JP7067991B2 - イソインドリン色素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はイソインドリン色素の製造方法に関するものである。
黄色又は橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー139等のイソインドリン骨格を有する化合物が知られており、該顔料は、印刷インク、塗料等の分野において、反射光又は透過光を利用することにより色表示をするために使用されている(非特許文献1)。特許文献1には、C.I.ピグメントイエロー139をn-ヘキサン等の無極性有機溶剤で洗浄することにより、Hazeが小さく、ピンホールの少ないカラーペーストを含む皮膜を形成する技術が開示されている。また特許文献2には、C.I.ピグメントイエロー185を良溶剤(DMSO)に溶解、該顔料溶液と貧溶剤(塩酸)とを接触させることにより、C.I.ピグメントイエロー185を微細化する方法が開示されている。
特開2007-39481号公報 特開2010-174143号公報
色材協会誌 1982, 55(9), 677,阪井英彦ら,一般社団法人色材協会
色素を含む着色組成物を製造するにあたり、公知の黄色又は橙色顔料はその種類が少ないため、用途に応じた顔料の選択の幅が十分ではなかった。また、カラーフィルタとして用いた場合には、コントラストが低いことが課題であった。特許文献2には、コントラスト向上の技術が開示されているものの、イソインドリン色素のような溶解度の低い色素を良溶剤に溶解させるには、大量の良溶剤が必要となるため経済的ではない。そこで本発明では、高いコントラストを発揮し得るイソインドリン色素の製造方法の提供を、課題の一つとして掲げる。
本発明に係るイソインドリン色素の製造方法は、以下の点に要旨を有する。
[1] イソインドリン色素(A)を溶剤(Z)と接触させる工程、及び
固液分離により溶剤(Z)と接触させたイソインドリン色素(A)を取り出す工程を含み、
式(E.1)に基づいて算出される、前記イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと前記溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、0MPa0.5以上10MPa0.5以下であり、かつ、接触工程における溶剤(Z)の量は、イソインドリン色素(A)に対して、0.1質量倍以上10.0質量倍以下であるイソインドリン色素の製造方法。
Figure 0007067991000001
[式中、
δD1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
δD2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
δP1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
δP2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
δH1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)、
δH2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)である]
[2] 溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータにおける溶剤(Z)の分散成分δD2が16.0MPa0.5以上19.0MPa0.5以下であり、溶剤(Z)の極性成分δP2が9.0MPa0.5以上17.0MPa0.5以下であり、溶剤(Z)の水素結合成分δH2が6.5MPa0.5以上11.0MPa0.5以下である、[1]記載の製造方法。
[3] 溶剤(Z)が、エステル溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤及びスルホン溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 溶剤(Z)の量が、イソインドリン色素(A)に対して0.5質量倍以上8.0質量倍以下である、[1]~[3]のいずれか記載の製造方法。
[5] イソインドリン色素(A)が式(1)で表される化合物を含む、[1]~[4]のいずれか記載の製造方法。
Figure 0007067991000002

[式(1)中、
1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
2~R9は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2-を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、及び、R8とR9は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また、この環は-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
x1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rx1が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
aは、式(1)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2-の合計数であり、0~10のいずれかの整数を表す。
b+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO2 -又は-S(O)2-と一緒になって-CO2H及びS(O)2OHとして存在する。
bは、1~6の整数を表す。
mは、aが0の場合は0であり、aが1以上である場合はMb+の個数を表す。
nは、a及びmが0である場合は1であり、a及びmが0でない場合はn=b×m/aの関係を満たす数である。]
[6] 前記イソインドリン色素(A)が式(1a)で表される化合物であり、
さらに、工程A又は工程Bから選ばれる式(1a)で表される化合物の製造工程を含む、[5]記載の製造方法。
工程A: 式(pt1)で表される化合物を式(pt2)で表される化合物と反応させた後、式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とをさらに酸の存在下で反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
工程B: 式(pt5)で表される化合物と式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とを反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
Figure 0007067991000003

[式(pt1)~式(pt5)及び式(1a)中、R2~R9は、前記と同一の意味を表す。R41は、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を表す。M1は、アルカリ金属原子を表す。]
[7] 前記イソインドリン色素(A)が式(1b)で表される化合物であり、
さらに、工程A又は工程Bから選ばれる式(1a)の合成工程と、工程Cで表される式(1b)で表される化合物の製造工程とを含む、[5]記載の製造方法。
工程A: 式(pt1)で表される化合物を式(pt2)で表される化合物と反応させた後、式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とをさらに酸の存在下で反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
工程B: 式(pt5)で表される化合物と式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とを反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
工程C: 式(1a)で表される化合物と式(pt6)で表される化合物と反応させて式(1b)で表される化合物を製造する工程
Figure 0007067991000004

[式(pt1)~式(pt6)及び式(1b)中、R1~R9は、前記と同一の意味を表す。R41は、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を表す。M1は、アルカリ金属原子を表す。LG1は、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、クロロメチルスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。ただしR1は水素原子ではない。]
本発明によればイソインドリン色素の新たな製造方法が提供される。本発明によれば、イソインドリン色素を含む着色組成物又は着色硬化性組成物から形成されたカラーフィルタを高コントラストにすることも可能である。
本発明は、イソインドリン色素(A)を溶剤(Z)と接触させる工程、及び
固液分離により溶剤(Z)と接触させたイソインドリン色素(A)を取り出す工程を含み、
式(E.1)に基づいて算出される、前記イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと前記溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、0MPa0.5以上10MPa0.5以下であり、かつ、接触工程における溶剤(Z)の量は、イソインドリン色素(A)に対して、0.1質量倍以上10.0質量倍以下であるイソインドリン色素の製造方法に関する。
すなわち本発明は、
(i)イソインドリン色素(A)を溶剤(Z)と接触させる工程、及び、ろ過等の固液分離により精製されたイソインドリン色素(A)を得る工程を含む、精製されたイソインドリン色素(A)の製造方法であって、溶剤(Z)は、前記イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと前記溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、0MPa0.5以上10MPa0.5以下となる溶剤であり、かつ、溶剤(Z)の量は、イソインドリン色素(A)に対して、0.1質量倍以上10.0質量倍以下である精製されたイソインドリン色素(A)の製造方法に関する。
(0)溶剤(Z)
ハンセン(Hansen)溶解度パラメータは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを、分散項δ,極性項δ,および水素結合項δの3成分に分割し、3次元空間に表したものである。分散項δは分散力による効果、極性項δは双極子間力による効果、および水素結合項δは水素結合力による効果を示す。
なおハンセン溶解度パラメータの定義と計算は、Charles M.Hansen著、Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook(CRCプレス,2007年)に記載されている。また、コンピュータソフトウエア Hansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP)を用いることにより、文献値等が知られていない溶剤に関しても、その化学構造から簡便にハンセン溶解度パラメータを推算することができる。
本発明では、HSPiPバージョン3を用いて、データベースに登録されている溶剤に関してはその値を、登録されていない溶剤に関しては推算値を用いることにより、溶剤を選定することとした。なお本発明において、イソインドリン色素(A)と式(E.1)の関係を満たす溶剤を、溶剤(Z)と称す。
溶剤(Z)は、1種の溶剤からなる単独溶剤でも、2種以上の溶剤を含む溶剤混合物のいずれであってもよい。溶剤(Z)が溶剤混合物の場合、式(E.1)における溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータは、溶剤混合物に含まれる各溶剤の混合比(体積比)による平均のハンセン溶解度パラメータを用いることとする。
一般に、色素のハンセン溶解度パラメータは、その色素のサンプルをハンセン溶解度パラメータが確定している数多くの異なる溶剤に溶解させて溶解度を測る試験を行うことによって決定され得る。ここで、例えば、上記色素のハンセン溶解度パラメータの測定に用いられなかったある別の溶剤のハンセン溶解度パラメータを(δD2,δP2,およびδH2)とした場合、その座標で示される点が上記色素のハンセン溶解度球の内側に内包されれば、その溶剤は、上記色素を溶解すると考えられる。一方、その座標点が上記色素のハンセン溶解度球の外側にあれば、この溶剤は上記色素を溶解することができないと考えられる。
本発明では、上記溶解度試験に用いた溶剤のうち、その色素を溶解した溶剤の3次元上の点をすべて球の内側に内包し、溶解しない溶剤の点は球の外側になるような球(ハンセン溶解度球)を探し出し、その球の中心座標をその色素のハンセン溶解度パラメータとすることとした。なお溶解度試験の具体的な方法については、実施例の欄で詳述する。
イソインドリン色素(A)は、1種のイソインドリン色素からなる単独顔料でも、2種以上のイソインドリン色素を含む混合物のいずれであってもよい。イソインドリン色素(A)が、イソインドリン色素(AI)及びイソインドリン色素(AII)の2種の色素からなる混合物の場合、式(E.2)に基づきイソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータを計算できる。体積分率は近似的に重量分率に変更することもできる。イソインドリン色素(A)が3種類以上の混合物である場合も同様の計算により、イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータを計算できる。
Figure 0007067991000005
[式中、δD1、δP1、及びδH1は式(E.1)に同じ。
は、イソインドリン色素(A)中のイソインドリン色素(AI)の体積分率、
IIは、イソインドリン色素(A)中のイソインドリン色素(AII)の体積分率、
(δD1 ,δP1 ,δH1 )は、イソインドリン色素(AI)のハンセン溶解度パラメータ、
(δD1 II,δP1 II,δH1 II)は、イソインドリン色素(AII)のハンセン溶解度パラメータである。]
イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raは、式(E.1)により定義される。イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raは、0MPa0.5以上、10MPa0.5以下、好ましくは9.0MPa0.5以下、より好ましくは7.0MPa0.5以下、更に好ましくは5.0MPa0.5以下である。Raが10MPa超では、イソインドリン色素が低コントラストとなる虞がある。
Figure 0007067991000006
[式中、
δD1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
δD2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
δP1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
δP2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
δH1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)、
δH2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)である]
溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータにおいて、溶剤(Z)の分散成分δD2は、好ましくは16.0MPa0.5以上、より好ましくは16.3MPa0.5以上、更に好ましくは16.5MPa0.5以上であり、好ましくは19.0MPa0.5以下、より好ましくは18.7MPa0.5以下、更に好ましくは18.5MPa0.5以下である。
溶剤(Z)の極性成分δP2は、好ましくは9.0MPa0.5以上、より好ましくは9.5MPa0.5以上、更に好ましくは10.0MPa0.5以上であり、好ましくは17.0MPa0.5以下、より好ましくは16.7MPa0.5以下、更に好ましくは16.4MPa0.5以下である。
溶剤(Z)の水素結合成分δH2は、好ましくは6.5MPa0.5以上、より好ましくは6.8MPa0.5以上、更に好ましくは7.1MPa0.5以上、好ましくは11.0MPa0.5以下、より好ましくは10.7MPa0.5以下、更に好ましくは10.4MPa0.5以下である。
イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータにおいて、該色素(A)の分散成分δD1は、好ましくは15.5MPa0.5以上、より好ましくは16.0MPa0.5以上、更に好ましくは16.5MPa0.5以上であり、好ましくは18.5MPa0.5以下、より好ましくは18.2MPa0.5以下、更に好ましくは18.0MPa0.5以下である。
該色素(A)の極性成分δP1は、好ましくは9.0MPa0.5以上、より好ましくは10.0MPa0.5以上、更に好ましくは11.0MPa0.5以上であり、好ましくは17.0MPa0.5以下、より好ましくは16.0MPa0.5以下、更に好ましくは15.0MPa0.5以下である。
該色素(A)の水素結合成分δH1は、好ましくは6.0MPa0.5以上、より好ましくは7.5MPa0.5以上、更に好ましくは9.0MPa0.5以上、好ましくは14.0MPa0.5以下、より好ましくは12.5MPa0.5以下、更に好ましくは11.0MPa0.5以下である。
溶剤(Z)としては、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができ、例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤、スルホン溶剤が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソールなどが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロンなどが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンなどが挙げられる。
アミド溶剤としては、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-メチル-ε-カプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンなどが挙げられる。アミド溶剤として、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンであり、より好ましくはN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンである。
スルホキシド溶剤としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド及びテトラメチレンスルホキシドなどが挙げられる。スルホキシド溶剤として、好ましくはジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドであり、より好ましくはジメチルスルホキシドである。
スルホン溶剤としては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、イソプロピルメチルスルホン及びスルホランなどが挙げられる。スルホン溶剤として、好ましくはジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホランであり、より好ましくはスルホランである。
溶剤(Z)は、エステル溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤及びスルホン溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、アミド溶剤、スルホン溶剤、及びスルホキシド溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましく、アミド溶剤及びスルホキシド溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことがさらに好ましい。溶剤(Z)100%中、アミド溶剤、スルホン溶剤、及びスルホキシド溶剤は、体積比で、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上である。
イソインドリン色素(A)と溶剤(Z)を接触させる方法としては、容器内でイソインドリン色素(A)と溶剤(Z)とを混合する方法が好ましい。混合時にはイソインドリン色素(A)と溶剤(Z)を含む混合液を撹拌してもよく、撹拌時間は好ましくは1分~10時間、より好ましくは10分~5時間である。超音波振動による撹拌も好ましい。
イソインドリン色素(A)と溶剤(Z)を接触させる際の温度は、好ましくは-78℃~溶剤(Z)の沸点以下、より好ましくは-20℃~溶剤(Z)の沸点以下、更に好ましくは10~50℃である。
またイソインドリン色素(A)と溶剤(Z)を接触させる際の接触時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは10分以上、更に好ましくは1時間以上であり、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは5時間以下である。
接触工程における溶剤(Z)の量は、収率の点から、イソインドリン色素(A)に対して、0.1質量倍以上、より好ましくは0.5質量倍以上、更に好ましくは2質量倍以上であり、10.0質量倍以下、より好ましくは8.0質量倍以下、更に好ましくは6.0質量倍以下である。本工程に供されるイソインドリン色素(A)は、溶剤(Z)と接触させる前のイソインドリン色素(A)を表し、イソインドリン色素(A)の乾燥物だけでなく、反応混合物から固液分離されたイソインドリン色素(A)を含む残渣も好ましく用いられる。後者の場合、該残渣には、反応で使用される溶剤や、その後の洗浄にて使用された溶剤が含まれている場合もあるが、接触工程における溶剤(Z)の量には、これらの溶剤に含まれる溶剤(Z)の量も含めて計算するものとする。
溶剤(Z)と接触させたイソインドリン色素(A)は、固液分離により、溶剤(Z)から分離され、固体として取り出される。すなわち、固液分離により、精製されたイソインドリン色素(A)を取り出すことができる。固液分離は、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過、遠心分離等により実施されることが好ましい。溶剤(Z)が除去されたイソインドリン色素(A)には、更に洗浄、再結晶、乾燥等の処理を施してもよい。
(1)イソインドリン色素
イソインドリン色素(A)としては、式(1)で表される化合物(以下、イソインドリン色素(1)という場合がある)が好ましい。
Figure 0007067991000007
[式(1)中、
1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
2~R9は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2-を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、及び、R8とR9は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また、この環は-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
x1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rx1が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
aは、式(1)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2-の合計数であり、0~10のいずれかの整数を表す。
b+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO2 -又は-S(O)2-と一緒になって-CO2H及びS(O)2OHとして存在する。
bは、1~6の整数を表す。
mは、aが0の場合は0であり、aが1以上である場合はMb+の個数を表す。
nは、a及びmが0である場合は1であり、a及びmが0でない場合はn=b×m/aの関係を満たす数である。]
なお炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わって形成される基の炭素数は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-などで置換される前の炭素数として計数する。
本明細書において「置換基」は、-COOH及び-S(O)2OHを含まない。また「置換基」は、-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-又は-NRx3-に置き換わることで形成される基を含まない。-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わることで形成される基を、以下、「基(Z1)」という場合がある。-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わることで形成される基を、以下、「基(Z2)」という場合がある。
式(1)で表される化合物は、式(2)で表される化合物(以下、イソインドリン色素(2)という場合がある)であってもよい。
Figure 0007067991000008
[式(2)中、
11は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
12~R15は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
12とR13、R13とR14、及び、R14とR15は、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該環は置換基を有していてもよい。
16は、-CO-ORn30、-CO-NH2、-CO-NH(Rn30)、-CO-N(Rn312、-CO-H、-CO-Rn30又は-S(O)2-Rn30を表す。ただし、R16が-CO-NH(Rn30)を表す場合、(a)、(b)の少なくとも一方を満足する。
(a)R12~R15の少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
(b)R12とR13、R13とR14、及び、R14とR15の少なくとも一組が結合して環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該環は置換基を有していてもよい。R12~R15のうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
n30は、通常1価の基であり、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rn30が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
n31は、置換基を有していてもよい炭素数1~15の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rn31が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
1は、式(1ax)で示される基を表す。
Figure 0007067991000009
[式(1ax)中、R21及びR22は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
21とR22は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。
x3は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rx3が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。]]
なお炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わって形成される基の炭素数は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-などで置換される前の炭素数として計数する。
イソインドリン色素(2)は、-CO2 -及び-S(O)2-を有さない。以下、-CO2 -及び-S(O)2-を「ヒドロン結合性基」という場合がある。
前記式(1ax)には、式(2ax)が含まれる。
Figure 0007067991000010
[式(2ax)中、R23、R24は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。
x3は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rx3が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。]
1~R9、R11~R15、R21~R22、Rx1、及びRx3で表される炭素数1~40の炭化水素基、R23~R24及びRn30で表される炭素数1~35の炭化水素基、又はRn31で表される炭素数1~15の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、鎖状又は脂環であってもよい。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30、及びRn31で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の直鎖状アルキル基等;イソプロピル基、(2-メチル)プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、(2-エチル)ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、(1-メチル)ペンチル基、(2-メチル)ペンチル基、(1-エチル)ペンチル基、(3-エチル)ペンチル基、イソヘキシル基、(5-メチル)ヘキシル基、(2-エチル)ヘキシル基、及び(3-エチル)ヘプチル基等の分枝鎖状アルキル基等;ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、(1-メチル)エテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、(1-(2-プロペニル))エテニル基、(1,2-ジメチル)プロペニル基及び2-ペンテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。またR1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30の例には、ヘプタデシル基、オクタデシル基及びイコシル基も含まれる。飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30の場合、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~20であり、さらに好ましくは1~15であり、さらにより好ましくは1~10であり、さらにより一層好ましくは1~8であり、特に好ましくは1~5であり、Rn31の場合、好ましくは1~15であり、より好ましくは1~10であり、さらにより好ましくは1~8である。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30、及びRn31で表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチルシクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、1,3-ジメチルシクロヘキシル基、1,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、2,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、3,4-ジメチルシクロヘキシル基、3,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,2-ジメチルシクロヘキシル基、3,3-ジメチルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、2,4,6-トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基及び3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキシル基、4-ペンチルシクロヘキシル基、4-オクチルシクロヘキシル基、4-シクロヘキシルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基(例えばシクロヘキサ-2-エン、シクロヘキサ-3-エン)、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルナン基、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30の場合、好ましくは3~30であり、より好ましくは3~20であり、さらに好ましくは4~20であり、さらにより好ましくは4~15であり、より一層好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10であり、中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基であることがとりわけ好ましく、Rn31の場合、好ましくは4~15であり、より好ましくは5~15であり、さらにより好ましくは5~10であり、中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基であることがとりわけ好ましい。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30、及びRn31で表される飽和又は不飽和炭化水素基は、上記に挙げた鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基を組合わせた基であってもよく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等の1つ以上の脂環式炭化水素基が結合したアルキル基が挙げられる。その炭素数は、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30の場合、好ましくは4~30であり、より好ましくは4~20であり、さらに好ましくは4~15であり、Rn31の場合、好ましくは4~15である。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30、及びRn31で表される芳香族炭化水素基は、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、o-イソプロピルフェニル基、m-イソプロピルフェニル基、p-イソプロピルフェニル基、o-tert-ブチルフェニル基、m-tert-ブチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、メシチル基、2,6-ビス(2-プロピル)フェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフチル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基及びアントリル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30の場合、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~15であり、Rn31の場合、好ましくは6~15である。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30及びRn31で表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素環を有する炭化水素基である限り特に限定されず、上記に挙げた鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基の少なくとも一つを、上記に挙げた芳香族炭化水素基と組合わせた基であってもよく、ベンジル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニルエテニル基(フェニルビニル基)等のアリールアルケニル基;フェニルエチニル基等のアリールアルキニル基;ビフェニリル基、ターフェニリル基等の1つ以上のフェニル基が結合したフェニル基;シクロヘキシルメチルフェニル基、ベンジルフェニル基、(ジメチル(フェニル)メチル)フェニル基;等が挙げられ、その炭素数は、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30の場合、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~20であり、さらに好ましくは7~15であり、Rn31の場合、好ましくは7~15である。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30、及びRn31で表される炭化水素基は、1価の置換基、又は2価の置換基を有していてもよい。2価の置換基は、2つの結合手が同じ炭素原子に結合して二重結合を形成するのが好ましい。
該1価の置換基としては、
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基及びブチルチオ基等の炭素数1~10のアルキルスルファニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;
ニトロ基;シアノ基;
トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロフェニル基等の水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基;
*-CO-SH;
*-CO-S-CH3、*-CO-S-CH2CH3、*-CO-S-CH2-CH2-CH3、*-CO-S-CH2-CH2-CH2-CH3等のアルキル基(該アルキル基の炭素数は1~10)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;
*-CO-S-C65等のアリール基(該アリール基の炭素数は6~20)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;等が挙げられる。
2価の置換基としては、チオキソ基、イミノ基、炭素数1~20(好ましくは炭素数1~10)のアルキル基が置換したイミノ基、炭素数6~20のアリール基が置換したイミノ基等が挙げられる。アルキル基が置換したイミノ基としては、CH3-N=、CH3-CH2-N=、CH3-(CH22-N=、CH3-(CH23-N=等が挙げられる。アリール基が置換したイミノ基としては、C65-N=等が挙げられる。
置換基としては、ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1~20の炭化水素基;チオカルボニル基;などが好ましく、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1~10の炭化水素基;チオカルボニル基などがより好ましい。
1~R9で表される炭化水素基は、-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わることで形成される基(すなわち基(Z1))を有していてもよい。
11~R15、R21~R24、Rn30、及びRn31で表される炭化水素基は、-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、又は-NRx3-に置き換わることで形成される基(すなわち基(Z2))を有していてもよい。
基(Z1)、基(Z2)としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、(2-エチル)ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、フェニルオキシ基、及びo-トリルオキシ基等の炭素数が1~20、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;
エポキシ基;
ホルミル基;
アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、tert-ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2-エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、ベンゾイル基等の炭素数が2~22、好ましくは炭素数が2~12のアシル基(好ましくはアルカノイル基);
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2-エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基及びオクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、o-トリルオキシカルボニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;
アミノ基;
N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N,N-ジプロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N,N-ジブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N,N-ジイソブチルアミノ基、N-sec-ブチルアミノ基、N,N-ジsec-ブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N,N-ジtert-ブチルアミノ基、N-ペンチルアミノ基、N,N-ジペンチルアミノ基、N-(1-エチルプロピル)アミノ基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)アミノ基、N-ヘキシルアミノ基、N,N-ジヘキシルアミノ基、N-(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N-ヘプチルアミノ基、N,N-ジヘプチルアミノ基、N-オクチルアミノ基、N,N-ジオクチルアミノ基、N-ノニルアミノ基、N,N-ジノニルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-エチルメチルアミノ基、N,N-プロピルメチルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、N,N-ブチルメチルアミノ基、N,N-tert-ブチルメチルアミノ基及びN,N-フェニルメチルアミノ基等の1つ又は2つの炭素数1~10、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基で置換されたアミノ基;
スルファモイル基;
N-メチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N,N-ジプロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N,N-ジイソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N,N-ジブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N,N-ジイソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N,N-ジsec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N,N-ジtert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N,N-ジペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジヘキシルスルファモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N,N-ジヘプチルスルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N,N-ジオクチルスルファモイル基、N,N-オクチルメチルスルファモイル基、N-ノニルスルファモイル基、N,N-ジノニルスルファモイル基、N-フェニルスルファモイル基、N,N-ジフェニルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基及びN,N-フェニルメチルスルファモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたスルファモイル基;
ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、2,2-ジメチルプロパノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、(2-エチル)ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、ヘンイコサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等の炭素数1~22、好ましくは炭素数1~12のアルカノイルアミノ基;
ヒドロキシ基;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、(2-エチル)ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10のアルカノイルオキシ基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2-エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、フェニルスルホニル基及びp-トリルスルホニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が置換したスルホニル基;
カルバモイル基;
N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N-ノニルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N,N-ジフェニルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基及びN,N-フェニルメチルカルバモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基;
*-COCORn2a
*-OCON(Rn2a2
*-N(Rn2a)COORn2b
*-OP(O)(ORn2a2
*-Si(Rn2a)(Rn2b)(Rn2c);等が挙げられる。
前記式中、Rn2a、Rn2b、Rn2cは、同一であってもよく異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基又は複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rx1は、前記と同じである。Rn2a、Rn2b、Rn2cの具体例及び好ましい範囲は、炭素数が36以上となる例を含まない以外は、R1と同じである。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30、及びRn31で表される複素環基は、単環であってもよいし多環であってもよく、好ましくは環の構成要素としてヘテロ原子を含む複素環である。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等が挙げられる。
1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、及びRn30で表される複素環基の炭素数は、好ましくは2~30であり、より好ましくは3~22であり、さらに好ましくは3~20であり、さらにより好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~15であり、特に好ましくは3~14である。Rn31で表される複素環の炭素数は、好ましくは2~15であり、より好ましくは3~15であり、さらにより好ましくは3~14である。
窒素原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等の単環系飽和複素環;2,5-ジメチルピロール等のピロール、2-メチルピラゾール、3-メチルピラゾール等のピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール等の5員環系不飽和複素環;ピリジン、ピリダジン、6-メチルピリミジン等のピリミジン、ピラジン、1,3,5-トリアジン等の6員環系不飽和複素環;インダゾール、インドリン、イソインドリン、インドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロ(3-メチル)キノキサリン、3-メチルキノキサリン等のキノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾピラゾール、ベンゾピペリジン等の縮合二環系複素環;カルバゾール、アクリジン、フェナジン等の縮合三環系複素環;下記式で表される環等が挙げられる。
Figure 0007067991000011

(式中、*は結合手を表す)
酸素原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1-シクロペンチルジオキソラン等の単環系飽和複素環;1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン、1,4-ジオキサスピロ[4.5]ノナン等の二環系飽和複素環;α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等のラクトン系複素環;2,3-ジメチルフラン、2,5-ジメチルフラン等のフラン等の5員環系不飽和複素環;2H-ピラン、4H-ピラン等の6員環系不飽和複素環;1-ベンゾフラン、4-メチルベンゾピラン等のベンゾピラン、ベンゾジオキソール、クロマン、イソクロマン等の縮合二環系複素環;キサンテン、ジベンゾフラン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
硫黄原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、ジチオラン等の5員環系飽和複素環;チアン、1,3-ジチアン、2-メチル-1,3-ジチアン等の6員環系飽和複素環;3-メチルチオフェン、2-カルボキシチオフェン等のチオフェン、4H-チオピラン、ベンゾテトラヒドロチオピラン等のベンゾチオピラン等の5員環系不飽和複素環;ベンゾチオフェン等の縮合二環系複素環等;チアントレン、ジベンゾチオフェン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
窒素原子及び酸素原子をヘテロ原子として含む複素環としては、モルホリン、2-ピロリドン、2-メチル-2-ピロリドン、2-ピペリドン、2-メチル-2-ピペリドン等の単環系飽和複素環;4-メチルオキサゾール等のオキサゾール、2-メチルイソオキサゾール、3-メチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール等の単環系不飽和複素環;ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジン、ベンゾジオキサン、ベンゾイミダゾリン等の縮合二環系複素環;フェノキサジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
窒素原子及び硫黄原子をヘテロ原子として含む複素環としては、3-メチルチアゾール、2,4-ジメチルチアゾール等のチアゾール等の単環系複素環;ベンゾチアゾール等の縮合二環系複素環;フェノチアジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
上記複素環基は、上記に挙げた炭化水素基を組合わせた基であってもよく、例えば、テトラヒドロフリルメチル基、メチルテトラヒドロフリル基等が挙げられる。
なお、上記の複素環の結合位は、各環に含まれる任意の水素原子が脱離した部分である。
1~R9で表される複素環基は、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R1~R9で表される複素環基は、上記基(Z1)を含む。
11~R15、R21~R24、Rn30、及びRn31で表される複素環基は、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R11~R15、R21~R24、Rn30、及びRn31で表される複素環基は、上記基(Z2)を含む。
また前記複素環が、その構成元素として窒素原子を含んでいる場合、この窒素原子には、上述したR1が結合していてもよい。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して環を形成する場合、この環は、炭化水素環であってもよく、複素環であってもよい。炭化水素環としては、脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環などが挙げられる。
脂肪族炭化水素環には、シクロプロパン環、メチルシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、メチルシクロヘキサン環、1,1-ジメチルシクロヘキサン環、1,2-ジメチルシクロヘキサン環、1,3-ジメチルシクロヘキサン環、1,4-ジメチルシクロヘキサン環、シクロオクタン環、1,3,5-トリメチルシクロヘキサン環、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサン環、ペンチルシクロヘキサン環、オクチルシクロヘキサン環、シクロヘキシルシクロヘキサン環等のシクロアルカン環;シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環等のシクロアルケン環;ノルボルナン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。脂肪族炭化水素環の炭素数は、例えば、3~30であり、好ましくは3~20であり、より好ましくは4~20であり、さらにより好ましくは4~15であり、より一層好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10である。
芳香族炭化水素環には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、イソプロピルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、メシチレン、1,5-ビス(2-プロピル)ベンゼン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン;等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、例えば、6~30であり、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~15である。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して形成する環は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30及びRn31で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9が結合して形成する環が、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9が結合して形成する環は、上記基(Z1)を含む。
12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して形成する環が、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して形成する環は、上記基(Z2)を含む。
またR2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して複素環を形成する場合、この複素環が上記R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30、及びRn31で表される複素環基と同様の複素環を形成してもよい。R2とR3、R3とR4、R4とR5、R12とR13、R13とR14、又はR14とR15とが結合して複素環を形成する場合、該複素環基は、R2~R5又はR12~R15が結合するベンゼン環と共に2環以上の環構造を有している。この2環以上の環構造を有する複素環としては、例えば、下記式の構造を有する複素環が挙げられる。
Figure 0007067991000012
(式中のベンゼン環は、イソインドリン色素(1)またはイソインドリン色素(2)が有するイソインドリン構造中のベンゼン環に相当する)
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して複素環を形成する場合、該複素環基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30及びRn31で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
またR2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9が結合して形成する複素環が、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9が結合して形成する環は、上記基(Z1)を含む。
12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して形成する複素環が、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-で置換されていてもよい。-CH2-が置換されている場合、R12とR13、R13とR14、R14とR15、又はR21とR22が結合して形成する環は、上記基(Z2)を含む。
また前記複素環が、その構成元素として窒素原子を含んでいる場合、この窒素原子には、上述したR1が結合していてもよい。
1~R9の少なくとも一つ、好ましくはR6~R9の少なくとも1つ、より好ましくはR6及びR7の一方とR8及びR9の一方は、炭化水素基であって、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっているのが好ましい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。またR6及びR7の一方とR8及びR9の一方が、炭化水素基であって、該炭化水素基に含まれる-CH2-が置き換わっている場合、R6及びR7の他方とR8及びR9の他方は、CN、COO-、S(O)2-からなる群から選ばれる1種であることが好ましく、CNであることがより好ましい。
-CH2-が置き換わった基としては、例えば、-CO-ORn10(この基は、-CH2-CH2-Rn10の2つ-CH2-がそれぞれ-CO-、-O-で置き換わった基である)、-CO-NH2(この基は、-CH2-CH2-Hの2つの-CH2-がそれぞれ-CO-と-NH-で置き換わった基である)、-CO-NH(Rn10)(この基は、-CH2-CH2-Rn10の2つの-CH2-がそれぞれ-CO-と-NH-で置き換わった基である)
、-CO-N(Rn112(この基は、-CH2-CH2-Rn11の2つの-CH2-がそれぞれ-CO-と-NRn11-で置き換わった基である)、-CO-H(この基は、-CH2-Hの-CH2-が-CO-で置き換わった基である)、-CO-Rn10(この基は、-CH2-Rn10の-CH2-が-CO-で置き換わった基である)又は-S(O)2-Rn10(この基は、-CH2-Rn10の-CH2-が-S(O)2-で置き換わった基である)などが挙げられる。
式中、Rn10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基又は複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rx1は、前記と同じである。Rn10の具体例及び好ましい範囲は、炭素数が36以上となる例を含まない以外は、R1と同じである。
n10は基(Z1)を有していてもよい。Rn10が有していてもよい好ましい基(Z1)としては、塩素原子などのハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基などの炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基などの炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;-SO2NH2などが好ましい。またRn10は、-CO2 -、-S(O)2-などを有していてもよい。
式中、Rn11は、置換基を有していてもよい炭素数1~15の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基又は複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rx1は、前記と同じである。Rn11の具体例及び好ましい範囲は、炭素数が16以上となる例を含まない以外は、R1と同じである。
n11は基(Z1)を有していてもよい。Rn11が有していてもよい好ましい基(Z1)としては、塩素原子などのハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基などの炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基などの炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;-SO2NH2などが好ましい。またRn10は、-CO2 -、-S(O)2-などを有していてもよい。
またR11~R15又はR21~R24が炭化水素基の場合、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。-CH2-が置き換わった基としては、例えば、-CO-ORn35、-CO-NH2、-CO-NH(Rn35)、-CO-N(Rn362、-CO-H、-CO-Rn35又は-S(O)2-Rn35などが挙げられる(式中、Rn35は、Rn30と同じ意味であり、Rn36はRn31と同じ意味である)。特にR16としては、-CO-ORn30、-CO-NH2、-CO-NH(Rn30)、-CO-N(Rn312、-CO-H、-CO-Rn30又は-S(O)2-Rn30などであることが好ましい(式中、Rn30、Rn31は、前記と同じ)。
-CO-ORn10、-CO-ORn30、-CO-ORn35としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2-エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ウンデシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等の炭素数1~35の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基等が好ましく、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基等が挙げられる。
-CO-NH(Rn10)、-CO-N(Rn112、-CO-NH(Rn30)、-CO-N(Rn312、-CO-NH(Rn35)、-CO-N(Rn362としては、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N-ノニルカルバモイル基、N-デシルカルバモイル基、N-ウンデシルカルバモイル基、N-ドデシルカルバモイル基、N-イコシルカルバモイル基及びN-フェニルカルバモイル基等の1つの炭素数1~35の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等;
N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N,N-ブチルオクチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N,N-オクチルメチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N,N-デシルメチルカルバモイル基、N,N-ウンデシルメチルカルバモイル基、N,N-ドデシルメチルカルバモイル基、N,N-フェニルメチルカルバモイル基及びN,N-ジフェニルカルバモイル基等の2つの炭素数1~15の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が好ましく、より好ましくは1つ又は2つの炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が挙げられる。-CO-NH(Rn10)、-CO-N(Rn112において、前記1つ又は2つの炭化水素基で置換されたカルバモイル基では、該炭化水素基が-COO-を有していてもよい。
-CO-Rn10、-CO-Rn30、-CO-Rn35としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2-エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ヘンイコサノイル基、ベンゾイル基、フェニルメチルカルボニル基、フェニルエチルカルボニル基、フェニルプロピルカルボニル基等の炭化水素基であって炭素数が1~35の基が結合したカルボニル基が好ましく、好ましくは炭化水素基であって炭素数が1~10の基が結合したカルボニル基等が挙げられる。-CO-Rn10、-CO-Rn30、-CO-Rn35において、炭化水素基が結合したカルボニル基では、該炭化水素基が、塩素原子などのハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基などの炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基などの炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;などを有していてもよい。-CO-Rn10において、炭化水素基が結合したカルボニル基では、該炭化水素基が-COO-、S(O)2-などを有していてもよい。また-CO-Rn10、-CO-Rn30、-CO-Rn35としては、ホルミル基も好ましい。
-S(O)2-Rn10、-S(O)2-Rn30、-S(O)2-Rn35としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2-エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、ウンデシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、イコシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p-トリルスルホニル基等の炭素数1~35の炭化水素基が結合したスルホニル基等が好ましく、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したスルホニル基等が挙げられる。
2とR3、R3とR4、R4とR5、R12とR13、R13とR14、及びR14とR15が形成する環は、式(1)又は式(2)のイソインドリン骨格のベンゼンと縮合している。R2とR3、R3とR4、R4とR5、R12とR13、R13とR14、及びR14とR15が形成する環と前記ベンゼン環との縮合環構造としては、インデン、ナフタレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、N-メチルフタルイミド、N-(1-フェニルエチル)フタルイミド及びテトラセン等の炭化水素系縮環構造及びその部分還元体(例えば、9,10-ジヒドロアントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンなど);インドール、イソインドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン等の含窒素縮合複素環及びその部分還元体;3-ヒドロベンゾフラン2-オン等の含酸素縮合複素環及びその部分還元体が挙げられる。
6とR7とが形成する環又はR8とR9とが形成する環は、式(1)のイソインドリン骨格のエキソメチレン(C=CH2)と結合しており、R6とR7とが形成する環又はR8とR9が形成する環をこのエキソメチレン(C=CH2)を含んだ構造として挙げると、例えば、下記群Aの様なカルボニル基とエキソメチレンとカルボニル基とがこの順で並ぶ構造が例示できる。**は、イソインドリン骨格との結合手を表す。
[群A]
Figure 0007067991000013
[式中、R25及びR26は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx1-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、置換基として-CO2 -及び-S(O)2-からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。具体例及び好ましい例としては、前記R1のうち、炭素数が36以上の例を除いた例が挙げられる]
21とR22とが形成する環は、式(2)のイソインドリン骨格のエキソメチレン(C=CH2)と結合しており、R21とR22とが形成する環をこのエキソメチレン(C=CH2)を含んだ構造として挙げると、例えば、下記群Bの様なカルボニル基とエキソメチレンとカルボニル基とがこの順で並ぶ構造が例示できる。**は、イソインドリン骨格との結合手を表す。
[群B]
Figure 0007067991000014
[式中、R27及びR28は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRx3-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。具体例及び好ましい例としては、前記R23と同様の例が挙げられる]
2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、R8とR9、R12とR13、R13とR14、R14とR15、及びR21とR22が形成する環は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R1~R9、R11~R15、R21~R24、Rx1、Rx3、Rn30及びRn31で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
2~R9、R12~R15、及びR21~R22で表されるハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
式(1)又は式(2)で表されるイソインドリン色素としては、R1~R9、R11~R16、R21~R24が以下の通りであるものが好ましい。
1及びR11としては、水素原子が好ましい。
2~R5としては、水素原子、ブチル基などの炭素数1~10のアルキル基、メトキシ基などの炭素数1~10のアルコキシ基、トリフルオロメチル基などの炭素数1~10のパーフルオロアルキル基、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、-CO2 -、-S(O)2-などが好ましい。
12~R15としては、水素原子、ブチル基などの炭素数1~10のアルキル基、メトキシ基などの炭素数1~10のアルコキシ基、トリフルオロメチル基などの炭素数1~10のパーフルオロアルキル基、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基などが好ましい。
6及びR7のうち一方の基(以下、R6aという)又はR8及びR9のうち一方の基(以下、R8aという)はシアノ基が好ましく、R6及びR7のうちR6a以外の基又はR8及びR9のうちR8a以外の基は、-COO-、-CO-ORn15、-CO-Rn15、-CO-NH2、-CO-NH(Rn15)、-CO-N(Rn162、-CO-H、又は-S(O)2-Rn15が好ましい(Rn15は前記Rn10と同じであり、Rn16は前記Rn11と同じである)。
-CO-ORn15としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルキル基の炭素数が1~10のアルコキシカルボニル基が好ましい。
-CO-Rn15としては、フェニルカルボニル基などの、炭素数6~10の芳香族環が結合したカルボニル基;エチルカルボニル基、ブチルカルボニル基などの、炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基;フェニルメチル基、フェニルエチル基などの、炭素数6~10の芳香族環が結合した炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基が好ましい。また該芳香族環が結合したカルボニル基;アルキル基が結合したカルボニル基;芳香族環が結合したアルキル基が結合したカルボニル基などの炭素原子には、塩素原子などのハロゲン原子;-CO2 -;-S(O)2-;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基などの炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基などの炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;などが結合していてもよい。
-CO-NH(Rn15)としては、メチルアミノカルボニル基などの炭素数1~10のアルキル基が結合したアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基などの炭素数6~10の芳香族炭化水素環が結合したアミノカルボニル基が好ましい。また該アルキル基が結合したアミノカルボニル基、芳香族炭化水素環が結合したアミノカルボニル基などの炭素原子には、-CO2 -が結合していてもよい。
-CO-N(Rn162としては、ジメチルアミノカルボニル基などの炭素数1~10のアルキル基が2つ結合したアミノカルボニル基が好ましい。
また前記R8及びR9は、上記群Aの構造を形成するのも好ましい。
21及びR22のうち一方の基(以下、R21aという)はシアノ基が好ましく、R21及びR22のうちR21a以外の基はR16と同様の基であるのが好ましい。
16としては、-CO-ORn30、-CO-Rn30、-CO-NH2、-CO-NH(Rn30)、-CO-N(Rn312、-CO-H、-S(O)2-Rn30などが好ましい。
-CO-ORn30としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルキル基の炭素数が1~10のアルコキシカルボニル基が好ましい。
-CO-Rn30としては、フェニルカルボニル基などの炭素数6~10の芳香族環が結合したカルボニル基、ブチルカルボニル基などの炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基;フェニルメチル基、フェニルエチル基などの炭素数6~10の芳香族環が結合した炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基が好ましい。また該芳香族環が結合したカルボニル基、アルキル基が結合したカルボニル基、芳香族環が結合したアルキル基が結合したカルボニル基の炭素原子には、塩素原子などのハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基などの炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基などの炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;などが結合していてもよい。
-CO-NH(Rn30)としては、メチルアミノカルボニル基などの炭素数1~10のアルキル基が結合したアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基などの炭素数6~10の芳香族炭化水素環が結合したアミノカルボニル基が好ましい。
-CO-N(Rn312としては、ジメチルアミノカルボニル基などの炭素数1~10のアルキル基が2つ結合したアミノカルボニル基が好ましい。
また前記R21及びR22は、上記群Bの構造を形成するのも好ましい。
23及びR24としては、水素原子が好ましい。
b+は、ヒドロン又はLi+、Na+、K+などの1価の金属イオン、2価以上の金属陽イオンであるのが好ましく、ヒドロン又は2価以上の金属陽イオンであるのがより好ましく、ヒドロンが最も好ましい。2価以上の金属陽イオンとしては、元素の周期律表の2族~15族の金属の陽イオンが挙げられ、好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+及びMn2+等の2価の金属陽イオン;Al3+、Fe3+及びCr3+等の3価の金属陽イオン;Sn4+、Mn4+、Ce4+等の4価の金属陽イオンが挙げられ、より好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Sn4+及びMn4+が挙げられ、さらに好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+が挙げられる。なおMb+がヒドロンである場合、該ヒドロンは、-CO2 -又は-S(O)2-と結合し、-COOH又は-S(O)2OHとして存在する。
aは、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~5であり、最も好ましくは2~4である。
イソインドリン色素(1)又は(2)の具体例としては、例えば、式(Ia)で表される化合物において、R31、L1、L2、R32、B12、n、m及びMb+の組合せが表1~表4の何れかである化合物、並びに、式(Ib)で表される化合物において、R33、L3、B12、n、m及びMb+の組合せが表5~表6の何れかである化合物が挙げられる。なお、R31、R32、R33は、式(HH1)~式(HH18)で表されるいずれかの部分構造を表す。B12は、式(BB1)~式(BB9)で表されるいずれかの部分構造を表す。
Figure 0007067991000015
(式中、波線は、E体及びZ体の両方を含むことを示す)
Figure 0007067991000016
Figure 0007067991000017
Figure 0007067991000018
Figure 0007067991000019
Figure 0007067991000020
Figure 0007067991000021
Figure 0007067991000022
Figure 0007067991000023
表に示した化合物のうち、化合物番号28~31、37~40、46~49、73~76、82~85、91~94、136~139、154~157、190~193、199~202、208~211、244~247、298~301の化合物が好ましい。
式(1)で表されるイソインドリン色素(イソインドリン色素(1))は、R1が水素原子のとき(すなわち式(1a)で表されるイソインドリン色素のとき)、式(pt1)で表される化合物(以下、フタロニトリル化合物という場合がある)を式(pt2)で表される化合物(以下、アルコキシド化合物という場合がある)と反応させた後、式(pt3)で表される化合物(以下、化合物(pt3)という場合がある)と式(pt4)で表される化合物(以下、化合物(pt4)という場合がある)とをさらに酸の存在下で反応させることで製造できる。また、イソインドリン色素(1)は、R1が水素原子のとき(すなわち式(1a)で表されるイソインドリン色素のとき)、式(pt5)で表される化合物(以下、1,3-ジイミノイソインドリン化合物という場合がある)と化合物(pt3)と化合物(pt4)とを反応させることで製造できる。またR1が水素原子以外の場合(すなわち式(1b)で表されるイソインドリン色素のとき)、式(1b)で表されるイソインドリン色素は、さらに式(1a)で表されるイソインドリン色素を式(pt6)で表される化合物(以下、化合物(pt6)という場合がある)と反応させることにより製造できる。式(1)において、Mb+が金属イオンの場合(すなわち式(1c)で表されるイソインドリン色素のとき)、式(1c)で表されるイソインドリン色素は、さらに式(1b)で表されるイソインドリン色素を式(pt7)で表される化合物(以下、化合物(pt7)という場合がある)、式(pt8)で表される化合物(以下、化合物(pt8)という場合がある)と反応させることにより製造できる。
Figure 0007067991000024
[式(pt1)~式(pt8)、式(1a)、式(1b)及び式(1c)中、R1~R9、Mb+、a,m、及びnは、前記と同一の意味を表す。R41、R42は、互いに独立に、水素原子及び/または炭素数1~20のアルキル基を表す。M1、M2は、互いに独立に、アルカリ金属原子を表す。LG1、LG2は、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、クロロメチルスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。]
41、R42で表される炭素数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。
41は、アルキル基が好ましい。R42は、水素原子が好ましい。
1、M2で表されるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子及びカリウム原子が挙げられる。
式(pt2)で表されるアルコキシド化合物の使用量は、フタロニトリル化合物1モルに対して、通常、0.1~10モルであり、好ましくは0.2~5モルであり、より好ましくは0.3~3モルであり、さらに好ましくは0.4~2モルである。
化合物(pt3)及び化合物(pt4)の使用量の合計は、フタロニトリル化合物あるいは1,3-ジイミノイソインドリン化合物1モルに対して、通常、2~20モルであり、好ましくは2~10モルであり、より好ましくは2~6モルであり、さらに好ましくは2~4モルである。なお化合物(pt3)と化合物(pt4)は、同じであってもよい。
酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、フルオロスルホン酸、リン酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸等のスルホン酸;酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸及び酒石酸等のカルボン酸が挙げられ、好ましくは塩化水素、臭化水素、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びカルボン酸が挙げられ、より好ましくは酢酸が挙げられる。
酸の使用量は、フタロニトリル化合物1モルに対して、通常1~500モルであり、好ましくは5~200モルであり、より好ましくは20~100モルである。
フタロニトリル化合物、アルコキシド化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応は、通常、溶剤の存在下に実施される。溶剤としては、水;アセトニトリル等のニトリル溶剤;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;アセトン等のケトン溶剤;酢酸エチル等のエステル溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶剤;N,N-ジメチルホルムアルデヒド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤が挙げられ、好ましくは水、ニトリル溶剤、アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、エステル溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、アミド溶剤及びスルホキシド溶剤が挙げられ、より好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、さらに好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、とりわけ好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。溶剤の使用量は、フタロニトリル化合物1質量部に対して、通常1~1000質量部である。
フタロニトリル化合物、アルコキシド化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応温度は、通常0~200℃であり、好ましくは0~100℃であり、より好ましくは0~50℃である。反応時間は、通常0.5~300時間である。
1,3-ジイミノイソインドリン化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応は、通常、溶剤の存在下に実施される。溶剤としては、水;アセトニトリル等のニトリル溶剤;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;アセトン等のケトン溶剤;酢酸エチル等のエステル溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶剤;N,N-ジメチルホルムアルデヒド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤が挙げられ、好ましくはニトリル溶剤、アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、エステル溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、アミド溶剤及びスルホキシド溶剤が挙げられ、より好ましくはアセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N,N-ジメチルアセトアルデヒド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、さらに好ましくはアセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N,N-ジメチルアセトアルデヒド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、とりわけ好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド,1-ブタノール、N-メチルピロリドン、3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。溶剤の使用量は、1,3-ジイミノイソインドリン化合物1質量部に対して、通常1~1000質量部である。
1,3-ジイミノイソインドリン化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応温度は、通常0~200℃であり、好ましくは0~100℃であり、より好ましくは0~80℃である。反応時間は、通常0.5~300時間である。
化合物(pt6)の使用量は、式(1a)で表されるイソインドリン色素1モルに対し、通常、1~10モルであり、好ましくは1~5モルであり、より好ましくは1~3モルであり、さらに好ましくは1~2モルである。
また化合物(pt6)を反応させる場合、塩基が共存することが好ましい。塩基としては、トリエチルアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、ピペリジン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシド、ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びフェニルリチウム等の有機金属化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、式(1a)で表されるイソインドリン色素1モルに対し、通常1~10モルであり、好ましくは1~5モルであり、より好ましくは1~3モルであり、さらに好ましくは1~2モルである。
また化合物(pt6)の反応は、通常、溶剤の存在下に実施される。溶剤は、フタロニトリル化合物、アルコキシド化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応で使用される溶剤と同様の範囲から選択できる。
溶剤の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1質量部に対して、通常1~1000質量部である。化合物(pt6)の反応温度は、通常-90~200℃であり、好ましくは-80~100℃であり、より好ましくは0~50℃である。反応時間は、通常0.5~300時間である。
式(1b)で表されるイソインドリン色素がスルホ基を有していない場合、式(1b)で表されるイソインドリン色素と発煙硫酸又はクロロスルホン酸等のスルホ化剤と反応させることによって、スルホ基を導入することができる。
発煙硫酸中のSO3の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1モルに対し、通常1~50モルであり、好ましくは5~40モルであり、より好ましくは5~30モルであり、さらに好ましくは5~25モルである。発煙硫酸中の硫酸の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1モルに対し、通常1~200モルであり、好ましくは10~100モルであり、より好ましくは10~75モルであり、さらに好ましくは10~50モルである。
クロロスルホン酸の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1モルに対し、通常1~500モルであり、好ましくは10~300モルであり、より好ましくは10~200モルであり、さらに好ましくは10~150モルである。
スルホ化の反応温度は、通常-20~200℃であり、好ましくは-10~100℃であり、より好ましくは0~50℃である。反応時間は、通常0.5~300時間である。
式(1b)で表されるイソインドリン色素が、カルボキシ基又はスルホ基を有する場合、化合物(pt7)と化合物(pt8)とを反応させて、Mb+を含む式(1c)で表されるイソインドリン色素を製造してもよい。
化合物(pt7)は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシド、ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びフェニルリチウム等の有機金属化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
化合物(pt7)の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1モルに対して、通常、0.1~10モルであり、好ましくは0.2~10モルであり、より好ましくは1~5モルである。
化合物(pt8)の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1モルに対して、通常、0.1~10モルであり、好ましくは0.2~10モルであり、より好ましくは1~5モルである。
式(1b)で表されるイソインドリン色素、化合物(pt7)、化合物(pt8)の反応は、通常、溶剤の存在下に実施される。溶剤としては、水;アセトニトリル等のニトリル溶剤;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;アセトン等のケトン溶剤;酢酸エチル等のエステル溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶剤;N,N-ジメチルホルムアルデヒド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;並びにジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤が挙げられ、好ましくは水、ニトリル溶剤、アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、エステル溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、アミド溶剤、及び、スルホキシド溶剤が挙げられ、より好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、さらに好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、とりわけ好ましくは水、アセトニトリル、メタノール、エタノール及び2-プロパノールが挙げられる。
溶剤の使用量は、式(1b)で表されるイソインドリン色素1質量部に対して、通常1~1000質量部である。
式(1b)で表されるイソインドリン色素、化合物(pt7)、化合物(pt8)の反応温度は、通常0~200℃であり、好ましくは0~100℃であり、より好ましくは0~50℃である。反応時間は、通常0.5~300時間である。
反応混合物から、イソインドリン色素(1)を取り出す方法は特に限定されず、公知の種々の方法で取り出すことができる。例えば、反応終了後、反応混合物をろ過することによってイソインドリン色素(1)を取り出すことができる。また、ろ過した後、得られた残渣を溶剤で洗浄しても良い。また、ろ過した後、カラムクロマトグラフィー、再結晶又は昇華精製してもよい。
上記方法により得られるイソインドリン色素(A)は、以下の組成物に含まれていてもよい。
(I)イソインドリン色素(A)及び溶剤(E)を含む組成物(第1の組成物)。
(II)イソインドリン色素(A)、樹脂(B)及び溶剤(E)を含む組成物(第2の組成物)(以下、第1の組成物及び第2の組成物を、着色組成物という場合がある)。
(III)イソインドリン色素(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)及び溶剤(E)
を含む組成物(第3の組成物)。
(IV)イソインドリン色素(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含む組成物(第4の組成物)。(以下、第3の組成物及び第4の組成物を着色硬化性樹脂組成物という場合がある)。
なお(I)イソインドリン色素(A)及び溶剤(E)を含む着色組成物では、イソインドリン色素(A)は、溶剤(E)に分散していることが好ましい。またこのイソインドリン色素(A)及び溶剤(E)を含む着色組成物又はさらに樹脂(B)を含む着色組成物を、さらに重合性化合物(C)や重合開始剤(D)などと混合して、着色硬化性樹脂組成物を調製してもよい。
(2)着色剤(A1)
前記第1~第4の組成物は、イソインドリン色素(A)以外の着色剤(以下、着色剤(A1)という場合がある)を含んでいてもよく、1種又は2種以上の着色剤(A1)を含んでいてもよい。
着色剤(A1)は、染料であっても顔料であってもよい。染料としては、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists 出版)及び染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料及びフタロシアニン染料等が挙げられる。着色剤(A1)は、イソインドリン色素であってもよい。これらの染料は、2種以上を併用してもよい。
具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられる。C.I.ソルベントイエロー14、15、23、24、25、38、62、63、68、79、81、82、83、89、94、98、99、162;
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.ダイレクトイエロー2、4、28、33、34、35、38、39、43、44、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、132、136、138、141;
C.I.ディスパースイエロー51、54、76;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、54、56、99;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、149、162、169、173;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ソルベントレッド24、49、90、91、111、118、119、122、124、125、127、130、132、143、145、146、150、151、155、160、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.アシッドレッド73、80、91、92、97、138、151、211、274、289;
C.I.アシッドバイオレット34、102;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112;
C.I.ダイレクトブルー40;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60;
C.I.ソルベントグリーン1、3、5、28、29、32、33;
C.I.アシッドグリーン3、5、9、25、27、28、41;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1等。
顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。2種以上を組合せもよい。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59の緑色顔料が挙げられる。
着色剤(A1)としては、黄色染料及び黄色顔料(以下、これらを総称して「黄色着色剤」という場合がある)、緑色染料及び緑色顔料(以下、これらを総称して「緑色着色剤」という場合がある)が好ましく、黄色顔料及び緑色顔料がより好ましく、緑色顔料がさらに好ましい。
黄色染料としては、上記染料のうち、色相が黄に分類されている染料が挙げられ、黄色顔料としては、上記顔料のうち、色相が黄に分類されている顔料が挙げられる。
緑色染料としては、上記染料のうち、色相が緑に分類されている染料が挙げられ、緑色顔料としては、上記顔料のうち、色相が緑に分類されている顔料が挙げられる。
緑色顔料のなかでも、フタロシアニン顔料が好ましく、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料及びハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料からなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、C.I.ピグメントグリーン7、36、58及び59からなる群から選ばれる少なくとも一種がさらに好ましい。
着色剤(A1)の量は、イソインドリン色素(A)100質量部に対して、0質量部以上900質量部以下、好ましくは300質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
(3)分散剤
イソインドリン色素(A)又は着色剤(A1)(以下、イソインドリン色素(A)及び着色剤(A1)の両方を指す概念として、着色剤AXという場合がある。着色剤AXとしては、イソインドリン色素(A)が好ましい)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された着色剤誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による着色剤AX表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。着色剤AXの粒径は、略均一であることが好ましい。着色剤AXは、分散剤を含有させて分散処理を行うことで、着色剤AXが分散液の中で均一に分散した状態にすることができる。
分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で又は二種以上を組合せて用いてもよい。分散剤としては、商品名で表すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)及びDisperbyk(登録商標)(ビックケミー社製)、BYK(登録商標)(ビックケミー社製)等が挙げられる。
分散剤を用いる場合、分散剤の使用量は、着色剤AX100質量部に対して、好ましくは200質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上150質量部以下である。分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の着色剤AX含有液が得られる傾向がある。
着色組成物中、着色剤AXの含有量は、固形分の総量中、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上75質量%以下である。着色組成物中、イソインドリン色素(A)の含有量は、固形分の総量中、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上75質量%以下である。
着色硬化性樹脂組成物中、着色剤AXの含有量は、固形分の総量中、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上75質量%以下である。着色硬化性樹脂組成物中、イソインドリン色素(A)の含有量は、固形分の総量中、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上75質量%以下である。
本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色組成物又は着色硬化性樹脂組成物から溶剤(E)を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
(4)溶剤(E)
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
溶剤(E)としては、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤);
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤);
3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤);
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤);
ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤);
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤が挙げられる。
溶剤(E)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、N-メチルピロリドン及び3-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
溶剤(E)を含む場合、溶剤(E)の含有率は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70~95質量%であり、より好ましくは75~92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
(5)樹脂(B)
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「単量体(a)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。樹脂(B)は、さらに、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「単量体(b)」という場合がある)に由来する構造単位、単量体(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、単量体(a)及び単量体(b)とは異なる。)(以下「単量体(c)」という場合がある)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
単量体(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
単量体(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
単量体(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)
アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が好ましい。
側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位を有する樹脂は、単量体(a)と単量体(c)との共重合体に単量体(b)を付加させるか、単量体(b)と単量体(c)との共重合体に単量体(a)を付加させることにより製造することができる。該樹脂は、単量体(b)と単量体(c)との共重合体に単量体(a)を付加させさらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂であってもよい。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは50~170mg-KOH/gであり、より好ましくは60~150mg-KOH/g、さらに好ましくは70~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは7~65質量%であり、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。
(6)重合性化合物(C)
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
重合性化合物(C)を含む場合、重合性化合物(C)の含有率は、固形分の総量に対して、7~65質量%であることが好ましく、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。
(7)重合開始剤(D)
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
重合開始剤(D)を含む場合、重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~100質量部であり、より好ましくは20~70質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
(8)重合開始助剤(D1)
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントン、N-フェニルグリシン等が挙げられる。
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
(9)レベリング剤(F)
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
レベリング剤(F)を含有する場合、その含有量は、着色組成物又は着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常0.0005質量%以上1質量%以下であり、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.005質量%以上0.1質量%以下である。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
(10)上記樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、重合開始助剤(D1)、レベリング剤(F)以外の成分(以下、「その他の成分」という場合がある)
本発明の着色組成物は、必要に応じて、充填剤、樹脂(B)以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の成分を含んでもよい。
(11)カラーフィルタ
本発明の着色硬化性樹脂組成物から、カラーフィルタを形成することができる。着色パターンを形成する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。
前記カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下の実施例において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD6130型)で確認した。
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置:HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK-GELG2000HXL
カラム温度:40℃
溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
分析試料の固形分濃度:0.001~0.01質量%
注入量:50μL
検出器:RI
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
イソインドリン色素のハンセン溶解度パラメータは、溶解度試験に用いた溶剤のうち、試験に用いたイソインドリン色素を溶解した溶剤の3次元上の点をすべて球の内側に内包し、溶解しない溶剤の点は球の外側になるような球(ハンセン溶解度球)を探し出し、その球の中心座標から求めた。
溶解度試験;1,4-ジオキサン,1-ブタノール,2-フェノキシエタノール,アセトン,アセトニトリル,クロロホルム,シクロヘキサン,シクロヘキサノール,二塩基酸エステル,ジアセトンアルコール,ジエチレングリコール,N,N-ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,ジプロピレングリコール,エタノール,酢酸エチル,γ-ブチロラクトン,ヘキサン,2-ブタノン,メタノール,4-メチル-2-ペンタノン,ジクロロメタン,酢酸ブチル,N-メチルピロリドン,1-メトキシ-2-プロパノール,プロピレングリコール 1-モノメチルエーテル 2-アセテート,プロピレンカーボネート,テトラクロロエチレン,テトラヒロドフラン,トルエン,1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン,N,N’-ジメチルプロピレン尿素,テトラメチル尿素をイソインドリン色素に対して、23℃下、200重量倍使って、イソインドリン色素が各溶剤に溶解するかどうかを目視で検討した。
実施例1
(1) 4-カルボキシ-1-(4-シアノ-3-オキシブチル)ベンゼンの合成
4-カルボキシ-1-ベンゼンプロピオン酸メチル(WO2005/012220に記載の方法に準じて合成)30部をTHF900部に溶解させた。得られた混合物の温度を-50℃以下に保ちながら、1mol/L リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのヘキサン溶液(関東化学(株)製)576部を、120分かけて滴下し、30分間撹拌した。-50℃以下に保ちながら、アセトニトリル(関東化学(株)製)36部を90分かけて滴下し、25℃まで昇温させ、25℃で6時間撹拌した。反応液を水洗し、酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後溶剤を留去し、残渣を酢酸エチル/n-ヘキサン(体積比2/1)で再沈殿により精製し、4-カルボキシ-1-(4-シアノ-3-オキシブチル)ベンゼンを27部得た(収率85%)。
(2) イソインドリン色素1の合成
フタロニトリル(東京化成工業(株)製)1.0部とメタノール100部を混合した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)0.9部を、30分かけて滴下し、5℃下で6時間撹拌した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、酢酸4.7部を加えた。得られた混合物に、4-カルボキシ-1-(4-シアノ-3-オキシブチル)ベンゼン4.1部を加え、45℃下で26時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、残渣を水100部、メタノール100部、N,N-ジメチルホルムアミド5部、メタノール20部の順で洗浄し、60℃下で減圧乾燥して、式(I-1)で表される化合物2.3部を得た。得られた式(I-1)で表される化合物2.3部とN,N-ジメチルアセトアミド12部を混合させ、20℃下で3時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、得られた残渣を60℃下で減圧乾燥して、式(I-1)で表されるイソインドリン色素1(化合物番号154)を2.3部得た(収率55%)。
Figure 0007067991000025
<イソインドリン色素1の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 546
Exact Mass: 545
<イソインドリン色素1のハンセン溶解度パラメータ>
イソインドリン色素1のハンセン溶解度パラメータは、(δD1,δP1,δH1)=(17.3,13.5,10.0)であった。
実施例2
実施例1のフタロニトリル1.0部を4-ニトロフタロニトリル(東京化成工業(株)製)1.4部としたこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。式(I-2)で表されるイソインドリン色素2(化合物番号155)を3.7部得た(収率63%)。
Figure 0007067991000026
<イソインドリン色素2の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 591
Exact Mass: 590
<イソインドリン色素2のハンセン溶解度パラメータ>
イソインドリン色素2のハンセン溶解度パラメータは、(δD1,δP1,δH1)=(17.0,13.2,9.9)であった。
実施例3
実施例1の4-カルボキシ-1-(4-シアノ-3-オキシブチル)ベンゼン4.1部を3-(2-シアノアセチル)安息香酸(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2010,20(3), 922-926に記載の方法に準じて合成)4.7部としたこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。式(I-3)で表されるイソインドリン色素3(化合物番号37)を2.9部得た(収率76%)。
Figure 0007067991000027
<イソインドリン色素3の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 490
Exact Mass: 489
<イソインドリン色素3のハンセン溶解度パラメータ>
イソインドリン色素3のハンセン溶解度パラメータは、(δD1,δP1,δH1)=(17.0,12.5,9.9)であった。
実施例4
実施例1の4-カルボキシ-1-(4-シアノ-3-オキシブチル)ベンゼン4.1部を4-(2-シアノアセチル)安息香酸(US2680731に記載の方法に準じて合成)4.7部としたこと以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。式(I-4)で表されるイソインドリン色素4(化合物番号46)を2.9部得た(収率76%)。
Figure 0007067991000028
<イソインドリン色素4の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 490
Exact Mass: 489
<イソインドリン色素4のハンセン溶解度パラメータ>
イソインドリン色素4のハンセン溶解度パラメータは、(δD1,δP1,δH1)=(17.0,12.5,9.7)であった。
実施例5
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアセトアミドとした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.6部得た(収率68%)。
実施例6
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをジメチルスルホキシドとした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.4部得た(収率65%)。
実施例7
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドを1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンとした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.4部得た(収率65%)。
実施例8
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN-メチルピロリドンとした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.0部得た(収率53%)。
実施例9
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアミド/γ-ブチロラクトン/N-メチルピロリドンの混合溶剤(体積比66/16/18)とした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.4部得た(収率65%)。
実施例10
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアミド/スルホランの混合溶剤(体積比49/51)とした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.5部得た(収率66%)。
実施例11
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアミド/N-メチルピロリドンの混合溶剤(体積比44/56)とした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.6部得た(収率68%)。
実施例12
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアミド/ジメチルスルホキシドの混合溶剤(体積比82/18)とした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.3部得た(収率60%)。
実施例13
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをN,N-ジメチルアセトアミド/2-ブタノン/プロピレンカーボネート混合溶剤(体積比66/26/8)とした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を2.8部得た(収率73%)。
比較例1
実施例1のN,N-ジメチルアセトアミドをn-ヘキサンとした以外は、実施例1と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素1を3部得た(収率72%)。
比較例2
実施例2のN,N-ジメチルアセトアミドをn-ヘキサンとした以外は、実施例2と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素2を4.5部得た(収率77%)。
比較例3
実施例3のN,N-ジメチルアセトアミドをn-ヘキサンとした以外は、実施例3と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素3を3.2部得た(収率84%)。
比較例4
実施例4のN,N-ジメチルアセトアミドをn-ヘキサンとした以外は、実施例4と同様の方法で合成を行った。イソインドリン色素4を3.1部得た(収率81%)。
合成例1
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し、窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(商品名「E-DCPA」、(株)ダイセル製))225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分37.5%の共重合体(樹脂B1)の溶液を得た。得られた樹脂B1の重量平均分子量は10,600、分散度は2.0、固形分酸価は115mg-KOH/gであった。
実施例14
(1) 着色組成物の調製
着色剤AX:イソインドリン色素1 50部、
分散剤(BYK-LPN6919;ビックケミー・ジャパン(株)製) 58部、
樹脂(B):樹脂B1溶液 93部、
及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800部
を混合し、ビーズミルを用いてイソインドリン色素1を分散させて着色組成物1を得た。
次いで、
着色組成物1: 400部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 45部;
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 25部;
重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASF(株)製) 15部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 86部;
及び
レベリング剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.12部;
を混合して着色硬化性樹脂組成物1を得た。
(2) 着色塗膜の作製
5cm角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が2μmになるようにスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、着色組成物層を形成した。放冷後、基板上に形成された着色組成物層に、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。得られた着色パターンの膜厚を、DEKTAK3(日本真空技術(株)製)を用いて測定した。着色パターンの膜厚は、表7における「膜厚」の欄に示す。
(3) コントラスト評価
得られた着色塗膜について、コントラスト計(CT-1:壺坂電機(株)、色彩色差計BM-5A:トプコン社製、光源:F-10、偏光フィルム:壺坂電機(株))を用いてコントラストを測定した。尚、測定時のブランク値は30,000である。結果を表7に示す。
実施例15~26及び比較例5~8
着色剤(A)としてイソインドリン色素1に代えて、前述した実施例・比較例で得られたイソインドリン色素を用いる以外は実施例14と同様にした。結果を表7に示す。
Figure 0007067991000029

Claims (6)

  1. イソインドリン色素(A)を溶剤(Z)と接触させる工程、及び
    固液分離により溶剤(Z)と接触させたイソインドリン色素(A)を取り出す工程を含み、
    式(E.1)に基づいて算出される、前記イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータと前記溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータとの距離Raが、0MPa0.5以上10MPa0.5以下であり、かつ、接触工程における溶剤(Z)の量は、イソインドリン色素(A)に対して、0.1質量倍以上10.0質量倍以下であり、
    Figure 0007067991000030

    [式中、
    δD1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
    δD2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの分散成分(MPa0.5)、
    δP1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
    δP2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの極性成分(MPa0.5)、
    δH1:イソインドリン色素(A)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)、
    δH2:溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分(MPa0.5)である]
    前記イソインドリン色素(A)が式(1)で表される化合物を含む、イソインドリン色素の製造方法。
    Figure 0007067991000031

    [式(1)中、
    1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH 2 -及び該複素環基が環を構成しない-CH 2 -を含むときの該-CH 2 -は、-O-、-CO-、-S(O) 2 -、-NR x1 -に置き換わっていてもよい。ただし、-CH 2 -が置き換わることで-COOH及び-S(O) 2 OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 - からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    2 ~R 9 は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 2 - 又は-S(O) 2 - を表し、該炭化水素基に含まれる-CH 2 -及び該複素環基が環を構成しない-CH 2 -を含むときの該-CH 2 -は、-O-、-CO-、-S(O) 2 -、-NR x1 -に置き換わっていてもよい。ただし、-CH 2 -が置き換わることで-COOH及び-S(O) 2 OHを形成することはない。また該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 - からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    2 とR 3 、R 3 とR 4 、R 4 とR 5 、R 6 とR 7 、及び、R 8 とR 9 は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH 2 -を含むときの該-CH 2 -は、-O-、-CO-、-S(O) 2 -、-NR x1 -に置き換わっていてもよい。ただし、-CH 2 -が置き換わることで-COOH及び-S(O) 2 OHを形成することはない。また、この環は-CO 2 - 及び-S(O) 2 - からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    6 及びR 7 のうち一方の基、並びにR 8 及びR 9 のうち一方の基は、炭素数6~10の芳香族環が結合したカルボニル基、又は炭素数6~10の芳香族環が結合した炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基であり、かつ炭素原子に-CO 2 - を有する。
    x1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 - からなる群から選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R x1 が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。
    aは、式(1)で表される化合物が有する-CO 2 - 及び-S(O) 2 - の合計数であり、2~10のいずれかの整数を表す。
    b+ は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。M b+ が複数個存在する場合、これらは同一でも異なっていてもよい。M b+ がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO 2 - 又は-S(O) 2 - と一緒になって-CO 2 H及びS(O) 2 OHとして存在する。
    bは、1~6の整数を表す。
    mは、aが0の場合は0であり、aが1以上である場合はM b+ の個数を表す。
    nは、a及びmが0である場合は1であり、a及びmが0でない場合はn=b×m/aの関係を満たす数である。]
  2. 溶剤(Z)のハンセン溶解度パラメータにおける溶剤(Z)の分散成分δD2が16.0MPa0.5以上19.0MPa0.5以下であり、溶剤(Z)の極性成分δP2が9.0MPa0.5以上17.0MPa0.5以下であり、溶剤(Z)の水素結合成分δH2が6.5MPa0.5以上11.0MPa0.5以下である、請求項1記載の製造方法。
  3. 溶剤(Z)が、エステル溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤及びスルホン溶剤からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 溶剤(Z)の量が、イソインドリン色素(A)に対して0.5質量倍以上8.0質量倍以下である、請求項1~3のいずれか記載の製造方法。
  5. 前記イソインドリン色素(A)が式(1a)で表される化合物であり、
    さらに、工程A又は工程Bから選ばれる式(1a)で表される化合物の製造工程を含む、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
    工程A: 式(pt1)で表される化合物を式(pt2)で表される化合物と反応させた後、式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とをさらに酸の存在下で反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
    工程B: 式(pt5)で表される化合物と式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とを反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
    Figure 0007067991000032

    [式(pt1)~式(pt5)及び式(1a)中、R2~R9は、前記と同一の意味を表す。R41は、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を表す。M1は、アルカリ金属原子を表す。]
  6. 前記イソインドリン色素(A)が式(1b)で表される化合物であり、
    さらに、工程A又は工程Bから選ばれる式(1a)の合成工程と、工程Cで表される式(1b)で表される化合物の製造工程とを含む、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
    工程A: 式(pt1)で表される化合物を式(pt2)で表される化合物と反応させた後、式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とをさらに酸の存在下で反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
    工程B: 式(pt5)で表される化合物と式(pt3)で表される化合物と式(pt4)で表される化合物とを反応させて式(1a)で表される化合物を製造する工程
    工程C: 式(1a)で表される化合物と式(pt6)で表される化合物と反応させて式(1b)で表される化合物を製造する工程
    Figure 0007067991000033

    [式(pt1)~式(pt6)及び式(1b)中、R1~R9は、前記と同一の意味を表す。R41は、水素原子または炭素数1~20のアルキル基を表す。M1は、アルカリ金属原子を表す。LG1は、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、クロロメチルスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。ただしR1は水素原子ではない。]
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