JP7081128B2 - 活性エネルギー線硬化性インキ組成物 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される近赤外吸収剤(A)と、重合性化合物と、重合開始剤と、体質顔料とを含む活性エネルギー線硬化性インキであって、
前記重合開始剤が、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α―ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、および、チオキサントン系化合物からなる群より選択される重合開始剤を1種以上含み、
前記重合開始剤の含有量が、活性エネルギー線硬化性インキの総質量に対し、3~20質量%であり、
前記体質顔料の含有量が、活性エネルギー線硬化性インキの総質量に対し、5~20質量%である、活性エネルギー線硬化性インキに関する。
Q1、Q4、Q5およびQ8は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。Q1、Q4、Q5およびQ8が窒素原子の場合、X1、X4、X5およびX8はないものとする。
R1~R5は、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基、-SO3 -M+またはハロゲン原子を表す。M+は無機または有機のカチオンを表す。
X1~X8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、-NR6R7、スルホ基、-SO2NR8R9、-COOR10、-CONR11R12、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。X1~X8は、互いに結合して環を形成してもよい。
R6~R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアシル基または置換基を有してもよいピリジル基を表す。R6とR7、R8とR9、R11とR12は、互いに結合して環を形成してもよい。]
本発明の一実施形態は、活性エネルギー線硬化性インキに係わる。当該活性エネルギー線硬化性インキは、一般式(1)で表される近赤外吸収剤(A)と、重合性化合物とを含むことを特徴とする。一般式(1)で表される近赤外吸収剤(A)は、750~1000nmの波長領域に吸収を有するものを用いるのが好ましい。本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、近赤外吸収剤(A)を含まない様々なインキと組合せて使用することができ、特に、近赤外吸収剤(A)を含まない活性エネルギー線硬化性インキと組合せで好適に使用することができる。
本発明に用いる一般式(1)で表される近赤外吸収剤(A)について詳しく説明する。
Q1、Q4、Q5およびQ8は、それぞれ独立に、炭素原子、または窒素原子を表す。Q1、Q4、Q5およびQ8が窒素原子の場合、X1、X4、X5およびX8はないものとする。
R1~R5は、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基、-SO3 -M+またはハロゲン原子を表す。M+は無機または有機のカチオンを表す。
X1~X8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、-NR6R7、スルホ基、-SO2NR8R9、-COOR10、-CONR11R12、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。X1~X8は、互いに結合して環を形成してもよい。
R6~R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアシル基または置換基を有してもよいピリジル基を表す。R6とR7、R8とR9、R11とR12は、互いに結合して環を形成してもよい。]
ピオイル基、ベンゾイル基、アクリリル基、または、トリフルオロアセチル基等を挙げることができ、これらの中でもアセチル基が、合成難易度の観点で好ましい。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、塗膜耐性、密着性、硬化性のために少なくとも重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、二量化反応など公知の重合性もしくは架橋性材料を用いることができる。中でも、塗膜耐性、密着性、硬化性の観点から、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物、オキシラン系化合物、マレイミド基を側鎖に有する高分子化合物などが挙げられる。少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物から選択される。具体的には、本発明に係わる産業分野において広く知られたものの中から適宜選択することができ、例えば、モノマー、プレポリマー、オリゴマー又はそれらの混合物、並びにそれらの共重合体などの化学的形態を持つものが含まれる。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、ラジカル重合、若しくは、カチオン重合の重合性開始剤を含有することが好ましく、光重合開始剤を含有することが特に好ましい。本発明における重合開始剤は、光の作用、または増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうち少なくともいずれか1種を生成する化合物であり、中でも、露光という手段で重合開始させることができるという観点から光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂を含有することで、硬化時に生じる塗膜の硬化収縮を緩和でき、基材のカールを抑制できる。さらには、種々の基材に対して優れた密着性、塗膜耐性を得ることができる。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、重合開始助剤を含有することもできる。重合開始助剤を含有することで、硬化性を一層向上することができる。重合開始剤助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族アミン、2-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、体質顔料を含有することが好ましい。体質顔料を含有することで、インキの流動性改善や塗膜の強度を向上することができる。
本発明における活性エネルギー線硬化性インキは、本発明の効果が低下しない範囲で、分散剤、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ワックス、スリップ剤、有機溶剤、着色剤などを必要に応じて添加することができる。
0≦ΔE≦15
式(II)
(100-R)≧75
[式(I)中、ΔEは下記式(III)を表し、式(II)中、R(単位:%)は前記画像部における波長850nmの赤外線反射率を示す。]
本発明の積層体は、基材に本発明の活性エネルギー線硬化性インキからなるインキ層上に、更に本発明の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキからなるインキ層を有する。
前記積層体とは、基材上に、本発明の活性エネルギー線硬化性インキを印刷・硬化させた層上に、トナー、インクジェットインキ、スクリーンインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、グラビアインキからなる本発明の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキからなるインキ層を少なくとも1層を形成したものである。本発明の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキは、本発明の活性エネルギー線硬化型インキとの密着性の観点から、活性エネルギー線によって硬化するインキが好ましい。本発明の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキからなるインキ層は、本発明の活性エネルギー線硬化性インキの一部に形成しても、全体に形成してもよい。
積層体における本発明の活性エネルギー線硬化性インキの厚みは、0.1~10μmであることが好ましく、0.5~5μmであることがより好ましい。
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、9-フルオレノン46.0部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノール及びアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、近赤外吸収剤[A-1]84.6部(収率:97%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-1]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-メチル-9-フルオレノン49.6部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-2]86.7部(収率:96%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-2]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、1,8-ジメチル-9-フルオレノン53.2部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-3]88.2部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-3]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-フェニル-9-フルオレノン65.5部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-4]96.6部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-4]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2,3-ジメトキシ-9-フルオレノン61.4部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-5]93.4部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-5]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-アミノ-9-フルオレノン49.9部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-6]86.8部(収率:96%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-6]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-アミノ-7-ブロモ-9-フルオレノン70.0部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-7]102.4部(収率:93%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-7]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、9-オキソ-9H-フルオレン-2-スルホン酸66.5部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-8]97.3部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-8]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-フルオロ-9-フルオレノン50.6部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-9]85.9部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-9]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、4-アザ-9-フルオレノン46.3部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-10]82.1部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-10]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、4,5-ジアザフルオレン-9-オン46.5部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-11]80.2部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-11]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレン40.0部の代わりに、4,5-ジアミノナフタレン-1-スルホン酸60.2部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-12]99.8部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-12]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレン40.0部の代わりに、1,8-ジアミノ-3,6-ジクロロナフタレン57.4部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-13]97.4部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-13]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-1]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレン40.0部の代わりに、1,8-ジアミノ-4-ブロモナフタレン59.9部を使用した以外は、近赤外吸収剤[A-1]の製造と同様の操作を行い、近赤外吸収剤[A-14]101.7部(収率:96%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、近赤外吸収剤[A-14]であることを同定した。
近赤外吸収剤[A-11]20.0部を、水300部に加えて撹拌し再分散した後、26%アンモニア水を用いてpH7.0に調整して溶解させた。この溶液中に8%テトラブチルアンモニウムブロミド水溶液192.6部を徐々に添加した。滴下した箇所から析出物が次々に現れ、添加と共に徐々にpHが低下した。添加終了後にはブリードは見られなかった。スラリーから析出物を濾別した後、水洗して、80℃で乾燥し、近赤外吸収剤[A-15]30.7部(収率:99%)を得た。
特開2009-91517号公報に準拠して下記の近赤外吸収剤[B-1]を合成した。
特開2009-209297号公報に準拠して下記の近赤外吸収剤[B-2]を合成した。
還流冷却管、蒸留塔、窒素ガス導入管、温度計、及び撹拌機を備え付けたフラスコに、
2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、テトラヒドロ無水フタル酸、1,6-ヘキサンジオール、及び触媒として、ジブチル錫オキサイドを投入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら200℃まで加温し、4時間反応させた。さらに、減圧下で1時間反応させた。2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン/テトラヒドロ無水フタル酸/1,6-ヘキサンジオールの重量比が50/42/8である重量平均分子量5,000のポリエステル樹脂Cを得た。
実施例1
ダイソーダップAを15.0質量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを45.0質量部加え、100℃で加熱撹拌しダイソーダップAを溶解させた。
冷却後、近赤外吸収剤(A-1)を1.0質量部、重合性化合物として、EO変性ビスフェノールAジアクリレートを5.0質量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを5.0質量部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを5.0質量部、重合性開始剤として、イルガキュア907を1.0質量部、SB-PI751を5.0質量部、重合開始助剤として、ChemarkEDBを0.5質量部、体質顔料として、白艶華Oを11.4質量部、レオロシールMT10Cを1.0質量部、スリップ剤として、Tワックスコンパウンドを5.0質量部、重合禁止剤として、Q-1301を0.1質量部加え、撹拌後、3本ロールにて分散し、活性エネルギー線硬化性インキを得た。
表1に記載した原料と量を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2~31、比較例1~4を得た。尚、表1中の数値は特に断らない限り「質量部」を表し、空欄は配合していないことを表す。
[近赤外吸収剤]
・C3051:東京化成工業株式会社製、5,9,14,18,23,27,32,36-オクタブトキシ-2,3-ナフタロシアニン銅(II)
・C2886:東京化成工業株式会社製、2-[2-[2-クロロ-3-[2-(1,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン)エチリデン]-1-シクロヘキセン-1-イル]エテニル]-1,1,3-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドリウム4-メチルベンゼンスルホナート
・ダイソーダップA:株式会社大阪ソーダ製、ジアリルフタレート樹脂(重量平均分子量55,000)
・EBECRYL8415:ダイセル・オルネクス株式会社製、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(10官能)
・イルガキュア907:BASF社製、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
・イルガキュア2959:BASF社製、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
・イルガキュア379:BASF社製、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル-1-ブタノン
・SB-PI751:ソート社製、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン
・SB-PI718: ソート社製、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド
・SB-PI712:ソート社製、4-メチルベンゾフェノン
・SB-PI799:ソート社製、2,4-ジメチルチオキサントン
[重合開始助剤]
・ChemarkEDB:ChemarkChemical社製、4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル
[体質顔料]
・白艶華O:白石工業株式会社製、炭酸カルシウム
・レオロシールMT10C:株式会社トクヤマ製、乾式シリカ
[その他の成分]
・Tワックスコンパウンド:東新油脂株式会社製、ポリエチレンワックス
・Q-1301:和光純薬工業株式会社製、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
得られた活性エネルギー線硬化性インキとジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを2/1の重量比でそれぞれ混合し、JIS K5600-2-5に従って分散粒子径測定器(グラインドメーター)で分散性を測定した。◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。
◎ :粒子径が5.0ミクロン以下
○ :粒子径が7.5ミクロン以下
△ :粒子径が10.0ミクロン以下
× :粒子径が12.5ミクロン以下
得られた活性エネルギー線硬化性インキを、RIテスターにて全面ロールを用いて、基材であるコート紙に0.25mlの盛り量で画像を印刷した。その後、実施例1~15、17~31と比較例1~4の印刷物は、コンベア速度30m/分、水銀ランプ160W/cm、印刷物と水銀ランプ間距離5cmにて活性エネルギー線硬化性インキを硬化させ、試験サンプルを作成した。
実施例16の印刷物は、コンベア速度30m/分、加速電圧80kV、線量50kGy、印刷物と電子線発生源距離5cmにて、電子線を用いて活性エネルギー線硬化性インキを硬化させ、試験サンプルを作成した。
上記方法で作成した試験サンプルを用いて、反射分光濃度計(エックスライト株式会社製、x-rite939)にて画像部分の測定を行い、式(I)中のΔEおよび式(II)中のRを求めた。なお、◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。
(不可視性)
◎ :ΔE 10未満
○ :ΔE 10以上、15未満
× :ΔE 15以上
(近赤外線吸収能)
◎ :(100-R) 80以上
○ :(100-R) 75以上、80未満
× :(100-R) 75未満
上記方法で作成した試験サンプルを、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光にて試験を実施した。耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライト株式会社製、x-rite939)を用いて測定を行い、式(II)中のRを求めた。光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を評価した。◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100-R)〉÷〈照射前の(100-R)〉×100
◎ :残存率が95%以上
○ :残存率が92.5%以上、95%未満
△ :残存率が90%以上、92.5%未満
× :残存率が90%未満
上記方法で作成した試験サンプルを用いて、学振型摩擦堅牢試験機で荷重500g、500回 対紙:上質紙にて耐摩擦試験を行い、画像部分に生じた傷について評価した。◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。
◎ :傷が全くつかない
○ :傷の面積が30%未満
△ :傷の面積が30%以上50%未満
× :傷の面積が50%以上
上記方法で作成した試験サンプルを用いて、画像面に幅12mmの粘着テープ(ニチバン社製 セロハンテープ)を貼り付け、これを画像面に対して90℃方向に剥がした際の画像の剥離した面積を評価した。◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。
◎ :全く剥離しない。
○ :塗膜の剥離面積が1%以上10%未満
△ :塗膜の剥離面積が10%以上30%未満
× :塗膜の剥離面積が30%以上
カール性については、50μm処理OPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)に得られた活性エネルギー線硬化性インキをバーコーター#3で塗工した。その後、実施例1~15、17~31と比較例1~4の塗工物は、コンベア速度30m/分、水銀ランプ160W/cm、印刷物とランプ間距離5cmの条件で塗工物を作成した。
実施例16の印刷物は、コンベア速度30m/分、加速電圧80kV、線量50kGy、印刷物と電子線発生源距離5cmにて、電子線を用いて活性エネルギー線硬化性インキを硬化させ、塗工物を作成した。
得られた塗工物を10cm×10cmに裁断し、水平面に置き、水平面と塗工物の四隅までの距離を測定し評価した。◎、〇が実用上問題ないレベルでると評価する。
◎ :4mm未満
○ :4mm以上6mm未満
△ :6mm以上8mm未満
× :8mm以上
硬化性については、得られた活性エネルギー線硬化性インキを、RIテスターにて全面ロールを用いて、基材であるコート紙上に1.00mlの盛り量で画像を印刷した。その後、実施例1~15、17~31と比較例1~4の印刷物は、コンベア速度10m/分、水銀ランプ128W/cm、印刷物と水銀ランプ間距離5cmの条件で印刷物を通過させ、表面からタックがなくなるまでの通過回数にて評価した。実施例16の印刷物は、コンベア速度10m/分、加速電圧80kV、線量30kGy、印刷物と電子線発生源距離5cmの条件で印刷物を通過させ、表面からタックがなくなるまでの通過回数にて評価した。◎、〇が実用上問題ないレベルであると評価する。
◎ :1回
○ :2回
△ :3回
× :4回以上
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表される近赤外吸収剤(A)と、重合性化合物と、重合開始剤と、体質顔料とを含む活性エネルギー線硬化性インキであって、
前記重合開始剤が、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α―ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、および、チオキサントン系化合物からなる群より選択される重合開始剤を1種以上含み、
前記重合開始剤の含有量が、活性エネルギー線硬化性インキの総質量に対し、3~20質量%であり、
前記体質顔料の含有量が、活性エネルギー線硬化性インキの総質量に対し、5~20質量%である、活性エネルギー線硬化性インキ。
一般式(1)
[一般式(1)中、
Q1、Q4、Q5およびQ8は、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。Q1、Q4、Q5およびQ8が窒素原子の場合、X1、X4、X5およびX8はないものとする。
R1~R5は、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基、-SO3 -M+またはハロゲン原子を表す。M+は無機または有機のカチオンを表す。
X1~X8は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、-NR6R7、スルホ基、-SO2NR8R9、-COOR10、-CONR11R12、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。X1~X8は、互いに結合して環を形成してもよい。
R6~R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアシル基または置換基を有してもよいピリジル基を表す。R6とR7、R8とR9、R11とR12は、互いに結合して環を形成してもよい。] - 前記重合性化合物が、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
- 前記分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、(メタ)アクリロイル基を3~6個有する化合物を、活性エネルギー線硬化性インキの総質量中30~60質量%含む、請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
- 前記重合開始剤が、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α―ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、および、チオキサントン系化合物からなる群より選択される重合開始剤を2種以上含む、請求項1~3いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
- さらにバインダー樹脂を含む、請求項1~4いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性インキ。
- 基材、請求項1~5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性インキからなるインキ層、および請求項1~5いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキからなるインキ層が、順に積層された積層体。
- 前記請求項1~5いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性インキ以外のインキが、着色剤を含むインキである、請求項6に記載の積層体。
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