JP7076899B2 - 球面継手及びこれを利用した減衰装置 - Google Patents

球面継手及びこれを利用した減衰装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転慣性質量ダンパ等の減衰装置を建物等の構造体に取り付ける際に利用する球面継手に関する。
構造物に作用する振動を早期に収束させるための減衰装置としては、特許文献1に開示されるように、ボールねじ装置を利用したものが知られている。この減衰装置は、螺旋状の雄ねじを有すると共に一端が構造物に結合されたロッドと、このロッドに螺合するナット部材と、前記ナット部材を回転自在に支承すると共に構造物に固定される保持筒と、前記ナット部材によって回転を与えられる回転錘とを備えている。前記ロッドと前記ナット部材がボールねじ装置を構成しており、前記ロッドが軸方向へ進退すると、当該ロッドの周囲を前記ナット部材が回転する。
このような減衰装置では、地震等によって前記構造物に生じた相対振動を前記ロッドと前記保持筒との間に入力すると、当該振動に伴って前記ロッドには軸方向加速度が生じ、この軸方向加速度は前記ロッドに螺合する前記ナット部材の角加速度に変換される。前記ナット部材及び前記回転錘は一体となって回転体を構成しており、当該回転体に生じる回転トルクは、当該回転体の慣性モーメントと前記角加速度の積で表される。そして、この回転トルクは、前記ロッドの軸方向加速度が反転する度に、前記ナット部材及びロッドによって逆変換されて、当該ロッドに対して軸方向反力として作用することになる。
前記構造物に対する当該減衰装置の姿勢変化を許容するため、前記ロッドの一端には球面継手が設けられており、当該減衰装置は球面継手を介して構造体に接続されている。前記球面継手は、前記ロッドの端部に設けられたボール部と、前記ボール部を回転自在に保持すると共に前記構造体に固定されるブラケットと、を備えている。
また、前記ロッドが前記ナット部材に作用する回転トルクによって連れ回されるのを防止するため、前記球面継手には前記ロッドの歳差運動を許容しつつも軸方向周囲の回転運動を防止する回り止め機構が設けられている。この回り止め機構は、前記ロッドの軸線方向に沿って前記ボール部の球面に形成された長穴と、前記ブラケットを貫通して先端部が前記長穴に挿入された規制ボルトと、から構成されている。
特開2017-26074
しかし、特許文献1に開示される球面継手の回り止め機構は、前記ボール部の球面に設けた長穴と前記規制ボルトとの干渉によって前記ロッドの軸方向周りの回転を防止するものであり、当該ロッドの回転方向に関して前記長穴と前記規制ボルトとの隙間を排除することが困難であった。このため、前記ナット部材の回転方向が変化する度に、前記規制ボルトが前記長穴の内壁に衝突してしまう課題があった。
また、巨大地震などの際に、想定外の過大な軸方向加速度の振動が前記ロッドに対して作用すると、当該ロッドの振動に伴って前記回転体が大きな角運動量を保持したままの状態で回転方向を反転させることになるので、前記ナット部材やロッドに対して過大な回転トルクが作用し、これら部材を損傷させてしまう懸念があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ボールねじ装置を用いた減衰装置を構造体に対して簡便に接続することが可能であり、また、ナット部材及びねじ軸に対して過大なトルクが作用することがなく、これらの損傷を防止することが可能な球面継手を提供することにある。
すなわち、本発明の球面継手は、軸部材の一端が固定される球体部と、構造体に固定されると共に前記球体部の球面に摺接する凹曲面を有して当該球体部を保持するホルダと、弾性体から形成されると共に前記球体部と前記ホルダとの間に設けられてこれら両者に圧接する環状の回り止め部材と、を備えている。
本発明の球面継手によれば、ボールねじ装置を用いた減衰装置を構造体に対して簡便に接続することが可能であると共に、当該減衰装置の軸方向周囲の回転運動を防止して当該減衰装置の機能を十分に発揮させることが可能である。また、当該減衰装置の一部を構成するボールねじ装置のロッド及びナット部材に対して過大なトルクが作用するのを防止することができ、減衰装置の損傷を防止することが可能となる。
本発明の球面継手を用いた減衰装置の取付け例を示す概略図である。 本発明の球面継手を用いて取り付けられる減衰装置の第一実施形態を示す斜視図である。 本発明の球面継手の実施形態の一例を示す斜視図である。 球体部とホルダの間に設けられた回り止め部材を示す要部断面図である。 ホルダに設けられた環状溝の断面形状の他の例を示す要部断面図である。 本発明の球面継手を用いて取り付けられる減衰装置の第二実施形態を示す概略図である。
以下、添付図面に沿って本発明の球面継手を詳細に説明すると共に、当該球面継手を用いて構造体に取り付けが可能な減衰装置についても詳細に説明する
図1は本発明の球面継手を用いた減衰装置の構造体への取付け例を示すものである。この減衰装置は、例えば、ビルディング、塔、橋梁等の構造物を含む系内の別々の部位(第一の構造体S1及び第二の構造体S2)に固定される第一連結部10と第二連結部11とを備えている。構造物を含む系とは、当該構造物が固定された基礎地盤を含む意であり、例えば構造物の内部に減衰装置が配置されている場合の外、前記第一連結部10は構造物に、第二連結部11は基礎地盤に固定される場合を含む。
前記第一の構造体S1に固定される第一連結部10、前記第二の構造体S2に固定される第二連結部11には、それぞれ球面継手2が設けられている。これにより、前記減衰装置1は第一の構造体S1及び第二の構造体S2に対する接続角度を自由に調整することが可能となっており、第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に相対的な振動が作用すると、前記減衰装置1が当該振動に応じて第一の構造体S1と第二の構造体S2との間で伸縮する。尚、図1では前記減衰装置1の長手方向の両端に一対の球面継手2を設けているが、例えば長手方向の一端のみに球面継手2を設け、他端は第一の構造体S1又は第二の構造体S2に対して直接固定するようにしてもよい。
図2は、本発明の球面継手を用いて構造体へ取付け可能な前記減衰装置の第一実施形態を示す斜視図であり、内部構造が把握できるように一部を切り欠いて描いてある。この減衰装置1は所謂回転慣性質量ダンパであり、中空部を有して円筒状に形成された固定筒12と、この固定筒12の中空部に対して挿入されると共に螺旋状のねじ溝が形成されたロッド13と、多数のボールを介して前記ロッド13のねじ溝に螺合するナット部材14と、前記固定筒12に対して回転自在に支承されると共に前記ナット部材14が結合された円筒状の軸受ハウジング15と、この軸受ハウジング15に固定された円筒状のフライホイール16と、前記固定筒12に対して回転自在に支承されると共に前記フライホイール16に対して結合されたロータ部材17とを備えている。
前記固定筒12と前記軸受ハウジング15との間には軸受(図示せず)が設けられており、前記軸受ハウジング15は前記固定筒12に対して回転自在に支承されている。また、前記軸受ハウジング15の軸方向の一端には前記ナット部材14が固定されており、かかるナット部材14が回転すると、軸受ハウジング15がナット部材14と共に前記固定筒12に対して回転を生じるように構成されている。
前記ロッド13及びナット部材14は所謂ボールねじ装置を構成している。前記ナット部材14は前記多数のボールの無限循環路を有しており、これらボールが前記ロッド13に形成された螺旋状のねじ溝を転動する。これにより、前記ロッド13と前記ナット部材14との間では軸方向の直線運動と前記ロッド13周囲の回転運動を相互に変換することが可能となっており、前記ロッド13に対して軸方向の直線運動を与えると、前記ナット部材14が前記ロッド13の周囲で回転運動を生じる一方、前記ナット部材14に回転運動を与えると、前記ロッド13が軸方向へ直線運動を生じることになる。
前記軸受ハウジング15の外側には円筒状のフライホイール16が設けられている。このフライホイール16は前記軸受ハウジング15に固定されており、前記ナット部材14及び前記軸受ハウジング15と一体で回転するように構成されている。また、前記軸受ハウジング15が固定筒12に対して自由に回転し得ることから、前記フライホイール16は前記固定筒12に対しても自由に回転することが可能である。
一方、前記固定筒12の周囲には前記ロータ部材17が設けられている。このロータ部材17は回転軸受を介して固定筒12の外周面に支承されると共に、エンドプレート18を介して前記フライホイール16に結合されており、前記フライホイール16の回転に伴って前記固定筒12の周囲を回転するように構成されている。前記ロータ部材17の内周面は固定筒12の外周面とわずかな隙間を介して対向しており、かかる隙間は粘性流体の密閉空間となっている。このため、ロータ部材17が回転すると、前記固定筒の外周面と前記ロータ部材の内周面との間に粘性流体から剪断抵抗力が作用し、ロータ部材17の回転運動のエネルギが減衰されるようになっている。
そして、この第一実施形態の減衰装置1では、前記第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に相対的な振動が作用すると、前記固定筒12に対して前記ロッド13が軸方向へ進退して当該減衰装置1が伸縮し、前記フライホイール16及び前記ロータ部材17が前記固定筒12の周囲を繰り返し反転する。前記フライホイール16が反転する際には当該フライホイール16の回転慣性によって大きな回転トルクが発生し、この回転トルクは前記ロッド13の軸方向移動に対して反力として作用する。また、前記ロータ部材17の回転に対しては粘性流体から剪断抵抗力が作用し、この剪断抵抗力も前記ロッド13の軸方向移動に対して反力として作用する。これにより、第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に作用する振動は前記回転慣性質量ダンパによって減衰される。
図3は本発明を適用した球面継手の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すために一部を切り欠いて描いてある。
前記球面継手2は、軸部材(図示せず)が嵌合する貫通孔20を有する球体部21と、この球体部21の球面を包み込むと共に固定ボルトによって前記第一構造体S1又は第二の構造体S2等の構造物に締結されるホルダ22とを備えている。また、前記ホルダ22は、ボルト取付け孔23aを有するベース部材23と、前記ベース部材23に固定されて前記球体部21を覆う蓋部材24と、を備えている。前記蓋部材の中央には開口部24aが設けられており、前記軸部材は前記開口部24aを挿通して前記球体部21の貫通孔20に嵌合している。この開口部24aは前記構造物に対する前記軸部材の揺動範囲を制限している。
尚、この実施形態では前記球体部21に対して軸部材を固定するための貫通孔20を設けたが、当該貫通孔20を設けることなく前記球体部と前記軸部材とが一体に形成されたボールスタッドを設け、当該ボールスタッドの球体部をホルダで包み持つようにしてもよい。
前記ベース部材23及び前記蓋部材24のそれぞれには前記球体部21の球面が摺接する凹曲面が設けられている。これらベース部材23と蓋部材24を図示外の結合ボルトで一体化すると、前記球体部21がベース部材の凹曲面と前記蓋部材24の凹曲面によって挟み込まれ、当該球体部21は前記ホルダ22に保持された状態で自在に回転することが可能である。
前記球体部21と前記ホルダ22との間には弾性体から成形された回り止め部材25が設けられている。前記回り止め部材25は環状に成形されており、前記貫通孔20を貫く軸線(図中に一転鎖線で表示)と直交する平面内に配置されて、前記球体部21を囲んでいる。また、前記回り止め部材25は前記球体部21の赤道、すなわち前記球体部21の最大直径部に対応して設けられている。前記ホルダ22には前記回り止め部材25を収容する環状溝26が設けられている。前記環状溝26は、形成し易さを考慮して、前記ベース部材23と前記蓋部材24の接合面に隣接して設けられており、前記ベース部材23に対して前記蓋部材24を固定すると、前記環状溝26が形成される。
尚、図3に示した具体例では、単一の回り止め部材25が前記球体部21の赤道付近に設けられているが、複数の回り止め部材25を前記球体部21の周囲に互いに平行となるように配置することもできる。
図4は前記環状溝26内に配置された前記回り止め部材25の断面を示す図である。前記回り止め部材25は、前記環状溝26の内部において前記球体部21の半径方向に押し潰されており、前記球体部21の球面と前記ホルダ22の双方に圧接している。前記回り止め部材25としては例えば市販のOリングを使用することができ、その場合のOリングの太さは前記環状溝26の深さよりも大きく設定されている。
図4に示す環状溝はその断面形状が略矩形状に形成されており、前記回り止め部材25の周方向と直交する方向(図4の紙面左右方向)の前記環状溝26の溝幅は、当該回り止め部材25の太さよりも大きく設定されている。このため、前記環状溝26の内壁と前記回り止め部材25の間には隙間が形成されており、前記球体部21が前記ホルダ22内で矢線A方向へ回転すると、前記回り止め部材25は当該球体部21に連れ回され、捩じれながら前記環状溝26内をA方向へ僅かに移動可能である。
従って、前記球面継手2では、図3に示すように、前記球体部21の貫通孔20を貫く軸線(図中に一転鎖線で表示)を矢線B方向へ揺動させることが可能であり、前記貫通孔に嵌合した前記軸部材の歳差運動を許容しつつ、当該軸部材を構造物に接続することが可能となっている。
一方、環状に形成された前記回り止め部材25はその周方向に沿って前記球体部21及び前記ホルダ22と一様に圧接しているので、図3に示す矢線C方向へ前記球体部21を回転させようとすると、当該回り止め部材25と前記球体部21の間、当該回り止め部材と前記ホルダ22の間には大きな摩擦抵抗力が作用することになる。このため、前記回り止め部材25が発生させる摩擦抵抗力の範疇において、前記球体部21は前記ホルダ22に対して矢線C方向へは回転不能であり、前記球体部の貫通孔20に嵌合した前記軸部材の軸周りの回転は前記回り止め部材25によって係止される。
前記回り止め部材25が発生させる摩擦抵抗力の大きさは、当該回り止め部材25を前記環状溝26の内部で押し潰す量と、当該回り止め部材25の材質及びその太さを選定することによって、任意に調整することが可能である。
また、図3に示した具体例では前記回り止め部材25が矢線C方向の回転トルクを効率よく負荷することができるよう、当該回り止め部材25を前記球体部21の赤道付近に設けているが、前記回り止め部材25が前記球体部21の回転を係止する十分な大きさの摩擦抵抗力を発揮するのであれば、当該回り止め部材25を前記球体部21の赤道付近に設ける必要はない。
前記球面継手2を用いて前記第一の構造体S1と前記第二の構造体S2との間に減衰装置1を設置する場合、前記ロッド13の軸端又は前記固定筒12の軸端を前記球体部の貫通穴に嵌合させる。
図1に示すように、一対の球面継手2を用いて第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に前述した減衰装置1を設置すると、前記第一の構造体S1と前記第二の構造体S2の間に相対的な振動が作用した際に、前記固定筒12に対して前記ロッド13が軸方向へ並進運動を生じる。この並進運動に伴って前記ロッド13に螺合するナット部材14には回転トルクが作用することになり、その反作用として、前記ロッド13に対してもナット部材14に作用する回転トルクとは同じ大きさの逆方向の回転トルクが作用する。
このとき、前記球面継手2は前記ロッド13又は前記固定筒12の歳差運動を許容しつつも、前記ロッド13又は前記固定筒12の軸周りの回転を係止するので、前記ナット部材14は前記ロッドの並進運動による移動量に応じた回転を生じることになる。その結果、前記減衰装置1ではナット部材14から前記フライホイール16及びロータ部材17に回転が伝達され、第一の構造体S1に対する第二の構造体S2の振動が強制的に減衰させられる。
一方、前記ナット部材14に作用する回転トルクが過大であり、前記回り止め部材25が発生させる摩擦抵抗力の範疇を凌駕している場合には、前記ロッド13又は前記固定筒12が前記球体部21と一緒に前記ホルダ22に対して回転を生じてしまうので、前記ナット部材14が前記ロッド13の移動量に応じた回転を生じることはなく、固定筒12に対する前記フライホイール16及び前記ロータ部材17の回転は抑えられたものになる。
例えば、想定外の巨大地震が発生し、減衰装置1に対して過大な速度や加速度の振動が入力された場合、前記フライホイール16及び前記ロータ部材17は大きな角運動量を保持した状態で回転方向を繰り返し反転することになるので、当該減衰装置1の損傷が懸念される。この点に関し、前記球面継手2を用いて当該減衰装置を第一の構造体及び第二の構造体に接続すれば、前記回り止め部材25が発生させる摩擦抵抗力の大きさに応じ、前記ナット部材14の回転が抑制されることから、減衰装置1のそのような損傷を未然に防止することが可能となる。
図5は前記環状溝の断面形状の他の例を示すものであり、略V字形状に形成された環状溝26aに対して前記回り止め部材25が収容されている。環状溝26aの内部で前記回り止め部材25が押し潰されて弾性変形している点は、図4に示した略矩形状の環状溝26と同じである。
断面略V字形状の環状溝26aの内部に前記回り止め部材25を配置した場合、図5中の矢線A方向へ球体部21を回転させても、断面略矩形状の環状溝26の場合と比較して、前記回り止め部材が当該A方向へ連れ回り難く、前記球体部21の回転は抑えられたものになる。このため、前記球体部21の貫通孔20に嵌合した前記ロッド13の前記第一の構造体S1に対する歳差運動、又は前記固定筒12の前記第二の構造体S2に対する歳差運動の範囲は、断面略矩形状の環状溝26の場合に比べて小さくなる。
図6は本発明の球面継手を用いて構造体へ取付け可能な前記減衰装置の第二実施形態を示す断面図である。
この減衰装置3は、図2に示す減衰装置1と同様にボールねじ装置を利用した減衰装置を示しているが、前述したようなフライホイール16を備えず、粘性流体による剪断抵抗力のみで第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に作用する振動の減衰を行う。前記減衰装置3は、外周面に雄ねじを有すると共に軸方向の一端が前記球面継手2を介して第一の構造体S1に連結されるロッド31と、中空部を有して円筒状に形成されると共に前記球面継手を介して第二の構造体S2連結される固定筒32、多数のボールを介して前記ロッド31の雄ねじに螺合すると共に前記固定筒に対して回転自在に支承されたナット部材33と、前記固定筒32の中空部に収容されると共に軸方向の一端に前記ナット部材33が固定された円筒状のロータ部材34と、を備えている。
前記第一の構造体S1と前記第二の構造体S2との間に作用する振動に伴って前記ロッド31が前記ナット部材33に対して軸方向へ進退すると、かかるナット部材33は前記ロッド部材31の軸方向運動を回転運動に変換し、このナット部材33の回転運動に伴って当該ナット部材33に固定されたロータ部材34が繰り返し反転する。
前記固定筒32の内周面と前記ロータ部材34の外周面との隙間は、粘性流体の収容室35となっており、前記ロータ部材34が回転すると、前記固定筒32の内周面と前記ロータ部材34の外周面との間に粘性流体から剪断抵抗力が作用する。この剪断抵抗力は前記ロッド31の軸方向移動に対して反力として作用するので、第一の構造体S1と第二の構造体S2の間に作用する振動は前記減衰装置3によって減衰される。
この第二の実施形態の減衰装置においても、前記球面継手2を用いて第一の構造体S1及び第二の構造体S2に連結することにより、ボールねじ装置を利用した当該減衰装置の性能を十分に発揮させ、且つ、巨大地震に対する減衰装置の損傷を未然に防止することが可能となる。
1…減衰装置、13…ロッド、14…ナット部材、2…球面継手、21…球体部、22…ホルダ、25…回り止め部材、26…環状溝

Claims (6)

  1. 軸部材の一端が固定される球体部と、
    構造体に固定されると共に前記球体部の球面に摺接する凹曲面を有して当該球体部を保持するホルダと、
    弾性体から形成されると共に前記球体部と前記ホルダとの間に設けられてこれら両者に圧接する環状の回り止め部材と、を備え、
    前記ホルダは前記回り止め部材を収容する環状溝を有し、前記環状溝は前記軸部材の軸線と直交する平面内に配置され、
    前記環状溝の溝幅は前記回り止め部材の太さよりも大きく設定され、当該環状溝の内壁と前記回り止め部材の間には隙間が設けられていることを特徴とする球面継手。
  2. 前記環状溝は前記球体部の赤道に対応して設けられていることを特徴とする請求項1記載の球面継手。
  3. 前記球体部は前記軸部材が嵌合する貫通孔を有していることを特徴とする請求項1記載の球面継手。
  4. 前記球体部は前記軸部材と一体に設けられてボールスタッドを構成していることを特徴とする請求項1記載の球面継手。
  5. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されると共に少なくとも一方の軸端が第一の構造体に連結されるロッドと、
    第二の構造体に連結されると共に前記ロッドが挿入される中空部を有する固定筒と、
    前記ロッドのねじ溝に螺合すると共に前記固定筒に対して回転自在に保持され、前記第一の構造体に対する第二の構造体の振動に応じて往復回転するナット部材と、
    前記ナット部材に固定されると共に前記固定筒との間に粘性流体の収容室を形成するロータ部材と、
    前記ロッドと前記第一の構造体との間、及び前記固定筒と前記第二の構造体との間に設けられた一対の球面継手と、を備え、
    前記一対の球面継手のそれぞれは、
    前記ロッド又は前記固定筒の一端が固定される球体部と、
    第一の構造体又は第二の構造体に固定されると共に前記球体部の球面に摺接する凹曲面を有して当該球体部を保持するホルダと、
    弾性体から形成されると共に前記球体部と前記ホルダとの間に設けられてこれら両者に圧接する環状の回り止め部材と、を備え、
    前記ホルダは前記回り止め部材を収容する環状溝を有し、前記環状溝は前記軸部材の軸線と直交する平面内に配置され、
    前記環状溝の溝幅は前記回り止め部材の太さよりも大きく設定され、当該環状溝の内壁と前記回り止め部材の間には隙間が設けられていることを特徴とする減衰装置。
  6. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されると共に少なくとも一方の軸端が第一の構造体に連結されるロッドと、
    第二の構造体に連結されると共に前記ロッドが挿入される中空部を有する固定筒と、
    前記ロッドのねじ溝に螺合すると共に前記固定筒に対して回転自在に保持され、前記第一の構造体に対する第二の構造体の振動に応じて往復回転するナット部材と、
    前記ナット部材に固定されて当該ナット部材と一緒に回転するフライホイールと、
    前記ロッドと前記第一の構造体との間、及び前記固定筒と前記第二の構造体との間に設けられた一対の球面継手と、を備え、
    前記一対の球面継手のそれぞれは、前記ロッド又は前記固定筒の一端が固定される球体部と、
    第一の構造体又は第二の構造体に固定されると共に前記球体部の球面に摺接する凹曲面を有して当該球体部を保持するホルダと、
    弾性体から形成されると共に前記球体部と前記ホルダとの間に設けられてこれら両者に圧接する環状の回り止め部材と、を備え、
    前記ホルダは前記回り止め部材を収容する環状溝を有し、前記環状溝は前記軸部材の軸線と直交する平面内に配置され、
    前記環状溝の溝幅は前記回り止め部材の太さよりも大きく設定され、当該環状溝の内壁と前記回り止め部材の間には隙間が設けられていることを特徴とする減衰装置。
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