JP7068375B2 - 車体側部構造の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車体側部構造の製造方法に関するものである。
一般に、車体側部にはウェザストリップのリップが接するフランジがドア開口に沿って配置されている。車体側部にアルミニウム合金製のアウターパネルが配置された車両では、ドア開口のフランジは、アルミニウム合金板により形成されたアウターパネルと、鋼板により形成された補強パネルおよびインナーパネルとが接合された構造を有する(例えば、特許文献1参照)。近年では衝突規制強化に伴い、鋼鈑として高張力鋼板が適用されることが多い。高張力鋼は延性が低いため、メカニカルクリンチやセルフピアスリベット等の機械的結合によって高張力鋼製のパネル同士を接合することが困難である。
そこで、高張力鋼板の補強パネルおよびインナーパネルを互いに接合するために、フランジにおいて補強パネルおよびインナーパネルの接合箇所を避けるようにアルミニウム製のアウターパネルを切り欠いた上で、補強パネルおよびインナーパネルのみを互いに溶接する構造が考えられる。しかしながら、アウターパネルを切り欠いた構造では、フランジに接するウェザストリップのリップがアウターパネルの切り欠きに接触して止水性が低下する可能性がある。
特開2018-149828号公報
本発明は、アルミニウム合金製のアウターパネルを有する車体側部構造において、アウターパネルを切り欠かずにドア開口に沿って配置されたフランジを形成できる車体側部構造の製造方法を提供するものである。
本発明の車体側部構造の製造方法は、車体側部(例えば、実施形態における車体側部3)に形成されたドア開口(例えば、実施形態におけるドア開口5)に沿って配置されたフランジ(例えば、実施形態におけるフランジ15)を有する車体側部構造の製造方法であって、車両(例えば、実施形態における車両1)の外観意匠面を形成するアウターパネル(例えば、実施形態におけるアウターパネル21)と、前記アウターパネルよりも車室側に配置されるインナーパネル(例えば、実施形態におけるインナーパネル23)と、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間に配置される補強パネル(例えば、実施形態におけるスチフナ25)と、を接合して前記フランジを形成するフランジ形成工程(例えば、実施形態におけるフランジ形成工程S1)を備え、前記アウターパネルをアルミニウム合金により形成し、前記インナーパネルおよび前記補強パネルを引張強度が980MPa以上の高張力鋼により形成し、前記フランジ形成工程は、前記アウターパネルおよび前記補強パネルを機械的に結合する機械的結合工程(例えば、実施形態における機械的結合工程S10)と、前記アウターパネル、前記補強パネルおよび前記インナーパネルを挟み込んで抵抗スポット溶接する溶接工程(例えば、実施形態における溶接工程S20)と、を含み、前記機械的結合工程は、前記補強パネルのうち前記アウターパネルに結合される被結合部を焼なましする焼なまし工程と、前記焼なまし工程の後、メカニカルクリンチおよびリベット接合の一方によって前記アウターパネルと前記被結合部とを接合する接合工程と、を含む、ことを特徴とする。
本発明によれば、溶接工程でアルミニウム合金製のアウターパネルと高張力鋼製の補強パネルおよびインナーパネルとを挟んで抵抗スポット溶接することにより、補強パネルおよびインナーパネルよりも電気伝導率および熱伝導率の高いアウターパネルの発熱を抑制して補強パネルおよびインナーパネルを溶接できる。さらに、機械的結合工程で高張力鋼製の補強パネルおよびインナーパネルのうち補強パネルのみをアウターパネルに機械的に結合するので、技術的に困難なアルミニウム合金と鋼材との溶接を行うことなく、補強パネルおよびインナーパネルに対してアウターパネルを固定的に配置できる。以上により、補強パネルおよびインナーパネルの溶接部を避けるようにアウターパネルを切り欠かずに、アウターパネル、補強パネルおよびインナーパネルが接合されたフランジを形成できる。したがって、アルミニウム合金製のアウターパネルを有する車体側部構造において、アウターパネルを切り欠かずにドア開口に沿って配置されたフランジを形成できる車体側部構造の製造方法を提供できる。
さらに、焼なまし工程で焼なましによって高張力鋼製の補強パネルの被結合部を局所的に軟化させることができるので、接合工程でメカニカルクリンチおよびリベット接合の一方によってアウターパネルと補強パネルとを接合することが可能となる。また、補強パネルの被結合部を局所的に軟化させるので、車体側部の強度が低下することを抑制できる。
上記の車体側部構造の製造方法において、前記溶接工程において、第1電極(例えば、実施形態における第1電極43)の先端面(例えば、実施形態における先端面43a)を前記インナーパネルに接触させるとともに、前記第1電極の前記先端面よりも曲率の小さい第2電極(例えば、実施形態における第2電極44)の先端面(例えば、実施形態における先端面44a)を前記アウターパネルに接触させてもよい。
本発明によれば、抵抗スポット溶接を行う際の第2電極近傍での電流密度を第1電極近傍での電流密度よりも小さくすることができる。これにより、第2電極に近接するアウターパネルの発熱が抑制される。したがって、補強パネルおよびインナーパネルのみを選択的に溶接できる。また、アウターパネルの発熱が抑制されることで、アルミニウム合金製のアウターパネルと高張力鋼製の補強パネルとの間に異材抵抗溶接に起因する脆い金属間化合物が発生することを抑制できる。
上記の車体側部構造の製造方法において、前記アウターパネルの板厚は、前記インナーパネルおよび前記補強パネルのうち少なくともいずれか一方の板厚よりも小さくてもよい。
本発明によれば、溶接工程で電流がアウターパネルを貫通し、補強パネルおよびインナーパネルのみを選択的に溶接することが可能となる。
上記の車体側部構造の製造方法において、前記アウターパネルと前記補強パネルとの間に接着剤(例えば、実施形態における接着剤27)を介在させてもよい。
本発明によれば、アルミニウム合金製のアウターパネルと高張力鋼製の補強パネルとが接触することを抑制できる。したがって、異材間の電食を抑制できる。
上記の車体側部構造の製造方法において、前記機械的結合工程を行うサブライン(例えば、実施形態におけるサブライン52)と、車体のフロアパネルに前記インナーパネルを結合するメインライン(例えば、実施形態におけるメインライン51)と、を有する製造ライン(例えば、実施形態における50)で前記フランジ形成工程を行ってもよい。
本発明によれば、車体のフロアパネルにインナーパネルを結合するメインラインの既存の設備を変更することなく、サブラインの追加で上述した製造方法を採用することが可能となる。
上記の車体側部構造の製造方法において、前記機械的結合工程による結合部(例えば、実施形態における機械的結合部30)、および前記溶接工程による溶接部(例えば、実施形態における溶接部32)を前記ドア開口の開口縁(例えば、実施形態における5a)に沿って整列させてもよい。
本発明によれば、フランジのうち、アウターパネルと補強パネルとの結合部、および補強パネルとインナーパネルと溶接部が配置された領域において、フランジの強度を均一化できる。したがって、フランジの一部で強度が低下して車体側部の強度が低下することを抑制できる。
本発明によれば、アルミニウム合金製のアウターパネルを有する車体側部構造において、アウターパネルを切り欠かずにドア開口に沿って配置されたフランジを形成できる車体側部構造の製造方法を提供することができる。
実施形態の車体側部構造を採用した車両の車体側部を車幅方向の外側から見た側面図である。 実施形態のルーフサイドレールの一部を示す斜視図である。 図2のIII-III線におけるフランジの断面図である。 実施形態の車体側部構造の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態の焼なまし工程を示す図である。 実施形態の接合工程においてアウターパネルとスチフナとがパンチによってダイに押し込まれる前の状態を示す図である。 実施形態の接合工程においてアウターパネルとスチフナとがパンチによってダイに押し込まれた状態を示す図である。 実施形態の溶接工程においてスチフナとインナーパネルとが第1電極および第2電極によって抵抗スポット溶接される状態を示す図である。 実施形態の車体側部構造の製造方法を適用した製造ラインの一部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後上下左右等の方向は、以下に説明する車両における方向と同一とする。すなわち、上下方向は鉛直方向と一致し、左右方向は車幅方向と一致する。また、以下の説明に用いる図中において、矢印UPは上方、矢印FRは前方、矢印LHは左方をそれぞれ示している。
図1は、実施形態の車体側部構造を採用した車両の車体側部を車幅方向の外側から見た側面図である。
図1に示すように、車両1の車体側部3には、図示しないドアによって開放可能に閉塞されるドア開口5が形成されている。ドア開口5は、運転席または助手席用のフロントドア開口5Fと、後部座席用のリヤドア開口5Rと、を含む。なお、以下の説明では、フロントドア開口5Fおよびリヤドア開口5Rを区別しない場合、単にドア開口5と称する。
車体側部3は、ドア開口5を形成するフレームとして、ルーフサイドレール10、フロントピラー11、センターピラー12、リヤピラー13およびサイドシル14を備える。ルーフサイドレール10は、前後方向に沿って延び、ルーフパネル7の側部を支持している。ルーフサイドレール10は、閉断面が前後方向に連続する構造とされている。フロントピラー11は、ルーフサイドレール10の前端部から前下方に延びるフロントピラーアッパ11Uと、フロントピラーアッパ11Uの下端から下方に延びるフロントピラーロア11Lと、を有している。左右のフロントピラーアッパ11Uの間には、図示しないウインドシールドガラスが配置されている。フロントピラーアッパ11Uは、ルーフサイドレール10と連続した閉断面を有している。センターピラー12は、ルーフサイドレール10の中間部から下方に延びている。センターピラー12は、ルーフサイドレール10と連続した閉断面を有している。リヤピラー13は、ルーフサイドレール10の後端部から下方に延びている。リヤピラー13は、ルーフサイドレール10と連続した閉断面を有している。サイドシル14は、前後方向に沿って延び、フロントピラーロア11L、センターピラー12およびリヤピラー13の各下端部に連結されている。サイドシル14は、図示しないフロアパネルの側部を支持している。
ルーフサイドレール10の前半部、フロントピラー11、センターピラー12、およびサイドシル14の前半部は、フロントドア開口5Fを形成している。ルーフサイドレール10の後半部、リヤピラー13、センターピラー12、およびサイドシル14の後半部は、リヤドア開口5Rを形成している。
車体側部3には、ドア開口5に沿って配置されたフランジ15が設けられている。フランジ15は、ドア開口5を形成するフレームからドア開口5の内側に向けて張り出しているとともに、環状(枠状)に延在している。
図2は、実施形態の左側のルーフサイドレールの一部を示す斜視図である。
図2に示すように、ルーフサイドレール10は、車両1の外観意匠面を形成するアウターパネル21と、アウターパネル21よりも車室側に配置されるインナーパネル23と、アウターパネル21とインナーパネル23との間に配置されるスチフナ25(補強パネル)と、により形成されている。
アウターパネル21は、アルミニウム合金により形成されている。インナーパネル23およびスチフナ25は、高張力鋼により形成され、衝突性能の確保を担っている。具体的には、インナーパネル23およびスチフナ25は、引張強度が980MPa以上、望ましくは引張強度が1500MPa以上の高張力鋼により形成されている。アウターパネル21を形成するアルミニウム合金の電気伝導率は、インナーパネル23およびスチフナ25を形成する高張力鋼の電気伝導率よりも高い。さらに、アウターパネル21の板厚は、インナーパネルおよびスチフナのうち少なくともいずれか一方の板厚よりも小さい。これにより、アウターパネル21の板厚方向の電気抵抗は、インナーパネルおよびスチフナの前記一方の板厚方向の電気抵抗よりも小さい。本実施形態では、インナーパネルおよびスチフナの板厚は互いに一致し、アウターパネルの板厚はインナーパネルおよびスチフナの両方の板厚よりも小さい。ただし、インナーパネル23およびスチフナ25は、同一の材質および板厚を有していなくてもよく、引張強度、電気伝導率および板厚のうち少なくとも1つが互いに異なる高張力鋼板により形成されていてもよい。
アウターパネル21およびインナーパネル23は、それぞれ横断面ハット状に形成され、鍔部21f,23f同士がスチフナ25を挟んで重なることにより閉断面を形成している。アウターパネル21およびインナーパネル23それぞれの鍔部21f,23fは、鍔部21f,23fに挟まれたスチフナ25とともに上述したフランジ15を形成している。フランジ15のうち車幅方向の外側を向く面には、アウターパネル21の鍔部21fが配置されている。アウターパネル21の鍔部21fには図示しないウェザストリップが接触する。
なお、本実施形態では、アウターパネル21およびインナーパネル23は、ルーフサイドレール10からフロントピラーアッパ11U、センターピラー12の上部、およびリヤピラー13にわたって配置されている。これにより、ルーフサイドレール10の閉断面は、フロントピラーアッパ11U、センターピラー12およびリヤピラー13それぞれの閉断面に連続している。ただし、車体側部3のうちドア開口5を形成するフレームの少なくとも一部が上述したアウターパネル21、インナーパネル23およびスチフナ25によって形成されていればよい。
図3は、図2のIII-III線におけるフランジの断面図である。
図3に示すように、アウターパネル21およびスチフナ25は、フランジ15において接着剤27を介して重なっている。好ましくは、接着剤27は、アウターパネル21およびスチフナ25が互いに接触する箇所がないように、アウターパネル21とスチフナ25との間に介在している。フランジ15は、機械的結合部30および溶接部32を備える。
機械的結合部30は、アウターパネル21とスチフナ25とが機械的に結合された部分である。なお機械的な結合とは、結合し合う部材同士が結合部において連続性を有さず、互いに離脱不能に係止される結合である。機械的結合部30は、加締めにより形成されている。機械的結合部30は、車外側に突出せず、インナーパネル23側に突出している。溶接部32は、スチフナ25とインナーパネル23とがスポット溶接された部分である。
図2に示すように、機械的結合部30および溶接部32は、フランジ15のうちアウターパネル21、インナーパネル23およびスチフナ25によって形成された部分の全長にわたって、ドア開口5の開口縁5aに沿って整列されている。具体的には、機械的結合部30および溶接部32は、フランジ15の厚さ方向から見て、フランジ15の端縁に平行に延在する仮想直線上に配列されている。換言すると、機械的結合部30および溶接部32は、フランジ15の端縁まで距離が互いに一致するように配置されている。なお図示の例では、複数の溶接部32が連続して並ぶとともに、機械的結合部30が連続せずに1つずつ配置されているが、溶接部32および機械的結合部30の配列は特に限定されない。
図3に示すように、インナーパネル23には、機械的結合部30を避ける避け部23aが形成されている。避け部23aは、フランジ15の厚さ方向から見て機械的結合部30に重なる位置に形成されている。避け部23aは、スチフナ25から離間する方向に窪んでいる。これにより、避け部23aは、インナーパネル23側に突出した機械的結合部30とインナーパネル23との干渉を回避している。
次に、本実施形態の車体側部構造の製造方法について説明する。
図4は、実施形態の車体側部構造の製造方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態の車体側部構造の製造方法は、アウターパネル21とインナーパネル23とスチフナ25とを接合してフランジ15を形成するフランジ形成工程S1を備える。フランジ形成工程S1は、機械的結合工程S10と溶接工程S20とを含む。
フランジ形成工程では、まず機械的結合工程S10を行う。機械的結合工程S10では、アウターパネル21およびスチフナ25のみを互いに機械的に結合して機械的結合部30を形成する。具体的には、機械的結合工程S10では、アウターパネル21およびスチフナ25をメカニカルクリンチにより加締める。機械的結合工程S10は、焼なまし工程S11および接合工程S12を含む。
図5は、実施形態の焼なまし工程を示す図である。
図5に示すように、焼なまし工程S11では、スチフナ25のうちアウターパネル21に結合される被結合部25aを焼なましする。具体的には、焼なまし工程S11では、スチフナ25の被結合部25aを局所的に加熱した後、加熱された被結合部25aを冷却する。これにより、スチフナ25の被結合部25aは局所的に軟質化する。スチフナ25の加熱は、例えば半導体レーザーを用いて行う。スチフナ25の冷却は、例えば大気冷却を行う。ただしスチフナ25の加熱方法および冷却方法は特に限定されない。
接合工程S12は、焼なまし工程S11の後に行われる。接合工程S12では、アウターパネル21とスチフナ25との間に接着剤27を介在させたうえで、メカニカルクリンチによってアウターパネル21とスチフナ25の被結合部25aとを接合する。
図6は、実施形態の接合工程においてアウターパネルとスチフナとがパンチによってダイに押し込まれる前の状態を示す図である。図7は、実施形態の接合工程においてアウターパネルとスチフナとがパンチによってダイに押し込まれた状態を示す図である。
図6および図7に示すように、メカニカルクリンチは、突起のないダイ40を背当てにして重ね合わせたアウターパネル21およびスチフナ25を、アウターパネル21側から突起状のパンチ41で局所的に押し込む。これにより、スチフナ25にアウターパネル21が嵌まり込むようにアウターパネル21およびスチフナ25を塑性変形させ、インターロックを形成する。接合工程S12を行うことで、アウターパネル21にはパンチ41が押し込まれた凹部が形成されるとともに、スチフナ25はパンチ41に押圧されて膨出する。
以上により機械的結合工程S10が完了する。
図8は、実施形態の溶接工程においてスチフナとインナーパネルとが第1電極および第2電極によって抵抗スポット溶接される状態を示す図である。
続いて、溶接工程S20を行う。溶接工程S20では、抵抗スポット溶接により溶接部32を形成する。図8に示すように、溶接工程S20では、第1電極43および第2電極44でアウターパネル21、スチフナ25およびインナーパネル23を挟み込んで溶接する。具体的には、第1電極43の先端面43aをインナーパネル23に接触させるとともに第2電極44の先端面44aをアウターパネル21に接触させてアウターパネル21、スチフナ25およびインナーパネル23を加圧し、第1電極43と第2電極44との間に電圧を印加して電流を流す。第2電極44の先端面44aは、第1電極43の先端面43aよりも曲率が小さくなるように形成されている。本実施形態では、第1電極43の先端面43aは凸曲面(球面)状に形成され、第2電極44の先端面44aは平坦に形成されている。これにより、第2電極44とアウターパネル21との接触面積は、第1電極43とインナーパネル23との接触面よりも大きい。ただし、第2電極44の先端面44aは平坦に形成されていなくてもよく、第1電極43の先端面43aよりも曲率の小さい凸曲面状に形成されていてもよい。
第1電極43と第2電極44との間に電流を流すことで、鋼材により形成されたスチフナ25およびインナーパネル23が抵抗熱により溶解凝固して溶接される。ここで、アルミニウム合金の電気伝導率および熱伝導率は、鋼材の電気伝導率および熱伝導率よりも高い。このため、アルミニウム合金製のアウターパネル21は、電流が流れても温度が十分に上がらず溶解しない。よって、スチフナ25およびインナーパネル23のみが互いに溶接された溶接部32が形成される。以上により溶接工程S20が完了する。
図9は、実施形態の車体側部構造の製造方法を適用した製造ラインの一部の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態の車体側部構造の製造方法を適用した製造ライン50は、メインライン51およびサブライン52を備える。メインライン51は、フロアパネルを中心に各種部材を組み付けて車体を形成するラインである。サブライン52は、メインライン51を流れる車体に組み付ける部材を形成するラインであって、接合工程S12を行う。サブライン52で形成された部材は、メインライン51に供給される。メインライン51は、フロアパネルにインナーパネル23を結合する工程S2と、フロアパネルに結合されたインナーパネル23に、サブライン52から供給されたスチフナ25を溶接する溶接工程S20と、サブライン52でスチフナ25に結合されたアウターパネル21にルーフパネルを接合する工程S3と、を含む。
以上に説明した本実施形態の車体側部構造の製造方法によれば、溶接工程S20でアルミニウム合金製のアウターパネル21と高張力鋼製のスチフナ25およびインナーパネル23とを挟んで抵抗スポット溶接することにより、スチフナ25およびインナーパネル23よりも電気伝導率および熱伝導率の高いアウターパネル21の発熱を抑制してスチフナ25およびインナーパネル23を溶接できる。さらに、機械的結合工程S10で高張力鋼製のスチフナ25およびインナーパネル23のうちスチフナ25のみをアウターパネル21に機械的に結合するので、技術的に困難なアルミニウム合金と鋼材との溶接を行うことなく、スチフナ25およびインナーパネル23に対してアウターパネル21を固定的に配置できる。以上により、スチフナ25およびインナーパネル23の溶接部32を避けるようにアウターパネル21を切り欠かずに、アウターパネル21、スチフナ25およびインナーパネル23が接合されたフランジ15を形成できる。したがって、アルミニウム合金製のアウターパネル21を有する車体側部構造において、アウターパネル21を切り欠かずにドア開口5に沿って配置されたフランジ15を形成できる車体側部構造の製造方法を提供できる。
溶接工程S20において、第1電極43の先端面43aをインナーパネル23に接触させるとともに、第1電極43の先端面43aよりも曲率の小さい第2電極44の先端面44aをアウターパネル21に接触させる。この方法によれば、抵抗スポット溶接を行う際の第2電極44近傍での電流密度を第1電極43近傍での電流密度よりも小さくすることができる。これにより、第2電極44に近接するアウターパネル21の発熱が抑制される。したがって、スチフナ25およびインナーパネル23のみを選択的に溶接できる。また、アウターパネル21の発熱が抑制されることで、アルミニウム合金製のアウターパネル21と高張力鋼製のスチフナ25との間に異材抵抗溶接に起因する脆い金属間化合物が発生することを抑制できる。
機械的結合工程S10は、スチフナ25のうちアウターパネル21に結合される被結合部25aを焼なましする焼なまし工程S11と、焼なまし工程S11の後、メカニカルクリンチによってアウターパネル21とスチフナ25の被結合部25aとを接合する接合工程S12と、を含む。この方法によれば、焼なまし工程S11で高張力鋼製のスチフナ25の被結合部25aを局所的に軟化させることができるので、接合工程S12でメカニカルクリンチによってアウターパネル21とスチフナ25とを接合することが可能となる。また、スチフナ25の被結合部25aを局所的に軟化させるので、車体側部3の強度が低下することを抑制できる。
アウターパネル21の板厚は、インナーパネル23およびスチフナ25の板厚よりも小さい。この構成によれば、溶接工程S12で電流がアウターパネル21を貫通し、スチフナ25およびインナーパネル23のみを選択的に溶接することが可能となる。
アウターパネル21とスチフナ25との間に接着剤27を介在させる。この方法によれば、アルミニウム合金製のアウターパネル21と高張力鋼製のスチフナ25とが接触することを抑制できる。したがって、異材間の電食を抑制できる。
本実施形態の製造方法は、機械的結合工程S10を行うサブライン52と、車体のフロアパネルにインナーパネル23を結合するメインライン51と、を有する製造ライン50でフランジ形成工程S1を行う。この方法によれば、車体のフロアパネルにインナーパネル23を結合するメインライン51の既存の設備を変更することなく、サブライン52の追加で上述した製造方法を採用することが可能となる。
機械的結合部30および溶接部32をドア開口5の開口縁5aに沿って整列させる。この方法によれば、フランジ15のうち機械的結合部30および溶接部32が配置された領域において、フランジ15の強度を均一化できる。したがって、フランジ15の一部で強度が低下して車体側部3の強度が低下することを抑制できる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、接合工程S12においてアウターパネル21およびスチフナ25をメカニカルクリンチにより機械的に結合しているが、アウターパネルおよびスチフナをセルフピアスリベット等のリベット接合によって機械的に結合してもよい。
また、焼なまし工程S11は、接合工程S12の直前に行わなくてもよい。図9に示すように、焼なまし工程S11は、接合工程S12を行うサブライン52に投入される部材の前処理として行われてもよい。
また、本発明は車体側部のドア開口に適用されるものであるが、フロントガラスが配置されるフロントピラー等の枠部のフランジに同様の構造を適用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…車両 3…車体側部 5…ドア開口 5a…開口縁 15…フランジ 21…アウターパネル 23…インナーパネル 25…スチフナ(補強パネル) 25a…被結合部 27…接着剤 30…機械的結合部(結合部) 32…溶接部 43…第1電極 43a…先端面 44…第2電極 44a…先端面 50…製造ライン 51…メインライン 52…サブライン S1…フランジ形成工程 S10…機械的結合工程 S11…焼なまし工程 S12…接合工程 S20…溶接工程

Claims (6)

  1. 車体側部に形成されたドア開口に沿って配置されたフランジを有する車体側部構造の製造方法であって、
    車両の外観意匠面を形成するアウターパネルと、前記アウターパネルよりも車室側に配置されるインナーパネルと、前記アウターパネルと前記インナーパネルとの間に配置される補強パネルと、を接合して前記フランジを形成するフランジ形成工程を備え、
    前記アウターパネルをアルミニウム合金により形成し、
    前記インナーパネルおよび前記補強パネルを引張強度が980MPa以上の高張力鋼により形成し、
    前記フランジ形成工程は、
    前記アウターパネルおよび前記補強パネルを機械的に結合する機械的結合工程と、
    前記アウターパネル、前記補強パネルおよび前記インナーパネルを挟み込んで抵抗スポット溶接する溶接工程と、
    を含み、
    前記機械的結合工程は、
    前記補強パネルのうち前記アウターパネルに結合される被結合部を焼なましする焼なまし工程と、
    前記焼なまし工程の後、メカニカルクリンチおよびリベット接合の一方によって前記アウターパネルと前記被結合部とを接合する接合工程と、
    を含む、
    車体側部構造の製造方法。
  2. 前記溶接工程において、第1電極の先端面を前記インナーパネルに接触させるとともに、前記第1電極の前記先端面よりも曲率の小さい第2電極の先端面を前記アウターパネルに接触させる、
    請求項1に記載の車体側部構造の製造方法。
  3. 前記アウターパネルの板厚は、前記インナーパネルおよび前記補強パネルのうち少なくともいずれか一方の板厚よりも小さい、
    請求項1または請求項2に記載の車体側部構造の製造方法。
  4. 前記アウターパネルと前記補強パネルとの間に接着剤を介在させる、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車体側部構造の製造方法。
  5. 前記機械的結合工程を行うサブラインと、
    車体のフロアパネルに前記インナーパネルを結合するメインラインと、
    を有する製造ラインで前記フランジ形成工程を行う、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車体側部構造の製造方法。
  6. 前記機械的結合工程による結合部、および前記溶接工程による溶接部を前記ドア開口の開口縁に沿って整列させる、
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車体側部構造の製造方法。
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