JP7070832B2 - 印刷装置、および、制御プログラム - Google Patents

印刷装置、および、制御プログラム Download PDF

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Description

本明細書は、主走査を行いつつインクを吐出する部分印刷と副走査とを複数回実行することで印刷を行う印刷実行部のための画像処理に関する。
印刷ヘッドのノズルからインクを吐出して画像を印刷するプリンタが知られている。これらのプリンタにおいて、例えば、インクの温度が比較的低い場合には、インクの粘度が高くなるために、インクの収容部から印刷ヘッドへのインクの供給の遅れが発生しやすくなる。インクの供給の遅れが発生すると、印刷画像の色が薄くなるなどにより画質が低下する。
特許文献1には、バンド内でカウントされたドット数が、印刷ヘッドの温度に応じた閾値を超えている場合には、印刷ヘッドの駆動周波数およびキャリッジ速度を低下させるプリンタが開示されている。
特開2005-246641号公報
しかしながら、上記プリンタでは、インクの供給の遅れを抑制し得るが、速いキャリッジ速度で印刷されるバンドと遅いキャリッジ速度で印刷されるバンドとの間で、ドットのずれが発生して画質の低下が発生する場合があった。
本明細書は、インクの供給の遅れを抑制しつつ、インクの供給の遅れを抑制するために画質が低下することを抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷装置であって、インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
上記構成によれば、制御部は、部分印刷にてインク供給部から印刷ヘッドへのインクの供給が遅れ得ることを示す第1条件が満たされる第2の場合には、第1の速度よりも遅い第2の速度で主走査を行わせる。この結果、インクの供給の遅れを抑制できる。さらに、制御部は、第2の場合には、印刷ヘッドが第1の位置よりも主走査の方向の下流側の第2の位置にあるときに、特定の画素に対応するインクを吐出させる。この結果、主走査の速度を遅くしたことに起因して、印刷される画像においてインクによって形成されるドットの位置がずれることを抑制できる。したがって、インクの供給の遅れを抑制しつつ、インクの供給の遅れを抑制するために画質が低下することを抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の印刷装置であって、さらに、
前記印刷ヘッドの前記主走査の方向の位置を検出するエンコーダを備え、
前記制御部は、
前記第1の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて、1回の前記部分印刷の複数回の前記インクの吐出を、前記印刷ヘッドが基準位置にあるときに開始することによって、前記印刷ヘッドが前記第1の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
前記第2の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて、前記複数回の前記インクの吐出を、前記印刷ヘッドが前記基準位置よりも前記主走査の下流側にシフトした位置にあるときに開始することによって、前記印刷ヘッドが前記第2の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
[適用例3]
適用例1に記載の印刷装置であって、さらに、
前記印刷ヘッドの前記主走査の方向の位置を検出するエンコーダを備え、
前記制御部は、
前記第1の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて決定される前記第1の位置に前記印刷ヘッドがあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
前記第2の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて決定される前記第1の位置に前記印刷ヘッドがあるときから所定の遅延時間後に前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させることによって、前記印刷ヘッドが前記第2の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
[適用例4]
適用例1~3のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御部は、前記部分印刷ごとに判断される第2条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第2条件が満たされる場合には、前記第2の速度よりも遅い第3の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第2の位置よりも前記主走査の下流側の第3の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
[適用例5]
適用例1~4のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御部は、前記部分印刷ごとに判断される第3条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第3条件が満たされる場合には、直前の前記部分印刷の後に所定時間だけ待機した後に、前記第2の速度で前記主走査を行わせる、印刷装置。
[適用例6]
適用例1~5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御部は、前記部分印刷ごとに判断される第4条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第4条件が満たされる場合には、1回の前記部分印刷で印刷すべき前記部分画像を、複数回の前記部分印刷に分けて印刷させる、印刷装置。
[適用例7]
適用例1~6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1条件は、指標値を用いて判断され、
前記指標値は、前記部分印刷で印刷される部分画像に対応する部分画像データを用いて算出される前記インクの使用量であって前記部分画像の印刷に用いられる前記インクの使用量に関する値と、前記印刷装置において印刷に用いられた前記インクの累積の使用量に関する値と、のうちのいずれかである、印刷装置。
[適用例8]
適用例7に記載の印刷装置であって、
前記第1条件は、前記指標値が閾値よりも大きいことであり、
前記制御部は、
前記指標値が前記閾値よりも大きな第1値である場合には、前記第1の速度よりも第1量だけ遅い速度を前記第2の速度として前記主走査を行わせ、
前記指標値が前記第1値よりも大きな第2値である場合には、前記第1の速度よりも第2量だけ遅い速度を前記第2の速度として前記主走査を行わせ、
前記第2量は前記第1量よりも多い、印刷装置。
[適用例9]
適用例1~8のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御部は、
前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と同じである場合には、前記第1の位置からのシフト量が第1シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と反対である場合には、前記シフト量が前記第1シフト量とは異なる第2シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置、印刷実行部の制御方法、印刷方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
実施例のプリンタ200の構成を示すブロック図である。 印刷機構100の概略構成を示す図である。 -Z側から見た印刷ヘッド110の構成を示す図である。 印刷機構100の動作の説明図である。 第1実施例の印刷処理のフローチャートである。 制御決定処理のフローチャートである。 制御テーブル群TG(図1)に含まれるテーブルの一例を示す図である。 ドットの形成位置を説明する図である。 ヘッド駆動部120の構成を示すブロック図である。 変形例のシフト量SHの決定の説明図である。
A.第1実施例:
A-1:プリンタ200の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例のプリンタ200の構成を示すブロック図である。
プリンタ200は、例えば、印刷機構100と、プリンタ200のコントローラとしてのCPU210と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。通信部280は、ネットワークNWに接続するための有線または無線のインタフェースを含む。プリンタ200は、通信部280を介して、外部装置、例えば、端末装置300と通信可能に接続される。
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムPGと制御テーブル群TGが格納されている。コンピュータプログラムPGは、本実施例では、プリンタ200を制御するための制御プログラムである。コンピュータプログラムPGと制御テーブル群TGとは、プリンタ200の出荷時に不揮発性記憶装置220に格納されて提供され得る。これに代えて、コンピュータプログラムPGと制御テーブル群TGは、サーバからダウンロードされる形態で提供されても良く、DVD-ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムPGを実行することにより、例えば、後述する印刷処理を実行する。これによって、CPU210は、印刷機構100を制御して印刷媒体(例えば、用紙)上に画像を印刷する。
印刷機構100は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インク(液滴)を吐出して印刷を行う。印刷機構100は、印刷ヘッド110とヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とインク供給部150とエンコーダ160と温度センサ170とを備えている。
図2は、印刷機構100の概略構成を示す図である。図2に示すように、主走査部130は、キャリッジ133と、摺動軸134と、ベルト135と、複数個のプーリ136、137と、を備えている。キャリッジ133は、印刷ヘッド110を搭載する。摺動軸134は、キャリッジ133を主走査方向(図2のX軸方向)に沿って往復動可能に保持する。ベルト135は、プーリ136、137に巻き掛けられ、一部がキャリッジ133に固定されている。プーリ136は、図示しない主走査モータの動力によって回転する。主走査モータがプーリ136を回転させると、キャリッジ133が摺動軸134に沿って移動する。これによって、用紙Mに対して主走査方向に沿って印刷ヘッド110を往復動させる主走査が実現される。
搬送部140は、用紙Mを保持しつつ、搬送方向(図2の+Y方向)に用紙Mを搬送する。以下では、搬送方向の上流側(-Y側)を、単に、上流側とも呼び、搬送方向の下流側(+Y側)を単に下流側とも呼ぶ。詳細な図示を省略するが、搬送部140は、印刷ヘッド110よりも上流側で用紙Mを保持する上流ローラ対と、印刷ヘッド110よりも下流側で用紙Mを保持する下流ローラ対と、モータと、を備える。搬送部140は、モータの動力で、これらのローラを駆動することによって用紙Mを搬送する。
インク供給部150は、印刷ヘッド110にインクを供給する。インク供給部150は、カートリッジ装着部151と、チューブ152と、バッファタンク153と、を備えている。カートリッジ装着部151には、内部にインクが収容された容器である複数個のインクカートリッジKC、CC、MC、YCが着脱可能に装着され、これらのインクカートリッジからインクが供給される。バッファタンク153は、キャリッジ133において、印刷ヘッド110の上方に配置され、印刷ヘッド110に供給すべきインクをCMYKのインクごとに一時的に収容する。チューブ152は、カートリッジ装着部251とバッファタンク153との間を接続するインクの流路となる可撓性の管である。各インクカートリッジ内のインクは、カートリッジ装着部151、チューブ152、バッファタンク153を介して、印刷ヘッド110に供給される。バッファタンク153には、インクに混入した異物を除去するためのフィルタ(図示省略)が設けられている。
図3は、-Z側から見た印刷ヘッド110の構成を示す図である。図3に示すように、印刷ヘッド110のノズル形成面111は、搬送部140によって搬送される用紙Mと対向する面である。ノズル形成面111には、複数のノズルNZからなる複数のノズル列、すなわち、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKが形成されている。各ノズル列は、複数個のノズルNZを含んでいる。複数個のノズルNZは、搬送方向(+Y方向)の位置が互いに異なり、搬送方向に沿って所定のノズル間隔NTで並ぶ。ノズル間隔NTは、複数のノズルNZの中で搬送方向に隣り合う2個のノズルNZ間の搬送方向の長さである。これらのノズル列を構成するノズルのうち、最も上流側(-Y側)に位置するノズルNZを、最上流ノズルNZuとも呼ぶ。また、これらのノズルのうち、最も下流側(+Y側)に位置するノズルNZを、最下流ノズルNZdと呼ぶ。最上流ノズルNZuから最下流ノズルNZdまでの搬送方向の長さに、さらに、ノズル間隔NTを加えた長さを、ノズル長Dとも呼ぶ。
ノズル列NC、NM、NY、NKの主走査方向の位置は、互いに異なり、副走査方向の位置は、互いに重複している。例えば、図3の例では、Yインクを吐出するノズル列NYの+X方向に、ノズル列NMが配置されている。
各ノズルNZは、印刷ヘッド110の内部に形成されたインク流路(図示省略)を介してバッファタンク153に接続されている。印刷ヘッド110の内部の各インク流路に沿ってインクを吐出させるためのアクチュエータ(図示省略)が設けられている。
ヘッド駆動部120(図1)は、主走査部130による主走査中にCPU210から供給される印刷データに従って印刷ヘッド110内の各アクチュエータを駆動する。これによって、搬送部140によって搬送される用紙M上に印刷ヘッド110のノズルNZからインクが吐出されて、ドットが形成される。ヘッド駆動部120の構成については、後述する。
エンコーダ160は、印刷ヘッド110の主走査方向の位置を検出する装置であり、いわゆるリニアエンコーダである。図2に示すように、エンコーダ160は、リニアスケール161と、光学センサ162と、を備えている。リニアスケール161は、主走査方向に延びる帯状の部材であり、筐体内に固定されている。リニアスケール161には、長手方向に沿って光を透過する透過部と光を透過しない非透過部とが交互に形成されている。図2に示されるように、光学センサ162は、キャリッジ133に搭載されており、主走査時には、印刷ヘッド110とともに移動する。光学センサ162は、発光素子と受光素子とを備えており、発光素子と受光素子との間にリニアスケール161が位置するように配置されている。キャリッジ133(印刷ヘッド110)が主走査方向に移動する主走査中には、発光素子から放出される光がリニアスケール161の透過部を透過して受光素子に受光されることと、非透過部によって遮られて受光素子に受光されないことと、が交互に繰り返される。エンコーダ160は、光学センサ162の受光素子にて受光された光の変化を示すパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてキャリッジ133の主走査方向の位置を取得できるので、該パルス信号は、キャリッジ133の主走査方向の位置を示す位置信号と言うことができる。エンコーダ160から出力される位置信号は、例えば、主走査部130やヘッド駆動部120に供給され、主走査や印刷ヘッド110の制御に用いられる。
温度センサ170は、測温抵抗体などを含む公知の温度センサであり、プリンタ200の印刷ヘッド110の近傍に設置される。温度センサ170は、プリンタ200の印刷ヘッド110の温度を示す信号を出力する。
A-2.印刷の概要
CPU210は、主走査部130に主走査を行わせつつ、印刷ヘッド110にインクを吐出させて用紙Mにドットを形成する部分印刷と、搬送部140による副走査(用紙Mの搬送)と、を交互に複数回実行することで、用紙Mに印刷画像を印刷する。
図4は、印刷機構100の動作の説明図である。図4には、用紙Mに、印刷される印刷画像OIが図示されている。印刷画像OIは、複数個の部分画像PI1~PI5を含んでいる。各部分画像は、1回の部分印刷によって印刷される画像である。部分印刷の印刷方向は、往路方向と復路方向とのいずれかである。すなわち、部分印刷は、往路方向(図4の+X方向)の主走査を行いつつドットを形成する往路印刷と、復路方向(図4の-X方向)の主走査を行いつつドットを形成する復路印刷と、のいずれかである。図4にて部分画像内には、+X方向または-X方向の実線の矢印が付されている。+X方向の実線の矢印が付された部分画像PI1、PI3、PI5は、往路印刷によって印刷される往路部分画像である。-X方向の実線の矢印が付された部分画像PI2、PI4は、復路印刷によって印刷される復路部分画像である。
図4に示すように、本実施例の印刷は、往路印刷と復路印刷とが交互に実行される双方向印刷である。双方向印刷は、例えば、往路印刷のみが繰り返し実行される片方向印刷よりも印刷時間を短縮できる。片方向印刷では、往路印刷の後、再度、往路印刷を行うために、部分印刷を行うことなく、印刷ヘッド110を復路方向に移動させる必要があるが、双方向印刷では、その必要がないためである。
図4において、1個の部分画像(例えば、部分画像PI1)から、-Y方向に隣接する他の部分画像(例えば、部分画像PI2)に向かう-Y方向の矢印は、用紙Mの搬送(副走査)に対応している。すなわち、図4において-Y方向の矢印は、用紙Mが搬送されることによって、図4に図示される用紙Mに対して印刷ヘッド110が-Y方向に移動することを示す。図4に示すように、本実施例の印刷は、いわゆる1パス印刷であり、各部分画像の搬送方向の長さ、および、1回の用紙Mの搬送量は、ノズル長Dである。
ここで、印刷時に、インクがノズルNZから吐出されると、インクが吐出された分、バッファタンク153(図2)内のインクが減少するので、バッファタンク153内に負圧が発生する。該負圧によって、カートリッジ装着部151、チューブ152を介して、インクカートリッジからバッファタンク153へインクが供給される。印刷のために短い時間内に複数個のノズルNZからインクが大量に吐出されると、バッファタンク153へのインクの供給の遅れが発生し得る。このようなインクの供給の遅れが発生すると、アクチュエータを駆動しても、インクがノズルNZから吐出されない不具合、あるいは、想定より少量しか吐出されない不具合が発生する。このような不具合が発生すると、印刷画像OIにおいて、色が薄くなり、画質が低下する。
インクの供給の遅れは、インクの流動性が低下すると、発生しやすい。例えば、プリンタ200(印刷機構100)の印刷ヘッド110の温度(以下、ヘッド温度Thとも呼ぶ)が低いほど、インクの供給の遅れが発生しやすい。ヘッド温度Thが低いほどインクの粘度が増大するので、インクの流動性が低下するためである。ここで、累積インク使用量TAは、プリンタ200の製造時から現在まで特定のインク(C、M、Y、Kのいずれか)の累積の使用量を示す指標値である。累積インク使用量TAが大きいほど、特定のインクの供給の遅れが発生しやすい。累積インク使用量TAが大きいほど、インク内の異物を除去するためのフィルタにおける異物の堆積量が増大するので、インクの流路抵抗が増大してインクの流動性が低下するためである。また、パスインク使用量PAは、1回の部分印刷において部分画像の印刷に用いられる特定のインクの使用量を示す指標値である。パスインク使用量PAが大きいほど、特定のインクの供給の遅れが発生しやすい。短時間で特定のインクが使用されるため、特定のインクの供給が追いつかなくなりやすいためである。以下に説明する印刷処理では、インクの供給の遅れを抑制するための工夫と、インクの供給の遅れを抑制するために画質が低下することを抑制する工夫と、がなされている。
A-3.印刷処理
図5は、第1実施例の印刷処理のフローチャートである。プリンタ200のCPU210は、例えば、端末装置300から印刷指示を受信した場合に、印刷処理を開始する。これに代えて、CPU210は、操作部260を介して、ユーザから印刷指示を取得した場合に印刷処理を開始しても良い。印刷指示には、印刷すべき画像を示す画像データの指定が含まれる。
S105では、CPU210は、搬送部140を制御して、図示しない印刷トレイから1枚の用紙Mを、所定の初期位置まで搬送する。
S110では、CPU210は、1回の部分印刷で印刷すべき部分画像に対応する部分画像データを、注目部分画像データとして取得して、バッファ領域331に格納する。例えば、CPU210は、端末装置300から注目部分画像データを受信することによって、注目部分画像データを取得する。注目部分画像データは、本実施例では、色成分ごと、かつ、画素ごとに、ドットの形成状態を示すデータ(ドットデータとも呼ぶ)である。ドットの形成状態は、例えば、「ドット有り」と「ドット無し」とのうちのいずれかである。これに代えて、ドットの形成状態は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」のいずれかであってもよい。なお、変形例では、CPU210は、揮発性記憶装置230に格納された画像データを用いて、注目部分画像データを生成することによって、注目部分画像データを取得しても良い。例えば、画像データのうち、部分画像に対応するデータに対して、色変換処理やハーフトーン処理を含む画像処理を実行して、注目部分画像データが生成される。
なお、注目部分画像データによって示される部分画像を、注目部分画像とも呼ぶ。また、注目部分画像を印刷する部分印刷を注目部分印刷とも呼ぶ。
S110では、CPU210は、搬送部140を制御して、用紙Mに対する印刷ヘッド110の搬送方向の位置が、注目部分画像が印刷されるべき位置となるように、用紙Mを搬送する。
S120では、CPU210は、制御決定処理を実行する。制御決定処理は、部分印刷を行うための複数種類の制御の中から、注目部分印刷において実行すべき制御(実行制御とも呼ぶ)を決定する処理である。制御決定処理によって、後述する5種類の制御(通常制御、特別制御A~D)の中から、1個の実行制御が決定される。
図6は、制御決定処理のフローチャートである。図7は、制御テーブル群TG(図1)に含まれるテーブルの一例を示す図である。御決定処理が開始されると、S210では、CPU210は、温度センサ170からの信号に基づいて、プリンタ200の印刷ヘッド110のヘッド温度Thを取得する。
S220では、CPU210は、不揮発性記憶装置220から印刷に用いられる各インクの累積インク使用量TAを取得する。累積インク使用量TAは、不揮発性記憶装置220の所定領域に、CMYKの各インクについて、それぞれ記録されている。CPU210は、印刷を実行する度に、例えば、印刷で形成されたドット数に基づいて各色のインクの使用量を算出して、累積インク使用量TAを更新している。本ステップでは、例えば、モノクロ印刷の場合には、Kインクの累積インク使用量TAが取得され、カラー印刷の場合には、CMYKの各インクの累積インク使用量TAが取得される。
S230では、CPU210は、ヘッド温度Thと累積インク使用量TAとに基づいて、閾値テーブルTTから、印刷に用いられる各インクに対応する判定閾値JTを取得する。図7(A)には、閾値テーブルTTの一例が示されている。閾値テーブルTTには、ヘッド温度Thと累積インク使用量TAとの組み合わせに対して、対応する判定閾値JTが記録されている。例えば、図7(A)の例では、取得されたヘッド温度Thが、予め定められた「中」の範囲内であり、かつ、特定のインクについて取得された累積インク使用量TAが、予め定められた「大」の範囲内である場合には、特定のインクに対応する判定閾値JTとして、「75%」が取得される。モノクロ印刷の場合には、Kインクに対応する判定閾値JTが取得され、カラー印刷の場合には、CMYKの各インクに対応する判定閾値JTが取得される。
図7(A)に示すように、閾値テーブルTTにおいて、累積インク使用量TAが大きいほど、判定閾値JTが低く設定されている。また、ヘッド温度Thが低いほど、判定閾値JTが低く設定されている。
S240では、CPU210は、注目部分画像データを用いて、印刷に用いられる各インクのドット形成率DRを算出する。ドット形成率DRは、注目部分画像の総画素数に占めるドット画素の割合である。ドット画素は、注目部分画像データにおいてドットの形成を示す値を有する画素である。ドット形成率DRが高いほど、パスインク使用量PAが大きくなるので、ドット形成率DRは、パスインク使用量PAを示す指標値である。モノクロ印刷の場合には、Kインクに対応するドット形成率DRが算出され、カラー印刷の場合には、CMYKの各インクに対応するドット形成率DRが算出される。
S250では、CPU210は、印刷に用いられる少なくとも1個のインクについて、ドット形成率DRが判定閾値JTよりも大きいか否かを判断する。ドット形成率DRが判定閾値JTよりも大きい場合には、短時間の間に多量のインクが吐出されるので、インクの供給の遅れが発生し得る。印刷に用いられる少なくとも1個のインクについて、ドット形成率DRが判定閾値JTよりも大きい場合には(S250:YES)、S270にて、CPU210は、制御選択テーブルSTを参照して、特別制御A~Dから、実行制御を決定する。
図7(B)には、制御選択テーブルSTの一例が示されている。制御選択テーブルSTには、ヘッド温度Thと累積インク使用量TAとドット形成率DRとの組み合わせに対して、対応する実行制御(特別制御A~Dのいずれか)が記録されている。図7(B)には、制御選択テーブルSTのうち、第1テーブルST1と第2テーブルST2とが代表して図示されている。第1テーブルST1には、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」である場合に、判定閾値JTに応じて決定すべき実行制御が記録されている。第2テーブルST2には、累積インク使用量TAが「大」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」である場合に、判定閾値JTに応じて決定すべき実行制御が記録されている。
詳細は後述するが、特別制御D、特別制御C、特別制御B、特別制御A、通常制御の順で、インクの供給が遅れ難い、すなわち、インクの供給の遅れをより抑制できる。図7(B)に示すように、各制御選択テーブルST(例えば、テーブルST1、ST2)は、ドット形成率DRが高いほど、インクの供給が遅れ難い制御が選択されるように設定されている(図7(B))。また、第1テーブルST1と第2テーブルST2とを比較すれば解るように、同じドット形成率DRであれば、累積インク使用量TAが大きいほど、インクの供給が遅れ難い制御が選択されるように設定されている(図7(B))。図示は省略するが、同じドット形成率DRであれば、ヘッド温度Thが低いほど、インクの供給が遅れ難い制御が選択されるように設定されている。
なお、図示は省略するが、以下の4つの場合についても、対応する制御選択テーブルSTがそれぞれ用意されている。
(1)累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「中」である場合
(2)累積インク使用量TAが「中」であり、かつ、ヘッド温度Thが「中」である場合
(3)累積インク使用量TAが「大」であり、かつ、ヘッド温度Thが「中」である場合
(4)累積インク使用量TAが「中」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」である場合
なお、ヘッド温度Thが「中」である場合には、対応する判定閾値JTが「100%」であり、ドット形成率DRが100%より大きくなることはないので、対応する制御選択テーブルSTは、用意されていない。
図7(B)に示すように、例えば、累積インク使用量が「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、ドット形成率DRが85%である場合には、特別制御Bが実行制御として決定される。また、累積インク使用量が「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、ドット形成率DRが100%である場合には、特別制御Dが実行制御として決定される。
例えば、モノクロ印刷の場合には、Kインクについて決定される実行制御が、そのまま最終的な実行制御に決定される。カラー印刷の場合には、CMYKの各インクについて実行制御が決定される。そして、各インクについて実行制御のうち、最もインクの供給の遅れを抑制できる制御が、最終的な実行制御に決定される。例えば、K、M、Yの各インクの実行制御が、特別制御Aに決定され、Cインクの実行制御が、特別制御Cに決定される場合には、特別制御Aよりもインクの供給の遅れを抑制できる特別制御Cが、最終的な実行制御に決定される。
印刷に用いられる全てのインクについて、ドット形成率DRが判定閾値JT以下である場合には(S250:NO)、S260にて、CPU210は、通常制御を実行制御として決定する。S260またはS270にて実行制御が決定されると、制御決定処理は終了される。
制御決定処理が終了すると、図5のS125では、CPU210は、図7(C)の制御条件テーブルCTを参照して、決定された実行制御を用いて、部分印刷を実行する。これによって、印刷機構100によって、注目部分画像が用紙M上に印刷される。図7(C)の制御条件テーブルCTについては後述する。
S130では、CPU210は、処理対象のページ分の画像データを処理したか否かを判断する。換言すれば、処理対象のページを示す印刷画像の印刷が完了したか否かを判断する。処理対象のページ分の画像データが処理された場合には(S130:YES)、CPU210は、処理をS135に進める。処理対象のページについて未処理の画像データがある場合には(S130:NO)、CPU210は、S110に戻る。
S135では、CPU210は、印刷すべき全ページ分の画像データを処理したか否かを判断する。全ページ分の画像データが処理された場合には(S135:YES)、CPU210は、印刷処理を終了する。未処理の画像データがある場合には(S135:NO)、CPU210は、S105に戻る。
A-4.部分印刷の制御
部分印刷の5種類の制御(通常制御と、特別制御A~D)について説明する。図7(C)の制御条件テーブルCTには、これらの各制御の制御条件が記録されている。制御条件テーブルCTに示すように、各制御は、主走査速度SS、シフト量SH、ウエイトの有無、分割の有無のうちの少なくとも1つの項目が異なる。
主走査速度SSは、部分印刷を行う際の主走査において、印刷ヘッド110が主走査方向に移動する速度である。主走査速度SSは、速い順に、高、中、低の3段階のいずれかに設定される(図7(C))。「中」の主走査速度SSは、例えば、「高」の主走査速度SSの(1/2)の速度である。「低」の主走査速度SSは、例えば、「中」の主走査速度SSの(1/2)の速度である。主走査速度SSが遅いほど、短時間に多量のインクが吐出されることを抑制できるので、インクの供給の遅れを抑制できる。
シフト量SHは、部分印刷において、インクが吐出される主走査方向の位置(吐出位置とも呼ぶ)が、基準位置からシフトされる量である。基準位置は、主走査速度SSが「高」である場合における吐出位置である。したがって、図7(C)に示すように、主走査速度SSが「高」である制御(例えば、通常制御)では、シフト量SHは、「0」である。主走査速度SSが「中」である制御(例えば、特別制御A)では、シフト量SHは、「小」である。主走査速度SSが「低」である制御(例えば、特別制御B)では、シフト量SHは、「大」である。
「小」のシフト量SHsは、「中」の主走査速度SSで部分画像を印刷した場合に用紙M上においてドットが形成される主走査方向の位置(形成位置とも呼ぶ)が、「高」の主走査速度SSで部分画像を印刷した場合におけるドットの形成位置と同じになるように決定されている。
「大」のシフト量SHbは、「低」の主走査速度SSで部分画像を印刷した場合におけるドットの形成位置が、「高」の主走査速度SSで部分画像を印刷した場合におけるドットの形成位置と同じになるように決定されている。
図8は、ドットの形成位置を説明する図である。図8において、インクI1は、往路印刷で印刷される部分画像内の第1の画素に対応するインクであり、往路印刷中に印刷ヘッド110から吐出されるインクを示す。インクI2は、復路印刷で印刷される部分画像内の第2の画素に対応するインクであり、復路印刷中に印刷ヘッド110から吐出されるインクを示す。図8(A)には、主走査速度SSが「高」である場合が示されている。往路印刷中に吐出されるインクI1は、往路方向(+X方向)の速度を有するので、吐出位置よりも+X側に着弾する。復路印刷中に吐出されるインクI2は、復路方向(-X方向)の速度を有するので、吐出位置よりも-X側に着弾する。このために、用紙M上の目標位置XtにドットD1を形成するために、往路印刷では、吐出位置X1が目標位置Xtよりも-X側(図8の左側)に設定される。用紙M上の目標位置XtにドットD2を形成するために、復路印刷では、吐出位置X2が目標位置Xtよりも+X側(図8の右側)に設定されている。
図8(B)、(C)には、主走査速度SSが「中」である場合が示されている。図8(B)には、主走査速度SSが「高」である場合(図8(A))と比較して、吐出位置が主走査の方向に「小」のシフト量SHsだけシフトされる例(本実施例)が示されている。図8(C)には、主走査速度SSが「高」である場合(図8(A))と同じ吐出位置である例、すなわち、吐出位置をシフトしない例(比較例)が示されている。
主走査速度SSが「中」である場合には、インクI1、I2の往路方向または復路方向の速度が、主走査速度SSが「高」である場合よりも小さい。このために、図8(B)に示すように、本実施例では、主走査速度SSが「中」である場合には、往路印刷では、吐出位置が、主走査速度SSが「高」である場合と比較して、適切なシフト量SH(すなわち、「小」のシフト量SHs(図7(C)))だけ往路方向にシフトされる。また、主走査速度SSが「中」である場合には、復路印刷では、吐出位置が、主走査速度SSが「高」である場合と比較して、シフト量SHsだけ復路方向にシフトされる。この結果、主走査速度SSが「中」である場合であっても、主走査速度SSが「高」である場合と同様の目標位置XtにドットD1、D2を形成することができる。
仮に、図8(C)に示すように、吐出位置のシフトを行わない場合には、往路印刷では、ドットD1は、目標位置Xtよりも-X側に形成され、復路印刷では、ドットD2は、目標位置Xtよりも+X側に形成される。このため、吐出位置のシフトを行わない場合には、「高」の主走査速度SSで印刷される部分画像と、「中」の主走査速度SSで印刷される部分画像と、の間で、ドットの形成位置のずれが発生して、印刷される画像の画質が低下する。
図8(D)には、主走査速度SSが「低」である場合が示されている。主走査速度SSが「低」である場合には、インクI1、I2の往路方向または復路方向の速度が、主走査速度SSが「中」である場合よりも小さい。このために、図8(D)に示すように、本実施例では、主走査速度SSが「低」である場合には、往路印刷では、吐出位置が、主走査速度SSが「中」である場合よりも大きなシフト量SHbだけ往路方向にシフトされる。また、主走査速度SSが「低」である場合には、復路印刷では、吐出位置が、主走査速度SSが「中」である場合よりも大きなシフト量SHbだけ復路方向にシフトされる。この結果、主走査速度SSが「低」である場合であっても、主走査速度SSが「高」や「中」である場合と同様の目標位置XtにドットD1、D2を形成することができる。
ウエイトが「有」である制御では、部分印刷を行う前に、僅かな待機時間(例えば、約1秒)だけ待機が行なわれる。待機期間を設けることによって、その間にインクの供給が進行するので、インクの供給の遅れが発生することを抑制できる。ウエイトが「無」である制御では、部分印刷を行う前に、このような待機は、行われない。
分割が「有」である制御では、搬送方向の長さがノズル長Dである1個の注目部分画像が、2回の部分印刷に分けて印刷される。本実施例の分割では、例えば、注目部分印刷が往路印刷である場合には、注目部分画像は、2回の往路印刷で印刷される。具体的には、下流側の(D/2)分のノズルNZを用いて、注目部分画像のうちの下流側の半分の画像が1回目の往路印刷で印刷される。その後に用紙Mの搬送が行われることなく、かつ、インクが吐出されることなく、印刷ヘッド110が復路方向に移動されて、印刷ヘッド110が用紙Mより復路方向の位置に戻される。そして、上流側の(D/2)分のノズルNZを用いて、注目部分画像のうち上流側の半分の画像が2回目の往路印刷で印刷される。また、注目部分印刷が復路印刷である場合には、注目部分画像は、2回の復路印刷で印刷される。このような分割を行うことで、短時間に多量のインクが吐出されることを抑制できるので、インクの供給の遅れを抑制できる。分割が「無」である制御では、1個の注目部分画像は、1回の部分印刷で印刷される。
なお、変形例の分割では、例えば、注目部分画像のうちの下流側の半分の画像が往路印刷で印刷され、上流側の半分の画像が復路印刷で印刷されても良い。
図7(C)の制御条件テーブルCTに示すように、通常制御では、主走査速度SSは「高」であり、シフト量SHは「0」であり、ウエイトおよび分割は「無」である。特別制御Aでは、主走査速度SSは「中」であり、シフト量SHは「小」であり、ウエイトおよび分割は「無」である。特別制御Bでは、主走査速度SSは「低」であり、シフト量SHは「大」であり、ウエイトおよび分割は「無」である。特別制御Cでは、主走査速度SSは「中」であり、シフト量SHは「小」であり、ウエイトは「有」であり、分割は「無」である。特別制御Dでは、主走査速度SSは「高」であり、シフト量SHは「0」であり、ウエイトおよび分割は「有」である。特別制御D、特別制御C、特別制御B、特別制御A、通常制御の順で、インクの供給が遅れ難い、すなわち、インクの供給の遅れをより抑制できる。
A-5.吐出位置をシフトする制御
次に、上述した特別制御A~Cで行われる吐出位置をシフトする制御について説明する。図9は、ヘッド駆動部120の構成を示すブロック図である。ヘッド駆動部120は、位置信号生成回路121と、駆動信号生成回路122と、タイミング補正回路123と、DAコンバータ124と、を備えている。位置信号生成回路121と、駆動信号生成回路122と、タイミング補正回路123とは、例えば、ASICなどのハードウエア回路を用いて構成されている。
位置信号生成回路121は、エンコーダ160から供給される位置信号PS1に基づいて、位置信号PS1よりも高い分解能で印刷ヘッド110の主走査方向の位置を示す位置信号PS2を生成する。位置信号生成回路121は、位置信号PS1のパルス間隔を複数個の信号に分割することによって、位置信号PS2を生成する。
駆動信号生成回路122は、CPU210から供給される部分画像データPDに基づいて、印刷ヘッド110のノズルNZの各アクチュエータを駆動するための駆動パルスを含む駆動信号DSaを生成する。駆動信号生成回路122は、位置信号生成回路121から供給される位置信号PS2に基づいて印刷ヘッド110の主走査方向の位置を認識することができる。駆動信号生成回路122は、主走査中の印刷ヘッド110がインクを吐出すべき吐出位置に到達するタイミングに合わせて駆動パルスを発生させることで、駆動信号DSaを生成する。
タイミング補正回路123は、図示しないクロック信号を用いて、駆動信号DSaに含まれる駆動パルスを、パルスごとに供給される補正量分だけ遅延させる回路である。タイミング補正回路123からは、補正後の駆動信号DSbが出力される。タイミング補正回路123は、例えば、印刷ヘッド110と用紙Mとの距離に応じて、インクを吐出するタイミングを微調整するためなどに用いられる。補正量は、例えば、CPU210から指示される。なお、本実施例では、タイミング補正回路123は、吐出位置をシフトするためには用いられない。
DAコンバータ124は、補正後の駆動信号DSbを、ノズルNZを駆動するアクチュエータに供給される駆動電圧DVに変換する回路である。DAコンバータ124から出力される駆動電圧DVは、印刷ヘッド110に供給される。この結果、印刷ヘッド110内のアクチュエータが駆動されてノズルNZからインクが吐出される。
本実施例では、図9(A)に示すように、CPU210は、シフト量SHを駆動信号生成回路122に供給する。駆動信号生成回路122は、供給されるシフト量SHが「0」である場合には、1回の部分印刷の複数回のインクの吐出を、印刷ヘッド110が所定の基準位置にあるときに開始するように、駆動信号DSaを生成する。駆動信号生成回路122は、供給されるシフト量SHが「小」または「大」である場合には、1回の部分印刷の複数回のインクの吐出を、印刷ヘッド110が所定の基準位置よりも「小」または「大」のシフト量SH分だけ主走査の下流側にあるときに開始するように、駆動信号DSaを生成する。印刷ヘッド110の位置は、上述したように、位置信号PS2に基づいて判断される。これによって、CPU210は、エンコーダ160からの位置信号PS1に基づいて、吐出位置のシフトを実現することができる。したがって、通常制御および特別制御A~Dにおいて、適切な印刷ヘッド110の位置でインクを吐出させることができる。なお、本実施例では、タイミング補正回路123は、利用されないので、補正後の駆動信号DSbは、駆動信号DSaと同じ信号である。
変形例では、図9(B)に示すように、CPU210は、シフト量SHに相当する遅延時間LTをタイミング補正回路123に供給する。駆動信号生成回路122は、シフト量SHに拘わらずに、1回の部分印刷の複数回のインクの吐出を、印刷ヘッド110が所定の基準位置にあるときに開始する。タイミング補正回路123は、駆動信号DSaに含まれる各駆動パルスを、シフト量SHに相当する遅延時間LT分だけ遅延させる。
したがって、変形例では、シフト量SHが「0」である場合には、タイミング補正回路123は、駆動信号DSaに含まれる各駆動パルスを遅延させない。したがって、タイミング補正回路123から出力される補正後の駆動信号DSbは、駆動信号DSaと同じである。このために、この場合には、エンコーダ160からの位置信号PS1に基づいて決定される吐出位置(すなわち、駆動信号DSaに従う吐出位置)に印刷ヘッド110があるときに、インクが吐出される。
また、変形例では、シフト量SHが「小」または「大」である場合には、タイミング補正回路123は、駆動信号DSaに含まれる各駆動パルスを、「小」または「大」のシフト量SHに相当する遅延時間LT分だけ遅延させる。したがって、タイミング補正回路123から出力される補正後の駆動信号DSbは、駆動信号DSaよりも遅延されている。このために、この場合には、エンコーダ160からの出力信号に基づいて決定される吐出位置に印刷ヘッド110があるときから所定の遅延時間LT後にインクを吐出される。これによって、CPU210は、遅延時間LTを用いて、適切な印刷ヘッド110の位置でインクを吐出させることができる。
以上説明した本実施例によれば、部分印刷ごとに判断され、インクの供給が遅れ得ることを示す第1条件が満たされる場合には、特別制御Aが実行される。第1条件は、例えば、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、判定閾値JTが70%~80%である場合である(図7(A)、(B))。さらに、第1条件が満たされない場合、例えば、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、判定閾値JTが70%未満である場合には、通常制御が実行される。
通常制御では、部分印刷において、「高」の主走査速度SSで主走査を行わせ、印刷ヘッド110が主走査の方向の第1の吐出位置X1にあるときに、インクI1を吐出させる(図8(A))。特別制御Aでは、「高」よりも遅い「中」の主走査速度SSで主走査を行わせ、印刷ヘッド110が第1の吐出位置X1よりも主走査の下流側の第2の吐出位置(X1+SH)にあるときに、インクI1を吐出させる(図8(B))。
これによって、特別制御Aでは、「高」よりも遅い「中」の主走査速度SSで主走査を行わせるので、インクの供給の遅れを抑制できる。さらに、特別制御Aでは、印刷ヘッド110が第1の吐出位置X1よりも主走査の下流側の第2の吐出位置(X1+SHs)にあるときに、インクI1を吐出させる。この結果、主走査速度SSを遅くしたことに起因して、印刷画像OIにおいてドットの形成位置がずれることを抑制できる。したがって、インクの供給の遅れを抑制しつつ、インクの供給の遅れを抑制するために画質が低下することを抑制できる。
さらに、本実施例によれば、部分印刷ごとに判断され、第1条件が満たされる場合よりも印刷ヘッド110へのインクの供給が遅れやすいことを示す第2条件が満たされる場合には、制御Bが実行される。第2条件は、例えば、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、判定閾値JTが80%~90%である場合である(図7(A)、(B))。
特別制御Bでは、部分印刷において、「中」よりも遅い「低」の主走査速度SSで主走査を行わせ、印刷ヘッド110が第2の吐出位置(X1+SHs)よりも主走査の下流側の第3の吐出位置(X1+SHb)にあるときに、インクI1を吐出させる(図8(D))。
これによって、特別制御Bでは、「中」よりも遅い「低」の主走査速度SSで主走査を行わせるので、インクの供給の遅れをさらに抑制できる。さらに、特別制御Bでは、印刷ヘッド110が第2の吐出位置(X1+SHs)よりも主走査の下流側の第3の吐出位置(X1+SHb)にあるときに、インクI1を吐出させるので、主走査速度SSをさらに遅くしたことに起因して、印刷画像OIにおいてドットの形成位置がずれることを抑制できる。したがって、インクの供給の遅れをさらに抑制しつつ、インクの供給の遅れを抑制するために画質が低下することを抑制できる。
さらに、本実施例によれば、部分印刷ごとに判断され、第1条件や第2条件が満たされる場合よりも印刷ヘッド110へのインクの供給が遅れやすいことを示す第3条件が満たされる場合には、特別制御Cが実行される。第3条件は、例えば、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、判定閾値JTが90%~95%である場合である(図7(A)、(B))。特別制御Cでは、直前の部分印刷の後に所定の待機時間だけ待機した後に、「中」の主走査速度SSで主走査を行わせて、注目部分印刷を実行させる。この結果、インクの供給の遅れをさらに抑制できる。
さらに、本実施例によれば、部分印刷ごとに判断され、第1条件~第3条件が満たされる場合よりも印刷ヘッド110へのインクの供給が遅れやすいことを示す第4条件が満たされる場合には、特別制御Dが実行される。第4条件は、例えば、累積インク使用量TAが「小」であり、かつ、ヘッド温度Thが「低」であり、かつ、判定閾値JTが95%を超える場合である(図7(A)、(B))。特別制御Dでは、1回の部分印刷で印刷すべき注目部分画像を、2回の部分印刷に分けて印刷させる。この結果、インクの供給の遅れをさらに抑制できる。
さらに、本実施例によれば、第1条件~第4条件が満たされるか否かは、累積インク使用量TAとドット形成率DRを用いて判断される。この結果、インクの供給が遅れ得るか否か、あるいは、インクの供給の遅れやすさを適切に判断できる。
具体的には、上述したように、累積インク使用量TAが大きいほど、インクの供給の遅れが発生しやすい。さらに、ドット形成率DRが大きいほど、パスインク使用量PAが大きくなるので、特定のインクの供給の遅れが発生しやすい。これを考慮して、閾値テーブルTTでは、累積インク使用量TAが大きいほど、ドット形成率DRについて設定される判定閾値JTが小さく設定されている(図7(A))。また、制御選択テーブルSTは、ドット形成率DRが高いほど、インクの供給が遅れ難い制御(インクの供給の遅れをより抑制できる制御)が選択されるように設定されている(図7(B))。この結果、累積インク使用量TAやドット形成率DRを用いて、インクの供給が遅れ得るか否か、あるいは、インクの供給の遅れやすさを適切に判断できる。
さらに、インクの供給の遅れは、ヘッド温度Thが低いほど発生しやすい。本実施例では、第1条件~第4条件が満たされるか否かは、ヘッド温度Thを用いて判断される(図7(A)、図7(B))。例えば、閾値テーブルTTでは、ヘッド温度Thが低いほど、ドット形成率DRについて設定される判定閾値JTが小さく設定されている(図7(A))。この結果、ヘッド温度Thを用いて、インクの供給が遅れ得るか否か、あるいは、インクの供給の遅れやすさを適切に判断できる。
また、図7(B)のテーブルST1の例では、ドット形成率DRが判定閾値JT(70%)よりも大きな第1値(例えば75%)である場合には、「中」の主走査速度SSが採用される特別制御Aが選択される。そして、ドット形成率DRが、第1値よりも大きな第2値(例えば85%)である場合には、「低」の主走査速度SSが採用される特別制御Bが選択される。すなわち、本実施例によれば、ドット形成率DRが第1値である場合には、「高」の主走査速度SSよりも第1量だけ遅い「中」の主走査速度SSで主走査が行われ、ドット形成率DRが第1値よりも大きな第2値である場合には、「高」の主走査速度SSよりも第2量(ただし、第2量は第1量よりも多い)だけ遅い「低」の主走査速度SSで主走査が行われる。この結果、ドット形成率DRの大きさに応じて、適切な速度で主走査が行われるので、インクの供給の遅れをさらに効果的に抑制できる。
以上の説明から解るように、本実施例のCPU210とヘッド駆動部120との全体は、制御部の例である。
B.変形例
(1)上記実施例では、図7(C)の制御条件テーブルCTを参照して、シフト量SHが決定される。シフト量SHの決定方法は、これに限られない。図10は、変形例のシフト量SHの決定の説明図である。
本変形例の印刷処理では、ユーザの指示に基づいて、片方向印刷と、双方向印刷と、のいずれが実行される。片方向印刷は、往路印刷および復路印刷のうちのいずれか一方のみが実行される。双方向印刷は、実施例で説明したように、往路印刷と復路印刷とが交互に実行される。本変形例の印刷処理では、主走査速度SSは、例えば、図7(C)の制御条件テーブルCTを参照して決定される。そして、本実施例の印刷処理では、シフト量SHは、図10(A)のシフト量設定テーブルSFTを参照して決定される。
シフト量設定テーブルSFTには、直前の部分印刷の主走査速度SSと、注目部分印刷の主走査速度SSと、印刷タイプ(片方向印刷または双方向印刷)と、の組み合わせに対して、対応するシフト量SHが記録されている。例えば、直前の部分印刷の主走査速度SSが「高」であり、注目部分印刷の主走査速度SSが「中」であり、印刷タイプが片方向印刷である場合には、注目部分印刷のシフト量SHは、「SHA」に決定される。また、直前の部分印刷の主走査速度SSが「高」であり、注目部分印刷の主走査速度SSが「低」であり、印刷タイプが双方向刷である場合には、注目部分印刷のシフト量SHは、「SHD」に決定される。シフト量設定テーブルSFTに記録されたシフト量SHA~SHFは、互いに異なり得る。
シフト量SHA~SHFは、例えば、図10(B)に示すテスト画像TIをプリンタ200を用いて印刷し、印刷されたテスト画像TIを目視で評価することによって決定される。テスト画像TIは、ハッチングで示される第1部分P1と、クロスハッチングで示される第2部分P2と、を含んでいる。画像データ上では、第1部分P1と、第2部分P2と、は同じ色を有する画像であり、第1部分P1と第2部分P2との境界PSに隙間や重なりはない。すなわち、テスト画像TIは、画像データ上では、均一な色を有する1個の長方形である。
例えば、シフト量設定テーブルSFTに記録されたシフト量SHAは、以下のように決定される。プリンタ200は、第1部分P1を、「高」の主走査速度SSの往路印刷で印刷し、第2部分P2を、「中」の主走査速度SSの往路印刷で印刷することによって、複数個のテスト画像TIを印刷する。このとき、「高」の主走査速度SSの往路印刷のシフト量は、「0」にされ、「中」の主走査速度SSの往路印刷のシフト量は、複数個のテスト画像TIのそれぞれで異なる候補量に設定される。シフト量が適切であれば、テスト画像TIにおいて第1部分P1と第2部分P2との境界PSに隙間や重なりが現れない。シフト量が不適切であれば、テスト画像TIにおいて第1部分P1と第2部分P2との境界PSに隙間や重なりが現れる。このために、試験者は、複数個のテスト画像TIを目視で確認して、境界PSに隙間や重なりが現れない1個のテスト画像TIを特定する。特定されたテスト画像TIに対応するシフト量が、シフト量SHAとしてシフト量設定テーブルSFTに記録される。
シフト量設定テーブルSFTに記録されたシフト量SHBを決定する際には、第1部分P1が、「高」の主走査速度SSの往路印刷で印刷され、第2部分P2が、「中」の主走査速度SSの復路印刷で印刷することによって、複数個のテスト画像TIが印刷される。そして、シフト量SHAを決定する際と同様の評価法によって、シフト量SHBが決定される。他のシフト量SHC~SHFも同様に決定される。
例えば、主走査中に、インク供給部150のチューブ152によって印刷ヘッド110にかかる負荷などの様々な物理的な要因によって、往路方向の主走査と復路方向の主走査では速度が微妙に異なり得る。この結果、直前の部分印刷の主走査速度SSや主走査の方向と、注目部分印刷の主走査速度SSや主走査の方向と、の組み合わせによって、ドットの形成位置のずれを抑制する適切なシフト量SHは異なり得る。本変形例によれば、当該組み合わせごとに、互いに異なるシフト量を設定できるので、印刷画像の画質がドットの形成位置のずれに起因して低下することを、より効果的に抑制できる。
以上の説明から解るように、本変形例では、CPU210は、注目部分印刷の主走査の方向が、直前の部分印刷の主走査の方向と同じである場合には(例えば、片方向印刷の場合)、シフト量SHを第1シフト量(例えば、図10(A)のSHA、SHC、SHE)に設定し、注目部分印刷の主走査の方向が、直前の部分印刷の主走査の方向と反対である場合には(例えば、双方向印刷の場合)、シフト量SHを第1シフト量とは異なる第2シフト量(例えば、図10(B)のSHB、SHD、SHF)に設定する。この結果、注目部分印刷の主走査の方向が、直前の部分印刷の主走査の方向と同じである場合と反対である場合とで、それぞれ適切なシフト量が用いられ得る。この結果、主走査の速度を遅くしたことに起因して、印刷される画像においてインクによって形成されるドットの位置がずれることをより適切に抑制できる。
(2)上記実施例では、4種類の特別制御A~Dを採用しているが、これに限られない。例えば、特別制御Aだけが採用されても良い。この場合には、例えば、図5のS250にて、少なくとも1個のインクについて、ドット形成率DRが判定閾値JTよりも大きい場合には(S250:YES)、S270にて、特別制御Aが実行制御として決定される。そして、ドット形成率DRが判定閾値JT以下である場合には(S250:NO)、S260にて、通常制御が実行制御として決定される。
また、4種類の特別制御A~Dのうちの任意の2種類、もしくは、3種類だけが採用されても良い。例えば、特別制御A、Bの2種類だけが採用されても良いし、特別制御A、Cの2種類だけが採用されても良い。
(3)上記実施例では、インクの供給の遅れが発生し得るか否かを示す条件は、ヘッド温度Thと累積インク使用量TAとドット形成率DRとを用いて判断されているが、これに限られない。例えば、ヘッド温度Thとドット形成率DRのみを用いて判断されても良い。この場合には、例えば、図7(A)の閾値テーブルTTには、3種のヘッド温度Th(低、中、高)に対応する3個の判定閾値JTのみが規定されていれば良い。また、累積インク使用量TAとドット形成率DRのみを用いて判断されても良い。この場合には、閾値テーブルTTには、3種の累積インク使用量TA(小、中、大)に対応する3個の判定閾値JTのみが規定されていれば良い。
また、ドット形成率DRに代えて、パスインク使用量PAに関する別の指標値が採用されても良い。例えば、別の指標値は、注目部分画像を印刷する際に形成される各インクのドットの総数であっても良い。また、累積インク使用量TAに代えて、累積インク使用量に関する別の指標値が採用されても良い。例えば、別の指標値は、累積印刷枚数であっても良い。累積印刷枚数が大きいほど、累積インク使用量TAが大きいと言えるので、累積印刷枚数は、累積インク使用量TAに関する指標値である、と言うことができる。
(4)上記実施例の印刷機構100では、搬送部140が用紙Mを搬送することによって、印刷ヘッド110に対して用紙Mを搬送方向に相対的に移動させる副走査が行われる。これに代えて、副走査は、固定された用紙Mに対して、印刷ヘッド110を搬送方向と反対方向に移動させることによって、行われてもよい。
(5)印刷媒体として、用紙Mに代えて、他の媒体、例えば、OHP用のフィルム、CD-ROM、DVD-ROMが採用されても良い。
(6)上記各実施例では、図5の印刷処理を実行する装置は、プリンタ200のCPU210である。これに代えて、図5の印刷処理は、他の種類の装置、例えば、端末装置300であっても良い。この場合には、例えば、端末装置300は、ドライバプログラムを実行することによってプリンタドライバとして動作し、該プリンタドライバとしての機能の一部として印刷実行部としてのプリンタ200を制御して、図7の印刷処理を実行させる。この場合には、端末装置300は、図5のS105、S115の用紙Mの搬送は、用紙Mの搬送量を示す情報を含む搬送コマンドをプリンタ200に送信することによって実現する。また、端末装置300は、図5のS110の部分画像データの取得は、例えば、RGB画像データなどの画像データに対して色変換処理やハーフトーン処理を含む処理を実行して、ドットデータを生成することによって実現する。また、端末装置300は、図5のS125の部分印刷は、例えば、部分画像データと、主走査速度SSを示す情報と、シフト量SHと、を含む部分印刷コマンドを、プリンタ200に送信することによって実現する。
以上の説明から解るように、上記実施例では、印刷機構100が印刷実行部の例であり、本変形例のように端末装置300が印刷処理を実行する場合には、印刷を実行するプリンタ200の全体が印刷実行部の例である。
(7)図5の印刷処理を実行する装置は、例えば、プリンタ200や端末装置300から画像データを取得して、該画像データを用いて上述した搬送コマンドや部分印刷コマンドを生成し、これらのコマンドをプリンタ200に送信するサーバであっても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。
(8)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図5の印刷処理のうち、一部の処理は、CPU210の指示に従って動作する専用のハードウェア回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100…印刷機構、110…印刷ヘッド、111…ノズル形成面、120…ヘッド駆動部、121…位置信号生成回路、122…駆動信号生成回路、123…タイミング補正回路、130…主走査部、133…キャリッジ、134…摺動軸、135…ベルト、136…プーリ、140…搬送部、150…インク供給部、151…カートリッジ装着部、152…チューブ、153…バッファタンク、160…エンコーダ、161…リニアスケール、162…光学センサ、170…温度センサ、200…プリンタ、210…CPU、220…不揮発性記憶装置、230…揮発性記憶装置、231…バッファ領域、251…カートリッジ装着部、260…操作部、270…表示部、280…通信部、300…端末装置、310…CPU、331…バッファ領域、M…用紙、KC、MC、CC、YC…インクカートリッジ、PG…コンピュータプログラム、TG…制御テーブル群、SH…シフト量

Claims (10)

  1. 印刷装置であって、
    インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ
    前記部分印刷ごとに判断される第3条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第3条件が満たされる場合には、直前の前記部分印刷の後に所定時間だけ待機した後に、前記第2の速度で前記主走査を行わせる、印刷装置。
  2. 印刷装置であって、
    インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ
    前記部分印刷ごとに判断される第4条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第4条件が満たされる場合には、1回の前記部分印刷で印刷すべき前記部分画像を、複数回の前記部分印刷に分けて印刷させる、印刷装置。
  3. 印刷装置であって、
    インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ
    前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と同じである場合には、前記第1の位置からのシフト量が第1シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と反対である場合には、前記シフト量が前記第1シフト量とは異なる第2シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
    前記印刷ヘッドの前記主走査の方向の位置を検出するエンコーダを備え、
    前記制御部は、
    前記第1の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて、1回の前記部分印刷の複数回の前記インクの吐出を、前記印刷ヘッドが基準位置にあるときに開始することによって、前記印刷ヘッドが前記第1の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第2の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて、前記複数回の前記インクの吐出を、前記印刷ヘッドが前記基準位置よりも前記主走査の下流側にシフトした位置にあるときに開始することによって、前記印刷ヘッドが前記第2の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
  5. 請求項1~3のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
    前記印刷ヘッドの前記主走査の方向の位置を検出するエンコーダを備え、
    前記制御部は、
    前記第1の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて決定される前記第1の位置に前記印刷ヘッドがあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第2の場合には、前記エンコーダからの出力信号に基づいて決定される前記第1の位置に前記印刷ヘッドがあるときから所定の遅延時間後に前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させることによって、前記印刷ヘッドが前記第2の位置にあるときに前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる、印刷装置。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1条件は、指標値を用いて判断され、
    前記指標値は、前記部分印刷で印刷される部分画像に対応する部分画像データを用いて算出される前記インクの使用量であって前記部分画像の印刷に用いられる前記インクの使用量に関する値と、前記印刷装置において印刷に用いられた前記インクの累積の使用量に関する値と、のうちのいずれかである、印刷装置。
  7. 請求項に記載の印刷装置であって、
    前記第1条件は、前記指標値が閾値よりも大きいことであり、
    前記制御部は、
    前記指標値が前記閾値よりも大きな第1値である場合には、前記第1の速度よりも第1量だけ遅い速度を前記第2の速度として前記主走査を行わせ、
    前記指標値が前記第1値よりも大きな第2値である場合には、前記第1の速度よりも第2量だけ遅い速度を前記第2の速度として前記主走査を行わせ、
    前記第2量は前記第1量よりも多い、印刷装置。
  8. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う印刷実行部のための制御プログラムであって、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第1機能と、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第2機能と、
    前記部分印刷ごとに判断される第3条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第3条件が満たされる場合には、直前の前記部分印刷の後に所定時間だけ待機した後に、前記第2の速度で前記主走査を行わせる第3機能と、
    をコンピュータに実現させる制御プログラム。
  9. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う印刷実行部のための制御プログラムであって、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第1機能と、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第2機能と、
    前記部分印刷ごとに判断される第4条件であって前記第1条件が満たされる場合よりも前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れやすいことを示す前記第4条件が満たされる場合には、1回の前記部分印刷で印刷すべき前記部分画像を、複数回の前記部分印刷に分けて印刷させる第3機能と、
    をコンピュータに実現させる制御プログラム。
  10. インクを吐出する複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに前記インクを供給するインク供給部と、
    印刷媒体に対して前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記主走査の方向と交差する方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記主走査部に前記主走査を行わせつつ前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる部分印刷と、前記副走査部に前記副走査を行わせることと、を複数回実行することで印刷を行う印刷実行部のための制御プログラムであって、
    前記部分印刷ごとに判断される第1条件であって前記部分印刷にて前記インク供給部から前記印刷ヘッドへの前記インクの供給が遅れ得ることを示す前記第1条件が満たされない第1の場合には、前記部分印刷において、第1の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記主走査の方向の第1の位置にあるときに、前記部分印刷で印刷される部分画像の特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第1機能と、
    前記第1条件が満たされる第2の場合には、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前記主走査を行わせ、前記印刷ヘッドが前記第1の位置よりも前記主走査の下流側の第2の位置にあるときに、前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させる第2機能と、
    をコンピュータに実現させ
    前記第2機能は、
    前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と同じである場合には、前記第1の位置からのシフト量が第1シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ、
    前記第2の場合であって、かつ、実行すべき前記部分印刷の前記主走査の方向が、直前の前記部分印刷の前記主走査の方向と反対である場合には、前記シフト量が前記第1シフト量とは異なる第2シフト量である位置を前記第2の位置として前記特定の画素に対応する前記インクを吐出させ制御プログラム。
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