JP7085953B2 - 軸受装置 - Google Patents

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Description

この発明は、転がり軸受と、転がり軸受又はその近傍に設置される振動センサとを備える軸受装置に関する。
特開2007-270885号公報(特許文献1)は、振動センサを有する軸受用センサを開示する。軸受用センサの本体1は、軸受箱2の外側面斜め上方の装着面において傾斜状態で取付けられる。本体1は、軸受の上下振動検出用の第1の振動センサ基板15と、左右振動検出用の第2の振動センサ基板16とを含む。第1及び第2の振動センサ基板15,16は、鉄道車両に対する軸受箱2の水平取付面Hに対して、第1の振動センサ基板15が垂直となり、かつ、第2の振動センサ基板16が平行となるように、本体1の装着面に対して所定角度傾斜させた状態で本体1内に取付けられる。これにより、軸受箱2に傾斜した状態でも正確な振動測定を可能としている(特許文献1参照)。
また、特開2003-172347号公報(特許文献2)は、センサ付転動装置を開示する。センサ付転動装置に係るセンサユニット40は、鉛直方向に対して傾いた状態でハウジング18に取付けられている。センサユニット40は、プリント基板27上に実装される速度センサ28、温度センサ29及び振動センサ30を含む。振動センサ30は、鉛直方向の振動を正確に測定できるように、プリント基板27の長手方向に対して傾いた状態でプリント基板27上に実装されている(特許文献2参照)。
特開2007-270885号公報 特開2003-172347号公報
軸受には、鉛直方向(上下方向)、水平方向(回転軸に垂直)、左右方向(回転軸方向)の振動が発生する。上記の特許文献1,2では、振動センサを有するセンサユニットが鉛直方向又は水平方向に対して傾斜して軸受に設置される場合に、振動センサによって純粋な鉛直方向や水平方向等の振動を検出可能なように、振動センサが実装される基板をユニット内で傾斜させたり、基板内でセンサを傾斜して実装したりしている。
転がり軸受の軌道面や転動面に傷が発生すると、軸受の回転に伴ない、軸受には、鉛直方向、水平方向、左右方向だけでなく、傷を起点に軸受の円周方向に伝わる振動も発生する。この振動については、鉛直方向及び水平方向の振動の検出結果に基づいて推定することも考えられるが、鉛直方向の振動を検出するセンサ及び水平方向の振動を検出するセンサでは、上記の振動を十分に拾うことができず、推定誤差が大きくなる可能性がある。
たとえば、外輪が静止輪の転がり軸受において外輪の軌道面に生じた傷による振動を測定する場合、1次モードの振動成分は、外輪の剛体運動であり、鉛直方向の振動を検出するセンサ及び水平方向の振動を検出するセンサによって測定することができる。しかしながら、2次モード以上の振動成分は、軸受の円周方向に外輪が波打つ振動モードであり、特に3次モード以上の振動成分については、上記の各センサでは十分に拾うことができない可能性がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、転がり軸受の鉛直方向及び水平方向の振動とともに、軸受の円周方向に伝わる振動も測定することにより、軸受に生じた傷の検出精度を向上可能な軸受装置を提供することである。
本発明における軸受装置は、転がり軸受と、転がり軸受又はその近傍に設置される第1から第3の振動センサとを備える。第1から第3の振動センサの各々は、1軸方向に感度を有するセンサである。第1の振動センサは、鉛直方向に感度を有するように転がり軸受の回転軸の鉛直方向に設置され、第2の振動センサは、回転軸に垂直であって水平方向に感度を有するように回転軸の水平方向に設置される。第3の振動センサは、回転軸に垂直であって鉛直方向及び水平方向と異なる斜め方向に感度を有するように回転軸の斜め方向に設置される。
本発明においては、鉛直方向の振動を検出する第1の振動センサ、及び水平方向の振動を検出する第2の振動センサとともに、鉛直方向及び水平方向と異なる斜め方向の振動を検出する第3の振動センサが設けられるので、軸受に生じる種々のモードの振動を検出することができる。本発明によれば、従来は検出が難しかったモードの振動まで検出可能となり、軸受に生じた傷の検出精度を向上させることができる。
好ましくは、軸受装置は、第1から第3の振動センサの検出値に基づいて、転がり軸受に生じた損傷を検知するように構成された処理装置をさらに備える。処理装置は、第1及び第2の振動センサの検出値に基づいて、転がり軸受に生じる1次モード及び2次モードの振動を検知するように構成され、第3の振動センサの検出値に基づいて、転がり軸受に生じる3次モード以上の振動を検知するように構成される。
好ましくは、第3の振動センサは、転がり軸受の円周方向に移動可能に構成される。
好ましくは、第3の振動センサは、回転軸の鉛直上方を0度とした場合に、転がり軸受の円周方向の30度から60度、120度から150度、210度から240度、及び300度から330度のいずれかの範囲に配置される。
好ましくは、第1から第3の振動センサは、鉄道車両の台車の軸箱に設置される。
本発明によれば、転がり軸受の鉛直方向及び水平方向の振動とともに、軸受の円周方向に伝わる振動も測定することにより、軸受に生じた傷の検出精度を向上可能な軸受装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に従う軸受装置が適用される鉄道車両の台車周辺の構成を示す図である。 各軸箱に収容される転がり軸受の断面図である。 軸箱における各振動センサの配置構成を示す図である。 振動センサが測定可能な振動の方向を示す図である。 外輪に生じる振動モードの一例を模式的に示す図である。 振動センサによって検出される振動波形の周波数スペクトルの一例を示す図である。 図1に示すデータ処理装置により実行される軸箱の転がり軸受の異常診断処理の一例を示すフローチャートである。 軸箱における各振動センサの配置構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に従う軸受装置が適用される鉄道車両の台車周辺の構成を示す図である。なお、図1及び以降の図中、X方向は、鉛直方向或いは車両の上下方向を示し、Y方向は、水平方向或いは車両の前後方向を示す。すなわち、以下では、「水平方向」とは、このY方向(車両前後方向)を示すものとし、軸受との関係では、軸受の回転軸に垂直な水平方向を示すものとする。
図1を参照して、鉄道車両10は、台車19と、車体30と、データ処理装置20とを備える。台車19と車体30との間には、枕ばね40が設けられており、枕ばね40によって台車19から車体30への振動が軽減される。データ処理装置20は、車体30に設けられる。
台車19は、台車枠25と、軸箱42,46と、軸ばね44,48と、振動センサ31~38とを含む。なお、軸箱、軸ばね、及び振動センサについては、図示しない紙面奥方向の車輪に対しても、同様のものが設けられている。
軸箱42,46は、台車枠25の前後方向両端に、それぞれ軸ばね44,48を介して設けられる。軸箱42,46の各々には、車軸用の転がり軸受が収容されている。軸ばね44,48は、それぞれ軸箱42,46から台車枠25への振動を軽減する。鉄道車両10の走行に伴なう振動は、車体30においては軸ばね44,48及び枕ばね40によって弱められるので、車体30に配置されるデータ処理装置20に強い振動が加わることはなく、データ処理装置20が振動から保護される。
振動センサ31~34は、軸箱42に設置され、軸箱42内の転がり軸受の振動を測定する。振動センサ35~38は、軸箱46に設置され、軸箱46内の転がり軸受の振動を測定する。振動センサ31~38の各々は、加速度センサ、音響センサ、超音波センサ、AEセンサ、EMセンサ、圧電素子等によって構成される。振動センサ31~38によって測定される振動波形データは、図示しない信号線又は無線によってデータ処理装置20へ送信される。振動センサ31~38の配置については、後ほど詳しく説明する。
データ処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory))と、振動センサ31~38の検出信号等を含む各種信号を入出力するための入出力バッファとを含んで構成される(いずれも図示せず)。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAM等に展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、データ処理装置20の処理手順が記されたプログラムである。
データ処理装置20は、ROMに格納されたプログラムに従って、振動センサ31~34により測定される振動データに基づいて軸箱42内の転がり軸受の異常診断を実行し、振動センサ35~38により測定される振動データに基づいて軸箱46内の転がり軸受の異常診断を実行する。なお、上記の処理については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。データ処理装置20によって実行される処理については、後ほど詳しく説明する。
図2は、軸箱42,46の各々に収容される転がり軸受の断面図である。なお、この実施の形態では、内輪及び外輪がそれぞれ回転輪及び静止輪のころ軸受によって転がり軸受が構成される場合について代表的に説明されるが、本発明の適用範囲は、このような軸受に限定されるものではなく、転がり軸受は、外輪が回転輪のものであってもよいし、玉軸受等であってもよい。
図2を参照して、転がり軸受60は、内輪62と、外輪66と、複数の転動体68とを含む。内輪62は、車軸の軸体64に外嵌され、車軸と一体的に回転する。外輪66は、内輪62の外周側に設けられ、図示しない軸箱に内嵌される。複数の転動体68の各々は、円柱形の「ころ」であり、図示されない保持器によって隣接の転動体と等間隔に保持されつつ内輪62と外輪66との間に介在する。
外輪66は、複数の転動体68のうち負荷域を通過中のものからラジアル荷重を受ける。この実施の形態では、静止輪である外輪66において、その中心軸(内輪62の回転軸)よりも上方側に負荷域が形成される。そして、外輪66は、複数の転動体68のうち、中心軸真上の負荷域中央を通過している転動体から最大の荷重を受ける。したがって、この転がり軸受では、静止輪である外輪66の軌道面において、中心軸の真上付近の位置に最も傷が発生しやすい。
<振動センサの配置>
図3は、軸箱42における振動センサ31~34の配置構成を示す図である。なお、軸箱46における振動センサ35~38の配置構成は、軸箱42における振動センサ31~34の配置構成と同様であるので、以下では、軸箱42における振動センサ31~34の配置構成について代表的に説明する。
図3を参照して、軸箱42の鉛直上方を0度とし、軸箱42に収容される転がり軸受(図2)の円周方向に沿って時計回りに角度を示すものとして、振動センサ31は、鉛直方向(鉄道車両10の上下方向、X方向)に感度を有するように、軸箱42の180度の位置に設置される。すなわち、振動センサ31は、軸箱42に収容される転がり軸受の回転軸の鉛直下方に設置される。なお、設置場所が確保できるのであれば、振動センサ31は、軸箱42の0度の位置、すなわち、軸受の回転軸の鉛直上方に設置されてもよい。
図4は、振動センサ31が測定可能な振動の方向を示す図である。なお、その他の振動センサ32~38についても、振動センサ31と同様である。図4を参照して、振動センサ31は、1軸方向に感度を有するセンサである。振動検知方向を法線とする端面39は、振動センサ31の設置面である。
再び図3を参照して、振動センサ32は、水平方向(鉄道車両10の前後方向、Y方向)に感度を有するように、軸箱42の270度の位置に設置される。すなわち、振動センサ32は、軸箱42に収容される転がり軸受の回転軸の水平方向に設置される。なお、振動センサ32は、軸箱42の90度の位置に設置されてもよい。
振動センサ34は、軸箱42に収容される転がり軸受の回転軸の方向(鉄道車両10の左右方向)に感度を有するように、軸箱42の側面等に設置される。なお、振動センサ34は、本発明においては必須のものではなく、省略してもよい。
この実施の形態に従う軸受装置では、振動センサ33がさらに設けられる。振動センサ33は、軸箱42に収容される転がり軸受の回転軸に垂直であって鉛直方向(X方向)及び水平方向(Y方向)と異なる斜め方向に感度を有するように、軸箱42に設置される。
軸箱42に収容された転がり軸受の軌道面や転動面に傷が発生すると(上述のように、この例では、静止輪である外輪66の軌道面において、中心軸の真上付近の位置に最も傷が発生しやすい。)、軸受の回転に伴ない、軸受には、鉛直方向(上下方向)及び水平方向(車両前後方向)だけでなく、傷を起点に軸受の円周方向に伝わる振動も発生する。この振動成分については、鉛直方向及び水平方向の振動の検出結果に基づいて推定することも考えられるが、鉛直方向の振動を検出する振動センサ31、及び水平方向の振動を検出する振動センサ32では、上記の振動成分を十分に拾うことができず、推定誤差が大きくなる可能性がある。
図5は、外輪66に生じる振動モードの一例を模式的に示す図である。図5を参照して、(a)は、1次モードの振動成分(1次振動モード)の一例を示し、(b)は、2次モードの振動成分(2次振動モード)の一例を示す。また、(c)は、3次モードの振動成分(3次振動モード)の一例を示し、(d)は、4次モードの振動成分(4次振動モード)の一例を示す。各振動モードの固有振動数fnは、たとえば次式によって示されることが知られている。
fn=√(1+n2)/2πR×√(E/ρ) …(1)
ここで、nはモードの次数であり、Rは輪(ここでは外輪66)の半径である。また、E及びρは、それぞれ輪(外輪66)を構成する部材の縦弾性係数及び密度である。
(a)の1次振動モードは、外輪66の剛体運動であり、このような振動成分は、鉛直方向に感度を有する振動センサ31、及び水平方向に感度を有する振動センサ32によって測定することができる。
2次モード以上の振動成分は、円周方向に外輪66が波打つ振動モードである。(b)の2次振動モードは、円周方向に2つの波数を有する振動であり、このような振動成分も、振動センサ31,32によって測定することが可能である。
しかしながら、3次モード以上の振動成分については、振動センサ31,32では十分な測定をすることができない可能性がある。たとえば、(c)の3次振動モードは、円周方向に3つの波数を有し、(d)の4次振動モードは、円周方向に4つの波数を有する。これらの振動モードの振動については、鉛直方向に感度を有する振動センサ31、及び水平方向に感度を有する振動センサ32では、1次モード及び2次モードの振動成分と区別して精度よく検出できない可能性がある。
そこで、本実施の形態に従う軸受装置においては、3次モード以上の振動成分(特に3次振動モード及び4次振動モード)を感度よく測定するために、振動センサ33(図3)がさらに設けられる。振動センサ33によって、振動センサ31,32では十分に検出できない3次モード以上の振動成分を感度よく検出することが可能となる。
振動センサ33によって3次モード以上の振動成分(特に3次振動モード及び4次振動モード)を感度よく測定可能とするために、振動センサ33の配置は、図3に示した角度θで30度から60度の範囲とするのが好ましい。なお、軸受の対称性から、30度から60度の範囲に代えて、120度から150度の範囲としてもよく、或いは、210度から240度又は300度から330度の範囲としてもよい。
このように、鉛直方向(上下方向)及び水平方向(車両前後方向)の振動とともに、上記各方向と異なる斜め方向の振動成分も振動センサ33によって測定し、各振動波形のデータから算出される周波数スペクトル(或いは各振動波形の包絡線から算出される周波数スペクトル)を互いに重ね合わせたり差分を抽出したりすることによって、転がり軸受に生じた傷を高精度に検出することが可能となる。
図6は、振動センサ31,33によって検出される振動波形の周波数スペクトルの一例を示す図である。図6を参照して、鉛直方向の振動を検出する振動センサ31では拾うことができていない振動成分を、鉛直方向及び水平方向と異なる斜め方向の振動を測定する振動センサ33によって拾うことができていることが分かる(たとえば、図中の枠で囲った部分の振動成分)。ピークが高い周波数を上記の式(1)により算出される固有振動数fnと比較することによって、軸受に発生している振動モードを同定し、傷による振動の発生有無を判定することができる。
図7は、図1に示したデータ処理装置20により実行される軸箱42内の転がり軸受の異常診断処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定時間毎に繰返し実行される。なお、軸箱46内の転がり軸受についても、同様の異常診断処理が実行される。
図7を参照して、データ処理装置20は、各振動センサ31~34から検出値を取得する(ステップS10)。さらに、データ処理装置20は、軸箱46の転がり軸受の運転条件(回転速度等)を取得する(ステップS20)。そして、データ処理装置20は、取得された運転条件(回転速度)を用いて、外輪66が損傷(外輪66の軌道面に傷が発生)した場合に損傷部を転動体68が通過する毎に発生する振動の周波数を示す外輪損傷周波数を算出する(ステップS30)。なお、外輪損傷周波数は、内輪62の回転速度、転動体68の数、直径、及びピッチ円径、並びに接触角等から算出することができる。
次いで、データ処理装置20は、上記の式(1)を用いて、外輪66のn次振動モード周波数(n=2,3,4)を算出する(ステップS40)。さらに、データ処理装置20は、ステップS10において取得された振動センサ31~34の検出値毎に周波数スペクトルを算出する(ステップS50)。周波数スペクトルは、検出された振動波形に対して高速フーリエ変換(FFT)等の処理を行なうことによって算出することができる。なお、検出された振動波形の包絡線の周波数スペクトルを算出してもよい。
そして、データ処理装置20は、ステップS50において取得された振動センサ31(以下「第1センサ」とも称する。)又は振動センサ32(以下「第2センサ」とも称する。)の周波数スペクトルにおいて、ステップS30で算出された外輪損傷周波数の振動度が所定の第1しきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS60)。この第1しきい値は、外輪66に損傷が生じているか否かを判定するための振動度のレベルであり、事前評価やシミュレーション等によって予め定められる。
第1センサ又は第2センサの周波数スペクトルにおいて、外輪損傷周波数の振動度が第1しきい値よりも大きいと判定されると(ステップS60においてYES)、データ処理装置20は、軸箱42に収容される転がり軸受に異常が生じているものと診断する(ステップS100)。
ステップS60において、第1センサ又は第2センサの周波数スペクトルにおける外輪損傷周波数の振動度が第1しきい値以下であると判定されると(ステップS60においてNO)、データ処理装置20は、ステップS50において取得された振動センサ31(第1センサ)又は振動センサ32(第2センサ)の周波数スペクトルにおいて、ステップS40で算出された2次振動モード周波数の振動度が所定の第2しきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS70)。この第2しきい値は、外輪66に損傷が生じたために外輪66に2次モードの振動成分が生じているか否かを判定するための振動度のレベルであり、事前評価やシミュレーション等によって予め定められる。
第1センサ又は第2センサの周波数スペクトルにおいて、外輪66の2次振動モード周波数の振動度が第2しきい値よりも大きいと判定されると(ステップS70においてYES)、データ処理装置20は、ステップS100へ処理を移行し、軸箱42に収容される転がり軸受に異常が生じているものと診断する。
一方、ステップS70において、第1センサ又は第2センサの周波数スペクトルにおける外輪66の2次振動モード周波数の振動度が第2しきい値以下であると判定されると(ステップS70においてNO)、データ処理装置20は、ステップS80へ処理を移行する。
すなわち、データ処理装置20は、ステップS50において取得された振動センサ33(以下「第3センサ」とも称する。)の周波数スペクトルにおいて、ステップS40で算出された3次振動モード周波数の振動度が所定の第3しきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS80)。この第3しきい値は、外輪66に損傷が生じたために外輪66に3次モードの振動成分が生じているか否かを判定するための振動度のレベルであり、事前評価やシミュレーション等によって予め定められる。
第3センサの周波数スペクトルにおいて、外輪66の3次振動モード周波数の振動度が第3しきい値よりも大きいと判定されると(ステップS80においてYES)、データ処理装置20は、ステップS100へ処理を移行し、軸箱42に収容される転がり軸受に異常が生じているものと診断する。
一方、ステップS80において、第3センサの周波数スペクトルにおける外輪66の3次振動モード周波数の振動度が第3しきい値以下であると判定されると(ステップS80においてNO)、データ処理装置20は、ステップS90へ処理を移行する。
すなわち、データ処理装置20は、ステップS50において取得された第3センサの周波数スペクトルにおいて、ステップS40で算出された4次振動モード周波数の振動度が所定の第4しきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS90)。この第4しきい値は、外輪66に損傷が生じたために外輪66に4次モードの振動成分が生じているか否かを判定するための振動度のレベルであり、事前評価やシミュレーション等によって予め定められる。
第3センサの周波数スペクトルにおいて、外輪66の4次振動モード周波数の振動度が第4しきい値よりも大きいと判定されると(ステップS90においてYES)、データ処理装置20は、ステップS100へ処理を移行し、軸箱42に収容される転がり軸受に異常が生じているものと診断する。
一方、ステップS90において、第3センサの周波数スペクトルにおける外輪66の4次振動モード周波数の振動度が第4しきい値以下であると判定されると(ステップS90においてNO)、データ処理装置20は、リターンへと処理を移行する。
以上のように、この実施の形態では、鉛直方向(上下方向)の振動を検出する振動センサ31、及び水平方向(車両前後方向)の振動を検出する振動センサ32とともに、鉛直方向及び水平方向と異なる斜め方向の振動を検出する振動センサ33が設けられるので、軸受に生じる種々のモードの振動を検出することができる。具体的には、この実施の形態では、データ処理装置20は、振動センサ31,32の検出値に基づいて1次モード及び2次モードの振動を検知し、振動センサ33の検出値に基づいて3次モード以上の振動を検知する。この実施の形態によれば、従来は検出が難しかったモード(3次モード以上)の振動まで検出可能となり、軸受に生じた傷の検出精度を向上させることができる。
そして、この実施の形態では、振動センサ33は、軸受の回転軸の鉛直上方を0度とした場合に、軸受円周方向の30度から60度、120度から150度、210度から240度、又は300度から330度の範囲に配置される。このような位置に振動センサ33を配置することによって、軸受に生じる3次モード以上の振動成分を振動センサ33によって高感度に検出することができる。
なお、振動センサ33が3次モード以上の振動成分(特に3次振動モード及び4次振動モード)を高感度で検出可能な位置に振動センサ33の配置を調整可能なように、振動センサ33は、転がり軸受の円周方向に移動可能としてもよい。たとえば、図8に示されるように、振動センサ33を円周方向に可動とするための可動板70を軸箱42(46)の円周方向に設置し、可動板70上で振動センサ33を円周方向に移動かつ固定可能としてもよい。
また、上記の実施の形態では、鉄道車両10の台車19の軸箱42,46に収容される転がり軸受を対象とし、各振動センサは軸箱に設置されるものとしたが、本発明の適用範囲は、上記のような軸受に限定されるものではなく、各種機器に用いられる軸受を含む。その場合、各振動センサは、軸受に直接設置してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 鉄道車両、19 台車、20 データ処理装置、30 車体、31~38 振動センサ、39 設置面、40 枕ばね、42,46 軸箱、44,48 軸ばね、60 転がり軸受、62 内輪、64 軸体、66 外輪、68 転動体、70 可動板。

Claims (3)

  1. 転がり軸受と、
    前記転がり軸受又はその近傍に設置される第1から第3の振動センサとを備え、
    前記第1から第3の振動センサの各々は、1軸方向に感度を有するセンサであり、
    前記第1の振動センサは、鉛直方向に感度を有するように前記転がり軸受の回転軸の鉛直方向に設置され、
    前記第2の振動センサは、前記回転軸に垂直であって水平方向に感度を有するように前記回転軸の水平方向に設置され、
    前記第3の振動センサは、前記回転軸に垂直であって鉛直方向及び水平方向と異なる斜め方向に感度を有するように前記回転軸の斜め方向に設置され、さらに、
    前記第1から第3の振動センサの検出値に基づいて、前記転がり軸受に生じた損傷を検知するように構成された処理装置を備え、
    前記処理装置は、
    前記第1及び第2の振動センサの検出値に基づいて、前記転がり軸受に生じる1次モード及び2次モードの振動を検知するように構成され、
    前記第3の振動センサの検出値に基づいて、前記転がり軸受に生じる3次モード以上の振動を検知するように構成され、
    前記第3の振動センサは、前記転がり軸受の円周方向に移動可能に構成される、軸受装置。
  2. 前記第3の振動センサは、前記回転軸の鉛直上方を0度とした場合に、前記転がり軸受の円周方向の30度から60度、120度から150度、210度から240度、及び300度から330度のいずれかの範囲に配置される、請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記第1から第3の振動センサは、鉄道車両の台車の軸箱に設置される、請求項1又は請求項2に記載の軸受装置。
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