JP4091083B2 - タイヤ内部故障検知装置およびタイヤ内部故障検知方法 - Google Patents

タイヤ内部故障検知装置およびタイヤ内部故障検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤが装着された車輪を備える車両が走行している状態で、このタイヤの内部に発生している内部故障を検出することができる、タイヤ内部故障検知装置およびタイヤ内部故障検知方法に関する。
車両の走行中、何らかの原因でタイヤ内部にセパレーション等の故障が発生した場合、故障が発生した状態で車両の走行を続ければ、例えば、タイヤに突然バーストが生じて走行不能になる可能性もあり、ひいては、交通事故をも招く危険性もある。タイヤ内部において、タイヤを構成しているゴムとベルトや、ゴムとゴムの間がはく離する損傷(セパレーション)等の故障が発生した場合、このような故障を早急に検知して乗員等に警告することは、安全上、非常に重要である。このため、製品タイヤについては、例えばX線非破壊試験機等を用いた出荷前検査が実施されている。タイヤの製造時、例えば、成型・加硫工程において、タイヤ原材料への異物混入等に起因する内部故障があった場合は、この出荷前検査で内部故障を発見することができる。また、タイヤ構造・ゴム物性等に起因する低耐久性品の場合には、商品試験として、通常実施する室内ドラム耐久試験によって耐久性を評価して、市場において実際に車両に装着されるタイヤの耐久性の指標を得ている。
しかしながら、例えばX線非破壊試験機等を用いた出荷前検査では、タイヤ内部に完全なセパレーションが起きている場合は検知可能であるが、走行時の負荷により発生・進展するセパレーションまでは検知(予測)することはできない。また、たとえ、室内ドラム耐久試験によって耐久性の指標を得ることができたとしても、このような耐久試験においては、実際に車両に装着された状態で使用されている製品タイヤにかかる負荷状態(積載量、空気圧、路温、走行パターン等)の、ごく一部の負荷状態しか再現することはできない。すなわち、耐久試験において、実際に車両に装着された状態で使用されている製品タイヤ1つ1つの負荷状態を、個々に再現することはできない。このような、ごく限られた条件で行なわれた耐久試験で得られた耐久性の指標を用いただけでは、実際に車両に装着された状態で使用されている製品タイヤ1つ1つについて、セパレーション等の内部故障の発生の有無を判断することはできない。このため、従来から、実際に車両に装着された状態で使用されている製品タイヤについて、車両が走行している最中に発生したセパレーション等の内部故障を、早急に検知することができる装置および方法が望まれていた。
従来、車両に装着されたタイヤに発生した故障を検知するための手段として、例えば、下記特許文献1および2が挙げられる。下記特許文献1には、走行中の車両に装着されたタイヤの振動や音の変化を計測して、これらの計測結果を周波数分析し、この周波数分析の結果を用いてタイヤ状態を判別する構成とすることによって、タイヤの異常を的確にドライバに知らせることができるタイヤの異常検知システムが開示されている。また、下記特許文献2には、タイヤの空気圧とタイヤの内部温度とを検出し、空気圧が予め設定した値よりも低下し、かつタイヤ内温度が予め設定した温度よりも上昇している場合に、タイヤに異常があるものと判定することで、タイヤパンク及びタイヤパンクの虞れのある異常状態を的確に検出できるようにしたタイヤ監視システムが提供されている。
特開2003−80912号公報 特開2003−72330号公報
特許文献1記載のタイヤの異常検知システムでは、計測したタイヤの振動や音の変化に基づいて、タイヤの異常を検知している。しかし、実際の車両では、タイヤの振動や音の状態は、例えば、車両が実際に走行する路面の状態や、車両の走行条件(速度や荷重)など、種々の要因の変化に応じて様々に変化する。振動や音の状態の変化には、このような路面の状態や車両の走行条件の変化に応じた成分、すなわちノイズ成分が多く含まれている。特許文献1記載のタイヤの異常検知システムでは、このようなノイズ成分の影響で、タイヤの異常を充分な精度で検知することはできなかった。また、特許文献2記載のタイヤ監視システムでは、タイヤの空気圧とタイヤの内部温度とに基づいて、タイヤ内部の故障を検知している。しかし、タイヤ内部にセパレーション等の故障が発生した状態では、タイヤの空気圧とタイヤの内部温度には、それほど顕著な変化は現れないことが、本願発明者によって確認されている。具体的には、内部故障が発生していないタイヤが装着された車両を1時間連続走行させて、走行前後のタイヤ温度およびタイヤ内圧をそれぞれ検出した。そして、同一車両に、タイヤ内部にセパレーションが発生している同一タイヤ(同一サイズ、空気圧)を装着して、同様にこの車両を1時間連続走行させて、走行前後のタイヤ温度およびタイヤ内圧をそれぞれ検出した。その結果、タイヤ内部に内部故障(セパレーション)が発生しているか否かに関わらず、1時間連続走行の前後で、タイヤ内圧の変化は認められず、温度の変化にも有意な差は認められなかった。特許文献2記載のタイヤ監視システムでは、タイヤ内部に発生したセパレーション等の故障を、充分な精度で検知することはできない。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、タイヤが装着された車輪を備える車両が走行している状態で、このタイヤの内部に発生している内部故障を、高い精度で検出することができる、タイヤ内部故障検知方法およびタイヤ内部故障検知装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤが装着された車輪を備える車両において、前記タイヤ内部に発生している内部故障を、前記車両が走行している状態で検出する装置であって、転動中の前記タイヤに関するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、前記タイヤ情報に基づき、車両が走行している最中の前記タイヤの接地部分の変形量を導出する変形量導出手段と、導出された前記変形量に基いて、前記内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する評価値算出手段と、算出された前記評価値と予め定められた基準値とを比較することで、前記タイヤ内部に内部故障が発生しているか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とするタイヤ内部故障検知装置を提供する。
なお、本発明は、前記タイヤ情報取得手段は、前記タイヤ情報として、転動中の前記タイヤが前記路面から外力を受けることで発生する、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得し、前記変形量導出手段は、前記タイヤ情報取得手段で取得された、前記タイヤの時系列の加速度データを用いて、前記タイヤの接地部分の前記変形量を求めることが好ましい。
また、前記変形量導出手段は、前記時系列の加速度データから、タイヤの変形に基づく時系列の加速度データを抽出して、前記タイヤの変形に基づく時系列の加速度データに対して2階の時間積分を行って変位データを求めることにより、前記タイヤの変形量を算出することが好ましい。
また、前記変形量導出手段は、少なくとも、前記タイヤの接地部分における、前記タイヤの周方向変形量と前記タイヤの幅方向変形量との2方向の変形量をそれぞれ求め、前記評価値算出手段は、前記タイヤの接地部分における前記周方向変形量と、前記タイヤの接地部分における前記幅方向変形量と、の2方向の変形量に基づいて、前記評価値を算出することが好ましい。
また、前記タイヤの接地部分における、前記周方向変形量の最大値をXmax、前記幅方向変形量の最大値をYmaxとしたとき、前記評価値は、Xmax/YmaxまたはYmax/Xmaxのいずれか一方を用いて表された値であってもよい。
前記評価値は、tan−1(Xmax/Ymax)またはtan−1(Ymax/Xmax)のいずれか一方を用いて表された値であることが好ましい。
また、前記タイヤの接地部分における、前記周方向変形量の最大値をXmax、前記幅方向変形量の最大値をYmaxとしたとき、前記評価値は、Xmax×Ymaxであってもよい。
また、前記変形量導出ステップは、前記タイヤの接地部分における前記タイヤの周方向変形量を求め、前記評価値算出ステップは、前記周方向変形量の最大値に基づいて前記評価値を算出することが好ましい。
また、前記変形量導出ステップは、前記タイヤの接地部分における前記タイヤの幅方向変形量を求め、前記評価値算出ステップは、前記幅方向変形量の最大値に基づいて前記評価値を算出することが好ましい。
本発明は、また、タイヤが装着された車輪を備える車両において、前記タイヤ内部に発生している内部故障を、前記車両が走行している状態で検出する方法であって、転動中の前記タイヤに関するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップと、前記タイヤ情報に基づき、車両が走行している最中の前記タイヤの接地部分の変形量を導出する変形量導出ステップと、導出された前記変形量に基いて、前記内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する評価値算出ステップと、算出された前記評価値と予め定められた基準値とを比較することで、前記タイヤ内部に内部故障が発生しているか否かを判定する判定ステップと、を有することを特徴とするタイヤ内部故障検知方法を、併せて提供する。
本発明のタイヤ内部故障検知方法およびタイヤ内部故障検知装置によれば、タイヤが装着された車輪を備える車両において、この車両が走行している状態で、タイヤ内部に発生している内部故障を、高い精度で検出することができる。
以下、本発明のタイヤ内部故障検知装置およびタイヤ内部故障検知方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤ内部故障検知装置の一例である、タイヤ内部故障検知装置10(装置10)について説明する概略構成図である。装置10は、4つの車輪14a〜14dが配備された車両12に備えられている。これら4つの車輪14a〜14dは、同一種類のタイヤ(タイヤサイズやタイヤリム幅、ベルト構造、また、タイヤの充填空気圧などがそれぞれ同一であるタイヤ)15a〜15dがそれぞれ装着されて構成された車輪である。装置10は、センサユニット16a〜16dと、データ処理ユニット20と、ディスプレイ34とからなる。センサユニット16a〜16dは、4つの車輪14a〜14dにそれぞれ備えられており、車両12が路面を走行する際に、各車輪のタイヤ15が路面から外力を受けることで発生する、このタイヤ15の所定部位の加速度情報を取得して無線信号で送信する。
データ処理ユニット20は、センサユニット16a〜16dから送信された無線信号をそれぞれ受信する。そして、受信した無線信号から、各タイヤのタイヤ半径方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ周方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ幅方向の変形加速度情報とを抽出する。そして、抽出したタイヤ半径方向の変形加速度情報から、タイヤ15の所定部位の接地タイミング(タイヤ空洞領域の内周面に固定した加速度センサ2が、タイヤの接地面の中心位置に到来する(最も近づく)タイミング)を求め、この接地タイミングを用いて、抽出したタイヤ周方向の変形加速度情報から各タイヤの接地部分のタイヤ周方向の変形量を導出し、かつ、抽出したタイヤ幅方向の変形加速度情報から各タイヤの接地部分のタイヤ幅方向の変形量を導出する。そして、データ処理ユニット20は、各タイヤの接地部分のタイヤ周方向の変形量と、各タイヤの接地部分のタイヤ幅方向の変形量とに基づき、各タイヤの内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する。そして、データ処理ユニット20は、算出したこの評価値と、予め定められた基準値とを比較することで、タイヤに内部故障が発生しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、後述するように、タイヤ15の所定部位の接地タイミングを精度良く導出するために、タイヤ半径方向の変形加速度情報を用いている。タイヤ15の所定部位の接地タイミングは、各タイヤのタイヤ周方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ幅方向の変形加速度情報のいずれか一方からも導出することができる。データ処理ユニット20は、受信した無線信号から、少なくとも、各タイヤのタイヤ周方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ幅方向の変形加速度情報とを抽出することができればよい。ただし、タイヤ15の所定部位の接地タイミングをより高精度に導出して、タイヤ内部故障をより高精度に検出したい場合、受信した無線信号から、各タイヤのタイヤ半径方向の変形加速度情報を抽出することが好ましい。
ディスプレイ34は、このデータ処理ユニット20において導出される、タイヤ周方向およびタイヤ幅方向それぞれの変形量や、タイヤ内部に内部故障が発生しているか否かの判定結果などを表示する。なお、ディスプレイ34は、特に、データ処理ユニット20において、タイヤに内部故障が発生していると判定された場合など、車両12を運転するドライバに向けて、タイヤに内部故障が発生している旨を伝える警報を発することもできる構成となっている。なお、図1に示す例では、データ処理ユニット20は車両12に配置されているが、データ処理ユニット20は持ち運び可能であって、車両12に配置することに限定されない。
図2は、図1に示す装置10における、センサユニット16(センサユニット16a〜16d)、およびテータ処理ユニット20について説明する概略構成図である。センサユニット16a〜16dは、それぞれ同様な構成であるので、ここではセンサユニット16aおよびこのセンサユニット16aが設けられた車輪14aについてのみ図示している。
センサユニット16aは、加速度センサ2と、送信機17とからなる。加速度センサ2は、タイヤ15の空洞領域の内周面に設置されており、各車輪のタイヤ15が路面から外力を受けることで発生する、このタイヤ15の所定部位(加速度センサ1の設置位置)の加速度情報を取得して無線信号で送信する。加速度の計測データは、各送信ユニットの送信機17から、データ処理ユニット20の受信機3へ送信される。なお、送信機17を設けず、例えば、加速度センサ2に別途送信機能を持たせ、加速度センサ2から、受信機3へ送信するように構成してもよい。なお、車輪14a〜14dに設けられた各送信機17は、それぞれを識別可能とする識別情報(ID)をそれぞれ保有しており、送信機17は、対応する加速度センサで計測された加速度の計測データとともにIDを送信する。
加速度センサ2としては、例えば、本願出願人が先に出願した特願2003−134727号に開示された半導体加速度センサが例示される。半導体加速度センサは、具体的には、Siウエハ外周枠部内にダイアフラムが形成されたSiウエハと、このウエハ外周枠部を固定する台座とを有し、ダイアフラムの一方の面の中央部に重錘が設けられ、ダイアフラムには複数のピエゾ抵抗体が形成されている。この半導体加速度センサに加速度が作用した場合、ダイアフラムは変形し、この変形によりピエゾ抵抗体の抵抗値は変化する。この変化を加速度の情報として検出できるようにブリッジ回路が形成されている。この加速度センサを、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ周方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とが測定可能となるようにタイヤ内周面に固定することにより、タイヤ回転中のトレッド部に作用する加速度を計測することができる。加速度センサ2は、この他にピエゾ圧電素子を用いた加速度ピックアップを用いてもよいし、歪みゲージを組み合わせた歪みゲージタイプの加速度ピックアップを用いてもよい。
なお、本実施形態において、加速度センサ2は、タイヤ15のショルダー部の内面に設置されている(図3参照)。一般的に、タイヤのショルダー部には、タイヤトレッド部において積層されている複数のベルトのベルト端部が位置しており、他の部分と比べて、製造時や走行時にセパレーションなどの内部故障が発生しやすい。タイヤのショルダー部に加速度センサを設けておくことで、タイヤに発生する内部故障を、比較的早く検知することができる。なお、本発明において、各タイヤに設置される加速度センサの数は、特に限定されない。各タイヤの内部故障をより高精度に検知したい場合は、加速度センサ2は、タイヤの周方向に沿って複数設けられていることが好ましく、より好ましくは、タイヤが設けられた車両が路面を走行している最中、タイヤの接地部分に、常時1つ以上の加速度センサが位置していることが好ましい。加速度センサ2は、また、タイヤ幅方向に複数設けられていることが好ましい。ただし、本実施形態のように、各タイヤに1つ加速度センサを設置した場合であっても、各タイヤに発生した内部故障を、従来に比べて、より充分な精度で検知することができる。
データ処理ユニット20は、受信機3と、増幅器(AMP)4と、処理手段21と、CPU23と、メモリ27とを有する。データ処理ユニット20は、メモリ27に記憶されたプログラムをCPU23が実行することで、処理手段21に示される各部が機能するコンピュータである。
処理手段21は、タイヤ加速度データ取得部22、信号処理部24、変形量導出部26、評価値算出部28、および故障判定部30からなる。タイヤ加速度データ取得部22は、車輪14a〜14dそれぞれを構成するタイヤ15a〜15dのトレッド部の所定部位(加速度センサ2の設置位置)の、タイヤ半径方向の加速度、タイヤ周方向の加速度、およびタイヤ幅方向の加速度の計測データを取得する。信号処理部24は、これらタイヤ半径方向加速度データ、タイヤ周方向加速度データ、およびタイヤ幅方向加速度データを信号処理して、各タイヤのタイヤ半径方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ周方向の変形加速度情報と、各タイヤのタイヤ幅方向の変形加速度情報とを抽出し、抽出したタイヤ半径方向の変形加速度情報から、タイヤ15の所定部位の接地タイミングを求める。そして、変形量導出部26は、この接地タイミングを用いて、上記の変形加速度データ(周方向変形加速度データおよび幅方向変形加速度データ)から、各タイヤ15a〜15dのタイヤの接地部分における、上記所定部位のタイヤ周方向変形量とタイヤ幅方向変形量との2方向の変形量をそれぞれ導出する。評価値算出部28は、導出された上記2方向の変形量に基いて、各タイヤの内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する。故障判定部30は、メモリ27に予め記憶されている基準値と、算出した上記評価値とを比較することで、各タイヤに内部故障が発生しているか否かを判定する。各手段の機能については、後に詳述する。
本発明は、タイヤ15a〜15dそれぞれのタイヤ接地部分における、トレッド部の所定部位のタイヤ周方向変形量とタイヤ幅方向変形量との2方向の変形量をそれぞれ求め、この2方向の変形量に基づいて、タイヤの内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出することを特徴としている。本発明によれば、車両12に装着されたタイヤ15a〜タイヤ15dそれぞれに発生する内部故障を、車両12の走行中であっても、簡易かつ高精度に検出することができる。図3(a)および(b)は、車両12の走行時に、タイヤ15a〜15dの接地部分にかかる力について説明する図である。図3(a)は、タイヤ15a〜15dの接地部分における、タイヤのトレッド部にかかる力、およびこのトレッド部の変形について説明する概略図であり、車両12のうち1つのタイヤ(タイヤ15a)を路面側から見た図である。
タイヤの接地部分では、図2に示すように、略円弧状の断面をもつタイヤが平面状の路面に押し付けられるので、図3(a)に示すように、タイヤのトレッド部表面全体が接地中心部分に収縮するような力を受ける。そして、タイヤのトレッド部表面全体が接地中心部分に向けて収縮するように変形する。タイヤの接地部分では、タイヤのトレッド部はこのように変形するので、車両の進行に伴い、タイヤに設置された加速度センサ2は、図3(a)に示すような軌跡を通る。図3(b)は、加速度センサ2が図3(a)に示す接地部分を通過している最中における、トレッド部の所定部位(加速度センサ2の設置位置)の、タイヤ周方向の時系列の変形量とタイヤ幅方向の時系列の変形量をそれぞれ示すグラフであり、タイヤ15aの所定部位の時系列の変形を、タイヤ周方向とタイヤ幅方向とからなる直交座標系で表したグラフである。図3(a)、および図3(b)で実線で示すグラフを参照してわかるように、タイヤ15aの所定部分(加速度センサの設置位置)は、この所定部分が接地した当初は、タイヤ15aの接地部分の中心に近づくように、車両12の進行(タイヤ15の転動)にともなって変形量は増加していく。そして、接地部分の中心付近(図3(a)および(b)でCとして示す)を過ぎると、この変形量は除々に減少して、タイヤの接地部分の後端では、変形はほぼ0(ゼロ)になる。
このような変形の程度や変形の形態(すなわち、タイヤ周方向の変形量と、タイヤ幅方向の変形量との大きさのバランス)は、タイヤの構造によって変化する。すなわち、タイヤ表面にかかる変形の力の大きさ(図3(a)中の矢印で示されるような力)や、タイヤ表面の変形の程度(同じく図3(a)中の矢印で示されるような変形の大きさ)は、タイヤの表面構造や内部構造に応じて変わる。例えば、タイヤの内部でセパレーションが生じている場合など、このセパレーションしている部分では、タイヤ表面にかかる変形の力の大きさ(図3(a)中の矢印で示されるような力)が伝わりにくく、変形の程度が小さくなることが予想される。また、セパレーションの形態に応じて、タイヤ表面にかかる変形の力やタイヤ表面の変形なども、タイヤの周方向とタイヤの幅方向とで変わってしまい、例えば、図3(b)中に破線で示すグラフように、タイヤにセパレーションなどの内部故障が発生していない場合(図3(b)中の実線で示すグラフ)とは異なった変形形態で変形することが予想される。処理手段21は、タイヤの接地部分における、このようなタイヤのトレッド部の変形の程度や変形の形態を表す評価値を算出し、算出した評価値に基づいて、タイヤに内部故障が発生しているか否かを判定する。
処理手段21は、上述のように、タイヤ加速度データ取得部22、信号処理部24、変形量導出部26、評価値算出部28、および故障判定部30を有して構成されている。タイヤ加速度データ取得部22は、アンプ4で増幅された、少なくともタイヤ1回転分の加速度の計測データを入力データとして取得する部分である。タイヤ加速度データ取得部22は、タイヤ半径方向の加速度の時系列データと、タイヤ周方向の加速度の時系列データと、タイヤ幅方向の加速度の時系列データとをそれぞれ取得する。アンプ4から供給されるデータはアナログデータであり、各加速度の時系列データそれぞれを、所定のサンプリング周波数でサンプリングしてそれぞれデジタルデータに変換する。なお、データ取得部22は、各タイヤ15の送信機17から送信された上述のIDに基づき、各送信機から送信される加速度の計測データが、どのタイヤの加速度の計測データであるか(タイヤ15a〜タイヤ15dのいずれのタイヤの加速度であるか)を判定する。以降、信号処理部24、変形量導出部26、評価値算出部28、および故障判定部30の各部で行なわれる各処理は、各タイヤの計測データそれぞれについて、並列に行なわれる。
信号処理部24は、デジタル化されたタイヤ半径方向の加速度データ、タイヤ周方向の加速度データ、およびタイヤ幅方向の加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データをそれぞれ抽出する部位である。具体的には、信号処理部24では、これら加速度の計測データに対して平滑化処理を行い、これら平滑化された信号に対して近似曲線を算出して背景成分1を求め、この背景成分1を平滑化処理された加速度の計測データから除去することにより、タイヤの変形に基づく、タイヤ半径方向加速度の時系列データ(半径方向変形加速度データ)、タイヤ周方向加速度の時系列データ(周方向変形加速度データ)、およびタイヤの変形に基づくタイヤ幅方向加速度の時系列データ(幅方向変形加速度データ)をそれぞれ抽出する。信号処理部24は、さらに、半径方向変形加速度データから、タイヤ15の所定部位の接地タイミング(タイヤ空洞領域の内周面に固定した加速度センサ2が、タイヤの接地面の中心位置に到来する(最も近づく)タイミング)、すなわち、図2に示す回転角φが、180°、540°、900°・・・となるタイミングをそれぞれ抽出する。抽出された、タイヤ15の所定部位の接地タイミング、周方向変形加速度データおよび幅方向変形加速度データは、変形量導出部26に送られる。信号処理部24における具体的な処理は後述する。
変形量導出部26は、抽出された、周方向変形加速度データおよび幅方向変形加速度データに対して、それぞれ2階の時間積分を行って、タイヤ周方向変形量の時系列データ(周方向変形量データ)、およびタイヤ幅方向変形量の時系列データ(幅方向変形量データ)を算出する。具体的には、周方向変形加速度データおよび幅方向変形加速度データそれぞれに対して、時間に関する2階積分を行い、この後、2階積分して得られたそれぞれのデータに対して、信号処理部24で抽出したタイヤ15の所定部位の接地タイミングを用いて、近似曲線を算出して背景成分2をそれぞれ求め、この背景成分2それぞれを、2階積分して得られた変位データそれぞれから除去することにより、タイヤ周方向変形量の時系列データ(周方向変形量データ)、およびタイヤ幅方向変形量の時系列データ(幅方向変形量データ)をそれぞれ算出する。変形量導出部26における具体的な処理は、後に詳述する。そして、算出した、周方向変形量データおよび幅方向変形量データは、評価値算出部28にそれぞれ出力される。
評価値算出部28は、周方向変形量データおよび幅方向変形量データに基づいて、タイヤに内部故障が発生したか否かを判定するための評価値を算出する。上述したように、タイヤ内部にセパレーション等の内部故障が発生している場合、このような内部故障がタイヤ内部に発生していない場合と比べて、タイヤ表面の変形の程度や変形の形態が変化する。図3(b)に示すように、タイヤ表面の変形の程度や変形の形態は、周方向変形量データと幅方向変形量データとを用いて表すことができる。評価値算出部28では、周方向変形量データと幅方向変形量データとを用いて、タイヤ表面の変形の程度や変形の形態を特徴づける評価値を算出する。
図4は、本発明における評価値の例について説明する図である。評価値算出部28では、まず、周方向変形量データから、タイヤ所定部位の周方向変形量の最大値Xmaxを抽出する。同様に、幅方向変形量データから、タイヤ所定部位の幅方向変形量の最大値Ymaxも抽出する。上述したように、通常、所定部位が接地部分の中心部に最も近づいたタイミングで、この所定部位のタイヤ周方向変形量およびタイヤ幅方向変形量は、いずれも最大となる。本実施形態では、評価値算出部28が、このような、周方向変形量の最大値Xmaxおよび幅方向変形量の最大値Ymaxを用い、例えば、θ=tan−1(Xmax/Ymax)で表される、評価値θを求める。このような評価値θは、タイヤの接地部分におけるタイヤ表面の変形の形態を特徴づける値であるといえる。
なお、評価値算出部28では、例えば、Xmax×Ymaxを評価値としてもよいし、(Xmax +Ymax 1/2を評価値としてもよい。また、図4において斜線を付して示されている領域の面積の大きさを、評価値としてもよい。また、例えば、Xmaxのみを評価値として用いてもよいし、Ymaxのみを評価値として用いてもよい。このように求められた評価値は、タイヤの接地部分におけるタイヤ表面の変形の程度を特徴づける値であるといえる。本発明では、評価値として、θ=tan−1(Xmax/Ymax)で表される評価値θを用いることが、より好ましい。これは、タイヤ接地部分の変形の程度(変形量の大きさ)は、路面状態や車両の状態(荷重など)の走行に応じて変化するため、タイヤ表面の変形の程度を表す評価値では、このような走行条件に基づく変動成分が、ノイズとして比較的多く含まれるためである。タイヤ表面の変形の形態を特徴づける上記θを評価値として用いることで、タイヤの内部故障発生の有無を、このような変動成分の影響を受けることなく、より高精度に判定することができるようになる。
また、例えば、タイヤ周方向変形量の最大値Xmaxおよびタイヤ幅方向変形量の最大値Ymaxを、それぞれ所定の値を用いて規格化した規格化変形量最大値Xmax 、および規格化変形量最大値Ymax を用いて、評価値を求めてもよい。例えば、内部故障を判定する対象のタイヤと同一規格(同一サイズ、空気圧)の、内部故障が発生していない正常なタイヤを同一車両に装着した場合の、タイヤ周方向変形量の最大値Xmax(正常時Xmax)と、およびタイヤ幅方向変形量の最大値Ymax(正常時Ymax)とが予め既知である場合、これらの値を用いて規格化すればよい。なお、複数の走行条件毎に、上記正常時Xmaxおよび正常時Ymaxが予め既知である場合、車両の走行条件に応じて、各走行条件に対応する正常時Xmaxおよび正常時Ymaxを用いて規格化すればよい。そして、例えば、規格化変形量最大値Xmax 、および規格化変形量最大値Ymax を用いて、Xmax ×Ymax を評価値と算出してもよいし、(Xmax *2+Ymax *21/2を評価値として算出してもよい。また、図4において斜線を付して示されている領域に対応する面積の大きさを、評価値としてもよい。
また、例えば、タイヤ周方向変形量の最大値Xmaxおよびタイヤ幅方向変形量の最大値Ymaxを用いて、Xmax×Ymax、(Xmax +Ymax 1/2、Xmax/Ymax、Ymax/Xmax、等の算出値を求め、この算出値を、内部故障が発生していない正常なタイヤを同一車両に装着して求められた、正常時Xmaxと正常時Ymaxとを用いた同様の算出値で規格化した値を、評価値としてもよい。例えば、タイヤ周方向変形量の最大値Xmaxおよびタイヤ幅方向変形量の最大値Ymaxを用いて、Xmax×Ymaxを求め、このXmax×Ymaxを、正常時Xmax×正常時Ymaxの値を用いて規格化した値を、評価値としてもよい。このように、内部故障が発生していない正常なタイヤを用いた場合の変形量を用いて規格化することで、走行条件に基づく変動成分の影響が低減され、タイヤの内部故障発生の有無を、このような変動成分の影響を受けることなく高精度に判定することができるようになる。評価値算出部28で算出された評価値(本実施形態の場合、評価値θ)は、故障判定部30に送られる。これら正常時Xmaxや正常字Ymaxは、内部故障検知装置のメモリ(記憶手段)に予め記憶されていればよい。
故障判定部30は、算出された評価値θと予め定められた基準値とを比較することで、タイヤ15に内部故障が発生しているか否かを判定する。この基準値は、図示しない入力手段によって、メモリ27に予め記憶されており、故障判定部30によって読み出される。このような基準値は、例えば、タイヤ15を車両に取り付ける際、取り付け作業者によって、タイヤ15に適した数値がメモリ27に記憶されればよい。また、装置10や車両12の製造時や出荷時、または装置10の車両12への取り付け時に、車両やタイヤの仕様に応じた基準値が設定されてもよい。なお、内部故障が発生していないことが既知であるタイヤを車両に取り付けた場合などでは、車両の走行中に発生する故障のみが問題となる。このような場合には、車両の走行を開始する度に、走行開始時点から最初に取得された評価値を、基準値として記憶する構成としてもよい。
基準値としては、例えば内部故障を判定する対象のタイヤと同一規格(同一サイズ、空気圧)の、内部故障が発生していない正常なタイヤを同一車両に装着した場合の評価値、またはこのような評価値に基づいて導出された所定の値を用いればよい。例えば、基準値として、内部故障が発生していない正常タイヤを装着した場合における、評価値θの上限値および下限値が予め記憶されていればよく、評価値θの上限値または評価値θの下限値のいずれか一方が記憶されていてもよい。故障判定部30は、評価値算出部28において算出された評価値が、基準値として予め記憶されていた、正常タイヤにおける評価値の範囲を外れた場合、タイヤ15に内部故障が発生していると判定すればよい。
または、基準値としては、例えば、内部故障を判定する対象のタイヤと同一規格(同一サイズ、空気圧)の、内部故障が発生している内部故障タイヤを同一車両に装着した場合の評価値、またはこのような評価値に基づいて導出された所定の値を用いてもよい。故障判定部30は、評価値算出部28において算出された評価値が、基準値として予め記憶されていた、内部故障タイヤにおける評価値の範囲に入った場合、タイヤ15に内部故障が発生していると判定する。また、例えば、内部故障タイヤを装着した場合における評価値を、内部故障が発生していない正常なタイヤを同一車両に装着した場合の評価値で規格化した値や、このような規格化した評価値に基づいて導出された所定の値を、基準値として用いてもよい。
本実施形態では、例えば、基準値として、内部故障タイヤを装着した場合における、評価値θの上限値および下限値が予め記憶されていればよく、評価値θの上限値または評価値θの下限値のいずれか一方が記憶されていてもよい。
故障判定部30は、判定を実施する度に、判定結果をディスプレイ34に送る。ディスプレイ34は、このような判定結果を表示する。ディスプレイ34は、取得された加速度データの波形や、算出された各種パラメータなど、処理装置21において扱われる各種データや算出結果を逐次表示可能となっている。ディスプレイ34は、特に、故障判定部30において、タイヤ15に内部故障が発生していると判定された場合、車両12の運転者に内部故障が発生していることを知らせるための、警告表示をする。なお、装置10は、ディスプレイ34に加えて、車両12の運転者に内部故障が発生していることを、音によって伝えるための警報発生手段を備えていることがより好ましい。
図5は、このような装置10において実施される、本発明のタイヤ内部故障検知方法のフローチャート図である。図6〜図7は、装置10における各処理で得られる結果の一例を示している。これら図6〜図7に示す結果は、いずれも、加速度センサ2によって計測した、タイヤ半径方向加速度データについての処理結果である。以下、このタイヤ半径方向加速度データを例として、装置10において実施される、本発明のタイヤ内部故障検知方法について詳細に説明する。
まず、アンプ4で増幅された、各タイヤの加速度の計測データがデータ取得部22に供給され、所定のサンプリング周波数にてサンプリングされて、図6(a)に示すような、デジタル化された計測データが取得される(ステップS102)。この際、データ取得部22は、上述のように、各送信機15から送信された上述のIDに基づき、各車輪から送信される加速度の計測データが、どのタイヤの加速度の計測データであるか(タイヤ15a〜タイヤ15dのいずれの車輪であるか)を判定する。以降の処理は、各タイヤの加速度の計測データ毎に、それぞれ行なわれる。
次に、取得された計測データは、信号処理部24に供給され、まず、フィルタによる平滑化処理が行われる(ステップS104)。図6(a)に示すように、信号処理部24に供給された計測データはノイズ成分が多く含まれるため、平滑化処理により、図6(b)に示すような滑らかなデータとされる。フィルタは、例えば、所定の周波数をカットオフ周波数とするデジタルフィルタが用いられる。カットオフ周波数は、転動速度やノイズ成分によって変化するが、例えば転動速度が60(km/時)の場合、カットオフ周波数は、0.5〜2(kHz)とされる。この他に、デジタルフィルタの替わりに、移動平均処理やトレンドモデル等を用いて平滑化処理を行ってもよい。
次に、信号処理部24において、平滑処理された加速度の計測データから、低周波の背景成分1が除去される(ステップS106)。タイヤの加速度の背景成分1は、タイヤの転動中の遠心力の加速度成分及び重力加速度成分の影響を含む。図6(b)では背景成分1の波形が示されている。低周波成分の抽出は、ステップS104で得られた平滑化処理後の波形データに対し、さらに平滑化処理を行うことで実施する。例えば、所定の周波数をカットオフ周波数とするデジタルフィルタが用いられる。カットオフ周波数は、例えば転動速度が60(km/時)の場合、カットオフ周波数は、0.5〜2(kHz)とされる。この他に、デジタルフィルタの替わりに、移動平均処理やトレンドモデル等を用いて平滑化処理を行ってもよい。また、平滑化処理後の波形データにおいて、例えば所定の時間間隔で複数の節点を設け、予め定められた関数群、例えば3次のスプライン関数を用いて、最小二乗法により第1の近似曲線を算出することによって求めてもよい。節点は、スプライン関数の局所的な曲率(屈曲性)を規定する横軸上の拘束条件を意味する。信号処理部24では、このようにして抽出された背景成分1を、ステップS104で平滑化処理された加速度の計測データから差し引くことで、計測データからタイヤの回転に基づく加速度成分及び重力加速度成分が除去される。図6(c)には、除去後の加速度の時系列データが示されている。これにより、タイヤのトレッド部の接地変形に基づく加速度の成分(タイヤの変形に基づく加速度の時系列データ)を抽出することができる。
信号処理部24は、さらに、このようにして取得された、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データから、図2に示す回転角φが、180°、540°、900°・・・となるタイミングをそれぞれ抽出する(ステップS108)。
信号処理部24では、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データのグラフにおいて、このタイヤの変形に基づく加速度が極小値をとるタイミングを、回転角φが、θ=180°、540°、900°・・・となるタイミングとして抽出する。すなわち、これら極小値のタイミングを、図2に示すように、タイヤ空洞領域の内周面に固定した加速度センサ2が、タイヤの接地面の中心位置に到来する(最も近づく)タイミングとして抽出する。タイヤの接地領域において、タイヤの外周面の路面垂直方向の位置は、路面によって規定される。接地領域において、路面は元々曲率のついたタイヤ外周面を平面上に変形させるので、タイヤは厚み方向に変形する。これによって、タイヤ空洞領域の内周面の位置は、接地領域において、タイヤ厚み方向(路面と垂直な方向)に、少なからず変動する。タイヤの厚み方向の変形は、接地面の中心位置において最も少なくなる。タイヤ空洞領域の内周面に配置された加速度センサによって取得される、タイヤの変形に基づくタイヤ半径方向の加速度が極小となるタイミングは、上述の回転角φが、180°、540°、900°・・・となるタイミングであるといえる。なお、このような、上述の回転各φが、180°、540°、900°となるタイミングは、タイヤ周方向の変形加速度およびタイヤ幅方向の変形加速度のいずれか一方を用いても導出することができる。ステップS104〜ステップS108までの各処理は、ステップS102で取得された車輪14a〜14dそれぞれの加速度の計測データについて実施される。
次に、信号処理部24における処理結果を用い、変形量導出部26において、走行中の車両12の各タイヤ15a〜15dそれぞれの、周方向変形量データおよび幅方向変形量データが導出される(ステップS110)。図7(a)〜(c)は、それぞれ、ステップS110において変形量導出部26で行なわれる処理結果を模式的に示すグラフである。変形量導出部26では、まず、接地変形に基づく加速度の時系列データについて2階の時間積分を施し、変位データを生成する。図7(a)は、データ処理部において第1の背景成分が除去された加速度の時系列データを、時間に関して2階積分した結果である。図7(a)に示されるように、時間と共に変位が増大していることが見られる。これは、積分の対象となる加速度の時系列データはノイズ成分を含み、このノイズ成分も積分により積算されていくからである。一般に、定常状態で転動するタイヤのトレッド部の注目する一点の変形量又は変位を観察した場合、タイヤの回転周期を単位として周期的な変化を示す。したがって、時間と共に変位が増大することは通常ありえない。そこで、2階の時間積分が施されて得られた変位データが、タイヤの回転周期を単位として周期的な変化を示すように、この変位データに対して以下の処理が行われる。
すなわち、背景成分1を算出した方法と同様に、変位データに含まれるノイズ成分を背景成分2として算出する。なお、この際、上記の遠心力の導出において求めた、時系列の回転角を用いることで、路面との接地領域を含む領域におけるタイヤの転動中の変形量を精度よく求めることができる。具体的に説明すると、タイヤの周上の領域を、路面との接地領域を含む第1の領域とこれ以外の第2の領域とに分け、第1の領域として、φ=90度より大きく270度未満、450度より大きく720度未満、810度より大きく980度未満の領域を定め、第2の領域として、φ=0度以上90度以下及び270度以上360度以下、360度以上450度以下及び630度以上720度以下、720度以上810度以下及び980度以上1070度以下の領域を定める。背景成分2は、上記第2の領域中の複数の周上位置(φ又はφに対応する時間)を節点として用いて、予め定められた関数群を用いて、第1の領域及び第2の領域のデータに対して最小二乗法により第2の近似曲線を算出することによって求める。節点は、スプライン関数の局所的な曲率(屈曲性)を規定する横軸上の拘束条件を意味する。図7(b)には、背景成分2を表す第2の近似曲線が点線で示されている。図7(b)の例では、図7(b)中の「△」で示される位置、すなわちφ=10,30,50,70,90,270,290,310,330,350,370,390,410,430,450,630,650,670,690,710,730,750,770,790,810,990,1010,1030,1050,1070度における時間を節点としている。
図7(a)に示す変位データに対して、上記節点のデータ点を通る3次のスプライン関数で関数近似を行うことにより、図7(b)において点線で示される第2の近似曲線が算出される。関数近似する際、第1の領域には節点はなく、第2の領域の複数の節点のみを用いて関数近似を行い、かつ関数近似に際して行う最小二乗法で用いる第2の領域の重み係数を1とし、第1の領域の重み係数を0.01として処理が行われる。このように背景成分2を算出する際、第1の重み係数を小さくし、かつ第1の領域に節点を定めないのは、第2の領域における変位データを主に用いて背景成分2を算出するためである。第2の領域では、トレッド部の接地による変形は小さく、かつその変形は周上で滑らかに変化するため、タイヤの変形量は周上で小さく、その変化も極めて小さい。これに対して、第1の領域では、タイヤのトレッド部は接地変形に基づいて大きく変位しかつ急激に変化する。このため接地変形に基づく変形量は周上で大きくかつ急激に変化する。すなわち、第2の領域におけるトレッド部の変形量は第1の変形量と対比して概略一定を示す。これより、第2の領域の2階積分により得られた変位データを主に用いて第1の近似曲線を算出することで、第2の領域のみならず、路面との接地領域を含む第1の領域におけるタイヤの転動中の変形量を精度よく求めることができる。図7(b)には、第2の領域の変位データを主に用いて算出された第2の近似曲線が点線で示されている。第2の領域では、第2の近似曲線は変位データ(実線)と略一致している。
そして、背景成分2として算出された近似曲線を変位データから差し引き、トレッド部の接地変形に基づく変形量の周上の分布を算出する。図7(c)は、図7(b)に示す変位信号(実線)から第2の近似曲算線(点線)を差し引くことにより算出される、トレッド部の接地変形に基づく変形量の分布を示している。図7(c)は、トレッド部上の所定の測定位置が周上を回転して変位するときの3回転分の変形量の分布(3回の接地)を示している。接地のたびに変形量が変化していることが見られる。このような方法により算出される変形量は、タイヤの有限要素モデルを用いてシミュレーションを行ったときの変形量と精度良く一致する。変形量導出部26では、周方向変形加速度データおよび幅方向変形加速度データのそれぞれについて、このような処理を行って、周方向変形量データおよび幅方向変形量データをそれぞれ求める。
次に、評価値算出部28において、評価値の算出が行なわれる(ステップS112)。評価値算出部28では、周方向変形量データから、タイヤ周方向変形量の最大値Xmaxを抽出し、同様に、幅方向変形量データから、タイヤ幅方向変形量の最大値Ymaxも抽出する。そして、例えば、θ=tan−1(Xmax/Ymax)で表される、評価値θを求める。
そして、故障判定部30が、評価値算出部28において算出された評価値θと、メモリ27に予め記憶されていた基準値とを比較して、内部故障発生が発生しているか否か、各タイヤ毎に判定する(ステップS114)。ステップS114において、内部故障が発生していると判定されたタイヤがある場合、ディスプレイ34が、車両12を運転するドライバに、内部故障が発生しているタイヤがあることを知らせる警告を表示する。この際、内部故障が発生しているタイヤが、タイヤ15a〜タイヤ15dのうちのどのタイヤであるか、運転者が判別可能な形態で警告を表示することが好ましい。故障判定部30において、内部故障が発生しているタイヤはないと判定された場合、このような警告表示は行なわない。ステップS102〜ステップS116に示す一連の処理は、例えば、運転者によって測定終了の指示が出されるか、車両12の走行が停止されることで、ステップS118の判定がYESとなるまで繰り返し実施される。本発明のタイヤ内部故障検知方法は、このように実施される。
図8(a)〜(d)は、本発明のタイヤの内部故障検知方法の効果について説明するための図である。図8(a)〜(d)に示す各グラフは、セパレーションなどのタイヤ内部故障が発生していないタイヤAと、タイヤAと同一規格dで、ショルダー部にセパレーションが生じているタイヤBとの2つのタイヤについてのグラフである。より詳しくは、図8(a)〜(d)に示す各グラフは、タイヤAおよびタイヤBそれぞれのショルダー部の内側表面に加速センサを設置して、種々の条件で、タイヤAおよびタイヤBを公知の室内ドラム耐久試験機(ドラム径2500mm)で転動させることで得られた、タイヤAおよびBそれぞれの表面の所定部位(加速度センサの設置部位)の、上記周方向変形量データおよび上記幅方向変形量データを示している。タイヤAおよびタイヤBは、いずれも、タイヤサイズ195/65R15のタイヤであり、いずれも、充填空気圧は200kPaとした。タイヤBのショルダー部には、タイヤBの製造時に工夫を施すことで、タイヤ幅方向に4mm、タイヤ周方向に120mmの領域にわたって、ベルト部材とゴム部材とのセパレーションを発生させておいた。タイヤBでは、加速度センサを、このセパレーション部のごく近傍に設置しておき、タイヤAでは、タイヤBにおける加速度センサ設置位置に対応する位置に、加速度センサを設置した。
図8(a)は、車両の走行時間の変化に応じた、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの評価値θの変動を示しており、耐久試験の開始(路面との接触転動の開始)から2min経過した時点での変形量データ(周方向変形量データおよび幅方向変形量データ)と、耐久試験の開始から20min経過した時点での変形量データ(周方向変形量データおよび幅方向変形量)とを、タイヤAおよびタイヤBそれぞれについて示している。図8(a)に示す例では、タイヤAおよびタイヤBともに、いずれの条件(いずれの経過時点)においても、接地荷重4kN、転動時速度は時速60km/hとした。なお、走行開始から2min経過した程度ではタイヤ温度は温まっておらず、走行開始から2min経過した時点と、走行開始から20min経過した時点とでは、走行開始から20min経過した時点の方がタイヤ温度は上昇していた。
図8(a)に示すように、タイヤAの評価値θ(図8(a)では、走行2min後のみについて示している)と、タイヤBの評価値θ(図8(a)では、走行2min後のみについて示している)とでは、大きな違いがあるものの、走行開始からの経過時間が変化しても、各タイヤとも目立った変化は見られなかった。すなわち、タイヤのセパレーションの有無によって生じる、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いと比較すれば、タイヤ温度の変化によって生じる、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いは小さいものであった。例えば、基準値として、図8(a)に示すような下限値θを設定した場合、走行時間(すなわちタイヤ温度)が変化しても、正常なタイヤAの評価値は常にθより大きく、セパレーションが発生しているタイヤBの評価値は常にθよりも小さくなっている。
図8(b)および図8(c)は、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの評価値θの、転動速度の変化に応じた評価値の変動を示しており、転動速度を40km/h、60km/h、80km/hと変化させた場合の、各転動速度における変形量データ(周方向変形量データおよび幅方向変形量データ)とを、タイヤAおよびタイヤBのそれぞれについて示している。図8(b)に示す例では、タイヤAおよびタイヤBともに、いずれの条件(いずれの転動速度の条件)でも、接地荷重3kNとした。また、図8(c)に示す例では、タイヤAおよびタイヤBともに、接地荷重4kNとした。図8(b)および図8(c)に示すように、タイヤAでの評価値θ(図8では、転動速度40km/hの場合のみについて示している)と、タイヤBでの評価値θ(図8では、転動速度40km/hの場合のみについて示している)とでは大きな違いがあるものの、転動速度が変化したのみでは、各タイヤともタイヤ変形量に目立った違いは見られなかった。すなわち、タイヤのセパレーションの有無によって生じる、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いと比較すれば、タイヤ転動速度の変化に応じた、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いは小さいものであった。例えば、基準値として、評価値θの下限値θを設定した場合、タイヤ転動速度が変化しても、正常なタイヤAの評価値はいずれもθより大きく、セパレーションが発生しているタイヤBの評価値はいずれもθよりも小さくなっている。
図8(d)は、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの評価値θの、接地荷重の変化に応じた評価値の変動を示しており、接地荷重を3kN、4kN,5kNと変化させた場合の、各接地荷重における変形量データ(周方向変形量データおよび幅方向変形量データ)とを、タイヤAおよびタイヤBのそれぞれについて示している。図8(d)に示す例では、タイヤAおよびタイヤBともに、いずれの条件(いずれの接地荷重の条件)でも、転動速度を60km/hとした。図8(d)に示すように、タイヤAでの評価値θ(図8では、接地荷重3kNの場合のみについて示している)と、タイヤBでの評価値θ(図8では、接地荷重3kNの場合のみについて示している)とでは大きな違いがあるものの、接地荷重が変化したのみでは、各タイヤとも、タイヤ変形量に目立った変動は見られなかった。すなわち、タイヤのセパレーションの有無によって生じる、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いと比較すれば、タイヤの接地荷重の変化に応じた、タイヤAとタイヤBとの変形形態の違いは小さいものであった。例えば、基準値として、評価値θの下限値θを設定した場合、タイヤ接地荷重が変化しても、正常なタイヤAの評価値はいずれもθより大きく、セパレーションが発生しているタイヤBの評価値はいずれもθよりも小さくなっている。
このように、室内ドラム耐久試験機を用いて行なった実験結果である、図8(a)〜(d)に示す各グラフからわかるように、タイヤの温度、転動速度、接地荷重などの走行条件が変化しても、、例えば評価値θで特徴付けられるタイヤの変形形態の違いは、比較的小さい。これに対して、セパレーションなどの内部故障がタイヤに発生している場合と、内部故障がタイヤに発生していない場合とでは、タイヤの変形形態の違いは、比較的大きい。本発明では、このようなタイヤの変形形態に基づいて、タイヤの内部故障の発生の有無を判定することで、タイヤの温度、転動速度、接地荷重などの走行条件の変化の影響を受けることなく、タイヤの内部故障の発生を高精度に検知することができる。本発明のタイヤ内部故障検知方法およびタイヤ内部故障検知装置を用い、基準値としてθを設定して、評価値θがθを下回った場合に内部故障が発生していると判定したとすると、図8(a)〜(d)に示すいずれの場合であっても、タイヤBは内部故障が発生したタイヤであり、タイヤAは内部故障が発生していない正常なタイヤであるとする、内部故障の正確な検出結果が得られる。
また、下記表1および表2は、図8の各グラフで示されている、各走行条件下での変形量データそれぞれから求められた、各走行条件下での評価値の例を示している。下記表1および下記表2にでは、タイヤAおよびタイヤBについて、周方向変形量最大値Xmaxおよび幅方向変形量最大値Ymaxを、表1および表2の左側に示す各式に代入して各算出値を得て、各算出値を用いて評価値をそれぞれ導出している。下記表1では、各走行条件毎のタイヤAの上記算出値をそれぞれ100として(このため、表1では、タイヤAの評価値は全て100となっている)、タイヤBの評価値として、各走行条件毎のタイヤBの上記算出値を、対応する走行条件でのタイヤAの上記算出値で規格化した相対値を用いている。また、下記表2では、所定の1つの走行条件(転動速度60km/h、接地荷重4kN、空気圧200kPa)でのタイヤAの上記算出値を100としている。そして、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの上記算出値を、タイヤAの上記所定の条件での算出値で規格化した相対値を、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの評価値として用いている。なお、表1および表2において、∫(Xi*Yi)で表される評価値は、図4で斜線を付して示される面積の大きさに対応する値(周方向変形量および幅方向変形量を、時間に関して積分した値)のことである。
Figure 0004091083
Figure 0004091083
表1の右端欄には、タイヤBについて各評価値が示す範囲が示されている。また、表2の右端欄には、タイヤAおよびタイヤBそれぞれについて、各評価値が示す範囲が示されている。表2に示される各評価値が示す範囲を、タイヤAとタイヤBとで比較した場合、周方向変形量のみを評価値に用いた場合を除き、いずれの評価値を用いても、評価値の取り得る値の範囲は、タイヤAとタイヤBとで異なる。表1および表2からわかるように、内部故障判定対象のタイヤの算出値を、正常タイヤの算出値で規格化した相対値を、評価値として用いた際、上記算出値がYmaxである場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が75以下、より好ましくは評価値が50以下である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。また、上記算出値がXmax*Ymaxである場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が60以下、より好ましくは評価値が45以下である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。また、上記算出値が(Xmax+Ymax1/2である場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が75以下、より好ましくは評価値が55以下である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。また、上記算出値が∫(Xi*Yi)である場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が60以下、より好ましくは評価値が45以下である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。また、上記算出値がXmax/Ymaxである場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が130以上、より好ましくは評価値が150以上である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。また、上記算出値がYmax/Xmaxである場合、内部故障判定対象のタイヤの評価値が80以下、より好ましくは評価値が60以下である場合、このタイヤに内部故障が発生したと判定すればよい。
以上、本発明のタイヤ内部故障検知方法およびタイヤ内部故障検知方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明のタイヤ内部故障検知装置の一例について説明する概略構成図である。 図1に示すタイヤ内部故障検知装置における、センサユニットおよびテータ処理ユニットについて説明する図である。 (a)および(b)は、車両の走行時にタイヤの接地部分にかかる力について説明する図であり、(a)は、図1に示す車両のタイヤを路面の側から見た図であり、(b)は、このタイヤのタイヤ周方向の時系列の変形量とタイヤ幅方向の時系列の変形量とをそれぞれ示すグラフである。 本発明における評価値の例について説明する図である。 本発明のタイヤ内部故障検知方法の一例のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、図2に示すデータ処理ユニットの信号処理部における処理で得られる結果の一例を示している。 (a)〜(c)は、図2に示すデータ処理ユニットの変形量導出部における処理で得られる結果の一例を示している。 (a)〜(d)は、本発明のタイヤの内部故障検知方法の効果について説明するための図であり、タイヤAおよびタイヤBそれぞれの表面の所定部位の、周方向変形量データおよび幅方向変形量データを示している。
符号の説明
2 加速度センサ
3 受信機
4 AMP
10 タイヤ内部故障検知装置
12 車両
14a〜14d 車輪
15a〜15d タイヤ
16a〜16d センサユニット
17 送信機
20 データ処理ユニット
21 処理手段
22 タイヤ加速度データ取得部
23 CPU
24 信号処理部
26 変形量導出部
27 メモリ
28 評価値算出部
30 故障判定部
34 ディスプレイ

Claims (10)

  1. タイヤが装着された車輪を備える車両において、前記タイヤ内部に発生している内部故障を、前記車両が走行している状態で検出する装置であって、
    転動中の前記タイヤに関するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得手段と、
    前記タイヤ情報に基づき、車両が走行している最中の前記タイヤの接地部分の変形量を導出する変形量導出手段と、
    導出された前記変形量に基いて、前記内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する評価値算出手段と、
    算出された前記評価値と予め定められた基準値とを比較することで、前記タイヤ内部に内部故障が発生しているか否かを判定する判定手段と、
    を有することを特徴とするタイヤ内部故障検知装置。
  2. 前記タイヤ情報取得手段は、前記タイヤ情報として、転動中の前記タイヤが前記路面から外力を受けることで発生する、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得し、
    前記変形量導出手段は、前記タイヤ情報取得手段で取得された、前記タイヤの時系列の加速度データを用いて、前記タイヤの接地部分の前記変形量を求めることを特徴とする請求項1記載のタイヤ内部故障検知装置。
  3. 前記変形量導出手段は、前記時系列の加速度データから、タイヤの変形に基づく時系列の加速度データを抽出して、前記タイヤの変形に基づく時系列の加速度データに対して2階の時間積分を行って変位データを求めることにより、前記タイヤの変形量を算出することを特徴とする請求項2記載のタイヤ内部故障検知装置。
  4. 前記変形量導出手段は、少なくとも、前記タイヤの接地部分における、前記タイヤの周方向変形量と前記タイヤの幅方向変形量との2方向の変形量をそれぞれ求め、
    前記評価値算出手段は、前記タイヤの接地部分における前記周方向変形量と、前記タイヤの接地部分における前記幅方向変形量と、の2方向の変形量に基づいて、前記評価値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ内部故障検知装置。
  5. 前記タイヤの接地部分における、前記周方向変形量の最大値をXmax、前記幅方向変形量の最大値をYmaxとしたとき、
    前記評価値は、Xmax/YmaxまたはYmax/Xmaxのいずれか一方を用いて表された値であることを特徴とする請求項4記載のタイヤ内部故障検知装置。
  6. 前記評価値は、tan−1(Xmax/Ymax)またはtan−1(Ymax/Xmax)のいずれか一方を用いて表された値であることを特徴とする請求項5記載のタイヤ内部故障検知装置。
  7. 前記タイヤの接地部分における、前記周方向変形量の最大値をXmax、前記幅方向変形量の最大値をYmaxとしたとき、
    前記評価値は、Xmax×Ymaxであることを特徴とする請求項4記載のタイヤ内部故障検知装置。
  8. 前記変形量導出ステップは、前記タイヤの接地部分における前記タイヤの周方向変形量を求め、
    前記評価値算出ステップは、前記周方向変形量の最大値に基づいて前記評価値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ内部故障検知装置。
  9. 前記変形量導出ステップは、前記タイヤの接地部分における前記タイヤの幅方向変形量を求め、
    前記評価値算出ステップは、前記幅方向変形量の最大値に基づいて前記評価値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ内部故障検知装置。
  10. タイヤが装着された車輪を備える車両において、前記タイヤ内部に発生している内部故障を、前記車両が走行している状態で検出する方法であって、
    転動中の前記タイヤに関するタイヤ情報を取得するタイヤ情報取得ステップと、
    前記タイヤ情報に基づき、車両が走行している最中の前記タイヤの接地部分の変形量を導出する変形量導出ステップと、
    導出された前記変形量に基いて、前記内部故障の発生の有無を判定するための評価値を算出する評価値算出ステップと、
    算出された前記評価値と予め定められた基準値とを比較することで、前記タイヤ内部に内部故障が発生しているか否かを判定する判定ステップと、
    を有することを特徴とするタイヤ内部故障検知方法。
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