JP7073671B2 - クランク軸 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、自動二輪車、農業機械又は船舶等のレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に関する。
レシプロエンジンはクランク軸を必要とする。シリンダ(気筒)内でのピストンの往復運動を回転運動に変換することによって動力を取り出すためである。通常、自動車等には多気筒エンジンが用いられる。
図1及び図2は、一般的なクランク軸の一例を示す側面図である。図1及び図2に示すクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載されるものである。クランク軸1は、5つのジャーナル部J1~J5、4つのピン部P1~P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、及び8つのクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1~A8を備える。8つのアーム部A1~A8は、各々が対応するジャーナル部J1~J5とピン部P1~P4をつなぐ。
図1に示すクランク軸1では、8つの全てのアーム部A1~A8がカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1~W8を一体で有する。このクランク軸1は4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸と称される。
以下では、ジャーナル部J1~J5、ピン部P1~P4、アーム部A1~A8及びウエイト部W1~W8のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。
図2に示すクランク軸1では、8つのアーム部Aのうち、先頭の第1アーム部A1、最後尾の第8アーム部A8、及び中央の2つのアーム部A(第4アーム部A4及び第5アーム部A5)がウエイト部Wを一体で有する。残りの第2、3、6及び7アーム部A2、A3、A6及びA7はウエイト部を有しない。このクランク軸1は4気筒-4カウンターウエイトのクランク軸と称される。
ジャーナル部J、フロント部Fr及びフランジ部Flは、クランク軸1の回転中心と同軸上に配置される。各ピン部Pは、クランク軸1の回転中心からピストンストロークの半分の距離だけ偏心して配置される。ジャーナル部Jは、すべり軸受けによってエンジンブロックに支持され、回転中心軸となる。各ピン部Pはすべり軸受けによってコネクティングロッド(以下、「コンロッド」ともいう)の大端部に連結され、ピストンがそのコンロッドの小端部に連結される。フロント部Frには、タイミングベルト、ファンベルト等を駆動するためのプーリ(図示省略)が取り付けられる。フランジ部Flには、フライホイール(図示省略)が取り付けられる。
燃費の向上の観点から、クランク軸には軽量化が求められる。この要求に応える従来の技術が、例えば特開2000-320531号公報(特許文献1)に開示される。図3及び図4は、特許文献1に開示されたクランク軸におけるウエイト部付きアーム部を示す図である。これらの図のうち、図3は側面図であり、図4はピン部側から見たときの正面図である。図3及び図4を参照し、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでアーム部Aのピン部P側の表面に、肉抜き部100が形成されている。肉抜き部100はアーム部Aの幅方向の全域に形成され、アーム部Aの2つの側部Aaに広がっている。肉抜き部100によってアーム部Aの重量が減少する。これにより、クランク軸の軽量化が図られる。
特開2000-320531号公報
近年、クランク軸の軽量化に対する要求はますます強くなっている。しかしながら、この要求に応えるために、ウエイト部付きアーム部に形成される肉抜き部をアーム部の領域内で単に拡大すれば、アーム部の支持剛性が低下するおそれがある。アーム部の支持剛性が低下した場合、クランク軸が弾性変形し易くなることから、ジャーナル部がすべり軸受けに焼き付くかもしれないし、かえって燃費が悪化するかもしれない。また、振動特性が悪化する可能性もある。要するに、クランク軸の基本性能が損なわれかねない。
本発明の1つの目的は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できるクランク軸を提供することである。
本発明の実施形態によるクランク軸は、複数のジャーナル部と、複数のジャーナルに対して偏心した複数のピン部と、各々が対応するジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える。クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有する。カウンターウエイト部を有するクランクアーム部の少なくとも1つは、カウンターウエイト部のピン部側の表面に形成され、各々が対応するカウンターウエイト部の2つの側部に広がる2つの肉抜き部と、2つの肉抜き部と隣接し、クランクアーム部の中心線に沿って設けられるリブ部と、を備える。
本発明の実施形態によるクランク軸は、2つの肉抜き部及びリブ部がカウンターウエイト部に形成されるため、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。
図1は、一般的なクランク軸の一例を示す側面図である。 図2は、一般的なクランク軸の他の一例を示す側面図である。 図3は、特許文献1に開示されたクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図である。 図4は、図3に示すウエイト部付きアーム部をピン部側から見たときの正面図である。 図5は、検討ステップ1で想定したクランク軸の斜視図である。 図6は、図5に示すクランク軸の側面図である。 図7は、図5に示すクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図である。 図8は、図7に示すウエイト部付きアーム部の斜視図である。 図9は、図7の線IX-IXにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。 図10は、検討ステップ1のウエイト部付きアーム部に出現する振動モードの一例を示す斜視図である。 図11は、検討ステップ2で想定したクランク軸の斜視図である。 図12は、図11に示すクランク軸の側面図である。 図13は、図11に示すクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図である。 図14は、図13に示すウエイト部付きアーム部の斜視図である。 図15は、図13の線XV-XVにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。 図16は、検討ステップ2での解析結果をまとめたグラフである。 図17は、本実施形態のクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図である。 図18は、図17に示すウエイト部付きアーム部をピン部側から見たときの正面図である。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、ウエイト部付きアーム部に形成される肉抜き部の形態に着目し、鋭意検討を重ねた。その結果下記の知見を得た。
[検討ステップ1]
ステップ1では、前記図3及び図4に示すウエイト部W付きアーム部Aに形成される肉抜き部100を、アーム部Aの領域内で拡大するのではなくて、ウエイト部Wの領域に拡大する形態を検討した。この検討はFEM解析によって行った。
図5~図9は、検討ステップ1で想定したクランク軸を示す図である。これらの図のうち、図5はそのクランク軸の斜視図であり、図6はそのクランク軸の側面図である。図7はそのクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図であり、図8はそのウエイト部付きアーム部の斜視図であり、図9は図7の線IX-IXにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。なお、図9に示される図7の線IX-IXにおける断面は、アーム部の中心線に垂直な断面のうち、肉抜き部110が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅の位置での断面である。本明細書において、アーム部Aの中心線は、ジャーナル部Jの軸心Jcとピン部Pの軸心Pcを含む面に含まれる直線であって、ジャーナル部Jの軸心Jcに垂直な直線を意味する。
図5~図9を参照し、検討ステップ1で想定したクランク軸1の解析モデルでは、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでウエイト部Wのピン部P側の表面に、肉抜き部110が形成されている。肉抜き部110はウエイト部Wの幅方向の全域に形成され、ウエイト部Wの2つの側部Waに広がっている。また、肉抜き部110はアーム部Aのピン部P側の表面にも広がり、アーム部Aの2つの側部Aaにも広がっている。
図7を参照し、肉抜き部110を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、ジャーナル部Jの外周とアーム部Aとの交点のうちでウエイト部Wに最も近い点JBの位置L1が、アーム部Aとウエイト部Wの境界となる。つまり、点JBの位置L1からピン部P側の部分がアーム部Aとなり、点JBの位置L1からピン部P側とは反対側の部分がウエイト部Wとなる。なお、図5、図6、図7及び図9には、実態に即して、ジャーナル部Jとアーム部Aとの間にジャーナルスラストが描かれている。エンジン内では、ジャーナルスラストとすべり軸受けとの接触によって、ジャーナル部Jの軸方向移動が制限される。
このような条件のもとで、図6及び図7を参照し、肉抜き部110を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、肉抜き部110におけるピン部P側とは反対側の端(以下、「第1端」ともいう)110aは、点JBの位置L1よりもピン部P側とは反対側寄りの位置に、すなわちウエイト部W寄りの位置に配置されている。その第1端110aは、ウエイト部Wの最大幅の位置L2よりもピン部P寄りの位置に配置されている。一方、肉抜き部110のピン部P側の端(以下、「第2端」ともいう)110bは、点JBの位置L1よりもピン部P寄りの位置に配置されている。より具体的には、その第2端110bは、ジャーナル部Jの軸心Jcの位置L3よりもピン部P寄りの位置に配置されている。
検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部110がウエイト部Wの領域に存在する。さらにその肉抜き部110がアーム部Aの領域にも広がる。ここで、ウエイト部Wの幅は比較的大きい。特に、ウエイト部Wの平面形状は概ね扇形であるため、ウエイト部Wの最大幅はアーム部Aの最大幅よりも遙かに大きい。そのため、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの重量は、ウエイト部Wに存在する肉抜き部110によって大幅に減少する。また、ウエイト部Wの形状は、ウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。そのため、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性はほとんど低下しない。本明細書において、支持剛性とは、ピン部Pに荷重が負荷されたときのアーム部Aの変形抵抗を意味する。
しかしながら、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部110がウエイト部Wの幅方向の全域に形成されている。この場合、大きな軽量化を期待できる反面、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数が大幅に低下する。固有振動数はウエイト部Wを含むアーム部Aの全体の剛性に比例するからである。
検討ステップ1では、実際に、図5~図9に示すウエイト部W付きアーム部Aのモデルを用いて、その固有振動数を解析した。その結果、そのウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数は、肉抜き部110が形成されていないウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数と比較して、大幅に低下した。また、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの場合、固有振動数の低下に伴って特異な振動モードが出現した。
図10は、検討ステップ1のウエイト部付きアーム部に出現する振動モードの一例を示す斜視図である。図10を参照し、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aの場合、1次縦曲げモードの振動が主体的に発生する。1次縦曲げモードの振動では、アーム部Aの中心線を支点にして、ウエイト部Wの2つの端部が同位相で前後方向に振れる。ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動は、クランク軸の振動を引き起こす。したがって、検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aを備えるクランク軸は、基本性能を維持できない。
[検討ステップ2]
ステップ2では、検討ステップ1のウエイト部付きアーム部の形態をベースにして、ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動を抑制する形態を検討した。この検討もFEM解析によって行った。
図11~図15は、検討ステップ2で想定したクランク軸を示す図である。これらの図のうち、図11はそのクランク軸の斜視図であり、図12はそのクランク軸の側面図である。図13はそのクランク軸におけるウエイト部付きアーム部の側面図であり、図14はそのウエイト部付きアーム部の斜視図であり、図15は図13の線XV-XVにおけるウエイト部付きアーム部の断面図である。なお、図15に示される図13の線XV-XVにおける断面は、アーム部の中心線に垂直な断面のうち、肉抜き部10が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅Lの位置での断面である。
図11~図15を参照し、検討ステップ2で想定したクランク軸1の解析モデルでは、ウエイト部W付きアーム部Aのうちでウエイト部Wのピン部P側の表面に、2つ肉抜き部10が形成されている。2つの肉抜き部10は、各々が対応するウエイト部Wの2つの側部Waに広がっている。また、2つの肉抜き部10は、アーム部Aのピン部P側の表面にも広がり、各々が対応するアーム部Aの2つの側部Aaにも広がっている。さらに、ウエイト部Wのピン部P側の表面に、アーム部Aの中心線に沿ってリブ部11が設けられている。リブ部11は2つの肉抜き部10と隣接している。また、リブ部11は、アーム部Aのピン部P側の表面にも延びている。リブ部11の幅Xはアーム部Aの中心線に沿って一定である(図15参照)。
図12及び図13を参照し、肉抜き部10及びリブ部11を備えるウエイト部W付きアーム部Aを側面から見たとき、肉抜き部10における第1端(ピン部P側とは反対側の端)10aは、上記の点JBの位置L1よりもピン部P側とは反対側寄りの位置に配置されている。その第1端10aは、ウエイト部Wの最大幅の位置L2よりもピン部P寄りの位置に配置されている。一方、肉抜き部10の第2端(ピン部P側の端)10bは、上記の点JBの位置L1よりもピン部P寄りの位置に配置されている。より具体的には、その第2端10bは、ジャーナル部Jの軸心Jcの位置L3よりもピン部P寄りの位置に配置されている。
検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aでは、2つの肉抜き部10がウエイト部Wの領域に存在する。さらにそれらの肉抜き部10がアーム部Aの領域にも存在する。ここで、ウエイト部Wの幅は比較的大きい。特に、ウエイト部Wの平面形状は概ね扇形であるため、ウエイト部Wの最大幅はアーム部Aの最大幅よりも遙かに大きい。そのため、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aの重量は、ウエイト部Wに存在する肉抜き部10よって大幅に減少する。また、ウエイト部Wの形状は、ウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。そのため、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aの支持剛性はほとんど低下しない。
さらに、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aでは、肉抜き部10が形成された領域に、リブ部11が存在する。この場合、上記した検討ステップ1のウエイト部W付きアーム部Aと比較して、ウエイト部W付きアーム部Aの剛性が増加するため、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数が増加する。そのため、ウエイト部Wの1次縦曲げモードの振動が抑制される。これにより、クランク軸の振動も抑制される。したがって、検討ステップ2のウエイト部W付きアーム部Aを備えるクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。
検討ステップ2では、実際に、図11~図15に示すウエイト部W付きアーム部Aのモデルを用いて、その固有振動数を解析した。その際、リブ部11の幅Xを種々変更した。リブ部11の幅Xごとに、ウエイト部W付きアーム部Aの固有振動数f及びその質量mを得た。
図16は、検討ステップ2での解析結果をまとめたグラフである。図16の横軸は、肉抜き部10が形成された領域におけるウエイト部Wの最小幅Lに対するリブ部11の幅Xの割合X/Lを百分率(%)で示す。以下では、その割合X/Lをリブ幅割合X/Lともいう。横軸の左端(リブ幅割合X/L=0%)では、リブ部11の幅Xが0(ゼロ)であり、リブ部11がなくて、幅方向の全域に肉抜き部10が存在すること、を意味する。リブ幅割合X/Lが大きいほど、固有振動数f及び質量mは増加する。
一方、図16の縦軸は、質量mに対する固有振動数fの比f/mを、リブ部11の幅Xが0であるときのf/mを基準(100%)とした比率(%)で示す。以下では、そのf/mの比率を振動数増加率f/mともいう。振動数増加率f/mが100%よりも大きければ、リブ部11がない場合と比較して、リブ部11の設置効果が高い。リブ部11の設置による固有振動数の増加度合いが、リブ部11の設置による重量の増加度合いよりも大きいからである。
図16のグラフから次のことが示される。横軸に示されるリブ幅割合X/Lが48%以上であれば、縦軸に示される振動数増加率f/mは100%よりも大きい。そのため、リブ部11の設置効果を有効に得る観点から、リブ幅割合X/Lは48%以上であることが好ましい。より好ましくはリブ幅割合X/Lは50%以上である。さらにリブ幅割合X/Lが80%を超えても、振動数増加率f/mはほぼ同じである。そのため、重量の増加を抑える観点から、リブ幅割合X/Lは80%以下であることが好ましい。より好ましくはリブ幅割合X/Lは75%以下である。
本発明のクランク軸は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の実施形態によるクランク軸は、複数のジャーナル部と、複数のピン部と、複数のクランクアーム部と、を備える。複数のピン部は、複数のジャーナルに対して偏心する。複数のクランクアーム部は、各々が対応するジャーナル部とピン部をつなぐ。クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有する。カウンターウエイト部を有するクランクアーム部の少なくとも1つは、2つの肉抜き部と、リブ部と、を備える。2つの肉抜き部は、カウンターウエイト部のピン部側の表面に形成される。2つの肉抜き部は、各々が対応するカウンターウエイト部の2つの側部に広がる。リブ部は、2つの肉抜き部と隣接する。リブ部は、クランクアーム部の中心線に沿って設けられる。
本実施形態によるクランク軸では、2つの肉抜き部及びリブ部がウエイト部に形成される。ウエイト部の幅は比較的大きい。また、ウエイト部の形状は、ウエイト部付きアーム部の支持剛性にほとんど影響を及ぼさない。これに対し、仮に肉抜き部がウエイト部の幅方向の全域に形成された場合、ウエイト部付きアーム部の固有振動数が低下するため、ウエイト部が特異な振動を起こすかもしれない。ウエイト部の振動は、クランク軸の振動を引き起こす。これに対し、ウエイト部にリブ部を設けることによって、ウエイト部付きアーム部の固有振動数が増加する。そのため、ウエイト部の特異な振動が抑制される。これにより、クランク軸の振動も抑制される。したがって、本実施形態によるクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。
典型的な例では、本実施形態のクランク軸は、4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸、又は4気筒-4カウンターウエイトのクランク軸である。ただし、本実施形態のクランク軸はこのタイプに限定されない。例えば、本実施形態のクランク軸は、3気筒エンジン用のクランク軸であってもよいし、直列6気筒エンジン用のクランク軸であってもよい。
肉抜き部及びリブ部が形成されるウエイト部付きアーム部の数は、特に限定されない。クランク軸が複数のウエイト部付きアーム部を有する場合、1つのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよいし、1つ以上のウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよいし、全てのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されてもよい。クランク軸の重量を最大限に低減する観点から、全てのウエイト部付きアーム部に肉抜き部及びリブ部が形成されることが好ましい。
典型的な例では、ウエイト部付きウエイト部の形状は、アーム部の中心線に対して対称である。2つの肉抜き部の形状もアーム部の中心線に対して対称である。ただし、2つの肉抜き部の形状は、アーム部の中心線に対して非対称であってもよい。ウエイト部付きウエイト部の形状もアーム部の中心線に対して非対称であってよい。リブ部の幅はアーム部の中心線に沿って一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
肉抜き部及びリブ部は、ウエイト部及びアーム部のうちのウエイト部のみに形成されてもよいし、ウエイト部及びアーム部の両方に形成されてもよい。ウエイト部付きアーム部の重量を最大限に低減する観点から、ウエイト部及びアーム部の両方に肉抜き部及びリブ部が形成されることが好ましい。
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部及びリブ部を備えるクランクアーム部を側面から見たとき、肉抜き部におけるピン部側とは反対側の端(第1端)は、ウエイト部の最大幅の位置よりもピン部寄りの位置に配置される、ことが好ましい。この場合、ウエイト部において、クランク軸の回転中心(ジャーナル部の軸心)から遠い部分の重量が確保される。そのため、ウエイト部の本来の機能が失われない。
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部及びリブ部を備えるクランクアーム部を側面から見たとき、肉抜き部におけるピン部側の端(第2端)は、ジャーナル部の軸心の位置よりもピン部寄りの位置に配置される、ことが好ましい。この場合、ウエイト部付きアーム部の重量をより低減できる。ただし、肉抜き部の第2端は、ジャーナル部の軸心の位置よりもウエイト部寄りの位置に配置されてもよい。
本実施形態のクランク軸において、肉抜き部が形成された領域におけるカウンターウエイト部の最小幅Lに対するリブ部の幅Xの割合が48%~80%である、ことが好ましい。この場合、重量の増加を最大限に抑えつつ、リブ部の設置効果を有効に得ることができる。
以下に、図面を参照しながら、本実施形態のクランク軸の具体例を説明する。
図17及び図18は、本実施形態のクランク軸におけるウエイト部付きアーム部を示す図である。これらの図のうち、図17は側面図であり、図18はピン部側から見たときの正面図である。図17及び図18に示すウエイト部W付きアーム部Aは、例えば4気筒-8カウンターウエイトのクランク軸が備える8つのウエイト部付きアーム部の全てに適用される。
図17及び図18を参照し、ウエイト部W付きアーム部Aは、アーム部Aの中心線Acに対して対称である。ウエイト部W及びアーム部Aの両方のピン部P側の表面に、2つ肉抜き部10が形成されている。2つの肉抜き部10は、各々が対応するウエイト部Wの2つの側部Wa及びアーム部Aの2つの側部Aaに広がっている。2つの肉抜き部10の形状はアーム部Aの中心線Acに対して対称である。
さらに、ウエイト部W及びアーム部Aの両方のピン部P側の表面に、アーム部Aの中心線Acに沿ってリブ部11が設けられている。リブ部11は2つの肉抜き部10と隣接している。リブ部11の幅Xはアーム部Aの中心線Acに沿って一定である。上記のリブ幅割合X/Lは50%である。
本実施形態のクランク軸では、ウエイト部W付きアーム部Aのうちのウエイト部W及びアーム部Aの両方に2つ肉抜き部及びリブ部が形成される。そのため、ウエイト部W付きアーム部Aの剛性及びその固有振動数を確保しつつ、ウエイト部W付きアーム部Aの重量を減少できる。その結果、本実施形態のクランク軸は、基本性能を維持しつつ、軽量化を実現できる。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、あらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に有効に利用できる。
J、J1~J5 ジャーナル部
Jc ジャーナル部の軸心
P、P1~P4 ピン部
Pc ピン部の軸心
A、A1~A8 クランクアーム部
Aa クランクアーム部の側部
Ac アーム部の中心線
W、W1~W8 カウンターウエイト部
Wa カウンターウエイト部の側部
10 肉抜き部
10a 肉抜き部の第1端
10b 肉抜き部の第2端
11 リブ部

Claims (3)

  1. 複数のジャーナル部と、前記複数のジャーナルに対して偏心した複数のピン部と、各々が対応する前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備えるクランク軸であって、
    前記クランクアーム部の1つ又は1つ以上はカウンターウエイト部を一体で有し、
    前記カウンターウエイト部を有する前記クランクアーム部の少なくとも1つは、
    前記カウンターウエイト部の前記ピン部側の表面に形成され、各々が対応する前記カウンターウエイト部の2つの側部に広がる2つの肉抜き部と、
    前記2つの肉抜き部と隣接し、前記クランクアーム部の中心線に沿って設けられるリブ部と、を備え、
    前記リブ部の幅は前記クランクアーム部の中心線に沿って一定であり、
    前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、前記肉抜き部における前記ピン部側とは反対側の端は、前記ジャーナル部の外周と前記クランクアーム部との交点のうちで前記カウンターウエイト部に最も近い点の位置よりも前記カウンターウエイト部寄りの位置に配置され
    前記肉抜き部が形成された領域における前記カウンターウエイト部の最小幅Lに対する前記リブ部の幅Xの割合が48%~80%である、クランク軸。
  2. 請求項1に記載のクランク軸であって、
    前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、
    前記肉抜き部における前記ピン部側とは反対側の前記端は、前記カウンターウエイト部の最大幅の位置よりも前記ピン部寄りの位置に配置される、クランク軸。
  3. 請求項1又は2に記載のクランク軸であって、
    前記肉抜き部及び前記リブ部を備える前記クランクアーム部を側面から見たとき、
    前記肉抜き部における前記ピン部側の端は、前記ジャーナル部の軸心の位置よりも前記ピン部寄りの位置に配置される、クランク軸。
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