JP7078432B2 - パンツタイプ使い捨て着用物品 - Google Patents

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Description

本発明は、パンツタイプ使い捨て着用物品に関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつ等の、パンツタイプ使い捨て着用物品は、前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備えるものが一般的である。
一般的なパンツタイプ使い捨て着用物品では、外装体は、サイドシール部と対応する前後方向範囲である胴周り領域や、前後の胴周り領域の間に位置する中間領域に、幅方向に弾性伸縮する伸縮構造を有するものとなっている。この伸縮構造の代表的なものは、外側不織布層と内側不織布層との間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた細長状の弾性部材を備えるものである。不織布層は面状の伸縮領域を形成するとともに、弾性部材を被覆、隠蔽する役割を担い、外側不織布層と内側不織布層との間に内蔵される弾性部材は、弾性伸縮のための力を生み出す役割を担うものである。弾性部材は、伸縮方向に伸長された状態で、少なくとも伸縮領域の両端部に位置する部分が、弾性部材の表裏両側に隣接する外側不織布層及び内側不織布層に固定される。この固定により、弾性部材と外側不織布層及び内側不織布層とが一体化され、外側不織布層及び内側不織布層は弾性部材の収縮力により収縮して襞(皺状のものも含む。自然長状態だけでなく、弾性部材が伸長した状態でも形成される。以下、単に襞ともいう。)が形成され、またこの収縮状態から弾性部材の収縮力に抗して伸長されると、襞が展開される。通常、外側不織布層及び内側不織布層は弾性伸長限界では襞が無い展開状態となり、弾性部材の収縮に伴って襞が寄り、自然長状態では最も密に襞が寄る。
このような伸縮構造では、外側不織布層及び内側不織布層が互いに自由であると、一方の不織布層が他方の不織布層に対して部分的又は全体的に浮いて不必要な襞や膨らみを生じるおそれがあるため、外側不織布層及び内側不織布層はそのほぼ全体にわたり直接的又は間接的に接合されている必要がある。また、弾性部材により伸縮性を生み出すため、弾性部材は伸縮領域の伸縮方向の全体にわたり延在され、かつ少なくとも伸縮領域の伸縮方向の両端部に位置する部分は、外側不織布層及び内側不織布層に対して固定され、自然長状態では弾性部材の収縮に伴い外側不織布層及び内側不織布層も収縮されている必要がある。つまり、不織布層間の接合と、不織布層に対する弾性部材の固定とが必要となるのである。
現在では、弾性部材を不織布層に固定する手段としては、ほとんどの場合、ホットメルト接着剤が選択されている。一方、不織布層間の接合形態は、ホットメルト接着剤の使用量を低減するために、超音波溶着等の溶着により行うことも多くなってきているが、ホットメルト接着剤により行う形態も根強く利用されている。例えば、弾性部材の通過位置でホットメルト接着剤を介して弾性部材の表裏両側に隣接する外側不織布層及び内側不織布層を接合することにより、不織布層間の接合と、不織布層に対する弾性部材の固定とを兼ねる兼用形態の他、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と直交する方向に連続する縦縞状のシート接合部で外側不織布層及び内側不織布層を接合する形態や、伸縮方向と直交する方向に間欠的に配された、伸縮方向に実質的に連続する横縞状のシート接合部で外側不織布層及び内側不織布層を接合する形態が知られている。(特許文献1~6参照)
このうち、縦縞状のシート接合部を採用する形態は、自然長状態を含めある程度収縮した状態では、シート接合部は伸縮方向と直交する方向に連続する溝となり、その溝間の非接着部分では外側不織布層及び内側不織布層が互いに反対向きに(表裏両側に)同程度に膨出して襞が形成される。そして、この場合、襞間の部分及び襞の内空が伸縮方向と直交する方向に連続するため、伸縮方向と直交する方向の通気性に優れるだけでなく、整列した襞の形成により外観も好ましいものとなる。
他方、パンツタイプ使い捨て着用物品は、使用後に丸めた状態で固定する後処理手段として、いわゆる後処理テープを設けることが一般的となっている(例えば、特許文献10,11参照)。すなわち、このような後処理テープとしては、外装体の外面に固定された、前後方向に延びる帯状の付根部と、この付根部のウエスト側から延び出る帯状の本体部とを有し、本体部は、使用後に外装体の外面に粘着させる粘着剤層を有するものである。一般的な後処理テープでは、本体部は、付根部のウエスト側から股間側に延びる第1部分と、第1部分の先端でウエスト側に折り返された第2部分とを有しており、第1部分における付根部分との対向面、及び第2部分における第1部分との対向面に、粘着剤層がそれぞれ設けられている。これらの粘着剤層は、付根部分、第1部分及び第2部分を折り畳み状態に固定する役割を担うとともに、これらの粘着部分を第2部分の先端から順に剥離した後には、第1部分及び第2部分を外装体の外面に貼り付ける役割を担うものである。
しかし、後処理テープの固定位置で外装体における外側不織布層及び内側不織布層の接合が縦縞状となっている場合、後処理テープを剥がすとき又はおむつに巻き付けるときの引張力が強すぎたときに外側不織布層が内側不織布層から剥がれて浮き上がることがあった。このような状態になると、外側不織布層が単独で後処理テープの付根部に加わる力を受けることになり、外側不織布層が破れて後処理テープが外れたり、後処理テープでしっかりと固定することが困難になることがあった。
ここで、特許文献11記載のものは、弾性部材の通過位置でホットメルト接着剤を介して外側不織布層及び内側不織布層を接合するものにおいて、外側不織布層の内面に補強のための中間シートを強固に接着するとともに、その接着位置を弾性部材の接着位置からずらすことにより、外側不織布層の剥離を防止しつつ、柔軟な伸縮構造を得るものである。しかし、特許文献11記載のものは、中間シートが必要になるだけでなく、中間シートにおける後処理テープの付根部と重なる部分を強固に接着するために専用の接着工程が必要になる等の問題がある。
特開2004-229857号公報 特開2013-132331号公報 特開2014-207973号公報 特開2017-064126号公報 特開2017-064133号公報 特開2017-164034号公報 特開2015-107223号公報 特開2015-128573号公報 特開2015-192862号公報 特開2016-067912号公報 特開2016-000116号公報
そこで、本発明の主たる課題は、簡素な構造で、後処理テープの付根部における外装体の不織布層の剥離を防止することにある。
上記課題を解決したパンツタイプ使い捨て着用物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、
前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、
ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
前記外装体は、前記サイドシール部と対応する前後方向範囲である胴周り領域を有しており、
前記胴周り領域は、外側不織布層及び内側不織布層と、これら外側不織布層及び内側不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
前記外側不織布層及び内側不織布層は、幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向に連続するホットメルト接着剤又は溶着部で接合されたシート接合部を有し、
前記胴周り領域は、前記内装体を有する前後方向範囲における幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、前記弾性部材を有するとともに、前記弾性部材とともに幅方向に弾性伸縮する領域であり、
前記非伸縮領域の外面には、後処理テープが設けられており、
前記後処理テープは、外側不織布層の外面に固定された、前後方向に延びる帯状の付根部と、この付根部のウエスト開口側から延び出る帯状の本体部と、前記本体部に設けられた粘着剤層とを有している、
パンツタイプ使い捨て着用物品において、
前記伸縮領域及び前記非伸縮領域に、それぞれ前記シート接合部が設けられているとともに、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域の前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様の特徴は、伸縮領域だけでなく後処理テープを有する非伸縮領域にもシート接合部を設け、このうち後処理テープの付根部と重なる部分において特に力が加わる部分、つまり少なくとも本体部の基端を含む領域のシート接合部の面積率を、伸縮領域のシート接合部の面積率よりも高くしたところにある。これにより、後処理テープを使用する際に力が加わる部分が補強され、外側不織布層が内側不織布層から剥がれにくくなる。またその結果、外側不織布層が破れにくいものとなる。さらに、本態様では、シート接合部の面積率を、後処理テープの付根部で局所的に変化させるだけで済むため、補強の部材やそれを取り付けるための製造工程も不要である。
<第2の態様>
前記後処理テープの前記本体部は、前記付根部のウエスト開口側から股間側に延びる第1部分と、前記第1部分の先端でウエスト開口側に折り返された第2部分とを有しており、前記第1部分における前記付根部との対向面、及び前記第2部分における前記第1部分との対向面に、粘着剤層がそれぞれ設けられており、前記第1部分が前記粘着剤層により前記付根部上に、及び前記第2部分が前記粘着剤層により前記第1部分上にそれぞれ粘着されることにより、前記第1部分及び第2部分が折り畳み状態に固定されており、
前記外側不織布層は、前記第1部分の基端の位置を含む第1領域と、前記第1部分と前記第2部分との境界の位置を含み、第1領域から股間側に離間した第2領域とを有し、
前記第1領域及び前記第2領域の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の1.0~1.5倍であり、
前記第1領域の前後方向の寸法は、前記付根部の前後方向の寸法の0.1~0.5倍であり、
前記第2領域の前後方向の寸法は、前記第1領域の前後方向の寸法より短い、
前記第1領域及び前記第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
第1の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨て着用物品の後処理テープとしては、本態様のような折り畳み構造の本体部を有するものが一般的である。このような後処理テープでは、後処理テープの本体部を勢いよく剥がすとき、第2部分を剥がしきり第1部分を剥がし始めるときに、力の加わる方向が折り返し位置で逆向きに変化する。このとき、折り返し位置における付根部に比較的に大きな剥離力が加わり、この位置を起点として外側不織布層が内側不織布層から剥離することがある。また、第1部分を剥がしきった後は、第1部分の基端に力が集中する。つまり、これらの部位は、後処理テープを剥がすとき又はおむつに巻き付けるときに、特に力を支えるのに重要な部位である。
そこで、本態様のように、第1部分の基端の位置を含む第1領域、及び折り返し位置を含む第2領域のみ、シート接合部の面積率を伸縮領域よりも高いものとすると、より少ないシート接合部の面積率の上昇で(つまり硬化を抑えつつ)効果的に外側不織布層の剥離を防止できるため好ましい。また、非伸縮領域は襞が形成されないため、後処理テープで隠れない部分の広範囲にわたりシート接合部の面積率が高くなると、肌触りが悪化しやすいが、本態様の場合、シート接合部の面積率が高くなる第1領域及び第2領域は、ほぼ大部分が後処理テープに隠れるため、肌触りへの影響は少ないものとなる。
<第3の態様>
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の0.08~0.17倍であり、
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記付根部の幅方向の寸法の0.3~0.5倍であり、
前記第1領域及び前記第2領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/2~1倍であり、
前記第1領域及び前記第2領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/6~1/3倍であり、
前記第1領域及び第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である、
第2の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
第1領域、第2領域及び伸縮領域におけるシート接合部の寸法や、面積率の大小関係は適宜定めることができるが、通常の場合、本態様の範囲内が好ましい。
<第4の態様>
前記外側不織布層は、繊度1.8~6.0dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.2~1.2mmのエアスルー不織布である、
第1~3のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
近年では、製品を手に取った時の肌触りの柔らかさや、外装体の柔軟性を重視するために、外側不織布層として本項記載のようなエアスルー不織布を用いることが多くなっている。このような低密度で柔軟なエアスルー不織布を外側不織布層に用いた場合、もちろん通常使用では十分な強度を有するものであるが、後処理テープを過度に強く引っ張ったときに応力が集中する部分では外側不織布層の繊維結合が破壊し、いわゆる基材破壊により内側不織布層から剥離しやすいものである。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
<第5の態様>
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域の弾性部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性部材と連続しない弾性部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性部材と、前記弾性部材の切断により形成された前記不織布層の切断孔が間隔を空けて多数形成されており、
前記後処理テープの付根部は、前記非伸縮領域に固定されている、
第1~4のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨て着用物品では、外側不織布層に多数の孔が形成されていることがある。例えば、胴周り領域や中間領域は、吸収体を有する前後方向範囲と重なるとともに、当該範囲に内装体を外装体に固定するための内外固定部がある。よって、この吸収体を有する前後方向範囲を横切るように弾性部材を設けても、その伸縮機能は吸収体の剛性により制限される。また、吸収体が幅方向に収縮して、装着感や見栄えを悪化させたり、吸収体のヨレや割れが発生し、吸収性能が低下したりするおそれもある。このため、従来は、幅方向に沿って連続的に弾性部材を取り付けるとともに、その吸収体と重なる部分のほぼ全体を細かく切断等し、非伸縮領域を形成することが行われている(例えば特許文献1、4、5参照)。
しかし、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合、外側不織布層の切断や溶融による切断孔が形成されることがあり、この切断孔の存在により外側不織布層の強度が低下する。特に、このような切断孔が後処理テープの付根部に位置していると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
また、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合、非伸縮領域の広範囲にわたりシート接合部の面積率が高くなっていると、弾性部材がシート接合部で固定されやすくなるため、切断後の弾性部材の収縮が阻害されるおそれがある。よって、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合には、第2の態様のように、接着補強箇所がほぼ後処理テープと重なる領域に限定されていると好ましい。
<第6の態様>
前記外側不織布層は、少なくとも前記胴周り領域の全体にわたり、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布である、
第1~5のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
前述のように、パンツタイプ使い捨て着用物品では、外側不織布層に多数の孔が形成されていることがある。例えば、主に通気性を改善するために、外側不織布層に厚み方向に貫通する孔を設けることが知られている(例えば特許文献7~9参照)。この場合、孔は一律に設けることが製造上は好ましいが、外側不織布層の強度が低下する。特に、後処理テープの付根部を含む領域に孔が存在すると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
<第7の態様>
前記孔は、前後方向に間隔を空けて直線的に並ぶ孔の列が、幅方向に間隔を空けて繰り返す行列状に配列されており、
前記孔の列の幅方向の間隔が前記孔の前後方向の間隔よりも狭い、
第6の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
(作用効果)
有孔不織布の孔の配列がこのような幅方向の間隔が狭い行列状であると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が特に裂け(幅方向に沿う断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
本発明によれば、簡素な構造で、後処理テープの付根部における外装体の不織布層の剥離を防止できる、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の2-2断面図である。 図1の3-3断面図である。 (a)図1の4-4断面図、及び(b)図1の5-5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図(孔省略)である。 展開状態の要部を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 (a)図8の4-4断面図、及び(b)図8の5-5断面図である。 孔の配列例を示す平面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 要部を示す(a)図11の6-6断面図、(b)図11の7-7断面図、及び(c)収縮状態の断面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 要部を示す(a)図13の6-6断面図、(b)図13の7-7断面図、及び(c)収縮状態の断面図である。 要部を示す(a)展開状態の直交方向断面図、(b)展開状態の伸縮方向断面図、及び(c)収縮状態の幅方向断面図である。 有孔不織布の拡大断面図である。 (a)自然長の状態の外装体の要部外面を示す正面図、(b)ある程度伸長した状態の外装体の要部外面を示す正面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの背面の要部を示す、平面図である。 切断孔の配列例を示す平面図である。 後処理テープ部分を示す(a)平面図、及び(b)断面図である。 後処理テープの第2部分の剥離後の状態を示す断面図である。 後処理テープの第1部分の剥離後の状態を示す断面図である。 おむつを丸めて固定した状態を示す斜視図である。 後処理テープ部分を示す(a)平面図、及び(b)断面図である。
以下、パンツタイプ使い捨ておむつの例について、添付図面を参照しつつ詳説する。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
図1~図6に示されるパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fを構成する前側外装体12F及び後身頃Bを構成する後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えている。前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されて、サイドシール部12Aが形成されている。この結果、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなる。内装体200は、尿等の***物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。図中の符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
また、本パンツタイプ使い捨ておむつの外装体12F,12Bは、サイドシール部12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの前後方向長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15~40mm、ウエスト下方部Uは65~120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(内外接合部)
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、特に限定されず、例えばホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3~図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20~80g/m2が好ましく、25~60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5~20mm程度が適当である。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、横漏れを防止するためのものであり、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、内装体200の側部から表側に起立するものである。図示例の起き上がりギャザー60は、付け根側部分が幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分が幅方向外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向中央側に起立する形態等、適宜の変更が可能である。
より詳細に説明すると、図示例の起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザー不織布62を、先端となる部分で幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は、内装体200における液不透過性シート11より裏側の側部に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から延び出る本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、本体部分66は、幅方向中央側に延びる付け根側部分と、この付け根側部分の先端で折り返され、幅方向外側に延びる先端側部分とを有している。この形態は面接触タイプの起き上がりギャザー60であるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの起き上がりギャザー60も採用することができる。そして、本体部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68の少なくとも先端部に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
以上のように構成された起き上がりギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、本体部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分68とされているため、自由部分68のみが図3に矢印で示すように身体側に当接するように起立する。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において自由部分68が幅方向外側に開くように起立するため、起き上がりギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
(吸収要素)
吸収要素50は特に限定されるものではないが、本例では吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっている。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図7にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部56Nとを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用できる。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50~350g/m2とすることができる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されている(外装二分割タイプ)。この離間距離12dは例えば全長Yの40~60%程度とすることができる。また、図8及び図9に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる(外装一体タイプ)。
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前側外装体12F及び後側外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、前側外装体12Fと内装体200との間から、後側外装体12Bと内装体200との間にかけて、内装体200の裏面を覆うカバー不織布20を備えていると好ましい。カバー不織布20の素材は特に限定されず、例えば外装体12の外側不織布層12S又は内側不織布層12Hと同様の素材(後述する有孔不織布層でも、無孔不織布層でもよい)とすることができる。カバー不織布20の前後方向範囲は、前側外装体12F及び後側外装体12Bに重なる部分を有している限り特に限定されず、内装体200の前端から後端までの全体にわたり前後方向LDに延在していてもよく、図7に示すように、前側外装体12Fと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置から後側外装体12Bと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置まで前後方向LDに延在していてもよい。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tを有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lを有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー領域Cを有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー領域は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lを設けなくても良い。また、図示例では、臀部カバー領域Cの下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向WDに沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
外装体12F,12Bは、図3~図5に示されるように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが積層されたものである。外側不織布層12Sを形成する不織布及び内側不織布層12Hを形成する不織布は、図示例のように個別の不織布とする他、共通の一枚の不織布とすることもできる。すなわち、後者の場合、ウエスト開口側の縁又は股間側の縁で折り返された一枚の不織布の内側の部分及び外側の部分により内側不織布層12H及び外側不織布層12Sがそれぞれ形成される。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hを形成する不織布の端部や内装体200の前後端をウエスト開口WOに露出させると、不織布の角が肌に当たり肌触りが悪化するおそれや、後述するウエスト部W弾性伸縮部材やこれを固定するためのホットメルト接着剤が露出するおそれがある。よって、図示例のように、外側不織布層12Sを形成する不織布を、内側不織布層12Hを形成する不織布のウエスト開口の縁で最も内側に折り返して肌面不織布層12rを形成し、この肌面不織布層12rを内装体200のウエスト側の端部上まで延在させるのは好ましい。図示しないが、外側不織布層12Sを形成する不織布及び内側不織布層12Hを形成する不織布の両方を、ウエスト側の縁で最も内側に折り返し、この折り返し部分を内装体200のウエスト側の端部上まで延在させても良い。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布層12S,12Hの柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hとして用いることができる。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの構成繊維の繊度及び目付けは適宜定めることができるが、通常の場合、それぞれ1.8~6.0dtex程度、10~30g/m2程度であると好ましい。
(有孔不織布について)
図2、図8、図11及び図12に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方が、厚み方向に貫通する孔14が散在する有孔不織布であると、通気性が向上するため好ましいが、穿孔加工により形成された孔を有しない無孔不織布とすることもできる。図11及び図12に示すように、装着者の肌側となる内側不織布層12Hが無孔不織布であり、外側不織布層12Sが有孔不織布であると、孔14の肌触りへの影響を無くすことができる。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのうち一方にしか孔14がないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図示しないが、装着者の肌側となる内側不織布層12Hを有孔不織布とし、外側不織布層12Sを無孔不織布としてもよい。図13及び図14に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならない構造であるのも好ましい。この場合、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方を有孔不織布とすることにより、より高い通気性を獲得することができる。また、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図15に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが完全に又は部分的に重なっていてもよい。また、図示しないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布である場合において、大部分(例えば50%以上の面積)では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重ならないものの、一部では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重なっていてもよい。
個々の孔14の平面形状(開口形状)は、適宜定めることができる。孔14は、図10(b)に示すような長孔形とするほか、図10(e)に示すような真円形、図10(a)(d)に示すような楕円形、三角形、長方形、ひし形等の多角形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。図10(c)に示すように異なる形状の孔が混在していてもよいが、その場合、後述する伸縮方向EDの寸法がほぼ同じであることが好ましく、すべての孔が単一の形状であるとより好ましい。個々の孔14の寸法は特に限定されないが、伸縮方向EDと直交する直交方向XDの寸法(最も長い部分の寸法)14Lは0.3~3.0mm、特に0.4~1.5mmとするのが好ましく、伸縮方向EDの寸法(最も長い部分の寸法)14Wは0.3~5.0mm、特に0.6~2.0mmとするのが好ましい。孔14の形状が、長孔形、楕円形、長方形、ひし形等のように一方向に長い形状(一方向の全長がこれと直交する方向の全長よりも長い形状)の場合、長手方向の寸法(最も長い部分の寸法)はこれと直交する方向の寸法(最も長い部分の寸法)の1.2~2.5倍であることが好ましい。また、孔14の形状が一方向に長い形状の場合、孔14の長手方向が前後方向LDであることが望ましいが、幅方向WDや斜め方向であってもよい。
個々の孔14の面積及び面積率は適宜定めればよいが、面積は0.1~2.7mm2(特に0.1~1.0mm2)程度であることが好ましく、面積率は1.0~15.0%(特に5.0~10.0%)程度であることが好ましい。
孔14の平面配列は、伸縮方向EDと直交する方向に間隔を空けて並ぶ孔14の列が、伸縮方向EDに間隔を空けて並ぶものである限り適宜定めることができる。例えば、図10(a)(c)(d)に示すように、孔14の配列は、直交方向XDに所定の間隔で直線的に並ぶ孔14の列が伸縮方向EDに所定の間隔を空けて繰り返す行列状であると好ましい。この場合、図10(a)に示すように、伸縮方向EDの間隔14xが直交方向XDの間隔14yよりも短い配列とする他、図10(c)に示すように、伸縮方向EDの間隔14xと直交方向XDとの間隔14yがほぼ等しい配列、又は図10(d)に示すように、伸縮方向EDの間隔14xが直交方向XDの間隔14yよりも長い配列とすることができる。また、図10(b)(e)に示すように、直交方向XDに所定の間隔で直線的に並ぶ孔14の列が、伸縮方向EDに間隔を空けてかつ直交方向XDの位置がずれるように並ぶ配列とすることができる。図10(b)に示す例は、隣り合う孔14の列において孔14の配置が互い違いとなる、いわゆる千鳥状(六角格子状)の配列である。
孔14の直交方向間隔14y及び伸縮方向間隔14xはそれぞれ一定であっても、変化してもよい。孔14の直交方向間隔14y及び伸縮方向間隔14xは適宜定めることができるが、通気性を考慮すると、それぞれ14yは2.5~10.0mm、14xは1.0~5.0mm、特に14yは3.0~5.0mm、14xは1.0~2.0mmの範囲内とすることが望ましい。
孔14の断面形状は特に限定されない。例えば、孔14は、図16(d)に示すように周縁が繊維の切断端により形成されている打ち抜きタイプの孔であっても、図16(a)~(c)に示すように、孔14の周縁に繊維の切断端がほとんど無く、ピンが繊維間に挿入されて押し広げられて形成された非打ち抜きタイプの孔14(縁部の繊維密度が高い)であってもよい。打ち抜きタイプの孔は、図16(d)に示すように、孔14の径が厚み方向中間に向かうにつれて小さくなるものであっても、厚み方向一方側に向かうにつれて小さくなるものであってもよい。なお、孔14の径は、孔の重心を通りかつ伸縮方向と直交する方向の寸法(したがって、円の場合は直径となり、楕円の場合は長径となる)を意味する。さらに、孔14の径が厚み方向に減少することには、孔14の径が不織布層の厚み方向の全体にわたり減少し続けるもののほか、厚み方向の中間で孔14の径の減少がほぼなくなるものも含まれる。
非打ち抜きタイプの孔14は、孔14の径がピン挿入側から反対側に向かうにつれて小さくなるものである。このような非打ち抜きタイプの孔には、図16(a)(c)に示すように、ピン挿入側と反対側における孔14の縁部に繊維がピン挿入側と反対側に押し出された突出部(バリ)14eが形成され、ピン挿入側には突出部14eが形成されないものと、図16(b)に示すように、ピン挿入側と反対側における孔14の縁部に繊維がピン挿入側と反対側に押し出された突出部14eが形成されるとともに、ピン挿入側には繊維がピン挿入側に押し出されて形成された突出部14eが形成されるものとが含まれる。さらに、前者のタイプの孔14には、図16(a)に示すように突出部14eの突出高さ14hがほぼ均一であるものと、図16(c)に示すように突出部14eが、突出高さ14iが最も高い対向部分と、これと直交する方向に対向する対向部分であって突出高さ14jが最も低い対向部分とを有するものとが含まれる。突出部14eは孔の周方向に連続して筒状になっていることが望ましいが、一部又は全部の孔14の突出部14eが、孔14の周方向の一部のみに形成されていてもよい。突出高さ14h,14i,14j(光学顕微鏡を用いて測定される圧力を加えない状態での見かけの高さ)は0.2~1.2mm程度であることが好ましい。また、突出部14eにおける、最も高い突出高さ14iは、最も低い突出高さ14jの1.1~1.4倍程度であることが好ましい。突出部14eの突出高さは孔14の周方向に変化してもよい。
例えば、図10(a)(b)(d)に示す例のような一方向に長い形状の孔14をピンの挿入により形成すると、孔14の縁部の繊維が外側又は垂直方向に退けられ、孔14の長手方向の対向部分の突出高さ14iが、長手方向と直交する方向の対向部分の突出高さ14jよりも高い突出部(バリ)14eが形成される。孔14の突出部14eは、繊維密度がその周囲の部分と比べて低くなっていてもよいが、同程度又は高くなっているのが好ましい。
有孔不織布の構成繊維の繊度、目付け及び厚みは適宜定めることができるが、通常の場合、それぞれ1.8~6.0dtex程度、15~25g/m2程度、0.1~1.3mm程度であると好ましい。また、有孔不織布のMD方向(幅方向)の剛軟度は、穿孔加工前の無孔の状態で35~100mm、特に40~70mmであると好ましく、穿孔加工後の状態では10~50mm、特に15~40mmであると好ましい。
(伸縮領域)
外装体12F,12Bには、不織布層12S,12H,12r間に細長状の弾性部材19が設けられ、弾性部材19の伸縮に伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。すなわち、この伸縮領域A2では幅方向WDが伸縮方向EDであり、前後方向LDが伸縮方向EDと直交する直交方向XDとなる。また、この伸縮領域A2は、自然長の状態では不織布層12S,12H,12rが弾性部材19の収縮に伴って収縮し、多数の襞80を有する状態となる。また、この伸縮領域A2を幅方向WDに伸長すると、不織布層12S,12H,12rが襞80なく伸び切る所定の伸長率まで伸長する。弾性部材19としては、細長状のものであれば、糸状、紐状、帯状を問わず用いることができる。また、弾性部材19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
伸縮領域A2を有する外装体12は、不織布層12S,12H,12r間の接合と、不織布層12S,12H,12rに対する弾性部材19の固定とが必要となる。すなわち、図示例における外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの間に挟まれた弾性部材19は、少なくとも伸縮領域A2における伸縮方向EDの両端部が外側不織布層12S及び内側不織布層12Hに固定される。弾性部材19の固定手段は特に限定されないが、ホットメルト接着剤19Hを用いることが好ましい。例えば、図11及び図12に示すように、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により、弾性部材19における伸縮方向EDの両端部の外周面にホットメルト接着剤19Hを間欠的に塗布した後、この弾性部材19を外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に挟むことができる。この場合、弾性部材19は、その配置部位で、伸縮領域における伸縮方向EDの両端部が外側不織布層12S及び内側不織布層12Hにホットメルト接着剤19Hを介して固定される。図13及び図14に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方の対向面における、弾性部材19の伸縮方向EDの両端部の配置位置にホットメルト接着剤19Hを塗布した後、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの間に弾性部材19を挟むこともできる。この場合、ホットメルト接着剤19Hは、図示例のように直交方向XDに連続していてもよいし、直交方向XDに間欠的に配置されていてもよい。さらに、これらの場合、ホットメルト接着剤19Hの連続部分は複数本の弾性部材にわたっていてもよい。また、図5に示す例における肌面不織布12r及び内側不織布層12Hの間に挟まれた弾性部材19のように、幅方向WDの全体にわたりホットメルト接着剤を介して肌面不織布12r及び内側不織布層12Hに固定されていてもよい。
図示例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの場合、弾性部材19、すなわち伸縮領域A2は以下の部位に設けることが望ましい。すなわち、外装体12F,12Bのウエスト部Wには、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性部材17が前後方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト部弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性部材17としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、4~12mmの間隔で3~22本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に220~320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDの全てに同じ太さのウエスト部弾性部材17を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。ウエスト部弾性部材17は、図5に示す例では肌面不織布12r及び内側不織布層12H間に設けられているが、図9に示す例のように、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に設けられていてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側不織布層12S及び内側不織布層12H間には、細長状弾性部材からなるウエスト下方部弾性部材15が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられている。
ウエスト下方部弾性部材15としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、1~15mm、特に3~8mmの間隔で5~30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200~350%、特に240~300%程度であるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー領域Cにおける外側不織布層12S及び内側不織布層12H間には、細長状弾性部材からなるカバー部弾性部材16が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられている。
カバー部弾性部材16としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、5~40mm、特に5~20mmの間隔で2~10本程度設けるのが好ましく、これによるカバー部の幅方向WDの伸長率は150~300%、特に180~260%であるのが好ましい。
前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性部材を設けることができる。
(非伸縮領域)
図示例のウエスト下方部Uや臀部カバー領域Cのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材15,16を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外接合部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされていると好ましい。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側不織布層12Hと、外側不織布層12Sとの間に、弾性部材15,16を供給し、弾性部材15,16を伸縮領域A2における少なくとも伸縮方向EDの両端部でホットメルト接着剤を介して固定し、非伸縮領域A1となる領域では固定せず、非伸縮領域A1となる領域において、弾性部材15,16を幅方向中間の1か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性部材15,16のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。前者の場合、図4に示すように、非伸縮領域A1には、伸縮領域A2の弾性部材15,16から連続する切断残部が不要弾性部材18として単独で自然長まで収縮した状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に残ることとなり、後者の場合、図18に示すように、伸縮領域A2の弾性部材15,16から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性部材15,16と連続しない弾性部材の切断片が不要弾性部材18として単独で自然長まで収縮した状態で、外側不織布層12S及び内側不織布層12H間に残ることになる。
弾性部材19の切断手法は、加熱及び加圧によるものや、切断刃によるもの等、公知のあらゆる手法を採用することができる。この場合、図18に示すように、切断位置における少なくとも一層の不織布層12S,12H,12rに切断孔13が形成されても、形成されなくてもよい。切断孔13が形成される場合、図18(a)に示すように、スリットのように隙間がほとんどない切断孔13であっても、図18(b)に示すように、打ち抜きによるものや溶融によるもののようなある程度開口した切断孔13であってもよい。
非伸縮領域A1のほぼ全体で弾性部材19を加圧及び加熱により細かく切断する場合、それにより形成される切断孔13の位置(つまり切断位置)の配列は特に限定されず、公知のあらゆる配列を採用することができる。例えば、図19(a)に示すように切断孔13の中心点が斜方格子状となる配列や、図19(b)に示すような中心点が六角格子状となる配列(これらは千鳥状ともいわれる)や、図19(c)に示すように切断孔13の中心点が正方格子状となる配列、図19(d)に示すように切断孔13の中心点が矩形格子状となる配列、図19(e)に示すように切断孔13の中心点が平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状となる配列、又はこれらが前後方向に対して90度未満の角度で傾斜したもの等、規則的に繰り返される配列は一つの好ましい形態であるが、これに限定されるものではない。
切断孔13の形状は特に限定されず、真円形、楕円形、三角形、長方形、ひし形等の多角形、あるいは凸レンズ形、凹レンズ形、星形、雲形等、任意の形状とすることができるが、線状(スリット)、長方形状、長孔状、及び楕円状のように、一方向に長く延びた形状であることが好ましい。この場合の切断孔13の向きも適宜定めることができるが、弾性部材19の切断を確実にするために、図19(a)(b)(e)に示す例のように、前後方向に延びるように配置したり、図19(c)(d)に示す例のように、前後方向に対して±45度未満の角度で傾斜した方向に延びるように配置したりすることが好ましい。
個々の切断孔13の寸法は特に限定されないが、前後方向LDの寸法13Lは2~7mm、特に2.5~3.5mmとするのが好ましく、幅方向WDの寸法13Wは0mm(スリットの場合)とするのが好ましい。また、切断孔13の配列は、幅方向に間隔を空けて並ぶ孔の列が互い違いに又は幅方向の位置がずれながら前後方向に繰り返す配列が好ましい。この場合、前後方向に隣り合う列の孔は互いに端部が一致(図19の例参照)、近接、又は重なっている(図18の例参照)ことが好ましい。また、切断孔13の幅方向WDの間隔13xは、適宜定めることができるが、6~15mm、特に8~12mmとするのが好ましい。
非伸縮領域A1は、伸縮領域から続く弾性部材19の切断により形成する(不要弾性部材18が残る)他、弾性部材19を設けない(不要弾性部材18が残らない)ことにより形成してもよい。
(後処理テープ)
図2、図4、図5、図9及び図18に示すように、後側外装体12Bの非伸縮領域A1の外面には後処理テープ90が設けられている。すなわち、この後処理テープ90は、図20及び図24に示すように、外装体12の外側不織布層12Sの外面に粘着剤94等により固定された、前後方向LDに延びる帯状の付根部91と、この付根部91のウエスト側から延び出る帯状の本体部92,93と、本体部92,93に設けられた粘着剤94とを有するものである。おむつの廃棄時には、おむつを表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ90の本体部92,93を剥離した後、この本体部92,93を、図23に示すように、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口WOを越えて反対側の外面まで巻き付け、粘着剤74により外装体12の外面に固定する。これにより、図23に示すように、おむつを丸め若しくは折り畳んだ状態に固定することができる。
後処理テープ90の本体部92,93は、付根部91のウエスト開口WO側から股間側に延びる第1部分92と、第1部分92の先端でウエスト開口WO側に折り返された第2部分93とを有しており、第1部分92における付根部91との対向面、及び第2部分93における第1部分92との対向面に、粘着剤94がそれぞれ設けられており、第1部分92が粘着剤94により付根部91上に、及び第2部分93が粘着剤94により第1部分92上にそれぞれ粘着されることにより、第1部分92及び第2部分93が折り畳み状態に固定されていると好ましい。この場合における付根部91及び本体部92,93は、図20に示すように、複数のシートS1~S4を連結して形成する他、図24に示すように、単一のシートにより形成することもできる。付根部91を複数のシートを連結して形成する場合、シートの数は特に限定されず、図20に示す例では4枚のシートで構成されているが、これらよりも少ない又は多いシートで構成したりすることができる。後処理を行うときには、本体部92,93の先端部を摘まんで外装体12から離間する方向又はウエスト開口WO側に引っ張ることにより、図21及び図22に示すように、第1部分92及び第2部分93を順に剥がして展開する。本体部92,93を、展開と同時又は展開後に、ウエスト開口WO側に倒すと、第2部分93の粘着剤が外装体12と対向することとなる。
図20に示す例についてより詳細に説明すると、この後処理テープ90は、外装体12側の面に粘着剤94が塗布され、この粘着剤94により外装体12の外面に固定された第1シートS1と、この第1シートS1における外側に折り返された先端部に連結された第2シートS2と、第2シートS2における外側に折り返された先端部に固定された第3シートS3とにより、三つ折り(断面Z字状)構造が形成されるとともに、第2シートS2が第1シートS1側の面に塗布された粘着剤94により第1シートS1に剥離可能に接着され、第3シートS3が第2シートS2側の面に塗布された粘着剤94により第2シートS2に剥離可能に接着されているものである。各シートS1~S3の粘着剤94側と反対側の面には剥離剤等の剥離加工が施されることにより剥離可能となり、各シートS1~S3間の粘着剤94同士が接着される部分、外装体12に対する粘着部分は剥離しないように連結される。また、第3シートS3の先端部には白色等の不透明色に着色された着色テープS4が粘着剤94により連結されて、視認性の良い摘み部(図24に示される例では単一のシートの先端部が他の部分と異なる不透明色に着色される)が形成されている。廃棄時には、おむつを表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ90を剥離して展ばし、図23に示すように、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして第3シートS3の粘着剤94により固定する。
後処理テープ90の寸法は特に限定されるものではないが、摘みやすさや、おむつを丸めた状態に固定したときの安定性、装着感等への影響を考慮すると、本体部92,93及び付根部91の幅方向WDの寸法91Wは11~15mm程度、付根部91の前後方向LDの寸法91Lは55~70mm程度、本体部92,93の展開状態における前後方向LDの寸法90Lは、付根部91の前後方向LDの寸法91Lの1.4~1.7倍程度であることが好ましい。
付根部及び本体部の素材としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、PET等の合成樹脂性のシートを好適に用いることができるが、特に限定されるものではない。
粘着剤94は特に限定されず、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、シリコン樹脂系粘着剤等を用いることができる。
付根部91及び本体部92,93を有するものであれば、他の公知の後処理テープ90を採用することもできる。また、後処理テープ90の取付け位置は、外装体12の外面である限り特に限定されず、適所に設けることができる。後処理テープ90は、図示例のように後身頃Bに設けることが一般的となっているが、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(外側不織布層及び内側不織布層の接合構造)
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hは、幅方向WDに間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向LDに連続するホットメルト接着剤14H又は溶着部で接合されたシート接合部70を有している。このように、ホットメルト接着剤14Hによるシート接合部70が、伸縮方向EDに間隔を空けて形成されていると、通気性、柔軟性を確保することができる。また、伸縮領域A2において、ホットメルト接着剤14Hが幅方向WDに間隔を空けて、かつ前後方向LDに連続する縞状パターンで塗布されることによりシート接合部70が形成されている場合、自然長状態を含め、ある程度収縮した状態では、図17にも示すように、シート接合部70は前後方向LDに連続する溝となり、その溝間の非接合部分では外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが互いに反対向きに(表裏両側に)同程度に膨出して襞80が形成される。非伸縮領域A1では、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hに収縮力が作用しないこと、及び幅方向両側の伸縮領域A2により幅方向両側に引っ張られることにより、襞80は形成されない。
ホットメルト接着剤14Hは、伸縮領域A2の直交方向XDの全体にわたり連続していてもよいが、複数の弾性部材19と交差する一部の範囲のみ連続していてもよい。肌面不織布層12rと内側不織布層12Hとの接合は、外側不織布層12Sと内側不織布層12Hとの接合と同様の構造で接合されていてもよいが、異なる接合構造となっていてもよい。例えば、図5に示す例のように、肌面不織布層12rと内側不織布層12Hとは、ウエスト部弾性部材17の配置位置に幅方向全体にわたり塗布されたホットメルト接着剤と、対向面の広範囲(例えば図示例のようにウエスト部弾性部材のうちの股間側の一部と重なる範囲まで)にわたりスパイラル状に塗布されたホットメルト接着剤14H(図5参照)を介して接合されていてもよい。
特徴的には、図18に示す例のように、伸縮領域A2だけでなく後処理テープ90を有する非伸縮領域A1にもシート接合部70が設けられているとともに、図20及び図24に示すように、後処理テープ90の付根部91と重なる部分における少なくとも本体部92,93の基端を含む領域95のシート接合部70の面積率が、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率よりも高くなっている。これにより、後処理テープ90を使用する際に力が加わる部分が補強され、外側不織布層12Sが内側不織布層12Hから剥がれにくくなる。またその結果、外側不織布層12Sが破れにくいものとなる。さらに、本態様では、シート接合部70のパターンを、後処理テープ90の付根部91で局所的に変化させるだけで済むため、補強の部材やそれを取り付けるための製造工程も不要である。
後処理テープ90の付根部91と重なる部分における少なくとも本体部92,93の基端の前後両側にわたる領域95のシート接合部70の面積率は、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率よりも高ければ特に限定されないが、通常の場合、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率の2~6倍程度、特に3~5倍程度であると好ましい。
このようなシート接合部70の面積率の違いは、シート接合部70の幅70W及び間隔70xの少なくとも一方を異なるものとすることにより形成できる。
後処理テープ90の付根部91と重なる部分における少なくとも本体部92,93の基端を含む領域95の前後方向LDの寸法は、補強の程度により適宜定めることができるが、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であるとより好ましい。特に、図20に示す例のように、本体部92,93の基端が付根部91のウエスト開口WO側の縁より股間側に離れている場合には、後処理テープ90の付根部91と重なる部分における少なくとも本体部92,93の基端の前後両側にわたる領域95のシート接合部70の面積率が、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率よりも高くなっていると好ましい。
シート接合部70が高面積率となる領域は、後処理テープ90の付根部91と重なる部分における少なくとも本体部92,93の基端を含む領域95に設けられる限り、後処理テープ90の付根部91と重なる部分内に収まる領域としてもよいし、図20及び図24に示すように、後処理テープ90の付根部91と重なる部分の幅方向両側やウエスト開口WO側に(つまり外側に)はみだす領域としたり(ただし、伸縮領域A2よりもシート接合部70の面積率が低い必要があるため、非伸縮領域A1が最大となる)、複数個所に設けたりすることもできる。
また、後処理テープ90が前述の図20及び図24に示す例の場合、後処理テープ90の本体部92,93を勢いよく剥がすとき、図21に示すように第2部分93を剥がしきり第1部分92を剥がし始めるときに、力の加わる方向が折り返し位置で逆向きに変化する。このとき、折り返し位置における付根部91に比較的に大きな剥離力が加わり、この位置を起点として外側不織布層12Sが内側不織布層12Hから剥離することがある。また、第1部分92を剥がしきった後は、第1部分92の基端に力が集中する。つまり、これらの部位は、後処理テープ90を剥がすとき又はおむつに巻き付けるときに、特に力を支えるのに重要な部位である。
そこで、このような場合、外側不織布層12Sにおいて以下に述べる第1領域96及び第2領域97を定め、第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の面積率を、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率よりも高くするのは好ましい。すなわち、図20及び図24に示すように、第1領域96は、第1部分92の基端の位置を含む領域であり、第2領域97は、第1部分92と第2部分93との境界の位置を含み、第1領域96から股間側に離間した領域であり、第1領域96及び第2領域97の幅方向WDの寸法96W,97Wは、付根部91の幅方向WDの寸法91Wの1.0~1.5倍であり、第1領域96の前後方向LDの寸法96Lは、付根部91の前後方向LDの寸法91Lの0.1~0.5倍であり、かつ第2領域97の前後方向LDの寸法97Lは、第1領域96の前後方向LDの寸法96Lより短いものである。例えば、第2領域97の前後方向LDの寸法97Lは、第1領域96の前後方向LDの寸法96Lの0.8倍程度とすることができる。このように、第1部分92の基端の位置を含む第1領域96、及び折り返し位置を含む第2領域97のみ、シート接合部70の面積率を伸縮領域A2よりも高いものとすると、より少ないシート接合部70の面積率の上昇で(つまり硬化を抑えつつ)効果的に外側不織布層12Sの剥離を防止できるため好ましい。また、非伸縮領域A1は襞80が形成されないため、後処理テープ90で隠れない部分の広範囲にわたりシート接合部70の面積率が高くなると、肌触りが悪化しやすいが、本例の場合、シート接合部70の面積率が高くなる第1領域96及び第2領域97は、ほぼ大部分が後処理テープ90に隠れるため、肌触りへの影響は少ないものとなる。
第1領域96、第2領域97及び伸縮領域A2におけるシート接合部70の寸法や、面積率の大小関係は適宜定めることができるが、通常の場合、以下の範囲内が好ましい。すなわち、伸縮領域A2における、シート接合部70の幅方向WDの寸法70Wは、後処理テープ90の幅方向WDの寸法の0.08~0.17倍であることが好ましい。また、伸縮領域A2における、シート接合部70の幅方向WDの間隔は、付根部91の幅方向WDの寸法91Wの0.3~0.5倍であることが好ましい。また、第1領域96及び第2領域97における、シート接合部70の幅方向WDの寸法70Wは、伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70Wの1/2~1倍であることが好ましい。また、第1領域96及び第2領域97における、シート接合部70の幅方向WDの間隔70xは、伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70Wの1/6~1/3倍であることが好ましい。また、第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の面積率は、伸縮領域A2のシート接合部70の面積率の2~6倍であることが好ましい。
以下は、具体的な寸法例である。
伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70W:0.5~4mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの間隔70x:4~8mm(特に6~8mm)
第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70W:0.5~3.0mm(特に0.5~1.0mm)
第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の幅方向WDの間隔70x:1~6mm(特に1~3mm)
近年では、製品を手に取った時の肌触りの柔らかさや、外装体12の柔軟性を重視するために、外側不織布層12Sとして、繊度1.8~6.0dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.2~1.2mm程度のエアスルー不織布を用いることが多くなっている。このような低密度で柔軟なエアスルー不織布を外側不織布層12Sに用いた場合、もちろん通常使用では十分な強度を有するものであるが、後処理テープ90を過度に強く引っ張ったときに応力が集中する部分では外側不織布層12Sの繊維結合が破壊し、いわゆる基材破壊により内側不織布層12Hから剥離しやすいものである。よって、前述のシート接合部70の面積率の違いによる補強は本エアスルー不織布を用いる場合に特に意義あるものとなる。具体的に、このようなエアスルー不織布の強度は、JIS L 1913:2010に規定される引張強さ(6.3.1標準時)が幅方向WDにおいて5~11N/50mm、特に7~9N/50mm、前後方向LDにおいて25~45N/50mm、特に32~36N/50mm程度であり、JIS L 1913:2010に規定される引裂強さ(6.4.3 シングルタング法)が前後方向LDにおいて1.5~5.5N/30mm、特に2.5~4.0N/30mm程度である。
弾性部材19の切断により非伸縮領域A1を形成する場合、外側不織布層12Sの切断や溶融による切断孔13が形成されることがあり、この切断孔13の存在により外側不織布層12Sの強度が低下する。特に、このような切断孔13が後処理テープ90の付根部91に位置していると、後処理テープ90を過度に引張ることにより外側不織布層12Sが内側不織布層12Hから剥離した後又は同時に、外側不織布層12Sが裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部70の面積率の違いによる補強は弾性部材19の切断により非伸縮領域A1を形成する場合に特に意義あるものとなる。また、弾性部材19の切断により非伸縮領域A1を形成する場合、非伸縮領域A1の広範囲にわたりシート接合部70の面積率が高くなっていると、弾性部材19がシート接合部70で固定されやすくなるため、切断後の弾性部材19の収縮が阻害されるおそれがある。よって、弾性部材19の切断により非伸縮領域A1を形成する場合には、図20及び図24に示す例のように、接着補強箇所がほぼ後処理テープ90と重なる領域に限定されていると好ましい。
前述のように、主に通気性を改善するために、外側不織布層12Sに前述の有孔不織布を用いる場合、後処理テープ90の付根部91を含む領域に孔14が存在すると、後処理テープ90を過度に引張ることにより外側不織布層12Sが内側不織布層12Hから剥離した後又は同時に、外側不織布層12Sが裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部70の面積率の違いによる補強は外側不織布層12Sに有孔不織布を採用する場合に特に意義あるものとなる。
ここで、孔14の配列が、前後方向LDに間隔を空けて直線的に並ぶ孔14の列が、幅方向WDに間隔を空けて繰り返す行列状配列であるとともに、孔14の列の幅方向WDの間隔が孔14の前後方向LDの間隔より狭いと、後処理テープ90を過度に引張ることにより外側不織布層12Sが内側不織布層12Hから剥離した後又は同時に、外側不織布層12Sが特に裂け(幅方向に沿う断裂)やすくなる。これとともに、又はこれに代えて、孔14の形状が、幅方向WDの寸法が0.3~5.0mmであり、かつ幅方向WDの寸法が前後方向LDの寸法の1.2~2.5倍程度の横長形状である場合にも、外側不織布層12Sが特に裂けやすくなる。よって、前述のシート接合部70の面積率の違いによる補強はこれらの場合に特に意義あるものとなる。見方を変えると、孔14の列の幅方向WDの間隔が孔14の前後方向LDの間隔より広かったり、孔14の幅方向WDの寸法が短かったりすると、外装不織布は裂けにくいものとなる。
一方、既製の有孔不織布を用いて本伸縮構造を製造する場合、一部のホットメルト接着剤14Hの塗布線と孔14の列とが重なることにより、シート接合部となるべき部分に外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが接合されない欠落部が形成される可能性がある。ここで、孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yが孔14の直交方向XDの寸法14Lより狭いと、シート接合部70は長い欠落部を介して断続する点線状になったり、シート接合部70の縁に長い凹状の欠落部が多数形成されたりすることとなる。このようにシート接合部70の欠落が大きくなると、伸縮領域A2では、襞80の側縁にも大きな凹凸ができたり、部分的に隣の襞80と合体したりしやすくなるため、直線状の整った外観となりにくい。また、非伸縮領域A1では、後処理テープ90の付根部91と重なる領域95にシート接合部70の欠落部を有すると、より外側不織布層12Sが剥離しやすいものとなる。
これに対して、図示例のように、孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yが孔14の直交方向XDの寸法14Lより広いと、一部のシート接合部70に欠落部が形成されるとしても、そのシート接合部70の直交方向XDに占める欠落部の割合が半分未満となるため、欠落部の影響はより小さくて済む。よって、図17に示すように、襞80の側縁に凹凸が形成されたり、部分的に隣の襞80と合体したりするとしても、その程度を抑制することができる。また、非伸縮領域A1における外側不織布層12Sの接着も弱くなりにくい。
孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yは、孔14の直交方向XDの寸法14Lより広ければ適宜定めることができるが、孔14の直交方向XDの寸法14Lの3倍以上であると、シート接合部70の欠落部(孔14と重なる部分)により、伸縮領域A2において、襞80の側縁に凹凸が形成されたり、部分的に隣の襞80と合体したりしたとしても、ほとんど目立たないものとなる。また、孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yが孔14の直交方向XDの寸法14Lの20倍を超えると、単位面積当たりの孔14の数が少なくなり、有孔不織布を採用する利益に乏しいものとなる。より好ましい範囲は3~10倍である。
孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yは、弾性部材19の直交方向XDの間隔19y以上であるのも好ましい。これにより、伸縮領域A2では、隣り合う弾性部材19の間の領域のすべてに、各列の孔14が1つ以下しか存在しないため、孔14の有無による折れ曲がりやすさの変化が少ないものとなり、より一層整った襞80が形成されやすくなる。
また、図示例では、伸縮領域A2のすべてにおいて上記間隔14y,寸法14Lの大小関係を満たしているが、伸縮領域A2のすべてが上記間隔14y,寸法14Lの大小関係を満たす必要はない。例えば、図示しないが、ウエスト部Wでは、上記間隔14y,寸法14Lの大小関係を満たさないが、ウエスト部W以外では上記間隔14y,寸法14Lの大小関係を満たすものとなっていてもよい。上記間隔14y、19yの関係も同様であり、伸縮領域A2のすべてで満たしていても、また、伸縮領域A2の一部で満たしていなくてもよい。
孔14の列の伸縮方向EDの間隔14xは適宜定めることができるが、シート接合部70の伸縮方向EDの間隔70xよりも小さいと、図示例のように、各襞80に1つ以上の孔14が存在することとなり、各襞80における外側不織布層12S及び内側不織布層12H間の空間と外部との通気性が向上するため好ましい。なお、このように孔14の列の伸縮方向EDの間隔を狭くすると、ホットメルト接着剤14Hの塗布線が孔14の列と重なる確率が高くなるが、その場合であっても、前述のように孔14の列における孔14の直交方向XDの間隔14yが孔14の直交方向XDの寸法14Lより広いため、襞80の形状の崩れは抑制することができる。
前述のように孔14の断面構造は特に限定されるものではないが、対向する不織布層側における孔14の縁部に突出部14eが形成されたものであると、ホットメルト接着剤14Hの塗布線と孔14とが重なったときに、孔14の縁部の突出部14eを含む部分がホットメルト接着剤14Hにより接着されるため、ホットメルト接着剤14Hの食い付きが良好となり、突出部14eを有しない場合よりも接着強度が高いものとなる。また、突出部14eの分だけ、有孔不織布は対向する不織布から離間するため、対向する不織布側と反対側の面を手で触ったときに孔14から露出するホットメルト接着剤14Hが手に触れにくいという利点も有する。
特に、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、かつ孔14と孔14とが重なるおそれがあると、孔14と孔14とが重なる部分にホットメルト接着剤14Hの塗布線が重なることにより、孔14内にホットメルト接着剤14Hがはみ出して、装着感等の問題を引き起こすおそれがある。よって、図11及び図12に示すように、装着者の肌側となる内側不織布層12Hが無孔不織布であり、外側不織布層12Sが有孔不織布である構造や、図13及び図14に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならない構造であることが望ましい。
前述のように、孔14の配列は限定されるものではないが、有孔不織布は孔14を有する部分で折れ曲がりやすいものであるため、襞80の形状に影響するものである。よって、孔14の配列は、直交方向XDに所定の間隔で直線的に並ぶ孔14の列が伸縮方向EDに所定の間隔を空けて繰り返す行列状であると、特に襞80が直交方向XDに沿って直線的に延び、綺麗に整ったものとなりやすいため好ましい。
また、具体的な孔14及びシート接合部70の寸法・配置は適宜定めることができるが、以下の範囲内であると特に好ましい。すなわち、シート接合部70が欠落部を有すると、応力が集中しやすい等の理由で、シート接合部70の面積が単に減少するよりも接着部分が剥離しやすくなる。そして、このような接着部分の剥離が発生すると、襞80の一部又は全体の崩れにより、襞80の外観の悪化がより一層顕著となるおそれがある。これに対し、孔14及びシート接合部70の寸法・配置(前述のシート接合部70の高面積率部分を除く)が本範囲内であると、シート接合部70が欠落部を有する場合であっても、剥離しにくいものとなる。
孔14の伸縮方向EDの寸法14W:0.3~5.0mm(特に1.0~2.0mm)
孔14の直交方向XDの寸法14L:0.3~3.0mm(特に1.0~1.5mm)
列における孔14の直交方向XDの間隔14y:2.5~10.0mm(特に3.0~5.0mm)
列の伸縮方向EDの間隔14x:1.0~5.0mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮方向におけるシート接合部の寸法:0.5~4mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮方向におけるシート接合部の間隔:4~8mm(特に6~8mm)
孔14及びシート接合部70は、伸縮領域A2だけに設けることもできるが、図8及び図9に示す例のように、非伸縮領域A1を含むより広範囲の領域にわたり設けることができる。
上記例のシート接合部70は、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hがホットメルト接着剤14Hを介して接合された部分であるが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが溶着された部分であってもよい。つまり、シート接合部70の形成に際し、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの溶着が、伸縮方向EDに間隔を空けて、かつ直交方向XDに連続する縞状パターンでなされていてもよい。この場合、弾性部材19の通過位置で弾性部材19と外側不織布層12S及び内側不織布層12Hとが溶着していても、溶着していなくてもよい。いずれにせよ、弾性部材19を介在させた状態で外側不織布層12S及び内側不織布層12Hを溶着するために、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの溶融部分は、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方で直交方向XDに連続することとなる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・閉じた平面形状に関して「中心」とは、中心を有しない図形の場合には重心意味する。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば不織布)における対象部分(例えば孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。例えば、孔の面積率は、例えばKEYENCE社の商品名VHX-1000を使用し、測定条件を20倍として、以下の手順で測定することができる。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「剛軟度」は、JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.21.1 A法(45°カンチレバー法)」を意味する。有孔不織布における穿孔加工前(無孔不織布)の値は、穿孔加工前の無孔不織布が入手できない場合には、孔の有無以外(繊維組成、繊度、目付け、厚み等)はすべて同じ不織布を用意して測定を行うものとする。
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、パンツタイプ使い捨て着用物品であれば、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつやおむつカバー等、特に制限なく利用できるものである。
A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、B…後身頃、C…臀部カバー領域、E…離間領域、ED…伸縮方向、F…前身頃、H…孔、L…中間領域、LD…前後方向、LO…脚開口、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、WO…ウエスト開口、XD…直交方向、11…液不透過性シート、12…外装体、12A…サイドシール部、12B…後側外装体、12F…前側外装体、12H…内側不織布層、12S…外側不織布層、12r…肌面不織布層、13…切断孔、14…孔、14e…突出部、14H…ホットメルト接着剤、18…不要弾性部材、19…弾性部材、20…カバー不織布、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザー不織布、70…シート接合部、80…襞、90…後処理テープ、91…付根部、92,93…本体部、94…粘着剤層、92…第1部分、93…第2部分、96…第1領域、97…第2領域、200…内装体、201…内外接合部。

Claims (7)

  1. 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
    この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、
    前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、
    ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
    前記外装体は、前記サイドシール部と対応する前後方向範囲である胴周り領域を有しており、
    前記胴周り領域は、外側不織布層及び内側不織布層と、これら外側不織布層及び内側不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
    前記外側不織布層及び前記内側不織布層は、幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向に連続するホットメルト接着剤又は溶着部で接合されたシート接合部を有し、
    前記胴周り領域は、前記内装体を有する前後方向範囲における幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
    前記伸縮領域は、前記弾性部材を有するとともに、前記弾性部材とともに幅方向に弾性伸縮する領域であり、
    前記非伸縮領域の外面には、後処理テープが設けられており、
    前記後処理テープは、前記外側不織布層の外面に固定された、前後方向に延びる帯状の付根部と、この付根部のウエスト開口側から延び出る帯状の本体部と、前記本体部に設けられた粘着剤層とを有しており
    前記外側不織布層及び前記内側不織布層の少なくとも一方は、少なくとも前記伸縮領域及び前記非伸縮領域の全体にわたり、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布であり、
    前記孔は、ピンの繊維間への挿入により厚み方向に貫通するように形成された非打ち抜きタイプの孔である、
    パンツタイプ使い捨て着用物品において、
    前記孔は、前後方向に間隔を空けて直線的に並ぶ孔の列が、幅方向に間隔を空けて繰り返す行列状に配列されており、
    前記非伸縮領域における前記後処理テープの前記付根部と重なる領域は、前記孔の列を有し、
    前記伸縮領域及び前記非伸縮領域に、それぞれ前記シート接合部が幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられているとともに、
    前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
  2. 前記後処理テープの前記本体部は、前記付根部のウエスト開口側から股間側に延びる第1部分と、前記第1部分の先端でウエスト開口側に折り返された第2部分とを有しており、前記第1部分における前記付根部との対向面、及び前記第2部分における前記第1部分との対向面に、粘着剤層がそれぞれ設けられており、前記第1部分が前記粘着剤層により前記付根部上に、及び前記第2部分が前記粘着剤層により前記第1部分上にそれぞれ粘着されることにより、前記第1部分及び第2部分が折り畳み状態に固定されており、
    前記外側不織布層は、前記第1部分の基端の位置を含む第1領域と、前記第1部分と前記第2部分との境界の位置を含み、第1領域から股間側に離間した第2領域とを有し、
    前記第1領域及び前記第2領域の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の1.0~1.5倍であり、
    前記第1領域の前後方向の寸法は、前記付根部の前後方向の寸法の0.1~0.5倍であり、
    前記第2領域の前後方向の寸法は、前記第1領域の前後方向の寸法より短い、
    前記第1領域及び前記第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  3. 前記後処理テープの幅方向の寸法は11~15mmであり、前記後処理テープの前後方向の寸法は55~70mmであり、
    前記孔の幅方向の寸法は0.3~5.0mmであり、前記孔の前後方向の寸法は0.3~3.0mmであり、前記孔の幅方向の間隔は1.0~5.0mmであり、前記孔の前後方向の間隔は2.5~10.0mmであり、
    前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の0.08~0.17倍であり、
    前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記付根部の幅方向の寸法の0.3~0.5倍であり、
    前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/2~1倍であり、
    前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/6~1/3倍である、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  4. 前記外側不織布層は、繊度1.8~6.0dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.2~1.2mmのエアスルー不織布である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  5. 前記非伸縮領域は、前記伸縮領域の弾性部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性部材と連続しない弾性部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性部材と、前記弾性部材の切断により形成された前記不織布層の切断孔が間隔を空けて多数形成されており、
    前記切断孔が、前記後処理テープの付根部に位置しおり、
    前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における前記切断孔を含む領域では、前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  6. 前記非伸縮領域における前記後処理テープの前記付根部と重なる領域は、幅方向の位置が前記シート接合部と重なるとともに、各孔の位置が前記シート接合部の欠落部となる前記孔の列を有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
  7. 前記孔の列の幅方向の間隔が前記孔の前後方向の間隔よりも狭い、
    請求項6記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
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JP2005124871A (ja) 2003-10-24 2005-05-19 Uni Charm Corp 使い捨ての着用物品
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