比較して、ポリメチルシルセスキオキサンを含めたが、シリル化シリカを含めなかった。比較例1の組成物はピッカリングエマルションの形態であった。比較例1の組成物は60℃で1カ月間安定していた。しかしながら、比較例1の組成物はべとつかない皮膚感触等の良好な触感を示さなかった。更に、比較例1の組成物はSPF値が高くなかった。
実施例1と比較例1との比較は、シリル化シリカを添加すると、SPF値を高め、べとつかない皮膚感触等の良好な触感を付与することができることを実証している。
比較例2の組成物には、実施例1の組成物と比較して、シリル化シリカを含めたが、ポリメチルシルセスキオキサンを含めなかった。比較例2の組成物はピッカリングエマルションの形態ではなかった。しかしながら、比較例2の組成物はべとつかない皮膚感触等の良好な触感を示した。更に、比較例2の組成物はSPF値が高かった。
実施例1と比較例2との比較は、ポリメチルシルセスキオキサンを添加すると、60℃の温度下でも1カ月間安定であるピッカリングエマルションの形態を提供することができることを実証している。
実施例2は比較例3と比較可能である。
実施例2の組成物はポリメチルシルセスキオキサン及びシリル化シリカを両方含み、ピッカリングエマルションの形態であった。実施例2の組成物は60℃で1カ月間安定していた。実施例2の組成物はまた、べとつかない皮膚感触等の良好な触感も示した。更に、実施例2の組成物はSPF値がはるかに高かった。
比較例3の組成物には、ポリメチルシルセスキオキサンが含まれていたが、実施例2の組成物と比較して、シリル化シリカが含まれなかった。比較例3の組成物はピッカリングエマルションの形態であった。比較例3の組成物は60℃で1カ月間安定していた。しかしながら、比較例3の組成物はべとつかない皮膚感触等の良好な触感を示さなかった。更に、比較例3の組成物はあまり高いSPF値を示さなかった。
実施例2と比較例3との比較は、シリル化シリカを添加すると、SPF値を高め、べとつかない皮膚感触等の良好な触感を付与することができることを実証している。
実施例2の組成物中のシリル化シリカの量は、実施例1の組成物中の量より多い。したがって、実施例2の組成物の方が実施例1の組成物よりSPF値及び触感の改善が大きい。

Claims (13)

  1. ピッカリングエマルションの形態の組成物であって、
    (a)連続相、
    (b)成分(c)とも(d)とも異なる、(a)連続相中の少なくとも1つの分散相、
    (c)なくとも1種のポリアルキルシルセスキオキサンを含む、少なくとも1種の第1の水不溶性粒子、並びに
    (d)疎水性シリカを含む少なくとも1種の第2の水不溶性粒子
    を含み、
    (e)少なくとも1種の有機UVフィルターを更に含み、
    (a)連続相が少なくとも1種の脂肪物質を含み、(b)分散相が水を含み、
    (c)第1の水不溶性粒子の量が、組成物の総質量に対して、0.01~20質量%であり、
    (d)第2の水不溶性粒子の量が、組成物の総質量に対して、0.01~20質量%であり、
    少なくとも1種の界面活性剤を、組成物の総質量に対して1質量%以下の量で含む、
    組成物。
  2. 前記脂肪物質が室温及び大気圧下で液体の形態である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記脂肪物質が極性油から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記極性油が、C12~C15アルコールベンゾエート、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、炭酸ジカプリリル、安息香酸2-フェニルエチル、サリチル酸ブチルオクチル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、ジカプリリルエーテル、ステアリン酸イソセチル、ネオペンタン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、トリメリト酸トリデシル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記脂肪物質の量が、組成物の総質量に対して、30質量%以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (c)第1の水不溶性粒子の量が、組成物の総質量に対して、0.0510質量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記疎水性シリカがシリル化シリカである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (d)第2の水不溶性粒子の量が、組成物の総質量に対して、0.0510質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 水の量が、組成物の総質量に対して、70質量%以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. (e)有機UVフィルターが親油性又は油溶性の有機UVフィルターである、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. (e)有機UVフィルターが、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ベンゾフェノン-3、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、4-メチルベンジリデンカンファー、ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[4-[5-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルイミノ]-6-[(2-エチルヘキシル)イミノ]-1,3,5-トリアジン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. (e)有機UVフィルターの量が、組成物の総質量に対して、50質量%以下である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、ケラチン物質の美容方法。
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