JP7067710B2 - 診断装置 - Google Patents
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Description
しかしながら現状では、例えば観察者である歯科技工士等による大凡の目分量による主観的な診断・分析が多い。そのため、観察者による診断行為が思い込みや個人の見解でしかなく客観性に乏しい、という問題がある。
また、顎堤の形態を主に決定している粘膜の下の歯槽骨は口腔歴(歯周病等で歯槽骨が健康な時より変化しており、また、部分入れ歯のときの不良な機械的刺激等個人差がある)の中で変形と吸収を繰り返しており、歯があった時の顎堤形態とは大きく変化している場合がある。
そして、蝋提上のそれらの点や線を参考に人工歯の排列位置や角度を設定することで、総義歯の咀嚼運動時での安定を図ることができる。この部の正確性は非常に重要であり、僅かなずれであっても咀嚼力のベクトルを狂わせ義歯装着後咀嚼能率を下げてしまい、延いては義歯床下粘膜の痛みや潰瘍形成の原因となる。
また、引いた直線は、作業模型上に乗せた蝋提上に反映させるために作業模型側面に引いた直線より引き直す。そのため、煩雑で模型上の線を正確に蝋提上に複写させることが困難であった。さらには抜歯窩の印を模型上に乗せた蝋提に反映することはできなかった。
また、顎位の診断を行うためのゴシック装置の付着位置の診断においてもゴシック装置が安定する部位に付着しなければならず、その位置を設定する場合も従来は模型に定規を当てるという方法で行われているため正確性を欠いていた、という課題があった。
なお、作業模型を観察対象とするユースケースを例に挙げて説明するが、本発明に係る装置の利用はこれに限るものではない。
また、本実施形態においては、診断装置が照射するレーザ光の入射角が垂直であるため予め総義歯製作に用いる作業模型を規格模型(咬合採得後に仮想咬合平面の修正を行う場合は、咬合平面と平行な規格模型基底面に修正をしておく)にする、あるいは仮想咬合平面と平行な基底面を製作した作業模型を使用するものとする。また、作業模型をサベーヤー用の雲台に乗せた場合であっても仮想咬合平面と作業面(机などの基準面)が平行に保たれるようにする。
図1は、本実施形態に係る診断装置の構成の一例を説明するための概略正面図である。図2は、本実施形態に係る診断装置の構成の一例を説明するための概略側面図である。
なお、図1に示す診断装置100を右側方向から見たときの状態が図2に示す診断装置100である。図1、2を用いて本実施形態に係る診断装置が有する機能構成について説明する。
なお、スライダ103には所定の位置で移動を停止し、当該位置から左方向、あるいは右方向にズレないようにするためのストッパ機構(例えば、ネジ機構による押圧)を備えても良い。
なお、スライダ103には所定の位置で移動を停止し、当該位置から上方向、あるいは下方向にズレないようにするためのストッパ機構(例えば、ネジ機構による押圧)を備えても良い。
ラインプレート301は、例えば矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、その表面に平行する複数のラインが所定の間隔(例えば、3[mm])を開けて形成されたゲージである。ラインプレート301を保持するアーム302は、回動部303を介して、ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるように当該ラインプレート301を保持する保持手段として機能する。これにより、観察者は必要に応じてラインプレート301を介して観察対象を観察することが可能になる。
図3に示すように、観察対象と対向する照射ヘッド101の面(底面)にはドット光出射部501、ライン光出射部502、クロス光出射部503それぞれが配設される。
ドット光出射部501とライン光出射部502は、ライン光の照射位置、又は、ドット光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設されていることは前述した通りである。
また、製作中の作業模型を観察対象とする場合、その観察面(作業模型の上面)はフラットな面だけではない。そのため、ライン光を照射したのみでは当該ライン光に生じる歪みなどにより基準位置を正確に特定することは困難となる場合がある。そのため、観察者は上述したようにまずドット光を照射させ、その後このドット光に重畳してライン光を照射させることでより正確な基準位置に基づいた診断を行うことができる。
作業模型に照射するクロス光は、当該作業模型の中心に照射することで顎堤のシンメトリー観察を容易に且つ正確に行うための基準として用いることができる。またクロス光は、ゴシックアーチ装置の装着位置の設定時や直角を利用したい場合にも役立つものである。
なお、クロス光出射部503から出射されるクロス光の2つの線の交点とドット光出射部501から出射されるドット光とが重畳するようにそれぞれの出射部を配設しても良い。この場合にはドット光が示す基準位置からみたシンメトリー観察などを行うことができる。
図5(a)に示すスクリーンプレート201は、先述したような矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、例えば平行する複数のラインによりその表面に一辺の長さが5[mm]のマス目が形成されたゲージである。なお、マス目のサイズは5[mm]に限るものではない。
観察者は、レーザ光により観察の基準位置が決定された作業模型の上面にスクリーンプレート201を移動させる。そして、ドット光やライン光に基づいて当該スクリーンプレート201の位置決めを行う。例えば位置決めは、スクリーンプレート201に形成された所定のラインや交点とライン光とを重ね合わせるなどして行われる。
なお、前述した透過率が相対的に低い部位により碁盤目形状が形成されるという点は、例えば黒色塗料等を用いて縦・横に黒線を引いた場合や、スクリーンプレート201の表面を線状に削る(彫る)ことなどを含むものである。いずれの場合であっても透過率が相対的に低い部位がスクリーンプレート201に形成されることになる。
例えば、スクリーンプレート201に形成されたライン上にレーザ光を照射したときであっても、レーザ光が透過して作業模型の上面を照射すれば、観察者は観察すべきポイント(作業模型上面の位置など)や位置決めなどが明確化され正確に、且つ、スムースに診断を進めることが可能になる。
スクリーンプレート201aは、矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、図5(b)に示すようなラインが形成されたゲージである。具体的には、図5(b)に示す水平方向に平行する縦のラインは、ゲージの中心を基準に左右それぞれに、ゲージの中心からの距離が15[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに5[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに5[mm]の位置にラインが形成されている。なお、図5(b)に示すように、前述の基準位置心においては水平方向に平行してゲージ端部から内側に向けて5[mm]のラインが形成されている。
なお、例えば黒色塗料等を用いて縦・横に黒線を引いた場合や、スクリーンプレート201aの表面を線状に削る(彫る)ことなどして、前述した透過率が相対的に低い部位によりこのような形状を形成することができる。以下、本実施形態に係るスクリーンプレート201aの詳細について説明する。
ゲージ上部中心から5[mm]の縦ラインの位置を上顎中切歯コンタクトとする。ゲージの中心から15[mm]の位置のライン又は正中線から上顎側切歯遠心コンタクト部分までの距離となり、正中線から上顎第一小臼歯舌側面までの距離となる。そこから5[mm]の位置が正中線から上顎第一大臼歯舌側面までの距離となる。そこから5[mm]の位置が正中線から翼突下顎ヒダまでの距離となる。
ゲージ上部から5[mm]が上顎中切歯切縁の位置とする。そこから10[mm]が上顎正中線上の舌側歯肉縁残遺の位置となる。そこから25[mm]が上顎第一大臼歯中心窩の位置を示す。
このようにスクリーンプレート201aは矩形形状をしており、スクリーンプレート201aにおいて上記した透過率が相対的に低い部位により形成される形状は、複数の縦方向及び横方向のラインとして形成される。また、縦方向に伸びるラインはスクリーンプレート201aの縦方向中心を基準にして左右対称に所定の間隔を開けて形成されている。また、スクリーンプレート201aの横方向に伸びるライン間の間隔はそれぞれが異なる間隔で形成されている。
図6(a)に示すラインプレート301は、先述したような矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、その表面に平行する複数のラインが所定の間隔(例えば、3[mm])を開けて形成されたゲージである。
ラインプレート301を作業模型の側面に近接させ、当該ラインプレート301を介して当該作業模型の側面を観察する際には、アーム302を介して当該ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるようにする。
具体的には、稜線の傾斜が大きいまま総義歯が出来上がってしまうと、上側の人工歯と下側の人工歯とが噛み合わせ時に横滑りすることがある。そのため、診断結果に基づいて人工歯の排列を調整するなどの手当ての要否を容易に且つ正確に行うことが可能になる。なお、傾斜角度は観察対象に応じて任意に調整することができる。
ラインプレート301では、アーム302及び回動部303を介して、使用時において当該ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるように動かす必要がある。
これに対してラインプレート301aでは、図6(b)に示すように、略22.5[°]の傾斜角度を有するラインが形成されている。そのため、ラインプレート301aを作業模型の側面に対向するように近接させるだけで良いため、回動動作が不要となり当該ラインプレート301aを保持するアームはアーム302と比べてシンプルな構成にすることができる。
そのため歯科用作業模型上の正中線や人工歯排列における基準線を、従来と比較してより短時間で正確に引くことができ、蝋提上もレーザ光を指針に正確に人工歯を排列することが可能となる。
例えば、総義歯のみならず咬合再構成やセラミックへの咬合付与等においても活用することができる。また、歯科医師が自ら形成した支台歯の評価を行う上でも本実施形態に係る診断装置100を活用することができる。
基準面に載置された作業模型、あるいは雲台に載置された作業模型が正しく水平に載置されているか否かは診断の正確性に多大な影響を及ぼす。そのため、診断装置に例えば観察対象である作業模型の側面に向けて線形状のレーザ光を水平に照射するライン光出射部(第4の照射手段)を配設しても良い。これにより作業模型の側面に照射されたライン光により作業模型の水平位置決めを容易に行うことができる。
Claims (7)
- 歯科補綴物を製作する際に用いる作業模型の状態を診断する診断装置であって、
水平に載置された作業模型の上面に向けて線形状のレーザ光を照射する第1の照射手段と、
前記作業模型の上面に向けて点形状のレーザ光を照射する第2の照射手段と、
前記第1及び第2の照射手段それぞれの点灯又は消灯を制御する制御手段と、を有し、
前記第1及び第2の照射手段それぞれは、前記作業模型の上面における前記線形状のレーザ光の照射位置、又は、前記点形状のレーザ光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設されることを特徴とする、
診断装置。 - 前記作業模型の上面に向けて、直交する2つの線で構成される形状のレーザ光を照射する第3の照射手段を有し、
前記制御手段は、前記第3の照射手段の点灯又は消灯を制御することを特徴とする、
請求項1に記載の診断装置。 - 前記レーザ光が透過する部位と、当該レーザ光が透過する部位と比べて透過率が相対的に低い部位とを有し、当該透過率が相対的に低い部位により碁盤目形状が形成される第1のゲージと、
前記第1のゲージを水平に保持する第1の保持手段と、を有し、
前記第1の保持手段は、前記第1のゲージを前記作業模型の上側で、且つ、前記レーザ光の照射方向に対して直交する方向へ移動可能に構成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の診断装置。 - 前記第1のゲージは矩形形状であり、当該第1のゲージにおける前記透過率が相対的に低い部位により形成される形状は複数の縦方向及び横方向のラインとして形成され、当該縦方向に伸びるラインは当該第1のゲージの縦方向中心を基準にして左右対称に所定の間隔を開けて形成され、当該横方向に伸びるライン間の間隔はそれぞれが異なる間隔で形成されることを特徴とする、
請求項3に記載の診断装置。 - 前記レーザ光が透過する部位と、当該レーザ光が透過する部位と比べて透過率が相対的に低い部位とを有し、当該透過率が相対的に低い部位により平行する複数のラインが形成される第2のゲージと、
前記第2のゲージを保持する第2の保持手段と、を有し、
前記第2の保持手段は、前記第2のゲージを前記作業模型の側面に対向する位置に移動可能に構成されることを特徴とする、
請求項1乃至4いずれか一項に記載の診断装置。 - 前記第2の保持手段は、前記第2のゲージに形成された前記ラインの水平方向に対する傾斜角度が所定の角度となるように当該第2のゲージを保持することを特徴とする、
請求項5に記載の診断装置。 - 前記作業模型の側面に向けて線形状のレーザ光を水平に照射する第4の照射手段を有することを特徴とする、
請求項1乃至6いずれか一項に記載の診断装置。
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