JP7067710B2 - 診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科補綴物の製作に用いる作業模型を診断する診断装置の技術に関する。
歯科補綴物(例えば総義歯)の製作は、患者の口の中を採った型(印象体と称される)に基づいてまず作業模型(歯科模型)を製作する。歯科技工士は、この作業模型を用いて義歯の製作を行う。歯科技工士にとっては、義歯を製作する過程において観察対象である作業模型の観察を正確に行える能力、例えば視覚で認識できる顎堤吸収状態のみならず、以前歯の生えていた位置・歯が欠損に至った順番・顎堤の機械的刺激を受けた力の大きさや力の方向・偏位や変形の原因などがどのようにしてどのくらいの期間をかけて現在の口腔の状態に至ったかという口腔歴を正確に診断・分析してその結果を数値化して記録することは非常に重要なことである。
しかしながら現状では、例えば観察者である歯科技工士等による大凡の目分量による主観的な診断・分析が多い。そのため、観察者による診断行為が思い込みや個人の見解でしかなく客観性に乏しい、という問題がある。
例えば、特許文献1では、光線束が光の拡幅方向に対して傾斜した面上で楕円形の形をした「点光」を発生するということを利用して、例えば排列された人工歯それぞれに点光を照射した際の楕円形の形状変化に基づいて修正グライディングを行う、というものである。
特開平03-9744号公報
総義歯の咬合を付与するにあたり、支持面積の狭い顎堤の頂に向かい咀嚼圧のベクトルを正確に向ける人工歯排列を行うことは、総義歯を機能的かつ安定的に使用できることに繋がる。しかしながら、人工歯の排列位置の基準は総義歯口腔内での安定を図ったニュートラルゾーン(頬と舌の筋圧中立帯)であり歯槽頂上と限らない。
また、顎堤の形態を主に決定している粘膜の下の歯槽骨は口腔歴(歯周病等で歯槽骨が健康な時より変化しており、また、部分入れ歯のときの不良な機械的刺激等個人差がある)の中で変形と吸収を繰り返しており、歯があった時の顎堤形態とは大きく変化している場合がある。
また、人工歯を排列する際に維持の土台となる顎堤形態を正確に診断してランドマーク(解剖学的指標)として記録し、作業模型上に乗せる蝋提(不透過なレジンとワックスで製作される、人工歯を排列する蝋・総義歯の歯肉の部位)上に模型で分析した正確なランドマークとこのランドマークより導いた線を正確に反映しなければならない。
そして、蝋提上のそれらの点や線を参考に人工歯の排列位置や角度を設定することで、総義歯の咀嚼運動時での安定を図ることができる。この部の正確性は非常に重要であり、僅かなずれであっても咀嚼力のベクトルを狂わせ義歯装着後咀嚼能率を下げてしまい、延いては義歯床下粘膜の痛みや潰瘍形成の原因となる。
しかしながら、例えば立体的で複雑な形状をしている作業模型に直線を引く場合でも、作業模型に定規をあてがい観察者が片目で真上から見て直線を引くなど、不正確な基準に基づいて診断を行っている。このような観察・診断では、観察者の視点が僅かにずれてしまうことや、作業模型に引いた線がずれてしまうことがあった。また、立体的な作業模型に対して定規を当てて大まかに診断して模型側面に印を付けるという今までの方法では、垂直かつ正確に立体模型に直線を引くことが困難であった。
また、引いた直線は、作業模型上に乗せた蝋提上に反映させるために作業模型側面に引いた直線より引き直す。そのため、煩雑で模型上の線を正確に蝋提上に複写させることが困難であった。さらには抜歯窩の印を模型上に乗せた蝋提に反映することはできなかった。
また、顎位の診断を行うためのゴシック装置の付着位置の診断においてもゴシック装置が安定する部位に付着しなければならず、その位置を設定する場合も従来は模型に定規を当てるという方法で行われているため正確性を欠いていた、という課題があった。
本発明は、作業模型の観察における主観からの思い込み、あるいは不正確な基準から生じる観察誤差や観察ミスなどの発生を抑制して客観性を有する診断を行うことできる診断装置を提供することを、主たる目的とする。また、診断による分析結果を正確に蝋提上に反映するための診断装置を提供する。
本発明は、歯科補綴物を製作する際に用いる作業模型の状態を診断する診断装置であって、水平に載置された作業模型の上面に向けて線形状のレーザ光を照射する第1の照射手段と、前記作業模型の上面に向けて点形状のレーザ光を照射する第2の照射手段と、前記第1及び第2の照射手段それぞれの点灯又は消灯を制御する制御手段と、を有し、前記第1及び第2の照射手段それぞれは、前記作業模型の上面における前記線形状のレーザ光の照射位置、又は、前記点形状のレーザ光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設されることを特徴とする。
本発明によれば、作業模型の観察における主観からの思い込み、あるいは不正確な基準から生じる観察誤差や観察ミスなどの発生を抑制して客観性を有する診断を行うことできる。さらに人工歯排列を行う際にその記録を正確に蝋提上に再現することができる。
本実施形態に係る診断装置の構成の一例を説明するための概略正面図。 診断装置の構成の一例を説明するための概略側面図。 照射ヘッドの構成の一例を説明するための図。 (a)、(b)は、照射光パターンの一例を説明するための図。 (a)、(b)は、スクリーンプレートの構成の一例を説明するための図。 (a)、(b)は、ラインプレートの構成の一例を説明するための図。
以下、本発明を総義歯の製作に用いる作業模型(歯科模型とも称する)を観察者(例えば、歯科技工士)が観察して診断・分析を行うための診断装置に適用した場合を例に挙げて、図を用いて説明する。作業模型は、患者の口の中を採った型(印象体)に基づいて製作されており、その形状は立体的で、且つ、複雑な形状をしている。
なお、作業模型を観察対象とするユースケースを例に挙げて説明するが、本発明に係る装置の利用はこれに限るものではない。
また、本実施形態においては、診断装置が照射するレーザ光の入射角が垂直であるため予め総義歯製作に用いる作業模型を規格模型(咬合採得後に仮想咬合平面の修正を行う場合は、咬合平面と平行な規格模型基底面に修正をしておく)にする、あるいは仮想咬合平面と平行な基底面を製作した作業模型を使用するものとする。また、作業模型をサベーヤー用の雲台に乗せた場合であっても仮想咬合平面と作業面(机などの基準面)が平行に保たれるようにする。
[実施形態例]
図1は、本実施形態に係る診断装置の構成の一例を説明するための概略正面図である。図2は、本実施形態に係る診断装置の構成の一例を説明するための概略側面図である。
なお、図1に示す診断装置100を右側方向から見たときの状態が図2に示す診断装置100である。図1、2を用いて本実施形態に係る診断装置が有する機能構成について説明する。
診断装置100は、レーザ光を観察対象(作業模型)に向けて照射する照射ヘッド101、フレーム102、105、各フレームが接続されるスライダ103、第1のゲージとして機能するスクリーンプレート201、スクリーンプレート201を保持するアーム202、第2のゲージとして機能するラインプレート301、ラインプレート301を保持するアーム302、フレーム105を保持するベース106を含んで構成される。
照射ヘッド101は、水平に載置された観察対象(作業模型)の上面に向けて線形状のレーザ光を照射するライン光出射部502(第1の照射手段)、当該観察対象の上面に向けて点形状のレーザ光を照射するドット光出射部501(第2の照射手段)、当該観察対象の上面に向けて直交する2つの線で構成される形状(十字形状)のレーザ光を照射するクロス光出射部503(第3の照射手段)を有する。
本実施形態に係る診断装置100では、基準面において水平に載置された観察対象(作業模型)に対して、照射ヘッド101を介して例えば大凡直径が1[mm]のドット光(点光)、大凡幅が1[mm]のライン光(線光)、及び、大凡幅が1[mm]のクロス光(十字光)の3種類のレーザ光がそれぞれ垂直方向から観察対象である作業模型の上面に向けて照射可能に構成される。
ドット光出射部501とライン光出射部502は、また、線形状のレーザ光の照射位置、又は、点形状のレーザ光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設される。ドット光出射部501、ライン光出射部502、クロス光出射部503の配設状態の詳細については、図3を用いて後述する。
制御部500は、各レーザ光の点灯、又は、消灯の制御を別個独立して制御可能に構成される。観察者は、制御部500を介して、ライン光の照射位置、又は、ドット光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるようにそれぞれの点灯又は消灯を行うことができる。
照射ヘッド101は、フレーム102に接続されており、フレーム102はスライダ103に接続される。フレーム102は、スライダ103を介して、水平方向に移動自在に構成される。つまり照射ヘッド101は、フレーム102とスライダ103を介して、水平方向への移動(図1正面から見て左方向、あるいは右方向への移動)が可能になる。
なお、スライダ103には所定の位置で移動を停止し、当該位置から左方向、あるいは右方向にズレないようにするためのストッパ機構(例えば、ネジ機構による押圧)を備えても良い。
また、フレーム102は、スライダ103を介して、ベース106に垂直に立設されたフレーム105に接続される。スライダ103は、フレーム105を介して、垂直方向に移動自在に構成される。つまり照射ヘッド101は、フレーム102、スライダ103、フレーム105を介して、垂直方向への移動(図1正面から見て上方向、あるいは下方向への移動)が可能になる。
なお、スライダ103には所定の位置で移動を停止し、当該位置から上方向、あるいは下方向にズレないようにするためのストッパ機構(例えば、ネジ機構による押圧)を備えても良い。
ベース106は、上述した照射ヘッド101の水平方向の移動があっても重心バランスが崩れて診断装置100が倒れることなく安定した状態となるような形状、重量で形成される。
スクリーンプレート201は、アーム202を介して、フレーム105と接続される。スクリーンプレート201は、回動部203を介して、照射ヘッド101から出射されるレーザ光の照射方向(垂直方向)に対して直交する方向から観察対象と照射ヘッド101との間に移動可能に構成される。これにより観察者は、必要に応じてスクリーンプレート201を介して観察対象である作業模型の上面を観察することが可能になる。
スクリーンプレート201は、例えば矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、平行する複数のラインによりその表面に一辺の長さが5[mm]のマス目(碁盤目形状)が形成されたゲージである。スクリーンプレート201は、マス目が形成されていない部位はレーザ光が透過し、マス目が形成された部位は、マス目が形成されていない部位と比べて相対的にレーザ光が透過しにくい(相対的な透過率が低い)、あるいは不透過となるように構成される。本実施形態に係るスクリーンプレート201の構成の詳細については後述する。
ラインプレート301は、アーム302を介して、フレーム105と接続される。ラインプレート301は、また、アーム302及び回動部303を介して、水平に載置された観察対象の側面(周面)に対向する位置に移動可能に構成される。
ラインプレート301は、例えば矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、その表面に平行する複数のラインが所定の間隔(例えば、3[mm])を開けて形成されたゲージである。ラインプレート301を保持するアーム302は、回動部303を介して、ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるように当該ラインプレート301を保持する保持手段として機能する。これにより、観察者は必要に応じてラインプレート301を介して観察対象を観察することが可能になる。
回動部303は、例えばラインプレート301を回転させた際に当該ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となった際に回動動作が一旦停止するようないわゆるラチエット構造により構成することができる。この場合、観察者は略22.5[°]の傾斜角度になったことを容易に把握することができる。他にも、例えば回動部303の近傍に分度器を配置するなどして観察者がラインプレート301の傾斜角度を把握することができるように構成することもできる。本実施形態に係るラインプレート301の構成の詳細については後述する。
図3は、光照射ヘッド101の構成の一例を説明するための図である。
図3に示すように、観察対象と対向する照射ヘッド101の面(底面)にはドット光出射部501、ライン光出射部502、クロス光出射部503それぞれが配設される。
ドット光出射部501は、前述したように観察対象の上面に向けて点形状のレーザ光を照射する。ライン光出射部502は、観察対象の上面に向けて線形状のレーザ光を照射する。クロス光出射部503は、観察対象の上面に向けて直交する2つの線で構成される形状(十字形状)のレーザ光を照射する。なお、これらの機能部を構成するレーザ発光装置等の各部材は一般に入手可能なものである。
観察対象の上面に向けて点形状のレーザ光を照射するドット光出射部501は、例えばレーザ発光装置自体は照射ヘッド101の筺体内に配設し、図3に示すような当該照射ヘッド101に形成された孔部を介してレーザ光を外方に向けて出射するように構成することができる。このように構成することにより、孔部がいわゆるレーザ光の「絞り」の役割を果たすことになり、この孔部の直径を変えることでドット光のサイズを任意に調整することが可能になる。つまり、広く一般に入手可能なレーザ発光装置を用いることができるため、診断装置の製造コストの低減が可能になる。
図4は、照射光パターンの一例を説明するための図である。なお、図4では観察者が作業模型の上面を観察している場合を例示している。また、図4では作業模型を簡略化して上面側から見てその外周形状のみを示している。
ドット光出射部501とライン光出射部502は、ライン光の照射位置、又は、ドット光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設されていることは前述した通りである。
ライン光出射部502から出射されたライン光とドット光出射部501から出射されたドット光は、図4(a)に示すように、それぞれのレーザ光を重畳させることができる。例えば、作業模型の上面を観察する際に基準となる箇所にドット光を照射し、その後この基準位置に重畳する所定方向に伸びるライン光を照射する。
図4(a)では、説明の都合上、ドット光の直径と比べてライン光の幅を相対的に小さく記載しているが、例えばドット光の直径とライン光の幅それぞれのサイズが同じサイズ(例えば、1[mm])である場合、ドット光を照射後にライン光を照射することで基準位置の特定を正確、且つ、スムースに行うことができる。
また、製作中の作業模型を観察対象とする場合、その観察面(作業模型の上面)はフラットな面だけではない。そのため、ライン光を照射したのみでは当該ライン光に生じる歪みなどにより基準位置を正確に特定することは困難となる場合がある。そのため、観察者は上述したようにまずドット光を照射させ、その後このドット光に重畳してライン光を照射させることでより正確な基準位置に基づいた診断を行うことができる。
なお、ライン光を先に照射して大凡の基準位置を目視確認して上で、さらにドット光を照射して正確に当該基準位置を特定するようなユースケースもある。この場合、例えば照射するレーザ光の色をそれぞれ変えるなどして同じサイズであってもドット光、ライン光それぞれを識別できるように構成すると良い。
例えば、作業模型の上面に照射するドット光の位置は、例えば解剖学的なランドマークや抜歯痕(抜歯後のわずかな窪み)、人工歯の排列基準を示す箇所に照射する。そして、ドット光に重畳されるライン光により、作業模型における解剖学的正中線、咬合平面、歯槽頂等などをまっすぐ正確に捉えた基準を得ることができる。捉えた基準に基づいて作業模型の診断を行い必要な調整を施すことにより、作業模型に基づいて作られる総義歯の製作精度、例えば患者が総義歯を装着したときのフィット感の向上を図ることなどができる。なお、観察者は必要に応じて個別にドット光又はライン光の点灯又は消灯する。
クロス光出射部503からは、図4(b)に示すような、直交する2つの線で構成される形状(十字形状)のレーザ光(クロス光)が出射される。
作業模型に照射するクロス光は、当該作業模型の中心に照射することで顎堤のシンメトリー観察を容易に且つ正確に行うための基準として用いることができる。またクロス光は、ゴシックアーチ装置の装着位置の設定時や直角を利用したい場合にも役立つものである。
なお、クロス光出射部503から出射されるクロス光の2つの線の交点とドット光出射部501から出射されるドット光とが重畳するようにそれぞれの出射部を配設しても良い。この場合にはドット光が示す基準位置からみたシンメトリー観察などを行うことができる。
図5は、スクリーンプレート201の構成の一例を説明するための図である。なお、図5では作業模型の上面をプレートを介して観察している例を示している。また、図5では作業模型を簡略化して示している。
図5(a)に示すスクリーンプレート201は、先述したような矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、例えば平行する複数のラインによりその表面に一辺の長さが5[mm]のマス目が形成されたゲージである。なお、マス目のサイズは5[mm]に限るものではない。
観察者は、レーザ光により観察の基準位置が決定された作業模型の上面にスクリーンプレート201を移動させる。そして、ドット光やライン光に基づいて当該スクリーンプレート201の位置決めを行う。例えば位置決めは、スクリーンプレート201に形成された所定のラインや交点とライン光とを重ね合わせるなどして行われる。
観察者は、このように位置決めされたスクリーンプレート201を介して作業模型の上面を観察することにより、例えば人工歯を排列する際の左右のバランス診断(相対的な位置関係の把握)などを容易に且つ正確に行うことが可能になる。
なお、前述した透過率が相対的に低い部位により碁盤目形状が形成されるという点は、例えば黒色塗料等を用いて縦・横に黒線を引いた場合や、スクリーンプレート201の表面を線状に削る(彫る)ことなどを含むものである。いずれの場合であっても透過率が相対的に低い部位がスクリーンプレート201に形成されることになる。
例えば、スクリーンプレート201に形成されたライン上にレーザ光を照射したときであっても、レーザ光が透過して作業模型の上面を照射すれば、観察者は観察すべきポイント(作業模型上面の位置など)や位置決めなどが明確化され正確に、且つ、スムースに診断を進めることが可能になる。
図5(b)に示すスクリーンプレート201aは、前述したスクリーンプレート201の別例である。
スクリーンプレート201aは、矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、図5(b)に示すようなラインが形成されたゲージである。具体的には、図5(b)に示す水平方向に平行する縦のラインは、ゲージの中心を基準に左右それぞれに、ゲージの中心からの距離が15[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに5[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに5[mm]の位置にラインが形成されている。なお、図5(b)に示すように、前述の基準位置心においては水平方向に平行してゲージ端部から内側に向けて5[mm]のラインが形成されている。
また、図5(b)に示す水平方向に直交する横のラインは、図正面から見て上端からの距離が5[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに10[mm]の位置にラインが形成され、このラインからさらに25[mm]の位置にラインが形成されている。
なお、例えば黒色塗料等を用いて縦・横に黒線を引いた場合や、スクリーンプレート201aの表面を線状に削る(彫る)ことなどして、前述した透過率が相対的に低い部位によりこのような形状を形成することができる。以下、本実施形態に係るスクリーンプレート201aの詳細について説明する。
スクリーンプレート201aに形成される縦ラインと横ラインは、日本人の上顎歯列の平均的な寸法に基づいて形成されたラインである。予め診断装置100においてランドマーク(解剖学的指標)の記録を行った作業模型をスクリーンプレート201aに重ね合わせることで、無歯顎模型の歯のあった位置を平均的歯列と照らし合わせながら診断・分析を行うことができる。診断結果は、水平的なロウ提の位置と人工歯排列時の目安となり、模型上で人工歯を排列すべき位置の分析することができる。
本実施形態におけるスクリーンプレート201aの各縦ラインそれぞれは以下に示すような意味を有する。
ゲージ上部中心から5[mm]の縦ラインの位置を上顎中切歯コンタクトとする。ゲージの中心から15[mm]の位置のライン又は正中線から上顎側切歯遠心コンタクト部分までの距離となり、正中線から上顎第一小臼歯舌側面までの距離となる。そこから5[mm]の位置が正中線から上顎第一大臼歯舌側面までの距離となる。そこから5[mm]の位置が正中線から翼突下顎ヒダまでの距離となる。
また、本実施形態におけるスクリーンプレート201aの各横ラインそれぞれは以下に示すような意味を有する。
ゲージ上部から5[mm]が上顎中切歯切縁の位置とする。そこから10[mm]が上顎正中線上の舌側歯肉縁残遺の位置となる。そこから25[mm]が上顎第一大臼歯中心窩の位置を示す。
このようにスクリーンプレート201aは矩形形状をしており、スクリーンプレート201aにおいて上記した透過率が相対的に低い部位により形成される形状は、複数の縦方向及び横方向のラインとして形成される。また、縦方向に伸びるラインはスクリーンプレート201aの縦方向中心を基準にして左右対称に所定の間隔を開けて形成されている。また、スクリーンプレート201aの横方向に伸びるライン間の間隔はそれぞれが異なる間隔で形成されている。
図6は、ラインプレート301の構成の一例を説明するための図である。
図6(a)に示すラインプレート301は、先述したような矩形形状に形成された透明アクリル板を用いて、その表面に平行する複数のラインが所定の間隔(例えば、3[mm])を開けて形成されたゲージである。
ラインプレート301を作業模型の側面に近接させ、当該ラインプレート301を介して当該作業模型の側面を観察する際には、アーム302を介して当該ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるようにする。
例えば、作業模型の側面側から観察して上面側の稜線の傾斜が略22.5[°]を超えるようであれば通常、観察者は、総義歯装着時に上下の噛み合わせに問題が生じる恐れがあると診断することができる。
具体的には、稜線の傾斜が大きいまま総義歯が出来上がってしまうと、上側の人工歯と下側の人工歯とが噛み合わせ時に横滑りすることがある。そのため、診断結果に基づいて人工歯の排列を調整するなどの手当ての要否を容易に且つ正確に行うことが可能になる。なお、傾斜角度は観察対象に応じて任意に調整することができる。
図6(b)に示すラインプレート301aは、前述したラインプレート301の別例である。
ラインプレート301では、アーム302及び回動部303を介して、使用時において当該ラインプレート301に形成されたラインが水平方向に対して略22.5[°]の傾斜角度となるように動かす必要がある。
これに対してラインプレート301aでは、図6(b)に示すように、略22.5[°]の傾斜角度を有するラインが形成されている。そのため、ラインプレート301aを作業模型の側面に対向するように近接させるだけで良いため、回動動作が不要となり当該ラインプレート301aを保持するアームはアーム302と比べてシンプルな構成にすることができる。
なお、ラインプレートにおいても、例えば黒色塗料等を用いて黒線を引いた場合や、その表面を線状に削る(彫る)ことなどして、前述した透過率が相対的に低い部位によりこのような形状を形成することもできる。
このように、本実施形態に係る診断装置100では、レーザ光を作業模型に照射することにより、視覚の誤差や立体的な模型に定規を当てる従来の方法と比べてより正確に線を引くことが可能となる。また、人工歯の排列時において当該人工歯の位置をライン光やドット光などを適宜使用して解剖学的指標から3次元的な位置を的確にマーキングすることができる。これにより、技工作業の効率性、正確性の向上を図ることができる。
また、義歯製作において小さく限られた支持域の模型に正確な線を引くことは重要である。この点においても本実施形態に係る診断装置100を使用することで、特に模型の解剖学的正中線や咬合平面などを正確に診断・分析することができる。そのため、義歯製作において判断基準が明確化されるという利点がある。
その他にも、例えば口腔内の形態を正確に転写している立体的な模型に対して、従来のように定規を当てた場合、模型と定規間に不均一な隙間が生じてしまい正確な直線を引くことはできなかったが、本実施形態に係る診断装置100を使用することにより正確な直線を引くことが可能になる。また、作業模型上の様々なランドマーク(切歯乳頭・レトロモラーパッド・抜歯窩・口蓋ヒダ等)を当該模型上に記録していても歯科用作業模型上に人工歯排列用の蝋提を載せた場合見えなくなっていたが、この点も本実施形態に係る診断装置100を使用することにより解消することができる。また、人工歯排列において左右人工歯のシンメトリーも重要となるが、今までは定規を当てるなどの正確性の欠いた診断により作業をせざるを得なかった。この点も本実施形態に係る診断装置100を使用することにより解消することができる。
本実施形態に係る診断装置100はレーザ光の直線と点と十字を選択し模型に照射することができるため、レーザ光の特性を用いて立体面に正確に直線を引くことが可能になり、作業模型上の重要なランドマークも模型の上に示したのちに蝋提を重ねた後も正確に示すことができることになる。
そのため歯科用作業模型上の正中線や人工歯排列における基準線を、従来と比較してより短時間で正確に引くことができ、蝋提上もレーザ光を指針に正確に人工歯を排列することが可能となる。
また、義歯製作上、重要なランドマークを、歯科用作業模型上で示した後にその模型に蝋提を乗せてもランドマークが正確に反映されるため、容易には最適な人工歯排列位置を探ることができる。さらに、レーザ光による線を基準として用いることでゴシック装置の安定する装着位置を容易に決定することができる。
また、総義歯は粘膜上に何の支えもなく乗っており、粘膜の付着と口腔周囲筋の維持のみで咀嚼運動を行わなければならない補綴物(歯科補綴物)である。そのため、咀嚼運動時に安定をして外れないことが重要である。また、総義歯の長期使用を可能にするためには歯槽骨が部分的、早期に吸収を起こすことを避けなければならない。
本実施形態に係る診断装置100は、規格模型の製作から人工歯排列と総義歯を製作する様々な工程で使用することができる。本診断措置を使用して正確に診断した作業模型で人工歯排列を行い咬合を与えることで咀嚼運動時に高維持を得られ咀嚼能率が増し、且つ、咀嚼圧が均等に義歯床下組織に分散されることで歯槽骨吸収が緩慢となり総義歯の長期使用が可能となる。
例えば、総義歯のみならず咬合再構成やセラミックへの咬合付与等においても活用することができる。また、歯科医師が自ら形成した支台歯の評価を行う上でも本実施形態に係る診断装置100を活用することができる。
[変形例]
基準面に載置された作業模型、あるいは雲台に載置された作業模型が正しく水平に載置されているか否かは診断の正確性に多大な影響を及ぼす。そのため、診断装置に例えば観察対象である作業模型の側面に向けて線形状のレーザ光を水平に照射するライン光出射部(第4の照射手段)を配設しても良い。これにより作業模型の側面に照射されたライン光により作業模型の水平位置決めを容易に行うことができる。
上記説明した実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲が、これらの例に限定されるものではない。
100・・・診断装置、101・・・照射ヘッド、102、105・・・フレーム、103・・・スライダ、106・・・ベース、201・・・スクリーンプレート、202・・・アーム、301・・・ラインプレート、302・・・アーム。

Claims (7)

  1. 歯科補綴物を製作する際に用いる作業模型の状態を診断する診断装置であって、
    水平に載置された作業模型の上面に向けて線形状のレーザ光を照射する第1の照射手段と、
    前記作業模型の上面に向けて点形状のレーザ光を照射する第2の照射手段と、
    前記第1及び第2の照射手段それぞれの点灯又は消灯を制御する制御手段と、を有し、
    前記第1及び第2の照射手段それぞれは、前記作業模型の上面における前記線形状のレーザ光の照射位置、又は、前記点形状のレーザ光の照射位置のいずれか一方を基準にして他方のレーザ光が重畳して照射されるように配設されることを特徴とする、
    診断装置。
  2. 前記作業模型の上面に向けて、直交する2つの線で構成される形状のレーザ光を照射する第3の照射手段を有し、
    前記制御手段は、前記第3の照射手段の点灯又は消灯を制御することを特徴とする、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記レーザ光が透過する部位と、当該レーザ光が透過する部位と比べて透過率が相対的に低い部位とを有し、当該透過率が相対的に低い部位により碁盤目形状が形成される第1のゲージと、
    前記第1のゲージを水平に保持する第1の保持手段と、を有し、
    前記第1の保持手段は、前記第1のゲージを前記作業模型の上側で、且つ、前記レーザ光の照射方向に対して直交する方向へ移動可能に構成されることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  4. 前記第1のゲージは矩形形状であり、当該第1のゲージにおける前記透過率が相対的に低い部位により形成される形状は複数の縦方向及び横方向のラインとして形成され、当該縦方向に伸びるラインは当該第1のゲージの縦方向中心を基準にして左右対称に所定の間隔を開けて形成され、当該横方向に伸びるライン間の間隔はそれぞれが異なる間隔で形成されることを特徴とする、
    請求項3に記載の診断装置。
  5. 前記レーザ光が透過する部位と、当該レーザ光が透過する部位と比べて透過率が相対的に低い部位とを有し、当該透過率が相対的に低い部位により平行する複数のラインが形成される第2のゲージと、
    前記第2のゲージを保持する第2の保持手段と、を有し、
    前記第2の保持手段は、前記第2のゲージを前記作業模型の側面に対向する位置に移動可能に構成されることを特徴とする、
    請求項1乃至4いずれか一項に記載の診断装置。
  6. 前記第2の保持手段は、前記第2のゲージに形成された前記ラインの水平方向に対する傾斜角度が所定の角度となるように当該第2のゲージを保持することを特徴とする、
    請求項5に記載の診断装置。
  7. 前記作業模型の側面に向けて線形状のレーザ光を水平に照射する第4の照射手段を有することを特徴とする、
    請求項1乃至6いずれか一項に記載の診断装置。
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