JP7082027B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤに起因した騒音の1つとして、空洞共鳴音(タイヤ空洞共鳴音とも呼ぶ)が知られている。空洞共鳴音は、タイヤ内腔の空気が、路面の凹凸に起因したトレッド部の振動によって加振されて、タイヤ内腔で伝播される際に共鳴することによって生じる。空洞共鳴音を低減するためにトレッド部の内周面にスポンジ部材が取り付けられた空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の空気入りタイヤでは、スポンジ部材を、第1スポンジ層と、このタイヤ径方向内側に積層されてタイヤ内腔に面する第2スポンジ層とにより2層構造として構成されている。この空気入りタイヤでは、第2スポンジ層を第1スポンジ層に比して発泡倍率を大きくすることにより、空洞共鳴音を、第2スポンジ層の内周面における反射を抑制しつつ、第1スポンジ層における吸音により低減することが企図されている。
特許第3621899号公報
上記空気入りタイヤでは、スポンジ部材のタイヤ内腔面に面する第2スポンジ層における反射を抑制しつつ、第1スポンジ層で吸音を図る一方で、第1スポンジ層に伝達された空洞共鳴音が、発泡倍率が大きな第2スポンジ層から容易にタイヤ内腔側へ伝達されることも考えられる。したがって、スポンジ部材に伝達された音のタイヤ内腔側への伝達を抑制する観点で、空洞共鳴音をさらに低減する余地がある。
本発明は、トレッド部の内周面にスポンジ部材が取り付けられた空気入りタイヤにおいて、スポンジ部材に伝達された音のタイヤ内腔側への伝達を抑制できる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明は、
トレッド部のタイヤ内周面の全周にわたって、タイヤ周方向に延びるスポンジ部材が取り付けられた空気入りタイヤであって、
前記スポンジ部材は、
第1スポンジ層と、
前記第1スポンジ層のタイヤ径方向内側に積層された第2スポンジ層と、
前記第2スポンジ層のタイヤ径方向内側に積層された第3スポンジ層と
を少なくとも有しており、
前記第1スポンジ層及び第3スポンジ層は、前記第2スポンジ層に比して発泡倍率が小さい、空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、第2スポンジ層は、相対的に発泡倍率が小さい第1及び第3スポンジ層によりタイヤ径方向に挟まれているので、第1スポンジ層から第2スポンジ層に伝達されるタイヤ音は、第1及び第3スポンジ層に反射されて第2スポンジ層に留まりやすい。しかも、第2スポンジ層は、発泡倍率が相対的に大きいので空気層として作用する。したがって、タイヤ音は、第2スポンジ層において反射により減衰され、この結果、タイヤ内腔へのタイヤ音の伝達が入力側で低減されて抑制される。
また、タイヤ内腔に伝達されたタイヤ音の一部が、例えばリムに反射されてスポンジ部材に再度吸収される場合に、第3スポンジ層を介して第2スポンジ層に伝達されるタイヤ音は、上述したように、発泡倍率が相対的に大きい第2スポンジ層に閉じ込められやすく減衰する。したがって、タイヤ内腔への伝達を入力側で低減させると共に、タイヤ内腔に伝達された音を再吸収により低減させることができるので、タイヤ内腔における空洞共鳴音が効果的に低減する。
好ましくは、前記第1スポンジ層は、前記第3スポンジ層に比して発泡倍率が小さい。
本構成によれば、トレッド部の振動により生じるタイヤ音が、タイヤ内腔に伝達される前の入力側で第1スポンジ層において好適に低減されるので、これがタイヤ内腔において共鳴して生じる空洞共鳴音が効率的に低減する。
また、好ましくは、前記第1スポンジ層、前記第2スポンジ層、及び前記第3スポンジ層は、タイヤ径方向における高さが等しい。
本構成によれば、第1及び第3スポンジ層における吸音と、第2スポンジ層における減衰とがバランスよく発揮されるので、タイヤ内腔に伝達されるタイヤ音がさらに低減する。この結果、タイヤ内腔における空洞共鳴音がより一層低減する。
また、好ましくは、前記第2スポンジ層に隣接して中空部が設けられている。
本構成によれば、第2スポンジ層における減衰に加えて、中空部における減衰により、タイヤ内腔に伝達されるタイヤ音をさらに低減させることができるので、タイヤ内腔における空洞共鳴音がさらにより一層低減する。
また、好ましくは、前記第2スポンジ層と第1スポンジ層及び/又は第3スポンジ層との接合面は、凹凸状に形成されている。
本構成によれば、第2スポンジ層の、第1及び/又は第2スポンジ層との間の凹凸状の接合面において、タイヤ音の乱反射を生じさせやすく、この結果、第2スポンジ層においてタイヤ音をさらに低減させることができる。これによって、タイヤ内腔に伝達されるタイヤ音が低減されるので、タイヤ内腔において空洞共鳴音がさらにより一層低減する。
また、好ましくは、前記第1スポンジ層の発泡倍率は、286%以上400%以下であり、
前記第2スポンジ層の発泡倍率は、500%以上800%以下であり、
前記第3スポンジ層の発泡倍率は、333%以上600%以下である。
本構成によれば、本構成によれば、タイヤ音を、第2スポンジ層と第1及び第3スポンジ層との界面において反射させやすく、第2スポンジ層に閉じ込めやすく、本発明を効果的に実施できる。
本発明によれば、トレッド部の内周面にスポンジ部材が取り付けられた空気入りタイヤにおいて、スポンジ部材に伝達された音のタイヤ内腔側への伝達を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るリム組立体の子午線断面図。 図1のリム組立体のタイヤ赤道面における断面図。 スポンジ部材の単体斜視図。 接地時におけるリム組立体のタイヤ内腔を示す断面図。 変形例に係るスポンジ部材を示す断面図。 変形例に係るスポンジ部材を示す断面図。 変形例に係るスポンジ部材を示す断面図。 変形例に係るスポンジ部材を示す断面図。 変形例に係るスポンジ部材を示す断面図。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
図1は本発明の一実施形態に係るタイヤリム組立体1の子午線断面図であり、図2はタイヤリム組立体1のタイヤ赤道面における断面図である。図1及び図2に示されるように、タイヤリム組立体1は、空気入りタイヤ10がリム2の外周部にリム組みされたものであって、リム2の外周部と空気入りタイヤ10の内面との間にタイヤ内腔3が画定されている。
空気入りタイヤ10は、外表面に接地面としてのトレッド面11aが構成されるトレッド部11と、トレッド部11のタイヤ幅方向両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12それぞれのタイヤ径方向内側の端部に位置する一対のビード部13とを備える。
一対のビード部13の間には、トレッド部11及びサイドウォール部12のタイヤ内面側にわたってカーカスプライ14が掛け渡されている。トレッド部11とカーカスプライ14との間には、ベルト層15がタイヤ周方向に巻き付けられている。カーカスプライ14のタイヤ内面側には、インナーライナー16が配置されている。インナーライナー16は、空気を透過しにくい材料で形成されている。
空気入りタイヤ10は、タイヤ内表面を構成するインナーライナー16にスポンジ部材20が取り付けられている。スポンジ部材20は、多孔質体であって、ゴム又は合成樹脂等を発泡させた連続気泡又は独立気泡を含むものである。スポンジ部材20としては、例えばポリウレタン系のスポンジを採用できるが、この他、種々のスポンジ状の材料を採用できる。スポンジ部材20のインナーライナー16への取り付けは、接着材又は両面テープ等の適宜の接合手段を採用できる。
図2に示されるように、スポンジ部材20は、タイヤ周方向の全周にわたって環状に延びている。スポンジ部材20は、複数層がタイヤ径方向に積層された多層構造体として形成されている。本実施形態では、スポンジ部材20は、第1スポンジ層21と、第2スポンジ層22と、第3スポンジ層23とが、インナーライナー16側からタイヤ内腔3側に順に積層された、3層構造により構成されている。
スポンジ部材20は、個別に形成された第1~第3スポンジ層21~23を接着材若しくは両面テープで接合することで形成されている。このほか、熱融着、超音波接着等の接合方法が可能である。また、発泡倍率を変化させながら成形することによって、発泡倍率の異なる層が積層されたスポンジ部材20を一体的に成形できる。
図3は、スポンジ部材20の単体斜視図であり、環状に巻回されていない状態を示している。なお、スポンジ部材20の各部寸法は、図3に示される状態を基準に計測される。図3に示されるように、第1~第3スポンジ層21~23のタイヤ幅方向長さW1~W3はそれぞれ、空気入りタイヤ1のタイヤ幅W0(図1参照)の30%以上70%以下に、略同一の長さに設定されている。
第1~第3スポンジ層21~23のタイヤ径方向の高さH1~H3はそれぞれ、第1~第3スポンジ層21~23を合計したタイヤ径方向の高さHA(すなわちスポンジ部材20の高さ)の3分の1に設定されている。タイヤ径方向の高さHAは20mm以上であって、空気入りタイヤ10の断面高さH0(図1参照)の50%以下に設定されている。なお、空洞共鳴音は、周波数帯が200~250Hzで生じやすく、その波長が一定の長さであることから、第1~第3スポンジ層のタイヤ径方向における高さH1~H3がそれぞれ同一の高さに設定されていることが望ましい。
なお、空気入りタイヤ10の断面高さH0は、タイヤ幅W0に扁平率を乗じたものとして算出される。
第1及び第3スポンジ層21,23は、第2スポンジ層22に比して発泡倍率が小さい。また、第1スポンジ層21は、第3スポンジ層23に比して発泡倍率が小さい。したがって、第1スポンジ層21、第3スポンジ層23、及び第2スポンジ層22の順で、発泡倍率が大きくなるように、スポンジ部材20は形成されている。換言すれば、第1スポンジ層21、第3スポンジ層23、及び第2スポンジ層22は、この順で、空隙率及び気孔率が大きくなるように、スポンジ部材20は形成されている。
具体的には、第1~第3スポンジ層21~23は発泡倍率が286%~800%の範囲の中で、第1スポンジ層21、第3スポンジ層23、第2スポンジ層22の順で発泡倍率が大きくなるように設定されている。好ましくは、第1スポンジ層21の発泡倍率は、286%以上400%以下に設定されている。第2スポンジ層22の発泡倍率は、500%以上800%以下に設定されている。第3スポンジ層23の発泡倍率は、333%以上600%以下に設定されている。
また、第1~第3スポンジ層21~23はそれぞれ、同じ材料を異なる発泡倍率で発泡させることにより形成されたものであり、第1スポンジ層21、第3スポンジ層23、及び第2スポンジ層の順で、比重が小さくなる。
具体的には、第1スポンジ層21の比重は、0.30g/cm以上0.35g/cm以下である。第2スポンジ層22の比重は、0.15g/cm以上0.20g/cm以下である。第3スポンジ層23の比重は、0.20g/cm以上0.30g/cm以下である。
図4は、タイヤリム組立体1の接地部の周辺を拡大して示す、図2と同様の断面図である。図4に示されるように、タイヤリム組立体1は、規定の空気圧で充填された状態でタイヤ赤道面上において接地長L0で路面に接地するようになっている。
図4に示されるように、タイヤリム組立体1が路面上を転動しているとき、路面Gの凹凸に起因してトレッド部11にタイヤ径方向における振動が生じ得る。このとき、トレッド部11の振動はタイヤ内腔3の空気に伝達されてタイヤ音N1となる。トレッド部11の内周面にはスポンジ部材20が取り付けられているので、タイヤ音N1はスポンジ部材20による吸音によって低減される。
ここで、スポンジ部材20は、第1~第3スポンジ層21~23を含む3層構造により形成されている。このため、タイヤ音N1はまず、第1スポンジ層21により吸音される。第1スポンジ層21は、第2及び第3スポンジ層22,23に比して発泡倍率が小さい(比重が大きい)ので通気度が低く、タイヤ音N1は、第1スポンジ層21により好適に吸音されて、タイヤ音N2となって第2スポンジ層22に伝達される。
第2スポンジ層22は、第1及び第3スポンジ層21,23に比して発泡倍率が大きい(比重が小さい)。このため、第2スポンジ層22に伝達されたタイヤ音N2は、第2スポンジ層22に比して通気度が低い第1及び第3スポンジ層21,23との界面において反射されやすく、第2スポンジ層22内に閉じ込められやすい。しかも、第2スポンジ層22は、発泡倍率が大きい(比重が小さい)ので通気度が高く、空気層として作用し得る。この結果、タイヤ音N2は、第2スポンジ層22に閉じ込められて反射により減衰して、タイヤ音N3となって第3スポンジ層23に伝達される。
第3スポンジ層23は、第2スポンジ層22に比して発泡倍率が小さい(比重が大きい)ので通気度が低く、タイヤ音N3は、第3スポンジ層23により好適に吸音されて、タイヤ音N4となり、タイヤ内腔3に伝達される。
また、タイヤ内腔3に伝達されたタイヤ音N4は、接地部から放射状に伝播し、共鳴により空洞共鳴音N5になり得る。空洞共鳴音N5の一部は、リム2によりスポンジ部材20側へ反射される場合がある。この場合、空洞共鳴音N5は、まず第3スポンジ層23により吸音されて、タイヤ音N6となって第2スポンジ層22に伝達される。
第2スポンジ層22に伝達されたタイヤ音N6は、上述したように、第1及び第3スポンジ層21,23により反射されて、第2スポンジ層22内に留まりやすく、空気層として作用し得る第2スポンジ層22において反射により減衰する。
よって、トレッド部11からの振動入力時と、空洞共鳴音N5となった後の両方において、スポンジ部材20により低減される。
上述したように、空洞共鳴音の周波数は200~250Hzで略一定の波長となる。スポンジ部材20による吸音(減衰)メカニズムは、各スポンジ層21~23への音の侵入(通過)により発生するものである。したがって、スポンジ部材20を、発泡倍率(比重、通気度)の異なる第1~第3スポンジ層21~23を積層して構成し、各層における音の反射と通過とを繰り返させて、効果的に音を低減(減衰)させるものである。その為、各スポンジ層21~23の厚み(距離)の違いによる減衰よりも、各層21~23それぞれにおいて反射と減衰を効果的に生じさせるように、各層21~23は同じ厚みに設定されるのが好ましい。また、製造上、各スポンジ層21~23は異なる厚みであるよりも同じ厚みであるほうが扱いやすく、この点からも各スポンジ層21~23を同じ厚みに設定するのが好ましい。
上記説明したタイヤリム組立体1によれば、次のような効果が得られる。
(1)第2スポンジ層22は、相対的に発泡倍率が小さい第1及び第3スポンジ層21,23によりタイヤ径方向に挟まれているので、第1スポンジ層21から第2スポンジ層23に伝達されるタイヤ音は、第1及び第3スポンジ層21,23に反射されて第2スポンジ層22に留まりやすい。しかも、第2スポンジ層22は、発泡倍率が相対的に大きい(比重が相対的に小さい)ので通気度が高く空気層として作用する。したがって、タイヤ音は、第2スポンジ層22において反射により減衰され、この結果、タイヤ内腔3へのタイヤ音の伝達を入力側で低減されて抑制される。
また、タイヤ内腔3に伝達されたタイヤ音の一部が、例えばリム2に反射されてスポンジ部材20に再度吸収される場合に、第3スポンジ層23を介して第2スポンジ層22に伝達されるタイヤ音は、上述したように、発泡倍率が相対的に大きく(比重が相対的に小さく)通気度が高い第2スポンジ層22に留まりやすく減衰する。したがって、タイヤ内腔3への伝達を入力側で低減させると共に、タイヤ内腔3に伝達された音を再吸収により低減させることができるので、タイヤ内腔3における空洞共鳴音N5が効果的に低減する。
(2)第1スポンジ層21は、第3スポンジ層23に比して発泡倍率が小さく(比重が大きく)通気度が低い。これにより、トレッド部11の振動により生じるタイヤ音が、タイヤ内腔3に伝達される前の入力側で第1スポンジ層21において好適に低減されるので、これがタイヤ内腔3において共鳴して生じる空洞共鳴音N5が効率的に低減する。
(3)第1~第3スポンジ層21~23は、タイヤ径方向の高さH1~H3が略同一に形成されている。これにより、第1及び第3スポンジ層における吸音と、第2スポンジ層における減衰とがバランスよく発揮されるので、タイヤ内腔3に伝達されるタイヤ音がさらに低減する。この結果、タイヤ内腔3における空洞共鳴音N5がより一層低減する。
(4)スポンジ部材20は、タイヤ径方向の高さHAが、空気入りタイヤ10の断面高さH0の50%以下に設定されているので、リム組み性の悪化を抑制しつつ、空洞共鳴音N5の低減効果が得られやすい。すなわち、スポンジ部材20の高さHAがタイヤ断面高さH0の50%より高くなると、リム組みする際にリム2に干渉しやすくなるので、リム組み性が悪化する。
(5)スポンジ部材20は、タイヤ幅方向における幅が、空気入りタイヤ10のタイヤ幅W0の30%以上であって70%以下であるので、スポンジ部材20をトレッド部11の内周面に沿って取り付け性を維持しつつ、スポンジ部材20による空洞共鳴音N5の低減効果が得られやすい。すなわち、スポンジ部材20の幅がタイヤ幅W0の30%より短いと、空洞共鳴音N5の低減効果が十分に得られにくい。また、スポンジ部材20の幅が70%より長くなると、サイドウォール部12に干渉して屈曲されやすく取り付け性が悪化すると共にインナーライナー16に対する接着性が悪化しやすい。
上記実施形態では、スポンジ部材20を3層のスポンジ層21~23で構成したが、4層以上の多層体構造としてもよい。
また、上記実施形態では、第1スポンジ層21を第3スポンジ層23に比して発泡倍率を小さくしたが、これに限らない。すなわち、第2スポンジ層22の発泡倍率を他の層よりも大きくすればよく、第1スポンジ層21と第3スポンジ層23とで発泡倍率が同じであってもよく、又は第3スポンジ層23を、第1スポンジ層21に比して発泡倍率を小さくしてもよい。ただし、第1スポンジ層21を、第3スポンジ層23に比して発泡倍率を小さくするほうが、トレッド部11から入力されるタイヤ音N1を、入力側で抑制することにより効果的に低減できる観点で好ましい。
また、上記実施形態では、第1~第3スポンジ層21~23を同じ材料により形成したが、第2スポンジ層22を第1及び第3スポンジ層21,23に比して発泡倍率を大きくすればよく、それぞれを異なる材料で形成してもよい。
図5A~図5Cは、第1~第3変形例に係るスポンジ部材30~50を示すタイヤ周方向に沿った断面図である。第1~第3変形例に係るスポンジ部材30~50は、スポンジ部材20に対して、第2スポンジ層22に隣接して中空部が設けられている点で異なっている。
図5Aに示されるように、第1変形例に係るスポンジ部材30は、第3スポンジ層33のタイヤ径方向外側の面に、タイヤ幅方向に貫通した矩形状の溝33aが形成されている。これにより、スポンジ部材30は、第2スポンジ層32のタイヤ径方向内側に隣接して中空部が溝33aにより構成される。この結果、空気層として作用し得る第2スポンジ層32の容積に溝33aの容積が加えられることになるので、容積が増大した空気層により反射によって、タイヤ音がより一層低減する。
また、矩形状に形成された溝33aにより、第3スポンジ層33との界面が凹凸状に形成されるため乱反射が生じやすく、これによっても第2スポンジ層32及び溝33aからなる空気層に留まるタイヤ音がより一層低減する。
図5Bに示されるように、第2変形例に係るスポンジ部材40は、第2スポンジ層42のタイヤ径方向内側の面に、タイヤ幅方向に貫通した矩形状の溝42aが形成されている。これにより、スポンジ部材40は、第2スポンジ層42のタイヤ径方向内側に隣接して中空部が溝42aにより構成される。図示は省略するが、第2スポンジ層42のタイヤ径方向外側の面に、タイヤ幅方向に貫通した矩形状の溝を形成してもよく、この場合、第2スポンジ層42のタイヤ径方向外側に隣接して中空部が溝により構成される。
図5Cに示されるように、第3変形例に係るスポンジ部材50は、第1スポンジ層51のタイヤ径方向内側の面に、タイヤ幅方向に貫通した矩形状の溝51aが形成されている。これにより、スポンジ部材50は、第2スポンジ層52のタイヤ径方向外側に隣接して中空部が溝51aにより構成される。
また、図示は省略するが、第2スポンジ層のタイヤ径方向の両側に中空部を設けるように、第2スポンジ層、又は第1及び第3スポンジ層に溝を形成してもよい。
また、図6A及び図6Bは、第4及び第5変形例に係るスポンジ部材60,70を示すタイヤ周方向に沿った断面図である。第4及び第5変形例に係るスポンジ部材60,70は、スポンジ部材20に対して、第2スポンジ層と第1及び/又は第3スポンジ層との接合面が凹凸状に形成されている点で異なっている。
図6Aに示されるように、第4変形例に係るスポンジ部材60は、第2及び第3スポンジ層62,63間の接合面が凹凸状に形成されている。具体的には、第3スポンジ層63のタイヤ径方向外側の面に矩形状の溝63aが形成されており、第2スポンジ層62のタイヤ径方向内側の面に溝63aに対して相補的に突出する突部62aが形成されている。これによって、第2及び第3スポンジ層62,63間の接合面における乱反射が生じやすく、第2スポンジ層62に留まるタイヤ音がより一層低減する。なお、逆に、第2スポンジ層62に溝を形成し、これに相補的に突出する突部を第2スポンジ層63に形成してよい。
図6Bに示されるように、第5変形例に係るスポンジ部材70は、第1及び第2スポンジ層71,72間の接合面が凹凸状に形成されている。具体的には、第1スポンジ層71のタイヤ径方向内側の面に矩形状の溝71aが形成されており、第2スポンジ層72のタイヤ径方向外側の面に溝71aに対して相補的に突出する突部72aが形成されている。逆に、第2スポンジ層72に溝を形成し、これに相補的に突出する突部を第1スポンジ層71に形成してよい。
また、図示は省略するが、第2スポンジ層と、第1及び第3スポンジ層との両接合面を凹凸状に形成してもよい。
上記変形例では、溝をタイヤ幅方向に貫通して延びるように形成したが、これにかぎらず、貫通していなくてもよく、またタイヤ周方向に延びるように形成してもよい。また、溝に換えて複数の凹部又は突部として構成してもよい。これによっても、第2スポンジ層に隣接して中空部を設けることができ、第2スポンジ層と第1及び第3スポンジ層との接合面を凹凸状に形成できる。
なお、本発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
1 タイヤリム組立体
2 リム
3 タイヤ内腔
10 空気入りタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
16 インナーライナー
20 スポンジ部材
21 第1スポンジ層
22 第2スポンジ層
23 第3スポンジ層

Claims (6)

  1. トレッド部のタイヤ内周面の全周にわたって、タイヤ周方向に延びるスポンジ部材が取り付けられた空気入りタイヤであって、
    前記スポンジ部材は、
    第1スポンジ層と、
    前記第1スポンジ層のタイヤ径方向内側に積層された第2スポンジ層と、
    前記第2スポンジ層のタイヤ径方向内側に積層された第3スポンジ層と
    を少なくとも有しており、
    前記第1スポンジ層及び第3スポンジ層は、前記第2スポンジ層に比して発泡倍率が小さい、空気入りタイヤ。
  2. 前記第1スポンジ層は、前記第3スポンジ層に比して発泡倍率が小さい、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第1スポンジ層、前記第2スポンジ層、及び前記第3スポンジ層は、タイヤ径方向における高さが等しい、
    請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2スポンジ層に隣接して中空部が設けられている、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第2スポンジ層と第1スポンジ層及び/又は第3スポンジ層との接合面は、凹凸状に形成されている、
    請求項1~4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1スポンジ層の発泡倍率は、286%以上400%以下であり、
    前記第2スポンジ層の発泡倍率は、500%以上800%以下であり、
    前記第3スポンジ層の発泡倍率は、333%以上600%以下である、
    請求項1~5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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