JP7086378B2 - 探索システム及び探索方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成29年8月31日に第34回センシングフォーラムにて発表、平成29年8月31日に第34回センシングフォーラムの予稿集に発表
本発明は、探索システム及び探索方法に関する。
従来、災害によって雪崩や瓦礫に埋もれた人を探索する装置として、雪崩ビーコンと呼ばれる装置が知られている。雪崩ビーコンは、バーコイルアンテナを内蔵しており、周囲に磁場を生成する。
下記特許文献1には、埋没者が携帯する雪崩ビーコンにより生成された磁場の磁力線を、磁気センサを用いて辿ることにより、埋没者を探索する技術が開示されている。
また、下記非特許文献1には、回転する磁場を生成する発振器の方位角、仰角及び距離を推定することが開示されている。ただし、発振器により生成される回転する磁場の位相が既知であることが前提とされている。
特開2003-198389号公報
E. Paperno, I. Sasada and E. Leonovich, "A new method for magnetic position and orientation tracking," in IEEE Transactions on Magnetics, vol. 37, no. 4, pp. 1938-1940, Jul 2001.
特許文献1に記載のような雪崩ビーコンを用いることで、埋没者を探索することができる。しかしながら、雪崩ビーコンから発せられる磁力線は、一般に、雪崩ビーコンから探索者まで曲線を描くため、特許文献1に記載の技術では、探索者は磁力線に沿って遠回りをして埋没者を探索することとなってしまう場合がある。雪崩等の埋没者の救助においては、救助までの時間が数分でも遅れると命に関わるため、直線的に埋没者の位置に到達することが望まれる。
また、非特許文献1に記載の技術によれば、発振器までの方位角が推定できるが、磁場の位相が既知であることを前提としている。そのため、仮に埋没者に発振器を携帯させたとしても、どのような位相で磁場が発せられているか知ることができないため、非特許文献1に記載の技術により発振器までの方位角を推定することは困難である。
そこで、本発明は、探索者が、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援する探索システム及び探索方法を提供する。
本発明の一態様に係る探索システムは、受信機と、送信機とを備える探索システムであって、送信機は、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する磁場生成部を有し、受信機は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、回転の1又は複数の周期にわたって測定する測定部と、磁場の成分に基づいて、送信機の方向を推定する推定部と、を有する。
この態様によれば、回転する磁気双極子によって生成される磁場を、回転の1又は複数の周期にわたって測定することで、受信機の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を推定することができ、送信機の方向を推定することができる。そのため、探索者が、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援することができる。
上記態様において、推定部は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して、1又は複数の周期にわたって積分することで、送信機の方向を推定してもよい。
この態様によれば、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して、1又は複数の周期にわたって積分することで、初期位相に依存しない量を算出することができ、任意の初期位相で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、送信機の方向を推定することができる。
上記態様において、推定部は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に基づいて、受信機と送信機との間の方位角を推定してもよい。
この態様によれば、送信機により生成される磁場の磁力線が、送信機から受信機まで曲線を描くように生成される場合であっても、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
上記態様において、推定部は、磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、磁場のx軸成分をBxと表し、磁場のy軸成分をByと表し、磁場のz軸成分をBzと表し、周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式1~4のうちいずれかによって、方位角φを推定してもよい。
Figure 0007086378000001
Figure 0007086378000002
Figure 0007086378000003
Figure 0007086378000004
この態様によれば、任意の初期位相で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、不定性無く送信機の方向を推定することができる。そのため、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
上記態様において、推定部は、磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、磁場のx軸成分をBxと表し、磁場のy軸成分をByと表し、周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式5によって、方位角φを推定してもよい。
Figure 0007086378000005
この態様によれば、磁場のz軸成分の測定が困難な場合であっても、磁場のx軸成分とy軸成分とを用いて、送信機の方向を推定することができる。そのため、探索者と埋没者との距離が比較的遠く、磁場のz軸成分が比較的小さい場合であっても、探索者が埋没者まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
上記態様において、推定部は、磁場のx軸成分及び磁場のy軸成分の変動により描かれるリサージュ図形を楕円により近似し、楕円の長軸方向又は短軸方向によって、方位角を推定してもよい。
この態様によれば、リサージュ図形を楕円により近似することで、受信機の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を比較的少ない演算量で推定することができ、送信機の方向を比較的少ない演算量で推定することができる。
上記態様において、受信機及び送信機の少なくともいずれか一方は、リサージュ図形を表示する表示部をさらに有してもよい。
この態様によれば、探索する方向に応じて測定される磁場の成分がどのように変化するか確かめながら埋没者を探索することができ、探索する方向が妥当であるかを視覚的に確認することができる。
上記態様において、推定部は、3つの方向に関する磁場の成分に基づいて、受信機と送信機との間の仰角を推定してもよい。
この態様によれば、送信機により生成される磁場の磁力線が、送信機から受信機まで曲線を描くように生成される場合であっても、埋没者が埋まっている方向を直線的に特定することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
上記態様において、推定部は、磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、磁場のx軸成分をBxと表し、磁場のy軸成分をByと表し、磁場のz軸成分をBzと表し、周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式6によって、仰角ψを推定してもよい。
Figure 0007086378000006
この態様によれば、任意の初期位相で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、不定性無く送信機の方向を推定することができる。そのため、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
上記態様において、磁場生成部は、初期位相で磁気双極子を回転させて生成される少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算することで、変動する磁場を生成してもよい。
この態様によれば、磁気双極子を回転させて生成される少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して変動する磁場を生成することで、受信機側で正弦波の重みを乗算する必要が無くなり、受信機の演算負荷を低減させて送信機の方向を推定することができる。
上記態様において、推定部は、磁場の強さに基づいて、送信機から受信機までの距離を推定してもよい。
この態様によれば、探索者が、推定された方向に向かって埋没者を探索する場合に、埋没者に近付く方向に向かっているかを確認することができ、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援することができる。
上記態様において、送信機は、鉛直方向を検出する検出部をさらに有し、磁場生成部は、鉛直方向を回転軸として、初期位相で磁気双極子を回転させることで、磁場を生成してもよい。
この態様によれば、磁気双極子が水平面内を回転するような磁場が生成されることとなり、受信機で測定される磁場の成分が限定され、受信機によって送信機の方向を推定する演算を簡略化することができる。
本発明の他の態様に係る探索方法は、送信機によって、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成することと、受信機によって、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、回転の1又は複数の周期にわたって測定することと、受信機によって、磁場の成分に基づいて、送信機の方向を推定することと、を含む。
この態様によれば、回転する磁気双極子によって生成される磁場を、回転の1又は複数の周期にわたって測定することで、受信機の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を推定することができ、送信機の方向を推定することができる。そのため、探索者が、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援することができる。
本発明によれば、探索者が、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援する探索システム及び探索方法が提供される。
本発明の実施形態に係る探索システムの機能ブロックを示す図である。 本実施形態に係る受信機の物理的構成を示す図である。 本実施形態に係る探索システムの座標系を示す図である。 本実施形態に係る送信機により生成される磁場の向きの第1例を示す図である。 本実施形態に係る送信機により生成される磁場の向きの第2例を示す図である。 本実施形態に係る探索システムにより表示されるリサージュ図形の例を示す図である。 本実施形態に係る探索システムにより実行される探索処理のフローチャートである。 本実施形態の変形例に係る探索システムの機能ブロックを示す図である。 本実施形態の変形例に係る探索システムにより実行される探索処理のフローチャートである。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」と表記する。)を、図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る探索システム1の機能ブロックを示す図である。探索システム1は、受信機10と、送信機20とを備える。本実施形態では、探索者が受信機10を携帯し、埋没者が送信機20を携帯しているとする。なお、本実施形態では、受信機10及び送信機20が異なる機能を備える場合について説明するが、受信機10及び送信機20は、物理的に同じ構成を備えていてよく、受信機10としての機能と送信機20としての機能を選択可能に備えていてよい。
送信機20は、磁場生成部21と、検出部22とを備える。磁場生成部21は、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する。また、検出部22は、鉛直方向を検出する。ここで、検出部22は、重力加速度を検出する加速度センサで構成されてよい。そして、磁場生成部21は、鉛直方向を回転軸として、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成してよい。磁場生成部21により生成される磁場のより具体的な説明は、後に図3を用いて詳細に行う。
受信機10は、測定部10gと、推定部11と、表示部10fとを備える。測定部10gは、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、磁気双極子の回転の1又は複数の周期にわたって測定する。ここで、少なくとも2つの方向は、水平面に沿った2方向を含んでよく、互いに直交する方向であってよい。また、少なくとも2つの方向は、検出部22により検出された鉛直方向に直交する方向を含んでよい。測定部10gは、互いに直交する2本又は3本のバーコイルによって構成されてよく、電磁誘導によってバーコイルに生じる電圧に基づいて、磁場の成分を測定するものであってよい。測定部10gにより測定される磁場の成分の数は、バーコイルの本数によって定められてよい。
推定部11は、測定部10gにより測定された磁場の成分に基づいて、送信機20の方向を推定する。推定部11は、受信機10の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を推定し、それらの方向に基づいて送信機20の方向を推定する。推定部11による処理については、後に詳細に説明する。
本実施形態に係る探索システム1によれば、回転する磁気双極子によって生成される磁場を、回転の1又は複数の周期にわたって測定することで、受信機10の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を推定することができ、送信機20の方向を推定することができる。そのため、探索者が、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援することができる。
図2は、本実施形態に係る受信機10の物理的構成を示す図である。受信機10は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、測定部10gと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例では受信機10が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、受信機10は、複数のコンピュータが組み合わされて実現されてもよい。また、図2で示す構成は一例であり、受信機10はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。
CPU10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU10aは、測定部10gにより磁場を測定したり、推定部11により送信機20の方向を推定したりするプログラム(探索プログラム)を実行する演算部である。CPU10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bやROM10cに格納したりする。
RAM10bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM10bは、CPU10aが実行する探索プログラム、磁気双極子の回転の角周波数といったデータを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM10bには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
ROM10cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM10cは、例えば探索プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
通信部10dは、受信機10を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、送信機20と無線通信により接続されて、種々のデータを送受信してよい。また、通信部10dは、インターネット等の通信ネットワークに接続されてもよい。さらに、通信部10dは、GPS(Global Positioning System)信号を受信してもよい。
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード及びタッチパネルを含んでよい。
表示部10fは、CPU10aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部10fは、例えば推定部11により推定された送信機20の方向を表示したり、後述するリサージュ図形を表示したりしてよい。
測定部10gは、互いに直交する2本又は3本のバーコイルによって構成されてよく、電磁誘導によってバーコイルに生じる電圧に基づいて、磁場の成分を測定するものであってよい。
探索プログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。受信機10では、CPU10aが探索プログラムを実行することにより、図1を用いて説明した様々な動作が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、受信機10は、CPU10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
図2では、受信機10の物理的構成を例示したが、送信機20も受信機10と同様の構成を備えてよい。具体的には、送信機20は、演算部に相当するCPUと、記憶部に相当するRAMと、記憶部に相当するROMと、通信部と、入力部と、表示部と、磁場生成部21と、を有してよい。ここで、磁場生成部21は、互いに直交する2本又は3本のバーコイルによって構成されてよく、バーコイルに電流を入力して、電磁誘導によって磁場を生成するものであってよい。磁場生成部21の物理的構成は、測定部10gの物理的構成と同じであってよい。
図3は、本実施形態に係る探索システム1の座標系を示す図である。同図では、受信機10を基準とするx-y-z座標系と、送信機20を基準とするX-Y-Z座標系とを示している。
x-y-z座標系において、鉛直方向をz軸方向とするとき、送信機20は、検出部22によって鉛直方向を検出し、磁場生成部21によって、任意の初期位相で磁気双極子がx-y平面内を回転するように、変動する磁場を生成する。これにより、磁気双極子が水平面(x-y平面)内を回転するような磁場が生成されることとなり、受信機10で測定される磁場の成分が限定され、受信機10によって送信機20の方向を推定する演算を簡略化することができる。
ここで、磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、磁気双極子モーメントpの大きさ(ベクトルpのノルム)をAと表し、磁気双極子モーメントpのx軸成分をpxと表し、磁気双極子モーメントpのy軸成分をpyと表し、磁気双極子モーメントpのz軸成分をpzと表し、時間をtと表し、任意の初期位相をθ0と表すとき、磁場生成部21は、以下の数式7で表される磁気双極子モーメントp(t)により磁場を生成してよい。なお、磁場生成部21は、連続的に磁場を生成してもよいし、間欠的に磁場を生成してもよい。また、磁気双極子の回転の角周波数をωは、例えば457kHzであってよい。角周波数ωは、任意の値であってよいが、雪や瓦礫等を透過し、また金属による反射の影響の少ない周波数であることが望ましく、MHz帯やGHz帯よりもkHzオーダーの周波数帯又はさらに低周波数帯が望ましい。
Figure 0007086378000007
送信機20は、数式7で表される磁気双極子モーメントpを生成するために、検出部22によって鉛直方向を検出し、受信機10を基準とするx-y-z座標系を、送信機20を基準とするX-Y-Z座標系に変換する回転行列Rを算出して、以下の数式8により、送信機20の磁場生成部21を構成する3軸バーコイルに入力する電流Iを決定してよい。ここで、IxはX軸方向のバーコイルに入力する電流の成分を表し、IyはY軸方向のバーコイルに入力する電流の成分を表し、IzはZ軸方向のバーコイルに入力する電流の成分を表し、cは定数を表す。
Figure 0007086378000008
送信機20の磁場生成部21によって、数式7の磁気双極子モーメントp(t)により変動する磁場が生成されることで、受信機10の測定部10gでは、以下の数式9で表される磁場B(t)が測定される。ここで、Bxはx軸方向のバーコイルにより測定される磁場のx軸成分を表し、Byはy軸方向のバーコイルにより測定される磁場のy軸成分を表し、Bzはz軸方向のバーコイルにより測定される磁場のz軸成分を表す。また、μ0は真空の透磁率であり、ベクトルrは、受信機10から送信機20を指すベクトルである。
Figure 0007086378000009
測定部10gは、少なくとも磁場のx軸成分Bx及びy軸成分Byを測定すればよい。探索者は、測定部10gを構成するx軸方向のバーコイル及びy軸方向のバーコイルが、水平面に沿うように受信機10を把持して、直交する2本のバーコイルによって磁場のx軸成分Bx及びy軸成分Byが測定されるようにしてよい。また、重力加速度を検出する加速度センサで構成された検出部を受信機10に設けて、検出部によって鉛直方向を検出し、鉛直方向及び鉛直方向に直交する2方向に関する磁場の成分を測定することとしてもよい。受信機10に検出部を設けて鉛直方向を検出することで、推定部11による推定がより正確になる。測定部10gで測定される磁場の成分をさらに詳細に表すと、以下の数式10及び11のとおりとなる。
Figure 0007086378000010
Figure 0007086378000011
図3の例では、ベクトルrのz軸成分がマイナスであり、受信機10から見て送信機20が埋没している状況を示している。受信機10から見た送信機20の位置は、ベクトルrのノルム|r|と、x軸から測った方位角φと、z軸のマイナス側から測った仰角ψとによって一意に特定される。なお、本例では仰角ψをz軸のマイナス側から測っており、受信機10の真下に送信機20が位置する場合にψ=0となるが、仰角ψの測り方は任意である。同様に、方位角φの測り方も任意である。
推定部11は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して、磁気双極子の回転の1又は複数の周期Tにわたって積分することで、送信機20の方向を推定する。ここで、周期Tは、T=2π/ωであり、予め設定することができる値である。少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して、1又は複数の周期にわたって積分することで、初期位相に依存しない量を算出することができ、任意の初期位相で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、送信機20の方向を推定することができる。
推定部11は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に基づいて、受信機10と送信機20との間の方位角φを推定する。方位角φを推定することで、送信機20により生成される磁場の磁力線が、送信機20から受信機10まで曲線を描くように生成される場合であっても、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。方位角φの推定は、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を角周波数ωで直交検波することで行ってよい。
具体的には、推定部11は、磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、磁場のx軸成分をBxと表し、磁場のy軸成分をByと表し、磁場のz軸成分をBzと表し、周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式12~15のうちいずれかによって、方位角φを推定してよい。ここで、Argは、複素数の偏角を表す。
Figure 0007086378000012
Figure 0007086378000013
Figure 0007086378000014
Figure 0007086378000015
このように、数式12~15によって方位角φを算出することで、任意の初期位相θ0で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、不定性無く送信機20の方向を推定することができる。そのため、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
また、推定部11は、以下の数式16によって、方位角φを推定してもよい。
Figure 0007086378000016
数式16は、数式12~15と比較して、磁場のx軸成分及びy軸成分を用い、磁場のz軸成分を用いない点で異なっている。このように、数式16によって方位角φを算出することで、磁場のz軸成分の測定が困難な場合であっても、磁場のx軸成分とy軸成分とを用いて、送信機20の方向を推定することができる。そのため、探索者と埋没者との距離が比較的遠く、磁場のz軸成分が比較的小さい場合であっても、探索者が埋没者まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
また、推定部11は、3つの方向に関する磁場の成分に基づいて、受信機10と送信機20との間の仰角ψを推定してよい。仰角ψを推定することで、送信機20により生成される磁場の磁力線が、送信機20から受信機10まで曲線を描くように生成される場合であっても、埋没者が埋まっている方向を直線的に特定することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
具体的には、推定部11は、以下の数式17によって、仰角ψを推定してよい。ここで、ArcTanは、正接関数(タンジェント)の逆関数である。
Figure 0007086378000017
このように、数式17によって仰角ψを算出することで、任意の初期位相θ0で磁気双極子を回転させて磁場を生成した場合であっても、不定性無く送信機20の方向を推定することができる。そのため、探索者が埋没者の位置まで直線的に到達することができ、より短時間で埋没者を救助することができるようになる。
なお、数式12~17では、受信機10側で磁場の各成分にexp(±iωt)の重み(正弦波の重み)を乗算する場合を示したが、このような重みは、磁場生成部21によって予め乗算されてもよい。すなわち、磁場生成部21は、初期位相θ0で磁気双極子を回転させて生成される少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算することで、変動する磁場を生成してもよい。磁気双極子を回転させて生成される少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算して変動する磁場を生成することで、受信機10側で正弦波の重みを乗算する必要が無くなり、受信機10の演算負荷を低減させて送信機20の方向を推定することができる。
図4は、本実施形態に係る送信機20により生成される磁場B1の向きの第1例を示す図である。また、図5は、本実施形態に係る送信機により生成される磁場B2の向きの第2例を示す図である。図4及び5では、x-y平面上における磁場の分布を示している。これらの図面を参照して、数式10で表される磁場のx軸成分とy軸成分の変化について説明する。
図4に示す磁場B1は、送信機20の磁場生成部21により生成される磁気双極子モーメントpが、受信機10の方向を向いた瞬間の磁場の分布を表している。一方、図5に示す磁場B2は、送信機20の磁場生成部21により生成される磁気双極子モーメントpが、受信機10と送信機20を結ぶ線分と直交する方向を向いた瞬間の磁場の分布を表している。磁気双極子モーメントpが回転すると、受信機10で測定される磁場も回転し、図4及び5に示すリサージュ図形Lが描かれる。
推定部11は、磁場のx軸成分及び磁場のy軸成分の変動により描かれるリサージュ図形Lを楕円により近似し、楕円の長軸方向又は短軸方向によって、方位角φを推定してよい。図4及び5に示す例の場合、推定部11は、リサージュ図形Lを楕円により近似して、楕円の長軸方向によって、受信機10と送信機20との間の方位角φを推定してよい。ただし、楕円の長軸方向により方位角φを推定する場合、方位角には180°の不定性が残る。
この場合、推定部11は、磁場の強さに基づいて、送信機20から受信機10までの距離を推定してよい。ここで、磁場の強さとは、測定部10gにより測定される磁場のノルムであってよい。すなわち、磁場の強さとは、(Bx 2+By 2+Bz 21/2であってよい。数式10及び11に示されるように、磁場の強さは、送信機20から受信機10までの距離|r|の3乗に反比例する。従って、推定部11により推定される方位角に180°の不定性があったとしても、それぞれの方向に動いてみて、磁場の強さが強くなる方向に進めば、埋没者の位置へ直線的に向かうことができる。
このように、リサージュ図形Lを楕円により近似することで、受信機10の位置で磁場の大きさが極大となる方向及び極小となる方向を比較的少ない演算量で推定することができ、送信機20の方向を比較的少ない演算量で推定することができる。また、送信機20から受信機10までの距離を推定することで、探索者が、推定された方向に向かって埋没者を探索する場合に、埋没者に近付く方向に向かっているかを確認することができ、埋没者の位置まで直線的に到達することを支援することができる。
図6は、本実施形態に係る探索システム1により表示されるリサージュ図形の例を示す図である。受信機10及び送信機20の少なくともいずれか一方は、リサージュ図形を表示する表示部10fを有してよい。本実施形態の場合、受信機10は、測定された磁場のx軸方向の成分とy軸方向の成分により描かれるリサージュ図形を表示する表示部10fを有する。
同図では、雪中の深さhの位置に送信機20を携帯する埋没者が埋まっている場合に、受信機10を携帯する探索者が比較的遠い位置にいる第1の場合(a)と、受信機10と送信機20との間の仰角が所定の値ψ0となる第2の場合(b)と、受信機10と送信機20との間の仰角が所定の値ψ0より小さい第3の場合(c)と、受信機10と送信機20との間の距離が第3の場合(c)よりも短い第4の場合(d)と、受信機10と送信機20との間の仰角がほとんど0°である第5の場合(e)と、の5つの場合を示している。なお、同図では、探索者が、矩形の受信機10の長辺が進行方向と平行になるように表示部10fを視認している場合を示している。
第1の場合(a)には、リサージュ図形は長軸方向が送信機20の方向を向いた楕円である。この場合、探索者は、楕円の長軸方向に向かって歩くことで、埋没者に近付くことができる。また、リサージュ図形の楕円の長軸の長さ及び短軸の長さは、測定される磁場の強さが強くなると長くなる。そのため、探索者は、楕円の長軸に沿ってそれぞれの方向に動いてみて、楕円が大きくなる方向に進めばよい。
第2の場合(b)は、受信機10と送信機20との間の仰角が所定の値ψ0となる場合である。ここで、所定の値ψ0は、sinψ0=(2/3)1/2を満たす値である。具体的には、ψ0はおおよそ54°である。数式10によれば、ψ=ψ0のとき、(Bx 2+By 21/2は時間tに依存せず一定になる。つまり、この場合にリサージュ図形は円となる。また、この場合に、受信機10と送信機20の水平距離は、(2)1/2×hとなる。つまり、この場合に、探索者は、埋没者までの水平距離がおおよそ1.4hである位置にいる。例えば、埋没者が深さ1mの位置に埋まっている場合、探索者は、埋没者までの水平距離がおおよそ1.4mの位置にいることになる。
第3の場合(c)には、リサージュ図形は短軸方向が送信機20の方向を向いた楕円である。この場合、探索者は、楕円の短軸方向に向かって歩くことで、埋没者に近付くことができる。また、リサージュ図形の楕円の長軸の長さ及び短軸の長さは、測定される磁場の強さが強くなると長くなる。そのため、探索者は、楕円の短軸に沿ってそれぞれの方向に動いてみて、楕円が大きくなる方向に進めばよい。
このように、受信機10と送信機20との間の仰角が所定の値ψ0より大きい場合、リサージュ図形は長軸方向が送信機20の方向を向いた楕円となり、仰角が所定の値ψ0より小さい場合、リサージュ図形は短軸方向が送信機20の方向を向いた楕円となる。このように、楕円の長軸及び短軸に対する進むべき方向が変わるため、表示部10fには、仰角が所定の値ψ0より大きいか小さいかに応じて、楕円の長軸方向に進むべきであるか、短軸方向に進むべきであるかを表示してもよい。
第4の場合(d)には、リサージュ図形は短軸方向が送信機20の方向を向いた楕円であるが、短軸の長さがほとんど0となった楕円である。この場合、探索者は、楕円の短軸方向に向かって歩くことで、埋没者に近付くことができる。埋没者に近付くに従って、楕円の短軸の長さが長くなっていき、リサージュ図形は徐々に円に近付いていく。
第5の場合(e)には、受信機10と送信機20との間の仰角が0°となる場合である。すなわち、探索者が埋没者の真上にいる場合である。数式10によれば、ψ=0のとき、(Bx 2+By 21/2は時間tに依存せず一定になる。つまり、この場合に、リサージュ図形は円となる。
このように、リサージュ図形を示すことで、探索する方向に応じて測定される磁場の成分がどのように変化するか確かめながら埋没者を探索することができ、探索する方向が妥当であるかを視覚的に確認することができる。また、受信機10が送信機20に近付くに従って、リサージュ図形が第1の場合(a)から第5の場合(e)に変化していくため、仮に仰角の具体的数値が示されなくても、リサージュ図形の変化から仰角を推定することができる。
なお、探索システム1は、リサージュ図形をそのまま表示するのではなく、リサージュ図形に適切な円形状を足し合わせることで直線を表示し、より直感的に進行方向を表示することとしてもよい。具体的には、図6(a)の場合には、楕円の短軸の長さを半径とし、楕円のリサージュ図形に対して位相が180度異なる円形状をリサージュ図形に足し合わせることとしてもよい。これにより、楕円の長軸方向に延びる直線が表示されることとなる。また、図6(c)の場合には、楕円の長軸の長さを半径とし、楕円のリサージュ図形とは位相が180度異なる円形状をリサージュ図形に足し合わせることとしてもよい。これにより、楕円の短軸方向に延びる直線が表示されることとなる。
図7は、本実施形態に係る探索システム1により実行される探索処理のフローチャートである。はじめに、送信機20の検出部22によって、鉛直方向を検出する(S10)。そして、送信機20の磁場生成部21は、鉛直方向を回転軸として、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する(S11)。
受信機10は、測定部10gによって、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、磁気双極子の回転の1又は複数の周期にわたって測定する(S12)。そして、受信機10は、推定部11によって、測定された磁場の成分に基づいて、送信機20の方向を推定する(S13)。推定部11による推定処理は、数式6~11を用いて行ってもよいし、磁場のx軸成分及びy軸成分の変動により描かれるリサージュ図形を楕円により近似することで行ってもよい。
その後、受信機10は、表示部10fによって、推定された送信機20の方向及びリサージュ図形を表示する(S14)。なお、受信機10は、推定部11により推定された送信機20の方位角及び仰角の少なくともいずれか一方をリサージュ図形と併せて表示してもよいし、リサージュ図形を表示せずに、方位角及び仰角と、距離を表す磁場の強さとを表示してもよい。以上で探索処理が終了する。
本実施形態では、数式7で表される磁気双極子モーメントを磁場生成部21により生成する場合について説明したが、磁場生成部21は、これ以外の磁場を生成してもよい。磁場生成部21は、例えば、以下の数式18で表される磁気双極子モーメントp(t)によって、変動する磁場を生成してもよい。ここで、ωは搬送波の角周波数であり、θ0は搬送波に関する任意の初期位相であり、Ωは変調波の角周波数であり、α0は変調波に関する任意の初期位相である。ここで、搬送波の角周波数ωは、例えば457kHzであってよく、変調波の角周波数Ωは、例えば10~20Hzであってよい。
Figure 0007086378000018
このように、搬送周波数ωで回転する磁気双極子の振幅を角周波数ΩでAM変調することで、変動する磁場を生成してもよい。このような磁場が生成される場合であっても、受信機10で磁場のx軸成分とy軸成分を測定し、搬送周波数ωで検波して、変動の軌跡を描くと、角周波数Ωで回転するリサージュ図形となる。従って、リサージュ図形を楕円で近似する方法で、送信機20の方位角φ及び仰角ψを推定することができる。
また、数式12~17における正弦波の重みexp(±iωt)を、重みexp(±iΩt)に置き換えることで、方位角φ及び仰角ψを算出することができる。また、送信機20の磁場生成部21によって、数式12の磁気双極子モーメントに重みexp(±iΩt)を乗算することで変動する磁場を生成し、受信機10によって、数式6~11における正弦波の重みexp(±iωt)の乗算を省略した積分を実行することで、方位角φ及び仰角ψを算出することができる。
なお、変調波の角周波数Ωを10~20Hz程度とする場合、磁場生成部21は、搬送周波数ωで回転する磁気双極子を電気的に生成し、角周波数Ωで磁気双極子を機械的に回転させることで、変動する磁場を生成してもよい。
図8は、本実施形態の変形例に係る探索システム1aの機能ブロックを示す図である。変形例に係る探索システム1aは、本実施形態に係る探索システム1と比較して、送信機20が、通信部23と、表示部24とを備え、受信機10が検出部12を備え、通信部10dによって送信機20に情報を送信する点で、本実施形態に係る探索システム1と相違する。その他の構成について、変形例に係る探索システム1aは、本実施形態に係る探索システム1と同様の構成を備える。以下では、相違する構成について説明し、同様の構成については詳細な説明を省略する。
変形例に係る探索システム1aでは、探索者が送信機20を携帯し、埋没者が受信機10を携帯しているとする。なお、受信機10及び送信機20は、物理的に同じ構成を備えていてよく、受信機10としての機能と送信機20としての機能を選択可能に備えていてよい。
送信機20の磁場生成部21は、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する。ここで、磁場生成部21は、検出部22により検出された鉛直方向を磁気双極子モーメントの回転軸の方向としてよい。検出部22により検出された鉛直方向を磁気双極子モーメントの回転軸の方向とすることで、磁場が生成される方向が正確に制御され、結果的に推定部11による推定が正確になる。もっとも、探索者が磁場生成部21を構成するX軸方向のバーコイル及びY軸方向のバーコイルが水平面に沿うように送信機20を把持する場合、検出部22を用いずに、X軸方向のバーコイル及びY軸方向のバーコイルにより磁場を生成することとしてもよい。
受信機10の検出部12は、重力加速度を検出する加速度センサで構成されてよく、鉛直方向を検出する。測定部10gは、検出部12により検出された鉛直方向をz軸方向として、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、磁気双極子の回転の1又は複数の周期にわたって測定する。そして、推定部11は、測定部10gにより測定された磁場の成分に基づいて、送信機20の方向を推定する。推定部11は、例えば、受信機10と送信機20との間の方位角、仰角及び距離を推定する。推定部11により推定された送信機20の方向を表す値を推定値と呼ぶこととする。
受信機10は、通信部10dによって、推定部11により推定された推定値を、送信機20に対して送信する。送信機20は、通信部23によって、推定値を受信し、表示部24に表示する。
このようにして、探索者が送信機20を携帯し、埋没者が受信機10を携帯する場合であっても、探索者は、埋没者の位置まで直線的に到達することができる。なお、受信機10によってリサージュ図形を求めて、リサージュ図形に関する情報を受信機10から送信機20に送信してもよい。
図9は、本実施形態の変形例に係る探索システム1aにより実行される探索処理のフローチャートである。はじめに、送信機20の検出部22によって、鉛直方向を検出する(S20)。そして、送信機20の磁場生成部21は、鉛直方向を回転軸として、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する(S21)。
受信機10は、検出部12によって鉛直方向を検出し、検出された鉛直方向をz軸方向として、測定部10gによって、少なくとも2つの方向に関する磁場の成分を、磁気双極子の回転の1又は複数の周期にわたって測定する(S22)。そして、受信機10は、推定部11によって、測定された磁場の成分に基づいて、送信機20の方向を推定する(S23)。推定部11による推定処理は、数式12~17を用いて行ってもよいし、磁場のx軸成分及びy軸成分の変動により描かれるリサージュ図形を楕円により近似することで行ってもよい。
その後、受信機10は、通信部10dによって、推定された方向に関する情報を、送信機20に送信する(S24)。なお、受信機10は、推定部11により推定された送信機20の方位角及び仰角の少なくともいずれか一方をリサージュ図形と併せて送信してもよいし、リサージュ図形を送信せずに、方位角及び仰角と、距離を表す磁場の強さとを送信してもよい。最後に、送信機20は、表示部24によって、推定部11により推定された方向及びリサージュ図形を表示する(S25)。以上で変形例に係る探索システム1aにより実行される探索処理が終了する。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
例えば、受信機10及び送信機20の少なくともいずれか一方をスマートフォンで構成し、スマートフォンのステレオ出力及びマイク入力によって、変動する磁場により表される信号を入出力することとしてもよい。これにより、雪崩による埋没者の探索はもとより、送信機20を持たせた野生動物の追跡や屋内でのナビゲーションを行ったり、地震災害時の瓦礫埋没者の探索を行ったりすることができる。また、スマートフォンにインストールされる様々なアプリケーションと連動させることで、より多くの分野に応用することもできる。
1…探索システム、1a…変形例に係る探索システム、10…受信機、10a…CPU、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、10g…測定部、11…推定部、12…検出部、20…送信機、21…磁場生成部、22…検出部、23…通信部、24…表示部

Claims (13)

  1. 受信機と、送信機とを備える探索システムであって、
    前記送信機は、
    任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成する磁場生成部を有し、
    前記受信機は、
    少なくとも2つの方向に関する前記磁場の成分を、前記回転の1又は複数の周期にわたって測定する測定部と、
    前記磁場の成分に基づいて、前記送信機の方向を推定する推定部と、を有し、
    前記推定部は、前記初期位相に基づかないで前記送信機の方向を推定する、
    探索システム。
  2. 前記推定部は、少なくとも2つの方向に関する前記磁場の成分に正弦波の重みを乗算して、前記1又は複数の周期にわたって積分することで、前記送信機の方向を推定する、
    請求項1に記載の探索システム。
  3. 前記推定部は、少なくとも2つの方向に関する前記磁場の成分に基づいて、前記受信機と前記送信機との間の方位角を推定する、
    請求項1又は2に記載の探索システム。
  4. 前記推定部は、前記磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、前記磁場のx軸成分をBxと表し、前記磁場のy軸成分をByと表し、前記磁場のz軸成分をBzと表し、前記周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式1~4のうちいずれかによって、前記方位角φを推定する、
    Figure 0007086378000019
    Figure 0007086378000020
    Figure 0007086378000021
    Figure 0007086378000022
    請求項3に記載の探索システム。
  5. 前記推定部は、前記磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、前記磁場のx軸成分をBxと表し、前記磁場のy軸成分をByと表し、前記周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式5によって、前記方位角φを推定する、
    Figure 0007086378000023
    請求項3に記載の探索システム。
  6. 前記推定部は、前記磁場のx軸成分及び前記磁場のy軸成分の変動により描かれるリサージュ図形を楕円により近似し、前記楕円の長軸方向又は短軸方向によって、前記方位角を推定する、
    請求項3に記載の探索システム。
  7. 前記受信機及び前記送信機の少なくともいずれか一方は、前記リサージュ図形を表示する表示部をさらに有する、
    請求項6に記載の探索システム。
  8. 前記推定部は、3つの方向に関する前記磁場の成分に基づいて、前記受信機と前記送信機との間の仰角を推定する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の探索システム。
  9. 前記推定部は、前記磁気双極子の回転の角周波数をωと表し、前記磁場のx軸成分をBxと表し、前記磁場のy軸成分をByと表し、前記磁場のz軸成分をBzと表し、前記周期をTと表し、時間をtと表し、任意の正整数をNと表すとき、以下の数式6によって、前記仰角ψを推定する、
    Figure 0007086378000024
    請求項8に記載の探索システム。
  10. 前記磁場生成部は、前記初期位相で前記磁気双極子を回転させて生成される少なくとも2つの方向に関する磁場の成分に正弦波の重みを乗算することで、変動する磁場を生成する、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の探索システム。
  11. 前記推定部は、前記磁場の強さに基づいて、前記送信機から前記受信機までの距離を推定する、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の探索システム。
  12. 前記送信機は、鉛直方向を検出する検出部をさらに有し、
    前記磁場生成部は、前記鉛直方向を回転軸として、前記初期位相で前記磁気双極子を回転させることで、前記磁場を生成する、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の探索システム。
  13. 送信機によって、任意の初期位相で磁気双極子を回転させることで、変動する磁場を生成することと、
    受信機によって、少なくとも2つの方向に関する前記磁場の成分を、前記回転の1又は複数の周期にわたって測定することと、
    前記受信機によって、前記磁場の成分に基づいて、前記送信機の方向を推定することと、
    を含み、
    前記受信機は、前記初期位相に基づかないで前記送信機の方向を推定する探索方法。
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