JP7078432B2 - パンツタイプ使い捨て着用物品 - Google Patents
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<第1の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、
前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、
ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
前記外装体は、前記サイドシール部と対応する前後方向範囲である胴周り領域を有しており、
前記胴周り領域は、外側不織布層及び内側不織布層と、これら外側不織布層及び内側不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
前記外側不織布層及び内側不織布層は、幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向に連続するホットメルト接着剤又は溶着部で接合されたシート接合部を有し、
前記胴周り領域は、前記内装体を有する前後方向範囲における幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、前記弾性部材を有するとともに、前記弾性部材とともに幅方向に弾性伸縮する領域であり、
前記非伸縮領域の外面には、後処理テープが設けられており、
前記後処理テープは、外側不織布層の外面に固定された、前後方向に延びる帯状の付根部と、この付根部のウエスト開口側から延び出る帯状の本体部と、前記本体部に設けられた粘着剤層とを有している、
パンツタイプ使い捨て着用物品において、
前記伸縮領域及び前記非伸縮領域に、それぞれ前記シート接合部が設けられているとともに、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域の前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。
本態様の特徴は、伸縮領域だけでなく後処理テープを有する非伸縮領域にもシート接合部を設け、このうち後処理テープの付根部と重なる部分において特に力が加わる部分、つまり少なくとも本体部の基端を含む領域のシート接合部の面積率を、伸縮領域のシート接合部の面積率よりも高くしたところにある。これにより、後処理テープを使用する際に力が加わる部分が補強され、外側不織布層が内側不織布層から剥がれにくくなる。またその結果、外側不織布層が破れにくいものとなる。さらに、本態様では、シート接合部の面積率を、後処理テープの付根部で局所的に変化させるだけで済むため、補強の部材やそれを取り付けるための製造工程も不要である。
前記後処理テープの前記本体部は、前記付根部のウエスト開口側から股間側に延びる第1部分と、前記第1部分の先端でウエスト開口側に折り返された第2部分とを有しており、前記第1部分における前記付根部との対向面、及び前記第2部分における前記第1部分との対向面に、粘着剤層がそれぞれ設けられており、前記第1部分が前記粘着剤層により前記付根部上に、及び前記第2部分が前記粘着剤層により前記第1部分上にそれぞれ粘着されることにより、前記第1部分及び第2部分が折り畳み状態に固定されており、
前記外側不織布層は、前記第1部分の基端の位置を含む第1領域と、前記第1部分と前記第2部分との境界の位置を含み、第1領域から股間側に離間した第2領域とを有し、
前記第1領域及び前記第2領域の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の1.0~1.5倍であり、
前記第1領域の前後方向の寸法は、前記付根部の前後方向の寸法の0.1~0.5倍であり、
前記第2領域の前後方向の寸法は、前記第1領域の前後方向の寸法より短い、
前記第1領域及び前記第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
第1の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
パンツタイプ使い捨て着用物品の後処理テープとしては、本態様のような折り畳み構造の本体部を有するものが一般的である。このような後処理テープでは、後処理テープの本体部を勢いよく剥がすとき、第2部分を剥がしきり第1部分を剥がし始めるときに、力の加わる方向が折り返し位置で逆向きに変化する。このとき、折り返し位置における付根部に比較的に大きな剥離力が加わり、この位置を起点として外側不織布層が内側不織布層から剥離することがある。また、第1部分を剥がしきった後は、第1部分の基端に力が集中する。つまり、これらの部位は、後処理テープを剥がすとき又はおむつに巻き付けるときに、特に力を支えるのに重要な部位である。
そこで、本態様のように、第1部分の基端の位置を含む第1領域、及び折り返し位置を含む第2領域のみ、シート接合部の面積率を伸縮領域よりも高いものとすると、より少ないシート接合部の面積率の上昇で(つまり硬化を抑えつつ)効果的に外側不織布層の剥離を防止できるため好ましい。また、非伸縮領域は襞が形成されないため、後処理テープで隠れない部分の広範囲にわたりシート接合部の面積率が高くなると、肌触りが悪化しやすいが、本態様の場合、シート接合部の面積率が高くなる第1領域及び第2領域は、ほぼ大部分が後処理テープに隠れるため、肌触りへの影響は少ないものとなる。
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の0.08~0.17倍であり、
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記付根部の幅方向の寸法の0.3~0.5倍であり、
前記第1領域及び前記第2領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/2~1倍であり、
前記第1領域及び前記第2領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/6~1/3倍であり、
前記第1領域及び第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である、
第2の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
第1領域、第2領域及び伸縮領域におけるシート接合部の寸法や、面積率の大小関係は適宜定めることができるが、通常の場合、本態様の範囲内が好ましい。
前記外側不織布層は、繊度1.8~6.0dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.2~1.2mmのエアスルー不織布である、
第1~3のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
近年では、製品を手に取った時の肌触りの柔らかさや、外装体の柔軟性を重視するために、外側不織布層として本項記載のようなエアスルー不織布を用いることが多くなっている。このような低密度で柔軟なエアスルー不織布を外側不織布層に用いた場合、もちろん通常使用では十分な強度を有するものであるが、後処理テープを過度に強く引っ張ったときに応力が集中する部分では外側不織布層の繊維結合が破壊し、いわゆる基材破壊により内側不織布層から剥離しやすいものである。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域の弾性部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性部材と連続しない弾性部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性部材と、前記弾性部材の切断により形成された前記不織布層の切断孔が間隔を空けて多数形成されており、
前記後処理テープの付根部は、前記非伸縮領域に固定されている、
第1~4のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
パンツタイプ使い捨て着用物品では、外側不織布層に多数の孔が形成されていることがある。例えば、胴周り領域や中間領域は、吸収体を有する前後方向範囲と重なるとともに、当該範囲に内装体を外装体に固定するための内外固定部がある。よって、この吸収体を有する前後方向範囲を横切るように弾性部材を設けても、その伸縮機能は吸収体の剛性により制限される。また、吸収体が幅方向に収縮して、装着感や見栄えを悪化させたり、吸収体のヨレや割れが発生し、吸収性能が低下したりするおそれもある。このため、従来は、幅方向に沿って連続的に弾性部材を取り付けるとともに、その吸収体と重なる部分のほぼ全体を細かく切断等し、非伸縮領域を形成することが行われている(例えば特許文献1、4、5参照)。
しかし、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合、外側不織布層の切断や溶融による切断孔が形成されることがあり、この切断孔の存在により外側不織布層の強度が低下する。特に、このような切断孔が後処理テープの付根部に位置していると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
また、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合、非伸縮領域の広範囲にわたりシート接合部の面積率が高くなっていると、弾性部材がシート接合部で固定されやすくなるため、切断後の弾性部材の収縮が阻害されるおそれがある。よって、弾性部材の切断により非伸縮領域を形成する場合には、第2の態様のように、接着補強箇所がほぼ後処理テープと重なる領域に限定されていると好ましい。
前記外側不織布層は、少なくとも前記胴周り領域の全体にわたり、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布である、
第1~5のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
前述のように、パンツタイプ使い捨て着用物品では、外側不織布層に多数の孔が形成されていることがある。例えば、主に通気性を改善するために、外側不織布層に厚み方向に貫通する孔を設けることが知られている(例えば特許文献7~9参照)。この場合、孔は一律に設けることが製造上は好ましいが、外側不織布層の強度が低下する。特に、後処理テープの付根部を含む領域に孔が存在すると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が裂け(断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
前記孔は、前後方向に間隔を空けて直線的に並ぶ孔の列が、幅方向に間隔を空けて繰り返す行列状に配列されており、
前記孔の列の幅方向の間隔が前記孔の前後方向の間隔よりも狭い、
第6の態様のパンツタイプ使い捨て着用物品。
有孔不織布の孔の配列がこのような幅方向の間隔が狭い行列状であると、後処理テープを過度に引張ることにより外側不織布層が内側不織布層から剥離した後又は同時に、外側不織布層が特に裂け(幅方向に沿う断裂)やすくなる。よって、前述のシート接合部の面積率の違いによる補強は本態様のような場合に特に意義あるものとなる。
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、特に限定されず、例えばホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3~図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
起き上がりギャザー60は、横漏れを防止するためのものであり、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、内装体200の側部から表側に起立するものである。図示例の起き上がりギャザー60は、付け根側部分が幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分が幅方向外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向中央側に起立する形態等、適宜の変更が可能である。
吸収要素50は特に限定されるものではないが、本例では吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっている。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用できる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されている(外装二分割タイプ)。この離間距離12dは例えば全長Yの40~60%程度とすることができる。また、図8及び図9に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる(外装一体タイプ)。
図2、図8、図11及び図12に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの少なくとも一方が、厚み方向に貫通する孔14が散在する有孔不織布であると、通気性が向上するため好ましいが、穿孔加工により形成された孔を有しない無孔不織布とすることもできる。図11及び図12に示すように、装着者の肌側となる内側不織布層12Hが無孔不織布であり、外側不織布層12Sが有孔不織布であると、孔14の肌触りへの影響を無くすことができる。また、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hのうち一方にしか孔14がないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図示しないが、装着者の肌側となる内側不織布層12Hを有孔不織布とし、外側不織布層12Sを無孔不織布としてもよい。図13及び図14に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならない構造であるのも好ましい。この場合、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方を有孔不織布とすることにより、より高い通気性を獲得することができる。また、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが重ならないため、装着時に肌が露出することがなく、孔14を通じた漏れを防止することができる。図15に示すように、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布であり、一方の有孔不織布の孔14と、他方の有孔不織布の孔14とが完全に又は部分的に重なっていてもよい。また、図示しないが、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hの両方が有孔不織布である場合において、大部分(例えば50%以上の面積)では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重ならないものの、一部では、一方の有孔不織布の孔14と他方の有孔不織布の孔14とが重なっていてもよい。
外装体12F,12Bには、不織布層12S,12H,12r間に細長状の弾性部材19が設けられ、弾性部材19の伸縮に伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。すなわち、この伸縮領域A2では幅方向WDが伸縮方向EDであり、前後方向LDが伸縮方向EDと直交する直交方向XDとなる。また、この伸縮領域A2は、自然長の状態では不織布層12S,12H,12rが弾性部材19の収縮に伴って収縮し、多数の襞80を有する状態となる。また、この伸縮領域A2を幅方向WDに伸長すると、不織布層12S,12H,12rが襞80なく伸び切る所定の伸長率まで伸長する。弾性部材19としては、細長状のものであれば、糸状、紐状、帯状を問わず用いることができる。また、弾性部材19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
図示例のウエスト下方部Uや臀部カバー領域Cのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材15,16を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外接合部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされていると好ましい。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
図2、図4、図5、図9及び図18に示すように、後側外装体12Bの非伸縮領域A1の外面には後処理テープ90が設けられている。すなわち、この後処理テープ90は、図20及び図24に示すように、外装体12の外側不織布層12Sの外面に粘着剤94等により固定された、前後方向LDに延びる帯状の付根部91と、この付根部91のウエスト側から延び出る帯状の本体部92,93と、本体部92,93に設けられた粘着剤94とを有するものである。おむつの廃棄時には、おむつを表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ90の本体部92,93を剥離した後、この本体部92,93を、図23に示すように、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口WOを越えて反対側の外面まで巻き付け、粘着剤74により外装体12の外面に固定する。これにより、図23に示すように、おむつを丸め若しくは折り畳んだ状態に固定することができる。
外側不織布層12S及び内側不織布層12Hは、幅方向WDに間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向LDに連続するホットメルト接着剤14H又は溶着部で接合されたシート接合部70を有している。このように、ホットメルト接着剤14Hによるシート接合部70が、伸縮方向EDに間隔を空けて形成されていると、通気性、柔軟性を確保することができる。また、伸縮領域A2において、ホットメルト接着剤14Hが幅方向WDに間隔を空けて、かつ前後方向LDに連続する縞状パターンで塗布されることによりシート接合部70が形成されている場合、自然長状態を含め、ある程度収縮した状態では、図17にも示すように、シート接合部70は前後方向LDに連続する溝となり、その溝間の非接合部分では外側不織布層12S及び内側不織布層12Hが互いに反対向きに(表裏両側に)同程度に膨出して襞80が形成される。非伸縮領域A1では、外側不織布層12S及び内側不織布層12Hに収縮力が作用しないこと、及び幅方向両側の伸縮領域A2により幅方向両側に引っ張られることにより、襞80は形成されない。
伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70W:0.5~4mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮領域A2におけるシート接合部70の幅方向WDの間隔70x:4~8mm(特に6~8mm)
第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の幅方向WDの寸法70W:0.5~3.0mm(特に0.5~1.0mm)
第1領域96及び第2領域97におけるシート接合部70の幅方向WDの間隔70x:1~6mm(特に1~3mm)
孔14の伸縮方向EDの寸法14W:0.3~5.0mm(特に1.0~2.0mm)
孔14の直交方向XDの寸法14L:0.3~3.0mm(特に1.0~1.5mm)
列における孔14の直交方向XDの間隔14y:2.5~10.0mm(特に3.0~5.0mm)
列の伸縮方向EDの間隔14x:1.0~5.0mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮方向におけるシート接合部の寸法:0.5~4mm(特に1.0~2.0mm)
伸縮方向におけるシート接合部の間隔:4~8mm(特に6~8mm)
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
Claims (7)
- 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、
この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、
前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、
ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備え、
前記外装体は、前記サイドシール部と対応する前後方向範囲である胴周り領域を有しており、
前記胴周り領域は、外側不織布層及び内側不織布層と、これら外側不織布層及び内側不織布層の間に伸縮方向と直交する直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性部材とを有し、
前記外側不織布層及び前記内側不織布層は、幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられた、前後方向に連続するホットメルト接着剤又は溶着部で接合されたシート接合部を有し、
前記胴周り領域は、前記内装体を有する前後方向範囲における幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、前記弾性部材を有するとともに、前記弾性部材とともに幅方向に弾性伸縮する領域であり、
前記非伸縮領域の外面には、後処理テープが設けられており、
前記後処理テープは、前記外側不織布層の外面に固定された、前後方向に延びる帯状の付根部と、この付根部のウエスト開口側から延び出る帯状の本体部と、前記本体部に設けられた粘着剤層とを有しており、
前記外側不織布層及び前記内側不織布層の少なくとも一方は、少なくとも前記伸縮領域及び前記非伸縮領域の全体にわたり、厚み方向に貫通する孔が配列された有孔不織布であり、
前記孔は、ピンの繊維間への挿入により厚み方向に貫通するように形成された非打ち抜きタイプの孔である、
パンツタイプ使い捨て着用物品において、
前記孔は、前後方向に間隔を空けて直線的に並ぶ孔の列が、幅方向に間隔を空けて繰り返す行列状に配列されており、
前記非伸縮領域における前記後処理テープの前記付根部と重なる領域は、前記孔の列を有し、
前記伸縮領域及び前記非伸縮領域に、それぞれ前記シート接合部が幅方向に間隔を空けて繰り返し設けられているとともに、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記後処理テープの前記本体部は、前記付根部のウエスト開口側から股間側に延びる第1部分と、前記第1部分の先端でウエスト開口側に折り返された第2部分とを有しており、前記第1部分における前記付根部との対向面、及び前記第2部分における前記第1部分との対向面に、粘着剤層がそれぞれ設けられており、前記第1部分が前記粘着剤層により前記付根部上に、及び前記第2部分が前記粘着剤層により前記第1部分上にそれぞれ粘着されることにより、前記第1部分及び第2部分が折り畳み状態に固定されており、
前記外側不織布層は、前記第1部分の基端の位置を含む第1領域と、前記第1部分と前記第2部分との境界の位置を含み、第1領域から股間側に離間した第2領域とを有し、
前記第1領域及び前記第2領域の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の1.0~1.5倍であり、
前記第1領域の前後方向の寸法は、前記付根部の前後方向の寸法の0.1~0.5倍であり、
前記第2領域の前後方向の寸法は、前記第1領域の前後方向の寸法より短い、
前記第1領域及び前記第2領域における前記シート接合部の面積率は、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率よりも高い、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記後処理テープの幅方向の寸法は11~15mmであり、前記後処理テープの前後方向の寸法は55~70mmであり、
前記孔の幅方向の寸法は0.3~5.0mmであり、前記孔の前後方向の寸法は0.3~3.0mmであり、前記孔の幅方向の間隔は1.0~5.0mmであり、前記孔の前後方向の間隔は2.5~10.0mmであり、
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記付根部の幅方向の寸法の0.08~0.17倍であり、
前記伸縮領域における、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記付根部の幅方向の寸法の0.3~0.5倍であり、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の幅方向の寸法は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/2~1倍であり、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における少なくとも前記本体部の基端を含む領域では、前記シート接合部の幅方向の間隔は、前記伸縮領域における前記シート接合部の幅方向の寸法の1/6~1/3倍である、
請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記外側不織布層は、繊度1.8~6.0dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.2~1.2mmのエアスルー不織布である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記非伸縮領域は、前記伸縮領域の弾性部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性部材と連続しない弾性部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性部材と、前記弾性部材の切断により形成された前記不織布層の切断孔が間隔を空けて多数形成されており、
前記切断孔が、前記後処理テープの付根部に位置しており、
前記後処理テープの前記付根部と重なる部分における前記切断孔を含む領域では、前記シート接合部の面積率が、前記伸縮領域の前記シート接合部の面積率の2~6倍である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記非伸縮領域における前記後処理テープの前記付根部と重なる領域は、幅方向の位置が前記シート接合部と重なるとともに、各孔の位置が前記シート接合部の欠落部となる前記孔の列を有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。 - 前記孔の列の幅方向の間隔が前記孔の前後方向の間隔よりも狭い、
請求項6記載のパンツタイプ使い捨て着用物品。
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