JP7079971B2 - 地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法 - Google Patents

地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法に関するものである。
例えば福島第一原子力発電所における災害事故現場からの放射能の流出防止や、産業廃棄物処分場からの汚染水、汚染物質の拡散、などのために一定の範囲にわたって地上立ち入り不可区域を地下地中まで遮断する必要がある。
そして、このような場合には、例えば河川などの流水を止水する目的で用いられているように、その周囲の地表から鋼杭パイル(鋼矢板)などによる遮断壁を地中に圧入して区域周囲を遮断するのが一般的であるが、地中での止水を含めて遮断を完全にするには区域の底部を含めて遮断しなければならない。
そこで、例えば特開2003-1212号公報に提示されているように、鋼杭パイル(鋼矢板)などによる遮断壁を地中に圧入するに際して区域周囲を遮断する土壌を掘り起こして例えば礫層と砂層とからなる浄水作用を有する遮断層を底壁として形成する方法、或いは特開2018-16954号公報に提示されているように鋼矢板を不透水層まで圧入する方法などが提示されている。
ところが、前記従来の特開2003-1212号公報に提示されている遮断壁を用いた地上立ち入り不可区域の遮断構造および遮断方法は、遮断区域を一旦、掘り起こす必要があるとともに大型の一体的な遮断壁を必要とするなど大規模な工事が必要であり、構築期間ならびに費用の面でもきわめて不経済なものであり、また、特開2018-16954号公報に提示されている遮断壁を用いた地上立ち入り不可区域の遮断構造ではきわめて長尺の鋼矢板を地中深く圧入しなければならないという問題があり、特に原子炉などの事故により緊急に地上立ち入り不可区域を遮断しなければならない場合には適応しにくいと言う問題がある。
特開2003-1212号公報 特開2018-16954号公報
本発明は、前記従来の地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法が有する問題点を解決したものであり、特に、地面を掘り起こすことなしに底壁を設置することを可能にしたことにより、構築期間を削減するとともに掘り起こした土砂の処理も不要で、且つ大がかりな重機も不要できわめて経済的な地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造および構築方法を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するためになされた本発明である地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造は、地表から地中に向けて圧入した遮断壁により地上立ち入り不可区域の地中地下を周囲から遮断する地上立ち入り不可区域の遮断構造であって、前記地上立ち入り不可区域を囲む4枚の遮断壁が、それぞれの頂辺を地表において前記地上立ち入り不可区域を囲む方形に配置されるとともに、対向する1対の前記遮断壁はそれぞれが垂直に地中に埋設され、他方の1対の対向する遮断壁は少なくとも一方の底辺が他方の遮断壁と所定の角度で接合するよう傾斜して地中に埋設され、且つ前記各傾斜した遮断壁の両側が前記垂直の遮断壁と密接しており、前記各遮断壁は、幅方向に隣接させた複数の鋼杭パイルをその長さ方向の両側辺に設けた係止部により互いに係止させて連結されてなり、前記垂直の遮断壁は、最も下側に位置する前記鋼杭パイルの下側側辺が前記傾斜した遮断壁の内側面に沿って圧入され、他の鋼杭パイルが地表に向かって順次幅方向に連結することにより形成されていることを特徴とする。
このように、本発明において、前記各遮断壁が、幅方向に隣接させた鋼杭パイルをその長さ方向の両側辺に設けた係止部により互いに係止させて連結されてなることにより、複数の鋼杭パイルを順に圧入するだけで広範な面積を有する壁面を形成することができる。
特に、前記一対の傾斜した遮断壁における一方の遮断壁の底辺が他方の遮断壁に接合する角度が直角であるとともに、前記垂直の遮断壁を構成する前記鋼杭パイルは、底辺を長尺方向に対して直角に形成した場合には、最も下側に位置する前記鋼杭パイルの下側側辺を前記一方の遮断壁の内側面に沿って圧入して、他の鋼杭パイルを地表に向かって順次幅方向に連結することによりほぼ三角形の垂直の遮断壁を形成することができるため、構築に際して扱い易い長尺の鋼杭パイルを用いてきわめて容易に構築することができる。
更にまた、前記鋼杭パイルは、裏側または表側に止水材注入管部が長尺方向に沿って形成されていることにより、鋼杭パイルを打ち込み後に止水材を注入固化させて接合部を密接させることができる。
また、本発明である地上立ち入り不可区域を遮断する構築方法は、一対の垂直の遮断壁と、少なくとも一方の遮断壁の底辺が他方の遮断壁と所定の角度で接合する一対の傾斜した遮断壁とからなる4枚の遮断壁を、それぞれの頂辺を地表において地上立ち入り不可区域を囲む方形に配置されるように地表から地中に向けて圧入するとともに前記一対の傾斜した遮断壁の両側を前記一対の垂直の遮断壁と密接させることにより前記地上立ち入り不可区域の地中地下を周囲から遮断する地上立ち入り不可区域の遮断構造の構築方法であって、初めに、前記地上立ち入り不可区域内の地表に平面視において前後左右方向に所定間隔でセンサー糸用ポイントの位置決めをした後、前記各ポイントから地中に向けて垂直にセンサー糸を埋設し、次いで、前記遮断壁となる鋼杭パイルを順次圧入して圧入した前記鋼杭パイルにより切断された前記センサー糸を地上に引き抜き、前記切断されたセンサー糸の位置と長さを知ることにより、前記圧入した鋼杭パイルに関する、地中深さ圧入方向圧入角度のうち少なくとも1つの情報を確認して前記遮断壁を形成することを特徴とする。
本構築方法によると、地表から遮断壁の所定の圧入位置を簡単な作業で正確に把握しながら設置することができる。
また、本構築方法において、遮断壁を圧入した後に前記遮断壁に形成した止水材注入管部から止水材を注入することにより各遮断壁間における接合部の隙間をなくし、漏れを確実に防止するとともに、必要であれば、最後に前記地中に圧入した遮断壁の内側に添ってセメントを注入・固化させることにより更に完璧な遮断壁の構築も可能である。
本発明によると、きわめて簡単な作業で地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造を形成することができるものであり、特に周囲壁だけでなく底部も含めて遮断するにも拘わらず、掘り起こす必要なく構築ができ、構築期間の短縮、人的負担の軽減ならびに経済的負担の軽減を図ることができ、特に、放射能漏れ事故などのような緊急に遮断しなければならない場合にきわめて有効である。
本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、(a)は構築前の状態を示す概略図、(b)は構築後の状態を示す概略図。 本発明の異なる実施の形態に用いられる鋼杭パイルを示す一部を省略した斜視図。 図2に示した鋼杭パイルの使用状態を示す説明図。 鋼杭パイルの側端に形成した係止部の異なる実施の形態を示す連結部を示した平面拡大部分図。 本発明の構築方法の異なる実施の形態を示すものであり、(a)は平面図、(b)は図5(a)のX-Xに沿う断面図、(c)は図5(a)のY-Yに沿う断面図。 図5に示した実施の形態の一部を示した拡大斜視部分図であり、(a)は互いに底辺を重ねた直角に接した傾斜方向に圧入した遮断壁の間に45度に傾斜させた方向から垂直方向に圧入する遮断壁を形成する鋼杭パイルを圧入する状態を示す説明図。 図5に示した実施の形態における鋼杭パイルの拡大部分断面図であり、(a)は複数の鋼杭パイルを圧入方向に連結して使用する場合の連結部を示し、(b)は止水材注入管部の先端に蓋が付設されて地中に圧入している状態を示し、(c)は圧入後に止水材注入管部に注入した止水材が流出している状態を示す。 (a)は図5に示した実施の形態の概略を示す説明図、(b)(c)は本発明の更に異なる実施の形態の概略を示す説明図。 本発明の更に異なる構築方法を示すものであり、(a)は平面図、(b)は縦断面図。
図1は本発明の好ましい実施の形態を示すものであり、例えば社屋Bなどを含めた汚染された地上立ち入り不可区域1を遮断する遮断構造2を示すものであり、遮断構造2は、図1(a)に示すように、地表3から地中4に向けて圧入される4つの遮断壁5,6,7,8により図1(b)に示される頂面を方形の地表3とした逆三角柱状に形成される。
これらの遮断壁5,6,7,8は、それぞれの頂辺51,61,71,81が地表3において地上立ち入り不可区域1の前後左右の4辺11,12,13,14に沿う方形に形成され、例えば互いに対向する一対の遮断壁7,8は下端が直角な直角三角形で且つ垂直方向に向けて地中4に圧入されており、もう一対の遮断壁5,6はそれぞれの底辺52,62を前記遮断壁7,8の三角形の下端の角度に合致する直角の角度で互いに接合するように傾斜させて地表3から地中4に向けて圧入されており、前記各傾斜して圧入される遮断壁5および6の両側辺53,53および63,63が互いに接する垂直に埋設さた遮断壁7,8の側辺73,73および側辺83,83に密接している。
以上の構成を有する本実施の形態は、前記4枚の遮断壁5,6,7,8を地上立ち入り不可区域1の前後左右の4辺11,12,13,14に沿って地中4で互いに接するように圧入するという、きわめて簡単な作業で地上立ち入り不可区域1を遮断する遮断構造2を形成することができるものであり、特に底部も含めて遮断するにも拘わらず、地面を掘り起こす必要なく構築ができ、構築期間の短縮、人的負担の軽減ならびに経済的負担の軽減を図ることができる。
図2乃至図7は、本発明の異なる実施の形態を示すものであり、遮断構造ならびに構築方法の基本は前記図1に示した実施の形態とほぼ同様であるが、遮断壁5(6,7,8)が図2に示したような長尺の鋼杭パイル(いわゆる鋼矢板)55(65,75,85)を幅方向に連結することにより形成されている点が異なる。尚、鋼杭パイル55(65,75,85)は使用する遮断構造の大きさに応じて必要な長さのものを使用することになるが、所定の長さ以上に長尺のものが入用の場合には所定の長さのものを縦方向に連結して使用する。
更に詳細に説明すると、本実施の形態に使用される鋼杭パイル55(65,75,85)は、長さ方向の両側辺に幅方向に隣接させた鋼杭パイル55(65,75,85)を互いに連結するための断面が鉤形の係止部56(66,76,86)がそれぞれ形成されている。この点は従来から止水現場などに用いられている構築用のものとほぼ同一の構成であるが、本実施の形態に用いられる鋼杭パイル55(65,75,85)は、表側または裏側の幅方向中央位置に長さ方向に延びる止水剤注入管部57(67,77,87)が一体に形成されており(本実施の形態では裏側)、図3に示すように、従来の構築方法と同様に、始めに所定の深さ位置に圧入した鋼杭パイル55(65,75,85)に表裏交互に配置した鋼杭パイル55(65,75,85)を互いに隣接する係止部56(66,76,86)同士を縦方向に嵌め込み係止して順次幅方向に密に連接して図1に示したような幅広の遮断壁5(6,7,8)を形成するものである。尚、圧入に際しても従来と同様な打設機や圧入機を用いることができる。
尚、前記係止部56(66,76,86)は本実施の形態では、一般的な長さ方向の両側辺に形成した断面が鉤形で互いに密に接続係止されると好ましいが、これに限るものでなく、例えば図4(a),(b)に示すように、面取りを形成し、前記係止部56(65,75,85)の内側面に隣接して嵌め込まれる係止部56(65,75,85)の外側面に密接する補助突部561(661,761,861)を形成したもの、或いは図4(c)のように鉤を二重の角形にするなどして更に密接に且つ確実に接合可能なものにすることもでき、特に、遮断効果にとって有効である。勿論、係止部にゴムや弾性樹脂などの防水材を介入させてもよい(図示せず)。
図5および図6は、前記図2および図3に示した鋼杭パイル55(65,75,85)を用いて本発明である地上立ち入り不可区域1を遮断する遮断構造2およびその構築方法を実施する際の好ましい実施の形態を示すものであり、初めに、図5(a)に示すように、地表3に前後左右の4辺11,12,13,14により形成され遮断する地上立ち入り不可区域1に方形の位置決めをし、次いで、多数の鋼杭パイル55および65を用いて前記図3に示したように表裏を交互に幅方向に係止しながら前記地表3に定めた方形の辺11,12に沿って順次地中4に、互いに対向するよう傾斜して圧入して前記図1に示したと同じ1対の遮断壁5,6を形成する。
このとき、本実施の形態では、遮断壁5,6は所定長さの鋼杭パイル55および65を傾斜して埋設された一方の遮断壁5の底辺52が、同じく傾斜して埋設された他方の遮断壁6に接合する角度が直角であるように斜め方向(本実施の形態では45度の角度)に圧入される。
尚、理論的には前記遮断壁5,6は図1に示したようにそれらの底辺52および62が地中で互いに丁度接すればよいのであるが、実際に底辺52および62が地中で互いに丁度接するように施工することは困難であるため、一方の遮断壁5(6)の底辺52(62)が他方の遮断壁6(5)に接合するようにしたことにより線と面とを接合すればよく施工が容易である。
そして、次に、前記図5(c)に示すように、前記垂直の遮断壁7(8)が、底辺752(852)を長尺方向に対して直角に形成した複数の鋼杭パイル75(85)よりなっており、最も下側に位置する前記鋼杭パイル751(851)の下側側辺が前記傾斜した例えば遮断壁6の内側面に沿って圧入され、他の鋼杭パイル75(85)が、表裏を交互に幅方向に係止しながら地表3に向かって順次幅方向に連結することによりほぼ三角形の垂直の遮断壁7,8が形成される。
このように、本実施の形態では、先に傾斜させて埋設した遮断壁5(6)に沿って鋼杭パイル75(85)を下方から上方へと45度の角度で積み重ねるようにして順次圧入することにより順次幅方向に係止しながら連結するという簡単な構築方法により、迅速且つ確実に広範な地上立ち入り不可区域1に遮断構造2を構築することができる。
図6は前記鋼杭パイル75を、傾斜させて埋設した遮断壁5に沿って前記鋼杭パイル75を下方から上方へと45度の角度で積み重ねるようにして順次圧入することにより遮断壁7を形成する際の状態を示す概略図であり、前記遮断壁5と遮断壁6との地中での接合は前述のように例えば傾斜方向に圧入される遮断壁6を形成する鋼杭パイル65の先端は対向して傾斜方向に配置される遮断壁5を形成する鋼杭パイル55よりも先端が突出されて埋設されることにより遮断壁5の底辺52が所定の直角に遮断壁6に確実に接合させることができ、実際の構築を容易にしている。
そしてさらに、鋼杭パイル75の底辺752が長尺方向に対して直角に形成されているため、鋼杭パイル75の底辺752を遮断壁5に接合させれば、自然に密接に接合することとなり、容易に遮断効果を確実にすることができる。
また、図6(b)に示すように、各鋼杭パイル75(前記図5(c)に示した85も同様)には例えば裏面に設置された固定部材(係止孔であってもよい)78に基端側へとロープ79が延設されており、このロープ79を所定の方向に引いて深さや隣接する鋼杭パイル75の結合位置などを調節しながら圧入することができる。
尚、前記ロープ79は図2に示した他の鋼杭パイル55(65,75,85)にも同様に設置することができるものであり(図示せず)、また、これらのロープはそのまま取り外さないで例えば基端を地表に配置しておくことにより、後に遮断構造2を解除し、或いは再構築する場合に各鋼杭パイル55,65,75,85を引き抜くことに使用できる。
更に、本実施の形態では、前記鋼杭パイル55,65,75,85は図3に示したように裏側に止水材注入管部57,67,77,87がそれぞれ長尺方向に沿って形成されており、各鋼杭パイル55,65,75,85を所定位置に圧入した時点で或いは全ての鋼杭パイル55,65,75,85を圧入して遮断壁5,6,7,8の埋設が終了した時点で、止水剤注入管部57,67,77,87を用いて止水剤を注入して各遮断壁5,6,7,8間の接触部分を防水に接合して地上立ち入り不可区域1をより確実に遮断する遮断構造2が形成される。
尚、本実施の形態では、前記止水剤注入管部57(67,77,87)は鋼杭パイル55(65,75,85)とそれぞれ一体に形成されているため圧入に際して変形や破損などの恐れが少なく且つ各鋼杭パイル55(65,75,85)の剛性の強化を増進させる効果も併有している。
また、止水材は直接止水剤注入管部57(67,77,87)に注いでもよいが、例えば止水材を潤滑に流通させる内面を有する素材などにより形成された供給管(図示せず)を止水剤注入管部57(67,77,87)の基端から先端へと挿通させてこの供給管を介して止水材を注入してもよく、この場合には更に円滑に止水材を注入させることができる。
更に、止水材は急結することがなく軟性度の高い流動性を有し、凝固に際して長い時間を要するものを使用することにより止水材を所定の止水箇所に行き渡らせて確実に止水効果を発揮させることができる。
本実施の形態では鋼杭パイル55(65,75,85)として、所定の長さのものを用いた場合を示したが、例えば広範な地上立ち入り不可区域1に対応させる場合などにはより長尺の鋼杭パイル55(65,75,85)が必要となるが、そのような長尺の鋼杭パイル55(65,75,85)は実施に際して運搬、保管、圧入に際して現実的でなく、図7(a)に示すように所定の長さを有する鋼杭パイル55(65,75,85)を地中方向へと順次重ねて圧入することにより容易に実施することができるものである。
特に、本実施の形態では、所定の長さを有する鋼杭パイル55(65,75,85)を地中方向へと複数順次重ねて圧入するため、各鋼杭パイル55(65,75,85)の上端および下端は互いに嵌めこみ可能な厚み方向に段部551(651,751,851)および552(652,752,852)が形成されて凹凸嵌合するため、ズレが防止されている。
また、本実施の形態では鋼杭パイル55(65,75,85)には止水剤注入管部57(67,77,87)が形成されているので図7(a)に示すように、下側の止水剤注入管部57(67,77,87)の基端側の口径を上側の止水剤注入管部57(67,77,87)の先端側の口径よりも広く形成しておくことにより上側の止水剤注入管部57(67,77,87)に注入した止水材が接続部で漏れることなく下側の止水剤注入管部57(67,77,87)に注水されて止水材が所定の位置に注水される。
また、本実施の形態では、図7(b)に示すように、前記止水剤注入管部57(67,77,87)の先端には蓋571(671,771,871)が付設されており、この蓋571(671,771,871)は鋼杭パイル55(65,75,85)を地中4に圧入したときに先端口から土砂などが進入して止水剤注入管部57(67,77,87)が詰まってしまうのを防止することができるものであり、図7(c)に示すように、止水材を止水剤注入管部57(67,77,87)から注入させたときに開放して止水材を流出可能としている。
尚、本実施の形態では、図8(a)に示したように方形の遮断壁5,6は互いの辺53および63の長さが同じであることから前記方形の辺11および辺12からの中央で互いの底辺52および62が接合するが、本発明はこれに限らず、図8(b)(c)に示すように、辺53および辺63の長さが異なる遮断壁5,6を用いた場合にも実施が可能であり、特に地盤などの関係で圧入が困難である場合、汚染の深さが均一でない場合などに有効である。
加えて、本実施の形態において、必要であれば、前記遮断構造2を構築後に鋼杭パイル55(65,75,85)に添って内側へそれぞれの最下端からセメントを注入することにより更に完全な遮水構造とすることができる。セメントを注入する際は、鋼杭パイル55(65,75,85)に添って内側へ注入するほか、地表3からボーリングにより穿設した斜孔または垂直孔を用いることも可能であり、注入するセメントは、水と混練したセメントミルクであることが特に望ましい。
尚、止水材やセメントの注入後、更に強度の補強が必要になった場合は、鋼杭パイル55(65,75,85)の内壁面に沿って地表3からボーリングにより穿設した斜孔または垂直孔を用いてコンクリートの打設を行うことによる地盤改良を行ってもよい。
図9は前記図2乃至図6に示した実施の形態の遮断構造2を更に容易に構築するための構築方法についての好ましい実施の形態を示すものであり、初めに、図9(a)に示すように、地表3に少なくとも遮断する地上立ち入り不可区域1内に平面視において前後左右方向に所定間隔で多数のセンサー糸用ポイントの位置決めをした後、前記各ポイントから地中に向けて垂直にセンサー糸9を埋設する。
そして、次に、前記埋設したセンサー用糸9に沿って前記図2乃至図6に示したように遮断壁5および6を形成するための鋼杭パイル55,65を順次圧入するが、このとき、図9(b)に示すように、例えば遮断壁5および遮断壁6を構築する鋼杭パイル55および鋼杭パイル65を所定の斜め方向に順次圧入する際に、圧入した鋼杭パイル55および鋼杭パイル65により前記地中4に垂設しておいたセンサー用糸9が順次切断されるのでそれらの切断されたセンサー糸9を地上に引き抜き前記センサー糸9を地上に引き抜いた位置と長さを知ることにより前記圧入した鋼杭パイルの地中深さ、圧入方向、圧入角度などの情報を確認して遮断壁を地中4の所定箇所、例えば直角に接合するなど、確実に且つ容易に埋設することができる。
尚、本実施の形態では、前記遮断壁5および遮断壁6が所定の設計位置に正確に圧入されれば、他の垂直方向へ伸びる遮断壁7および遮断壁8は前記鋼杭パイル55および鋼杭パイル65に沿って圧入すればよいが、必要であれば前記遮断壁5および遮断壁6と同様に予め所定位置に鋼杭パイル75,85の圧入時に切断可能なセンサー用糸9を垂直に埋設しておき、同様にして調整しながら更に確実に圧入させることもできる。更に、必要であれば、遮断構造を構築後に前記遮断壁に形成した止水剤注入管部から止水剤を注入すること、または前記遮断壁(前記鋼杭パイル)の内側に添ってセメントを注入することにより更に完全な遮水構造とすることができる。
また、前記図9(a)に示したように、完成後に前記切断されるセンサー糸9の長さに合わせた長さを有する配管10を設置しておくことにより、完成後における各種調査用の配管などとして利用することができる。
1 地上立ち入り不可区域、2 遮断構造、3 地表、4 地中、5,6,7,8 遮断壁、9 センサー用糸、10 配管、11,12,13,14 辺、5,6,7,8 遮断壁、51,61,71,81 頂辺、53,63,73,83 側辺、52,62 底辺、55,65,75,85 鋼杭パイル、56,66,76,86 係止部、57,67,77,87 止水材注入管部、78 固定部材、79 ロープ、751,851 鋼杭パイル、752,852 底辺、571,671,771,871,572,672,772,872 段部

Claims (5)

  1. 地表から地中に向けて圧入した遮断壁により地上立ち入り不可区域の地中地下を周囲から遮断する地上立ち入り不可区域の遮断構造であって、
    前記地上立ち入り不可区域を囲む4枚の遮断壁が、それぞれの頂辺を地表において前記地上立ち入り不可区域を囲む方形に配置されるとともに、対向する1対の前記遮断壁はそれぞれが垂直に地中に埋設され、他方の1対の対向する遮断壁は少なくとも一方の底辺が他方の遮断壁と所定の角度で接合するよう傾斜して地中に埋設され、且つ前記各傾斜した遮断壁の両側が前記垂直の遮断壁と密接しており、
    前記各遮断壁は、幅方向に隣接させた複数の鋼杭パイルをその長さ方向の両側辺に設けた係止部により互いに係止させて連結されてなり、
    前記垂直の遮断壁は、最も下側に位置する前記鋼杭パイルの下側側辺が前記傾斜した遮断壁の内側面に沿って圧入され、他の鋼杭パイルが地表に向かって順次幅方向に連結することにより形成されていることを特徴とする地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造。
  2. 前記一対の傾斜した遮断壁における一方の遮断壁の底辺が他方の遮断壁に接合する角度が直角であるとともに、前記垂直の遮断壁を構成する前記鋼杭パイルは、底辺を長尺方向に対して直角に形成したことを特徴とする請求項1記載の地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造。
  3. 前記鋼杭パイルは、裏側または表側に止水材注入管部が長尺方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造。
  4. 一対の垂直の遮断壁と、少なくとも一方の遮断壁の底辺が他方の遮断壁と所定の角度で接合する一対の傾斜した遮断壁とからなる4枚の遮断壁を、それぞれの頂辺を地表において地上立ち入り不可区域を囲む方形に配置されるように地表から地中に向けて圧入するとともに前記一対の傾斜した遮断壁の両側を前記一対の垂直の遮断壁と密接させることにより前記地上立ち入り不可区域の地中地下を周囲から遮断する地上立ち入り不可区域の遮断構造の構築方法であって、
    初めに、前記地上立ち入り不可区域内の地表に平面視において前後左右方向に所定間隔でセンサー糸用ポイントの位置決めをした後、前記各ポイントから地中に向けて垂直にセンサー糸を埋設し、
    次いで、前記遮断壁となる鋼杭パイルを順次圧入して、前記鋼杭パイルにより切断された前記センサー糸を地上に引き抜き、前記切断されたセンサー糸の位置と長さを知ることにより、前記圧入した鋼杭パイルに関する、地中深さ圧入方向圧入角度のうち少なくとも1つの情報を確認して前記遮断壁を形成することを特徴とする地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造の構築方法。
  5. 前記各遮断壁は、幅方向に隣接させた複数の鋼杭パイルをその長さ方向の両側辺に設けた係止部により互いに係止させて連結されてなり、
    前記垂直の遮断壁は、最も下側に位置する前記鋼杭パイルの下側側辺が前記傾斜した遮断壁の内側面に沿って圧入され、他の鋼杭パイルが地表に向かって順次幅方向に連結することにより形成されていることを特徴とする請求項4記載の地上立ち入り不可区域を遮断する遮断構造の構築方法。
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