以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、構成要素の接続形態、ステップ、及び、ステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る行動監視システム10について、図1~図5を参照しながら説明する。
[1.行動監視システムの構成]
まず、本実施の形態に係る行動監視システム10の構成について、図1~図3Bを参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る行動監視システム10の概略構成図である。図2は、本実施の形態に係る行動監視システム10の機能構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る行動監視システム10は、撮影装置20と、制御装置30と、報知装置40と、端末装置60とを備える。本実施の形態に係る行動監視システム10は、被介護者の特定行動を検知した場合に、当該特定行動に関する情報を端末装置60に送信する介護支援システムである。なお、被介護者は、行動監視システム10が行動を監視する対象である被監視者の一例である。
本実施の形態では、介護施設100内の居室100aごとに撮影装置20が配置され、事務所100b(例えば、ナースセンターなど)に制御装置30及び報知装置40が配置されている。なお、行動監視システム10が備える撮影装置20、報知装置40及び端末装置60の数は、特に限定されない。
撮影装置20は、居室100aのそれぞれに設置され、設置された居室100a内の様子を撮影する。具体的には、撮影装置20は、設置された居室100aに対応付けられた被監視者である被介護者を撮影する。
図2に示すように、撮影装置20は、撮影部21と、制御部22と、記憶部23と、通信部24とを有する。
撮影部21は、設置された居室100a内の撮影を行う。撮影部21は、例えば、光学系、撮像素子、及び、A/D変換回路などから構成される。
制御部22は、撮影装置20を構成する各構成要素を制御する。また、制御部22は、撮影部21が撮影した画像に所定の処理を行う処理部でもある。制御部22は、例えば、撮影部21が撮影した画像の解析を行うことにより、居室100a内に在室している人の人数の検知、及び、当該居室100aに対応付けられた被介護者が居室100a内に在室しているか否かの判定を行う。人数の検知は、例えば、居室100a内の動体の数を検出し、検出した数を居室100a内に在室している人の人数であると判定してもよい。例えば、背景差分法、又は、フレーム間差分法などによって実現できる。また、被介護者が居室100a内に在室しているか否かの判定は、例えば、個人認証により行われる。個人認証の方法は、特に限定されないが、例えば、画像認証(例えば、顔認証)により行われる。なお、画像認証の方法は、特に限定されないが、例えば、画像から人物の顔の特徴量を抽出し、当該特徴量と居室100aに対応付けられた被介護者の顔の特徴量とから、被介護者が居室100aに在室しているか否かの判定を行ってもよいし、その他の方法であってもよい。画像認証に必要な情報(例えば、被介護者の顔の特徴など)は、例えば、記憶部23に格納されていてもよい。
なお、人数の検知、及び、個人認証の方法は、特に限定されない。また、人数の検知、および、被介護者の検知は、所定の時間間隔ごとに実施され、結果は通信部24を介して、制御装置30に出力される。
また、制御部22は、撮影部21が撮影した画像から、被介護者が予め定められた特定行動を行ったか否かを判定する。具体的には、制御部22は、撮影部21が撮影した画像の解析から所定の特定行動が行われたと判定した場合、当該判定結果を制御装置30に出力する。なお、特定行動を行ったか否かの判定は、例えば、背景差分法、又は、フレーム間差分法などから検出された被介護者の姿勢及び位置などを用いることによって実現できる。
制御部22は、撮影部21が撮影した二次元画像を用いて、特定行動が行われたか否かを判定するが、これに限定されない。制御部22は、撮影部21の替わりに、TOF(Time Of Flight)方式を用いたセンサ(例えば、距離画像センサ)により取得された三次元距離情報から特定行動を行ったか否かを判定してもよい。
記憶部23は、制御部22が特定行動を検知するか否かを判定するためのテーブルを格納する。図3Aを参照しながら、記憶部23が格納するテーブルについて説明する。
図3Aは、本実施の形態に係る撮影装置20が保持するテーブルT1の一例である。
図3Aに示すように、記憶部23は、居室100aの部屋番号と、居室100aごとに設定された居室内人数と、検知対象者とを含むテーブルT1を格納する。居室内人数は、制御部22が特定行動を検知した場合に、制御装置30に当該検知結果を送付するか否かを判定するために用いられる。検知対象者は、特定行動の検知を行う対象であり、本実施の形態では、居室100aに対応付けられた被介護者である。図3Aでは、部屋番号101において、居室内人数が1人であり、検知対象者が「Aさん」であることを示している。つまり、部屋番号101の居室100aには、「Aさん」が検知対象者として対応付けられている。なお、検知対象者は、1つの居室100aに複数人設定されていてもよい。例えば、部屋番号103に示すように、通知する場合の居室内人数は「1人、2人」と記載される。この場合、部屋番号103には2人の検知対象者(Cさん及びDさん)が対応付けられており、居室100a内に1人(Cさん及びDさんの一方)、又は、2人(Cさん及びDさんの両方)の場合に、特定行動が検知されると制御装置30に通知することを示している。また、検知結果とは、特定行動の種類(例えば、後述する図3Bに示す「起き上がり」又は「うずくまり」などの特定行動の種類などである。例えば、検知結果には、特定行動を行っている被介護者を撮影した画像が含まれてもよい。
記憶部23は、半導体メモリなどにより実現される。
なお、記憶部23は、テーブルT1以外の情報を格納していてもよい。また、記憶部23は、撮影部21が撮影した画像を記憶してもよい。
通信部24は、制御装置30と通信を行うための通信モジュールである。通信部24と通信部33との通信は、有線通信及び無線通信のいずれであってもよい。本実施の形態では、通信部24と通信部33との通信は、有線通信により行われる。
撮影装置20は、例えば、カメラなどにより実現される。撮影装置20は、上記の通り、制御装置30と通信可能に接続されており、撮影した画像、及び、特定行動の検知結果などを制御装置30に出力する。
撮影装置20は、被介護者の特定行動を検知するためのセンサの一例である。また、撮影装置20の撮影部21が被介護者の画像を撮影することは、センシングの一例である。なお、本実施の形態では、センサは、撮影部21を有する例について説明するが、撮影部21の替わりに距離画像センサ、又は、電波センサを有していてもよいし、それらの複数の組み合わせを有していてもよい。
制御装置30は、撮影装置20の撮影結果から取得される被介護者の特定行動の有無などに応じて、特定行動に関する情報を端末装置60に送信する制御を行う。具体的には、制御装置30は、撮影装置20が撮影した画像の解析結果から得られる被介護者の特定行動の有無などに応じて、特定行動に関する情報を端末装置60に送信するか否かを判定する。制御装置30が行う制御については、後述する。
制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを有する。
制御部31は、制御装置30を構成する各構成要素を制御する。また、制御部31は、撮影装置20から取得した、居室100aに在室している人の人数、個人認証の結果、及び、特定行動の検知結果から、特定行動の検知結果、及び、画像の少なくとも一方を端末装置60に送信するか否かを判定する。また、制御部31は、撮影装置20から取得した、居室100aに在室している人の人数、個人認証の結果、特定行動の検知結果、及び、画像の少なくとも1つを、記憶部32に記憶する制御を行う。また、報知装置40に特定行動の検知結果などを出力する制御を行う。
記憶部32は、制御部31が特定行動の検知を送信するか否かを判定するためのテーブルを格納する。図3Bを参照しながら、記憶部32が記憶するテーブルについて説明する。
図3Bは、本実施の形態に係る制御装置30が保持するテーブルT2の一例である。
図3Bに示すように、記憶部32は、部屋番号と、検知対象者と、介護者(監視者の一例)へ通知する特定行動とを含むテーブルT2を格納する。テーブルT2は、検知対象者と介護者へ通知する特定行動とが対応付けて格納されている。通知する特定行動は、複数の検知対象者(被介護者)ごとに設定されている。すなわち、特定行動は、複数の検知対象者のそれぞれに対応して設定される行動である。
記憶部32は、半導体メモリなどにより実現される。
なお、記憶部32は、テーブルT2以外の情報を格納していてもよい。記憶部32は、例えば、居室100aに在室している人の人数、個人認証の結果、特定行動の検知結果、及び、画像の少なくとも1つを格納してもよい。また、特定行動の検知結果を送信する端末装置60の情報を格納していてもよい。
なお、上記では、撮影装置20はテーブルT1を格納し、制御装置30はテーブルT2を格納する例について説明したが、これに限定されない。テーブルT1及びT2のそれぞれを、撮影装置20及び制御装置30の少なくとも一方が格納していればよい。なお、テーブルT1及びT2のそれぞれを、撮影装置20及び制御装置30の少なくとも一方が格納することは、テーブルT1及びT2を行動監視システム10が有することに含まれる。
通信部33は、撮影装置20、報知装置40及び端末装置60と通信を行うための通信モジュールである。通信部33と報知装置40との通信は、例えば、有線通信によって行われ、通信部33と端末装置60との通信は、ネットワーク50(例えば、インターネット)を介した無線通信によって行われる。
なお、制御装置30は、表示部(図示しない)、及び、入力部(図示しない)などを有していてもよい。表示部は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置により実現される。入力部は、押しボタン、キーボードなどにより実現される。つまり、制御装置30は、パーソナルコンピュータなどにより実現されてもよい。
なお、制御装置30は、事務所100bに配置されていることに限定されない。制御装置30は、撮影装置20、報知装置40、及び、端末装置60と通信可能であれば、例えば、介護施設100の外部に配置されていてもよい。また、制御装置30は、被介護者を監視する行動監視装置の一例である。
なお、居室100aのそれぞれには、被介護者が介護職員などを呼ぶための呼び出しボタン(図示しない)などが設置されていてもよい。制御装置30は、呼び出しボタンと通信可能に接続されており、例えば、押しボタンが押されたことを検知すると、当該検知を報知装置40に出力してもよい。さらに、制御装置30は、当該検知を端末装置60に送信してもよい。
報知装置40は、被介護者の特定行動の検知結果を介護職員等に知らせるための装置である。報知装置40は、例えば、事務所100bに設置された液晶ディスプレイなどの表示装置である。報知装置40は、例えば、制御装置30から取得した被介護者の特定情報の検知結果を表示する。
なお、報知装置40は、表示装置に限定されず、特定行動の検知結果を音又は光などで知らせる装置であってもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
端末装置60は、無線通信により被介護者の特定行動の検知結果を取得する装置である。端末装置60は、例えば介護者又は介護施設100の職員などが所有する携帯端末であり、スマートフォンであってもよいし、タブレットであってもよい。
なお、テーブルT1及びT2は、予め端末装置60で設定され、ネットワーク50を介して制御装置30に送信されてもよい。制御装置30は、取得したテーブルT1及びT2の少なくとも1つを記憶部32に格納する。さらに、制御装置30は、テーブルT1を撮影装置20に出力し、撮影装置20は取得したテーブルT1を記憶部23に格納する。テーブルT1及びT2の内容を変更する場合も、同様に行われる。なお、テーブルT1及びT2は、撮影装置20及び制御装置30の少なくとも一方が有する入力部(図示しない)により入力されてもよい。入力部とは、例えば、押しボタンなどである。
[2.行動監視システムの動作]
本実施の形態に係る行動監視システム10の動作について、図4及び図5を参照しながら説明する。
[2-1.撮影装置の動作]
まずは、撮影装置20の動作について、図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係る撮影装置20における、人数及び個人認証の結果を出力する動作を示すフローチャートである。以下の説明では、撮影装置20が部屋番号101の居室100aに設置されている例について説明する。
図4に示すように、撮影装置20は、居室100a内の人数、及び、個人認証の結果(つまり、検知対象者が居室100aに在室しているか否か)を取得する(S10)。具体的には、まず撮影部21が居室100aの内の様子を撮影する。撮影部21の居室100a内の撮影は、例えば、連続して行われる。撮影部21は、例えば、制御装置30から撮影を停止する指示を取得するまで、連続して撮影を行う。制御部22は、撮影部21が撮影した画像を画像解析することにより、居室100a内に在室している人の人数の検知と、居室100a内に検知対象者が在室しているか否かの判定を行う。画像解析の方法は、特に限定されない。
そして、制御部22は、通信部24を介して、居室100a内の人数と検知対象者の有無とを含む居室内情報を、制御装置30に出力する(S11)。制御部22は、所定の間隔で居室内情報を制御装置30に出力する。制御部22は、例えば、1分おきに居室内情報を制御装置30に出力してもよいし、居室100a内の人数又は検知対象者の有無が変化するごとに居室内情報を制御装置30に出力してもよい。
なお、制御部22は、居室100a内の人数と、個人認証の結果とを、個々に制御装置30に送信してもよい。制御部22は、例えば、居室100a内の人数、及び、個人認証の結果の一方を出力する時間間隔を、他方を送信する時間間隔より短くしてもよい。制御部22は、例えば、個人認証の結果を出力する時間間隔を、人数を出力する時間間隔より短くしてもよい。
なお、図3Aに示すように、撮影装置20は、設置された居室100a以外の居室の検知対象者も記憶している。撮影装置20は、居室100aに対応付けられている検知対象者がいない状況で、別の居室に対応付けられている検知対象者を検知した場合には、そのことを示す情報を居室内情報に含めて制御装置30に出力してもよい。これにより、検知対象者が自身の居室100aとは異なる居室100aに誤って入室したことを検知することができる。制御装置30は、当該居室内情報を取得した場合、報知装置40及び端末装置60のうち、報知装置40にのみ当該居室内情報を出力してもよい。
なお、制御部22は、居室内情報を記憶部23に格納してもよい。
また、制御部22は、撮影部21が撮影した画像の解析から、検知対象者「Aさん」の特定行動の検知を行う。特定行動の検知は、リアルタイムで行ってもよく、所定の時間間隔ごとに行ってもよい。制御部22は、検知対象者である「Aさん」の特定行動を検知した場合、当該検知結果を制御装置30に出力する。ここで、特定行動とは、「Aさん」専用に設定されてものではなく、全ての検知対象者における特定行動を包括する行動である。図3Bでは、「Aさん」には「起き上がり」のみが専用の特定行動として設定されているが、制御部22は、「Aさん」において、「Aさん~Dさん」それぞれの専用の特定行動である「起き上がり」及び「うずくまり」のいずれか一方を検知した場合、特定行動の検知結果を制御装置30に出力する。
[2-2.制御装置の動作]
次に、制御装置30の動作について、図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る制御装置30における動作を示すフローチャートである。以下の説明では、制御装置30は、部屋番号101の居室100aに設置されている撮影装置20から特定行動の検知を取得した例について説明する。
図5に示すように、制御装置30は、撮影装置20から検知対象者に対する特定行動の検知を取得する(S20でYes)と、当該検知結果を記憶部32に格納する(S21)。制御装置30は、撮影装置20から「Aさん」に対する特定行動を検知したことを取得する。取得する特定行動は、「Aさん」固有に設定されている特定行動ではなく、複数の検知対象者固有に設定されている特定行動を含む。
制御装置30は、撮影装置20から特定行動の検知を取得してない場合(S20でNo)、ステップS20に戻り、撮影装置20からの特定行動の検知の取得を継続する。
次に、制御装置30は、取得した特定行動が端末装置60に通知が必要な特定行動であるか否かの確認を行う(S22)。制御装置30は、記憶部32に格納されているテーブルT2と、取得した特定行動とから、取得した特定行動が端末装置60に通知が必要な特定行動であるか否かの判定を行う。
制御部31は、例えば、撮影装置20から「Aさん」の特定行動として「起き上がり」を検知したことを示す情報を取得した場合、テーブルT2から「起き上がり」は「Aさん」に設定された介護者へ通知する特定行動であるので、通知が必要と判定する(S22でYes)。そして、ステップS23に進む。一方、制御部31は、例えば、撮影装置20から「Aさん」の特定行動として「うずくまり」を検知したことを示す情報を取得した場合、テーブルT2から「うずくまり」は「Aさん」に設定された介護者へ通知する特定行動ではないので、通知が必要ではないと判定し(S22でNo)、処理を終了する。
なお、制御部31は、検知対象者に介護者へ通知する特定行動が複数設定されている場合、撮影装置20から取得した特定行動が、介護者へ通知する複数の特定行動に含まれていれば、通知が必要と判定してもよい。
制御部31は、ステップS22でYesであった場合、次に、居室内情報から、介護者に通知が必要であるか否かの判定を行う(S23~S24)。制御部31は、居室100aに、居室100aに対応付けられた検知対象者が在室しているか否か(S23)、及び、居室100aに検知対象者以外の人が在室しているか否かの判定を行う。具体的には、制御部31は、記憶部32に格納されている居室内情報から、ステップS23及びS24の判定を行う。
制御部31は、検知対象者が居室100aに在室しており(S23でYes)、かつ検知対象者以外の人がいない(S24でNo)場合に、端末装置60に特定行動の検知結果を送信する(S25)。これにより、居室100aに居室100aに対応付けられた検知対象者が在室しており、かつ近くに当該検知対象者を介護する人がいない場合に、介護者などが有する端末装置60に特定行動の検知を送信することができる。端末装置60に送信される検知結果には、「起き上がり」などの特定行動を示す情報、及び、特定行動を検知したときの画像の少なくとも一方が含まれる。また、制御部31は、ステップS24でNoの場合、報知装置40にも検知結果を出力してもよい。
なお、制御部31は、居室100aに複数の検知対象者が対応付けられている場合、当該複数の検知対象者のうちの少なくとも1人の検知対象者が居室100aに在室していることが居室内情報に含まれていれば、検知対象者が居室100aに在室していると判定してもよい。
また、居室100aに検知対象者がいない場合(S23でNo)、端末装置60に検知結果の送信を行わない。これにより、居室100aに対応付けられた検知対象者と異なる人物の検知結果を介護者に送信するなどの誤送信を抑制することができる。また、制御部31は、居室100aに検知対象者が在室しており、かつ居室100aに検知対象者以外の人が在室している場合(S23及びS24でYes)、当該検知対象者の近くに介護する人が在室しているので、端末装置60への特定行動の検知結果の送信を禁止する(S26)。すなわち、制御部31は、撮影装置20から取得した特定行動の検知結果を、端末装置60に送信しない。
制御装置30は、居室100aに対応付けられた被介護者が複数いる場合、複数の被介護者の少なくとも1人と当該被介護者以外の人とを検知したときに、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止してもよい。なお、制御部31は、ステップS21で格納した検知結果に、さらに当該検知結果を端末装置60に送信していない事を示す情報を付加してもよい。
上記のように、本実施の形態に係る行動監視システム10は、居室100aに当該居室100aに対応した被介護者(検知対象者)が在室しており、かつ当該被介護者以外の人物が居室100aに在室している場合に、当該被介護者が特定行動を行ったとき、端末装置60に特定行動の検知結果を送信することを禁止する制御装置30を備える。制御装置30は、撮影装置20が撮影した画像から、居室100aに対応付けられた被介護者における特定行動が検知された場合であって、かつ居室100aに対応付けられた被介護者と当該被介護者以外の人とが検知された場合に、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止する。
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る行動監視システム10は、被介護者の特定行動を検知した場合に、当該特定行動の検知結果を端末装置60に送信する行動監視システム10であって、居室100a内に設置され、当該居室100aに対応付けられた被介護者を撮影する撮影装置20と、撮影装置20が撮影した画像から取得される被介護者の特定行動の検知結果を、端末装置60に送信する制御を行う制御装置30とを備える。そして、制御装置30は、撮影装置20が撮影した画像から、居室100aに対応付けられた被介護者における特定行動が検知された場合に、当該特定行動の検知結果を端末装置60に送信し、撮影装置20が撮影した画像から、居室100aに対応付けられた被介護者と当該被介護者以外の人とが検知された場合に、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止する。
これにより、被介護者が特定行動を行った場合であっても、当該被介護者の近くに被介護者以外の人がいるときには、特定行動に関する情報は端末装置60に送信されない。言い換えると、制御装置30は、被介護者が特定行動を行った場合であっても、当該被介護者の特定行動に対処する(又は、特定行動をしたことを介護施設100の従業員などに知らせることができる)人が近くにいるときには、端末装置60には特定行動の検知結果を送信しない。これにより、行動監視システム10は、特定行動を検知するたびに当該検知結果を送信するわけではなく、特定行動を検知し、かつ当該特定行動に対して対処する人がいない場合に、特定行動の通知を行うことができるので、特定行動の通知をより適切に行うことができる。
また、行動監視システム10は、端末装置60への特定行動の検知結果の送信(通知)を行うこと及び禁止することを制御装置30が自動で判定するため、送信の開始及び停止を手動で行う場合に比べ、送信の開始及び停止の設定忘れによる通知の漏れなどが生じることを抑制することができる。
また、制御装置30は、居室100aに複数の被介護者が対応付けられている場合、複数の被介護者の少なくとも1人と、居室100aに対応付けられた複数の被介護者以外の人とを検知した場合に、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止する。
これにより、居室100aに対応付けられた被介護者が複数いる場合であっても、特定行動の通知をより適切に行うことができる。
また、特定行動は、複数の被介護者のそれぞれごとに設定される。
これにより、複数の被介護者のそれぞれごとに特定行動が設定されるので、介護者へ通知される特定行動の検知をより適正に行うことができる。例えば、制御部31は、介護者が予め設定した通知がいる被介護者の特定行動(例えば、テーブルT2参照)と、撮影装置20で検知された特定行動とから、検知された特定行動が当該特定行動を行った被介護者において通知必要であるか否かを判定することで、より適切に特定行動の通知を行うことができる。
また、以上のように、本実施の形態に係る行動監視方法は、被介護者の特定行動を検知した場合に、当該特定行動の検知結果を端末装置60に送信する行動監視方法であって、居室100aに設置され、当該居室100aに対応付けられた被介護者を撮影する撮影装置20から取得した画像から、居室100aに対応付けられた被介護者における特定行動が検知された場合に、特定行動の検知結果を端末装置60に送信し、撮影装置20から取得した画像から、居室に100a対応付けられた被介護者と当該被介護者以外の人とが検知された場合に、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止する。
これにより、行動監視システム10と同様の効果を奏する。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態に係る行動監視システム10について、図6A及び図6Bを参照しながら説明する。なお、行動監視システム10の構成は、実施の形態1と同様であり説明を省略する。また、実施の形態1と同様の動作についても、説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態では、撮影装置20の動作に特徴を有するので、撮影装置20の動作を主に説明する。なお、撮影装置20は、図4に示す動作に加えて、図6A及び図6Bに示す動作を行う。
図6Aは、本実施の形態に係る撮影装置20における、特定行動の検知結果を出力する動作を示すフローチャートである。以下の説明では、撮影装置20は、部屋番号101の居室100aに設置されている例について説明する。
図6Aに示すように、まず特定行動を検知する対象である検知対象者(被介護者)が居室100a内に在室しているか否かの判定が行われる(S30)。具体的には、制御部22は、図4に示すステップS10で取得した個人認証の結果から、検知対象者が居室100aに在室しているか否かを判定する。例えば、居室100aに検知対象者である「Aさん」が在室しているか否かを判定する。
そして、制御部22は、居室100aに検知対象者が在室している場合(S30でYes)、当該居室100aに検知対象者以外の人が在室しているか否かの判定を行う(S31)。具体的には、制御部22は、図4に示すステップS10で取得した居室100a内の人の人数と、テーブルT1に含まれる通知する場合の居室内人数とを比較することで、検知対象者以外の人が居室100a内に在室しているか否かを判定してもよい。なお、この時点で撮影部21は、居室100a内の様子を撮影しているが、制御部22は、検知対象者(例えば、「Aさん」)に対する特定行動の検知を行っていない。
制御部22は、居室100a内に検知対象者が在室しており、かつ検知対象者以外の人が在室していない場合(S31でNo)、検知対象者を介護する人が近くにいないので、被検知対象者に対する特定行動の検知を開始する(S32)。これにより、制御部22は、検知対象者に対する特定行動の検知を、適切に開始することができる。
なお、居室100aに「Aさん」以外の人として、他の居室100aに対応付けられている「Bさん」が在室している場合は、検知対象者以外の人がいることに含まれなくてもよい。制御部22は、部屋番号101の居室100aに「Aさん」と「Bさん」とがいる場合、ステップS31においてNoと判定してもよい。そして、制御部22は、例えば、部屋番号101に対応付けられた「Aさん」に加えて、「Bさん」の特定行動の検知を開始してもよい。また、制御部22は、特定行動の検知を開始したことを示す情報を制御装置30に出力してもよい。制御装置30は、当該情報を取得すると、報知装置40に特定行動の検知を開始したことを示す報知を行わせてもよいし、端末装置60に特定行動の検知を開始したことを示す情報を送信してもよい。
また、制御部22は、居室100a内に検知対象者が在室しており、かつ検知対象者以外の人が在室している場合(S31でYes)、検知対象者を介護する人が近くにいるので、ステップS30に戻る。つまり、制御部22は、ステップS31でYesの場合、特定行動の検知を開始しない。なお、検知対象者が在室していない場合(S30でNo)も、ステップS30に戻る。そして、ステップS30以降のステップが、繰り返し行われる。
制御部22が検知対象者である「Aさん」の特定行動を検知した場合(S33でYes)、当該検知結果を制御装置30に出力する(S34)。ここで、特定行動とは、「Aさん」専用に設置されてものではなく、全ての検知対象者における特定行動を包括する行動である。図3Bでは、「Aさん」には「起き上がり」のみが専用の特定行動として設定されているが、制御部22は、ステップS33において、「Aさん~Dさん」それぞれに設定されている専用の特行動である「起き上がり」及び「うずくまり」のいずれか一方を検知した場合、ステップS34に進む。一方、制御部22は、特定行動を検知しない場合(S33でNo)、ステップS33に戻り、特定行動の検知を継続する。
次に、特定行動の検知を停止する動作について、図6Bを参照しながら説明する。
図6Bは、本実施の形態に係る撮影装置20における、特定行動の検知を停止する動作を示すフローチャートである。
上記のように、制御部22は、例えば、所定の時間間隔で居室100a内に検知対象者が在室しているか否かの判定を行っている。制御部22は、例えば、検知対象者の特定行動の検知と、居室100a内に検知対象者が在室しているか否かの判定とを並行して実施する。
制御部22は、特定行動の検知を継続している(S40)ときに、居室100a内に検知対象者が在室しており(S41でYes)、かつ検知対象者以外の人が在室している(例えば、検知対象者以外の人が入室してきた)場合(S42でYes)、特定行動の検知を停止する(S43)。また、制御部22は、検知対象者が退室するなどして居室100aに検知対象者がいなくなった場合(S41でNo)も同様に、特定行動の検知を停止する(S43)。これにより、制御部22は、検知対象者の特定行動の検知を、適切に停止することができる。なお、制御部22は、図6Aに示すステップS30でYes、かつステップS31でNoとなる状態になると、再度特定行動の検知を開始する。
また、制御部22は、居室100a内に検知対象者が在室しており、かつ検知対象者以外の人が在室していない場合(S42でNo)、検知対象者を介護する人が近くにいないので、ステップS40に戻り、検知対象者に対する特定行動の検知を継続する。
なお、居室100aに「Aさん」以外の人として、他の居室100aに対応付けられている「Bさん」が在室している場合、ステップS42における検知対象者以外の人が在室していることに含まれなくてもよい。制御部22は、例えば、部屋番号101の居室100aに「Aさん」と「Bさん」とがいる場合、ステップS42においてNoと判定してもよい。つまり、制御部22は、部屋番号101に対応付けられた「Aさん」が居室100aにいる状況で、「Bさん」が部屋番号101の居室100aに入室してきた場合、特定行動の検知を継続してもよい。また、制御部22は、さらに、「Bさん」の特定行動の検知を開始してもよい。
なお、撮影装置20は、特定行動の検知の開始の有無に関わらず、撮影した画像を制御装置30に出力する。制御装置30は、撮影装置20から取得した画像を記憶部32に記憶する。
制御装置30は、撮影装置20から特定行動を検知したことを示す情報を取得すると、当該特定行動が通知の必要な特定行動であるか否かの判定を行い(例えば、図5に示すS22対応)、通知が必要な特定行動である場合に、端末装置60に特定行動を検知したことを示す情報を送信する。
上記のように、本実施の形態に係る行動監視システム10は、撮影装置20及び制御装置30を備える。撮影装置20は、居室100aに当該居室100aに対応した被介護者(検知対象者)が在室しており、かつ当該被介護者以外の人物が居室100aに在室している場合に、当該被介護者に対する特定行動の検知を停止する。そのため、制御装置30は、居室100aに当該居室100aに対応した被介護者が在室しており、かつ当該被介護者以外の人物が居室100aに在室している場合に、当該被介護者が特定行動を行っても特定行動の検知結果を撮影装置20から取得しない。よって、制御装置30は、特定行動の検知結果を撮影装置20から取得しないことで、特定行動の検知結果の端末装置60への送信を禁止することができる。
以上のように、本実施の形態に係る行動監視システム10の撮影装置20は、居室100aに対応付けられた被介護者と当該被介護者以外の人とを検知した場合に、被介護者の特定行動の検知を停止する。
これにより、被介護者が特定行動を行った場合であっても、当該被介護者の近くに被介護者以外の人がいるときには、特定行動に関する情報は撮影装置20から制御装置30に出力されない。つまり、特定行動に関する情報は、端末装置60に送信されない。これにより、行動監視システム10は、特定行動を検知するたびに当該検知結果を送信するわけではなく、特定行動を検知し、かつ当該特定行動に対して対処する人がいない場合に、特定行動の通知を行うことができるので、特定行動の通知をより適切に行うことができ、さらに、制御部22における特定行動の検知に対する処理量を低減することができる。
また、行動監視システム10は、特定行動の検知の開始及び停止を撮影装置20が自動で判定するため、検知の開始及び停止を手動で行う場合に比べ、検知の開始及び停止の設定忘れによる検知の漏れなどが生じることを抑制することができる。
また、撮影装置20は、居室100aに対応付けられた被介護者と当該被介護者以外の人とを検知した場合に、撮影した画像の制御装置30への出力を継続する。
これにより、撮影装置20は特定行動の検知を行っていない場合であっても、撮影した画像を制御装置30に出力するので、居室100a内の様子を記録することができる。よって、介護者などは、特定行動の検知を行っていないときに撮影された画像を確認することができる。
(他の実施の形態)
以上、行動監視システム、及び、行動監視方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、撮影装置が、居室内の人数の特定、及び、個人認証を行う例について説明したが、これに限定されない。行動監視システムは、撮影装置の外部に、居室内の人数の特定、及び、個人認証を行う判定装置を備え、当該判定装置が撮影装置及び制御装置の少なくとも一方に、判定結果を出力してもよい。また、制御装置が、撮影装置から取得した画像から、居室内の人数の特定、及び、個人認証を行ってもよい。そして、制御装置は、居室内の人数の特定、及び、個人認証の結果を、撮影装置に出力し、制御装置から取得した居室内の人数の特定、及び、個人認証の結果から特定行動の検知を開始又は停止してもよい。
また、上記実施の形態では、撮影装置が有する制御部において、特定行動の検知が行われていたが、これに限定されない。例えば、制御装置が有する制御部において、特定行動の検知が行われてもよい。
また、上記実施の形態では、撮影装置は、設置された居室の検知対象者に設定されていない特定行動も検知する例を示したが、これに限定されない。撮影装置は、テーブルT2を参照して、設置された居室に対応付けられた検知対象者に設定されている特定行動を検知したときに、特定行動を検知したこと示す情報を制御装置に出力してもよい。
また、上記実施の形態では、被監視者が介護施設の被介護者である例を示したがこれに限定されない。被監視者は、病気や怪我などによって看護を必要とする者、又は、一人暮らしの独居者(例えば、高齢者)などであってもよい。
また、上記実施の形態に係る行動監視システムに含まれる各制御部などは、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータが読み取り可能なCD-ROM、光ディスクなどの非一時的記録媒体などで実現されてもよい。プログラムは、記憶媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。